JP2790850B2 - ペリクル用セルロース薄膜 - Google Patents
ペリクル用セルロース薄膜Info
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- film
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、フォトリソグラフィ技術におけるフォト
マスク、ならびにレチクルの保護に使用されるペリクル
用薄膜に関するものである。
マスク、ならびにレチクルの保護に使用されるペリクル
用薄膜に関するものである。
(従来の技術) 薄くて透明なフィルムからなるペリクルは、フォトマ
スクとレチクルの保護のために使用されており、半導体
装置の製造工程中におけるフォトリソグラフィにおける
生産性の向上に役立っている。一般に使用されているペ
リクルは、フォトリソグラフィのマスクに固着され、該
マスクとは、所定の距離をおいてマスク上に位置してい
る。したがって、フォトリソグラフィの操作中におい
て、こまかなダスト粒子が、ペリクルに付着しても、ワ
ーク表面に結像されない。したがって、マスクあるい
は、レチクルをペリクルで保護することにより、ダスト
粒子によるシリコンウェハーへの悪影響を防ぐことがで
き、集積回路チップの製造歩留りが向上し、マスクのク
リーニング回数が減少して、その寿命を伸ばすなどの効
果がある。
スクとレチクルの保護のために使用されており、半導体
装置の製造工程中におけるフォトリソグラフィにおける
生産性の向上に役立っている。一般に使用されているペ
リクルは、フォトリソグラフィのマスクに固着され、該
マスクとは、所定の距離をおいてマスク上に位置してい
る。したがって、フォトリソグラフィの操作中におい
て、こまかなダスト粒子が、ペリクルに付着しても、ワ
ーク表面に結像されない。したがって、マスクあるい
は、レチクルをペリクルで保護することにより、ダスト
粒子によるシリコンウェハーへの悪影響を防ぐことがで
き、集積回路チップの製造歩留りが向上し、マスクのク
リーニング回数が減少して、その寿命を伸ばすなどの効
果がある。
現在一般に市販使用されているペリクルには、0.8μ
m〜7μmの厚さのニトロセルロースからなる薄膜であ
る。この様なニトロセルロース薄膜からなるペリクル
は、現在のg線(436mm)におけるフォトリソグラフィ
ー技術においては、一応満足されている。
m〜7μmの厚さのニトロセルロースからなる薄膜であ
る。この様なニトロセルロース薄膜からなるペリクル
は、現在のg線(436mm)におけるフォトリソグラフィ
ー技術においては、一応満足されている。
(発明が解決しようとする課題) 半導体工業における最近の進歩に伴い、集積回路の高
密度、高集積化の傾向があり、ウェハー上への投影パタ
ーンの線幅、線間隔共に小さくなって来ている。その
為、露光光源として、g線(436mm)よりも波長が短
く、エネルギーの大きいh線(406mm)、i線(365mm)
が使用される様になって来た。
密度、高集積化の傾向があり、ウェハー上への投影パタ
ーンの線幅、線間隔共に小さくなって来ている。その
為、露光光源として、g線(436mm)よりも波長が短
く、エネルギーの大きいh線(406mm)、i線(365mm)
が使用される様になって来た。
ニトロセルロース薄膜からなるペリクルは、g線にお
いては、耐光性も良く、一応満足できるものであるが、
エネルギーの大きいh線、i線になるとニトロセルロー
スでは、劣化が起こり、使用する事ができない。そこで
現在ニトロセルロースに代わる素材として、セルロース
誘導体が研究されている。セルロース誘導体としては、
セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート等があり、こ
れらの素材は、ニトロセルロースに比較して耐光性は良
いが、それからなる薄膜の難点は、高湿度の環境に置く
と、たるみや、しわが発生し、緊張状態に保つ事が難し
い事である。本発明は、h線、i線においても、耐光性
が良く、高湿度の環境でも、たるみや、しわが発生しな
いペリクル用薄膜を提供する事である。
いては、耐光性も良く、一応満足できるものであるが、
エネルギーの大きいh線、i線になるとニトロセルロー
スでは、劣化が起こり、使用する事ができない。そこで
現在ニトロセルロースに代わる素材として、セルロース
