JPS637774A - 栄養酒の製造方法 - Google Patents

栄養酒の製造方法

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JPS637774A
JPS637774A JP61150259A JP15025986A JPS637774A JP S637774 A JPS637774 A JP S637774A JP 61150259 A JP61150259 A JP 61150259A JP 15025986 A JP15025986 A JP 15025986A JP S637774 A JPS637774 A JP S637774A
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JP
Japan
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fermentation
lactic acid
yeast
milk
acid bacteria
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JP61150259A
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English (en)
Inventor
Hirotada Yamauchi
啓正 山内
Koji Hirano
平野 好司
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は牛乳等の動物乳由来の風味と栄養価をもち、か
つ乳酸のもつ爽やかな風味と嗜好性並びに酵母に由来す
る好ましい風味を付加した栄養酒の製造方法に関するも
のである。
(従来の技術) 牛乳は「完全食品」ともてはやされるほど栄養面にすぐ
れた食品で、食生活に欠くことのできない必需品となっ
ている。殊に幼児、青少年の発育や体力を増強するため
に、又病人の健康回復促進のためなどに有効なものとさ
れている。しかしながら東洋人には乳糖不耐症の人が多
い。我国でも人口の2割以上の人が該当するといわれて
おり。
牛乳摂取後数時間以内に腹鳴り、嘔吐、腹痛、下痢など
の症状をおこす傾向が強い。更に、不耐症の人以外の約
半数の人が牛乳に弱いと見込まれており、牛乳が栄養飲
料として必ずしもよく普及しているわけではない。この
ため、いろいろの研究者によって酵素による低乳糖化牛
乳やビフィズス歯大9牛乳、乳酸菌飲料などが次々と開
発され。
低温流通技術の発展と並行して多種多様の、牛乳を主原
料とする飲料が市場に導入されている。
こうした飲料は、フレッシュで飲みやすい健康飲料とい
うイメージを中心に、牛乳になじみのある未成年者を核
に商品設計をされることが多い。
したがって、風味の向上に発酵技術が活用されるとして
も乳酸発酵が主流であり、アルコール発酵が利用される
ことはなかった。モンゴルやコーカサスでは馬乳からの
「クミスKumi sθ」、ラクダ乳からの「ケフィア
KephirJ、ヤク乳からの「アイランA1ranj
が遊牧民の手でつくられる滋養のある飲料として知られ
ているが、アルコール含量も1チ程度であり、牛乳から
の本格的な醸造酒は商業的に知られていない。アルコー
ルを含み、栄養価に富む飲料があればアルコール好きの
大人に好まれる商品となるであろうとのねらいで、西ト
9イツでは牛乳にアルコールを加えて新しいアルコール
飲料を開発する工夫がくシ返されたが、いまだに成功し
ていない、また我国においても、牛乳からの本格的な醸
