JP2792183B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP2792183B2 JP7045590A JP7045590A JP2792183B2 JP 2792183 B2 JP2792183 B2 JP 2792183B2 JP 7045590 A JP7045590 A JP 7045590A JP 7045590 A JP7045590 A JP 7045590A JP 2792183 B2 JP2792183 B2 JP 2792183B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭あるいは食事サービスを行うレストラ
ンなどにおいて利用されるいわゆる電子レンジ等の高周
波加熱装置に関し、さらに詳しくは、冷凍食品等の解凍
を誘電加熱により行うようにした高周波加熱装置に関す
るものである。
従来の技術 従来、この種の高周波加熱装置は、2450MHzのマイク
ロ波を利用したいわゆる電子レンジや、数10MHzの大型
高周波解凍装置等が用いられており、特に小型で扱い易
く、かつ安価な前者が数多く用いられている。特に、一
般家庭用としてはこの電子レンジがほとんどである。
第8図は従来の高周波加熱装置であり、いわゆる家庭
用電子レンジの回路図である。電子レンジ1は、鉄共振
トランス2、コンデンサ3、ダイオード4よりなる電源
装置5と、この電源装置5により電力を受け2450MHzの
電波を発生するマグネトロン6と、この電波が給電され
るオーブン7、電源装置5へ商用電源8からの電力供給
を制御する加熱制御装置9等より構成されている。加熱
制御装置9は、オーブン7内の冷凍食品10の重量を検知
する重量センサ11の信号を受け、所定の解凍制御シーケ
ンスにしたがってリレー等のスイッチ12の断続制御を行
い、冷凍食品10の解凍を行う構成となっていた。
第9図は、解凍シーケンスの一例を示すものであり、
同図(a)は、加熱時間領域Th(ヒート領域)と非加熱
時間領域Ts(スタンディング領域)を示す加熱領域図、
(b)は、この加熱領域図に示した制御シーケンスにし
たがって制御されるマグネトロン6の電波出力Poの制御
状態図、(c)は同図(b)に示したオンオフ制御によ
る電波出力制御結果として変化する平均加熱出力を示し
た平均出力状態図である。この図より明らかなように、
マイクロ波による冷凍食品の解凍は、加熱時間領域Th
(ヒート領域)と非加熱時間領域Ts(スタンディング領
域)を設け、かつ、平均加熱出力を冷凍物の大きさや加
熱時間の経過に応じて制御するようにして行われてい
た。これはマイクロ波加熱の加熱分布による解凍性能を
改善するためである。すなわち、加熱分布による解凍性
能改善のため、上述したかなり面倒な加熱制御シーケン
スが工夫され、かなり長時間をかけてゆっくり解凍する
という解凍手段が実用に供されていた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、前述したような従来の技術では、解凍
時間がかかりすぎ、しかも、十分な解凍性能が得られな
いという不都合があった。
マイクロ波加熱による解凍は、周知のように、2450MH
zという高周波電界による誘電加熱である。したがっ
て、特に水の高周波吸収係数が大きいものである。一
方、氷の高周波吸収係数は水の約1/500であり、このた
め誘電加熱による加熱分布は一層拡大される。第10図
は、直方体の冷凍魚肉を一般的な電子レンジで解凍した
場合の解凍後の温度分布を示した一例である。図のよう
に、直方体の場合は各コーナー部Aへの電界集中が強
く、又、エッジ部分Bでの電界強度も高くなる。逆にD
で示した部分は電界強度が弱く、このため、同図に示す
ように、A部が70℃以上の高温に加熱されてもD部は−
5℃以下という極めて悪い冷凍性能となる場合がある。
すなわち、マイクロ波加熱による解凍時は、形状に基づ
く加熱分布、および氷と水との高周波吸収係数の違いと
いう物性に基づく加熱分布が避けがたかった。このよう
な不都合をできるだけ抑制するために、第9図のような
解凍シーケンスにより解凍する構成が採用されているの
である。しかしながら、少しでも加熱制御が不適切であ