誘導体が研究されている。セルロース誘導体としては、
セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート等があり、こ
れらの素材は、ニトロセルロースに比較して耐光性は良
いが、それからなる薄膜の難点は、高湿度の環境に置く
と、たるみや、しわが発生し、緊張状態に保つ事が難し
い事である。本発明は、h線、i線においても、耐光性
が良く、高湿度の環境でも、たるみや、しわが発生しな
いペリクル用薄膜を提供する事である。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ニトロセルロース10〜50wt%とセルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースアセテートプロピオネートの少なくとも一種90〜50
wt%とからなる組成物よりなるペリクル用薄膜、を提供
する。
アセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースアセテートプロピオネートの少なくとも一種90〜50
wt%とからなる組成物よりなるペリクル用薄膜、を提供
する。
本発明のペリクル用薄膜は、高湿度の環境において
も、たるみやしわの発生が無く、かつh線、i線に対す
る耐光性がニトロセルロースのみからなる薄膜よりはる
かに良い。
も、たるみやしわの発生が無く、かつh線、i線に対す
る耐光性がニトロセルロースのみからなる薄膜よりはる
かに良い。
本発明について更に詳細に説明する。ニトロセルロー
スからなるペリクル用薄膜は、g線(436mm)の光にお
いては劣化せず、光透過性も良いが、365mm以下の短い
波長の光においては、はなはだしく劣化する。最近の半
導体のフォトリソグラフィの技術は、集積回路の高密
度、高集積化の傾向があり、ウェハー上への投影パター
ンの線幅、線間隔共に小さくなって来ている。その為、
露光光源としても、より短波長の光が使われる様になっ
てきた。そこで、各ペリクルメーカーは、短波長におい
ても光透過性が良く、耐光性のあるペリクル素材とし
て、各種セルロース誘導体を使用したペリクルを考案し
ている。短波長における耐光性のあるセルロース誘導体
として、セルロースアセテートや、セルロースアセテー
トブチレート、あるいはセルロースアセテートプロピオ
ネートからなるペリクルが考案されているが、これらの
セルロース誘導体からなる薄膜を使用したペリクルは、
いずれも、高湿度において、形状保持性が劣る。すなわ
ち高湿度において薄膜にたるみやしわが発生する。半導
体のフォトリソグラフィーを行う工程では、静電気によ
り微細粉塵が、機器や、生産物等へ付着するのを避ける
ため、室内の相対湿度をやや高めに維持する傾向がある
為、この様な薄膜は、実用上使用できない。
スからなるペリクル用薄膜は、g線(436mm)の光にお
いては劣化せず、光透過性も良いが、365mm以下の短い
波長の光においては、はなはだしく劣化する。最近の半
導体のフォトリソグラフィの技術は、集積回路の高密
度、高集積化の傾向があり、ウェハー上への投影パター
ンの線幅、線間隔共に小さくなって来ている。その為、
露光光源としても、より短波長の光が使われる様になっ
てきた。そこで、各ペリクルメーカーは、短波長におい
ても光透過性が良く、耐光性のあるペリクル素材とし
て、各種セルロース誘導体を使用したペリクルを考案し
ている。短波長における耐光性のあるセルロース誘導体
として、セルロースアセテートや、セルロースアセテー
トブチレート、あるいはセルロースアセテートプロピオ
ネートからなるペリクルが考案されているが、これらの
セルロース誘導体からなる薄膜を使用したペリクルは、
いずれも、高湿度において、形状保持性が劣る。すなわ
ち高湿度において薄膜にたるみやしわが発生する。半導
体のフォトリソグラフィーを行う工程では、静電気によ
り微細粉塵が、機器や、生産物等へ付着するのを避ける
ため、室内の相対湿度をやや高めに維持する傾向がある
為、この様な薄膜は、実用上使用できない。
本発明の薄膜からなるペリクルは、この様な高湿度の
環境においてもたるみや、しわの発生が無く、又、h線
や、i線の低波長における耐光性も良く、実用に耐える
ペリクルである。
環境においてもたるみや、しわの発生が無く、又、h線
や、i線の低波長における耐光性も良く、実用に耐える
