JP2793254B2 - 副変速機の変速制御装置 - Google Patents

副変速機の変速制御装置

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JP2793254B2
JP2793254B2 JP1122875A JP12287589A JP2793254B2 JP 2793254 B2 JP2793254 B2 JP 2793254B2 JP 1122875 A JP1122875 A JP 1122875A JP 12287589 A JP12287589 A JP 12287589A JP 2793254 B2 JP2793254 B2 JP 2793254B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は多段自動変速機に用いる副変速機の変速制御
装置に関するものである。
(従来の技術) 多段自動変速機は主変速機と副変速機とをタンデムに
結合して構成し、例えば特開昭59−113351号公報に記載
された如きものが知られている。
この種多段自動変速機において、副変速機は一般的に
ダイレクトクラッチ(高速選択用摩擦要素)とリダクシ
ョンブレーキ(低速選択用摩擦要素)とを具え、これら
を選択的に油圧動作させることにより高低速切換えが可
能となるよう構成する。加えて副変速機には、正駆動中
(入力側から出力側への伝動中)リダクションブレーキ
の代用機能を果たし得るワンウェイクラッチを設け、高
低速切換えに当りリダクションブレーキを開放してダイ
レクトクラッチを締結する時、ダイレクトクラッチによ
り結合すべき回転メンバ同士が逆方向へ回転してダイレ
クトクラッチの摩耗を早めたり、ダイレクトクラッチの
締結ショックを生ずることのないようにする。従って、
リダクションブレーキは実際上正駆動中締結しなくても
伝動機能に支障を来すことはないが、逆回転出力中(後
退走行中)は締結しないと動力伝達不能となる。
しかして、正駆動中リダクションブレーキも締結しな
いのでは、この時ダイレクトクラッチも締結しておら
ず、この態様と、高速選択のためダイレクトクラッチの
みを締結する態様と、低速選択中逆回転出力のためリダ
クションブレーキのみを締結する態様との3態様が存在
し、これらの間で態様切換えするのでは副変速機の高低
速切換えに複数の弁が必要になる。そこで前記文献にも
記載の如く、低速選択に当たっては逆回転出力時だけで
なく正駆動時もリダクションブレーキを締結するよう構
成するのが常識的である。
そして、副変速機の高低速切換えは従来、前記文献に
記載された、本明細書に添付の3図に略示する如き回路
により達成する。即ちシフト弁SFVは低速選択圧PLSが存
在する時、リダクションブレーキRD/Bをライン圧PLによ
り締結すると共にダイレクトクラッチD/Cをドレンして
開放することにより副変速機を低速選択状態にする。又
シフト弁SFVは高速選択圧PHSが存在する時、ダイレクト
クラッチD/Cをライン圧PLにより締結すると共にリダク
ションブレーキRD/Bをドレンして開放することにより副
変速機を高速選択状態にする。そしてこれら高低速切換
えに当り、リダクションブレーキ締結圧及びダイレクト
クラッチ締結圧の立上がりが夫々のアキュムレータACC
1,ACC2により過度制御され、変速ショックの緩和に寄与
する。
(発明が解決しようとする課題) しかしかようにダイレクトクラッチD/Cのアキュムレ
ータACC2で締結圧に棚圧を設定する構成では、この締結
圧を抜いて行うダウンシフト変速時アキュムレータACC2
が戻りストロークで、抜き回路の抵抗と相俟って締結圧
に短時間の高い抜き棚を形成し、ダイレクトクラッチD/
Cの開放遅れを生ずる。この開放遅れは当該ダウンシフ
ト変速で生じるべきエンジンの吹け上がり、つまり変速
遅れを生ずる。加えて、抜き棚が短いためダイレクトク
ラッチD/Cの開放時に残圧がなく、クラッチが引き摺り
ながら開放するような動作を行い得ず、いきなり開放さ
れて低速選択状態への変速時に機能するワンウェイクラ
ッチの締結ショックを生ずる。
本発明は上記の抜き棚が低くて長くなるような対策を
して上述の問題を解消することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的のため、本発明による副変速機の変速制御装
置は、 単一の遊星歯車組を有し、ダイレクトクラッチの油圧
作動により該遊星歯車組における2個の回転メンバを結
合することで直結状態となり、リダクションブレーキの
油圧作動により前記遊星歯車組における1個の回転メン
バを固定することで減速状態となって、高低速切換えが
可能で、 正駆動中に前記リダクションブレーキの代用機能を果
たし得るワンウェイクラッチ、および前記ダイレクトク
ラッチの作動時における締結ショックを防止するため、
ダイレクトクラッチ作動圧回路内のダイレクトクラッチ
作動圧に、上昇過程で棚圧を設定するアキュムレータを
それぞれ設けた副変速機を具え、 この副変速機を、エンジン、主変速機、副変速機の順
に相互に駆動結合して配置し、主変速機を経由したエン
ジン回転を副変速機により高低速切換えして出力する多
段自動変速機であって、且つ、 変速機全体として隣り合う変速段間での変速を行う際
には、前記主・副変速機の何れか一方のみを変速させ
て、対応する変速を達成するよう構成した多段自動変速
機において、 前記ダイレクトクラッチ作動圧回路へ前記アキュムレ
ータを接続するためのアキュムレータ接続回路中に、ア
キュムレータからダイレクトクラッチ作動圧回路への油
流に対し絞り効果を持ったワンウェイオリフィスを挿置
して、 前記ダイレクトクラッチを非作動に切り換えると共
に、前記リダクションブレーキを作動状態に切り換え
て、副変速機のみを前記直結状態から減速状態に切り換
えることにより行う多段自動変速機のダウンシフト変速
時、ダイレクトクラッチ作動圧に、前記上昇過程での棚
圧よりも長時間で低い、低下過程での棚圧を設定して、
ダイレクトクラッチの前記非作動を、その開始が早まっ
てダウンシフト変速に見合うエンジン回転の吹け上がり
が早まると共に、その進行が徐々になって前記ワンウエ
イクラッチの締結ショックが回避されるよう制御する構
成にしたことを特徴とするものである。
(作用) 副変速機はリダクションブレーキの油圧作動により減
速状態となり、ダイレクトクラッチの油圧作動により直
結状態となり、これらの状態と主変速機の選択変速段と
の組合せで多段自動変速機は多数の変速段を得ることが
できる。なお副変速機は正駆動中リダクションブレーキ
の代用機能を果たし得るワンウェイクラッチを具え、高
低速切換えに当りリダクションブレーキを開放した時
も、ダイレクトクラッチで締結すべき回転メンバ同士の
逆回転を防止し得て、ダイレクトクラッチの早期摩耗や
締結ショックを回避することができる。
また副変速機では、ダイレクトクラッチが油圧作動す
る際、アキュムレータがダイレクトクラッチ作動圧に棚
圧を設定してその締結ショックを防止する。
そして、副変速機を直結状態から減速状態へ切換える
に際してダイレクトクラッチを開放する時、このダイレ
クトクラッチに対するアキュムレータの接続回路に設け
たワンウェイオリフィスは、ドレン回路の抵抗との関連
においてダイレクトクラッチ作動圧にその低下過程で、
短くて高い抜き棚が形成されるのを防止し、この低下過
程の棚圧を上昇過程での棚圧よりも長くて低いものとな
すことができ、ダイレクトクラッチの開放を早期に開始
させ得ると共に徐々に進行させることが可能になる。
よって、ダイレクトクラッチの開放による副変速機の
直結状態から減速状態への切換えのみにより生起させる
多段自動変速機のダウンシフト変速時に生ずべきエンジ
ン回転の変速後同期回転への吹け上がりを速やかに行わ
せることができ、変速遅れを防止し得ると共に、 ダイレクトクラッチの開放が一挙になされず、徐々に
行われることから、副変速機の直結状態から減速状態へ
の切換え時に機能するワンウェイクラッチの締結ショッ
クが生ずるのを防止し得る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示す多段自動変速機の変
速制御油圧回路を、又第2図はこのシステムにより変速
制御すべき歯車変速機構を夫々示す。
先ず、第2図の歯車変速機構を説明するに、1は入力
軸、2は出力軸を夫々示す。これら入出力軸1,2を同軸
突合せ関係に設け、入力軸1上に同心に主遊星歯車変速
機構3を、又出力軸2上に同心に副遊星歯車変速機構4
を夫々配置する。
主遊星歯車変速機構3は、本願出願人が1987年に発行
した「オートマチックトランスミッションRE4R01A型整
備要領書」(A261C07)中第1−53頁に記載の変速機構
と同じもので、2個の第1及び第2遊星歯車組5,6をタ
ンデムに具え、これらは夫々第1及び第2サンギヤ5S
6S、第1及び第2リングギヤ5R,6R、これらサンギヤ及
びリングギヤに噛合するピニオン5P,6P、これらピニオ
ンを回転自在に支持する第1及び第2キャリア5C,6C
りなる単純遊星歯車組とする。
サンギヤ5SをバンドブレーキB/Bにより固定可能とす
る他、リバースクラッチR/Cにより入力軸1に結合可能
とする。キャリア5CはハイクラッチH/Cにより入力軸1
に結合可能とする他、ローワンウェイクラッチL/OWCに
より入力軸1と逆の方向へ回転不能とすると共に、ロー
リバースブレーキLR/Bにより固定可能とする。キャリア
5Cは更にフォワードクラッチF/Cにより、ローワンウェ
イクラッチL/OWCと同方向に配置したフォワードワンウ
ェイクラッチF/OWCのアウターレースに結合可能とし、
フォワードワンウェイクラッチのインナーレースをリン
グギヤ6Rに結合する。又リングギヤ6Rはオーバーランク
ラッチOR/Cによりキャリア5Cに結合可能とし、サンギヤ
6Sを入力軸1に結合する。
副遊星歯車変速機構4は第3遊星歯車組7を具え、こ
れを第3サンギヤ7S、第3リングギヤ7R、これらに噛合
するピニオン7P、及びピニオン7Pを回転自在に支持する
第3キャリア7Cよりなる単純遊星歯車組とする。主遊星
歯車変速機構3の出力要素であるキャリア6Cにリングギ
ヤ7Rを結合し、キャリア7Cを出力軸2に結合する。リン
グギヤ7Rは更にダイレクトクラッチD/Cにより適宜サン
ギヤ7Sに結合可能とし、更にこのサンギヤ7Sはリダクシ
ョンワンウェイクラッチRD/OWCにより入力軸1と逆の方
向の回転を阻止する他、リダクションブレーキRD/Bによ
り適宜固定可能とする。
上記実施例の歯車変速装置は運転者が手動で希望する
走行形態に応じ選択する走行(D,III,II,R)レンジ毎
に、前記クラッチやブレーキを次表に示す組合せで作動
