JP2791376B2 - 塩化ビニリデン系重合体水性分散体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニリデン系重合体水性分散体の製造方法

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JP2791376B2 JP7400189A JP7400189A JP2791376B2 JP 2791376 B2 JP2791376 B2 JP 2791376B2 JP 7400189 A JP7400189 A JP 7400189A JP 7400189 A JP7400189 A JP 7400189A JP 2791376 B2 JP2791376 B2 JP 2791376B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塩化ビニリデン系重合体水性分散体の製造
方法、特に塩化ビニリデンを主成分とする単量体を乳化
重合させた後、他の単量体を加えて引続き乳化重合させ
る多段階重合法によって、塩化ビニリデン系重合体を核
とし、その周囲にその他の単量体の重合体の殻を形成し
た多層構造を有する重合体粒子の水性分散体の製造方法
に関し、プラスチックフィルムなどに塗布乾燥した後の
塗膜が、基材並びに印刷インキに対して優れた接着力と
共に、優れたガスバリヤー性を有する塩化ビニリデン系
重合体水性分散体の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 塩化ビニリデン系重合体水性分散体は、その乾燥塗膜
が耐溶剤性、耐薬品性、低透湿性及びガスバリヤー性な
どの特性に優れており、食品包装分野などにおいて使用
されるプラスチックフィルムや紙などの表面加工などに
広く使用されている。
しかし、その分散体塗膜は、塗布後に塩化ビニリデン
系重合体の結晶化が生じるために、印刷インキなどとの
接着性が悪化する。そのため、セロハン用などに汎用さ
れている硝化綿系印刷インキなどの安価な印刷インキが
使用できず、ポリアミド系インキや二液型ポリウレタン
系インキなどの比較的高価な印刷インキの使用を余儀な
くされていた。
しかし、この種の印刷インキの分野において、特に硝
化綿系のものは、価格が安価なのに加えて、インキ塗膜
からの溶剤が離脱性が良好であり、ポリアミド系やポリ
ウレタン系のものよりも臭気が少なく取扱いが容易であ
るなどの利点があり、硝化綿系印刷インキが使用できな
いことは極めて不利である。
このような課題を解決するために、前に、塩化ビニリ
デン、ビニル単量体及び不飽和有機酸の混合物と、メタ
クリル酸メチル及びアクリル酸エステルの混合物とを多
段階で乳化重合することによって多層構造を有する塩化
ビニリデン系重合体粒子の水性分散体の製造方法(特開
昭62−59724号公報参照)が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような塩化ビニリデン系重合体粒
子の水性分散体を、プラスチックフィルムなどに塗布乾
燥した後の塗膜は、乾燥下におけるガスバリヤー性に優
れ、基材並びに印刷インキに対して優れた接着力を示す
が、湿潤下でのガスバリヤー性に関しては満足すべき値
を得ることができなかった。
すなわち、コーティング量が5g/m2となるようにコー
トしたフィルムの酸素透過量は、乾燥時には20℃におい
て4〜7cc/m2・24hr・atm.という高いバリヤー性を示す
のに対し、このコートフィルムを水に浸漬して取り出し
た直後の測定値や、湿気を含む酸素を用いて測定した場
合の測定値では、乾燥時の測定値の倍以上の透過量を示
した。
このような湿潤下でのガスバリヤー性の低下は、特
に、塗布される基材が紙、ポリアミド、ビニロン等の吸
湿性を有するものである場合には、大気中や食品から水
分が包装内容物へ移行するため問題である。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結
果、多段階による乳化重合法において塩化ビニリデン系
重合体の核を生成する重合の際に、水酸基を含有する単
量体を塩化ビニリデンと併用することによって、湿潤下
でのガスバリヤー性を低下させずに印刷性及び基材接着
性を向上させ得ることを見い出して本発明を完成するに
至った。
すなわち、本発明は、塩化ビニリデンを主成分とする
単量体を乳化重合させて核の重合体粒子を形成させた
後、他の単量体を加えて引き続き乳化重合を行なって前
記核の表面に殻の重合体層を形成させる多段階重合法に
よる、塩化ビニリデン系重合体を核とし、その周囲にそ
の他の単量体の重合体の殻を形成した多層構造を有する
重合体粒子の水性分散体の製造方法において、前記塩化
ビニリデンを主成分とする単量体として、下記に示す
(a)、(b)及び(c)成分を必須成分とする単量体
混合物〔I〕を使用し、前記他の単量体として、下記に
示す(d)及び(e)を必須成分とする単量体混合物
