JP2790766B2 - 端面発光型el素子 - Google Patents

端面発光型el素子

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JP2790766B2
JP2790766B2 JP5260523A JP26052393A JP2790766B2 JP 2790766 B2 JP2790766 B2 JP 2790766B2 JP 5260523 A JP5260523 A JP 5260523A JP 26052393 A JP26052393 A JP 26052393A JP 2790766 B2 JP2790766 B2 JP 2790766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板の表面上に下部電
極層と下部誘電体層と活性層と上部誘電体層と上部電極
層とを順次積層した端面発光型EL(Electro Luminesce
nce)素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、発光素子の一つとして表面が発光
する従来のEL素子に比較して百倍程の発光強度を示す
端面発光型EL素子がある。この端面発光型EL素子と
は、マンガンなどの活性元素を含む硫化亜鉛等からなる
薄膜状の活性層を、三酸化イットリウム等からなる誘電
体層で包囲し、この誘電体層の外面に相対向する電極層
を形成したもので、これらの電極層間に高電圧パルスを
通電すると活性層の発光端面から極扁平なビーム光を出
射するようになっている。
【0003】そこで、このような端面発光型EL素子を
絶縁基板上に連設した端面発光型ELヘッドの従来例と
して、本出願人が出願した実開平4-64140 号公報の端面
発光型ELヘッドを図14及び図15に基づいて説明す
る。まず、この端面発光型ELヘッド1の端面発光型E
L素子2は、図14に例示するように、マンガンなどの
活性元素を含む硫化亜鉛等からなる薄膜状の活性層3を
三酸化イットリウム等の誘電体層4,5で上下から包囲
し、この誘電体層4,5の上下面に電極層6,7を形成
した構造となっている。そこで、これらの電極層6,7
に導通するコモン電極8とブロック電極9とを所定パタ
ーンで形成するようにして多数の端面発光型EL素子2
をガラス基板10の上に連設することで、端面発光型E
Lヘッド1を形成することができる。
【0004】そして、この端面発光型ELヘッド1で
は、凹部11を底面に形成した上部カバー12と平板状
の下部カバー13とを前記ガラス基板10の上面と下面
とに装着し、これら上部・下部カバー12,13の前面
に平板状の透明な前部カバー14を装着している。ここ
で、前記上部・下部カバー12,13はガラス基板10
の前縁部から前方に突出しており、互いに対向する側部
にスペーサ15を装着している。そこで、これらのカバ
ー12〜14及びスペーサ15により形成したカバー部
材16の内部空間にシリコンオイル等の防湿剤17を封
入している。ここで、この端面発光型ELヘッド1で
は、カバー部材16の上部カバー12の一端に前記防湿
剤17の注入口18を形成して他端に排気口19を形成
し、この排気口19と前記注入口18とは封止板20を
接着して密閉している。
【0005】このような構成において、この端面発光型
ELヘッド1では、カバー部材16の注入口18に防湿
剤17を流入させると共に排気口19から空気を真空引
きし、カバー部材16の内部空間に防湿剤17を充填す
ると封止板20を注入口18と排気口19とに接着して
防湿剤17の封入を完了する。このようにすることで、
この端面発光型ELヘッド1では、カバー部材16内の
防湿剤17によって端面発光型EL素子2を雰囲気から
遮断できるので、この端面発光型EL素子2の劣化や破
壊を防止できる。
【0006】ここで、このような端面発光型ELヘッド
1を利用した電子写真装置である端面発光型ELプリン
タ21は、図15に例示するように、ロッドレンズアレ
イ22を一体化した端面発光型ELヘッド1を帯電器や
現像器(何れも図示せず)等と共に感光ドラム23の外
周面上に対向配置した構造などとなる。そこで、このよ
うな端面発光型ELプリンタ21では、端面発光型EL
ヘッド1の端面発光型EL素子2を選択的に発光駆動し
て感光ドラム23の外周面上に静電潜像を形成し、これ
をトナーで現像して印刷用紙に転写することで画像印刷
