JP2791734B2 - メッシュパネル筋及びその配筋方法 - Google Patents

メッシュパネル筋及びその配筋方法

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JP2791734B2
JP2791734B2 JP4188868A JP18886892A JP2791734B2 JP 2791734 B2 JP2791734 B2 JP 2791734B2 JP 4188868 A JP4188868 A JP 4188868A JP 18886892 A JP18886892 A JP 18886892A JP 2791734 B2 JP2791734 B2 JP 2791734B2
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龍雄 河合
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁、床等の補強筋とし
て用いられ、配筋時にスペーサーを必要としないメッシ
ュパネル筋及びその配筋方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のメッシュパネル筋は、単に複数の
縦筋と横筋とを格子状に交差したものであり、このメッ
シュパネル筋を用いて現場で床、壁の配筋を行うには、
鉄筋の外面に所定厚みのコンクリートが被るように、堰
板の内面と鉄筋との間にコンクリートの被り厚に応じた
高さのモルタルスペーサー、スチールスペーサー等を適
宜間隔毎に介在させていた。しかし、このような方法で
は、スペーサーの配置に手間が掛かり、このため、現場
における手作業が極めて多くなり、しかも、スペーサー
はそのままコンクリート内に埋め込まれるので再使用す
ることができず、無駄な費用を必要とし、作業能率の低
下とコスト高の要因となっていた。
【0003】また、鋼材などを網状に編成した補強材の
適所を網面から起立するように折曲して支持脚を形成
し、コンクリート内に埋設できるようにしたコンクリー
ト用補強体が実開昭51−13614号公報に開示され
ている。 これによれば、補強体を型枠内に設置して、そ
の支持脚を型枠の内面に当接した後、コンクリートを流
し込むだけで、スペーサなしで支持脚の長さに相当する
被り厚のコンクリート製品を得ることができる。 しか
し、このような補強体を型枠全面に亘って並置すると、
すべての補強体に支持脚を形成するための曲げ加工を施
さなければならず、その側端部にも中央部と同じ様に縦
横に鋼材が配筋されているので、十分にコストを下げる
ことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、配筋
時にスペーサーを設置する必要がなく、脚部形成箇所を
少なくすることができ、スペーサーを配置する手間及び
曲げ加工の手間を省くと共に、材料費を削減することに
より、コストを低く抑えることができ、配筋作業の能率
が向上し、高品質の鉄筋コンクリートが得られるメッシ
ュパネル筋及びその配筋方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のメッシュパネル
筋は、上記課題を達成するために、複数の第1のパネル
筋ユニットと第2のパネル筋ユニットとが互に、且つ、
側端部が重合するよう並置され、第1のパネル筋ユニッ
トは、適宜間隔ごとに配置された複数の縦筋と、該縦筋
に交差するよう適宜間隔ごとに配置された複数の横筋と
を交差部において固定すると共に、縦筋及び横筋の少な
くともいずれか一方の両端をそれぞれパネル面に交差す
る方向に屈曲してコンクリート被り厚に相当する高さの
脚部を形成して成り、第2のパネル筋ユニットは、適宜
間隔ごとに配置された複数の縦筋と、該縦筋に交差する
よう適宜間隔ごとに配置された複数の横筋とを交差部に
おいて固定すると共に、縦筋及び横筋が、これに交差す
る最端部の横筋及び縦筋から、第1のパネル筋ユニット
との重合部の幅に相当する長さだけ直線状に張り出して
成り、該第2のパネル筋ユニットの縦筋及び横筋の張り
出した部分を、第1のパネル筋ユニットの側端部上に載
置してある。また、このメッシュパネル筋による配筋方
法は、メッシュパネル筋を型枠内に配置し、第1のパネ
ル筋ユニットの脚部の先端をそれぞれ型枠の内面に当接
する。
【0006】
【作用】型枠の内面に第1のパネル筋ユニットの脚部の
先端を当接することにより、コンクリートの表面と縦横
筋との間に脚部の高さと同じ幅の間隔が形成され、予め
脚部の高さをコンクリートの被り厚と等しく形成するこ
とによって、鉄筋の外面に所定厚みのコンクリートが自
動的に均一に被覆される。第1のパネル筋ユニットで第
2のパネル筋ユニットの側端部を支えることによって、
第2のパネル筋ユニットの支持脚が不要となる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1及び図2において、床スラブ用のメッ
シュパネル筋は、複数の第1のパネル筋ユニット1と第
2のパネル筋ユニット6とを交互に、且つ、側端部が重
合するよう並置して構成される。 第1のパネル筋ユニッ
ト1は、複数の異形鉄筋よりなる縦筋2が適宜間隔毎に
平行に配置されると共に、縦筋2に直角に交差するよう
に複数の異形鉄筋よりなる横筋3が適宜間隔毎に配置さ
れ、縦筋2と横筋3とはその交点において電気抵抗溶接
等によって固定され、横筋3の両端はパネル面にほぼ直
角に交差するよう下方に屈曲され、スラブのコンクリー
ト下端からの被り厚に相当する長さの脚部4が形成され
ている。また、一般的なスラブにおいては、梁に接続さ
れる周辺部には上端筋が配筋され、中央部には下端筋が
配筋されるので、配置される場所によって縦筋2及び横
筋3からコンクリート下端までの距離が異なり、これに
対応するように、各第1のパネル筋ユニット1はその配