ペリクルである。
セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレ
ート、セルロースアセテートプロピオネートなどのニト
ロセルロース以外のセルロース誘導体に混合するニトロ
セルロースは、高分子量のものほど薄膜の形状保持力が
大きい為好ましく、且つその硝化度は、10〜13%好まし
くは11〜12%である。このような材料としては旭化成工
業(株)から市販されており、その硝化度は10.7〜12.2
%である。この市販品は、各種塗料、インキ、接着剤、
コーティング材等、多くの用途の幅広く使われているも
のである。
ート、セルロースアセテートプロピオネートなどのニト
ロセルロース以外のセルロース誘導体に混合するニトロ
セルロースは、高分子量のものほど薄膜の形状保持力が
大きい為好ましく、且つその硝化度は、10〜13%好まし
くは11〜12%である。このような材料としては旭化成工
業(株)から市販されており、その硝化度は10.7〜12.2
%である。この市販品は、各種塗料、インキ、接着剤、
コーティング材等、多くの用途の幅広く使われているも
のである。
かかるニトロセルロースと混合して用いるニトロセル
ロース以外のセルロース誘導体としては、ニトロセルロ
ースと混合して0.5〜15μm好ましくは0.8〜10μmに製
膜可能であり、かつ、得られた膜が365mmの光において
吸収散乱が5%以下好ましくは2%以下となるセルロー
ス誘導体であれば使用可能である。
ロース以外のセルロース誘導体としては、ニトロセルロ
ースと混合して0.5〜15μm好ましくは0.8〜10μmに製
膜可能であり、かつ、得られた膜が365mmの光において
吸収散乱が5%以下好ましくは2%以下となるセルロー
ス誘導体であれば使用可能である。
このような条件を満足するものは、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースア
セテートプロピオネートである。
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースア
セテートプロピオネートである。
これらのセルロース誘導体のうちセルロースアセテー
トとしては、酢化度20〜55%好ましくは40〜55%の物が
好ましく使用される。イーストマン・コダック社から市
販されているものを用い得るが、これは酢化度が55%前
後のものである。
トとしては、酢化度20〜55%好ましくは40〜55%の物が
好ましく使用される。イーストマン・コダック社から市
販されているものを用い得るが、これは酢化度が55%前
後のものである。
又、セルロースアセテートプロピオネートとしては、
プロピオニル含量が10〜46%好ましくは40〜46%の物が
使用され得る。
プロピオニル含量が10〜46%好ましくは40〜46%の物が
使用され得る。
セルロースアセテートブチレートは、これらのセルロ
ース誘導体の中では、特に効用が大きく、更にそのブチ
リル含量が高いものほど、且つその分子量が高いほど好
ましい。セルロースアセテートブチレートの好ましい組
成の一例は、ブチリル含量が40〜55wt%、好ましくは50
〜55wt%、数平均分子量が40,000〜100,000のものが、
良好である。この材料は、イーストマンコダック社から
市販され数平均分子量40,000〜70,000のものが容易に得
られる。
ース誘導体の中では、特に効用が大きく、更にそのブチ
リル含量が高いものほど、且つその分子量が高いほど好
ましい。セルロースアセテートブチレートの好ましい組
成の一例は、ブチリル含量が40〜55wt%、好ましくは50
〜55wt%、数平均分子量が40,000〜100,000のものが、
良好である。この材料は、イーストマンコダック社から
市販され数平均分子量40,000〜70,000のものが容易に得
られる。
本発明においては、セルロースアセテートブチレート
と、ニトロセルロースとの混合物が最も好ましい。本発
明においてニトロセルロースの混合割合は、10〜50wt%
が良好である。ニトロセルロースの混合割合が10wt%未
満では高湿度の環境における薄膜形状保持性に殆んど効
果が無く、又、ニトロセルロースの混合割合が50wt%を
超えると薄膜形状保持性においては、非常に効果がある
が、h線、i線における耐光性は、ニトロセルロースよ
