JP2791097B2 - 対話通信方法およびシステム - Google Patents

対話通信方法およびシステム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は対話通信方法およびシステムに関し、更に詳
しくは通信回線で結合された複数の端末装置のそれぞれ
の利用者が、電話機による音声対話を行ないつつ、各端
末装置間データ通信を行ない、共同して情報処理を進め
るようにした電子対話方法、およびシステムに関する。
〔従来の技術〕
従来のデータ処理システム、あるいはデータ処理機能
を備えた端末装置において、文書編集プログラムや表編
集プログラムなどの、対話性に優れ、視覚的に理解の容
易な出力を行う情報処理プログラムは、ある時点におい
て個人による専有が前提になっていた。このようなプロ
グラムを用いる計算機システムについては、例えば、シ
ーボルド,ジャナサン“ゼロックス‘スター',"ザ・シ
ーボールド・レポート,メディア,ペンシルヴァニア:
シーボルト・パブリケーションズ,第10巻,16号,1981
(Seybold,Jonathan.“Xerox's‘Star',"In the Seybol
d Report,Media,PA:Seybold Publications,Vol.10,No.1
6,1981.)に詳しく記載されている。しかし、上記シス
テムには、文書や表などを構成する同一のデータに複数
者が同時にアクセスし、その結果をリアルタイムに表示
に反映する機能は備えていなかった。上記資料には、同
一データが複数のユーザによって利用される1つの機能
として、電子メールが記載されているが、電子メール
は、異なる時間に複数者が同一の文書等にアクセスする
システムであり、同時に利用するものではない。
一方,遠隔地間の迅速な連絡には電話が最もよく利用
されてきた。電話の利点は、互いに反応をリアルタイム
で自由に伝えられることと、音声という人間にとって非
常に理解しやすい情報を用いている点にある。しかし、
音声情報しか扱えないという問題がある。会話している
ときには、簡単な絵を使えばすぐに理解できることを、
言語で説明すると大変難しくなるのはよく経験すること
である。すなわち、メモや文書などを会話で利用できれ
ば、相互理解が更に促進されるであろう。
通信回線で接続された2つの端末装置がそれぞれ電話
機を備え、双方の表示装置に同一の画面を表示し、各表
示画面上に自端末から入力したカーソルと、相手端末か
ら入力されたカーソルとを同時に表示することにより、
画面を参照しながら会議を行なえるようにしたシステム
は、例えば特開昭62−53084号公報で知られている。
また、このようなシステムにおいて、各端末装置がマ
ルチウインドウ表示機能を備えている場合、端末間通信
により双方の画面に同一文書を表示するために用いられ
る共通ウインドウと、自端末でのみ使用する文書あるい
はデータを表示するためのローカル・ウインドウとを1
つの画面に同時に表示できる。特開昭63−67958号公報
では,このようなマルチウインドウ端末を用いた通信シ
ステムにおける1つの提案,すなわち、一方の端末のユ
ーザーが、他方の端末ではローカルウインドウにより覆
われている部分の共通ウインドウの内容について説明し
たい場合、相手ユーザにローカルウインドウの位置をず
らすよう指示できるようにするために、各端末のローカ
ルウインドウの位置情報を互いに相手端末に知らせ、各
端末の画面上で相手端末画面の状態を判断できるように
したシステム構成が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
然るに、従来提案されている電話機と表示装置の両機
能を備えた対話システムは、特に対話画面の制御,情報
の追加等に問題があり、各端末装置による情報処理機能
を生かして打合せ、あるいは会議を円滑に進めることが
できなかった。
本発明の目的は、マルチウインドウ機能を備えた複数
の端末装置、あるいはワークステーションを結合し、情
報サービス性能を向上させた電子対話システムおよび対
話通信方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、1つの端末ステーションから、
同時に、あるいは選択的に複数の対話(または会議)に
参加できる対話通信システムを提供することにある。
本発明の他の目的に、通信回線で接続された複数の端
末装置において、共通情報を参照した対話と並行して、
各ユーザが資料の準備を個別に行なえ、これを共通情報
に追加できる対話効率の改善された共同情報処理システ
ムを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明では、通信回線に
接続されたそれぞれマルチウインドウ機能をもつ複数の
ステーションからなる通信システムにおいて、対話通信
すべき複数のステーション間に制御通信路を確立した
後、各ステーションが備えている複数の応用プログラム
(処理プログラム)のうち、複数のステーションで互い
に連動させたい応用プログラム間に、論理的な通信路を
確立する。本発明では、論理通信路で結ばれた応用プロ
グラムを対話対象プログラムと呼ぶことにする。マルチ
ウインドウ機能を有するステーションでは、表示画面上
に設定された複数のウインドウとそれぞれ対応している
複数の応用プログラムを選択的あるいは並列的に動作さ
せ、各応用プログラムによる処理結果をこれと対応する
ウインドウに出力することができる。
本発明では、1つのステーションにおいて対話対象プ
ログラムにデータあるいはコマンドが入力され、データ
処理の結果、ウインドウの内容が変化する場合、これら
のデータまたはコマンドを論理通信路(その実態は上記
制御通信路である)を介して他のステーションの対話対
象プログラムにも入力することにより、制御通信路で結
合された全てのステーションにおいて、同じ内容のウイ
ンドウ表示が行なえるようにしたことを特徴とする。論
理通信路を切断すると、対話対象プログラムは各ステー
ションでローカルに動作する通常の応用プログラムに戻
り、この応用プログラムに与えたデータあるいはコマン
ドは、他のステーションには対えられない。これらの制
御通信路と論理通信路の確立と切断、データあるいはコ
マンドの他のステーションへの送信と自ステーションの
対話対象プログラムへの分配のために、本発明では、各
ステーションに対話制御プログラムを備える。
〔作用〕
1つの対話制御プログラムは、複数の対話対象プログ
ラムを制御でき、これによって、表示画面上の複数のウ
インドウを、任意に対話通信に参加させることができ
る。また、各ステーションに複数の対話制御プログラム
を備えることにより、1つのステーションから、同時に
2つの対話通信に参加することもできる。
本発明によれば、例えば、表示画面上の1つのウイン
ドウを対話対象として他のステーションのユーザーと通
信をしながら、他の1つのウインドウでローカルに文書
作成処理を進め、必要に応じて、この文書を対話対象ウ
インドウに貼りつけたり、このローカルウインドウを対
話対象ウインドウに切換えることができるため、共同情
報処理を効率よくおこなうことができる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の1実施例である電子対
話システムについて説明する。電話対話とは、従来、電
話のみを利用して行われてきた遠隔地間の対話を、計算
機の導入によって音と視覚の両面から支援するものであ
る。
第1図は、本発明に係る電子対話装置(ワークステー
ション)の外観図である。本装置は、CPUやメモリを格
納した計算機本体1,ディスプレイ2,キーボード3,ポイン
ティング・デバイス4,電話機5から構成される。キーボ
ード3は主に文字や数字の入力に用いられ、ポインティ
ング・デバイス4はディスプレイ2上の位置の指示やそ
こに表示された幾つかの選択枝を含むメニューの中から
選択対象の特定のための手段である。電話機5は使用者
間の通話音声の入出力手段を提供する。これらの装置は
統合されており、例えば、通話相手の名前をディスプレ
イ2上に表示させ、希望のものをポインティング・デバ
イス4を選ぶことにより、使用者が電話番号などを意識
しないで電話を掛けることを可能にする。計算機が合成
した音声を電話で送信したり、電話から送られてきた音
声を蓄積し、その後利用することができる。
本発明による電子対話システムでは、このようなワー
クステーションが複数個用いられ、それぞれの装置の使
用者は電話機5による音声情報の他に、ディスプレイ2
を通した視覚情報をキーボード3やポインティング・デ
バイス4などで操作して利用する。また、それらの情報
を計算機1で加工することによって、音声だけでは実現
不可能だった情報処理活動を行う。本発明における電子
対話装置は、単独のワークステーションとして、その計
算機処理能力を利用可能であり、そのような個別利用の