させる(○印で示す)ことにより前進第1速乃至第5速
及び後退の変速段を得ることができる。但し、走行を希
望しない中立(N)レンジ又は駐車(P)レンジでは、
主遊星歯車変速機構の全摩擦要素(クラッチやブレー
キ)を非作動にしてここで副遊星歯車変速機構への動力
伝達が不能な状態にする。
先ず、主遊星歯車変速機構3の作用を説明するに、フ
ォワードクラッチF/Cを作動させると、これによりフォ
ワードワンウェイクラッチF/OWC及びローワンウェイク
ラッチL/OWCを介してリングギヤ6Rが入力軸1と逆方向
の回転を阻止される。このため入力軸1からサンギヤ6S
への回転はピニオン6Pをリングギヤ6R内で転動させ、キ
ャリア6Cを入力軸1と同方向に減速して正転させる1速
状態となる。この時の変速比はサンギヤ6Sとリングギヤ
6Rのギヤ比をα2とすると、 である。しかしてこの1速状態でキャリア6Cが入力軸1
と同方向へ高速で逆駆動される時、ワンウェイクラッチ
F/OWC,L/OWCの開放により入力軸1に逆駆動力が伝わら
ず、エンジンブレーキは得られない。エンジンブレーキ
の希望時は、前記表中△印で示すようにオーバランクラ
ッチOR/C及びローリバースブレーキLR/Bを作動させてワ
ンウェイクラッチF/OWC及びL/OWCの解放をころす必要が
ある。
フォワードクラッチF/C及びバンドブレーキB/Bを作動
させると、バンドブレーキB/Bによりサンギヤ5Sが固定
されて反力受けの用をなし、フォワードクラッチF/C及
びフォワードワンウェイクラッチF/OWCの作動と相俟っ
て入力軸1からサンギヤ6Sへの動力はキャリア6Cを1速
状態より高速で正転させ、2速状態が得られる。この時
の変速比はサンギヤ5Sとリングギヤ5Rとのギヤ比をα1
とすると、 である。しかして、逆駆動力はフォワードワンウェイク
ラッチF/OWCの解放により入力軸1に至らず、エンジン
ブレーキが得られない。エンジンブレーキの希望時は、
前記表中△印で示すようにオーバーランクラッチOR/Cを
作動させてフォワードワンウェイクラッチF/OWCの解放
をころす必要がある。
フォワードクラッチF/C及びハイクラッチH/Cを作動さ
せると、これらによりリングギヤ6Rが入力軸1と共に回
転するようになり、入力軸1に結合されているサンギヤ
6Sとリングギヤ6Rの一体回転によりキャリア6Cが入力軸
1と同一の回転を行う3速(直結)選択状態が得られ
る。この状態でもフォワードワンウェイクラッチF/OWC
は逆駆動時解放されてエンジンブレーキを得られなくす
るため、エンジンブレーキの要求時はオーバーランクラ
ッチOR/Cを作動させてフォワードワンウェイクラッチF/
OWCの解放をころす必要がある。
ハイクラッチH/C及びバンドブレーキB/Bを作動させる
と、ハイクラッチH/Cの作動でキャリア5Cが入力軸1と
共に回転し、バンドブレーキB/Bの作動でサンギヤ5C
固定されるため、サンギヤ5S上でのピニオン5Pの転動を
介し、リングギヤ5R、従ってキャリア6Cは増速下に正転
し、変速比が の4速(増速)選択状態を得ることができる。なおこの
4速選択状態では、フォワードワンウェイクラッチF/OW
CがあるためフォワードクラッチF/Cを作動させたままで
も支承がなく、このフォワードクラッチを変速の便宜上
作動状態のままに保つ。
リバースクラッチR/C及びローリバースブレーキLR/B
を作動させると、リバースクラッチR/Cの作動でサンギ
ヤ5Sが入力軸1と共に回転し、ローリバースブレーキLR
/Bの作動でキャリア5Cが固定されるため、リングギヤ
5R、従ってキャリア6Cは入力軸1と逆方向に逆転され、
変速比が−1/α1の後退選択状態を得ることができる。
次に、副遊星歯車変速機構4の作用を説明するに、リ
ダクションブレーキRD/Bを作動させると、サンギヤ7S
固定され、キャリア6Cからリングギヤ7Rへの回転動力は
ピニオン7Pをサンギヤ7Sの周りに転動させつつキャリア
7C、従って出力軸2へ減速下に伝達され、減速状態が得
られる。よってリダクションブレーキRD/Bは副変速機の
低速選択用摩耗要素として機能する。この時変速比は、
サンギヤ7Sとリングギヤ7Rのギヤ比をα3とすると1+
α3になる。
ダイレクトクラッチD/Cを作動させると、サンギヤ7S
がリングギヤ7Rに結合されてキャリア6Cの回転動力がそ
のままキャリア7Cより出力軸2へ伝達される直結状態を
得ることができる。よってダイレクトクラッチD/Cは副
変速機の高速選択用摩擦要素として機能する。
なお、リダクションブレーキRD/Bを作動状態から非作
動状態に切換える時、ダイレクトクラッチD/Cの作動前
にサンギヤ7Sがキャリア6C及びリングギヤ7Rと逆の方向
へ回転すると、ダイレクトクラッチD/Cの摩耗を早める
だけでなく、これを作動した時のショックが大きくな
り、変速ショックの原因となる。しかして、ワンウェイ
クラッチRD/OWCはリングギヤ7Rの上記の回転を防止し、
上述の問題を解消するのに有用である。
又かかるワンウェイクラッチRD/OWCはリダクションブ
レーキRD/Bを作動させる必要のない場合を生ずるが、副
遊星歯車変速機構をダイレクトクラッチまたはリダクシ
ョンブレーキを作動させた2状態のみにして高低速切換
回路を簡素化するため、リダクションブレーキを不要な
時も作動させることとした。
変速装置全体としては前記の表から明らかなように、
主変速機3の1速と副変速機4の減速状態とで、変速比
の第1速(超低速段)を得ることができ、副変速機4は
このままに保持して主変速機3を第2速、第3速(直
結)状態にすることで夫々、変速比が の第2速及び第3速を得ることができる。そして、主変
速機3を第3速(直結)状態のままに保持し、副変速機
4を直結状態にすることで、変速比が1の第4速(直結
変速段)を得ることができ、副変速機4を直結状態のま
まに保持して主変速機3を4速(増速)状態にすること
で、変速比が の第5速を得ることができる。
又、後退の変速段は副変速機4の減速状態で主変速機
3を後退状態にすることにより得ることができ、この時
の変速比は となる。
更に前記の表に示した変速比の例は、ギヤ比α1
α2,α3を夫々遊星歯車組5〜7の強度上及び耐久上好
ましいとされる0.4〜0.6の範囲内において、0.441,0.56
0,0.384と定めた場合の値であるが、この変速比の例か
らも明らかなように適切な変速比を得ることができると
共に、最低速段(第1速)と最高速段(第5速)との間
の変速比幅が大きくなるような態様で歯車変速装置の5
速化を達成することができる。
次に、上記伝動列を変速制御する第1図の油圧回路を
説明する。この油圧回路はエンジン駆動されるオイルポ
ンプO/P、プレッシャレギュレータ弁20、パイロット弁2
2、デューティソレノイド24、プレッシャモディファイ
ア弁26、モディファイアアキュムレータ28、アキュムレ
ータコントロール弁30、トルクコンバータリリーフ弁3
2、ロックアップコントロール弁34、ロックアップソレ
ノイド36、マニュアル弁38、第1シフトソレノイドA、
第2シフトソレノイドB、第3シフトソレノイドC、オ
ーバーランクラッチソレノイド40、第1シフト弁42、第
2シフト弁44、第3シフト弁46、5−2リレー弁48、5
−2シークエンス弁50、1−2アキューム弁52、N−D
アキュムレータ54、3,4速サーボレリーズ兼リバースク
ラッチアキュムレータ56、アキュムレータ切換弁58、5
速サーボアプライアキュムレータ60、オーバーランクラ
ッチコントロール弁62、オーバーランクラッチ減圧弁6
4、リダクションタイミング弁66、リダクションブレー
キアキュムレータ68、ダイレクトクラッチアキュムレー
タ70、及びIIレンジ減圧弁72を主たる構成要素とし、こ
れらを、第2図の入力軸1と図示せざるエンジンとの間
に介挿したトルクコンバータT/C、前記フォワードクラ
ッチF/C、ハイクラッチH/C、バンドブレーキB/B、リバ
ースクラッチR/C、ローリバースブレーキLR/B、オーバ
ーランクラッチOR/C、ダイレクトクラッチD/C及びリダ
クションブレーキRD/Bに対し図示の如く接続して構成す
る。
なおトルクコンバータT/Cは入出力要素間を適宜直結
可能なロックアップ式とし、レリーズ室RELに作動油を
供給してアプライ室APLより作動油を排出する時上記の
直結を解かれたコンバータ状態でエンジン動力を第2図
の入力軸1に伝達し、作動油を逆方向に通流させる時入
出力要素間が直結されたロックアップ状態でエンジン動
力を第2図の入力軸1に伝達する周知のものとする。
又バンドブレーキB/Bは特開昭62−159839号公報によ
り周知のサーボで適宜締結されるものとし、2速サーボ
アプライ室2S/Aのみに圧力を供給される時締結し、3,4
速サーボレリーズ室3,4S/Rにも圧力を供給される時解放
し、更に加えて5速サーボアプライ室5S/Aにも圧力を供
給される時再度締結するものである。
プレッシャレギュレータ弁20はばね20a,20jにより図
示位置に弾支されたスプール20b及び該スプールの図中
下端面に対設したプラグ20cを具え、基本的にはオイル
ポンプO/Pがライン圧回路81への吐出オイルをばね20a,2
0jのばね力で決まる或る圧力に調圧するも、プラグ20c
によりばね20jがばね力を増大される時その分上記の圧
力を上昇させて所定のライン圧にするものである。この
目的のためプレッシャレギュレータ弁20は、ダンピング
オリフィス82を経て回路81内の圧力をスプール20bの受
圧面20dに受け、これでスプール20bを下向きに付勢され
るよう構成し、スプール20bのストローク位置に応じ開
閉されるポート20e〜20hを設ける。ポート20eは回路81
に接続し、スプール20bが図示位置から下降するにつれ
ポート20h,20fに通ずるよう配置する。ポート20fはスプ
ール20bが図示位置から下降するにつれ、ドレンポート
としたポート20gとの連通が減じられ、これとの連通を
断たれる時点でポート20eに連通され始めるよう配置す
る。そしてポート20fを途中にブリード83が存在する回
路84を経てオイルポンプO/Pの容量制御アクチュエータ8
5に接続し、これへの脈動をフィードバックアキュムレ
ータ86で抑制する。オイルポンプO/Pはエンジン駆動さ
れる可変容量ベーンポンプとし、偏心量をアクチュエー
タ85に向かう圧力が或る値以上になる時減じられて容量
が小さくなるものとする。プレッシャレギュレータ弁20
のプラグ20cはその図中下端面に回路87からのモディフ
アィア圧を受けると共に、受圧面20iに回路88からの後
退選択圧を受け、これら圧力に応じた図中上向きの力を
ばね20jに付加し、そのばね力を増大するものとする。
プレッシャレギュレータ弁20は常態で図示状態とな
り、ここでオイルポンプO/Pからオイルが吐出される