造酒の製法がいくつか提案されたが、商業的に作られた
ことがなかった。
牛乳等の乳成分と糖類との混合物を原料としたものに、
酵母又は酵母と乳酸菌を作用させることにより、嗜好性
がよく、牛乳由来の風味と栄養価をもつ栄養酒の製造方
法が、特開昭59−154979に開示されている。こ
の開示された製造方法は。
酵母を単独で、もしくは乳酸菌と酵母とを同時に原料に
接種して発酵させることを特徴とするものであり、使用
する酵母はいずれの場合も1種類である。
この方法では乳酸菌と酵母とを原料に同時に接種して発
酵させるため両菌株の活性間を常に一定に保つことが著
しく困難であり、安定した発酵成績を得ることがむずか
しい。したがって、−定の優れた品質を持つ最終製品を
安定に製造することが困難であった。また、1種類の酵
母しか使用しないため得られる製品の風味が乏しいとい
う欠点もあった。
特開昭55−34034号公報には脱脂乳又は脱脂粉乳
をデルブラッキー桿状菌で一次発酵させ1次いで楕円状
酵母菌で二次発酵させて乳酒を製造する方法が提案され
ている。しかしながら、提案の方法では乳酸菌およびア
ルコール発酵用酵母として、それぞれ特定の1種類の菌
株しか用いておらず、得られる製品は風味【乏しいとい
う欠点があった。また、楕円状酵母菌を使用することに
より。
乳酸濃度が高くても後続の二次発酵(アルコール発酵)
が順調に進行するが、楕円状酵母菌が乳糖資化性のもの
でないため、最終製品中に乳糖が残存して、乳糖不耐症
の人には飲用が不適当であるという欠点もある。
更に、−特公昭35−8098号公報等には脱脂乳又は
全乳を乳酸発酵させ、加熱処理して乳酸発酵を停止させ
、消化に困難なカゼイン等を変4hして落下させ、この
落下物を酵素等で消化した後醪甲に戻して・舎り、補糖
後アルコール発酵を行う技術が開示されている。この方
法は乳酸発酵後に加熱処理を行うため、風味または香り
が劣化することがある。また乳゛陵発酵後に不消化物質
の分離、再処理等の工程が含まれるため操作が煩雑とな
シ、装置の設計変更も必要となろう。
(発明が解決しようとする問題点) これ壕でに提案された方法はそ引ぞれ上記に説明したよ
うな欠点を持っている。本発明はそれらの欠点を克服し
、優れた品質を持つ栄養酒を安定かつ簡便に供給する方
法を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は前記の欠点を解決するために鋭意研究した
結果、動物乳、−収約には牛乳を主成分とする原料を乳
酸発酵させ適量の乳酸が生成した時点で、加熱殺菌を施
すことなく、引続き乳酸発酵と平行して酵母によるアル
コール発酵を行わせることにより安定した品質のアルコ
ール飲料製品が得られるという事実を見出し1本発明を
完成したものである。
(作 用) 本発明では動物乳、例えば山羊乳、馬乳、牛乳等の食用
動物乳を原料として用いるが、特殊な場合を除き、牛乳
が安価でしかも入手し易く一般的に使用される。また、
全乳の使用に代えて、または全乳の一部に代えて粉乳、
脱脂粉乳、ホエー等を原料に使用できる。
本発明では上記乳成分に糖成分を添加混合して発酵原料
を調製する。糖成分は後続工程におけるアルコール発酵
の原料となるものであり、最終製品の風味を損わないも
のであれば、どのような種類の糖であっても良い。好し
い糖としては、ぶどう糖1M糖、果糖、乳糖、澱粉加水
分解物、異性化糖、転化糖、蜂蜜、麦芽エキス、濃縮果
汁等があシ、そのうち澱粉加水分解物、ぶどう糖、蔗糖
、乳糖が特に好しい。
