JP2791866B2 - 乳白色乳酒の製造方法 - Google Patents

乳白色乳酒の製造方法

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JP2791866B2 JP7118090A JP11809095A JP2791866B2 JP 2791866 B2 JP2791866 B2 JP 2791866B2 JP 7118090 A JP7118090 A JP 7118090A JP 11809095 A JP11809095 A JP 11809095A JP 2791866 B2 JP2791866 B2 JP 2791866B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳類を原料にした乳白色
乳酒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発酵乳とは、乳酸発酵又は、アルコ−ル
発酵性微生物をスタ−タ−として、牛乳などの乳汁を発
酵させたものである。
【0003】一般に乳酸発酵によって作られるものを酸
乳、アルコ−ル発酵によるものはアルコ−ル発酵乳又は
乳酒と呼ばれている。
【0004】我が国では発酵乳といえばヨ−グルトに代
表される乳酸発酵のみを行った酸乳が数多く生産され愛
飲されているが、アルコ−ル発酵乳は例が少なく、一般
に飲用されるには至っていない。
【0005】諸外国においては、ロシア、東欧諸国のケ
フィア、中央アジアのクミス、エジプトのレ−ベンなど
のアルコ−ル含量が2%程度のアルコ−ル発酵乳が見ら
れ、各地域の気候、風土、嗜好性にあったかたちで愛飲
されている。
【0006】また、乳類を原料にしたアルコ−ル飲料の
製造方法としては、乳類にアルコ−ル、有機酸、糖、果
汁、風味付与剤、安定化剤などを添加混合して作る混成
酒タイプのものや、乳類と糖質などを原料にして、乳酸
発酵及びアルコ−ル発酵を行わせて作る醸造酒タイプの
ものが見られるが商品化されているものは少ない。
【0007】前者の混成酒タイプのものとしては、特開
昭61−70970、特開昭61−177976などが
あり、後者の醸造酒タイプのものとしては、特公昭56
−29503、特開昭59−154979、特開平1−
257458などがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
1、 諸外国に見られるアルコ−ル発酵乳には以下のよ
うな問題点がある。即ち、原料である乳汁は栄養が豊富
であるため、生活環境中に数多く生息する微生物にとっ
て良好な増殖培地となり、発酵乳の製造中に雑菌の汚染
を招き易く、この汚染により乳化状態が破壊され蛋白質
が凝固しホエ−の分離が発生するなど製品品質の安定化
に関して欠点がある。
【0009】2、 混成酒タイプのものは発酵工程を伴
わないため、アルコ−ル発酵等により付与される風味に
乏しく、味が単純になる欠点を持つ。
【0010】3、 醸造酒タイプのものは製造工程にお
けるモロミのpHの低下等により蛋白質が凝固し乳化状
態が破壊されホエ−の分離が発生するため、増粘剤や多
量の糖類の添加とホモジナイザ−による均質化処理によ
り乳濁した乳酒を製造している。そのため原料本来の持
つ風味が変化してしまう問題点がある。
【0011】4、 又、日本人には乳糖不耐症が多く見
られ、乳飲料により下痢症状を起こすことが多々みられ
る。
【0012】5、 本発明は乳本来の風味を生かした
乳白色で、アルコ−ル含量の多い本格的なアルコ−ル飲
料とすることソフトな乳化状態と風味の安定化を長期
間にわたり保持すること日本人に多い乳糖不耐症の消
費者にも飲用可能な飲料とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に以下のような手段を講じた。
【0014】まず、乳糖含有量を低減するために乳糖資
化性の酵母であるKluyveromyces lac
tisまたはKluyveromyces fragi
lisを使用し、またはKluyveromyces
lactisKluyveromyces fra
gilisを併用した。
【0015】また、雑菌の汚染などによる乳化状態の破
壊を防止し、アルコ−ル発酵を順調に進行させるため
に、モロミにアルコ−ルを2〜10容量%添加するとい
う手段を講じた。
【0016】
【作用及び発明の効果】
1、 乳糖含量を低減し、乳糖不耐症の人にも飲用可能
とするため乳糖資化性の酵母であるKluyverom
yces lactisまたはKluyveromyc
es fragilisの一方又は双方を利用した。こ
れらは、いずれも従来のアルコ−ル発酵乳であるケフィ
アやクミスの製造の際に使用されている微生物であるた
め食品製造に使用可能な微生物である。
【0017】2、 次にこれらの酵母を用いて乳汁のア
ルコ−ル発酵条件を検討したが、往々にして発酵途中で
乳モロミが変敗しアルコ−ル発酵が順調に進行しないと
いう欠点が生じた。その原因は乳モロミが雑菌により汚
染され、アルコ−ル発酵が阻害されるという点にある。
そこで乳モロミの雑菌汚染を防止しアルコ−ル発酵を順
調に進行させることが課題となる。
【0018】一般的に、酒類製造に関しては雑菌汚染を
防止するための工夫がいくつか見られる。例えば、清酒
製造に際しては、酒母に乳酸を加えてモロミのpHを低
下させると共に、モロミの温度を低温に保ち、雑菌の増
殖を防止することでモロミの発酵管理が安全になされて
いる。又、ワイン製造に際しては、亜硫酸の添加による
原料の殺菌と原料に含有される有機酸によりモロミのp
Hが低下し、より安全な発酵が行われている。
【0019】しかし、乳を原料とした場合にはpHを低