と、このオイルは回路81に流入する。スプール20bの図
示位置で回路81のオイルは一切ドレンされず、圧力上昇
する。この圧力はオリフィス82を経て、受圧面20dに作
用し、スプール20bをばね20a,20jに抗して押下げ、ポー
ト20eをポート20hに通ずる。これにより上記の圧力はポ
ート20hより一部ドレンされて低下し、スプール20bがば
ね20a,20jにより押戻される。かかる作用の繰返しによ
りプレッシャレギュレータ弁20は基本的には回路81内の
圧力(ライン圧)をばね20a,20jのばね力に対応した値
とする。ところで、プラグ20cには回路87からのモディ
ファイア圧による上向きの力が作用しており、プラグ20
cがモディファイア圧に応じてばね20jのばね力を増大
し、又モディファイア圧が後述のように後退選択時以外
で発生し、エンジン負荷(エンジン出力トルク)に比例
して高くなることから、上記のライン圧は後退選択時以
外でエンジン負荷の増大に応じ高くなる。
後退選択時プラグ20cには上記モディファイア圧に代
え回路88からの後退選択圧(ライン圧と同じ値)による
上向き力が作用し、これがスプール20bに及ぶため、ラ
イン圧は後退選択時所望の一定値となる。オイルポンプ
O/Pが或る回転数以上(エンジンが或る回転数以上)に
なると、それにともなって増大するオイル吐出量が過多
となり、回路81内の圧力が調圧値以上となる。この圧力
はスプール20bを調圧位置より更に下降させ、ポート20f
をポート20eに通じ、ドレンポート20gから遮断する。こ
れによりポート20eのオイルが一部ポート20f及びブリー
ド83より排除されるが、回路84内にフィードバック圧を
発生する。このフィードバック圧はオイルポンプO/Pの
回転数が高くなるにつれ上昇し、アクチュエータ85を介
してオイルポンプO/Pの偏心量(容量)を低下させる。
かくて、オイルポンプO/Pは回転数が或る値以上の間、
吐出量が一定となるよう容量制御され、オイルの必要以
上の吐出によってエンジンの動力損失が大きくなるのを
防止する。
上記のように回路81に発生したライン圧はパイロット
弁22、マニュアル弁38、第3シフト弁46及び3,4速サー
ボレリーズ兼リバースクラッチアキュムレータ56に供給
する。
パイロット弁22はばね22aにより図示位置に弾支され
たスプール22bを具え、ばね22aから遠いスプール22bの
端面を室22cに臨ませる。パイロット弁22には更にドレ
ンポート22dを設け、これとライン圧回路81との間にフ
ィルター89を有したパイロット圧回路90を接続し、この
回路90をオリフィス91を経て室22cに接続する。
パイロット弁22は常態で図示状態となり、ここで回路
81からのライン圧はパイロット圧回路90に供給されてこ
の回路にパイロット圧を生ぜしめる。そして、パイロッ
ト圧はオリフィス91を経て室22cにフィードバックさ
れ、スプール22bをばね22aに抗し押戻す。パイロット圧
がばね22aのばね力に対応した値になる時回路90がドレ
ンポート22dに切換接続され、回路90内のパイロット圧
はばね22aのばね力に対応した一定値を保つ。このパイ
ロット圧は回路90によりシフトソレノイドA,B,C及びオ
ーバーランクラッチソレノイド40に導く他、プレッシャ
モディファイア弁26、オリフィス92,93、ロックアップ
コントロール弁34およびロックアップソレノイド36に供
給し、更には第3シフト弁46にも供給する。
デューティソレノイド24はオリフィス92に接続したド
レン回路94のドレンポートを通常は閉じており、ON時こ
のドレンポートを開くものとする。しかしてこのソレノ
イド24は後述する他のソレノイドと共にコンピュータに
より制御し、一定のON,OFF周期に対するON時間の比率
(デューティ比)が増大するにつれドレン回路94内の制
御圧を低下させ、デューティ0%でこの制御圧を元圧で
あるパイロット圧と同じ値にし、デューティ100%で制
御圧を0にする。デューティ比は後退レンジ選択時以外
でエンジン負荷(例えばエンジンスロットル開度)の増
大につれ小さくし、これにより上記の制御圧をエンジン
負荷の増大につれ高くなす。又、後退レンジ選択時デュ
ーティ比は100%として、上記の制御圧を0にする。
プレッシャモデュファイア弁26はばね26a及び回路94
からの制御圧により図中下向きに付勢されたスプール26
bを具え、プレッシャモディファイア弁26には更に前記
の回路87を接続する出力ポート26c、パイロット圧回路9
0を接続する入力ポート26d及びポート26g、更にドレン
ポート26eを設ける。又ばね26aから遠いスプール26bの
端面が臨む室26fに回路87内のモディファイア圧をフィ
ードバックするオリフィス26hをスプール26bに形成す
る。なお、ばね26aのばね力はポート26gからのパイロッ
ト圧による力よりも大きな値とし、両者の力の差だけモ
ディファイア圧が以下の調圧作用中回路94からの制御圧
を増幅した値となるようにする。
プレッシャモディファイア弁26のスプール26bはばね2
6aによる力及び回路94からの制御圧による力を図中下向
きに向け、室26fにフィードバックされたモディファイ
ア圧による力及びポート26gからのパイロット室による
力を図中上向きに受け、これら力がバランスする位置に
スプール26bはストロークされる。モディファイア圧が
上記下向きの力に見合わず不十分である場合、スプール
26bは出力ポート26cを入力ポート26dに通じてパイロッ
ト圧の補充によりモディファイア圧を上昇させ、逆にモ
ディファイア圧が過大である場合、スプール26bは出力
ポート26cをドレンポート26eに通じてモディファイア圧
を低下させる。かかる作用の繰返しによりプレッシャモ
ディファイア弁26は回路87のモディファイア圧を、ばね
26aによる力とポート26gからのパイロット圧による力と
の差、及び回路94からの制御圧による力の和値に対応し
た値に調圧し、モディファイア圧をプレッシャレギュレ
ータ弁20のプラグ20cに作用させる。ところで制御圧が
前記の如く後退選択時以外エンジン負荷が増大につれ高
くなるものであり、後退選択時0であることから、この
制御圧を上記の差だけ増幅したモディファイア圧も後退
選択時以外でエンジン負荷の増大につれ高くなり、後退
選択時0となり、プレッシャレギュレータ弁20による前
記のライン圧制御を可能にする。なお、回路87のモディ
ファイア圧は上記調圧作用中における脈動をモディファ
イアアキュムレータ28により抑制される。
トルクコンバータリリーフ弁32はばね32aにより図示
位置に弾支されるスプール32bを具え、このスプールは
図示位置で出力ポート32cを入力ポート32dに通じ、図中
上昇するにつれこの連通を減少すると共に出力ポート32
cをドレンポート32eに切換接続するものとする。スプー
ル32bのストロークを制御するために、ばね32aから遠い
スプール端面が臨む室32fにポート32cの出力圧をフィー
ドバックするオリフィス32gをスプール32bに形成する。
そして出力ポート32cはリリーフ弁95を介し前部潤滑部F
R/LUBに通じさせると共に、回路96によりロックアップ
コントロール弁34に接続する。入力ポート32dは回路97
によりプレッシャレギュレータ弁20のポート20hに接続
し、プレッシャレギュレータ弁20からの漏れ油をトルク
コンバータT/Cの作動油として入力ポート32dに導く。
トルクコンバータリリーフ弁32は常態で図示状態とな
り、プレッシャレギュレータ弁20から入力ポート32dへ
の漏れ油は回路96を経てロックアップコントロール弁3
4、従ってトルクコンバータT/Cに供給される。ここでト
ルクコンバータ供給圧が発生すると、この圧力はオリフ
ィス32gより室32fにフィードバックされてスプール32b
をばね32aに抗し図中上昇させる。トルクコンバータ供
給圧がばね32aのばね力に対応した設定値を越えると、
スプール32bは出力ポート32cをドレンポート32eに通じ
て、トルクコンバータ供給圧を低下させ、この圧力をば
ね32aのばね力に対応した設定値以下に保つ。なお、か
かるリリーフ機能によってもトルクコンバータ供給圧が
上記設定値を越える場合、リリーフ弁95が開いて圧力過
剰分を前部潤滑部FR/LUBに逃がし、トルクコンバータT/
Cの変形を防止する。
ロックアップコントロール弁34はスプール34aを具
え、その両端に段付プラグ34b及びプラグ34cを同軸に突
合せ、スプール34a及びプラグ34c間にばね34dを介挿し
て構成する。スプール34aは図示位置と逆の限界位置に
ある時、回路96をトルクコンバータT/Cのレリーズ室REL
に通じた回路98に接続すると共に、トルクコンバータア
プライ室APLに通じた回路99をドレン回路100に接続す
る。この時回路96からのトルクコンバータ作動油はレリ
ーズ室RELからアプライ室APLへとトルクコンバータT/C
内を通流し、トルクコンバータをコンバータ状態にす
る。通流後の作動油はドレン回路100よりオイルクーラC
OOLに導かれ、ここで冷却された後に後部潤滑部RR/LUB
に向かう。スプール34aが図示の限界位置にある時、回
路96は回路99に接続され、回路98はドレンポート34eに
接続される。この時回路96のトルクコンバータ作動油は
アプライ室APLからレリーズ室RELへとトルクコンバータ
T/C内を通流し、トルクコンバータをロックアップ状態
にする。なおこのロックアップ状態では、トルクコンバ
ータ内を通流した後の作動油がドレンポート34eより排
除されるため、オイルクーラCOOLを通らないが、この間
オリフィス101,102がトルクコンバータをバイパスして
作動油をオイルクーラCOOLに導き、その冷却並びに後部
潤滑部RR/LUBの潤滑を補償する。
スプール34aのストローク制御のために、これとプラ
グ34c間の室34fにドレン回路103を接続し、この回路を
前記パイロット圧回路90のオリフィス93に接続すると共
に、回路103のドレンポートにこれを通常は閉じるロッ
クアップソレノイド36を対設する。そして段付プラグ34
bには、トルクコンバータレリーズ室回路98内の圧力を
オリフィス104を経て、又パイロット圧回路90の圧力を
オリフィス105を経て夫々図中下向きに作用させる。
ロックアップソレノイド36のON,OFFを図示せざるコン
ピュータにより制御し、このコンピュータはトルクコン
バータT/Cをロックアップすべき走行条件か否かを判別
する。ロックアップすべきでなければロックアップソレ
ノイド36をOFFして閉じることによりドレン回路103内に
元圧であるパイロット圧と同じ値の圧力を生じさせる。
この圧力は室34fに至ってばね34dとの共働によりスプー
ル34aをオリフィス104,105から入力されて段付プラグ34