乳成分と糖類との混合比率は最終製品のアルコール度、
風味、材料の種類等により適宜選択するものとする。
発酵原料は乳酸菌の接種前に通常の方法により殺菌を行
う。次いで2種以上の乳酸菌を同時に接種して乳酸発酵
を行う。乳酸菌としてはラクトバf /l/ スプルガ
リクス(Lactobacilus bulgaric
us)とストレフト、コツカスサーモフィルス(5tr
epto−coccuq thermophilus 
)の2種類を組合せることが好しい。これらの乳酸菌に
ついては予じめ常法によって培養を行いスターターを調
製しておく。
殺菌済みの発酵原料に上記のスターターを接種し使用乳
酸菌の至適条件付近で発酵を行う。例えば、28℃前後
で所定量の乳酸が生成するまで発酵を継続する。温度を
更に上げて1発酵時間を短縮することもできるが、28
℃付近での発酵が風味。
香りの点で好しい。醪は乳酸の生成に従ってpHが低下
してい(、pHが約4.0〜4.5(総酸(乳酸換算)
が約0.51〜0.63)に達した時点で、アルコール
発酵用酵母を接種してアルコール発酵を開始させる。
乳酸発酵が進行し過ぎて、醪中の総酸濃度が1チ前後に
達すると、後のアルコール発酵が順調に進行しない。ま
た総酸濃度が0.5チ以下であるとアルコール発酵後の
最終製品の風味および香シが十分でない。
アルコール発酵は上記の所定のpHに達した醪に直接酒
母を接種することにより1発酵を開始し。
乳酸発酵と僧行して進行させることができる。本発明で
は、ワイン酵母、ウィスキー酵母、ビール酵母、清酒酵
母等の醸造用酵母を用いることができ、またこれら外缶
と共にまたは単独で乳糖資化性酵母を用いることができ
る。乳糖資化性酵母を用いることにより、残存乳糖濃度
を低下することができる。また、2種以上の酵母を用い
ることてより変化のある独特の風味を与えることもでき
る。
アルコール発酵用酵母としては醸造用酵母、サツカロミ
セスセレビシェ(Saccharomyces cer
ev−1siaa )および乳糖資化性酵母クルイイロ
ミセスフラギリス(Kluyveromycee fr
agillg )が好ましい。
各酵母は使用に先立って、常法により培養を行い酒母を
調製し、これを用いてアルコール発酵を行う。アルコー
ル発酵は使用酵母の至適条件付近で行うことが好しく、
約28℃前後で4〜10日間程度の期間で行う。最終製
品のアルコール度は発酵原料に配合した樵の濃度、アル
コール発酵の期間等を調節することにより、適宜選択で
きる。
アルコール発酵終了醪はそのま\飲用に供しても良いし
、加熱殺菌して飲用することもできる。
更に、発酵終了醪に乳酸、蔗糖、アルコール、香料1着
色料、ビタミン類等の栄養成分を配合して均質化処理を
施して飲用に供しても良い。
実施例および比較例により本発明を更【詳細に説明する
実施例1゜ 普通牛乳とぶどう糖の混合液に、乳酸菌を添加し乳酸発
酵を先行させ、乳糖資化性酵母を接種して発酵させて栄
賽酒を得た例を示す。
(7)培地の調製 市販の普通牛乳1320mとぶどう糖320Iと水26
80m1を混ぜた牛乳含有液を調製し、これを日阪製作
所製超高温滅菌機を用いて130℃で4秒間加熱殺菌し
たものを培地Aとした。
(イ)乳酸菌スターターの調製 培地Aの50−にあらかじめ培養しておいたラクトバチ
ルスブルガリクス(Lactbacillus ’bu
1gar1−cus財団法人醗酵研究所、工F’035
33)を、又別の5o11Llに同じく培養しておいた
ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptoc
occus the、rmophilus同研究所、工
1’O3535)を接種し、28℃で24時間培養した
ものを乳酸菌スターターB及びCとした。
なお乳酸菌は財団法人醗酵研究所で保存され一般に分譲
されているものを用いることができる。
(つ)酒母の調製 培地Aの500コに、あらかじめ液体静置培養しておい
たクルイベロミセスフラギリス(Kluyyero−m
ycea fragilis 、 IP’00288 
)を植菌し、28℃で2ないし3日間培養したものを酒
母りとした。
に)発酵 培地A 1000−に対し、乳酸菌スターターB及びC
を各10フ接種し、28℃で乳酸発酵させ、醪のpHが
4.0になった時点で酒母りを接種後の醪ld中に1×
10個の酵母菌体数が含まれるように添加し、ひき続き
28℃で122日間発酵行なった。
(実験1) (3)分析結果 培地Aと実験1の発酵終了醪の分析値を表1に示す。
表1 培地と発酵終了醪の分析値 実験1では、酵母により全糖濃度の減少に見合うアルコ
ールが生成しており、良好にアルコール発酵を進行させ
ることができた。
(ガ 品質評価 培地Aと実験1の発酵終了醪を対にして良く訓練された
パネル15名によって品質の官能評価を行なった。
この結果、ヨーグルト様の爽やかな風味が増強され、酵
母による快い発酵臭と良く調和のとれた牛乳酒をつくる
ことができた。
実施例2 普通牛乳とぶどう糖の混合液に乳糖資化性酵母を添加し
、アルコール発酵を先行させ、乳酸菌を接種し、発酵さ
せて栄養酒を得た例を示す。
(7)培地の調製 実施例1と同様の方法で培地Aを調製した。
印 乳酸菌スターターの調製 実施例1の方法で乳酸菌スターターBおよびCを調製し
た。
(つ)酒母りの調製 実施例1の方法で酒母りを調製した。
に)発酵 培地A 1000 dに対し、酒母りを接種後の培地1
−中に1×10個の酵母菌体数が含まれるように調整し
て加え28℃でアルコール発酵を行なわせ、1日後に乳
酸菌スターターBとCを実験1と同量接種した後、ひき
続き28℃で7日間発酵を行なった。(実験2) (至)分析結果 培地Aと実験2の発酵終了醪の分析値を表2に示す。
表2 培地と発酵終了醪の分析値 顧謔漏じ― (3)品質評価 培地Aと実験2の発酵終了醪を対にして良く訓練された
パネル15名によって品質の官能評価を行なった。
この結果、酵母によるフルーティーな発酵臭が加わって
、牛乳の乳臭さがマスキングされ、乳酸の爽やかな酸味
をもつ牛乳酒をつくることができた。
実施例3 普通牛乳とぶどう糖を混ぜたものに、乳酸菌を添加して
乳酸発酵を先行させ、乳糖資化性酵母と醸造用酵母を同
時に添加して発酵させて栄養酒を得た例を示す。
(7)培地の調製 実施例1の方法で培地Aを調製した。
(イ)乳酸菌スターターの調製 実施例1の方法で乳酸菌スターターBおよびCを調製し
た。
(力 酒母の調製 培地Aからそれぞれ200−とり、これに予め培養して
おいた表3に示す酵母を植菌し、28℃で2ないし3日
間培養した。
に)発酵 培地Aを1000 dずつ5個のマイヤーに分取し、そ
れぞれに乳酸菌スターターB及びCを各10耐接種し、
28℃で乳酸発酵した。
実験1では実施例1と同様の方法で発酵終了醪を得た。
実験3.4,5.6では醪のpHが4.0になった時点
でそれぞれ2種類の酒母り及びR,D及びS、D及びT
、D及びUを接種後の酸1ゴ中にそれぞれの酒母菌体数
が1×10個含まれるように調整して加え、ひき続き2
8℃で10日間発酵して。
発酵終了醪を得た。
(9)分析結果 培地Aと実験1.3.4,5.6の発酵終了醪の分析値
