JP2789767B2 - 電子機器の開閉体の開閉装置 - Google Patents

電子機器の開閉体の開閉装置

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JP2789767B2
JP2789767B2 JP2038663A JP3866390A JP2789767B2 JP 2789767 B2 JP2789767 B2 JP 2789767B2 JP 2038663 A JP2038663 A JP 2038663A JP 3866390 A JP3866390 A JP 3866390A JP 2789767 B2 JP2789767 B2 JP 2789767B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子機器の筐体に設けられる開閉体の開閉
装置に関するものである。
従来の技術 従来より、電子機器においては、薄型の画像表示装置
をその内側に設けられた開閉体の開閉装置として第7図
に示す構成が利用されている。
1は、画像表示装置2がその内側に設けられた開閉体
である。
3は、開閉体1に固定され、筐体4に形成された軸受
5に回転可能に支持された回転軸であり、前記開閉体1
が前記筐体4に接する閉成位置と、前記筐体4より起立
した開放位置との間を移動可能に支持している。また、
破線で示すように、開閉体が90゜以上開く開放位置を持
っている時は、その開閉体1との当接を避けるために、
前記筐体4の外端部と開閉体1との間に凹部4aを形成し
ている。
さらに、開放位置の近傍において、その角度を保持す
るために、前記軸受5には、第8図のように、切溝5aが
形成されており、この切溝5aを通してビス6により筐体
に締付けることにより、前記回転軸3、即ち前記開閉体
1の回動負荷を増加させている。
発明が解決しようとする課題 上記構成において、前記開閉体1が前記筐体4に接す
る閉成位置に対して垂直である位置よりも多く開放する
位置に、その開放位置がある場合は、第7図の如く、前
記開閉体1の開放位置において、前記筐体4が干渉しな
いように、前記筐体4の外端部と前記開閉体1との間に
凹部4aを形成している為、閉成位置にある時の外観はよ
くないものとなる。
また、上記構成においては、前記回転軸3に常に大き
な回転負荷を与えているので、大きな回転負荷の必要で
ない位置においても、不要な回転負荷があるために、前
記開閉体1の回転操作感触に悪い影響を与えている。
本発明は、上記課題に鑑み、外観的に凹をつけなくて
も構成でき、また必要な位置においてのみ、大きな回転
負荷を得られる電子機器の開閉体の開閉装置を提供する
ものである。
課題を解決するための手段 本発明の電子機器の開閉体の開閉装置は、筐体側に長
孔よりなる軸受を設け、回転軸とこの回転軸と略同芯の
円弧状の外形を有するカムを蓋体に一体的に設け、開閉
体が開放位置から閉成位置の近傍まで回転された際に、
このカムと当接し、前記開閉体の回転に伴って前記回転
軸を前記長孔に沿って摺動移動せしめるカム当接面を筐
体側に設け、さらに、開閉体に一体的に回動するように
開閉体の回転軸から離れた位置に設けられた係合ボス
と、前記開閉体が閉成位置と開放位置の少なくとも一方
の近傍に位置する時、前記係合ボスに弾性的に当接する
ように前記筐体に設けられた摺接部材を配設したもので
ある。
作用 上記構成によれば、開閉体の回転軸が、その開閉体の
開成位置と開放位置によって移動可能であるため、この
回転軸の移動に伴って開閉体も移動し、従来構成におい
て開閉体の閉成位置より90゜以上開いた位置に開放位置
がある時には必要である外観の凹みを設けることなく良
好な外観を提供できるのである。また、開閉体が閉成位
置あるいは開放位置の近傍に位置する時にのみ、係合ボ
スと摺接部材との摺動負荷が摺接して、前記開閉体の回
転負荷を加えるように構成されているため、閉成位置と
開放位置の中間位置を移動する際には、抵抗なく容易に
移動可能で、開放位置の近傍においては、必要な位置で
開閉体を停止できること、あるいは閉成方向において衝
撃的に閉じてしまうのを緩和することができるものであ
る。
実 施 例 以下本発明の開閉体の開閉装置の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。
第1図は、本発明の一実施例を示す斜視図であり、従
来例と同じ働きをするものには同一番号を付している。
第1図において、7は開閉体1と一体的に形成され、