bに作用するレリーズ圧及びパイロット圧に抗し図中上
昇させ、これによりトルクコンバータT/Cを要求通りコ
ンバータ状態にする。ロックアップすべきであれば、ロ
ックアップソレノイド36をONして開き、ドレン回路103
を無圧状態にする。この時、オリフィス105から入力さ
れるパイロット圧が段付プラグ34bをスプール34aと共に
ばね34dに抗して図中下降させ、これによりトルクコン
バータT/Cを要求通りロックアップ状態にする。
しかして本例では、前進第1速選択時と後退レンジ選
択時にロックアップを禁止するため、スプール34aから
遠いプラグ34cの端面が臨む室34gを回路106によりシャ
トル弁107の出力ポートに接続し、該シャトル弁の2入
力ポートに夫々前記した後退選択圧回路88及び1速選択
圧回路108を接続する。これら回路88又は108に圧力が発
生する後退選択時又は第1速選択時、対応する選択圧が
シャトル弁107より室34gに至り、プラグ34cを介しスプ
ール34aを図中上昇させてトルクコンバータT/Cをコンバ
ータ状態にする。なお、オリフィス105からのパイロッ
ト圧は段付プラグ34bを常時下向きに付勢し、この段付
プラグ、スプール34a及びプラグ34cが振動するのを防止
する。
マニュアル弁38は、運転者の手動によるセレクト操作
により駐車(P)レンジ、後退(R)レンジ、中立
(N)レンジ、前進自動変速(D)レンジ、前進第3速
エンジンブレーキ(III)レンジ、前進第2速エンジン
ブレーキ(II)レンジ(第1速エンジンブレーキレンジ
に兼用)にストロークされるスプール38aを具え、該ス
プールの選択レンジに応じライン圧回路81を次表の如く
ポート38D,38III,38II,38Rに通じさせるものとする。な
お、この表中○印がライン圧回路81に通じるポートを示
し、無印はドレンされているポートを示す。
ポート38DはDレンジ圧回路110によりアキュムレータ
コントロール弁30、フォワードクラッチF/C、アキュム
レータ切換弁58、第1シフト弁42、第2シフト弁44及び
オーバーランクラッチコントロール弁62に接続する。
又、ポート38IIIはIIIレンジ圧回路111によりシャトル
弁112の対応入力に接続し、ポート38IIはIIレンジ圧回
路113によりIIレンジ減圧弁72に接続し、ポート38Rには
前記の後退選択圧回路88を接続する。回路88は前記した
通りプレッシャレギュレータ弁20及びシャトル弁107に
接続してプレッシャレギュレータ弁20による前記後退選
択時のライン圧調整機能及びロックアップコントロール
弁34による前記後退選択時のロックアップ禁止作用を行
わせるだけでなく、ワンウェイオリフィス114及びシャ
トル弁115の対応入力ポートを経てローリバースブレー
キLR/Bに接続すると共に、ワンウェイオリフィス117を
経てリバースクラッチR/Cに接続する。
アキュムレータコントロール弁30は段付スプール30a
を具え、その大径端部が臨む室30bを前記回路94に接続
し、大径端部が臨む室30cを大気開放とする。従ってス
プール30aは、デューティソレノイド24により前記した
如くに調整される回路94内の圧力により図中上昇され、
出力ポート30dがドレンポート30eから遮断されてDレン
ジ圧回路110に通じる時、ポート30dよりアキュムレータ
背圧が出力される。この圧力はスプール30aの両端ラン
ドの受圧面積差に作用してスプール30aを図中下向きに
付勢し、室30b内の圧力と対向する。そして、両者がバ
ランスするようスプール30aはストロークし、ポート30d
からのアキュムレータ背圧は室30b内の圧力に応じて変
化する。しかして、室30b内の圧力がデューティソレノ
イド24により前記した如く後退レンジ以外でエンジン負
荷の上昇につれ高くなるよう調整されること、又元圧で
あるDレンジ圧回路110の圧力が前進走行(D,III,II)
レンジでしか発生しないことから、アキュムレータ背圧
は前進走行レンジ選択中に限って発生し、エンジン負荷
の上昇につれ高くなって該当するアキュムレータの容量
をエンジン負荷に対応したしたものにすることができ
る。なおアキュムレータ背圧は回路116により1−2ア
キュムレータ弁52、N−Dアキュムレータ54、5速サー
ボアプライアキュムレータ60、ダイレクトクラッチアキ
ュムレータ70及びオーバーランクラッチ減圧弁64に供給
する。
フォワードクラッチF/Cの直前におけるDレンジ圧回
路110の部分にワンウェイオリフィス120を挿入し、この
ワンウェイオリフィス及びフォワードクラッチF/C間に
内径の異なるものと交換可能なワンウェイカップ121を
介してN−Dアキュムレータ54及びアキュムレータ切換
弁58を順次接続する。
第1シフト弁42はばね42aにより図示位置に弾支され
たスプール42bを具え、このスプールは第1シフトソレ
ノイドAのON(閉)で室42cに回路90からのパイロット
圧を供給する時図示位置から上昇されるものとする。ス
プール42bの図示位置でDレンジ圧回路110を2速圧回路
122に通じ、1速圧回路108をドレンポート42dに通じ、I
Iレンジ圧回路124をドレンポート42fに通じ、回路125,1
26間を通じ、又スプール42bの上昇位置で回路108を回路
127に通じ、回路122を回路128に通じ、回路124を回路12
9に通じ、回路126を回路128に通じる。
回路122はチェック弁130を経てバンドブレーキB/Bの
2速サーボアプライ室2S/Aに接続し、回路124をシャト
ル弁115の対応入力に接続し、回路125を5−2リレー弁
48に接続し、回路126を5−2リレー弁48及びオーバー
ランクラッチコントロール弁62に接続し、回路127を一
方で5−2シークエンス弁50に、他方で第3シフト弁44
に接続し、回路128を相互に逆向きのワンウェイオリフ
ィス131,132を介しハイクラッチH/Cに接続すると共に第
2シフト弁44に接続し、回路129を第2シフト弁44に接
続する。
2速圧回路122に、チェック弁130と並列なバイパス回
路133を接続して設け、このバイパス回路中に挿入して
1−2アキュムレータ弁52を設ける。この1−2アキュ
ムレータ弁はスプール52aを具え、その大径端面及び小
径端面に夫々ばね52b,52cを作用させる。スプール52aに
は更にその段差部52dに回路116内の前記アキュムレータ
背圧を図中下向きに作用させ、これとばね52b,52cのば
ね力差とでスプール52aは通常図示の調圧位置より更に
下降した位置にあるものとする。このスプール位置でス
プール52aは出力ポート52eを入力ポート52fに通じ、ポ
ート52eより2速サーボアプライ室2S/Aへ2速サーボア
プライ圧を出力する。この圧力はオリフィス134を経て
室52gにフィードバックされ、スプール52aを押戻す。出
力ポート52eからの2速サーボアプライ圧が上記ばね力
差及び段差部52dに作用するアキュムレータ背圧の和値
に対応した値を越えると、スプール52aは出力ポート52e
をドレンポート52hに通じて出力ポート52eからの2速サ
ーボアプライ圧を過剰分だけ低下させ、この圧力を上記
の値に調圧する。
ところで、2速サーボアプライ圧が逆止カップ135に
より遮断され、オリフィス136を通ってばね52cのピスト
ンカップ52iに作用し、これをストロークしてばね52cの
ばね力を漸増するため、2速サーボアプライ圧も所定の
時間勾配をもって上昇する。又段差部52dに作用するア
キュムレータ背圧がデューティソレノイド24及びアキュ
ムレータコントロール弁30により前記の如くエンジン負
荷の増大に応じ上昇するよう調圧されるため、2速サー
ボアプライ圧の上記所定勾配での変化中におけるレベル
(通常棚圧と称せられる)をエンジン負荷の増大につれ
高くすることができる。
第2シフト弁44はばね44aにより図示位置に弾支され
たスプール44bを具え、このスプールは第2シフトソレ
ノイドBのON(閉)で室44cに回路90からのパイロット
圧を供給する時図示位置から上昇されるものとする。ス
プール44bの図示位置で回路127をドレンポート44dに通
じ、回路110,128間を通じ、回路129をドレンポート44e
に通じ、又スプール44bの上昇位置で回路110,127間を通
じ、回路128をドレンポート44eに通じ、回路129を回路1
40に通じる。回路140はI,IIレンジ減圧弁72に接続す
る。
5−2リレー弁48はばね48aにより図示位置に弾支さ
れたスプール48bを具え、スプール48bは回路126内に圧
力が存在する時この圧力により上昇位置にされるものと
する。スプール48bの図示位置で回路125をドレンポート
48cに通じ、上昇位置で回路125を回路141に通じるが、
回路141を5−2シークエンス弁50に接続する。
5−2シークエンス弁50はばね50aにより図示位置に
弾支されたスプール50bを具え、このスプールは回路142
内に圧力が存在する時この圧力により下降位置にされる
ものとする。スプール50bの図示位置で回路141をドレン
ポート50cに通じ、下降位置で回路141を回路127に通じ
る。
回路142は、バンドブレーキB/Bの3,4速サーボレリー
ズ室3,4S/RとハイクラッチH/C間を連結するワンウェイ
オリフィス143付の回路144に接続し、回路142の途中を
ワンウェイオリフィス145及び内径の異なるものと交換
可能なワンウェイカップ146が挿入された回路147により
アキュムレータ切換弁58に接続する。この弁には更に回
路148を経て3,4速サーボレリーズ兼リバースクラッチア
キュムレータ56を接続すると共に、回路149を経てリバ
ースクラッチR/Cを接続する。
アキュムレータ切換弁58はばね58aにより図示位置に
弾支されたスプール58bを具え、このスプールはDレン
ジ圧回路110内に圧力が存在する時図中左行されるもの
とする。スプール58bの図示位置で回路148を回路149に
通じ、アキュムレータ56をリバースクラッチR/Cの圧力
上昇制御に用い、スプール58bの左行位置で回路148を回
路147に通じ、アキュムレータ56を3,4速サーボレリーズ
室3,4S/Rの圧力上昇制御に用いる。
バンドブレーキB/Bの5速サーボアプライ室5S/Aへの
回路150は5速サーボアプライアキュムレータ60および
ワンウェイオリフィス151を有し、オーバーランクラッ
チコントロール弁62に接続する。オーバーランクラッチ
コントロール弁62はばね62aで図示位置に弾支されたス
プール62bを具え、このスプールは室62cへの圧力供給で
図中上昇するものとする。室62c内はオーバーランクラ
ッチソレノイド40のON(閉)時、回路90からのパイロッ
ト圧を供給され、ソレノイド40のOFF時室62c内は排圧さ
