JP2561069B2 - 乳蛋白質含有アルコ−ル飲料の製造法 - Google Patents

乳蛋白質含有アルコ−ル飲料の製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた嗜好性を有し、かつ不溶性の凝集物を
生ぜず、均質状態を長期間維持できる乳含有酸性アルコ
ール飲料の製造法に関するものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
酸性乳飲料の製造においては、乳カゼイン蛋白質の等
電点(約pH4.6)を通過させなくてはならない。したが
って酸性乳飲料は酸変性蛋白質を含むため、蛋白質由来
の凝集物が生じやすいという欠点を有している。しかし
この技術的課題は、増粘剤(特公昭48−35470)や糖類
(特公昭51−38780)の添加、あるいは強酸による蛋白
質の可溶化(特公昭49−20508)等によりほぼ解決さ
れ、満足いく安定な酸性乳飲料が製造されている。
しかしながら嗜好の多様化した現在においては、消費
者の嗜好を満たすために、多種類の飲料を開発しなけれ
ばならないのが現状である。酸性乳飲料においても、こ
の現在の風潮の例外ではない。そのため既存の安定な酸
性乳飲料には飽きたらず、果汁やスパイス等の添加や他
の飲料との混合等により、多様化した嗜好を満たそうと
する努力が払われている。しかし種々の添加物を混合す
ることは蛋白質の安定性に悪影響を及ぼすばかりでな
く、かえって嗜好を害する場合があり、既存の技術では
解決できない問題も生じ始めている。特に成人の味覚を
満たす目的で開発されたエチルアルコールを含有する酸
性乳飲料においては、次のような技術的の問題を有して
いる。すなわちエチルアルコールと酸性乳飲料を単に混
合しただけでは、いわゆる乳臭等によりエチルアルコー
ルの爽快さが害され、嗜好上の問題を生じる。さらにエ
チルアルコールは界面活性作用や蛋白質を変性させる作
用が強いために、蛋白質の凝集が生じやすく、均質状態
を長期間維持することも困難である。
そこで、本発明者らは、飲料の多様化により開発され
たこの乳含有酸性アルコール飲料の上記欠点を解消する
ことは、飲料需要及び乳の用途の拡大に貢献すると考
え、鋭意研究し本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、あらかじめ乳蛋白質含有液に該乳蛋白質重
量に対して5倍重量以上の糖を加えたのちpH3.2〜3.6に
調整し、次いで55〜95℃に加熱して、エチルアルコール
濃度1〜20v/v%、糖濃度2〜15w/w%からなる乳蛋白質
含有アルコール飲料を製造する方法であって、前記pH調
整後、前記55〜95℃に加熱する前に、エチルアルコール
成分を添加することを特徴とする乳蛋白質含有アルコー
ル飲料の製造法である。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明はエチルアルコール濃度1〜20v/v%、糖濃度
2〜15w/w%からなる乳蛋白質含有アルコール飲料を製
造することを目的としている。エチルアルコール濃度が
1v/v%未満では、エチルアルコール特有の爽快さが期待
できず、また20v/v%を越えると乳とエチルアルコール
の味覚上のバランスがくずれ嗜好上好ましい飲料を得る
ことができない。また糖濃度も嗜好性から2〜15w/w%
の範囲でなければならない。このエチルアルコール濃度
と糖濃度の特定は本発明の前提である。
本発明で使用する乳蛋白質含有液は、牛乳、羊乳、馬
乳等の獣乳に由来するものであればよく全乳、脱脂乳あ
るいはホエー等、種々の形態で使用でき、また粉乳、濃
縮乳から還元した乳も利用できる。乳蛋白質量は特に限
定されないが最終製品中0.1〜5.0w/w%が好ましい。0.1
w/w%未満では、風味に蛋白質特有の濃厚感がなく、適
正な乳白色も期待できない。また5w/w%を越えると液全
体が粘稠になりすぎ、風味上清涼感に欠ける。なお糖を