状態の途中で他の複数ワークステーションと電子対話を
行ったり、あるいは逆に、電子対話の最中に、ワークス
テーションでの個別の作業を行うことができる。
本発明による電子対話の実行時に見られるディスプレ
イ2上での代表的な表示例および操作例を第2A図〜第4B
図に示す。使用者は、ワークステーションAとBを用い
て対話している。第2A図,3A図,4A図は、それぞれある時
点でのワークステーションAのディスプレイの表示内容
であり、それぞれに対応するワークステーションBの表
示内容が第2B図,3B図,4B図である。A2はワークステーシ
ョンAのディスプレイであり、B2はワークステーション
Bのディスプレイである。それぞれのユーザは、電話で
会話しつつ、それぞれのディスプレイのウインドウ領域
A50とB50に表示されている同一内容の文書を見ている。
本発明では、これらのウインドウA50とB50を対話ウイン
ドウという。両ユーザは、対話対象ウインドウ中の文書
に対して自由に編集操作等を行うことができ、全ての操
作の実行結果は双方のティスプレイ上の表示に同時に反
映される。例えば、ワークステーションAで文書のタイ
トルを削除すれば、ウインドウA50内に見えるタイトル
のみならず、ウインドウB50においてもタイトルが削除
される。
A60とB60は、対話制御のための各種のコマンド・メニ
ューが表示される対話制御ウインドウである。ユーザ
は、カーソルA10またはB10によりコマンド・メニューの
中から1つのコマンドを指すことにより、後述する対話
制御プログラムに指令を与えることができる。コマンド
メニューは、予め用意された資料と対応する複数の資料
名、あるいはそれらの資料を示すアイコンを含み、ユー
ザがカーソルA10によりいずれかの資料を特定すると、
この資料と対応する1つの応用プログラムが起動され、
ウインドウA50あるいはA30に、資料の内容が表示され
る。ユーザが1つの資料を特定して、共同利用コマンド
を入力すると、この資料と対応する応用プログラムが対
話対象プログラムとなり、この資料を表示するウインド
ウが上記A50のような対話ウインドウとなる。
A20,B20,AB20,BA20は、ディスプレイ上の位置を指示
したり、その確認を行ったりするために用いられるポイ
ンティング・オブジェクト(以下、POと呼ぶ)である。
これらのPOにより、各使用者は、自分の指示する場所や
対象物を、離れた場所にいる対話相手に視覚的に明示す
ることができ、電話のみを用いた通信に比較して、理解
の容易な会話ができる。
A20とB20は、それぞれワークステーションAとBで操
作されるPOであり、これらに対応するPOが、AB20および
BA20として各々の相手側のディスプレイに表示されてい
る。ワークステーションAのユーザは、PO:A20とBA20の
所有者であると呼ばれる。各ユーザは、自分のPOを作
成,移動,削除することができ、それらの操作の結果
は、自ステーションに表示されているPOの変化に対応し
て相手側のディスプレイ上に表示されているPOにも同様
に反映される。POは各ステーションでポインティング・
デバイス4の操作に応答して画面上を移動するカーソル
A10またはB10とは異なるものである。カーソルA10とB10
はディスプレイ全体の任意の位置に移動できるが、POの
動きは対話対象となっているウインドウ領域の内部に制
限され、POとカーソルとは互いに独立に動作する。本実
施例では、操作を容易にするため、POの移動を指示する
機器としてポインティング・デバイス4を利用してい
る。すなわち、PO移動モードにおいて、カーソルA10(B
10)をPO:A20(B20)上に位置づけ、カーソルの動きに
追随してPOを移動させる。
互いに対応する2つのPO:A20とBA20は、双方のディス
プレイ画面において、同一対象物の同一部分を指し示す
必要があるが、その形態・色彩等は各ユーザの好みによ
り選べるようにすることが望ましい。本実施例では、例
えば第3A図と第3B図に見られるように、ティスプレイA2
(B2)に現れる自分のPO:A20(B20)を内部を塗りつぶ
した左上向きの矢印、自分のディスプレイに現れる相手
のPO:AB20(BA20)をハッチングされた右下向き矢印と
することで、使用者に自分のPOと相手のPOの区別が明確
になるような形態を採用した。POの他や表示形態とし
て、POの形をその所有者毎に異なる形状とするようにし
てもよい。即ち、AのPOを矢印、BのPOを手の形にする
などである。
図2Aと2Bは、ワークステーションAのユーザが対話と
する箇所をPO:A20で指示しながらワークステーションB
のユーザと対話している場面である。ここで、A30とB30
は各人が個別にアクセスしているデータを表示している
ローカル・ウインドウである。例えば、A30は、ユーザ
Aが、ユーザBとの検討資料となるデータA40を作成中
のウインドウであり、ウインドウB30はユーザBに対す
る他のワークステーションからのメールの着信状態を示
している。尚、これらの個別アクセス領域(ウインドウ
A30,B30)と前述の共通文書領域(ウインドウA50,B50)
との識別を容易にするために、例えば、後者のウインド
ウ枠の形態,色彩または背景色を画面上の他のウインド
ウと異なるようにすると良い。
第3A図と第3B図は、上記の対話の途中で、ユーザが作
成した資料を対話対象文書に利用しようということにな
り、ローカル・ウインドウA30にあるデータA40をウイン
ドウA50に貼付けることにより、A41およびB41として双
方から利用できるようになった状態である。
最後に、第4A図と第4B図は、両ユーザが文書A50,B50
の作成を完了し、作成された文書についてその内容を確
認した状態を示す。この操作を、「認証」と呼ぶ。認証
の目的は、各対話者がそれぞれのディスプレイ上で見て
いるデータが、実際に一致していることを保証するこ
と、そして、電話対話の中で作成された文書やデータ、
合意事項に関するメモなどが、その後改ざんされた場合
に、その事実を容易に証明する手段を与えることであ
る。本実施例において、認証操作のディスプレイ上の文
書への反映は、従来の印影のような絵を文書上に表示
し、各対話者が捺印した状況を表現することである。AA
60は、ディスプレイA2に表示されたユーザAの捺印、AB
60は、ディスプレイA2に表示されたユーザBの捺印、BA
60は、ディスプレイB2に表示されたユーザAの捺印、BB
60は、ディスプレイB2に表示されたユーザBの捺印であ
る。
認証は、両者の見ている文書の内容が完全に一致する
場合にのみ実行され、捺印が表示される。これらの印影
は、もちろん、単なるイメージにすぎないが、データや
文書を見ただけで、それが既に認証処理を施されたもの
であるということを示す効果がある。本実施例では認証
の結果、上記印影とは別に、文書内容や認証者名などを
基にして、当該認証者にしか作成できない認証データを
互いに交換し、文書やデータの内容と共に保持すること
としている。すなわち、一旦作成された文書を改竄しよ
うとする場合、自分の認証データを作り直すことはでき
ても、他の人の認証データに手を加えることは不可能で
ある。このようにして、対話者間で共同で作成された文
書の正当性を保証することができる。
以上、操作例として述べたような、ワークステーショ
ン(計算機)を利用して、対話などの共同作業と個別の
作業を同時に実行するための基本的な仕組みを第5図の
概念図を利用して説明する。ここでも、対話者をAとB
とし、それぞれの使用しているディスプレイをA2および
B2、それぞれのディスプレイ上でAとBが共同で作業を
行っている文書やデータを表示する対話ウインドウをA5
0およびB50、個別に使用している文書やデータを表示す
るローカル・ウインドウをA30とB30とする。各ワークス
テーションにおいてキーボード3やポインティング・デ
バイス4からの入力の受付けやディスプレイ2への表示
出力処理は、ウインドウ管理システム140Aまたは140Bを
通して実行される。各ウインドウでのデータ処理は、そ
れぞれと対応する応用プログラム(または処理プログラ
ム)130A,130Bを用いて行なわれる。これらの応用プロ
グラムのうち、対話ウインドウと対応するプログラム
を、本発明では、対話対象プログラム120A,120Bと呼ぶ
ことにする。1つのワークステーションで、120Aと120
A′の如く、同時に複数の対話ウインドウを設定し、複
数の対話対象プログラムを動作させることもできる。
参加者にとって自然な電子対話は、対話対象プログラ
ムが、リアルタイムで各対話者の操作を反映することを
要求する。各対象プログラムの動作を制御し、結果とし
て各ディスプレイに同一内容に関する表示を行うため
に、本発明では対話制御プログラム100A(100B)が設置
されている。従来のワークステーションでは、対話対象
プログラム120A(120B)が自分でウインドウ管理システ
ム140A(140B)から入力を受け取っていた。これに対し