ると、第10図のような極めて不十分な解凍性能となるこ
とがおおく、マイクロ波による解凍はその性能面で使用
者の信頼を得られるものではなかった。
つまり、第9図のようにスタンディング時間Tsを設け
てゆっくり時間をかけて解凍処理を行っても、第10図の
ような部分的に食品が煮えてしまうといった解凍結果と
なる場合があり、マイクロ波加熱による解凍は非常に不
満の大きいものであった。
課題を解決するための手段 このような従来の技術の課題を解決するために、本発
明は以下に述べる構成より成るものである。
すなわち、マグネトロン等のマイクロ波発振器と、こ
のマイクロ波発振器を付勢する発振器駆動部と、前記マ
イクロ波発振器により給電され冷凍食品等を収納するオ
ーブンと、前記オーブン内の前記冷凍食品等の少なくと
もその近傍の圧力を減圧する減圧手段と、前記圧力を検
出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の信号に基づ
き前記発振器駆動部を制御する加熱制御部とを備え、前
記圧力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう前記
加熱制御部が前記発振器駆動部を制御する構成としたも
のである。
また、マイクロ波発振器をマグネトロンで構成し、こ
のマグネトロンのアノード電流検出手段の信号がアノー
ド電流基準信号発生器の信号に略等しくなるよう制御す
る構成とすると共に、圧力検出手段の信号に基づいて前
記アノード電流基準信号発生器の信号を調節して前記圧
力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう制御する
構成としたものである。
さらに、圧力検出手段を加熱制御部のマイナス電位に
接続すると共に、アノード電流検出信号を絶縁手段を介
して加熱制御部へ供給する構成とし、前記加熱制御部
が、前記圧力検出手段とアノード電流検出手段との信号
に基づき、前記圧力を大気圧より低い所定の圧力以下に
なるよう発振器駆部を制御する構成としたものである。
作用 以上の構成により本発明は以下に述べる作用を有する
ものである。
すなわち、マイクロ波発振器と、発振器駆動部と、オ
ーブンと、前記オーブン内の冷凍食品等の少なくともそ
の近傍の圧力を減圧する減圧手段と、前記圧力を検出す
る圧力検出手段と、前記圧力検出手段の信号に基づき前
記発振器駆動部を制御する加熱制御部とを備え、前記圧
力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう前記加熱
制御部が前記発振器駆動部を制御する構成とすることに
より、冷凍食品などからの蒸発水蒸気の量が減圧手段の
排気能力より大きくなろうとしたとき、発振器駆動部を
制御してマイクロ波発振器の出力を減少させ、冷凍食品
の少なくとも近傍の圧力を所定の望ましい圧力以下に調
節し、冷凍食品の温度を好ましい温度以下に保ちつつ解
凍を行うものである。
また、マイクロ波発振器をマグネトロンで構成し、こ
のマグネトロンのアノード電流検出手段の信号がアノー
ド電流基準信号発生器の信号に略等しくなるよう制御す
る構成とすると共に、圧力検出手段の信号に基づいて前
記アノード電流基準信号発生器の信号を調節して前記圧
力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう制御する
構成とすることにより、冷凍食品などの少なくとも近傍
の圧力が所定の望ましい圧力以下になるようマグネトロ
ンのアノード電流を制御し、冷凍食品の温度を好ましい
温度以下に保ちつつ解凍を行うものである。
さらに、圧力検出手段を加熱制御部のマイナス電位に
接続すると共に、アノード電流検出信号を絶縁手段を介
して加熱制御部へ供給する構成とし、前記加熱制御部
が、前記圧力検出手段とアノード電流検出手段との信号
に基づき、前記圧力を大気圧より低い所定の圧力以下に
なるよう発振器駆部を制御する構成とすることにより、
圧力検出手段の微小信号がノイズ信号による影響を受け
ることなく加熱制御部へ信号を供給し、しかもアノード
電流を電気的に絶縁して加熱制御部へ供給して安全性を
確保しつつ、冷凍食品などの少なくとも近傍の圧力が所
定の望ましい圧力以下になるようマグネトロンのアノー