〔II〕を前記単量体混合物〔I〕100重量部に対して0.5
〜20重量部使用することを特徴とする塩化ビニリデン系
重合体水性分散体の製造方法を提供するものである。
〔I〕単量体混合物 混合物中に少なくとも (a)塩化ビニリデン85〜95重量%、 (b)メチルアクリレート、メチルメタクリレート及び
アクリルニトリルから選ばれた1種又は2種以上の単量
体5〜15重量%及び (c)水酸基含有単量体0.2〜5重量% を含有する単量体混合物〔I〕。
〔II〕単量体混合物 混合物中に少なくとも (d)メタクリル酸メチル、ビニル芳香族化合物からな
る群より選ばれた1種又は2種以上の単量体20〜65重量
%及び (e)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル(メ
タクリル酸メチルを除く)、ビニルエステル及びビニル
エーテルからなる群より選ばれた1種又は2種以上の単
量体35〜80重量% を含有する単量体混合物〔II〕。
[発明の具体的説明] (1)構成成分 本発明においては、先ず、塩化ビニリデン系重合体を
核とした重合体を形成し、その後、その周囲にその他の
単量体の重合体の殻を形成することによって、多層構造
を有する重合体粒子の水性分散体を製造する。
そのために、先ず、塩化ビニリデンを主成分とする単
量体混合物〔I〕を乳化重合させた後、他の単量体混合
物〔II〕を加えて引続き乳化重合させる多段階重合法が
採用される。
単量体混合物〔I〕 本発明に用いられる塩化ビニリデンを主成分とする単
量体混合物としては、以下に示す(a)、(b)及び
(c)成分を必須成分とする単量体混合物〔I〕を使用
する。
(a)成分 (a)成分として使用される単量体は、塩化ビニリデ
ンである。該塩化ビニリデンは、分散体塗膜を形成した
際に、ガスバリヤー性、耐溶剤性、難粘性、耐薬品性及
び低透湿性などの特性を塗膜に付与する作用がある。
そして、その使用割合が単量体混合物〔I〕に対して
95重量%を超えると、重合体の結晶化の進行が早すぎ
て、重合体粒子の凝集が起こり、重合体安定性が悪化す
る。或いは、重合は可能であっても貯蔵安定性が悪化す
る。また、その使用割合が単量体混合物〔I〕に対して
85重量%未満であると、重合体粒子中の塩化ビニリデン
含量が低くなり過ぎて、上記したガスバリヤー性などの
塩化ビニリデン系重合体の特性を発揮できなくなる。
(b)成分 (b)成分として使用される単量体は、メチルアクリ
レート、メチルメタクリレート及びアクリルニトリルか
ら選ばれる単量体の一種或いはそれらの混合物である。
このような単量体の共重合比率を変化させることによ
って水性分散体の最低造膜温度や、耐溶剤性などの物性
を調整することができる。これら単量体の使用割合が単
量体混合物〔I〕に対して5重量%未満では低い造膜温
度が得られない。また、同割合が単量体混合物〔I〕に
対して15重量%を超えると塩化ビニリデンの共重合比率
が低くなりすぎて、塩化ビニリデンの共重合体の結晶性
が低下し、塗膜としての十分な物性が得られなくなる。
(c)成分 (c)成分として使用される単量体は、水酸基含有単
量体である。このような水酸基含有単量体を単量体混合
物〔I〕中に配合することによって、多段階乳化重合法
における塩化ビニリデン系重合体の核の中に水酸基を導
入することができる。この水酸基を重合体の核の中に導
入することによって、ガスバリヤー性、特に湿潤下での
ガスバリヤー性を低下させずに印刷性及び基材接着性を
向上させることができる。
このような水酸基含有単量体としては、例えば、ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レートのようなヒドロキシアルキルアクリレートや、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレートのようなヒドロキシアルキルメタクリレー
トや、ポリオキシエチレンモノアクリレート、ポリオキ
シエチレンモノメタクリレート、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げ
られる。これら水酸基含有単量体の中では、特にヒドロ
キシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミドが好ましい。
これら単量体の使用割合が単量体混合物〔I〕に対し
て0.2重量%未満では塗膜の接着力及び印刷性が不十分
となる。また、同割合が単量体混合物〔I〕に対して5
重量%を超えると親水性部分が増加するため塗膜のガス
バリヤー性、特に湿潤下でのガスバリヤー性が悪化す
る。
単量体混合物〔II〕 上記塩化ビニリデンを主成分とする単量体混合物
〔I〕を乳化重合させた後、引続いて乳化重合が行なわ
れる際に、残存する上記塩化ビニリデンを主成分とする
単量体混合物〔I〕の外に、他の単量体混合物〔II〕が
添加されて多段階重合が行なわれる。
このような単量体混合物〔II〕としては、以下に示す