りも若干良いが短時間で劣化する。
と、ニトロセルロースとの混合物が最も好ましい。本発
明においてニトロセルロースの混合割合は、10〜50wt%
が良好である。ニトロセルロースの混合割合が10wt%未
満では高湿度の環境における薄膜形状保持性に殆んど効
果が無く、又、ニトロセルロースの混合割合が50wt%を
超えると薄膜形状保持性においては、非常に効果がある
が、h線、i線における耐光性は、ニトロセルロースよ
りも若干良いが短時間で劣化する。
長期間の薄膜形状保持性、及び、h線、i線における
耐光性を考慮すると、ニトロセルロースの混合割合は、
20〜40wt%が好ましい。
耐光性を考慮すると、ニトロセルロースの混合割合は、
20〜40wt%が好ましい。
ニトロセルロースは、セルロースアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネートなどと同じセルロース系である為、相溶性は
非常に良好である。
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネートなどと同じセルロース系である為、相溶性は
非常に良好である。
ペリクルは露光装置の光源と光学レンズ系の間に光路
に設置されて使用される。その故に、ペリクルの薄膜は
膜面内で光線透過率が均一でなければならないと同時
に、薄膜の屈折率によって生じるであろう露光々線の進
路のズレに対して実質的に影響を及ぼさない程度の均一
な薄さでなければならない。又、膜は、画像を歪みな
く、乱れなく透過させる必要があり、膜厚みの均一性と
共に、ゴミ、キズのないこと、内部歪みのないことが要
求される。
に設置されて使用される。その故に、ペリクルの薄膜は
膜面内で光線透過率が均一でなければならないと同時
に、薄膜の屈折率によって生じるであろう露光々線の進
路のズレに対して実質的に影響を及ぼさない程度の均一
な薄さでなければならない。又、膜は、画像を歪みな
く、乱れなく透過させる必要があり、膜厚みの均一性と
共に、ゴミ、キズのないこと、内部歪みのないことが要
求される。
ニトロセルロースとセルロースアセテート、セルロー
スアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピ
オネートの少なくとも一種との混合組成物からなる本発
明のペリクル用薄膜の膜厚は、0.5〜15μmの範囲、好
ましくは0.8〜10μmである。これより膜厚を薄くする
と、機械的強度が低下し、かかるペリクルを取扱うにあ
たり十分な注意を必要とする。また、これより厚い膜厚
では、膜表面の微小な荒れによって、その光線透過率は
低下してしまう傾向がある。
スアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピ
オネートの少なくとも一種との混合組成物からなる本発
明のペリクル用薄膜の膜厚は、0.5〜15μmの範囲、好
ましくは0.8〜10μmである。これより膜厚を薄くする
と、機械的強度が低下し、かかるペリクルを取扱うにあ
たり十分な注意を必要とする。また、これより厚い膜厚
では、膜表面の微小な荒れによって、その光線透過率は
低下してしまう傾向がある。
本発明の薄膜の製造は、いかなる方法によっても構わ
ないが、ニトロセルロースが熱可塑性でないため、溶液
にしてキャストする方法が通常用いられる。又、本目的
とするペリクルにあっては、膜厚みが0.5μm〜15μm
と薄く、かつ膜厚みの均一性が重要であるため、その製
造方法としては、回転塗布法(スピンコーター法)、ナ
イフコーター法、浸漬引上げ法、流体表面上への流延法
等が適しているが、特にスピンコーター法が好適であ
る。
ないが、ニトロセルロースが熱可塑性でないため、溶液
にしてキャストする方法が通常用いられる。又、本目的
とするペリクルにあっては、膜厚みが0.5μm〜15μm
と薄く、かつ膜厚みの均一性が重要であるため、その製
造方法としては、回転塗布法(スピンコーター法)、ナ
イフコーター法、浸漬引上げ法、流体表面上への流延法
等が適しているが、特にスピンコーター法が好適であ
る。
かかる均一な厚さの薄膜は、ニトロセルロースとセル
ロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、
セルロースアセテートプロピオネートの少なくとも一種
とを所定混合比、及び濃度になるように、乳酸エチル