を表4に示す。
表4 培地と発酵終了醪の分析値 この実施例では、乳糖資化性酵母と同時に添加する醸造
用酵母の種類が異なっていても、乳酸及びアルコールを
良好に生成させることができた。
(2)品質評価 培地Aと実験1.3〜6の製成酒をそれぞれ対にして、
よく訓練されたノぞネル15名によって品質を2点比較
法で官能評価した。
この結果、醸造用酵母を乳糖資化性酵母と併用すること
により、乳糖資化性酵母単独でもちいた場合の快よいチ
ーズ様の発酵臭に、それぞれの醸造用酵母特有のエステ
ル香、フルーティー香が付加されたおいしい牛乳酒をつ
くることができた。
実施例4 普通牛乳とぶどう糖の混合液に乳酸菌を接種し、乳酸発
酵を進行させて、乳酸発酵の度合の異なる種々の醪をつ
くシこれに酵母を接種して発酵を行なわせて栄養酒を得
た例を示す。
(支)培地の調製 実施例1の方法で培地A 10,0OOdを調製した。
(イ)乳酸菌スターターの調製 実施例1の、方法で乳酸菌スターターB及びCを各10
0mW4製した。
(り 酒母の調製 実施例1の方法で、酒母りを2000mJ調製した。
に) 発酵 調製培地Aを1000 dずつマイヤーに分注し。
それぞれに乳酸菌スターターBとCを各10d接種し、
28℃で乳酸発酵を行なった。醪のpHが実験7 、8
 、9.10.11では、それぞれ5.5,5.0゜4
.5 、4.0 、3.8になった時点で、酒母りを接
種後の醪1 rnl中にI X 107個の酵母菌体数
が存在するように調整して添加し、ひき続き28℃で1
0日間発酵した。得られた発酵終了醪を90℃で30秒
間加熱殺菌して製成酒を得た。
(3)分析結果 培地Aと実験7〜11で得られた製成酒の分析値を表5
に示す。
表5 培地と製成酒の分析値 酒母の添加を醪のpHが4ないし4.5で行なった場合
には、乳酸及びアルコールの良好な生成が認められ、乳
酸発酵とアルコール発酵共に円滑に進行した。これに対
しpH5以上で酒母を接種した場合には、酵母のアルコ
ール発酵により、乳酸発酵が阻害され総酸の低下をきた
した。またpFI 4を切った時点で酒母を添加した場
合には、酒母添加10日後で多量の残菌が認められ、ア
ルコール発酵の進行が円滑に行なわれなかった。
実施例5 種々の牛乳液と一定量のぶどう糖の混合液に、乳酸菌を
加えて乳酸発酵を先行させ、乳糖資化性酵母を接種して
アルコール発酵させて栄養酒を得た例を示す。
(7)培地の調製 表6に示すごとく、−定量のぶどう糖と(11普通牛乳
660+nA’、又は(2)これと同量の乳糖を含有す
るような量の乳加工品に脱イオン水を加えて2000−
としたものとを混ぜて牛乳含有液を調製し、130℃で
4秒間加熱殺菌を行なった培地をA、工。
J、にとした。
表6 各種牛乳含有液の配合表 (イ)乳酸菌ヌターターの調製 上記(支)で調製した培地A、I、、T、にそれぞれに
ついて実施例1の方法で、乳酸菌スターターを調製した
(つ)酒母の調製 上記(7)で調製した培地A、工、、T、にそれぞれに
ついて実施例1の方法で酒母を調製した。
に)発酵 実験1 、12.13.14ではそれぞれ培地A、工。
J、に1000mに対して、対応する乳酸菌スターター
を各10−接種し、28℃で乳酸発酵した。醪のpHが
4.0になった時点でそれぞれの培地に対応する酒母を
接種後の醪1 ml当夛の酵母菌体数が1×10個にな
るように調整して添加し、ひき続き28℃で10ないし
18日間発酵を行なった。
(9)分析結果 培地と発酵終了醪の分析値を表7に示す。