れる。スプール62bの図示位置でオーバーランクラッチ
減圧弁64からの回路152を回路110に通じ、回路150をド
レンポート62dに通じ、又スプール62bの上昇位置で回路
152をドレンポート62dに通じ、回路150を回路126に通じ
る。
第3シフト弁46はばね46aで図示位置に弾支したスプ
ール46bを具え、スプール両端面が臨む室46c,46dに夫々
回路90のパイロット圧及び回路153の圧力を供給する。
回路153はシャトル弁154の出力ポートに接続し、該シャ
トル弁の2入力には夫々第3シフトソレノイドCのON
(閉)時発生する圧力(回路90のパイロット圧と同じ
値)及び回路155への後退レンジ圧(後述する)が選択
的に供給される。これら圧力の一方が生ずると、この圧
力はシャトル弁154及び回路153を経て室46dに至り、ば
ね46aとの共働によりスプール46bを室46cへのパイロッ
ト圧に抗して図示位置となし、室46dに圧力が供給され
ない間スプール46bは室46cへのパイロット圧によりばね
46aに抗して図中下降される。スプール46bの図示位置で
回路156をオリフィス46gが挿置されたドレンポート46e
に通じ、回路157をライン圧回路81に通じ、又スプール4
6bの下降位置で回路156をライン圧回路81に通じ、回路1
57をドレンポート46fに通じる。
回路156はワンウェイオリフィス158を挿入されて本発
明における前記した高速選択用摩擦要素としてのダイレ
クトクラッチD/Cに接続し、途中にワンウェイオリフィ
ス159を介し接続してダイレクトクラッチアキュムレー
タ70を設ける。又回路157はワンウェイオリフィス160を
介してリダクションブレーキRD/Bに接続し、ワンウェイ
オリフィス160及びリダクションブレーキRD/B間にリダ
クションブレーキアキュムレータ68を接続する。
このアキュムレータ68は背圧室からの回路161をシャ
トル弁112の出力ポートに接続し、シャトル弁112の一方
の入力にIIIレンジ圧回路111を接続してIIIレンジ圧を
供給する。シャトル弁112の他方の入力には回路155を接
続し、この回路を後退選択圧回路88に接続してシャトル
弁112の他方入力には後退選択圧を供給する。
回路161の圧力はリダクションタイミング弁66の室66a
にも供給して、リダクションタイミング弁66の制御に供
し、この弁はスプール66bをばね66cにより図示位置に弾
支して構成する。スプール66bは室66aに圧力が存在しな
い時図示位置となり、室66aに圧力が存在する時この圧
力によりばね66cに抗して上昇されるものとする。スプ
ール66bの図示位置でオリフィス162を有したバイパス回
路163は回路157から遮断され、スプール66aの上昇位置
で回路163,157間を通じる。バイパス回路163はワンウェ
イオリフィス160をバイパスするもので、リダクション
タイミング弁66から遠い端部をリダクションブレーキRD
/Bに接続する。
オーバーランクラッチ減圧弁64は回路152の圧力を減
圧してオーバーランクラッチOR/Cに供給するもので、ば
ね64a及び回路116からのアキュムレータ背圧により図示
位置にされるスプール64bを具える。このスプール位置
で出力ポート64cを回路152に通ずることによりこのポー
トからオーバーランクラッチOR/Cの作動圧を出力する。
このためポート64cとオーバーランクラッチOR/Cとの間
をオリフィス164が挿入された回路165により接続する。
オーバーランクラッチ作動圧はスプール64bに設けたオ
リフィス64dを経て室64eにフィードバックする。よって
オーバーランクラッチ作動圧は上昇するにつれスプール
64bを図中下降させ、この圧力が回路116からのアキュム
レータ背圧およびばね64aのばね力の和値に対応した値
を越える時、スプール64bは出力ポート64cをドレンポー
ト64fに通じて圧力過剰分を逃がす。これによりオーバ
ーランクラッチ作動圧は上記の和値に対応した値に減圧
されるが、回路116からのアキュムレータ背圧がエンジ
ン負荷の増大につれ高くなることから、オーバーランク
ラッチ作動圧もエンジン負荷の増大につれ高くなり、オ
ーバーランクラッチOR/Cの締結容量を後述のエンジンブ
レーキショック防止上適正なものに制御することができ
る。なお、回路152及びオーバーランクラッチOR/C間を
ワンウェイバルブ166が挿入された回路167により接続
し、ワンウェイバルブ166及びオリフィス164でワンウェ
イオリフィスを構成する。
IIレンジ減圧弁72は回路113からのIIレンジ圧を減圧
して回路140に出力するもので、ばね72aにより図示位置
に弾支されたスプール72bを具える。このスプール位置
で回路140は回路113に通じて圧力を発生され、この圧力
はスプール72bに設けたオリフィス72cによりスプール右
端面にフィードバックしてスプール72bを図中左行させ
る。回路140の出力圧がばね72aのばね力に対応した値を
越えると、スプール72bは回路140をドレンポート72dに
通じて過剰圧を逃がし、出力圧をばね72aのばね力に対
応した一定値に減圧する。
第1図の油圧回路による変速作用を次に説明する。な
お、この説明に先立ち、前進第1速乃至第5速を得るた
めのシフトソレノイドA,B,CのON,OFFの組合せを示すと
次表の如くである。
なお上表の通り、第1速で全てのシフトソレノイドA,
B,CをONして閉じ、これからの作動油のドレンを防止す
ることとした理由は次の通りである。即ち多段自動変速
機は、通常の自動変速機が2個のシフトソレノイドで充
分であるのに対し、3個ものシフトソレノイドを必要と
し、又エンジンをアイドリング回転させることもある第
1速でこれらシフトソレノイドを開いて作動油をドレン
するのでは、当該第1速選択時エンジン回転数が低くエ
ンジン駆動されるオイルポンプO/Pの吐出油量が少ない
こともあって、作動油の絶対量が不足気味となり、特に
多段自動変速機の後端に設けた副変速機の潤滑不良を生
ずることから、第1速では全てのシフトソレノイドA,B,
Cを閉じることとした。
P,Nレンジ 運転者が走行を希望せず駐車又は停車を希望してマニ
ュアル弁38をP又はNレンジにしている場合、マニュア
ル弁ポート38D,38III,38II及び38Rの全てが前記第2表
の通りドレンポートとなり、これらポートからライン圧
が出力されることはないので、これらポートからのライ
ン圧を元圧として作動されるフォワードクラッチF/C、
ハイクラッチH/C、バンドブレーキB/B、リバースクラッ
チR/C、ローリバースブレーキLR/B及びオーバーランク
ラッチOR/Cは全て非作動に保たれ、第2図の動力伝達列
中主変速機3を動力伝達不能な中立状態にしておくこと
ができる。
よって、副変速機4の状態に関係なく多段自動変速機
は動力伝達不能な中立状態を保つが、副変速機4は前記
の都合上以下のようにして前記第1表の如く減速状態に
しておく。つまり、第3シフトソレノイドCをONして閉
じることによりシャトル弁154、回路153を経て第3シフ
ト弁46の室46dにパイロット圧を供給する。このため第
3シフト弁46は図示状態となり、回路156をドレンポー
ト46eに通じてダイレクトクラッチD/Cを解放すると共
に、回路157をライン圧回路81に通じてライン圧により
リダクションブレーキRD/Bを締結し、副変速機4を減速
状態にする。
Dレンジ 前進自動変速走行を希望してマニュアル弁38をDレン
ジにした状態では、以下の如くに全変速段、第1速乃至
第5速間での自動変速が行われる。
(第1速) 即ち、マニュアル弁38はDレンジにおいて前記第2表
の如くポート38Dのみから回路81のライン圧をDレンジ
圧として出力し、このDレンジ圧は回路110に供給され
て各部に達する。フォワードクラッチF/Cに向かうDレ
ンジ圧はワンウェイオリフィス120を通り、N−Dアキ
ュムレータ54の機能と相俟ってフォワードクラッチF/C
を徐々に締結し、その締結ショックを緩和する。
一方、Dレンジにした停車状態では、コンピュータが
第3シフトソレノイドCのONを保って、第1シフトソレ
ノイドA及び第2シフトソレノイドBをも共にONし、第
1シフト弁42及び第2シフト弁44のスプール42b,44bを
上昇位置にする。このためハイクラッチH/Cの回路128が
第2シフト弁ポート44eに通じドレンされてハイクラッ
チH/Cを解放し、回路144を経てハイクラッチ回路128に
接続したバンドブレーキB/Bの3,4速サーボレリーズ室3,
4S/Rもドレンされる。又、バンドブレーキB/Bの2速サ
ーボアプライ室2S/Aも、その回路122が第1シフト弁42
により上記のドレンされる回路128に通じるため、無圧
状態にされる。更にバンドブレーキB/Bの5速サーボア
プライ室5S/Aについては、その回路150が以下の如くに
ドレンされる。即ち、運転者が後述のエンジンブレーキ
を要求する操作を行わない限り、コンピュータはオーバ
ーランクラッチソレノイド40をONしてオーバーランクラ
ッチコントロール弁62のスプール62bを図中上昇させ
る。よって、この弁は回路152をドレンポート62dに通じ
てオーバーランクラッチOR/Cを解放すると同時に、回路
150を回路126に通じる。そしてこの回路126が第1シフ
ト弁42により回路128に通じ、回路128が前記の通り第2
シフト弁のドレンポート44eに通じていることから、5
速サーボアプライ室5S/Aはドレンされる。リバースクラ
ッチR/C及びローリバースブレーキLR/Bはその回路88が
マニュアル弁38の対応ポート38Rよりドレンされている
ため、解放される。
従って、リダクションブレーキRD/Bの作動による副変
速機の減速状態で、主変速機はフォワードクラッチF/C
のみが作動されることとなり、前記第1表の如くフォワ
ードワンウェイクラッチF/OWCの作動と相俟って各段自
動変速機は第1速選択状態となる。しかしてこの時、第
1シフト弁42及び第2シフト弁44は回路108を回路127及
びDレンジ圧回路110に順次接続し、回路110からのDレ
ンジ圧を回路127,108及びシャトル弁107、回路106を経
てロックアップコントロール弁34に供給し、ロックアッ
プソレノイド36の作動状態にかかわらずトルクコンバー
タT/Cをコンバータ状態にするため、第1速選択状態と
雖もエンストすることなくブレーキ操作にて停車を保つ
ことができる。又、フォワードクラッチF/Cの作動に当
りその作動油圧がワンウェイオリフィス120により絞ら
れると共に、N−Dアキュムレータ54を右半部図示位置
から左半部図示位置へストロークさせつつ上昇するた
め、この上昇がゆるやかに行われ、フォワードクラッチ
F/Cの締結ショック、つまりN又はPレンジからDレン
ジに切換えた時のN−Dセレクトショックを緩和するこ