ド電流を制御し、冷凍食品の温度を好ましい温度以下に
保ちつつ解凍を行うものである。
実施例 以下、本発明の実施例について図面と共に説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す高周波加熱装置のブロ
ック図である。
図において、商用電源等よりなる電源部20、この電源
部20により電力を受けるインバータ21、および昇圧トラ
ンス22により発振器駆動部23が構成され、マイクロ波発
振器24が付勢される。したがって、このマイクロ波発振
器24の出力電波はオーブン25に供給され、オーブン内の
被解凍物26を誘電加熱する。一方、オーブン(またはオ
ーブン内に設けた減圧容器)25の中は、減圧手段27によ
り所定の圧力に減圧される構成となっている。すなわ
ち、加熱制御部28は、オーブン(または減圧容器)25内
の圧力を検出する圧力検出手段29の信号を受け、発振器
駆動部23および減圧手段27を制御して、オーブン(また
は減圧容器)25内の圧力を望ましい調理条件にあった圧
力に制御しつつ誘電加熱を行うものである。ここで、減
圧容器を用いた場合は、被解凍物26の近傍のみが減圧さ
れることになり、オーブンなどを含む装置全体の構造の
簡単化や減圧手段27の減圧能力の削減ができるという利
点がある。また、加熱制御部28は、減圧状態での被解凍
物26の誘電加熱による解凍が終了した後、オーブン(ま
たは減圧容器)25内の圧力を所定の減圧状態から大気圧
に戻すための解除手段30を制御し、オーブン(または減
圧容器)25から被解凍物26の取り出しが容易に行えるよ
う構成されている。
ところで、減圧手段27による減圧は以下に述べる目的
で行うよう構成されている。
いわゆるマイクロ波による加熱は、2450MHzの高周波
電界による誘電加熱である。したがって、水のエネルギ
ー吸収が最も顕著であり、水分を含む食品等の加熱に用
いられるのが一般的である。このため、冷凍物(被解凍
物)の解凍を行う場合には、もし一部分が水であるとそ
の部分への加熱エネルギーの集中が著しく、極めて不均
一な解凍性能となるのである。これは氷の電波(2450MH
z)の吸収が水の1/500程度と極端に小さいためである。
したがって、冷凍物の部分的な温度上昇による部分的煮
え現象が生じ、不十分な解凍性能となることが多かっ
た。従来の高周波加熱装置で第9図に示したような解凍
シーケンス制御を行う構成であったのはこのためであ
る。ここで水の沸点Tbについて考えてみると、圧力Pに
対して第2図に示すように変化する。すなわち、大気圧
760mmHgにおいては水は100℃で沸騰し、水が存在するか
ぎりこの沸点(100℃)が維持される。
本発明は、この現象を利用して被加熱物の誘電加熱に
よる加熱温度を所定の温度以下に制御し、解凍において
要求される微妙な加熱温度の制御を従来に比べて飛躍的
に向上しようというものである。すなわち、第2図に示
すように、減圧手段27により圧力Pを例えば55mmHgある
いは20mmHgに制御すると、水の沸点はそれぞれ約40℃お
よび20℃に制御される結果となる。それ故、被解凍物26
の最高温度は圧力Pによって決まる温度以下となり、厳
密にあらかじめ定めた所望の温度以下に制御することが
できる。したがって、加熱分布の生じ易い解凍を行う場
合は、被加熱物の最高温度を圧力Pに応じた温度以下に
維持することができ、非常に歩留まりの優れた、しかも
被解凍物の物性変化のない解凍を実現することができ
る。
例えば、圧力Pを55mmHgに調節すると、被解凍物の温
度は40℃以下に維持され、また、20mmHgに調節すると、
約20℃以下に維持されながら解凍加熱を行うことができ
る。特に、20℃以下では解凍物の変性が生じない温度に
維持されるので、生ものの解凍には特に適している。さ
らに、発明者等の実験によれば、十分な減圧手段27の能
力が設定できる場合は、10mmHg程度に圧力Pを制御する
ことにより、生ものの解凍により適した10℃前後の温度
で解凍することができることも確認できた。
このような良好な解凍を実現するためには、圧力Pを
所望の値もしくはそれ以外に維持することが不可欠であ
ることは明らかである。しかしながら、被解凍物26が加