加える前の乳蛋白質含有液濃度については特に限定され
ない。
この乳蛋白質含有液に該蛋白質重量に対し、5倍重量
以上の糖を加えたのち、最終製品中pH3.2〜3.6になるよ
うに調整する。この処理により、乳蛋白質は酸性側に移
行する前に添加された糖で被覆されるものと考えられ
る。その結果、酸による乳蛋白質の等電点通過による蛋
白質変性を可能なかぎり抑制できるばかりでなく、エチ
ルアルコールによる蛋白質変性も極力抑えることがで
き、さらに風味上エチルアルコールとなじみにくい乳蛋
白質由来のいわゆる乳臭の発生をも阻止できる。ここで
用いる糖はブドウ糖、果糖、ガラクトース等の単糖類、
蔗糖、麦芽糖、乳糖等の二糖類、ソルビトール等の糖ア
ルコール等を単独または二種以上混合して使用すればよ
い。糖はpH調整前に乳蛋白質重量に対し5倍重量以上加
えねばならない。5倍未満では糖による蛋白質被覆は十
分でなく、上記効果を達成することはできない。なおpH
3.2〜3.6に調整する前に添加する糖は、必ずしも添加す
べき全ての糖を加える必要はない。要は少なくとも乳蛋
白質に対し5倍重量部以上の糖を加えれば本発明の効果
を達成できる。例えばpH調整前に一部糖を添加し、残り
の糖についてはpH調整後添加してもよい。次にpH3.2〜
3.6への調整は乳酸菌等の微生物による有機酸の生成に
よるか、または乳酸、クエン酸等の有機酸や果汁等の添
加あるいはそれらの併用により達成できる。pH3.2未満
では乳蛋白質が酸溶解してしまい、乳白色が期待できず
外観上好ましくない。またpH3.6を越えると酸特有の清
涼感が得られないし、さらに乳蛋白質の安定性も害され
る。
次に55〜95℃に加熱処理を行なうが、この処理は本発
明においては腐敗、変敗を防ぐための殺菌を目的とする
だけではない。そのほか乳蛋白質とエチルアルコールを
なじませ、エチルアルコールの刺激を和らげ、女性をは
じめ多くの者の嗜好を満たす働きを有する。さらに乳蛋
白質が一部可溶化し、凝集物の発生を抑制する効果も有
する。なお55℃未満では上記効果は発揮されず、また95
℃以上の加熱は乳蛋白質が可溶化しすぎ適正な乳白色を
得ることができないばかりか、経費の無駄となる。
エチルアルコール成分の添加時期は、pH調整後、加熱
前であれば良い。pH調整前の添加では、乳蛋白質のアル
コール変性が充分に避けられない。この場合pHの調整は
エチルアルコール添加によるpHの変動を考慮し、最終製
品のpHが3.2〜3.6の範囲になるよう酸添加を考慮しなく
てはならない。エチルアルコールは、必ずしも原料アル
コールの形態でなくてもよく、清酒、ウィスキー、焼
酎、リキュール等種々のエチルアルコール成分含有のア
ルコール飲料を利用することもできる。なお本発明の乳
含有アルコール飲料はその他必要に応じ果汁、野菜汁、
油脂、香料、色素、更には炭酸ガスの添加も可能であ
る。
〔実験例〕
実験例1 脱脂粉乳及び蔗糖を用いて、下記の表1に示す乳蛋白
質濃度及び糖濃度を有する溶液250gを各々作製し、各試
料に80w/w%乳酸水溶液を添加し、pH3.50に調整した
後、さらに20v/v%エチルアルコール水溶液500gを添加
した。次いで水及び残余の蔗糖を加えた後、80w/w%乳
酸水溶液を用いて最終pHを3.50に微調整し、10w/w%糖
濃度からなる乳含有酸性アルコール飲料1000gを得た。
そしてこれらの各飲料を湯浴で75℃、15分間加熱して試
作品を作製した。
次いで、これらの試作品の嗜好を20名のパネル(男10
名、女10名)を用いて官能検査で確かめた。なお官能検
査は各乳蛋白質濃度(0.5,2.0,4.0w/w%)ごとに糖濃度
/乳蛋白質濃度比の異なる4点について、クレーマー
(Kramer)の順位合計による有意差検定法(吉川、佐藤
著「食品の品質測定」第66〜69頁、光淋書院)に基づい
た。またこれらの試作品を別途透明ビンに充填し、20℃
に静置して沈殿の状態を調べた。その結果を表にまとめ