とができる。
かかる第1選択状態で、アクセルペダルの踏込みによ
りエンジン出力を増すと、車両は発進される。
(第2速) 発進後の車速上昇で第2速を選択すべき運転状態にな
ると、コンピュータは前記第3表の如く第1シフトソレ
ノイドAをOFFして第1シフト弁42を図示状態に切換え
る。これにより第1シフト弁42は回路126を回路125に切
換え接続するが、この回路125が5−2リレー弁48の図
示位置によりドレンポート48cに通じているため、回路1
26、従って5速サーボアプライ室5S/Aを相変らずドレン
する。第1シフト弁42は更に回路108をドレンポート42d
に通じてロックアップコントロール弁34をロックアップ
ソレノイド36による前記コンピュータ制御にまかせ、ト
ルクコンバータT/Cを適宜ロックアップ可能とする。又
第1シフト弁42は回路122をDレンジ圧回路110に通じ、
これからのDレンジ圧を回路122に2速サーボアプライ
圧として出力する。この圧力は回路133を経て1−2ア
キュムレータ弁52による前記作用により調圧されつつ2
速サーボアプライ室2S/Aに供給され、バンドブレーキB/
Bを締結する。ところで1−2アキュムレータ弁52の調
圧作用でバンドブレーキB−Bの締結は1−2変速ショ
ックを生じない態様で遂行され、フォワードクラッチF/
C、フォワードワンウェイクラッチF/OWC及びリダクショ
ンブレーキRD/Bの作動保持と相俟って多段自動変速機を
前記第1表から明らかな通り第1速から第2速へアップ
シフト変速させることができる。
(第3速) その後第3速を選択すべき運転状態になると、コンピ
ュータは前記第3表の如く第2シフトソレノイドBをOF
Fして第2シフト弁44を図示状態に切換える。これによ
り回路128がドレンポート44eから遮断されてDレンジ圧
回路110に通じ、この回路からのDレンジ圧が回路128、
ワンウェイオリフィス132を経てハイクラッチH/Cに達
し、これを締結する。一方、ハイクラッチH/Cの締結に
供された圧力はハイクラッチ回路128から分岐する回路1
44を経て3,4速サーボレリーズ室3,4S/Rにも達し、バン
ドブレーキB/Bを解放する。サーボレリーズ室3,4S/Rへ
の圧力は、今アキュムレータ切換弁58が回路110からの
Dレンジ圧により図中左行され、回路147,148間を通じ
ているため、ワンウェイオリフィス145を素通りした後
ワンウェイカップ146、回路147,148を経てアキュムレー
タ56に至る。このためサーボレリーズ室3,4S/Rへの圧力
はアキュムレータ56を右半部図示位置から左半部図示位
置へストロークさせながらゆるやかに上昇する。よっ
て、これによるバンドブレーキB/Bの開放がハイクラッ
チH/Cの上記締結に対しタイミング良く行われるように
する。
以上によりハイクラッチH/Cが締結、バンドブレーキB
/Bが解放に切換わることとなり、フォワードクラッチF/
C、フォワードワンウェイクラッチF/OWC及びリダクショ
ンブレーキRD/Bの作動保持と相俟って前記第1表から明
らかな通り多段自動変速機は第2速から第3速へのアッ
プシフト変速を行うことができる。なお、このアップシ
フト変速に当り、アキュムレータ56は上記の作用により
変速ショックを抑制することができる。
(第4速) その後第4速を選択すべき運転状態になると、コンピ
ュータは前記第3表の如く第1、第2シフトソレノイド
A,Bを夫々OFFのまま、つまり主変速機をそのままに、第
3シフトソレノイドCをOFFして第3シフト弁46のスプ
ール46bを図中下降させる。これにより、回路157がドレ
ンポート46fに通じてリダクションブレーキRD/Bを解放
すると共に、回路156がライン圧回路81に通じてこれか
らのライン圧によりダイレクトクラッチD/Cを締結す
る。よって副変速機が減速状態から直結状態へと切換わ
り、多段自動変速機を前記第1表より明らかな通り第3
速から第4速へアップシフト変速させることができる。
このアップシフト変速に際し、ダイレクトクラッチD/
Cの作動圧はワンウェイオリフィス158で絞られ、ダイレ
クトクラッチアキュムレータ70を右半部図示位置から左
半部図示位置へストロークさせながら上昇するため、回
路116からアキュムレータ70へのアキュムレータ背圧に
応じた棚圧がダイレクトクラッチD/Cの作動圧に設定さ
れ、該クラッチの締結ショック、つまり3−4変速ショ
ックを緩和することができる。
(第5速) その後第5速を選択すべき運転状態になると、コンピ
ュータは前記第3表から明らかなように第1シフトソレ
ノイドAをONして第1シフト弁42のスプール42bを再び
図中上昇させる。これにより、第2シフト弁44でDレン
ジ圧回路110に通じられていたハイクラッチ兼サーボレ
リーズ回路128は第1シフト弁42で回路126に通じられ、
この回路126にDレンジ圧が供給される。この圧力は回
路126よりオーバーランクラッチコントロール弁62、回
路150を経て5速サーボアプライ室5S/Aに供給され、バ
ンドブレーキB/Bを締結する。一方、第1シフト弁42の
上記切換えで回路122はDレンジ圧回路110から遮断され
るが、回路128に切換え接続されるため、2速サーボア
プライ室2S/Aには相変わらず圧力が供給され続ける。よ
って、バンドブレーキB/Bが締結されることとなり、フ
ォワードクラッチF/C、ハイクラッチH/C及びダイレクト
クラッチD/Cの作動保持と相俟って多段自動変速機は前
記第1表より明らかな通り第4速から第5速(オーバー
ドライブOD)へのアップシフト変速を行うことができ
る。
このアップシフト変速に当り、5速サーボアプライ室
5S/Aへの圧力はワンウェイオリフィス151で絞られ、又
アキュムレータ60を右半部図示位置から左半部図示位置
へストロークさせながら徐々に上昇するため、これにと
もなうバンドブレーキB/Bの締結をショックなしに行う
ことができ、4−5変速ショックを緩和することができ
る。また、第1シフト弁42の上記切換えは、回路108を
してドレンポート42dから遮断し、回路127に通じるが、
この回路は第2シフト弁44が図示状態にあってドレンポ
ート44dに通じられているため、当該第5速選択状態で
ロックアップコントロール弁34が室34gに圧力を供給さ
れることはなく、トルクコンバータT/Cのロックアップ
制御を引続きソレノイド36による電子制御にまかせるこ
とができる。
(OD禁止) 運転者が第5速(OD)への変速を希望せず、又第4速
でのエンジンブレーキを希望して図示せざるOD禁止スイ
ッチを投入している場合、コンピュータは前記第3表に
示した第5速に対応するシフトソレノイドA,B,CのON,OF
F組合せを選択しない。よって多段自動変速機は第1速
乃至第4速間で自動変速されるが、この際コンピュータ
はエンジンスロットル開度の所定値(例えば1/16開度)
以下でオーバーランクラッチソレノイド40をOFFする。
これによりオーバーランクラッチコントロール弁62は図
示状態に切換わり、回路152をDレンジ圧回路110に通じ
る。この回路からのDレンジ圧は回路152に出力され、
オーバーランクラッチ減圧弁64により前記した如くに減
圧された後にオリフィス164を経てオーバーランクラッ
チOR/Cに至り、これを締結する。かかるオーバーランク
ラッチOR/Cの締結により多段自動変速機は前記第1表か
ら明らかな通り第4速でのエンジンブレーキ走行を可能
にする。この際オーバーランクラッチの作動圧が弁62に
より前記の通り減圧されるため、オーバーランクラッチ
OR/Cを締結した時のショックを緩和することができる。
なお、オーバーランクラッチコントロール弁62の上記
切換えは回路150をドレンポート62dに通じて5速サーボ
アプライ室5S/Aをドレンし、バンドブレーキB/Bの解放
を補償する。これにより、オーバーランクラッチOR/Cが
締結される時はバンドブレーキB/Bが確実に解放され、
両者が同時に締結して歯車伝動列がインターロックする
のを防止することができる。
(4−3変速) Dレンジで副変速機を直結状態から減速状態に切換え
る変速を、4−3ダンウシフト変速につき次に説明す
る。
この変速に当っては、コンピュータが前記第3表から
明らかな通り主変速機(シフトソレノイドA,B)を第4
速選択時のままに、第3シフトソレノイドCをOFFからO
Nにして第3シフト弁46を図示状態に切換える。これに
より回路156がドレンポート46eに通じてダイレクトクラ
ッチ作動圧がオリフィス46gに応じた速度で排圧され、
ダイレクトクラッチD/Cを解放する。この際、ダイレク
トクラッチアキュムレータ70は回路116からのアキュム
レータ背圧により左半部図示状態より右半部図示状態に
戻され、これにともなうアキュムレータ70から回路156
への圧油は本来ならダイレクトクラッチ作動圧に短くて
高い抜き棚を形成しようとするが、アキュムレータ70か
ら回路156への圧油をワンウェイオリフィス159が制限す
るため、上記抜き棚をワンウェイオリフィス159とオリ
フィス46gとの相関関係で決まる長くて低い抜き棚にす
ることができる。なお、本実施例では抜き棚の調整のた
めオリフィス46gを用いたが、回路156等の管路抵抗のみ
で所望の抜き棚を設定可能であれば、これを省略するこ
ともできる。よって、上記ダイレクトクラッチD/Cの開
放を早期に開始させて当該ダウンシフト変速で生ずるべ
きエンジンの吹け上がりを速やかに行わせることがで
き、変速遅れを防止し得る。加えて、抜き棚が長いため
上記ダイレクトクラッチD/Cの開放は一挙になされず、
残圧で徐々に行われることとなり、当該ダウンシフト変
速時に機能するリダクションワンウェイクラッチRD/OWC
の締結ショックが生ずるのを防止することができる。
又、第3シフト弁46の図示状態への上記切換えで回路
157がライン圧回路81に通じてライン圧を導かれること
となりリダクションブレーキRD/Bを以下の如くに締結
し、多段自動変速機を前記第1表より明らかな通り第4
速から第3速へダウンシフト変速させることができる。
このリダクションブレーキRD/Bの締結に当り、リダク
ションタイミング弁66の室66a及びリダクションブレー
キアキュムレータ68のアキュムレータ背圧室に至る回路
161には当該Dレンジにおいて圧力が供給されない。そ
の理由はマニュアル弁ポート38IIIが回路111を無圧状態
にし、マニュアル弁ポート38Rが回路88を経て回路155を
無圧状態にするためである。よってリダクションタイミ
ング弁66は図示状態にあって回路157,163間を遮断し、
回路157の圧力をワンウェイオリフィス160を経てしかリ
ダクションブレーキRD/Bに供給し得ない。又リダクショ
ンアキュムレータ68は背圧を0にされ、アキュムレータ