置場所に応じて脚部4の長さが異なるように形成されて
いる。
【0008】第1のパネル筋ユニット1間に配置される
第2のパネル筋ユニット6は、複数の異形鉄筋よりなる
縦筋2´が適宜間隔毎に平行に配置されると共に、縦筋
2´に直角に交差するように複数の横筋3´が適宜間隔
毎に配置され、縦筋2´と横筋3´とがその交点におい
て固定されて成る。 また、縦筋2´及び横筋3´が、こ
れに交差する最端部の横筋3´及び縦筋2´から、第1
のパネル筋ユニット1との重合部の幅に相当する長さだ
け直線状に張り出している。すなわち、第2のパネル筋
ユニット6には、脚部4が形成されない。
【0009】上記第1のパネル筋ユニット1及び第2の
パネル筋ユニット6によってスラブの配筋を行うには、
先ず、スラブ用型枠の堰板5の上面に脚部4の先端を当
接し、型枠の一側端部に第1のパネル筋ユニット1を自
立させて載置する。 次いで、第1のパネル筋ユニット1
の隣に、別の第1のパネル筋ユニット1を間隔を空けて
配置する。 次に、隣り合う第1のパネル筋ユニット1の
側部間に第2のパネル筋ユニット6を架設し、該第2の
パネル筋6の縦筋2´が設けられていない部分の横筋3
´を隣接する第1のパネル筋1の横筋3の側部に重ねる
と共に、側部の縦筋2の上に載置する。
【0010】さらに、これを繰り返して第1のパネル筋
ユニット1と第2のパネル筋ユニッ ト6とを他側端部ま
で横方向に交互に敷設し、同様にして第1のパネル筋ユ
ニット1と第2のパネル筋ユニット6とを縦方向に交互
に敷設し、複数の第1のパネル筋ユニット1及び第2の
パネル筋ユニット6を堰板5の上面に縦横に並べて配置
する。このようにして、配筋が終了した型枠内にコンク
リートを打設すると、自動的に縦筋2及び横筋3の下面
に脚部4の高さに相当する厚み、すなわち所定の被り厚
のコンクリートが被覆される。
【0011】なお、プレキャストコンクリート版の上面
に現場打ちコンクリートを打設してスラブを施工するに
は、第1のパネル筋ユニット1の脚部4を現場打ちコン
クリートの型枠となるプレキャストコンクリート版の上
面に載置する。また、このメッシュパネル筋を用いて壁
用の配筋を行うには、複数の第1のパネル筋ユニット1
及び第2のパネル筋ユニット6を垂直方向及び幅方向に
並べ、第1のパネル筋ユニット1の脚部4を垂直方向に
立設された堰板5の内面に当設すれば良い。さらに、脚
部4を縦筋2及び横筋3の両端に形成することも可能
で、全ての横筋3に脚部4を形成せず、第1のパネル筋
ユニット1が自立できるように要所にのみ脚部4を形成
しても良い。
【0012】
【発明の効果】本発明のメッシュパネル筋は、型枠内に
その脚部を型枠内面に当接して配置してから、コンクリ
ートを打設するだけで自動的に所定の被り厚の鉄筋コン
クリートが得られ、配筋時にスペーサーを取り付ける必
要がなく、スペーサ取り付けの手間が省けると共に、高
価なスペーサの費用が節約でき、材料費の削減と省力化
によってコストを引き下げることができる。また、脚部
がコンクリートに引っ掛かって、コンクリートに対する
付着力が増し、工場で生産可能であるため寸法の精度が
高くなり、コンクリートの被り精度が適格に維持され、
このため、鉄筋コンクリートの品質が向上し、構造体と
しての耐久性が大幅に増す。
【0013】さらに、第2のパネル筋ユニットに脚部を
形成せず、縦筋及び横筋の1方を省いたその側端部を第
1のパネル筋ユニットによって支持するため、曲げ加工
の手間を省くと共に、材料を少なくすることが可能であ
り、これにより、いっそうコストを引き下げることがで
きる。また、本発明の配筋方法によれば、剛性のある所
定寸法の第1のパネル筋ユニット及び第2のパネル筋ユ
ニットを縦横に並べるだけで配筋することができるの
で、素人にも簡単に配筋作業を行うことが可能で、工期
を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る配筋途中のスラブの断面
【図2】本発明の実施例に係る配筋途中のスラブの平面
【符号の説明】
第1のパネル筋ユニット 2,2´ 縦筋 3,3´ 横筋 4 脚部 5 堰板 6 第2のパネル筋ユニット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の第1のパネル筋ユニットと第2の
    パネル筋ユニットとを交互に、且つ、側端部が重合する
    よう並置したメッシュパネル筋において、前記第1のパ
    ネル筋ユニットは、適宜間隔ごとに配置された複数の縦
    筋と、該縦筋に交差するよう適宜間隔ごとに配置された
    複数の横筋とを交差部において固定すると共に、前記縦
    筋及び横筋少なくともいずれか一方の両端をそれぞれ
    パネル面に交差する方向に屈曲してコンクリート被り厚
    に相当する高さの脚部を形成して成り、前記第2のパネ
    ル筋ユニットは、適宜間隔ごとに配置された複数の縦筋
    と、該縦筋に交差するよう適宜間隔ごとに配置された複
    数の横筋とを交差部において固定すると共に、前記縦筋
    及び横筋が、これに交差する最端部の横筋及び縦筋か
    ら、前記第1のパネル筋ユニットとの重合部の幅に相当
    する長さだけ直線状に張り出して成り、該第2のパネル
    筋ユニットの縦筋及び横筋の張り出した部分を、隣接す
    る前記第1のパネル筋ユニットの側端部上に載置したこ
    とを特徴とするメッシュパネル筋。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のメッシュパネル筋を型枠
    内に配置し、第1のパネル筋ユニットの脚部の先端をそ
    れぞれ型枠の内面に当接することを特徴とする配筋方
    法。
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