て、本発明による電子対話システムでは、ウインドウ・
システム140A(140B)からの入力を一旦対話制御プログ
ラム100A(100B)が取り込み、該入力を自分の制御して
いる対話対象プログラム120A(120B)に渡すと同時に、
他方の対話制御プログラム100B(100A)にも送り、相手
ワークステーションの対話対象プログラムを制御させ
る。
対話制御プログラム間の通信のために、対話制御通信
路70が設けられている。対話対象プログラムへのデータ
の分配を行うという意味で、対話制御通信路70とは別
に、対話対象プログラム間の論理的な対話通信路80なる
ものも考えておく。なお、この対話通信路80の確立は各
対話制御プログラムが対話制御通信路70を用いて実現す
る。後に詳しく述べるように、対話通信路80のみを切断
しておくと、対話対象プログラム120Aと120Bとを連動さ
せずに、対話制御プログラム100Aと100B間で行なわれる
対話制御レベルの動作に限定した情報の取扱い、例え
ば、データ交換ファイル転送により、一方のワークステ
ーションが有するデータを相手方ワークステーションへ
送付し、その後のに行なわれる対話動作の準備をするこ
となど、が行える。対話制御通信路70を切断すると、各
対話対象プログラム120Aと120Bは連動せずに、使用者か
ら見る限り従来の単体のワークステーションにおけるプ
ログラムとしての動作が可能になる。対話制御通信路70
並びに対話通信80は、2台のワークステーション間のみ
ならず、n台のワークステーション間をループ状または
ツリー状につなぐことも可能である。
第6図は、本発明を実現する2つのワークステーショ
ン1Aと1Bとからなる対話システムの基本構成を表現する
ブロック図である。中央処理装置(CPU)6は、記憶装
置11から読み出すプログラム命令に従って処理を実行す
る。記憶装置11は、対話制御プログラム,通信プログラ
ム,対話対象プログラムを含む各種のアプリケーション
プログラム,対話対象データ等を格納する。ディスプレ
イ2への表示は、CPU6がビットマッププロセッサ(BM
0)7に命令を発行することにより、BMP7が実行する。B
MP7はCPU6の命令に従い、画面の内容をイメージデータ
として格納しているフレームメモリ8を管理する。フレ
ームメモリ8の内容はディスプレイコントローラ9によ
りディスプレイ2に表示される。キーボードドライバ12
は、キーボード3から入力されたコードをレジスタ16に
格納する。ポインティンディバイスドライバ13は、ポイ
ンティングディバイス4から入力されたデータをレジス
タ17に格納する。本実施例では、ワークステーション
(計算機)間および電話機間の通信装置として、音声と
データの通信を一つの回線で処理できるISDN(Integrat
ed Services Digital Network)インタフェースを提供
するPBX(Private Branch eXchange)15を使用してい
る。CPU6に代表される各計算機および電話機5はそれぞ
れの通信インタフェース装置14を介してPBX15と接続さ
れ、PBX15を経由して相手装置と互いに通信する。PBX15
を介する通信路70の確立と、該通信路を利用する計算機
間のデータ通信はCPU6が行い、通信路確立後の音声通信
は電話機5が相当する。但し、電話だけを交換機に接続
し、計算機は、LAN(Local Area Network)、パケット
交換機等の別のネットワークを利用しても構わない。
第7図は、メモリ11に用意される主要なプログラムと
データ領域を示す。メモリ11は、オペレーティング・シ
ステム(OS)90と、マルチウインドウ表示の動作制御を
行なうためのマルチウインドウ管理システム140と、上
記システム140が利用するウインドウ管理テーブル141
と、後で述する対話制御プログラム100と、それぞれ特
有の機能をもつ複数の応用プログラム130−1〜130−N
と、それぞれ画面上に設定された複数のウインドウと対
応して、応用プログラムによる処理結果が記憶される仮
想端末としてのメモリ領域(本明細書では、これを論理
画面メモリと呼ぶ)151〜150Mと、他のワークステーシ
ョンに送付すべきデータを格納するための交換データフ
ァイル領域160と、既に作成された文書データが格納さ
れている文書ファイル領域170とを含む。尚、メモリ11
は、その一部を、例えば、プロッピー・ディスクの如き
2次メモリにより構成し、プログラムまたはデータを必
要に応じて高速のメモリ領域にロードするようにしてよ
い。
対話制御プログラム100は、第8図に示す如く、入力
仮想化プログラム200と、仮想入力分配モジュール300
と、仮想入力受信モジュール400と、仮想入力解析モジ
ュール500と、ポインティング・オブジェクト操作モジ
ュール600と、ポインティング・オブジェクト再表示モ
ジュール700と、認証モジュール800と、これらのモジュ
ール間でのデータあるいはコマンドの受け渡しに用いら
れるデータ・パス・エリア(データ流路)100T〜100J、
あるいは、各種のテーブルを記憶する対話制御エリア15
からなる。1つの対話は1組の対話制御プログラムで制
御され、各ワークステーションは同時に複数の対話を実
現するために、複数の対話制御プログラムを備える。
第9図は、上述した対話制御プログラム100の各モジ
ュール間の関係、対話制御プログラムの他のプログラム
との関係を示したものである。
ここで、先ず、データ流路(110T〜110J)について説
明しておく。データ流路は2つのプロセスの間でのデー
タの受け渡しを実現するために利用される。2つのプロ
セスは同一であってもよい。データのやりとりをするプ
ロセスは自分たちの間に、まず、データ流路を設置す
る。データを送るプロセスは、該データをデータ流路に
置き、データを受けるプロセスはデータ流路からデータ
を取り出す。データの取り出される順序は、それが置か
れた順序に従い、置かれたときのデータの単位で取り出
すことができる。一つのデータ流路を利用できるのは特
定の2つのプロセスに限られる訳ではない。例えば、一
つのプロセスに対して多数のプロセスがデータを送りた
い場合に、一つのデータ流路のみを設け、各送り側プロ
セスは該データ流路にデータを置き、受側プロセスは該
データ流路からデータを取り出せばよい。データ流路を
データの流れる方向は双方向あるいは一方向を指定で
き、これは、該データ流路を使用しているプロセスが自
由に設定できる。なお、第9図、および、ここでの各モ
ジュール機能の説明においては、データ形式や状態管理
テーブルの詳細を省略してある。これらについては、モ
ジュール機能の説明の後で述べることとする。
第9図において、キーボード3やポインティング・デ
バイス4などの入力装置からの入力データ(あるいは命
令)は、入力仮想化モジュール200が一旦受けとり、こ
のモジュールと入力分配モジュール300との間に設けら
れたデータ流路100Tに書き込まれる。上記データ流路11
0Tには、他の応用プログラム130からのデータあるいは
命令も書き込まれる。本明細書では、入力装置からの入
力と、プログラムからの入力とを統一的に取り扱うため
に、「仮想化入力」という言い方をしている。データ流
路110Tに置かれたデータは、発生箇所の区別なく仮想入
力分配モジュール(300)によって受け取られる。入力
仮想化モジュール100、データ流路110T、および、仮想
入力分配モジュール300の働きにより、対話制御プログ
ラムは入力機器から、あるいは、自分自身をも含んだプ
ログラムからも操作することが可能である。
仮想入力分配モジュール300は、電子対話において、
対話者に同一の内容を見せるための基本となる機能を果
たす。すなわち、データ流路110Tから受け取ったデータ
は、対話制御プログラム内で処理するために以下述べる
他のモジュールに伝えられると共に、同様の処理を相手
ワークステーションにも行わせるために、対話制御通信
路70−1を通じて、相手対話制御プログラム100Bに対え
られる。相手対話制御プログラムに渡ってからの処理
は、第9図で相手対話制御プログラム100Bから送信され
たデータを対話制御通信路70−Bを通して仮想入力受信
モジュール400が受け取ってから行う処理と同一であ
る。
さて、仮想入力分配モジュール30と仮想入力受信モジ
ュール400がそれぞれ受け取ったデータは、データ流路1
10Aにストアされ、対話制御のために処理される。対話
制御の機能として、大きく分けると、対話対象プログラ
ムの操作、PO(ポンティング・オブジェクト)の制御、
そして、対話結果に対する対話者間での認証がある。こ
れらの何れを行うかを判定するために、データ流路110A
にストアされたデータは、仮想入力解析モジュール(60
0)にて解析される。データが、対話対象プログラム120
の操作を意味していれば、該データはデータ流路110Eを
介して対話対象プログラム120に渡される。POの操作を