熱され前述した加熱分布に基づく部分的解凍が進行する
と、水分が蒸発しその蒸発水蒸気の発生体積と減圧手段
27の排気能力との大小関係が問題となる。もし、減圧手
段27の排気能力が蒸発水蒸気の発生体積を下まわる状態
が生じると圧力Pは上昇し、結果として沸点Tbが上昇し
てしまい良好な解凍状態が維持できなくなる。そこで本
発明では、第1図のように、加熱制御部28が発振器駆動
部23のインバータ21の出力を制御して圧力Pが所望の圧
力に維持されるよう構成されている。すなわち、圧力検
出手段29の信号は、基準信号発生器30の基準信号と比較
され、誤差増幅器31の出力としてマイクロコンピュータ
32に入力される構成となっている。マイクロコンピュー
タ32はこの信号を受けてインバータ21の出力を制御し、
圧力Pをあらかじめ定めた所望の値(例えば20mmHg)以
下に維持するものである。つまり、減圧手段27の排気能
力を上回る程水蒸気の蒸発量が大きくなった場合は、イ
ンバータ21の出力電力を下げるよう制御し、結果として
マイクロ波発振器24の電波出力の大きさを下げて水蒸気
の蒸発量を少なくするものである。この結果、減圧手段
の排気能力が不足する現象の発生を確実に防止すること
ができ、前述したきわめて良好な解凍状態を常に実現す
ることができる。
第3図は、第1図の実施例のさらに詳しい一実施例で
あり、第1図と同符号は相当する構成要素である。
同図において、電源部20は、商用電源40、ダイオード
ブリッジ41よりなり、全波整流波形電圧をインバータ21
に供給する。インバータ21は、チョークコイル42、コン
デンサ43、44、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ45、
ダイオード46などより構成され、昇圧トランス22の一次
巻き線に高周波電圧を発生する。この高周波電圧はコン
デンサ47、ダイオード48、49よりなる半波倍電圧整流回
路を介してマグネトロン24に直流高圧を供給する。これ
によりマグネトロン24は発振し、オーブン25に2450MHz
の高周波電波を供給する。
加熱制御部28は、抵抗器50を介して電圧降下された電
力を安定化する電源回路51(安定化電圧Vccを出力す
る)、1チップマイクロコンピュータ52、同期発振器5
3、誤差増幅器54、基準電圧源55よりなる。同期発振器5
3は、抵抗器56、57により、コンデンサ44、昇圧トラン
ス22よりなる共振回路の共振動作に同期しながらトラン
ジスタ(IGBT)45の導通パルス幅を、マグネトロン24の
アノード電流が基準電圧源55より与えられる目標アノー
ド電流になるよう、PWM制御するものである。一方、マ
イクロコンピュータ52は、高周波加熱装置の操作部(図
示せず)からの指令に応じて、リレーなどの接点スイッ
チ59、60を開閉制御する。すなわち、マイクロコンピュ
ータ52はスイッチ59、60を圧力検出器29の信号に基づく
所定のシーケンスで制御して、減圧手段である真空ポン
プ27を動作させて前述した減圧処理を行った後、インバ
ータ21を動作させてマイクロ波加熱するという制御を行
い良好な解凍加熱を行う。マイクロコンピュータ52は、
圧力検出器29の信号と基準信号発生器30の信号の差信号
を誤差増幅器31より受け、基準電圧源55を制御する構成
となっている。同期発振器53はこの基準電圧源55の発生
電圧に応じてIGBT45の導通パルス幅を制御し、マグネト
ロン24のアノード電流を制御する。この結果、圧力Pが
所望の圧力またはそれ以下となるようインバータ21の出
力が制御されてマグネトロン24のマイクロ波出力が調節
される構成を実現することができるのである。
さらに、マイクロコンピュータ52は、所定の加熱時間
が終了して解凍が完了すると、減圧解除手段61を作動さ
せてオーブン25内の圧力を自動的に大気圧に復帰させ
る。したがって、高周波加熱装置の操作者は、この大気
圧復帰後にマイクロコンピュータ52により行われる減圧
状態の解除完了情報(ブザーや光学的表示等による)に
基づいて、容易に被加熱物をオーブンから取り出すこと
ができる。
第4図は、前述した圧力Pの制御を行うためのさらに
詳しい1実施例であり、第3図と同符号のものは相当す
る構成要素であり詳しい説明を省略する。