を行なうことになる。
【0007】しかし、このようにして端面発光型ELヘ
ッド1を駆動すると、発光する端面発光型EL素子2の
発熱によって防湿剤17が膨張するのでカバー部材16
に破壊が生じる懸念がある。そこで、このような課題を
解決するため、図15に例示したように、本出願人はカ
バー部材16の防湿剤17内に気泡24を混入させるこ
とで、防湿剤17の膨張や収縮によるカバー部材16内
の圧力変化を緩和することを提案した。
【0008】さらに、端面発光型EL素子の第二の従来
例として、ここでは本出願人が開発して1992年05月25日
発行の東芝技術公開集に開示した端面発光型EL素子を
図16に基づいて説明する。この端面発光型EL素子2
5は、ZnS:Mn等からなる活性層26をSiNx
(x<4)からなる黒色の誘電体層27,28とSiO
2 からなる透明な誘電体層29,30とで二重に包囲
し、これらの誘電体層29,30の上下面上に電極層3
1,32を形成した構造となっている。
【0009】このような構成において、この端面発光型
EL素子25は、電極層31,32間に高電圧の駆動パ
ルスを印加すると活性層26の発光端面から扁平なビー
ム光を出射するようになっている。そして、この端面発
光型EL素子25では、活性層26を黒色の誘電体層2
7,28で包囲することで、活性層26が上下面や両側
面から放射するノイズ光を遮断するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】第一の従来例として前
述した端面発光型ELヘッド1では、カバー部材16内
に充填した防湿剤17による密閉で端面発光型EL素子
2の劣化を防止することができ、さらに、この防湿剤1
7の膨張や収縮によるカバー部材16内の圧力変化を気
泡24で緩和することができる。
【0011】しかし、実際には端面発光型EL素子2は
前方の端面以外の部分からもノイズ光を放出しているの
で、図15に例示したように、端面発光型EL素子2が
上面から放出したノイズ光を防湿剤17と気泡24との
境界面が反射して感光ドラム23に入射させることがあ
る。さらに、上述のように多数の端面発光型EL素子2
を連設した端面発光型ELヘッド1では、その解像度に
対応した配列ピッチで端面発光型EL素子2を連設して
いるが、これらの端面発光型EL素子2が側面から放出
するノイズ光が隣接する端面発光型EL素子2の前方で
感光ドラム23に入射することがある。
【0012】これらの場合、この感光ドラム23には、
画像印刷用の走査光の他にノイズ光も入射することにな
るので、これが印刷画像のノイズ成分となって印刷品質
を低下させることになる。特に、このようなノイズ光を
生成する気泡24は副走査方向の一部に位置することに
なるので、印刷画像には副走査方向に連続する帯状のノ
イズ成分が発生するなどして品質劣化が著しい。なお、
上述のようなノイズ光は、防湿剤17の不均一性による
散乱や屈折などでも発生するため、その原因は気泡24
のみに起因するものではない。
【0013】ここで、第二の従来例として前述した端面
発光型EL素子25は、活性層26が上下面や両側面な
どから放射するノイズ光を黒色の誘電体層27,28で
遮断するようになっているので、上述したようなノイズ
光による印刷品質の低下を防止することができる。
【0014】ここで、このような黒色の誘電体層27,
28はSiNx(x<4)で形成することができるが、
これは誘電率等の電気的な特性も良好でないと共に、高
電圧に対する耐久性が著しく低いため、高電圧の駆動パ
ルスで駆動する端面発光型EL素子25には適していな
い。そこで、上述した端面発光型EL素子25では、S
iNxからなる黒色の誘電体層27,28をSiO2
らなる透明な誘電体層29,30で包囲することで、黒
色の誘電体層27,28の破壊を防止するようになって
いるが、これでは構造が複雑で端面発光型EL素子25
の生産性が低下することになり、これでも誘電率の低下
は改善できないので実用的でない。
【0015】本発明は、光学特性と生産性とが共に良好
な端面発光型EL素子を得るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】基板の表面上に下部電極
層と下部誘電体層と活性層と上部誘電体層と上部電極層
とを順次積層し、この上部電極層と前記下部電極層とに
駆動パルスを印加して前記活性層の端面から扁平なビー