意味しれいれば、該データはデータ流路110Cを介してPO
操作モジュール600に渡され、POの再表示を意味してい
れば、該データはデータ流路110Rを介してPO再表示モジ
ュール700に渡され、データ認証を意味していれば、該
データはデータ流路110Jを介して認証モジュール800に
渡される。対話対象プログラム120、PO操作モジュール6
00、PO再表示モジュール700、認証モジュール800は、そ
れぞれの処理の結果に従って、対話対象を構成している
テキスト,表,グラフ,図形,イメージなどのデータを
論理画面メモリ(仮想端末)150に出力する。該出力結
果は、ウインドウ管理システム140の機能によってディ
スプレイ2に表示される。
第10A図〜第10D図は、各ワークステーション1におい
て、電子対話の実行過程でユーザによる操作コマンドの
入力のために表示されるメニュー画面の1例を示す。こ
れらのメニュー画面は、ディスプレイ2上に設けられた
1つの対話制御ウインドウA60またはB60に表示される。
第10A図は、OSが表示する機能選択メニューの中か
ら、ユーザが電子対話あるいは電子会議を指定するコマ
ンド、あるいはアイコンを選択したことに応答して表示
されるメニュー画面であり、これにより、対話制御メニ
ュー71,電話72,会議資料リスト73のいずれかをカーソル
により選択できる状態となる。
ユーザが対話制御メニュー71を選択すると第10B図の
メニューが表示され、対話への参加71A、参加者の指定7
1B,対話からの離脱71C、対話の終了71Dのいずれかを選
択できる状態となる。参加者指定71Bを選択すると、例
えば、既に用意されているメンバーリストが表示され
る。その中から対話相手を選択すると、相手ワークステ
ーションとの間に制御通信路70を確立するための命令が
発行される。対話すべき人が上記メンバリストにない場
合は、キーボードにより相手ワークステーションを特定
するためのデータを入力すればよい。
電話72を選択すると、第10C図に示す電話番号リスト7
2Aが表示され、そのリスト中で特定したメンバーに対し
て自動ダイヤルによる通話が可能となる。
会議資料リスト73に示されたいずれかの資料を選択す
ると、第10D図のメニューが表示され、資料の配布を指
示する命令73A、上記資料の表示ウインドウを対話対象
とするための論理的通信路80を確立する命令である共同
利用命令73B、共同利用の中止命令73C、会議あるいは対
話参加者に配布した資料を消滅させ、論理通信路を切断
するための命令73D,POの作成を指示する命令73E,POの破
棄を指示する命令73E,PO操作の開始を指示する命令73G,
PO操作の終了を指示する命令73H,他のステーションでの
対話ウインドウへの操作を禁止すると共に、自ステーシ
ョンにおける対話ウインドウへの操作結果が他のステー
ションに伝わらないモードにするための対話停止を指示
する命令73J、上記のモードを解消して対話モードの再
開を指示する命令73K、データを他のステーションと共
有することを指示する命令73L、ウインドウをローカル
ウインドウを切替えることを指示する命令73M、およ
び、データ認証動作を指示するための命令73Nの選択が
可能となる。
次に、上述した各モジュールの機能の詳細について説
明する。
第11図は、入力仮想化モジュール200処理の流れを示
す。このモジュールは、CPUに接続されている各入力装
置3,4からデータを受け取り(ステップ202)、データ流
路110Tにこれらのデータを置く(204)。入力データ
が、対話制御ウインドウA60におけるメニュー選択のた
めのものであれば、選択結果に応じて第10B図〜第10D図
で説明したように、メニュー画面の状態に更新する(ス
テップ203)。第10A図のメニュー画面で資料リスト73か
ら1つの資料が選択された時は、OS90の機能によって、
この資料と対応する1つの応用プログラム130が起動さ
れ、画面上に上記資料を表示するための新たなウインド
ウが現われる。
第12A図と第12B図は、仮想入力分配モジュール300の
処理の流れを示している。本モジュールは、まず、デー
タ流路110Tに置かれたデータを取り出す(ステップ30
2)。入力データが対話制御通信路60確立するための命
令ならば(304)、既に通信路が確立されているか否か
を確かめ(306)、確立済みならば何もしない。まだ確
立されていない場合は、相手ワークステーションとの運
動に備えて全ての既存POを破棄し(308)、対話制御通
信路を確立し(310)確立済みモードに設定する(31
2)。
このとき、対話対象となったウインドウの枠色あるい
は背景色を変更することにより、ユーザに対して、対話
状態になったことを知らせる。
入力データが通信路切断命令ならば(314)、既に通
信路が切断されているか否かを確かめ(316)、切断済
みならば何もしない。まだ切断されていない場合は、再
運動に備えて全ての既存POを破棄し(318)、通信路切
断命令を相手対話プログラムに送り(320)、通信路を
切断し(322)、切断済みモードを設定する(324)。こ
のとき、対話対象ウインドウの枠色または背景色をロー
カルウインドウと同じ色に変更する。
入力データが、変換データファイル160の内容を相手
ワークステーションに転送するためのファイル転送命令
ならば(326)、既に通信路が確立されているか否かを
確かめ(328)、未確立ならばその旨アラームを発する
(329)。確立済みの場合は、まず同命令を相手対話制
御プログラムに送り(330)、次にデータ交換ファイル
の転送を行う(332)。
入力データが、共同利用コマンドの場合は(334)、
このコマンドと対応するウインドウを対話ウインドウと
するための論理通信路80を確立し(336)、共同利用コ
マンドを相手ステーションに送る(337)。入力データ
が共同利用停止コマンドの場合は(338)、論理通信路
を切断し(340)、共同利用停止コマンドを相手ステー
ションに送る(341)。尚、ステップ337,341で相手ステ
ーションにコマンドを送るとき、共同利用の対象(資料
名)と、これと対応する対話対象プログラムの識別子
が、同時に相手方に伝えられる。
以上の各命令に該当しない場合、該データをデータ流
路110Aに置くことにより仮想入力解析モジュール600に
渡し(342)、もし、論理通信路が確立されていれば(3
44)、相手対話制御プログラム、詳しくは、仮想入力受
信モジュール400に該データを送る(346)。本モジュー
ルは以上の操作を繰り返す。
第13図は、仮想入力受信モジュール400の処理の流れ
を示している。本モジュールは、まず、制御通信路確立
準備を行い(402)、相手対話制御プログラムからの確
化要求を待って通信路の確立を行う(404)。ここで確
立される通信路はデータ受信用であるので、自らの対話
制御プログラムの仮想入力分配モジュール300にデータ
送信用通信路の確立を促す必要がある。そのために、デ
ータ流路110Tに通信路確立命令を置く(406)。これに
より、仮想入力分配モジュール300は、あたかも入力機
器を通じて通信路確立を要求されたかのように作動す
る。このように通信路が確立された後、本モジュールは
相手対話装置からのデータを受け取る(408)。
入力データが通信路切断命令ならば(410)、受信用
通信路を切断し(412)、更に、送信用通信路を切断す
るために、データ流路110Tに通信路切断命令を起き(41
4)、確立の際と同様に仮想入力分配モジュール300に送
信用通信路の切断を行わせ、相手対話制御プログラムか
らの通信路確立要求を持つ(402,404)。次に、入力デ
ータが、第5図で述べた対話制御レベルの動作の一種で
あるデータ交換ファイル転送命令ならば(416)、その
後に相手対話制御プログラムから送られてくるファイル
データの受信を行う(418)。入力データが以上の命令
でなければ、該データをデータ流路110Aに置く(42
0)。以上の処理の後、本モジュールは相手対話制御プ
ログラムから送られてくるデータの到着を持つ(40
8)。
第14A図と第14B図は、仮想入力解析モジュール500の
処理の流れを示している。本モジュールは、仮想入力分
配モジュール300と仮想入力受信モジュール400から送ら
れてくるデータを解析し、その後の処理を行うモジュー
ルに渡す機能を果たす。本モジュールは、データ流路11
0Aからデータを受け取る(502)。該データがPO作成命
令ならば(504)、仮想画面メモリ(仮想端末)上にPO
を作成する(506)。このときPO既作成モードが設定さ
れる。
入力データがPO破棄命令ならば(510)、仮想端末に
存在するPOを破棄する(512)、このときPO既作成モー
ドが解除される。PO作成(506)とPO破棄(512)の手順
の詳細については第21図と第22図を参照して後述する。
入力データがPO操作開始命令ならば(516)、PO既作成
モードの設定の有無を調べ(518)、PO既作成モードな