特性を内蔵ばね68aのみで決定される。
従って、リダクションブレーキ締結圧は先ずアキュム
レータ68のピストン68bを右半部図示位置にしているば
ね68aのばね力相当値に立上がり、その後ピストン68bを
左半部図示位置にストロークさせながらワンウェイオリ
フィス160の内径により決まる時間勾配で上昇し、ピス
トン68bがストロークし終る瞬時にリダクションブレー
キRD/Bのリターンスプリング力分だけさらに上昇し、リ
ダクションブレーキRD/Bのロスストローク瞬時に元圧で
あるライン圧と同じになる。
ところで上記の通りアキュムレータ68の特性が棚圧を
ばね68aのばね力のみで決まる低い値にされたものであ
るため、リダクションブレーキRD/Bは棚圧ストローク中
に締結されることなく、その後に至って初めて締結され
る。しかして当該Dレンジはエンジンブレーキを要求せ
ず、入力軸側から出力軸側への正駆動を旨としており、
ダイレクトクラッチD/Cの上記解放時リダクションワン
ウェイクラッチRD/OWC(第2図参照)が動力伝達を引継
ぐことができ、リダクションブレーキRD/Bの上記締結遅
れが変速に支承をきたすことはない。そしてリダクショ
ンブレーキの締結を遅らせることにより、ダイレクトク
ラッチD/Cとの同時締結をいささかも生ずることのない
ようにすることができ、副変速機のインターロックにと
もなう変速ショックを確実に防止し得る。
IIIレンジ 運転者は第3速でのエンジンブレーキ走行を希望する
時、マニュアル弁38をIIIレンジにする。この時コンピ
ュータはシフトソレノイドA,B,CのON,OFF組合せを走行
状態に応じ前記第3表に示した第1速、第2速又は第3
速が選択されるよう決定すると共に、エンジンスロット
ル開度の所定値(例えば1/16開度)以下でオーバーラン
クラッチソレノイド40をOFFしてオーバーランクラッチO
R/Cを締結することにより、前記第1表から明らかな通
り第3速でのエンジンブレーキ走行を可能にする。
ところで、前記Dレンジにした第5速又は第4速での
走行中にマニュアル弁38をIIIレンジにした場合、前記
第1表から明らかな通り副変速機が4−3ダウンシフト
変速につき前述したと同様に直結状態から減速状態に切
換わる。しかしてこのIIIレンジにおいては、マニュア
ル弁38がポート38IIIにも回路81からのライン圧を出力
するようになり、この圧力がシャトル弁112及び回路161
を経てリダクションタイミング弁66の室66a及びアキュ
ムレータ68の背圧室に供給される。よって、リダクショ
ンタイミング弁66はスプール66bを上昇されて回路157,1
63間を通じ、回路157の圧力をワンウェイオリフィス160
だけでなくオリフィス162を経てもリダクションブレー
キRD/Bに供給する。又アキュムレータ68はばね68aだけ
でなく回路161からのライン圧によってもアキュムレー
ト特性を決定され、前記の棚圧を上昇される。
従って、リダクションブレーキ締結圧は先ずリダクシ
ョンブレーキストローク棚を生じ、その後アキュムレー
タピストン68bを右半部図示位置にしているばね力及び
回路161からのライン圧の和に相当した一層高い値に立
上がり、その後ワンウェイオリフィス160の内径及びオ
リフィス162の内径の和により決まる急勾配で上昇し、
アキュムレータピストン68bのストローク終了後元圧で
あるライン圧と同じ値に達する。よって、リダクション
ブレーキ締結圧はオリフィス162の内径分及びアキュム
レータ68の背圧分だけ早い瞬時にリダクションブレーキ
RD/Bを締結させることができる。
ところでこのIIIレンジはエンジンブレーキを要求し
て運転者がマニュアル弁38を操作するものであり、出力
軸側から入力軸側への逆駆動を旨としており、ダイレク
トクラッチD/Cの解放に調時して速やかにリダクション
ブレーキRD/Bを締結しないと、エンジンブレーキの効き
遅れを生じて要求通りのエンジンブレーキを得られな
い。しかしてリダクションブレーキの上記早期締結はこ
のような問題をなくすことができる。一方、リダクショ
ンブレーキの締結開始がアキュムレータ68の棚圧ストロ
ーク中に行われるため、リダクションブレーキ締結圧の
変化割合がリダクションブレーキの締結ショック(変速
ショック)を生ずるようなものでなく、当該変速時の変
速ショックを緩和することができる。
IIレンジ 運転者は第2速以下でのエンジンブレーキ走行を希望
する時、マニュアル弁38をIIレンジにする。
この時コンピュータはシフトソレノイドA,B,CのON,OF
F組合せを走行状態に応じ前記第3表に示した第1速又
は第2速が選択されるよう決定すると共に、エンジンス
ロットル開度の所定値(例えば1/16開度)以下でオーバ
ーランクラッチソレノイド40をOFFしてオーバーランク
ラッチOR/Cを締結する。一方マニュアル弁38はポート38
IIからも回路81のライン圧を出力するようになり、この
ポート38IIから回路113へのライン圧は弁72で減圧さ
れ、ローリバースブレーキ圧として回路140に供給され
る。
第1速時、第1及び第2シフト弁42,44はスプールを
図中上昇されており、回路140の上記圧力は回路129,124
及びシャトル弁115を経てローリバースブレーキLR/Bに
至り、これを締結する。よって、多段自動変速機は第1
速でのエンジンブレーキ走行を可能にする。なお、ロー
リバースブレーキLR/Bが後述する後退選択時も締結する
ため容量を大きく設定されていると雖も、その締結圧が
弁72により減圧されるため、ローリバースブレーキLR/B
の締結ショックが大きくなるのを防止することができ
る。
第2速時、第1シフトソレノイド42が図示状態となっ
て回路124をローリバースブレーキ締結圧回路129から遮
断し、ドレンポート42fに通じるため、ローリバースブ
レーキLR/Bは解放され、第2速選択状態とオーバーラン
クラッチOR/Cの締結とで多段自動変速機は第2速でのエ
ンジンブレーキ走行を可能にする。
ところで、Dレンジにした第5速での走行中に緊急な
エンジンブレーキを要求して運転者がマニュアル弁38を
IIレンジに切換えた場合、以下の作用により第5速から
第2速への飛越し変速を補償する。
なおこの飛越し変速は前記第1表から明らかなよう
に、主変速機が変速するだけでなく副変速機も直結状態
から減速状態に切換わって達成されるが、副変速機の状
態切換えはDレンジからIIIレンジに切換えた時の作用
につき述べたと同様にして行われるため、ここでは第1,
第2シフトソレノイドA,B及びオーバーランクラッチソ
レノイド40の切換えによる主変速機側の変速についての
み述べる。
第5速では前記した通り第1シフトソレノイドAがON
により第1シフト弁42をスプール上昇状態にし、第2シ
フトソレノイドBがOFFにより第2シフト弁44を図示状
態にし、オーバーランクラッチソレノイド40がONにより
オーバーランクラッチコントロール弁62をスプール上昇
状態にして、フォワードクラッチF/C、ハイクラッチH/
C、2速サーボアプライ室2S/A,3,4速サーボレリーズ室
3,4S/R及び5速サーボアプライ室5S/Aに圧力が供給され
た多段自動変速機の第5速選択状態を得る。この状態
で、3,4速サーボレリーズ圧は回路144より回路142を経
て5−2シークエンス弁50に至り、この弁をスプール50
bが図中下降された状態に保つ。又、5速サーボアプラ
イ圧は回路150よりオーバーランクラッチコントロール
弁62、回路126を経て5−2リレー弁48に至り、この弁
をスプール48bが図中上昇された状態に保つ。
ここで運転者がマニュアル弁38をIIレンジに切換える
と、コンピュータは第1シフトソレノイドAをOFFに切
換えて第1シフト弁42を図示状態に切換え、第2シフト
ソレノイドBをONに切換えて第2シフト弁44をスプール
上昇状態に切換えるが、オーバーランクラッチソレノイ
ド40は5−2飛越変速終了迄ONのままにし、オーバーラ
ンクラッチコントロール弁62をスプール上昇状態のまま
に保つ。第2シフト弁44の上記切換えにより3,4速サー
ボレリーズ室3,4S/Rの圧力はハイクラッチH/Cの圧力と
共にドレンされようとするが、これら圧力はワンウェイ
オリフィス131,143により絞られ、即座には排除されな
い。よってこの間3,4速サーボレリーズ室3,4S/Rの圧力
は5−2シークエンス弁50をスプール下降状態を保ち、
回路127,141間を連通している。又第2シフト弁44の上
記切換えにより回路127がDレンジ圧回路110に連通し、
これからのDレンジ圧が回路167より5−2シークエン
ス弁50、回路141、5−2リレー弁48、回路125、上記の
如くに切換えられた第1シフト弁42、回路126、オーバ
ーランクラッチコントロール弁62、回路150を経て5速
サーボアプライ室5S/Aに供給され、この室の5速サーボ
アプライ圧をシフトソレノイドA,Bの第2速選択用のON,
OFF組合せにもかかわらずバックアップする。このバッ
クアップは、5速サーボアプライ圧が5−2リレー弁48
の下端室に作用してこの弁をスプール上昇状態に保つこ
とにより自己保持する。
その後3,4速サーボアプライ室3,4S/Rの圧力が抜ける
と、これによりストロークされていた5−2シークエン
ス弁50のスプール50bがばね50aにより上昇位置に戻され
るため、回路141がドレンポート50cに通じる。よって、
上記の如くバックアップされていた5速サーボアプライ
圧がドレンポート50cより排除され、この排除により5
−2リレー弁48も図示状態に戻される。以上により3,4
速サーボアプライ室3,4S/Rの圧力が抜けた後に5速サー
ボアプライ室5S/Aが抜けることとなり、バンドブレーキ
B/Bは一切開放されることなく2速サーボアプライ室2S/
Aに圧力が供給され続けることもあって締結状態を保
つ。従って、3,4速サーボレリーズ室3,4S/Rの圧力と共
に抜けるハイクラッチH/Cの圧力がこのハイクラッチを
開放する時、多段自動変速機は前記第1表から明らかな
ように第5速から途中変速段を経由することなく第2速
に飛越し変速することができる。
この飛越し変速後コンピュータはオーバーランクラッ
チソレノイド40をOFFに切換えてオーバーランクラッチ
コントロール弁62を図示状態に切換え、5速サーボアプ
ライ圧回路150をドレンポート62dに通じると共に、オー
バーランクラッチ圧回路152をDレンジ圧回路110に通
じ、これからのDレンジ圧でオーバーランクラッチOR/C
を締結する。このオーバーランクラッチOR/Cの締結によ
り多段自動変速機は第2速でのエンジンブレーキ走行を
可能にするが、大きなエンジンブレーキを要求して第5
速選択中DレンジからIIレンジに切換えた時上記の作用
により第5速から第2速へ確実に飛越し変速させ得るか