第4図において、圧力検出器29は、2つの半導体圧力
センサー29a、29bより成る半導体圧力検出器であり、そ
れぞれ圧力に感応してその抵抗値が減少および増大する
ものである。したがって、その中点電位Vcは圧力Pに応
じた電位となって変化するので、検出が容易な直流電圧
として検出される。このVcは、演算増幅器31a、抵抗器3
1b、31cより成る増幅回路31により、抵抗器30a、可変抵
抗器30bより成る基準電圧との差信号としてマイクロコ
ンピュータ52に入力され所定の読み込みプログラムに基
づいて定量化される。
定量化された圧力Pの差信号に基づき、マイクロコン
ピュータ52は、周波数電圧変換器55に所定の制御プログ
ラムにしたがって指令を与える。すなわち、所定の圧力
を越えようとする誤差信号情報がマイクロコンピュータ
52に入力されると、マイクロコンピュータ52はその出力
電圧が小さくなるような指令を周波数電圧変換器55に与
える。
この周波数電圧変換器55の出力は、演算増幅器54aに
基準電圧を与える構成となっている。一方、この演算増
幅器54aの入力端子には、抵抗器58にて検出されたマグ
ネトロン24のアノード電流がフォトダイオード80、フォ
トトランジスタ81抵抗器82より成る絶縁手段83の出力信
号がアノード電流信号として入力される構成となってい
る。このアノード電流の検出とそのフィードバックを絶
縁構成としているのは、インバータ21とマグネトロン24
とを電気的に絶縁し、使用上の安全を確保するためであ
る。したがって、フォトトランジスタとフォトダイオー
ドなどのかわりに、昇圧トランス22の2次電流などをカ
レントトランスなどで検出する構成としても同様の効果
を得ることができる。
このアノード電流信号は、前述した基準電圧と比較さ
れ、誤差信号として誤差増幅器54の出力となる。すなわ
ち、アノード電流信号は基準電圧と比較され、抵抗器54
a、54Bで決まる増幅度でその誤差分が増幅されて同期発
振器53に供給されるのである。同期発振器53は、この誤
差信号に基づいてIGBT45のオン時間Tonを制御し、イン
バータ21の出力電力を制御し圧力Pが所定値またはそれ
以下となるよう制御するものである。
第5図はインバータ21の出力電力を制御し、結果とし
てマグネトロン24の電波出力を制御して圧力Pを所定値
またはそれ以下とするためのIGBT45の制御方法を図示し
たものである。
第5図(a)、(b)、(c)は、トランジスター
(IGBT)45の動作状態を示した動作波形であり、それぞ
れ、電圧Vcc、電流Icd、ゲート電圧Vgeである。この図
におけるTonを調節することにより、インバータ21の出
力を調節することができる。すなわち、Tonを小さく制
御するとインバータ21の出力電力は減少し、食品からの
水分の蒸発量が減少するので圧力Pを所定値またはそれ
以下に制御することができるのである。もちろん、逆
に、圧力Pが十分低い場合はTonを大きく制御し、マイ
クロ波出力を増大させて解凍時間を速くする事ができ
る。
第6図(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ
冷凍物を解凍する場合の従来の高周波加熱装置の加熱時
間領域Thと非加熱時間領域Tsの制御状態、同装置の電波
出力Poの変化状態、第3図の本発明の一実施例の高周波
加熱装置の加熱時間Th、同装置の電波出力Poの変化状態
を示す図である。この図から明らかなように、本発明の
高周波加熱装置は、非加熱時間領域Tsをまったく必要と
しない場合が多いのである。同図(d)において、電波
出力が低下(500W)するよう制御されているのは、前述
したように、減圧手段27の減圧能力が一定であるので、
減圧圧力Pが所定値を維持できるようTonを制御して加
熱電波出力を調節しているためである。すなわち、この
ような圧力Pの制御により、食品の所定の圧力またはそ
れ以下の圧力下でマイクロ波による解凍を行われるので
ある。このため、減圧能力の不十分な状態の発生が完全
に防止され、部分的な昇温が食品に生じることがない完
全な解凍を実現することができる。
このように本発明を実施した高周波加熱装置は、従来
の様に加熱分布の欠点を補うために高周波出力を大きく