表7 各培地と各発酵終了醪の分析値 この実施例では、普通牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、ホエー
パウダー等原料乳製品の形は異なっても。
乳酸菌と乳糖資化性酵母を加えることによって。
乳酸とアルコールの両方を良好に生成させることができ
た。
(ガ 品質評価 培地A、■、J、にとそれに対応する実験1゜12 、
13 、14の発酵終了醪をそれぞれ対として訓練され
たパネル15名により1品質を2点比較法で官能評価し
た。
この結果、普通牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、ホ二一パウダ
ー等いずれの形の原料乳製品を用いても、乳酸菌を先行
添加したのち乳糖資化性酵母を加えることによって牛乳
生ぐさい香味を消失させ、快よいアルコール発酵風味と
ヨーグルト様風味を付与し、乳酸の爽やかな酸味を有す
るおいしい酒をつくることができた。
実施例6 各種の糖質と普通牛乳を混ぜたものに乳酸菌を添加して
乳酸発酵を先行させた後、乳糖資化性酵母と醸造用酵母
を加えて発酵させ栄養酒を得た例を示す。
(7)培地の調製 表8に示す使用量の蜂蜜又は濃縮ぶどう果汁又は麦汁エ
キスと普通牛乳660m/及び脱イオン水1340−を
混ぜた牛乳調製液をつくり、130℃で4秒間加熱殺菌
を行なって、培地り、M、Nを調製した。
(イ)乳酸菌スターターの調製 実験15では培地りの59dにあらかじめ培養しておい
たラクトバチルスブルガリクス(工F’O3533)を
、又別の59 W/に同じく培養しておいたストレプト
コッカスサーモフィルス(IFO3535)を接種シ2
8℃で24時間培養したものを乳酸菌スターターとした
実験16では、培地Mを用いて実験15と同じ方法で、
乳酸菌スターターを得た。
実験17 、18では、培地Nを用いて実験15と同じ
方法で乳酸菌スターターを得た。
(つ)酒母の調製 実験15では、培地りの200mA’に、あらかじめ培
養しておいた乳糖資化性酵母(クルイベロミセスフラギ
リ、(; 工FO0288)を、又別の200m/に同
じく培養しておいた清酒用酵母(サツカロミセスセルビ
シエ;日本醸造協会清酒用酵母7号)を接種して28℃
で2日間培養したものを酒母とした。
実験16では培地Mを用いて実験15と同じ方法で乳糖
資化性酵母(工F00288 )及びワイン酵母(サツ
カロミセスセルビシエ;(財)醗酵研究所ぶどう酒酵母
1号)の酒母を得た。
実験17では、培地Nを用いて実験15と同じ方法で乳
糖資化性酵母(工FOO288’)及びウィスキー酵母
(サッカロミセスセルビシェ; 工I’00233 )
の酒母を得た。
実験18では培地Nを用いて実験15と同じ方法で乳糖
資化性酵母(工FO0288)及びビール酵母(サツカ
ロミセスセルビシェ; 工F’02036 )OM母を
得た。
表8 培地と酵母の組合せ に)争 実験15 、16 、17 、18に対応した培地をそ
れぞれ10100Oとり1、これに上記(イ)で調製し
た乳酸菌スターターを各10m1接種し28℃で乳酸発
酵した。醪の−pHが4.5に低下した時点で、それぞ
れの醪に対応した表8に示す2種類の酒母を、それぞれ
接種後の醪IM中に1×107個の酵母菌体数が含まれ
るように調整して加え、ひき続き28℃で7日間発酵し
て発酵終了醪を得た。
(3)分析結果 実験15 、16 、17 、18の培地と発酵終了醪
の分析値を表9に示す。
表9 各培地と各発酵終了醪の分析値 この実施例では、いずれも良好な乳酸生成が認められ、
かつ全糖濃度の減少に見合うアルコールが生成した。