や、シクロヘキサノン等の溶剤に溶かし、濾過した後、
スピンコーター法等により、ガラス基板等の平滑基板上
に流延して作る事ができる。
ロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、
セルロースアセテートプロピオネートの少なくとも一種
とを所定混合比、及び濃度になるように、乳酸エチル
や、シクロヘキサノン等の溶剤に溶かし、濾過した後、
スピンコーター法等により、ガラス基板等の平滑基板上
に流延して作る事ができる。
ただし本発明の薄膜を得るスピンコーティングの条件
は、溶液の流動性、溶液の溶媒の揮発性、スピンコータ
ー周囲の温度、湿度、スピン回転数、スピン時間など多
くの影響因子が絡むので、本発明の目的を達成するため
に正しく選択する。
は、溶液の流動性、溶液の溶媒の揮発性、スピンコータ
ー周囲の温度、湿度、スピン回転数、スピン時間など多
くの影響因子が絡むので、本発明の目的を達成するため
に正しく選択する。
ガラス基板等の上に形成された薄膜は、該基板から剥
がされ、金属枠等にぴんと張られて、エポキシ系などの
接着剤で固着される。
がされ、金属枠等にぴんと張られて、エポキシ系などの
接着剤で固着される。
この様にして製造されたペリクル形状での薄膜は、高
湿度環境においても、薄膜形状保持性は良好で、たるみ
や、しわ等の発生が無いばかりか、短波長光線のh線
や、i線に対しても、充分な光透過性を有し、充分実用
に耐えるものである。
湿度環境においても、薄膜形状保持性は良好で、たるみ
や、しわ等の発生が無いばかりか、短波長光線のh線
や、i線に対しても、充分な光透過性を有し、充分実用
に耐えるものである。
以上、本発明は、ニトロセルロースとセルロースアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネートの少なくとも一種とを混合す
る事により、高湿度における、たるみや、しわの発生を
防止すると共に、短波長における耐光性をも向上した事
を特徴とするペリクル用薄膜に関するものである。ま
た、例えば、特公昭63−22576号公報の記載などにみら
れるポリマーコーティングによる反射防止も可能であ
る。
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネートの少なくとも一種とを混合す
る事により、高湿度における、たるみや、しわの発生を
防止すると共に、短波長における耐光性をも向上した事
を特徴とするペリクル用薄膜に関するものである。ま
た、例えば、特公昭63−22576号公報の記載などにみら
れるポリマーコーティングによる反射防止も可能であ
る。
(実施例) 以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明
は、これにより限定されるものではない。
は、これにより限定されるものではない。
実施例1 セルロースアセテートブチレート(CABと略す。イー
ストマンコダック社製531−1,ブチリル含量,50%)8.0g
とニトロセルロース(NCと略す。旭化成工業製,H−100
0,硝化度12.0%)2.0gを酢酸エチルセロソルブに溶解
し、固型分濃度5.0wt%の溶液を調整した。スピンコー
ター(回転塗布機)にシリコンウェハーをセットして、
調整したCAB/NC溶液を20cc滴下し、その後、シリコンウ
ェハーを900rpmで30秒間回転させ、シリコンウェハー上
に、CAB/NC薄膜を形成せしめ、ホットプレートにより溶
媒を蒸発せしめ、2.8μmの薄膜を作り、シリコンウェ
ハーより、薄膜を剥離し、120×98mmの長方形アルミフ
レームに、ぴんと張り、エポキシ系接着剤で固着した。
この薄膜を水を張った、湿度100%のデシケーター中に
放置したが、たるみや、しわの発生は、まったくなかっ
た。又、1ケ月経過後においても、まったく異常は、見
られなかった。
ストマンコダック社製531−1,ブチリル含量,50%)8.0g
とニトロセルロース(NCと略す。旭化成工業製,H−100
0,硝化度12.0%)2.0gを酢酸エチルセロソルブに溶解
し、固型分濃度5.0wt%の溶液を調整した。スピンコー
ター(回転塗布機)にシリコンウェハーをセットして、
調整したCAB/NC溶液を20cc滴下し、その後、シリコンウ
ェハーを900rpmで30秒間回転させ、シリコンウェハー上