(d)及び(e)成分を必須成分とするものである。
(d)成分 (d)成分として使用される単量体は、メタクリル酸
メチル又はビニル芳香族化合物からなる群より選ばれた
1種又は2種以上の単量体である。このような単量体
(d)は、分散体の乾燥塗膜を形成した際に、適度の塗
膜硬度を付与せしめる作用を示し、該塗膜の耐ブロッキ
ング性を向上せしめる。上記ビニル芳香族化合物として
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエンなどが挙げられる。
これら単量体(d)の使用割合が単量体混合物〔II〕
に対して20重量%未満では上記塗膜に対して十分な硬度
及び耐ブロッキング性を付与する効果が得られないし、
その使用割合が単量体混合物〔II〕に対して65重量%を
超えると、ガラス転移温度、すなわち、最低造膜温度が
高くなり過ぎて、造膜性に悪影響を及ぼすようになる。
(e)成分 (e)成分として使用される単量体は、アクリル酸低
級アルキルエステル、メタクリル酸低級アルキルエステ
ル(メタクリル酸メチルを除く)、ビニルエステル及び
ビニルエーテルからなる群より選ばれた単量体である。
このような単量体(e)は分散体の塗膜を形成した際
に、可撓性を付与する作用がある。
このようなアクリル酸低級アルキルエステル及びメタ
クリル酸低級アルキルエステルとしては、炭素数2〜8
のアルコール(例えば、メタノール、イソプロパノー
ル、n−プロパノール、n−ブタノール、2−エチルヘ
キサノールなど)とアクリル酸又はメタクリル酸とのエ
ステル、及びアクリル酸メチルが挙げられる。また、上
記ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル及びプ
ロピオン酸ビニルなどが挙げられ、上記ビニルエーテル
としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ルなどが挙げられる。
これら単量体(e)の使用割合が単量体混合物〔II〕
に対して35重量%未満では乾燥塗膜に対して十分な可撓
性を付与できないし、その使用割合が単量体混合物〔I
I〕に対して80重量%を超えると、逆に乾燥塗膜が粘着
性をおびるようになり、耐ブロッキング性などに問題が
生じる。
量比 本発明においては、上記の(a)(b)及び(c)成
分の単量体を含有する単量体混合物〔I〕100重量部に
対して上記の(d)及び(e)成分の単量体を含有する
単量体混合物〔II〕を0.5〜20重量部の割合で使用す
る。単量体混合物〔II〕の上記割合が少なすぎると、得
られる分散体の乾燥塗膜の印刷インキに対する接着性向
上効果などが十分でなくなる。また、逆にその使用割合
が多過ぎると、重合体粒子中の塩化ビニリデン含量が低
下し過ぎて、塩化ビニリデン系重合体の特性、すなわ
ち、分散体塗膜を形成した際に、優れた塗膜のガスバリ
ヤー性、耐溶剤性、耐薬品性及び低透湿性などを発揮す
ることができなくなる。
(2)乳化重合 本発明の製造方法において行なわれる乳化重合は、通
常の乳化重合法を用いて容易に実施することができる。
例えば、上記の単量体混合物〔I〕、乳化剤、重合開
始剤及び水からなる混合系で、一段目の乳化重合を行な
い、その重合が実質的に終了した後、その重合系に更に
単量体混合物〔II〕及び重合開始剤を添加して、二段目
の重合を行なわせる。
上記一段目の重合が実質的に終了した後とは、単量体
混合物〔I〕の少なくとも90重量%、好ましくは95重量
%以上が重合によって消費された状態をいい。この場
合、生成重合体粒子を良好な二層構造とするには、二段
目の乳化重合において乳化剤を全く追加しないか、或い
は、追加するとしても、乳化剤は新しい粒子の形成を生
じない程度の少量にとどめ、二段目の重合が一段目の乳
化重合で形成された重合体粒子上において実質的に進行
するようにするのが望ましい。
本発明における多段重合は、もちろん、二段重合のみ
に限られず、三段又はそれ以上の多段重合として実施す
ることができる。すなわち、単量体混合物〔I〕の重合
系への添加を経時的に二段又はそれ以上に分割して行な
い、しかも、その各段において添加する単量体混合物
〔I〕の組成を変化させることもできる。また、場合に
よっては、単量体混合物〔II〕の添加も同様に経時的に
二段又はそれ以上に分割して行なうことができる。この
ようにして全重合を三段又はそれ以上の多段重合として
実施した場合には、得られる重合体粒子が三層又はそれ
以上の多層構造のものとなる。
本発明の乳化重合において用いられる乳化剤及び重合
開始剤としては、種々のものを挙げることができる。
上記乳化剤としては、例えば高級アルコール硫酸エス
テル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェノールエーテルサルフェート塩などの陰イオ
ン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエ
ーテル、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロッ
クコポリマー、ソリビタン誘導体などの非イオン性界面
活性剤が好適に使用できる。
また、上記重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、
ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、
t−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸化物、アゾビ
スイソブチルニトリルなどが一般的に使用され、得に水
溶性開始剤及び水溶性のレドックス型開始剤が好適に使
用することができる。
(3)塩化ビニリデン系重合体水性分散体 このようにして得られる塩化ビニリデン系重合体水性
分散体は、塩化ビニリデンを主成分とする単量体混合物
〔I〕の重合体を核とし、その周囲に単量体混合物〔I
I〕の重合体が殻を形成しているか、或は外側を中心に
分布した構造を有していると考えられる。このことは、
電子顕微鏡を用いた粒子の観察で二次粒子が認められな
いこと(第1表参照)や、前に述べた物性上の特徴によ
り推測される。
この水性分散体は、紙やプラスチックフィルムなど
に、ロール、ブレード、エアーナイフ、サイズプレスな
どの通常の塗布方法などによって塗布乾燥して塗膜を形
成することができる。
得られた塗膜は基材並びに印刷インキに対して優れた
接着力を示すと共に、優れたガスバリヤー性、耐溶剤
性、耐薬品性及び低透湿性を備えている。
また、印刷インキに対して優れた接着力を示し印刷適
性にも優れている。
また、この水性分散体は、塩化ビニリデン系重合体本
来の難燃性に加えて、その特有の粒子構造に基づき種々
の物質に対する接着性が優れているから、これらの特性
を活用して、食料品の包装分野に、塗料や接着剤分野に
おけるバインダーに、また、繊維用の難燃剤などに有利
に使用することができる。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明
する。なお、これらの例における部及び%は、特に記載
しない限り重量基準による。
また、評価は以下の方法に従って行なった。
酸素透過性 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(膜厚18μm)に、
各塩化ビニリデン系水性分散体を乾燥膜厚が5μmとな
るように塗布し、100℃で3分間乾燥させた。
測定装置はモーコン社製OXTRANを使用した。
(常態下) 測定条件を20℃,65%RHで測定した。
(湿潤下) 塗布フィルムを20℃で1週間純水に浸漬した後、取り
出して、直ちに20℃、100RHで測定した。
評価数値はcc/m2・24hr・atmの単位で表わした。
印刷適性 前記酸素透過性と同じ塗布フィルムを使用した。
印刷インキはセロファン用硝化綿系インキ(東洋イン
キ(株)製商品名セロカラーST)を使用した。
(インキ濡れ性) 印刷インキを塗膜面上に滴下し、液滴の広がり具合を
下記の三段階で評価した。
A:大きく広がる。
B:ある程度広がる。
C:液滴のままで広がる。
(インキ密着性) インキを塗布後、十分に乾燥し、セロテープを用いた
剥離試験を行なって、下記に示す四段階でインキ密着性
を評価した。
A:完全に残っている。 95%以上 B:ほとにど残っている。 60〜95% C:あまり残っていない。 1〜60% D:残っていない。 0% 保存成膜性 水性分散体を20℃で長期保存した後の成膜性により、
成膜性を有する保存期間で評価した。
比較例1 一段目乳化重合 温度調節基、撹拌機、供給容器、温度計及び窒素ガス
導入管を備えた反応器に、 水 200 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1 部 過硫酸カリウム 1.6部 を仕込み、内部を窒素ガスで置換し、その後減圧にし、
更に窒素ガスを導入した後、再び減圧にした。
次いで、この反応容器内の温度を50℃に保って撹拌し
ながら、この反応容器内に窒素ガス置換をした別容器内
より、 塩化ビニリデン 455部 アクリル酸メチル 35部 ヒドロキシエチルアクリレート 10部 水 250部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10部 よりなる混合物を、定量ポンプを用いて10時間かけて連
続的に送入した。
所定量の混合物の送入完了後、反応容器の内圧が0Kg/
cm2Gになるまで50℃で重合を継続させ、固形分含有量が
55%の塩化ビニリデン系重合体水性分散体を得た。
比較例2 一段目乳化重合 比較例1において用いた反応容器と同一の反応容器内
に 水 200 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1.5部 過硫酸カリウム 2.5部 を仕込み、比較例1と同様にして窒素ガス置換した後、