ム光を出射させる端面発光型EL素子において、全体の
上面と両側面とに遮光層を設けた。
【0017】
【作用】活性層が前方の端面からビーム光を出射する際
に上面や側面などから放出するノイズ光を遮光層で遮断
することができるので、光学特性が良好な端面発光型E
L素子を得ることができる。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図1ないし図13に基づい
て説明する。まず、本実施例で例示する端面発光型EL
ヘッド33は、図1及び図2に例示するように、ガラス
基板34上に多数の端面発光型EL素子35を連設した
構造となっている。
【0019】そして、これらの端面発光型EL素子35
は、図1ないし図3に例示するように、クロムやチタン
等の金属からなる下部電極層36、三酸化イットリウム
等からなる下部誘電体層37、マンガン等の活性元素を
含む硫化亜鉛等からなる活性層38、三酸化イットリウ
ム等からなる上部誘電体層39、クロムやチタン等の金
属からなる上部電極層40を順次積層した構造となって
いる。
【0020】そして、この端面発光型ELヘッド33で
は、上述ような構造の前記端面発光型EL素子35の後
半部の上面と両側面とに前記ガラス基板34の上面を介
して連続的にポリイミド等からなる絶縁層41を形成
し、前記端面発光型EL素子35の後半部の上面と両側
面とに前記ガラス基板34の上面を介して連続的に絶縁
性の遮光層42を形成している。ここで、この遮光層4
2は、例えば、黒色のエポキシなどでも形成できるが、
このエポキシ等の黒色の材料は、一般的に導電性が良好
な炭素を含有して絶縁性が良好でないことが多い。そこ
で、ここでは後述するように絶縁性と遮光性とが共に良
好な酸素欠陥のTaxOy で遮光層42を形成している。
【0021】なお、この端面発光型ELヘッド33で
は、前記端面発光型EL素子35の後方に前記下部電極
層36を延長してM個ずつ一体化することでブロック電
極43を形成している。さらに、この端面発光型ELヘ
ッド33では、前記上部電極層40にM個毎に導通する
コモン電極44を、ここでは前記端面発光型EL素子3
5とは別体の金属層で形成している。
【0022】さらに、この端面発光型ELヘッド33
は、前記端面発光型EL素子35をボックス状の透明な
カバー部材45で包囲してシリコンオイル等の防湿剤4
6で封入している。より詳細には、前記カバー部材45
は、凹部47を底面に形成した上部カバー48と平板状
の下部カバー49とを前記ガラス基板34の上下面に各
々装着し、これらのカバー48,49の前面に前部カバ
ー50を装着している。さらに、前記上部・下部カバー
48,49は前記ガラス基板34の前縁部から前方に突
出しているので、このガラス基板34と前記前部カバー
50との間隙にスペーサ51を装着している。ここで、
この端面発光型ELヘッド1では、カバー部材45の上
部カバー48の一端に前記防湿剤46の注入口52を形
成すると共に他端に排気口(図示せず)を形成し、この
排気口と前記注入口52とは封止板53を接着して密閉
している。
【0023】なお、この端面発光型ELヘッド33で
も、防湿剤46の膨張や収縮によるカバー部材45内の
圧力変化を緩和するため、防湿剤46内に気泡(図示せ
ず)を混入させるようになっている。また、この端面発
光型ELヘッド33でも、前記カバー部材45の前方に
ロッドレンズアレイ54を一体に設けている。
【0024】このような構成において、この端面発光型
ELヘッド33では、端面発光型EL素子35は上部・
下部電極層36,40間に高電圧の駆動パルスを印加す
ることで活性層38が前方の端面から扁平なビーム光を
出射するので、多数の端面発光型EL素子35を選択的
に駆動することで電子写真法の画像走査を行なうことが
できる。
【0025】ここで、この端面発光型ELヘッド33の
端面発光型EL素子35では、第一の従来例として前述
した端面発光型EL素子2と同様に、その活性層38が
前方の端面からビーム光を出射する際に上面や側面など
から放出するノイズ光を遮光層42で吸収して遮断する
ようになっている。このようにすることで、この端面発
光型EL素子35では、活性層38から上方に放出した
ノイズ光を防湿剤46と気泡との境界面で反射して前方
に出射することがなく、さらに、活性層38から側方に
放出したノイズ光が隣接する端面発光型EL素子35の
前方に至ることもないので、電子写真法で画像印刷を行