に、CAB/NC薄膜を形成せしめ、ホットプレートにより溶
媒を蒸発せしめ、2.8μmの薄膜を作り、シリコンウェ
ハーより、薄膜を剥離し、120×98mmの長方形アルミフ
レームに、ぴんと張り、エポキシ系接着剤で固着した。
この薄膜を水を張った、湿度100%のデシケーター中に
放置したが、たるみや、しわの発生は、まったくなかっ
た。又、1ケ月経過後においても、まったく異常は、見
られなかった。
実施例2 セルロースアセテート(CAと略す。ダイセル製,L−40
F,酢化度55%),5gとニトロセルロース(旭化成工業製,
H−1000,硝化度12.0%)5gを、乳酸エチルに溶解し、固
型分濃度2wt%の溶液を調整した。実施例1と同じ方法
で、スピンコーターにて膜厚1.0μmの薄膜を作り、120
×98mmの長方形アルミフレームに、ぴんと張りエポキシ
系接着剤で固着した。この薄膜を水を張った湿度100%
のデシケーター中に放置したが、たるみや、しわの発生
は、まったくなかった。又、1ケ月経過後においても、
まったく異常は、見られなかった。
F,酢化度55%),5gとニトロセルロース(旭化成工業製,
H−1000,硝化度12.0%)5gを、乳酸エチルに溶解し、固
型分濃度2wt%の溶液を調整した。実施例1と同じ方法
で、スピンコーターにて膜厚1.0μmの薄膜を作り、120
×98mmの長方形アルミフレームに、ぴんと張りエポキシ
系接着剤で固着した。この薄膜を水を張った湿度100%
のデシケーター中に放置したが、たるみや、しわの発生
は、まったくなかった。又、1ケ月経過後においても、
まったく異常は、見られなかった。
実施例3 セルロースアセテートプロピオネート(CAPと略す。
イーストマン・コダック社製,482−20,プロピオニル含
量,46%)7.0gとニトロセルロース(旭化成工業製H−1
000,硝化度12.0%)3.0gを乳酸エチルに溶解し、固型分
濃度5wt%の溶液を作り、実施例1と同じスピンコータ
ー法で、膜厚1.7μmの薄膜を作り、120×98mmの長方形
アルミフレームに、ぴんと張りエポキシ系接着剤で固着
した。この薄膜を水を張った湿度100%でデシケーター
中に放置したが、たるみや、しわの発生は、まったくな
かった。参考迄に、この薄膜の分光特性を第1図に示
す。
イーストマン・コダック社製,482−20,プロピオニル含
量,46%)7.0gとニトロセルロース(旭化成工業製H−1
000,硝化度12.0%)3.0gを乳酸エチルに溶解し、固型分
濃度5wt%の溶液を作り、実施例1と同じスピンコータ
ー法で、膜厚1.7μmの薄膜を作り、120×98mmの長方形
アルミフレームに、ぴんと張りエポキシ系接着剤で固着
した。この薄膜を水を張った湿度100%でデシケーター
中に放置したが、たるみや、しわの発生は、まったくな
かった。参考迄に、この薄膜の分光特性を第1図に示
す。
実施例4 セルロースアセテートブチレート(イーストマンコダ
ック社製381−20,ブチリル含量,37%)とニトロセルロ
ース(旭化成工業製,H−120)について下記割合につい
て各々の溶液を作り、実施例1と同じ方法において各組
成の薄膜を作り、アルミフレームに固着して水を張った
湿度100%のデシケーター中に放置した。CAB100%の薄
膜は、しわが発生し、ニトロセルロース10wt%含有する
薄膜は、若干微小なしわの発生が見られたが、 ニトロセルロース20wt%以上含有するCABの薄膜は、い
ずれもたるみや、しわの発生は、まったくなかった。
ック社製381−20,ブチリル含量,37%)とニトロセルロ
ース(旭化成工業製,H−120)について下記割合につい
て各々の溶液を作り、実施例1と同じ方法において各組
成の薄膜を作り、アルミフレームに固着して水を張った
湿度100%のデシケーター中に放置した。CAB100%の薄
膜は、しわが発生し、ニトロセルロース10wt%含有する
薄膜は、若干微小なしわの発生が見られたが、 ニトロセルロース20wt%以上含有するCABの薄膜は、い
ずれもたるみや、しわの発生は、まったくなかった。
実施例5 セルロースアセテートブチレート(イーストマン・コ
ダック社製531−1,ブチリル含量,50%)7.0gとニトロセ
ルロース(旭化成工業製,H−500,硝化度12.0%)5gを酢
酸エチルセロソルブに溶解し、固型分濃度6.0wt%の溶
液を調整した。又、含フッ素メタアクリレート樹脂(屈
