JP2790331B2 - 樹脂組成物および成形物の製法 - Google Patents

樹脂組成物および成形物の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はエチレン−ビニルアルコール共重合体に特定
のポリ酢酸ビニル系樹脂を混合してなる組成物およびそ
れを用いた帯電防止性の改善された成形物の製造法に関
する。
B.従来の技術 エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)は機械
的強度が他の公知の熱可塑性樹脂に比較していちじるし
く大きく、耐磨耗性、耐クリープ性、耐溶剤性にすぐ
れ、成形収縮が小さく寸法安定性が良好であるなど成形
樹脂としてきわめて優れた性能を有しているのでギヤ
ー、ローラー、カムなど各種機械部品、電気器具部品、
油、溶剤と接触する容器などの成形物として広い用途が
考えられる。しかしながら特に機械部品、電気器具部品
等の分野においては表面帯電性が問題となり、この点に
おいてEVOHは水酸基を有しているのでポリオレフイン、
スチレン、ポリエステルなどの疎水性樹脂に比較すれば
帯電性は少ないものの、さらにその改善が望まれてい
る。
而して熱可塑性樹脂の帯電防止性の改善法としては例
えば界面活性剤の混合溶融成形が考えられるが、これに
よればかなり多量の帯電防止剤を添加することが必要
で、そのために成形物表面がベタつくとか、帯電防止効
果が一時的にすぎないとか、それらの添加によってEVOH
本来の特徴である機械的強度などの性能が低下するとい
う難点がある。
また、金属粉末、金属繊維、金属フレーク、カーボン
ブラツク、炭素繊維などのブレンドも知られているが、
これらの金属あるいは無機物の添加物が成形物の表面に
出てきてコロ、あるいはタイミングスクリユーなどの移
送部品としての使用においては、瓶等の移送品の表面を
傷つける問題があり、使用が制限される。
またポリビニルアルコール系樹脂を混合溶融成形する
方法が提案されている(特開昭49−38942)が、ポリビ
ニルアルコール系樹脂は熱軟化点が高く、混合系の成形
温度をEVOH単独での成形温度より高くする必要がありEV
OHの熱劣化を促進させ、着色およびゲル発生を起こす。
さらにポリビニルアルコール系樹脂は水溶性のため、成
形物が水濡れをした場合に表面付近のポリビニルアルコ
ールが溶出して帯電防止性が減退する欠点を有してい
る。
C.発明が解決しようとする課題 以上のようにEVOHの帯電防止の改善に関する従来の技
術では種々の問題を有しており、より優れた帯電防止性
の改善技術が望まれていた。
D.課題を解決するための手段 しかるに本発明者等は前記のごときEVOHの帯電性の改
善について鋭意研究の結果、EVOHに特定のポリ酢酸ビニ
ル系樹脂を特定量添加することにより、特に該組成物を
溶融形成するという簡単な方法でEVOH固有の優れた機械
的強度、耐磨耗性、耐クリープ性、耐溶剤性、成形加工
性などの特性を何ら失う事なく、帯電防止性をいちじる
しく改善しうるという新規な事実を見出だし、本発明を
完成するに至った。
一般にポリ酢酸ビニル系樹脂は鹸化度の増加とともに
吸水性が増加していくことが知られており、鹸化度の高
いものほど溶融混合物の帯電防止性が改善されると予想
される訳で、本発明のように鹸化度50モル%未満のポリ
酢酸ビニル系樹脂が良好な静電防止改善性を示すことは
まことに意外である。
またポリ酢酸ビニル樹脂とEVOHはその分子構造からも
予想されるように相溶性は悪い。しかし意外なことにポ
リ酢酸ビニルは鹸化度10〜50モル%の範囲でEVOHとの相
溶性が良好となり50モル%以上では再び相溶性は悪化す
る。
さらに鹸化度50モル%未満のポリ酢酸ビニルは冷水に
不溶であるが、鹸化度50モル%以上では急速に親水性が
まして冷水可溶となるため、成形物が水濡れを生じた場
合、表面層のポリ酢酸ビニルが溶出して成形物の非帯電
性が著しく低減する。
MFI(210℃、2160g荷重で測定)が0.5〜40g/10分で、
エチレン含有率20〜70モル%、鹸化度95モル%以上のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体100重量部、および
重合度が100〜2000で、鹸化度10モル%以上45.3モル%
以下のポリ酢酸ビニル系樹脂5〜40重量部からなる樹脂
組成物およびそれを溶融成形することを特徴とする帯電
防止性の改善された成形物の製造法である。
本発明に用いるEVOHはエチレン−酢酸ビニル共重合体
鹸化物であり、そのエチレン含有率は20〜70モル%、鹸
化度は95モル%以上、MFI(210℃、2160g荷重で測定)
は0.5〜40g/10分が良好である。エチレン含有率20モル
%未満では押出成形時の熱安定性が悪く、成形品の着
色、ゲル発生が起こりやすい。一方70モル%を越えると
成形品の機械的強度が低下する。また鹸化度95モル%未
満では耐水性、耐溶剤性、および機械的強度が低下す
る。MFIが0.5未満あるいは40を越えるといずれも溶融成
形性が悪くなる。またエチレンと酢酸ビニル以外にもこ
れらと共重合可能な他のビニルモノマー、例えばα−オ
レフイン、アクリル酸エステル、Nビニルピロリドン等
を少量共重合せしめたものも使用できる。
また本発明に用いるポリ酢酸ビニル系樹脂としては鹸
化度10モル%以上45.3モル%以下が必要で、好適には20
モル%以上45.3モル%以下である。10モル%未満ではEV
OHとの相溶性が悪いために、機械的強度が低下するし、
帯電防止性改善効果も低い。一方50モル%以上ではポリ
酢酸ビニル樹脂が水溶性になり、成形物が水濡れした際
に表面付近のポリ酢酸ビニルが溶出して、帯電防止性が
経時劣化する。ポリ酢酸ビニルの重合度については100