なう場合の品質劣化を防止することができる。
【0026】そこで、本出願人は実際に、遮光層42を
設けた本案の端面発光型EL素子35と、遮光層42を
設けない従来の端面発光型EL素子2とを横幅 70(μm)
で試作し、その主走査方向のビームプロファイルをビー
ム形状測定器(図示せず)で測定した。すると、図4に
例示するように、遮光層42を設けない従来の端面発光
型EL素子2では、そのビームプロファイルは光強度が
“1/e2 ”となる位置で110(μm)と広いため、これは
解像度が“300dpi”の電子写真装置(図示せず)などに
は利用不能であることが判明した。一方、遮光層42を
設けた本案の端面発光型EL素子35では、そのビーム
プロファイルは光強度が“1/e2 ”となる位置で 85
(μm)と狭いため、これは解像度が“300dpi”の電子写
真装置などにも利用可能であることが判明した。
【0027】しかも、この端面発光型EL素子35で
は、活性層38のノイズ光を遮断する遮光層42を電極
層40の外面上に設けているので、第二の従来例として
例示した端面発光型EL素子25とは異なり、誘電率等
の電気的な特性や高電圧に対する耐久性が良好なSiO
2 等で上部・下部誘電体層37,39を形成することが
でき、その構造も簡易で生産性が良好である。
【0028】ここで、このような端面発光型ELヘッド
33の製作方法の具体例を、図5ないし図11に基づい
て以下に詳述する。まず、低アルカリガラスからなる絶
縁性のガラス基板34の表面上に、スパッタリング法や
電子ビーム法でCrからなる膜厚2000(Å)の薄膜層と
Pdからなる膜厚1000(Å)の薄膜層(共に図示せず)
とを順次成膜し、図5に例示するように、これをフォト
エッチング等でパターニングすることで下部電極層36
とブロック電極43とを一体に形成する。
【0029】つぎに、図6に例示するように、上述のよ
うに下部電極層36等を形成したガラス基板34の表面
上に、Y23 からなる膜厚3000(Å)の薄膜層55
と、ZnS:Mn(0.5wt%)からなる膜厚1.0(μm)の薄
膜層56と、Y23 からなる膜厚3000(Å)の薄膜層
57とを、スパッタリング法や電子ビーム法で一様に順
次成膜し、図7に例示するように、これらの薄膜層55
〜57をエッチングでパターニングすることで下部誘電
体層37と活性層38と上部誘電体層39とを形成す
る。
【0030】ここで、このエッチング方法としては、反
応ガスやアルゴンイオンによるドライエッチングが実施
可能であるが、本出願人は物理的な加工方法であるイオ
ンミリング法を採用した。このイオンミリング法は、積
層された薄膜層55〜57等をアルゴンイオンで順次エ
ッチングするので、反応性ガスによるドライエッチング
などとは異なり、加工する薄膜層55〜57の物質が相
違しても連続的なエッチングが可能である。なお、イオ
ンミリング装置(図示せず)は、真空槽に導入したアル
ゴンガスをイオン化して試材に誘導することで、この試
材をエッチングするようになっている。また、本出願人
が実際に試作した端面発光型ELヘッド33では、イオ
ンミリング法で端面発光型EL素子35を70×700(μm)
の平面形状にエッチングした。
【0031】つぎに、上述のようにして上部誘電体層3
9等を形成したガラス基板34の表面上に、アルミニウ
ムからなる膜厚5000(Å)の薄膜層(図示せず)をスパ
ッタリング法や電子ビーム法などで一様に成膜し、図8
に例示するように、この薄膜層をフォトエッチング等で
パターニングして上部電極層40を形成することで、ガ
ラス基板34上に多数の端面発光型EL素子35を連設
する。
【0032】つぎに、上述のようにして端面発光型EL
素子35を連設したガラス基板34の表面上に、ポリイ
ミドからなる所定膜厚の薄膜層(図示せず)をロールコ
ーダ(図示せず)による塗布などで一様に成膜し、図9
に例示するように、この薄膜層をエッチングでパターニ
ングすることで上部電極層40に連通するスルーホール
58を備えた絶縁層41を端面発光型EL素子35の後
半部に形成する。
【0033】つぎに、上述のようにして絶縁層41等を
形成したガラス基板34の表面上に、酸素欠陥のTaxO
y からなる絶縁性で褐色の薄膜層(図示せず)を反応性
スパッタリング法で一様に形成し、図10に例示するよ
うに、この薄膜層をRIE(Reactive Ion Etching)でパ