らば単に、そうでなければ、POを作成(520)した後
に、PO操作モードを設定する(524)。入力データがPO
操作終了命令ならば(526)、PO操作モードを解除する
(528)。
次の2つの命令の処理に進む前に、そこで用いられる
「対話」という用語の意味を説明する。第5図で説明し
たように、電子対話で用いられる論理的通信路には、対
話制御プログラム間の通信を担当する対話制御通信路70
と対話対象プログラムへのデータの分配路を提供する対
話通信路80がある。以下、対話の停止、再開について述
べるときには、対話通信80のレベルでのデータのやりと
りを対象とする。その場合でも、対話対象プログラムと
は独立に作動するPO制御のデータの交換のような、対話
制御プログラム間の通信は行われている。
さて、再び第14A図の説明に戻る。入力データが対話
停止命令ならば(530)、対話停止命令の発行者IDを記
憶し(532)、対話停止モード(534)を設定する。これ
らのモードが設定される対話制御状態管理テーブルに関
しては後で述べる。入力データが対話再開命令ならば
(536)、先に登録してあった対話停止命令の発行者ID
を削除し(538)、対話停止モードを解除する(540)。
対話制御の状態がPO操作モードならば(542)、PO操作
を担当するPO操作モジュール600に該データを渡すため
に、データ流路110Cに該データを置く(544)。一方、
相手対話者による対話停止モードならば(546)、対話
制御通信レベルでのデータ、すなわち、PO操作データの
やりとりしか行われないので、該データを無視する。対
話停止モードでない場合には、該データがデータ認証命
令であるか否かを確かめ(548)、データ認証命令なら
ば、データ認証モジュールを起動するためにデータ流路
110Jに該データを置く(550)。
入力データが以上の何れにも該当しなければ、データ
流路110Eに該データを置くことにより(552)、該デー
タを対話対象プログラム120に渡す。データ流路110Eあ
るいはデータ流路110Cに入力データが置かれた場合に
は、POの再表示が必要になる場合がある。この理由は、
POは対話対象プログラムとは独立に実現されているの
で、対話対象プログラムの動作によっては表示が破壊さ
れることがありうるからである。その場合、できるだけ
迅速に、かつ、対話者の手を煩わさずに表示の回復を行
わねばならない。そのため、本モジュールにおいては、
入力データの処理に伴うPOの再表示の必要性を判定し
(554)、再表示が不必要ならばデータ流路110Rにデー
タ‘0'を置き(556)、再表示が必要ならばデータ流路1
10Rにデータ‘1'を置く(558)。
第15図は、対話対象プログラム120の入出力に関する
処理の流れを示している。本モジュールは、データ流路
110Eからデータを取り出し(122)、対話対象に対する
処理を行い(124)、その結果をこのプログラムと対応
する論理画面メモリに出力する(126)。対話対象に対
する処理は、対話対象プログラムとして本来の機能を意
味し、例えば、該プログラムが文書編集プログラムなら
ば文書編集であり、表編集または計算プログラムならば
表編集や計算であり、データ蓄積/検索プログラムなら
ばデータ蓄積検索処理である。
第16図は、PO操作モジュール600の処理の流れを示し
ている。本モジュールは、データ流路110Cからデータを
取り出し(602)、PO移動用位置データであれば(60
4)、第一に、現在位置に表示されているPOを消去し(6
06)、POの現在位置をデータから与えられる新しい値に
更新し(606)、更新後の現在位置にPOを描画する(61
0)。PO移動用位置データ以外のデータは無視される。
第17図は、PO再表示モジュール700の処理の流れを示
している。本モジュールにおいて、POの再表示はある時
間を置いて繰返し実行されており、次回の再表示までの
時間を再表示間隔と呼ぶ。迅速な再表示を行うと共に、
不必要な再表示を行わないため、本実施例は、再表示間
隔を動的に変化させている。初期値として再表示間隔を
例えば1(秒)に設定する(702)。データ流路110Rに
データが置かれている否かを調べ、データが無ければ1
秒待機する(706G)。そこで、次回再表示時刻になって
いなければ再びデータ流路110Rを調べ(708)、次回再
表示時刻ならば、再表示間隔を1増加させ(710)、既
作成POの再表示を実行する(718)。データ流路11Rを調
べてデータを見つけたときは(704)、該データが‘0'
ならば(712)、データ‘1'が到着するまで再表示が不
要な状態に有るので、再表示間隔を無限大(実際には、
十分大きな数)にする(714)。該データが‘1'ならば
(712)、これは新たに再表示を必要とする事態の発生
を意味するので、再表示間隔を1に初期化した上で(71
6)、既作成POの再表示を実行する(718)。このように
して、不必要な再表示を避けると同時に、必要な場合に
は迅速に再表示が起動される。
次に、上述してきたような機能を実現するために本実
施例にて採用されているデータ形式と、対話制御エリア
115に記憶される対話状態管理テーブルおよびPO管理テ
ーブルについて説明する。
第18図は、対話制御プログラム100の内部で使用して
いるデータ形式2000を示している。プログラムからの利
用等において、本対話制御プログラム100に汎用性を与
えるため、本発明では、第9図に示したデータ流路100T
に置かれるデータは、計算機に接続されている各種機器
(キーボード3やポインティング・ディバイス4など)
が発生する従来データ形式である。同様に、対話対象プ
ログラム120として従来使われてきた一般的な応用ソフ
トウェアを利用するために、対話対象プログラム120に
渡すデータが置かれるデータ流路110Eにおいても従来デ
ータ形式を採用している。対話対象プログラム120、PO
操作モジュール600、PO再表示モジュール700、認証モジ
ュール800が論理画面メモリ(仮想端末)150に発行する
データの形式は当然従来データ形式である。
すなわち、第18図が示しているデータ形式は、仮想入
力分配モジュール300が相手対話制御プログラムに送る
データとデータ流路110Aに置くデータ、仮想入力受信モ
ジュール400が相手対話制御プログラムから受け取るデ
ータとデータ流路110Aに置くデータ、仮想入力解析モジ
ュール600がデータ流路110Aから取り出すデータとデー
タ流路110E、データ流路110C、データ流路110R、データ
流路110Jに置くデータ、対話制御プログラムがデータ流
路110Eから取り出すデータ、PO操作モジュール600がデ
ータ流路110Cから取り出すデータ、PO再表示モジュール
700がデータ流路110Rから取り出すデータ、認証モジュ
ール800がデータ流路110Jから取り出すデータの形式と
して使用されている。
本データ形式は、対話制御プログラム識別子2002,PO
識別子2004,仮想入力データ2006から構成されている。
対話制御プログラム識別子2002は、本データが生成され
た対話制御プログラムを特定するものであり、例えば、
対話相手プログラムの存在する計換機のネットワークア
ドレスやプロウラム名、あるいは、その省略形などを組
合せて表現できる。該識別子は、論理対話通信路80を切
断し、仮想入力分配モジュール300を通じて受けた入力
のみを受け付け、仮想入力受信モジュール400を通じて
受けた相手対話制御プログラムからの入力を無視する場
合などに用いられる。PO識別子2004は、本データがPOの
操作に関するものであるときに、操作対象となるPOを特
定する。仮想入力データ2006は、入力機器から発生する
従来形式のデータである。但し、該データが対話対象プ
ログラム120に向けられたものでない場合、例えば、PO
作成などの対話制御のためのデータであるとき、対話対
象プログラム120が理解できるとは限らないのは当然で
ある。
第19図は、対話制御プログラム100において、対話制
御状態を管理している対話管理テーブル3000の内容を示
している。本テーブルでは、対話通信路の確立および対
話通信路の設定に関する情報が扱われる。本テーブル
は、通信路モード識別子3002,対話モード設定者識別子3
004,対話モード識別子3006から構成される。通信路モー
ド識別子3002は、対話制御通信路の確立済みおよび未確
立を区別する。対話モード設定者識別子3004は、対話通
信路の切断および再開を要求した対話制御プログラムを
特定する。対話モード識別子3006は、対話通信路の切断
中および再開済みを区別する。
第20図は、対話制御プログラム100において、PO操作
状態を管理しているPO管理テーブル4000の内容を示して
いる。本テーブルでは、PO操作関係のモードおよびPO表
示関係のデータなどに関する情報が扱われる。本テーブ
ルは、PO所有者識別子・4002,PO識別子4004,PO作成モー