折率,n=1365)を、パーフロロトリブチルアミンに溶解
し、0.8wt%の溶液を調整した。
ダック社製531−1,ブチリル含量,50%)7.0gとニトロセ
ルロース(旭化成工業製,H−500,硝化度12.0%)5gを酢
酸エチルセロソルブに溶解し、固型分濃度6.0wt%の溶
液を調整した。又、含フッ素メタアクリレート樹脂(屈
折率,n=1365)を、パーフロロトリブチルアミンに溶解
し、0.8wt%の溶液を調整した。
スピンコーターにシリコンウェハーをセットして、CA
B/NCの混合溶液を20cc滴下し、900rpm30秒間回転させる
事により、シリコンウェハー上にCAB/NCの薄膜を形成せ
しめ、ホットプレートにより溶媒を蒸発せしめた。次い
で、この上に、含フッ素メタアクリレート溶液を3cc滴
下し、600rpmで30秒間回転させ、乾燥させた。そして、
二層構造の薄膜を形成させた。
B/NCの混合溶液を20cc滴下し、900rpm30秒間回転させる
事により、シリコンウェハー上にCAB/NCの薄膜を形成せ
しめ、ホットプレートにより溶媒を蒸発せしめた。次い
で、この上に、含フッ素メタアクリレート溶液を3cc滴
下し、600rpmで30秒間回転させ、乾燥させた。そして、
二層構造の薄膜を形成させた。
一方、アルミフレーム(外径120×98mm)の端面に、
エポキシ接着剤を塗布しこれを上記薄膜の含フッ素メタ
アクリレート層側に重ね合せ、エポキシを硬化させる事
により、フレームと膜を接着させた。このものを、水の
中に浸し、30分間放置後ウェハーと膜を分離し、膜付フ
レームを水中から取り出し、風乾させ、再度スピンコー
ターに、膜面が上になる様セットし、含フッ素メタアク
リレート塗膜を形成させることにより、目的とする三層
構造の多層膜を有する厚さ3.1μmの非反射性ペリクル
を得た。
エポキシ接着剤を塗布しこれを上記薄膜の含フッ素メタ
アクリレート層側に重ね合せ、エポキシを硬化させる事
により、フレームと膜を接着させた。このものを、水の
中に浸し、30分間放置後ウェハーと膜を分離し、膜付フ
レームを水中から取り出し、風乾させ、再度スピンコー
ターに、膜面が上になる様セットし、含フッ素メタアク
リレート塗膜を形成させることにより、目的とする三層
構造の多層膜を有する厚さ3.1μmの非反射性ペリクル
を得た。
このペリクルの分光特性は、第2図に示す如く365mm
での光線透過率は、95%〜99.5%であり平均透過率も9
7.25%と高いものであった。この薄膜を水を張った湿度
100%のデシケーター中に放置したが、たるみや、しわ
の発生は、まったくなかった。
での光線透過率は、95%〜99.5%であり平均透過率も9
7.25%と高いものであった。この薄膜を水を張った湿度
100%のデシケーター中に放置したが、たるみや、しわ
の発生は、まったくなかった。
比較例 実施例1,2,3,で使用した、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート
プロピオネート及びニトロセルロースのそれぞれ単体か
ら薄膜を作り、耐湿性、及び耐光性について比較した。
耐湿性は、湿度100%中での薄膜保持性(たるみや、し
わの発生)で判定し、耐光性はi線(365mm)照射によ
る転写の発生する迄の時間で比較した。転写とは、光を
照射した部分と未照射部分の薄膜の色に差が生じる現象
である。すなわち光学距離=膜厚×屈折率、の変化であ
る。比較結果を表−1に示す。転写の測定は、薄膜の半
分をアルミニウム箔で覆い、ワコム社製、UVソーラーシ
ュミレーターで、365mm、50mw/cm2の光を照射し、照射
部とアルミ箔で覆った非照射部の薄膜の色に差が出る迄
の時間を転写発生迄の時間とした。
ルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート
プロピオネート及びニトロセルロースのそれぞれ単体か
ら薄膜を作り、耐湿性、及び耐光性について比較した。
耐湿性は、湿度100%中での薄膜保持性(たるみや、し
わの発生)で判定し、耐光性はi線(365mm)照射によ
る転写の発生する迄の時間で比較した。転写とは、光を
照射した部分と未照射部分の薄膜の色に差が生じる現象
である。すなわち光学距離=膜厚×屈折率、の変化であ
る。比較結果を表−1に示す。転写の測定は、薄膜の半
分をアルミニウム箔で覆い、ワコム社製、UVソーラーシ