ターニングすることでガラス基板34の表面を介して多
数の端面発光型EL素子35の前半部の上面と両側面と
に連続する遮光層42を形成する。なお、より具体的な
遮光層42の製作方法や光学特性などの説明は、ここで
は割愛して詳細には後述するものとする。
【0034】つぎに、上述のようにして遮光層42等を
形成したガラス基板34の表面上に、アルミニウムから
なる所定膜厚の薄膜層(図示せず)をスパッタリング法
や電子ビーム法などで成膜し、図11に例示するよう
に、この薄膜層をエッチングでパターニングすることで
絶縁層41のスルーホール58から端面発光型EL素子
35の上部電極層40に導通したコモン電極44を形成
する。
【0035】つぎに、上述のようなコモン電極44の完
成後、ZnS:Mnからなる活性層38の結晶粒塊(バ
ンダリ)を減少させることで結晶性を良好にして端面発
光型EL素子35の発光効率を向上させるため、端面発
光型EL素子35等を形成したガラス基板34を真空槽
(図示せず)の内部に配置して1×10~4(Toll)以下の高
真空中で500(℃)にて一時間以上のアニールを実行す
る。そして、上述のようなアニールを完了したガラス基
板34にカバー部材45を装着して防湿剤46を封入す
ることで端面発光型ELヘッド33が完成する。
【0036】ここで、本出願人が実際に試作した遮光層
42の製作方法や光学特性などを以下に説明する。な
お、本出願人はTaxOy からなる遮光層42の製作方法
として反応性スパッタリング法を採用した。
【0037】まず、図9に例示したように、端面発光型
EL素子35等を製作したガラス基板34と、Ta25
からなるターゲット(図示せず)とを、真空槽(図示せ
ず)の内部に配置し、この真空槽の内部の空気を所定の
真空度まで減圧する。つぎに、この真空槽の内部にガス
種がアルゴンと酸素のスパッタガスを導入し、ターゲッ
トにRF(Radio-Frequency)電界を印加することで、酸
素欠陥のTaxOy からなる遮光層42をガラス基板34
の表面に一様に成膜した。
【0038】この時、上述のように真空槽にスパッタガ
スを導入する際、そのトータルの動作圧力は、5×10
~3(Torr)の一種類に設定したが、その酸素分圧Po2は、
アルゴン分圧PArとの関係において“0≦Po2/(PAr
+Po2)≦15×10~2”となるように複数種類に設定し
た。また、上述のような反応性スパッタリングでターゲ
ットに印加するRF電力を 0.5(kW)とし、成膜する遮
光層42の膜厚を0.5〜1.5(μm)とした。
【0039】そこで、上述のようにして成膜した遮光層
42の透過率とスパッタガスの酸素分圧との関係を調査
した。この時、遮光層42の膜厚は8000(Å)であり、
端面発光型EL素子35の発光スペクトルのピーク波長
を 590(nm)としたときの透過率をプロットするようにし
た。
【0040】すると、図12に例示するように、スパッ
タガスにおける酸素の分圧比“Po2/(PAr+Po2)”を
減少させるほど、遮光層42の透過率が低下して遮光率
が向上することが判明した。つまり、スパッタガスにお
ける酸素の分圧比を“10×10~2”以上とした場合は、遮
光層42の透過率も 90(%)以上となり、これは略透明
なので端面発光型EL素子35の誘電体層37,39な
どには好適であるが、遮光には不適であることが判明し
た。そして、スパッタガスにおける酸素の分圧比を“10
×10~2”〜“1×10~2”と低減すると遮光層42の透過
率も 90〜50(%)と低下し、スパッタガスをアルゴン
のみとして酸素の分圧比を“0”とすると、遮光層42
の透過率は3(%)となり、遮光性が極めて良好となっ
た。
【0041】そこで、本出願人は、上述のようにスパッ
タガスをアルゴンのみとして成膜した遮光層42の透過
率と、端面発光型EL素子35の発光強度とを、スペク
トル毎に調査した。すると、図13に例示するように、
端面発光型EL素子35の発光強度は、ピークが波長 5
90(nm)に位置し、その半値幅は 590±30(nm)であること
が判明した。
【0042】そして、遮光層42の透過率は、波長 800
〜 400(nm)に対して15〜0(%)に変化することが判明
した。特に、この遮光層42の透過率は、端面発光型E
L素子35の発光スペクトル領域 700〜500(nm)では5
(%)以下となり、極めて良好な遮光性が得られること
が判明した。なお、スパッタガスの酸素の分圧比を“0.