ド識別子4006,PO操作モード識別子4008、現在位置デー
タ4101,形態データ4012から構成される。PO所有者識別
子4002は、該POを作成した対話制御プログラムを特定す
る。PO識別子4004は、該PO所有者の使用しているPOの中
で該POを特定する。PO作成モード識別子4006は、該POが
仮想端末150上に既に作成されているか否かを区別す
る。PO操作モード識別子4008は、対話制御プログラムが
該PO操作の状態にあるか否かを区別する。現在位置デー
タ4010は、仮想端末において該POが表示されている位置
を格納している。形態データ4012は、仮想端末において
該POが表示されるときの形状や色情報などを可能してい
る。
POの作成と破棄について、上記のPO管理テーブルの内
容に基づいて説明する。
第21図は、PO作成ルーチン(第14A図のステップ506)
の処理の流れを示している。PO作成を命令するデータに
は、POの初期表示位置やその形態などに関する情報が含
まれている。POを新たに作成するには、まず、PO管理テ
ーブルを作成する領域を確保し(902)、PO所有者識別
子4002として対話制御プログラム識別子2002の値を設定
し(904)、PO識別子4004としてPO識別子2004の値を設
定し(906)、PO作成モード識別子4006として‘作成済
み’を設定し(908)、PO操作モード識別子4008として
‘未操作’を設定し(910)、現在位置データ4010とし
て該PO作成命令に与えられている初期表示位置データを
設定し(912)、形態データ4012として該PO作成命令に
与えられている表示形態データを設定し(914)、現在
位置データ4010が示す論理画面メモリ150上の位置に形
態データ4012が示す形態にてPOを表示する(916)。
第22図は、PO破棄ルーチン(第14A図のステップ512)
の処理の流れを示している。POを破棄するには、PO所有
者識別子4002が対話制御プログラム識別子2002と一致
し、PO識別子4004がPO識別子2004と一致するPOの表示を
消去し(922)、該POと対応する管理テーブルを破棄す
る(924)。
第2図において、一方の対話者のみが有するデータを
両対話者が利用する操作について述べた。対話対象に外
部のデータを取り込むのは、対話対象プログラム120の
機能である。しかし、対話者の一方にしか目的のデータ
がない状態で両対話対象プログラムを連動させると、デ
ータが存在しない方の計算機において不測の事態を招く
虞れがある。これを避けるために、本実施例では、両対
話者の環境が一致しない状態の操作を行う際には、対話
対象プログラム(120)間の連動を一時的に停止させる
措置を取っている。以下、第23A図へ第23E図に従い、本
機能の実現方法について詳細に説明する。
まず、対話対象プログラムが外部のデータを取り込む
方法について述べる。外部データの取り込みは2つの段
階から構成されている。第1の段階では、目的のデータ
を対話対象プログラム120が理解できる形式でデータ交
換ファイルに格納する。第2の段階では、データ交換フ
ァイルからデータを実際に取り込む。これから分かるよ
うに、第1の段階では、目的のデータが存在する必要が
あるが、第2の段階では、データ交換ファイルが存在す
れば十分である。本実施例にて採用した方法に従えば、
一時的に論理対話通信路80を切断し、第1段階の処理を
目的のデータが存在するワークステーション側の対話対
象プログラム、例えば120Aに行い、その結果作成された
データ交換ファイルを対話制御通信路70に通して対話制
御プログラム100Aと100B間で転送し、両ステーションに
同一内容のデータ交換ファイルが用意できた時点で論理
対話通信路80を再開し、その後は両ステーションの両対
話対象プログラム120Aと120Bとを連動させる。
第23A〜23E図は第5図と同様の概念図である。今、目
的のデータは、ステーションAの環境に存在し、ステー
ションAのユーザが対話停止命令C1を発行したと仮定す
る(第23A図)。この結果、論理対話通信路80は切断さ
れ、第23B図の状態になる。本実施例においては、この
ように、一方のステーションAによって対話通信路80が
切断されたとき、他方のステーションBにおいても、自
分側の対話対象プログラム120Bにデータを渡せなくなっ
ている。ステーションAでは、データ交換ファイル作成
命令C2に従って、目的のデータからデータ交換ファイル
160Aを作成する。
第23C図は、ステーションA割で発行したデータ交換
ファイルの転送命令C3が、対話制御通信路(70)を通し
て相手方の対話制御プログラム100Bに伝えられる状態を
示している。データ交換ファイル転送も対話制御通信路
(70)を介して実行され、Bの側にもファイル(60A)
と同一内容の交換ファイル160Bが作成される(第23D
図)。それが終了すると、対話通信路80が再開される
(第23E図)。両環境が一致した後は、データ交換ファ
イル160A,160Bを利用する命令Cnを両ステーションで同
時に有効に処理することが可能になる。
次に、本実施例における対話により作成されたデータ
または文書に対して認証を行う方法について述べる。初
めに、以下で用いられる「正式認証データ」と「非正式
認証データ」という用語を定義しておく。データAが、
あるデータDに関し、ある認証者Xが作成した「認証デ
ータ」があるとは、任意のDと任意のXから新たなデー
タを生成する関数fが存在し、DとXに関してユニーク
であることである。すなわち、f(D,X)=f(D′,
X′)ならば、D=D′かつX=X′が成り立つことで
ある。このようなfとして、本実施例では、公開鍵暗号
処理とデータ圧縮型暗号処理を組合せたものを採用して
いる。
公開鍵暗号方式においては、秘密の暗号化鍵eと公開
の復号化鍵dが使用される。データ圧縮関数をhとす
る。第24図に示すように、データDは、まず、hによっ
て適当な大きさに圧縮され(1002)、次に暗号化鍵eに
よって暗号化され(1004)認証データとなる。「正式の
認証データ」とは、あるデータに対して正式に承認した
ことをを示す認証データであり、「非正式の認証デー
タ」とは、あるデータに対して、相手の正式認証データ
を受け取った後、自分の正式認証データを送ることを約
束したことを示す認証データである。
第25図は、認証モジュール800の処理の流れを示して
いる。本モジュールは、データ流路110Jに置かれた、対
話対象プログラム120が処理している対話対象データの
存在場所などを示すデータを含むデータ認証命令を取り
出し、現在両対話者が処理しているデータが一致してい
ることの確認と、その旨の保証を行う。以下では、本実
施例で実現している。仮捺印と呼ばれる。認証データの
相互交換方法についてまず説明し、次に、正当性の確認
方法を説明する。
本モジュール800は、データ流路100Jからデータ認証
命令を受け取ると、対話制御プログラム識別子2002を基
に、該命令が相手ワークステーションから送られてきた
命令か否かを調べる(802)。該命令の発行者が相手対
話者ならば、相手対話者の非正式認証データも受信し
(804)、該データの正当性を確認し(806)、自分側の
正式認証データを作成し(808)、該データ、および、
必要に応じて自分の印影情報を相手対話者に送信する
(809)。印影情報があるときは(810)、これを自分の
側の対話対象データや文書上に表示する(811)。その
後、相手対話者の正式認証データ、および、必要に応じ
て印影情報を受信し(812)、該データの正当性を確認
する(813)。相手の印影情報を受け取ったときは(81
4)、これを自分の側の対話対象のデータや文書上に表
示する(815) 一方、上記データ認証命令の発行者が自分ならば、自
分の非正式認証データを作成し(816)、該データを相
手対話者に送信する(818)。次に、相手対話者の正式
認証データ、および、必要に応じて印影情報を受信し
(820)、該データの正当性を確認する(821)。相手の
印影情報を受け取ったときは(822)、これを自分の側
の対話対象のデータや文書上に表示する(823)。次
に、自分の正式認証データを作成し(824)、該デー
タ、および、必要に応じて自分の印影情報を相手対話者
に送信する(826)。印影情報があるときは(828)これ
を自分の側の対話対象データや文書上に表示する(83
0)。もちろん、処理の簡略化のため、非正式認証デー
タの作成、送受信、確認を省略することも可能である
し、印影の送受信、表示を省略することも可能である。
次に第26図に従い、受け取った認証データの正当性の確
認(第25図のステップ806、および821)の方法を説明す
る。本発明による電子対話では、両対話者が見ている文
書などの対話対象のデータの同一性を確認することが目
的である点に注意する。認証データは、例えば対象デー
タを圧縮関数を用いて圧縮してから、秘密暗号化鍵にて