減少させ、かつ、非加熱時間領域Tsを設けるという極め
て使い勝手の悪い制御方法を用いる事なく、従来に比べ
て著しく優れた被解凍物の解凍状態を実現し、誘電加熱
を用いた高周波装置の使い勝手の向上や利用範囲の拡大
を大きく進展せしめるものである。そして、水蒸気の蒸
発量が減圧手段の排気能力に比べて多くなりすぎた場合
は、排気能力に釣り合った水蒸気発生量となるよう高周
波加熱出力を調節し、圧力が所望の圧力となるよう制御
するものである。
第7図は本発明の一実施例の高周波加熱装置の構造を
示す断面図であり、第3図と同符号のものは相当する構
成要素であり詳しい説明を省略する。
同図において、オーブン25は密閉手段60、61、62によ
り、ドア63とオーブン25およびマグネトロン23との間の
隙間を密閉する構造となっている。ドア63は、回動する
密閉用取っ手64により筐体65に押しつけられオーブン25
との間を密閉するものである。また、ターンテーブル66
は、ターンテーブルモータ67により回動される磁石68と
ターンテーブル66に取りつけられた磁石69との吸引力に
より回転する構成であり、密閉オーブン25内のターンテ
ーブル66をその外部のモータ67で回動することができる
構成である。70は回動用のコマである。
また、71は水分等が減圧手段(ポンプ)27へ吸引され
るのを防ぐフィルター装置であり、72はこれにより吸引
を遮断された水などの貯蔵部である。さらに、73は排水
手段(電磁弁)であり、操作部(図示せず)の指令を受
けて、加熱制御部が貯蔵部72に溜まった水などを廃棄す
るために開口して排水するものである。
このような構造により、第1図、第3図で説明した動
作を実現し、第2図に示したような減圧調整を行いつつ
誘電加熱を行うことができ、冷凍物の解凍に対して極め
て優れた解凍性能を得ることができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、いかに述べる効果を得
ることができる。
すなわち、マイクロ波発振器と、発振器駆動部と、オ
ーブンと、前記オーブン内の冷凍食品等の少なくともそ
の近傍の圧力を減圧する減圧手段と、前記圧力を検出す
る圧力検出手段と、前記圧力検出手段の信号に基づき前
記発振器駆動部を制御する加熱制御部とを備え、前記圧
力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう前記加熱
制御部が前記発振器駆動部を制御する構成とすることに
より、冷凍食品などからの蒸発水蒸気の量が減圧手段の
排気能力より大きくなろうとしたとき、発振器駆動部を
制御してマイクロ波発振器の出力を減少さ、冷凍食品の
少なくとも近傍の圧力を所定の望ましい圧力以下に維持
調節し、冷凍食品の温度を好ましい温度以下に保ちつつ
解凍を行うことができ、従来困難であった極めて良好な
解凍状態で、しかも、非常に高速な解凍を実現すること
ができ、従来に比べて著しい解凍性能の向上した高周波
加熱装置を提供することができる。
また、マイクロ波発振器をマグネトロンで構成し、こ
のマグネトロンのアノード電流検出手段の信号がアノー
ド電流基準信号発生器の信号に略等しくなるよう制御す
る構成とすると共に、圧力検出手段の信号に基づいて前
記アノード電流基準信号発生器の信号を調節して前記圧
力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう制御する
構成とすることにより、冷凍食品などの少なくとも近傍
の圧力が所定の望ましい圧力以下になるようマグネトロ
ンのアノード電流を制御することが可能である。したが
って、前記圧力が大気圧より低い所定の圧力以下になる
よう、実質上のマグネトロンの電波出力を容易に制御す
ることができるのである。したがって、減圧手段の排気
能力不足を生じることなく、冷凍食品の温度を好ましい
温度以下に保ちつつ解凍を行うことができ、極めてすぐ
れた解凍性能を発揮できる高周波加熱装置を実現するこ
とができる。
さらに、圧力検出手段を加熱制御部のマイナス電位に
接続すると共に、アノード電流検出信号を絶縁手段を介
して加熱制御部へ供給する構成とし、前記加熱制御部
が、前記圧力検出手段とアノード電流検出手段との信号
に基づき、前記圧力を大気圧力より低い所定の圧力以下