下させると乳蛋白質の乳化状態が不安定になり、蛋白質
が容易に凝固分離するためモロミのpHを低下させるこ
とは困難である。そこでpHコントロールに代わる手法
としてモロミにアルコールを2〜10容量%添加するこ
とにより雑菌の増殖を防ぎモロミの異常発酵を防止する
と共に、添加酵母によるアルコール発酵に伴う生酸を抑
制するという手段を講じ、その結果、発酵途中の乳モロ
ミを良好な乳化状態で維持させることに成功した。
【0020】3、 以上のような手段を講じた結果 乳糖含量が少なく乳糖不耐症の消費者にも飲用可能で
あり 発酵工程を伴うためアルコ−ル発酵による風味を付与
することが可能であり アルコ−ルを添加することにより雑菌汚染による乳化
状態の破壊を防止することができ、従って安定した乳化
状態を維持することが可能であり 安定した乳化状態の維持が可能であることから増粘剤
や多量の糖類の添加、ホモジナイザ−による均質化処理
等の必要がなくなり、その結果乳本来の風味を損なわな
い乳飲料の提供が可能となった。
【0021】
【実施例】
実施例1: 水9lに脱脂粉乳0.8Kgをステンレス
タンク内で混合溶解し、ガスコンロにより95℃で30
分間加熱殺菌後、流水中で25℃に冷却し脱脂粉乳溶液
を調整した。
【0022】アルコ−ル添加効果の比較を行う目的で試
験区1では、95%アルコ−ルを0.5l添加混合し、
試験区2ではアルコ−ル添加を行わなかった。
【0023】次に、試験区1及び試験区2の溶液に、
luyveromyces lactis(IF0−1
090)培養液を5%添加し25℃で発酵を行った。
【0024】試験区1では、発酵12日目に砂糖を0.
5Kg添加し、さらに5日間発酵を継続した後、モロミ
を65℃で10分間加熱し発酵を停止した。
【0025】しかし、試験区2では発酵7日目に乳蛋白
質の凝固が発生し、発酵は継続できなかった。
【0026】この結果、試験区1ではミルクセ−キ様風
味を持つ乳白色をしたアルコ−ル度数7.2%の乳酒を
得た。得られた乳酒の成分値を表1に示した。
【0027】さらに6ケ月間の保存試験を5℃、室温、
30℃で実施し、蛋白凝固の有無、色の変化、風味の変
化について検討した結果、十分流通に耐え得る商品を得
た(表2)。
【0028】実施例2: 水9lに脱脂粉乳0.8Kg
を混合溶解し、95℃で30分間加熱殺菌後、流水中で
25℃に冷却し、95%アルコ−ルを0.3l添加して
脱脂粉乳溶液を調整した。
【0029】次に、Kluyveromyces la
ctis(IF0−1267)培養液を5%添加し25
℃で発酵を行った。7日目に砂糖を0.7Kg添加し、
さらに5日間発酵を継続した後、モロミを65℃で10
分間加熱殺菌し発酵を停止した。
【0030】この結果、ミルクセ−キ様風味を持つ乳白
色をしたアルコ−ル度数6.4%の乳酒を得た。得られ
た乳酒の成分値を表1に示した。
【0031】実施例3: 水9lに脱脂粉乳0.8Kg
を混合溶解し、95℃で30分間加熱殺菌後、流水中で
25℃に冷却し、95%アルコ−ルを0.9l添加して
脱脂粉乳溶液を調整した。
【0032】次に、Kluyveromyces fr
agilis(IFO−1735)培養液を5%添加し
25℃で発酵を行った。15日目に砂糖を0.3Kg添
加し、さらに5日間発酵を継続した後、モロミを65℃
で10分間加熱殺菌し発酵を停止した。
【0033】この結果、さわやかな発酵風味を持つ乳白
色をしたアルコ−ル度数10.1%の乳酒を得た。得ら
れた乳酒の成分値を表1に示した。 表1 乳酒の成分分析値(単位は%) 表2 乳酒の保存試験結果 その1 (5℃) 乳酒の保存試験結果 その2 (室温) 乳酒の保存試験結果 その3 (30℃) 注) − 変化なし ± わずかに変化が認められる + 変化が認められる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−34034(JP,A) 特開 昭61−177976(JP,A) 特開 平6−319447(JP,A) 特公 昭30−9146(JP,B1) 特公 昭35−8098(JP,B1) 特公 昭33−1594(JP,B1) 特公 昭37−8538(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12G 1/00 - 3/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動物の乳又は粉乳で調整した乳汁にアルコ
    ールを2〜10容量%添加した後、酵母によるアルコー
    ル発酵を行い、アルコール添加によつて乳汁の安定した
    乳化状態を保持することを特徴とする乳白色乳酒の製造
    方法。
JP7118090A 1995-05-17 1995-05-17 乳白色乳酒の製造方法 Expired - Lifetime JP2791866B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5534034A (en) * 1978-08-29 1980-03-10 Zenkan Kin Production of milk wine by microorganism
JP2561069B2 (ja) * 1985-02-01 1996-12-04 カルピス食品工業 株式会社 乳蛋白質含有アルコ−ル飲料の製造法
JPH06319447A (ja) * 1993-04-14 1994-11-22 Houki Rakunou Shoji Kk 牛乳からアルコール飲料を製造する方法

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