暗号化することにより作成される。受信した認証データ
は、公開されている復号化鍵にて復号化され(1102)、
これにより、相手対話者の持つ対話対象を圧縮関数にて
圧縮した状態であるデータが得られる。次に、自分の持
っている対話対象のデータを圧縮関数を用いて圧縮して
得られるデータを作成する(1104)。この圧縮データが
復号化データと一致すれば(1106)、受信した認証デー
タは正当であり(1110)、不一致ならば、受信した認証
データは不当である(1108)ことが判明する。
次に、2つのステーションにおける対話対象の内容を
比較し、それらの一致/不一致の確認と、一致した状態
を回復するための処理モジュールについて第27図と第28
図を参照して説明する。本モジュールは、対話制御プロ
グラム内部で、必要に応じて起動されるオプション・モ
ジュールである。本実施例では、対話中の2つのステー
ションのうちの1方の対話制御プログラムが主導権をも
って、対話対象の内容の比較を実行する。
第27図は、主導権をもつ側、例えばステーションA側
の動作を示し、第28図は、相手ステーションB側の対話
制御プログラムの動作を示している。まず、第27図につ
いて述べる。対話開始時点において、2つのステーショ
ンにおける対話対象の内容(これは、対話対象プログラ
ム120Aと120Bが処理しようとしているデータの集まりを
指す)の一致を確認しておく(2202)。初期設定とし
て、ファイル領域SCに現在の対話対象の内容を(220
4)、パラメータTに現在の時刻を(2206)、パラメー
タIに対話対象内容比較動作の起動時間間隔を格納し
(2208)、ファイルSFをクリアしておく(2210)。現在
時刻がTよりIだけ経過していなければ(2212)、デー
タ流路110Eにデータが置かれたとき(2214)、該データ
をSFに追加する(2216)。このようにして、ファイルSF
には対話対象プログラムに対して、時刻Tから現在まで
に渡されたデータが蓄えられる。
現在時刻がTよりI以上経過したときは(2212)、デ
ータ流路110Eへのデータのセットを一時停止し(221
7)、相手対話制御プログラムに対して相手側のファイ
ルSFの転送を要求する(2218)。相手対話制御プログラ
ムにより作成されているファイルSFをファイルエリアOF
に受け取る(2220)。SFとOFの内容が一致すれば(222
2)、内容の一致の旨を相手側に伝える(2224)。これ
らが一致しないということは、Tから現在時刻までに、
2つの対話対象プログラムが処理したデータに相違が発
生したことを意味する。この場合は、SFとOFに時系列に
格納されているデータを最初から調べ、互いに一致して
いる1連のデータを見つけ、これをファイルFにストア
する(2226)。次に、対話対象プログラム20Aに、ファ
イルSCに格納されたデータを基礎として、Fに格納され
ているデータ(または命令)による処理を行なわせ、処
理結果を現在の修正された対話対象の内容とする(222
8)。また、内容不一致が検出された旨と、ステップ222
8で作成された修正された対話対象の内容を相手対話制
御プログラムに伝える(2230)。次回の比較のために、
ファイルSCに上記修正された対話対象の内容を格納し
(2232)、Tに現在時刻を設定し(2234)、ファイルSF
をクリアし(2236)、データ流路110Eへのデータセット
禁止を解除し(2238)、ステップ2212に戻る。これによ
り、時刻T+Iまで、データ流路110Eに新たな入力デー
タが蓄えられる。
次に、第28図に従って、相手側ステーションBの対話
制御プログラム100Bの動作について述べる。対話開始時
点において、ファイルSFをクリアしておく(2302)。相
手側からの比較実行開始がまだ伝えられていなければ
(2304)、データ流路110にデータが置かれたとき(230
6)、該データをSFに追加する(2308)。このようにし
て、SFには対話対象プログラム120Bに対して渡されたデ
ータが蓄えられる。
相手プログラム100Aから、ファイルSFの転送要求を受
けると(2304)、データ流路110Eへのデータのセットを
一時停止し(2310)、ファイルSFの内容を相手対話制御
プログラムに送り(2312)、比較結果の応答を持つ(23
14)。両者の対話対象の内容が不一致である旨通知され
れば(2316)、送られてきた対話対象の内容を、新ため
て現在の対話対象の内容としてセットする(2318)。そ
の後、次回の比較のために、ファイルSFをクリアし(23
20)、データ流路110Eへのデータセット禁止を解除し
(2322)、再び、比較が行われるまで、データ流路110E
に入力データを蓄える。このように、対話対象プログラ
ムに対して発行されたデータという、比較的少量のデー
タを用いて対話対象の内容の相違を検出できる。
以上説明したワークステーションを用いて、ユーザは
次のようにして他のユーザと対話、あるいは会議を実行
することができる。
会議時刻に間に合うように、各ユーザは、ワークステ
ーションの電源をオンにすることによりディスプレイ画
面に現われる機能選択メニューの中から、会議(あるい
は電子対話)を意味するアイコンを選択する。これによ
り、対話制御ウインドウA60に第10A図で説明した対話制
御メニュー70が表示され、対話制御プログラム100Aが起
動されて、入力装置3,4は、入力仮想化モジュールの制
御下におかれる。主催者以外のメンバーは、対話制御メ
ニュー71を選び、次に、参加71Aを選択する。これによ
り、仮想化入力受信モジュール400が対話制御通信路60
の確立要求待ちの状態となる。主催者となるユーザは、
メンバー指定71Bを選択し、次いで対話相手を特定す
る。これにより、相手ステーションに対話制御通信路確
立要求が出され、ステーション間に制御通信路70が確立
される。会議が3人以上のメンバーにより開催される場
合は、相手メンバーを次々と指定する。制御通信路70の
確立が終了すると、制御ウインドウA60の枠色あるいは
背景色が変り、対話準備ができたことをユーザは認識で
きる。
主催者ユーザが資料リスト73の中から、メンバーに配
布すべき1つの資料を選択すると、対話制御ウインドウ
A60に第10D図のコマンド・メニューが現われる。また、
上記特定された資料と対応する応用プログラムが起動さ
れ、このプログラムの働きによって、画面上の新たなウ
インドウに上記資料の内容の1部が出力される。
主催者ユーザが、コマンドメニューの中から配布命令
73Aと選ぶと、上記資料を構成するデータが他のステー
ションに送信される。このとき、メニュー70を管理する
テーブルにおいて、上記資料が配布されたことを記憶し
ておくことにより、次回、メニュー70が表示されたと
き、上記配布済み資料のアイコンの色を変えることがで
きる。この状態で、主催者ユーザが共同利用命令を入力
すると、上記資料の表示ウインドウが対話ウインドウ・
モードとなり、他のローカル・ウインドウと区別できる
ようにウインドウの色が変化する。共同利用命令は相手
ステーションにも送られるため、相手ステーションで
も、上記資料のウインドウが対話ウインドウとなる。
ユーザが、表示画面上の1つのウインドウにおいて文
書を作成し、これを共同利用する場合には、作成した文
書を対話制御ウインドウA60またはB60と対応づけ、対話
制御プログラムの制御下においた後、上記の操作をすれ
ばよい。制御メニュー70は、1つの対話制御プログラム
と対応しているため、資料リスト73に登録されていれ
ば、複数の資料を同時に対話対象とすることもできる。
既に対話対象となっている資料について、共同利用中
止命令を出すと、共同利用モードが解除され、個人利用
の状態に戻すことができる。このとき、資料を表示して
いるウインドウと資料アイコンの色が変化し、共同利用
状態の資料とは区別できるようになる。
会議あるいは対話の途中で、1つのステーションから
離脱命令71Cを入力すると、そのステーションの対話制
御通信路が消される。対話を終了させたい場合、主催者
ユーザが特定した資料について資料回収命令73Dを入力
すると、この命令が他のステーションに伝わり、配布済
みの資料の記憶を消去できる。終了コマンド72Aを入力
すると、ステーション間の全ての制御通信路が消され
る。
本発明において、各ステーションに制御メニュへと対
話制御プログラムとの組を複数組備えておけば、1つの
ステーションで同時に複数の対話制御プログラムを走ら
せることにより、1人のユーザが異なるステーションの
組み合せからなる複数の会議に同時に参加することがで
きる。また、同一のステーションにおいて、第1の対話
制御プログラムから送出されたデータを、OSにより折り
返して第2の対話制御プログラムに入力することによ
り、同一画面上に設定された2つのウインドウを互いに
対話状態にすることもできる。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかな如く、本発明の提供する対話