ュミレーターで、365mm、50mw/cm2の光を照射し、照射
部とアルミ箔で覆った非照射部の薄膜の色に差が出る迄
の時間を転写発生迄の時間とした。
この比較例を見てもわかる様に本発明の薄膜は、高湿
度での形状保持性が良く、又、転写発生迄の時間も、ニ
トロセルロース単体に比べ、長くなっており耐久性に優
れていることが判かる。
度での形状保持性が良く、又、転写発生迄の時間も、ニ
トロセルロース単体に比べ、長くなっており耐久性に優
れていることが判かる。
(発明の効果) 以上の様に本発明では、均一で欠陥のない薄膜が容易
に製造可能であるとともに、該薄膜は、近紫外から遠紫
外の広い波長領域において、透明性、耐久性が極めて良
好であり、かつ、高湿度環境においても、たるみや、し
わ等の発生がなく、しかもその性能が安定して維持され
半導体集積回路の生産性向上に有用である。
に製造可能であるとともに、該薄膜は、近紫外から遠紫
外の広い波長領域において、透明性、耐久性が極めて良
好であり、かつ、高湿度環境においても、たるみや、し
わ等の発生がなく、しかもその性能が安定して維持され
半導体集積回路の生産性向上に有用である。
第1図は、実施例3で製造した、セルロースアセテート
プロピオネートとニトロセルロースからなる薄膜の波長
(nm)と光線透過率(%)の関係を示すグラフ、第2図
は、実施例5で製造した、セルロースアセテートブチレ
ートとニトロセルロースからなる薄膜に反射防止コート
をした3層構造を有する薄膜の波長(nm)と光線透過率
(%)の関係を示すグラフである。
プロピオネートとニトロセルロースからなる薄膜の波長
(nm)と光線透過率(%)の関係を示すグラフ、第2図
は、実施例5で製造した、セルロースアセテートブチレ
ートとニトロセルロースからなる薄膜に反射防止コート
をした3層構造を有する薄膜の波長(nm)と光線透過率
(%)の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】ニトロセルロース10〜50wt%とセルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースアセテートプロピオネートの少なくとも一種90〜50
wt%とからなる組成物よりなるペリクル用薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11514789A JP2790850B2 (ja) | 1989-05-10 | 1989-05-10 | ペリクル用セルロース薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11514789A JP2790850B2 (ja) | 1989-05-10 | 1989-05-10 | ペリクル用セルロース薄膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02294645A JPH02294645A (ja) | 1990-12-05 |
JP2790850B2 true JP2790850B2 (ja) | 1998-08-27 |
Family
ID=14655474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11514789A Expired - Lifetime JP2790850B2 (ja) | 1989-05-10 | 1989-05-10 | ペリクル用セルロース薄膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2790850B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101970059B1 (ko) * | 2016-04-05 | 2019-04-17 | 아사히 가세이 가부시키가이샤 | 펠리클 |
-
1989
- 1989-05-10 JP JP11514789A patent/JP2790850B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02294645A (ja) | 1990-12-05 |
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