回転軸3と同芯の円弧状のカム面を一部に持つカムであ
る。
8は、長孔8aを有する軸受材であり、前記回転軸3が
その長孔8aに挿入され、回転可能に、かつその長孔8aに
沿って、摺動移動できるように筐体4に一体的に固定さ
れている。
9a,9bは、各々、前記開閉体1が閉成位置および開放
位置の近傍にある時、前記カム7と当接するよう前記長
孔8aの近傍に前記カム7をはさむように対向して設けら
れたカム当接部である。
この構成における開閉体1の開閉動作を第2〜4図に
おいて説明する。
第2図は、開閉体1の閉成位置を示す。開閉体1に一
体的に設けられたカム7は一方のカム当接部9aの外形と
当接し、その為に回転軸3は、その反対側(第2図で長
孔8aの左側)に位置を規制されている。また、筐体4の
外端部は、特に凹を設けることなく良好な外観をしてい
る。
第3図は、開閉体1の外力による開放途中の位置を示
す。
開閉体1の開放に伴い、これと一体的に設けられたカ
ム7も回転し、他方のカム当接部9bとこのカム7が当接
する事により、回転軸3、即ち開閉体1が右側に移動さ
れている。
第4図は、開閉体1の開放位置を示す。
前記開閉体1は、第3図に示したように、その回転に
伴い、前記回転軸3を移動せしめ、その結果カム当接部
9bとカム7の円弧状外形が当接することにより、前記回
転軸3の位置が規制されている。
このように、前記回転軸3とともに、開閉体1を移動
せしめることにより、この開閉体1が90゜以上開放され
た場合も、筐体4の外縁と当接することなく、その開放
位置を保持できるのである。
次に、第1図において、開放時の位置を決定するため
の手段について説明する。
10は、前記回転軸3に近接して、その回転軸3と平行
して開閉体1に一体的に設けられた係合ボスである。
11a,11bは、開閉体1の回転に伴う前記係合ボス10の
回転軌跡に沿って形成され、前記開閉体1が開放位置の
近傍にあるときと、閉成位置の近傍にある時は、前記開
閉体1の回転位置に伴って移動する前記係合ボス10と弾
性的に摺接し、これ以外の位置においては、摺接しない
ように、前記軸受部材8に一体的に設けられた摺接部材
である。
第4図および第2図において示すように、これにより
開放位置の近傍に前記開閉体1がある時、前記係合ボス
10と摺接部材11bの摺動負荷が、前記開閉体1の回転に
対する負荷となり、前記開閉体1が、開放方向に最後ま
で開放されていない位置においても、その姿勢を保持す
ることができ、また開放位置から閉成位置の近傍まで移
動する際には、小さな負荷で軽やかにその移動をおこな
うことができ、さらには、閉成位置の近傍においては、
再び係合ボス10が摺接部材11aに摺接し、前記摺動負荷
を発生させ、前記開閉体1が自重により衝撃的に閉成す
ることにより前記開閉1や画像表示装置2等の破損を防
ぐよう構成されている。
また、第1図において、12は、前記回転軸3に回転自
在に取り付けられ、その一端部12aにおいて、前記係合
ボス10と当接して回動力を与えられ、また他端部12bに
おいて、前記筐体4に固定されたストッパ13に当接して
その回動が阻止されるストッパ部材である。前記開閉体
1が開放位置の近傍に達っした時、この開閉体1と一体
的に設けられた前記係合ボス10が、前記ストッパ部材12
の端部12aに当接し、その回動により、ストッパ13と前
記ストッパ部材12の他端部12bが当接することにより、
前記開閉体1の開放位置を規制している(第4図参
照)。
ここで、第5図に、このストッパ部材12がなく、前記
摺動部材1と、前記係合ボス10により、前記開閉体1の
開放位置を規制する場合の力の状態を示す。
Fは、開放位置において、外力として尚一層開放方向
に働く力である。F1は、その力Fに対応して前記係合ボ
ス10に働く反力であり、F2は軸受に働く反力であり、F3
は、前記カム7に働く反力である。このF,F1,F2,F3が釣
合って開放位置を規制するのである。尚、l1は、前記回
転軸3から、外力Fの働く作用点までの距離、l2は前記
回転軸3から、反力F2の働く点までの距離であり、ま
た、θは前記開閉体1の中心線に対する垂線と反力F1
のなす角であり、θは前記中心線に対する反力F2のな
す角であり、θは前記中心線に対する反力F3のなす角
である。
この時の力の釣合式より、前記カム7に働く反力F
3は、 F3=F(1+l2/l1cosθ+l2/l1sinθ・tan θ)/ (cosθ2tanθ+sinθ) となり、仮りに、θ=15゜,θ=30゜,θ=30