通信システムあるいは共同情報処理装置は、現在使用さ
れている各種プログラムを複数のワークステーション
(計算機)にて同様に動作させることが可能であり、電
話と鞆に使用することにより、遠隔地間で音声とデータ
を利用し、互いに様々な情報を目で見、その場で処理を
行い、即座にその結果を全参加者に提示することができ
る。
本発明によれば、マルチウインドウ機能をもつワーク
ステーションにおいて、任意のウインドウを他のワーク
ステーションとの連携動作に供するか否かはいつでも決
定でき、連携させないときには単独で利用し、連携させ
る際にはそのまま共同情報処理に入ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するワークステーションの外観
図、第2図A〜第4B図は、電子対話における操作例およ
びディスプレイ上での表示例を説明するための図、第5
図は電子対話を実現する対話制御プログラムと他のプロ
グラムとの関係を説明するための概念図、第6図は電子
対話を実現するワークステーションの構成を示すブロッ
ク図、第7図はメモリ11に用意される複数のプログラム
とデータ領域について説明するための図、第8図は、対
話制御プログラム100の構成を説明するための図、第9
図は対話制御プログラムを構成するモジュールおよびそ
の他のプログラムの相互関係を説明するための図、第10
A図〜第10D図は、ワークステーションにおける電子対話
用のコマンド入力に用いられるメニュー画面を説明する
ための図、第11図は入力仮想化モジュールの動作手順を
説明するための流れ図、第12A図と第12B図は仮想入力分
配モジュールの動作手順を説明するための流れ図、第13
図は仮想入力受信モジュールの動作手順を説明するため
の流れ図、第14A図と第14B図は仮想入力解析モジュール
の動作手順を説明するための流れ図、第15図は対話対象
プログラムのデータ入出力処理の手順を説明するための
流れ図、第16図はポインティング・オブジェクト操作モ
ジュールの動作手順を説明するための流れ図、第17図は
ポインティング・オブジェクト再表示モジュールの動作
手順を説明するための流れ図、第18図は対話制御プログ
ラムにおいて用いられるデータ形式を説明するための
図、第19図は対話状態を管理し対話制御のために用いら
れる対話管理テーブルを説明するための図、第20図はポ
インティング・オブジェクトを管理しポインティング・
オブジェクト操作のために用いられるポインティング・
オブジェクト管理テーブルを説明するための図、第21図
はポインティング・オブジェクト作成の処理を説明する
ための流れ図、第22図はポインティング・オブジェクト
破棄の処理を説明するための流れ図、第23A項〜第23E図
はデータ交換ファイルの作成および転送の処理の様子を
説明するための図、第24図は認証データ作成の処理を説
明するための流れ図、第25図は認証モジュールの動作手
順を説明するための流れ図、第26図は認証データの正当
性を確認する処理を説明するための流れ図、第27図はマ
スタ側のステーションで実行される対話対象の内容を比
較し、相違があれば同一性の回復を行うための処理を説
明するための流れ図、第28図はスレーブ側のステーショ
ンで実行される対話対象の内容の回復を行うための処理
を説明するための流れ図である。 符号の説明 A20,B20:ポインティング・オブジェクト、A10:カーソ
ル、A30,B30,A50,B50,A60,B60:ウインドウ、 100A,100B:対話制御プログラム、 120A,120B:対話対象プログラム、 130A,130B:応用(処理)プログラム、 140A,140B:ウインドウ管理システム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宝木 和夫 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株式会社日立製作所システム開発研究所 内 (72)発明者 堂免 信義 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株式会社日立製作所システム開発研究所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04M 11/00 302 G06F 15/00 310 H04N 7/15

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通信回線に接続された複数のステーション
    からなり、各ステーションは表示画面に複数のウインド
    ウを表示するマルチウインドウ制御機能を備える通信シ
    ステムを用いた対話通信方法において、第1,第2のステ
    ーション間に制御通信路を確立するステップと、第1の
    ステーションで動作する1つの応用プログラムと、第2
    のステーションで動作する1つの応用プログラムとの間
    に、上記制御通信路を介して上記第1のステーションか
    ら第2のステーションに1つの制御命令を送ることによ
    り、論理的な通信路を確立するステップと、上記通信路
    を介して上記いずれか一方のステーションから他方のス
    テーションに、上記論理的通信路を切断するための制御
    指令を送ることにより、上記論理的通信路を切断するス
    テップと、上記第1のステーションにおいて、上記応用
    プログラムと対応する1つのウインドウの表示内容を変
    化させるデータまたはコマンドが入力されたとき、この
    データまたはコマンドを上記応用プログラムにより処理
    すると共に、もし上記論理通信路が確立されていれば、
    このデータまたはコマンドを上記制御通信路を介して第
    2のステーションの応用プログラムに与えるステップと
    を有し、論理通信路が存在するとき、第2ステーション
    の応用プログラムが、該第2ステーションの表示画面上
    の1つのウインドウの内容を上記第1ステーションにお
    ける変化と同じように変化させるようにしたことを特徴
    とする対話通信方法。
  2. 【請求項2】第1請求項記載の対話通信方法において、
    更に、上記制御通信路を介して上記第1,第2のいずれか
    一方のステーションから他方のステーションに1つの制
    御命令を送ることにより、上記第1ステーションで動作
    するもう1つの応用プログラムと第2のステーションで
    動作するもう1つの応用プログラムとの間に論理的な通
    信路を確立するステップと、上記第1,第2のいずれか一
    方のステーションにおいて、上記もう1つの応用プログ
    ラムと対応するもう1つのウインドウの表示内容を変化
    させるデータまたはコマンドが入力されたとき、このデ
    ータまたはコマンドを上記もう1つの応用プログラムに
    与えると共に、このデータまたはコマンドを、上記制御
    通信路を介して、他方のステーションのもう1つの応用
    プログラムに与えるステップと、を与えることを特徴と
    する対話通信方法。
  3. 【請求項3】第1請求項記載の対話通信方法において、
    前記2つの応用プログラム間に論理的通信路が確立され
    た状態にあるのか、該論理的通信路が切断された状態に
    あるのかをユーザが区別できるように、各ステーション
    における上記応用プログラムと対応するウインドウの表
    示状態を切換えるようにしたことを特徴とする対話通信
    方法。
  4. 【請求項4】ネットワークに接続されたマルチウインド
    ウ機能を有する複数の端末装置からなり、各端末装置
    は、対話相手となる端末装置との間に通信路を確立する
    ための手段と、表示画面に表示されるいずれかのウイン
    ドウについて、該ウインドウを上記対話相手と共同利用
    するか該端末装置で個別に利用するかの指定を行なうた
    めの手段と、ユーザが表示画面上の1つのウインドウに
    おいて入力操作を行なったとき、該ウインドウが共同利
    用状態にあるか否かに応じて、上記入力操作の内容を上
    記対話相手の端末装置に送信するか否かを決定する手段
    とを有し、ユーザからの入力操作があったとき、もしく
    は相手端末装置からの入力操作の受信があったとき、該
    入力操作がなされたウインドウと対応するプログラムを
    実行するようにしたことを特徴とする対話システム。
  5. 【請求項5】ウインドウが共同利用状態にあるとき、該
    ウインドウを表示画面上の個別利用状態にあるウインド
    ウと区別できる表示状態にすることを特徴とする第4請
    求項記載の対話システム。
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