減圧にし、その反応容器内を50℃に保って撹拌しなが
ら、これに窒素ガス置換をした別容器より、 塩化ビニリデン 455部 アクリル酸メチル 35部 アクリル酸 10部 水 250部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10部 よりなる混合物を定量ポンプで10時間かけて送入した。
その送入が完了した後、反応容器の内圧が0Kg/cm2Gにな
るまで50℃の温度を保持して重合を継続させた。
二段目乳化重合 次いで、その反応容器内を55℃に保って撹拌しなが
ら、これに窒素ガス置換をした別容器より、 水 25 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 部 メタクリル酸メチル 6 部 アクリル酸n−ブチル 6 部 アクリル酸 0.5部 よりなる混合物を定量ポンプで0.5時間かけて連続的に
送入すると共に、同時に更に別容器より、 水 5 部 過硫酸カリウム 0.14部 よりなる開始剤水溶液を連続的に送入し、これらの送入
が終了した後、更に55℃で4時間撹拌しながら反応させ
た。
次いで、生成物を冷却して固形分含量が約55%の塩化
ビニリデン系重合体水性分散体を得た。
上記の比較例1及び2における各重合段階で用いた単
量体の組成、各重合段階間の単量体重量比、及び、得ら
れた分散体の塗布試験の結果は第1表に示す通りであっ
た。
比較例3 一段目及び二段目の乳化重合を表1に示す配合組成で
比較例2と同様にして行なった。
その結果を第1表に示す。
実施例1〜4 第1表に示す様に配合組成で実施した以外は、比較例
2と同様にして行なった。
その結果を第1表に示す。
実施例5及び6 二段目の乳化重合の後に、第1表に示す様に配合組成
の三段目の乳化重合を行なった以外は、比較例2と同様
にして行なった。
その結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の塩化ビニリデン系重合体水性分散体の製造方
法によって得られる塩化ビニリデン系重合体水性分散体
は、塩化ビニリデンを主成分とする単量体混合物〔I〕
の重合体を核とし、その周囲に単量体混合物〔II〕の重
合体の殻が形成された多層構造の重合体であると考えら
れ、それを塗布乾燥して得た塗膜は、基材並びに印刷イ
ンキに対して優れた接着力を示すと共に、優れたガスバ
リヤー性、耐溶剤性、耐薬品性及び低透湿性を備えてお
り、しかも、印刷適性にも優れている。
また、この水性分散体は、塩化ビニリデン系重合体本
来の難燃性に加えて、その特有の粒子構造に基づき種々
の物質に対する接着性が優れており、これらの特性を活
用して、食料品の包装分野、塗料や接着剤分野における
バインダー、さらには繊維用の難燃剤などに有利に使用
することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニリデンを主成分とする単量体を乳
    化重合させて核の重合体粒子を形成させた後、他の単量
    体を加えて引き続き乳化重合を行なって前記核の表面に
    殻の重合体層を形成させる多段階重合法による、塩化ビ
    ニリデン系重合体を核とし、その周囲にその他の単量体
    の重合体の殻を形成した多層構造を有する重合体粒子の
    水性分散体の製造方法において、前記塩化ビニリデンを
    主成分とする単量体として、下記に示す(a)、(b)
    及び(c)成分を必須成分とする単量体混合物〔I〕を
    使用し、前記他の単量体として、下記に示す(d)及び
    (e)を必須成分とする単量体混合物〔II〕を前記単量
    体混合物〔I〕100重量部に対して0.5〜20重量部使用す
    ることを特徴とする塩化ビニリデン系重合体水性分散体
    の製造方法。 〔I〕単量体混合物 混合物中に少なくとも (a)塩化ビニリデン85〜95重量%、 (b)メリルアクリレート、メチルメタクリレート及び
    アクリルニトリルから選ばれた1種又は2種以上の単量
    体5〜15重量%及び (c)水酸基含有単量体0.2〜5重量% を含有する単量体混合物〔I〕。 〔II〕単量体混合物 混合物中に少なくとも (d)メタクリル酸メチル、ビニル芳香族化合物からな
    る群より選ばれた1種又は2種以上の単量体20〜65重量
    %及び (e)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル(メ
    タクリル酸メチルを除く)、ビニルエステル及びビニル
    エーテルからなる群より選ばれた1種又は2種以上の単
    量体35〜80重量% を含有する単量体混合物〔II〕。
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JPH02252715A (ja) 1990-10-11

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