゜,l2/l1=10とすると、 F3=12.15×F となり、前記カム7に大きな力が働くことになる。
これと同じように、第6図において、本実施例におけ
る力の状態をみると、F4は、ストッパ部材が前記ストッ
パ13より受ける反力である。この時、前記カム7の受け
る反力F3は、 F3=F/(cosθ3tanθ+sinθ) となり、同様にθ=30゜,θ=30゜とおくと、 F3=F となり、前記カム7に働く力が大巾に軽減されているこ
とがわかる。
前記カム7は一般に前記開閉体1の大きさと、前記回
転3の位置により、その大きさに制限がある。従って、
前記カム7及び前記カム当接部9に過大な力が加わるこ
とは好ましくない。
このように前記ストッパ部材12を設ける事により、力
の働く方向を変えて、前記カム7及び前記カム当接部9
に働く力を小さくすることができるのである。
発明の効果 以上の様に本発明によれば、開閉体と一体的に回動
し、表面に回転軸と同芯の略円弧状のカム面を有するカ
ムと、この開閉体の回転に伴って、前記カムと当接し
て、前記開閉体の回転軸が、長孔状の軸受の中を移動せ
しめるように、カム当接部を筐体側に配することによ
り、開閉体が90゜以上開放された時にも開閉体と筐体が
当接することなく、従って筐体に、開閉体の閉成時に外
観上好ましくない凹みを設ける必要がなくなるのであ
る。
また、開閉体の回転軸から離れた位置に開閉体と一体
的に回動する係合ボスを設け、開放位置と閉成位置の少
なくとも一方の近傍に位置する時、前記係合ボスと弾性
的に当接し、開閉体の回動負荷を増加せしめる摺接部材
を筐体側に配することにより、開閉体が開放位置の近傍
では、その姿勢を保持するための回動負荷とし、閉成位
置の近傍では、開閉体が衝撃的に閉じるのを緩和するた
めの回動負荷とし、またそのような回動負荷が不要な所
では、その回動負荷が設けないなど、選択的に回動負荷
を得ることができるのである。
また、回転軸を中心に回動自在に取りつけられ、その
一端において、前記係合ボスと係合して回動力が付与さ
れ、他端部において、ストッパに当接してその回動が阻
止されるようなストッパ部材を配することにより、カム
とカム当接部に過大な力が働くのを防ぎ、これらの破損
を防ぎ、安定的な動作を実現できるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における電子機器の開閉体の
開閉装置の要部の分解斜視図、第2図〜第6図は各々同
実施例の異なる動作状態における要部側面図、第7図は
従来の開閉体の開閉装置の一例を示す側面図、第8図は
同要部斜視図である。 1……開閉体、2……画像表示装置、3……回転軸、4
……筐体、5……軸受、6……ビス、7……カム、8…
…軸受部材、8a……長孔、9……カム当接部、10……係
合ボス、11……摺接部材、12……ストッパ部材、13……
ストッパ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開閉体を筐体に接する閉成位置と筐体より
    起立した開放位置との間で回動可能に筐体に支持すると
    ともに、前記筐体に形成された長孔に沿って摺動移動な
    回転軸と、前記開閉体と一体に回動し、表面に前記回転
    軸と略同芯の円弧状カム面を有するカムと、前記開閉体
    が閉成位置の近傍まで回転された際に前記カム面と当接
    し、前記開閉体の回動にともなって前記回転軸を前記長
    孔に沿って摺動移動せしめるように前記筐体に形成され
    たカム当接部と、前記開閉体と一体的に回動するように
    前記回転軸から離れた位置に設けられた係合ボスと、前
    記開閉体が閉成位置と開放位置の少なくとも一方の近傍
    に位置する時、前記係合ボスに弾性的に当接し、その摺
    動負荷によって前記開閉体の回動負荷を増加せしめるよ
    うに、前記筐体に設けられた摺接部材とを有することを
    特徴とする電子機器の開閉体の開閉装置。
  2. 【請求項2】開閉体が、開放位置の近傍に位置する時、
    一端部において回動力が与えられ、その他端部において
    筐体に固定されたストッパに当接して、その回動が阻止
    されるストッパ部材を、前記開閉体の回動軸に回動自在
    に設け、前記ストッパ部材とストッパとの当接により、
    前記開閉体の開放位置を規制することを特徴とする請求
    項1記載の電子機器の開閉体の開閉装置。
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