た。表1によるとpHを酸性側に調整する前に、乳蛋白質
の5倍重量部以上の糖を添加した場合にのみ、長期間沈
殿の発生はみられず、かつ風味も優れていた。
実験例2 脱脂乳(乳蛋白質濃度3.5w/w%)1000gに蔗糖600gを
加えて溶解せしめ、これを50w/w%乳酸水溶液42gを撹拌
しながら添加し、さらに8v/v%エチルアルコール水溶液
4800gを添加した。なおこの時のpHは3.48であった。こ
の試料を1L容ビーカー6個に等分割し、湯浴を用いて表
5に示した温度に達温加熱後、室温まで冷却した。この
試作品をパネル20名(男10名、女10名)を用いて実験例
1と同様にして官能検査を行った。その結果を表2にま
とめた。表2によると、加熱温度55〜95℃においてのみ
長期間沈殿の発生はみられず、かつ風味も優れていた。
〔実施例〕 実施例1 脱脂乳(乳蛋白質濃度3.5w/w%)100gに蔗糖20gを溶
解し、次いで90℃達温殺菌し、37℃に冷却した後、ラク
トバチルス・ブルガリクスのスターターを3w/w%添加
し、37℃15時間発酵を行ないpH4.2の酸性乳を得た。さ
らに50w/w%乳酸水溶液を用いてpH3.45に調整した。そ
してこの酸性乳に8v/v%のエチルアルコール水溶液480g
を混合し、この混合液を50w/w%クエン酸水溶液でpH3.4
5に再度調整した。そしてこの液に炭酸ガスを1.5kg/cm
加えた後、容器に充填し、85℃10分間加熱し、乳含有酸
性アルコール飲料を作製した。この飲料は6ヶ月室温保
存後も風味がよく、かつ均質状態を呈し、沈殿の発生も
みられなかった。
実施例2 還元脱脂乳(乳蛋白質濃度4.0w/w%)50gに蔗糖及び
麦芽糖各20gを加え、溶解後、撹拌しながら50w/w%クエ
ン酸水溶液を添加し、約p3.3とした。これに50エチルア
ルコール水溶液100gを加え、さらに水を加えて総量450g
としpHを3.35に調整した。これを湯浴を用いて60℃30分
間加熱し、風味優良な乳含有酸性アルコール飲料を作製
した。
実施例3 脱脂乳(乳蛋白質濃度3.5w/w%)100gにソルビトール
10g及び麦芽糖60gを混合させた後、50w/w%クエン酸水
溶液及びレモン果汁を加え、pHを3.55に調整し、10v/v
%エチルアルコール及びレモン香料を混合し300gとし
た。そして75℃15分間加熱処理を行ない、美味でかつ均
質状態を長期間維持できる乳含有酸性アルコール飲料を
作製した。
〔発明の効果〕
本発明により、エチルアルコールと乳蛋白質の良くな
じんだ優れた嗜好性を有する乳含有酸性アルコール飲料
を製造することができる。さらに本発明により、乳蛋白
質由来の不溶性の凝集物の発生を抑制することができる
ので、長期間良好な品質を保持可能な乳含有酸性アルコ
ール飲料を提供できる。このように本発明は飲料の多様
化の要求を満たし、特にアルコール飲料業界において極
めて有意義な発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩坪 友義 船橋市習志野台3―12―2―502 (56)参考文献 特公 昭51−38780(JP,B1) 特公 昭39−7385(JP,B1) 特公 昭32−8694(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめ乳蛋白質含有液に該乳蛋白質重
    量に対して5倍重量以上の糖を加えたのちpH3.2〜3.6に
    調整し、次いで55〜95℃に加熱して、エチルアルコール
    濃度1〜20v/v%、糖濃度2〜15w/w%からなる乳蛋白質
    含有アルコール飲料を製造する方法であって、前記pH調
    整後、前記55〜95℃に加熱する前に、エチルアルコール
    成分を添加することを特徴とする乳蛋白質含有アルコー
    ル飲料の製造法。
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