(ガ 品質評価 実験15 、16 、17 、18における各培地とそ
れに対応する発酵終了醪を一対として、訓練されたパネ
ル15名により、品質を2点比較法で官能評価した。
この結果、いずれの場合も牛乳の生ぐさい勾いを消失さ
せ、快よいヨーグルト風味と乳酸の爽やかな酸味を付与
したおいしい牛乳部をつくることができた。またワイン
酵母を用いた実験16の発酵終了醪は、ややぶどう果汁
のフルーティーな香がやや弱くなっているものの、それ
以外にワイン様のエステルの香が付与されている。また
ウィスキー酵母を用いた実験171.ビール酵母を用い
た実験18の発酵終了醪についてはもとの麦芽の芳しい
香がよく残っている。
実施例7 普通牛乳とぶどう糖の混合液に乳酸菌を添加して乳酸発
酵を先行させ、乳糖資化性酵母を接種して種々の期間発
酵を行なって栄養部を得た例を示す。
(支)培地の調製 実施例1の方法で培地A 4000 mJを調製した。
(イ)乳酸菌スターターの調製 実施例1の方法で、乳酸菌スターターBとCを各50プ
調製した。
(つ)wA母の調製 実施例1の方法で、酒母りを500TJLll!Il製
した。
に)発酵 培地Aを1000−ずつ3個のマイヤーにとりわけ、そ
れぞれに対して乳酸菌スターターBとCを各10mA’
接種し28℃で乳酸発酵を行なった。約20時間後醪の
pHが4.0になった時点で、それぞれのマイヤーに対
し、酒母りを接種後の醪1rIIl中にI X 10’
個の酵母菌体数が存在するように調整して加えてひき続
き28℃で発酵を行なった。
実験19〜21では酒母添加後、それぞれ1,3゜7日
後に発酵終了醪を90℃で30秒間で加熱殺菌し。
製成酒を得た。
(3)分析結果 培地Aと実験19〜21の製成酒の分析値を表10に示
す。
表10  培地と製成酒の分析値 この実施例では、いずれも乳酸の生成が良好で、任意の
アルコール度数を有する牛乳部をつくることができた。
(刈 品質評価 培地Aと実験19 、20 、21の製成酒をそれぞれ
対として、訓練されたパネル15名によシ1品質を2点
比較法で官能評価した。
この結果、?!!母添加後の発酵日数をかえてつくられ
た製成酒はいずれも牛乳の生ぐさい香味が消失し、爽や
か表ヨーグルト様の風味が付与されていた。アルコール
発酵日数に応じて快よいアル;−ル発酵臭の強さの異な
ったおいしい酒をつくることができた。
実施例8 普通牛乳とぶどう糖の混合液に乳酸菌を添加して乳酸発
酵を先行させ、乳糖資化性酵母を加えて発酵させ、得ら
れた発酵終了醪に乳酸1M糖、アルコールを加えた゛後
均質化して栄養酒を得た例を示す。
(7)培地の調製 実施例1と同様の方法で培地Aを調製した。
(イ)乳酸菌スターターの調製 実施例1の方法で乳酸菌スターターBおよびCを調製し
た。
ff)I  酒母の調製 実施例1の方法で酒母Dt−調製した。
に)発酵 培地A 30001L/に対し、乳酸菌スターターBと
Cを各3Qm/接攬し、28℃で培養し乳酸発酵を行な
わせ、醪のpHが4.0になった時点で酒母りを、接種
後の醪1ゴ中の酵母菌体数が1×10個含まれるように
調整し加え、更に28℃で10日間発酵を行ない発酵終
了醪を得た。
(3)調合液の調製と殺菌 実験22では、上記発酵終了醪tooomzに対し蔗糖
809を混ぜた後、90℃で30秒間加熱殺菌した。
実験23では、発酵終了醪3001i/に醸造用アルコ
ール(アルコール分95チ)341J、乳酸ILM糖8
0Iを混ぜた後、脱イオン水で1000とした液を90
’Cで30秒間加熱殺菌した。
(2)均質化処理 上記の調合液100011Llを特殊機化工業(株)!