になるよう発振器駆動部を制御する構成とすることによ
り、圧力検出手段の微小信号がノイズ信号による影響を
受けることなく加熱制御部へ信号を供給し、しかもアノ
ード電流を電気的に絶縁して加熱制御部へ供給して安全
性を確保しつつ、冷凍食品などの少なくとも近傍の圧力
が所定の望ましい圧力以下になるようマグネトロンのア
ノード電流を制御し、冷凍食品の温度を好ましい温度以
下に保ちつつ解凍を行うことが可能な高周波加熱装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す高周波加熱装置のブロ
ック図、第2図は同装置の減圧圧力と水の沸点の関係を
示す特性図、第3図は同装置の回路図、第4図は同装置
の加熱制御部の回路図、第5図は同装置のインバータの
動作波形図、第6図は同装置と従来の高周波加熱装置の
解凍動作比較図、第7図は同装置の断面図、第8図は従
来の高周波加熱装置の回路図、第9図は同装置の解凍動
作波形図、第10図は同装置による解凍物の温度分布説明
用斜視図である。 20……電源部、21……インバータ、22……昇圧トラン
ス、23……発振器駆動部、24……マイクロ波発振器、25
……オーブン(又は減圧容器)、26……被加熱物、27…
…減圧手段、28……加熱制御部、29……圧力検出手段。
フロントページの続き (72)発明者 別荘 大介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中林 裕治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 秋吉 光夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 渡辺 賢治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−41717(JP,A) 特開 昭52−51133(JP,A) 実開 昭58−109194(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 6/68 F24C 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネトロン等のマイクロ波発振器と、こ
    のマイクロ波発振器を付勢する発振器駆動部と、前記マ
    イクロ波発振器により給電され冷凍食品等の被解凍物を
    収納するオーブンと、前記オーブン内の前記冷凍食品等
    の被解凍物の少なくともその近傍の圧力を減圧する減圧
    手段と、前記圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力
    検出手段の信号に基づき前記発振器駆動部を制御する加
    熱制御部とを備え、前記圧力を大気圧より低い所定の圧
    力以下になるよう前記加熱制御部が前記発振器駆動部を
    制御する高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】マイクロ波発振器をマグネトロンで構成
    し、このマグネトロンのアノード電流検出手段の信号が
    アノード電流基準信号発生器の信号に略等しくなるよう
    制御する構成とすると共に、圧力検出手段の信号に基づ
    いて前記アノード電流基準信号発生器の信号を調節して
    前記圧力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう制
    御する特許請求の範囲第1項記載の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】圧力検出手段を加熱制御部のマイナス電位
    に接続すると共に、アノード電流検出信号を絶縁手段を
    介して加熱制御部へ供給し、前記加熱制御部が、前記圧
    力検出手段とアノード電流検出手段との信号に基づき、
    前記圧力を大気圧より低い所定の圧力以下になるよう発
    振器駆部を制御する特許請求の範囲第2項記載の高周波
    加熱装置。
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