〜2000が良好で、好適には100〜1200である。重合度100
未満では樹脂の粘着性が強く取扱いが困難である。一方
2000以上では溶融粘度が高過ぎて溶融成形が困難にな
る。
本発明におけるEVOHとポリ酢酸ビニル系樹脂の混合割
合は、EVOH100重量部に対して、ポリ酢酸ビニル系樹脂
5〜40重量部で、好適には10〜30重量部である。ポリ酢
酸ビニル系樹脂5重量部未満では帯電性防止効果が不十
分であり、40重量部以上では機械的強度が低下する。
本発明におけるポリ酢酸ビニル系樹脂としては前記の
鹸化度を有するポリ酢酸ビニル樹脂を始め、これらのエ
チレン変性品、1−ヘキサデセン等のα−オレフイン変
性品、アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸等のカルボン酸変性品、メチルアク
リレート等のエステル類含有単量体変性品、メタアクリ
ルアミド−プロピル−トリメチルアンモニユウムクロリ
ド等の4級アンモニユウム塩含有単量体変性品等の変性
物も含まれる。また連鎖移動剤を使用して、ポリマー末
端を修飾することを行なつてもさしつかえない。
これらEVOHとポリ酢酸ビニル系樹脂とはそれぞれ粉末
状、ペレツト状、等の任意の形態で配合され、好ましく
は加熱溶融して成形されるが、その溶融温度としてはそ
れぞれ原料の品質や配合割合、あるいは成形手段によつ
ても異なるが、通常180〜250℃の範囲から個々の場合に
応じて決定される。成形手段としては、目的とする成形
物の種類に応じて押出成形、射出成形、ブロー成形、イ
ンフレーシヨン成形、圧縮成形など公知の溶融成形法が
採用される。
前記2成分以外に必要に応じて可塑剤、安定剤、充填
剤、顔料、架橋剤、発泡剤などを適宜配合することも可
能であり、さらに、酢酸、燐酸、亜燐酸などの有機酸お
よび有機酸塩などの化合物を添加することにより、着色
の極めて少ない成形物を得ることが可能となる。
また本発明の樹脂組成物は単独層からなる成形物とし
てもよいし、また必要に応じて他の熱可塑性樹脂、紙、
不織布等との多層からなる成形物とすることもできる。
次に実施例をあげて本発明の方法を説明する。
E.実施例 実施例1 エチレン含有量44モル%、鹸化度99.5モル%、MFI11.
2g/10分のEVOHペレツト100重量部と、重合度620、鹸化
度45.3%のポリ酢酸ビニルペレツト11.1重量部をタンブ
ラーで均一に混合した後、押出機を用いて220℃加熱溶
融してペレツトを作成し、つぎに射出成形機を用いて22
0℃で成形した。得られた成形物の常態における表面抵
抗率は2.0×1011Ω、引張破壊強度は6.6kg/mm2、20℃の
水中に24時間浸漬した後常態に戻した際の表面抵抗率は
1.8×1011Ωであった。但し表面抵抗率は20℃、65%RH
に90時間放置した試料を用いて、横河ヒユーレツトパツ
カード社製ハイレジスタンスメーターを使用して、印加
電圧100Vにて1分後の電気抵抗値の測定により求めた。
常態における引張破壊強度とは温度20℃、湿度65%RHに
おいて1週間放置した試料を用いてJISK 7113にもとづ
いて測定した値である。
実施例2〜7および比較例1〜3 EVOHの品種、ポリ酢酸ビニルの品種、ならびにそれに
応じて成形温度を変更した以外は実施例1と同様にして
実験した。
得られた成形物の物性測定結果を表1に示した。これ
らは何れも表面が平滑で光沢を有しており、着色がほと
んどなく、耐溶剤性がすぐれていた。
なお本発明の範囲を外れたEVOHまたはポリ酢酸ビニル
を使用した場合について比較例として示した。
実施例8〜9および比較例5〜6 各種エチレン−ビニルアルコール共重合体と各種ポリ
酢酸ビニルを用いて、それに応じた温度でペレツト化、
次にフイルム成形を行い、厚み50μmのフイルムを得
た。得られたフイルムの常態での表面抵抗率、および透
明性を測定した結果を表3に示した。透明性の測定はJI
S K7105のヘイズ(曇価)測定によつた。得られたフイ
ルムは機械的強度が優れ、表面電気抵抗率が極めて低
く、また透明性に極めてすぐれている。
なお本発明の範囲を外れた場合につて対照例として併
記した。
F.発明の効果 本発明の樹脂組成物を使用して得た成形物、例えばフ
イルム、シート、発泡シートなどを成形する場合は透明
性、強度が良好で、摩擦等による静電気を帯びにくいた
めにほこりを吸着せず、内容品への放電もなく、IC、プ
リント基盤などの電子部品の包装に好適に使用される。
またギヤー、ローラー、タイミングスクリユーなどの機
械部品、テレビ、パソコンなどのキヤビネツト、油類の
輸送タンク、コンテナーなどの容器類等にも好適に使用
しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−38942(JP,A) 特開 昭50−135145(JP,A) 特公 昭48−26946(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MFI(210℃、2160g荷重で測定)が0.5〜40
    g/10分で、エチレン含有率20〜70モル%、鹸化度95モル
    %以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体100重量
    部、および重合度が100〜2000で、鹸化度10モル%以上4
    5.3モル%以下のポリ酢酸ビニル系樹脂5〜40重量部か
    らなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1記載の樹脂組成物を溶
    融成形することを特徴とする成形物の製法。
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