4×10~2”とした遮光層42の透過率も同様に調査した
ところ、これは波長 800〜 400(nm)に対して30〜15
(%)となり、後述するように遮光に利用可能であるこ
とが判明した。
【0043】さらに、本出願人はプリンタヘッドとして
一般的な解像度300(dpi)を実現するピッチ 85(μm)で配
列した端面発光型EL素子35に透過率が相違する複数
種類の遮光層42を成膜し、これらの遮光層42成膜し
た端面発光型EL素子35の主走査方向のビームプロフ
ァイルを調査した。なお、ここではビームプロファイル
として調査するビーム径を、発光強度がピークの“1/
2 ”となる部分の主走査方向の長さと定義した。な
お、遮光層42の透過率は、端面発光型EL素子35の
発光スペクトルのピーク波長を 590(nm)に対する数値で
ある。
【0044】すると、下記の表1に例示するように、遮
光層42の透過率が50(%)以上では端面発光型EL素
子35のビーム径は105(μm)となり、これは配列ピッチ
85(μm)に比較して過大なので隣接するドットが過剰に
重複することになり、プリンタ用として実用的でないこ
とが判明した。また、遮光層42の透過率が50〜30
(%)の範囲では端面発光型EL素子35のビーム径は
約100(μm)となるが、これも配列ピッチ 85(μm)に比較
すると過大なので実用性は十分でないことが判明した。
【0045】そして、遮光層42の透過率が20(%)以
下では端面発光型EL素子35のビーム径は約85(μm)
となり、これは配列ピッチ 85(μm)と同等なのでプリン
タ用として好適であることが判明した。つまり、本出願
人は遮光層42の透過率が20(%)以下ならば実用的な
端面発光型ELヘッド33を得ることを確認した。
【0046】
【表1】
【0047】なお、本発明では遮光層42を端面発光型
EL素子35の上面と両側面とに形成しているが、端面
発光型EL素子35の上面を規定する上方とは、ここで
はガラス基板34に対して端面発光効果EL素子35が
位置する方向を意味しており、端面発光型EL素子35
の側面を規定する側方とは、ここではガラス基板34上
で多数の端面発光型EL素子35が連続する方向を意味
している。
【0048】
【発明の効果】本発明は上述のように、基板上に位置す
る端面発光型EL素子の上面と両側面とに遮光層を設け
たことにより、活性層が前方の端面からビーム光を出射
する際に上面や側面などから放出するノイズ光を遮光層
で遮断することができるので、光学特性が良好な端面発
光型EL素子を得ることができる等の効果を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の端面発光型EL素子を連設した端面発
光型ELヘッドの実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に例示した端面発光型ELヘッドを部分的
にAA線で縦方向に破断した状態を示す縦断正面図であ
る。
【図3】図1に例示した端面発光型ELヘッドをBB線
で縦方向に破断した状態を示す縦断側面図である。
【図4】本発明と従来例との端面発光型ELヘッドの光
学特性を示す特性図である。
【図5】端面発光型ELヘッドの製作工程の初期段階と
してガラス基板に下部電極層とブロック電極とを一体に
形成した状態を示す斜視図である。
【図6】製作工程の次段階としてガラス基板に誘電体層
と活性層と誘電体層とになる薄膜層を順次形成した状態
を示す斜視図である。
【図7】製作工程の次段階として各薄膜層を一様にパタ
ーニングして誘電体層と活性層と誘電体層とを形成した
状態を示す斜視図である。
【図8】製作工程の次段階として上部電極層を形成した
状態を示す斜視図である。
【図9】製作工程の次段階として絶縁層を形成した状態
を示す斜視図である。
【図10】製作工程の次段階として遮光層を形成した状
態を示す斜視図である。
【図11】製作工程の最終段階としてコモン電極を形成
した状態を示す斜視図である。
【図12】本出願人が試作した遮光層の透過率とスパッ
タガスの酸素の分圧比との関係を示す特性図である。
【図13】光波長に対する端面発光型EL素子の発光強
度と遮光層の透過率との関係を示す特性図である。
【図14】第一の従来例の端面発光型ELヘッドを部分
的に破断した状態を示す正面図である。
【図15】端面発光型ELヘッドを示す縦断側面図であ
る。
【図16】第二の従来例の端面発光型EL素子を示す正
面図である。
【符号の説明】
33 端面発光型ELヘッド 34 基板 35 端面発光型EL素子 36 下部電極層 37 下部誘電体層 38 活性層 39 上部誘電体層 40 上部電極層 42 遮光層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面上に下部電極層と下部誘電体
    層と活性層と上部誘電体層と上部電極層とを順次積層
    し、この上部電極層と前記下部電極層とに駆動パルスを
    印加して前記活性層の端面から扁平なビーム光を出射さ
    せる端面発光型EL素子において、全体の上面と両側面
    とに遮光層を設けたことを特徴とする端面発光型EL素
    子。
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