ら、要求通りのエンジンブレーキを確保することができ
る。
なお上記5−2シークエンス弁50の作用は、5速サー
ボアプライ室5S/Aに圧力が存在し、この5速サーボアプ
ライ圧により5−2リレー弁48がスプール上昇状態にさ
れている第5速選択中に限って行われ、5速サーボアプ
ライ圧の上記バックアップが他の変速で行われる誤作動
を5−2リレー弁48の存在によって防止することができ
る。
Iレンジ 運転者は第1速でのエンジンブレーキ走行を要求する
場合、マニュアル弁38をIIレンジにした状態で、図示せ
ざるIレンジスイッチをONする。この時コンピュータは
シフトソレノイドA,B、Cを夫々前記第3表の如く第1
速選択用に全てONし、エンジンスロットル開度の所定値
(例えば1/16開度)以下でオーバーランクラッチソレノ
イド40をOFFする。これにより多段自動変速機はIIレン
ジ第1速時につき前述したと同様の状態となり、この状
態を保持して第1速エンジンブレーキ走行を可能にす
る。
Rレンジ 運転者が後退走行を希望してマニュアル弁38をRレン
ジにすると、マニュアル弁は前記第2表の通りポート38
Rのみに回路81のライン圧を出力し、他のポートを全て
ドレンポートとする。ポート38Rに出力されたライン圧
は後退選択圧として回路88に供給され、一方でシャトル
弁107、回路106を経由し、ロックアップコントロール弁
34の室34gに達する。これにより弁34は図中上方にスト
ロークしてトルクコンバータT/Cを第1速選択時と同様
コンバータ状態に保つ。
回路88の後退選択圧は他方でワンウェイオリフィス11
4を経て回路155に至り、その後シャトル弁154及び回路1
53を経由し第3シフト弁46の室46dに達してこの弁を図
示状態にし、ダイレクトクラッチD/Cのの開放及びリダ
クションブレーキRD/Bの締結により副変速機を減速状態
にする。ところでこの際、回路155を通る後退選択圧が
シャトル弁112及び回路161を経てリダクションタイミン
グ弁66の室66a及びリダクションブレーキアキュムレー
タ68の背圧室にも達し、これら弁及びアキュムレータを
IIIレンジで説明したと同様に機能させる。これにより
リダクションブレーキRD/Bが速やかに締結され、当該後
退選択時は前記逆駆動(エンジンブレーキ)と同じ伝動
状態のためリダクションワンウェイクラッチRD/OWC(第
2図参照)が機能し得なくても、副変速機を速やかに減
速状態にすることができる。
回路88の後退選択圧は又、ワンウェイオリフィス114
及びシャトル弁115を経てローリバースブレーキLR/Bに
達しこれを締結すると共に、ワンウェイオリフィス117
を経てリバースクラッチR/Cに達しこれを締結する。主
変速機に係わる他の摩擦要素、フォワードクラッチF/
C、ハイクラッチH/C、バンドブレーキB/B及びオーバー
ランクラッチOR/Cは全てマニュアル弁ポート38D,38III,
38IIからの圧力を作動圧とするものであり、これらポー
トが全てドレンされているため、締結されることはな
い。よって、ローリバースブレーキLR/B、リバースクラ
ッチR/C及びリダクションブレーキRD/Bの締結により前
記第1表から明らかな如く多段自動変速機は後退を選択
することができる。この後退選択にシフトソレノイドA,
B,C及びオーバーランクラッチソレノイド40のON,OFFが
影響することはないが、これらをOFFにしておくとその
間も作動油がドレンされ続けてオイルポンプO/Pの駆動
エネルギーをロスすることから、この間コンピュータが
ソレノイドA,B,C及び40をONしておくようプログラムす
る。
なおこの後退選択時、アキュムレータ切換弁58はDレ
ンジ圧回路110からの圧力を受けないため図示状態にあ
って、回路148を回路149に通じることによりアキュムレ
ータ56を以下の如くにリバースクラッチアキュムレータ
として機能させる。つまり、上述の如くリバースクラッ
チR/Cに至る圧力はワンウェイオリフィス117で絞られた
後、回路149、アキュムレータ切換弁58及び回路148を経
てアキュムレータ56にも導びかれ、このアキュムレータ
をストロークさせながら徐々に上昇する。これにより、
リバースクラッチR/Cの締結ショック、つまりマニュア
ル弁38をP又はNレンジからRレンジに切換えた時のセ
レクトショックを軽減することができる。
ところでこのRレンジにおいては前記したように、回
路88の後退選択圧が回路155,153を経て第3シフト弁46
に至り、この弁を図示の状態に保持して副変速機を減速
状態にするため、この状態が第3シフトソレノイドCの
OFF時も補償される。よって、逆回転出力を旨とするR
レンジで、副変速機がダイレクトクラッチD/Cを締結さ
れてインターロック状態になるのを確実に防止すること
ができる。従って、第3シフトソレノイドCをRレンジ
で必ずONするような論理が不要となり、コンピュータの
CPU容量を小さくして低廉化を図り得る。
(発明の効果) かくして本発明による副変速機の変速制御装置は上述
の如く、ダイレクトクラッチD/Cの油圧作動時の締結シ
ョックを防止するために設けたアキュムレータ(70)の
接続回路に、アキュムレータからダイレクトクラッチ作
動圧回路への油流に対し絞り効果を持つワンウェイオリ
フィス(159)を設けたから、 直結状態から減速状態への切換えに際したダイレクト
クラッチの開放時、ダイレクトクラッチの作動油圧にそ
の低下過程で形成される抜き棚を、上昇過程での棚圧よ
りも長くて低いものとすることができ、ダイレクトクラ
ッチの開放を早期に開始させ得ると共に徐々に進行させ
ることが可能となり、 当該副変速機の直結状態から減速状態への切換えのみ
により生起させる多段自動変速機のダウンシフト変速
(4→3変速)時に生ずべきエンジン回転の変速後同期
回転への吹け上がりを速やかに行わせて変速遅れを防止
し得ると共に、この切換え時に機能するワンウェイクラ
ッチがダイレクトクラッチの急峻な開放で締結ショック
を生ずるような事態の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の一実施例を示す多段自動変速機の
変速制御油圧回路図、 第2図は同自動変速機の動力伝達列を示す骨子図、 第3図は従来の変速制御油圧回路図である。 1……入力軸、2……出力軸 3……主変速機、4……副変速機 D/C……ダイレクトクラッチ(高速選択用摩擦要素) RD/B……リダクションブレーキ(低速選択用摩擦要素) RD/OWC……リダクションワンウェイクラッチ(ワンウェ
イクラッチ) O/P……オイルポンプ 20……プレッシャレギュレータ弁 22……パイロット弁 24……デューティソレノイド 26……プレッシャモディファイア弁 28……モディファイアアキュムレータ 30……アキュムレータコントロール弁 T/C……トルクコンバータ 32……トルクコンバータリリーフ弁 34……ロックアップコントロール弁 36……ロックアップソレノイド 38……マニュアル弁 A……第1シフトソレノイド B……第2シフトソレノイド C……第3シフトソレノイド 40……オーバーランクラッチソレノイド 42……第1シフト弁、44……第2シフト弁 46……第3シフト弁、46e……ドレンポート 46g……オリフィス、48……5−2リレー弁 50……5−2シークエンス弁 52……1−2アキュム弁 54……N−Dアキュムレータ 56……3,4速サーボレリーズ兼リバースクラッチアキュ
ムレータ 58……アキュムレータ切換弁 60……5速サーボアプライアキュムレータ 62……オーバーランクラッチコントロール弁 64……オーバーランクラッチ減圧弁 66……リダクションタイミング弁 68……リダクションブレーキアキュムレータ 70……ダイレクトクラッチアキュムレータ(アキュムレ
ータ) 72……IIレンジ減圧弁 159……ワンウェイオリフィス(抜け絞り)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一の遊星歯車組を有し、ダイレクトクラ
    ッチの油圧作動により該遊星歯車組における2個の回転
    メンバを結合することで直結状態となり、リダクション
    ブレーキの油圧作動により前記遊星歯車組における1個
    の回転メンバを固定することで減速状態となって、高低
    速切換えが可能で、 正駆動中に前記リダクションブレーキの代用機能を果た
    し得るワンウェイクラッチ、および前記ダイレクトクラ
    ッチの作動時における締結ショックを防止するため、ダ
    イレクトクラッチ作動圧回路内のダイレクトクラッチ作
    動圧に、上昇過程で棚圧を設定するアキュムレータをそ
    れぞれ設けた副変速機を具え、 この副変速機を、エンジン、主変速機、副変速機の順に
    相互に駆動結合して配置し、主変速機を経由したエンジ
    ン回転を副変速機により高低速切換えして出力する多段
    自動変速機であって、且つ、 変速機全体として隣り合う変速段間での変速を行う際に
    は、前記主・副変速機の何れか一方のみを変速させて、
    対応する変速を達成するよう構成した多段自動変速機に
    おいて、 前記ダイレクトクラッチ作動圧回路へ前記アキュムレー
    タを接続するためのアキュムレータ接続回路中に、アキ
    ュムレータからダイレクトクラッチ作動圧回路への油流
    に対し絞り効果を持ったワンウェイオリフィスを挿置し
    て、 前記ダイレクトクラッチを非作動に切り換えると共に、
    前記リダクションブレーキを作動状態に切り換えて、副
    変速機のみを前記直結状態から減速状態に切り換えるこ
    とにより行う多段自動変速機のダウンシフト変速時、ダ
    イレクトクラッチ作動圧に、前記上昇過程での棚圧より
    も長時間で低い、低下過程での棚圧を設定して、ダイレ
    クトクラッチの前記非作動を、その開始が早まってダウ
    ンシフト変速に見合うエンジン回転の吹け上がりが早ま
    ると共に、その進行が徐々になって前記ワンウエイクラ
    ッチの締結ショックが回避されるよう制御する構成にし
    たことを特徴とする副変速機の変速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59113351A (ja) * 1982-12-21 1984-06-30 Aisin Warner Ltd 電子制御式自動変速機の油圧制御装置
JPS61149656A (ja) * 1984-12-21 1986-07-08 Toyota Motor Corp 自動変速機の変速制御装置

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