!ホモミキサーを用いて回転数1000 rpmで30
分間攪拌したのち、マントンゴーリン社製ホモジナイザ
ーによシ王力250 kg/crL2で均質化を行ない
、均質化製成酒を得た。
に)分析結果 実験22 、23の均質化製成酒の分析値を表11に示
す。
表11  均質化製成酒の分析値 (イ)品質評価 実験n、23の均質化製成酒について、よく訓練された
パネル15名により品質を官能評価した。
この結果、いずれの場合もヨーグルト風味と快よいアル
コール発酵臭をもち、乳酸の爽やかな酸味を有する口轟
りの良い栄養酒をつくることができた。
比較例 普通牛乳とぶどう糖の混合液に、乳酸菌と乳糖資化性酵
母を同時添加または乳酸菌を先行添加した後酵母全接種
して、発酵せしめて栄養酒を得る場合の再現性を調べた
例を示す。
(7)培地の調製 実施例1の方法で培地A 10,000 mlを調製し
た。
ビ)乳酸菌スターターの調製 実施例1の方法で乳酸菌スターターB及びCを各100
ゴ調製した。
(fi  酒母の調製 実施例1の方法で、酒母りを2000rILIU!4製
した。
に)発酵 実験24〜28では、それぞれ培地A 1000 dに
対し、乳酸菌スターターB及びCを各10コ接種し、同
時に酒母りを接種後の培地in/’中に1×107個の
酵母菌体数が含まれるように調整して加え、28℃で8
日間発酵を行なった。
実験29〜33では実施例1と同様の方法でそれぞれ発
酵を行なった。
(3)分析結果 培地Aと実験24〜33の発酵終了醪の分析値を表12
に示す。
表12  培地と発酵終了醪の分析値 同時添加の場合には、アルコールと乳酸の生成量が大き
くバラつき、乳酸生成が多い程、アルコールの生成量が
少なく、残菌量が多くなった。これに対して、乳酸菌を
先行添加した場合にはアルコールと乳酸の生成量はほぼ
一定しており、良好々再現性を示した。
(発明の効果) 本発明の方法では乳酸発酵とアルコール発酵との間に殺
菌処理をすることがないから、処理が容易でありしかも
香味の劣化を防ぐことができる。
また、乳酸発酵とアルコール発酵とを十分な制御下に円
滑に進めることができ、製品の品質管理が容易かつ確実
である。更に、複数の乳酸菌、複数の酵母を用いること
により、変イヒに富み、かつ優れた風味および香りを持
つ製品を得ることができる。
特許出願人  サントリ −株式会社 (外5名)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)栄養酒の製造方法において、動物乳成分および糖
    類を含有する発酵原料を、2種以上の乳酸菌によつて乳
    酸発酵を先行させ、次に乳酸発酵と併行して1種または
    2種以上の酵母によりアルコール発酵を行うか、または
    アルコール発酵を先行させ、次にアルコール発酵と併行
    して乳酸発酵を行うことを特徴とする栄養酒の製造方法
  2. (2)前記乳酸発酵後に醪を加熱殺菌処理することなく
    アルコール発酵を行う特許請求の範囲第1項記載の方法
  3. (3)乳酸菌としてラクトバチルスブルガリクス及びス
    トレプトコツカスサーモフイルスの2種を用いることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の方
    法。
  4. (4)アルコール発酵用酵母として、クルイベロミセス
    フラギリスまたはサツカロミセスセレビシエのいずれか
    1種または両種を使用することを特徴とする特許請求の
    範囲第3項記載の方法。
  5. (5)酵母としてクロイベロミセスフラギリスを単独で
    使用することを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の
    方法。
  6. (6)酵母としてクロイベロミセスフラギリスおよびサ
    ツカロミセスセレビシエの2種を使用することを特徴と
    する特許請求の範囲第3項記載の方法。
  7. (7)乳酸発酵により、醪のpHが4.0〜4.5にな
    つた時点でアルコール発酵を開始することを特徴とする
    特許請求の範囲第2項または第4項記載の方法。
  8. (8)前記動物乳成分が牛乳、粉乳、脱脂粉乳、または
    ホエーから選択されることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  9. (9)前記糖類が澱粉質の加水分解物、グルコース、蔗
    糖または乳糖から選択されることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0273327A (ja) * 1988-09-09 1990-03-13 Ricoh Co Ltd 液晶表示素子
JPH0775521A (ja) * 1993-09-06 1995-03-20 Asahi Chem Ind Co Ltd 果実風味増強剤および風味が増強された果実飲料
JP2006101854A (ja) * 2004-10-04 2006-04-20 Takashi Miyake 牛乳中に含まれるエチルアルコール産出酵素
JP2008228648A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Calpis Co Ltd 乳酒の製造方法

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