JP2788666B2 - リン酸亜鉛処理性に優れる表面を有するアルミニウム合金材料 - Google Patents

リン酸亜鉛処理性に優れる表面を有するアルミニウム合金材料

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は表面処理されたアルミニウム合金材料に関
し、特に塗装下地として使用する場合に優れた塗膜密着
性と耐糸錆性が得られ、自動車パネル等の用途に適して
いる表面処理アルミニウム合金材料に関する。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 近年、アルミニウム合金は、軽量化を目的として自動
車の部品に採用されつつあるが、パネル材のように耐糸
錆性が要求される用途に対しては、クロム酸クロメート
等の塗装下地処理が必要とされていた。一方、通常の自
動車塗装ラインの下地処理にはリン酸亜鉛処理が採用さ
れており、アルミニウム合金の下地処理としては現状で
は耐糸錆性の点で充分な効果が得られていない。
アルミニウム合金板の表面にZnメッキを施し、リン酸
亜鉛処理性を改善する試みは、既に特開昭61−157693号
等で行われてきているが、これらの技術は、Znメッキ層
により、リン酸亜鉛の処理性を改善すると共に、リン酸
亜鉛浴中へのアルミニウムイオンの溶出を目的としたも
のである。したがって、メッキの目付け量として1g/m2
必要となり、塗装面仕上がり性や耐糸錆性は要求されな
いインナーパネルまでZnメッキを施す必要がある。しか
しながら、現実的には、処理面積や目付け量が多くなれ
ば、処理コストが増加し、工業的に好ましくない。
また、従来技術においては、例えばクロム酸クロメー
ト処理の場合には耐糸錆性は向上できるが、以下に示す
工程が必要であり、更に専用の処理設備が必要で、且つ
排水処理等を含めた処理コストが高くなるという問題が
ある。
〔クロム酸クロメート処理工程〕
洗浄→水洗→水洗→クロム酸クロメート→水洗(注)
→水洗→乾燥 (注)クローズドシステムによる排水処理が必要。
一方、アルミニウム合金素材のままで従来の自動車塗
装下地処理(リン酸亜鉛処理)を施した場合には、カチ
オン電着後の塗膜密着力が不充分となり、耐糸錆性の点
で充分な性能が得られ難い。
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、リン酸亜鉛
処理を施しても塗膜密着性、耐糸錆性が優れる等、リン
酸亜鉛処理性に優れるアルミニウム合金材料を低コスト
で提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記問題点を解決すべく、低コストで
耐糸錆性に優れる塗装下地処理技術について鋭意研究を
重ねた結果、アルミニウム合金の表面にリン酸亜鉛を均
一微細に析出させることにより、塗装後の耐糸錆性向上
に著しく改善効果が得られることを見い出した。
そのためには、アルミニウム合金材料の表面に金属Zn
及び金属酸化物を共析出させておくと、リン酸亜鉛浴中
でアノードとして作用する結果、アルミニウム合金素材
表面のカソード部でのリン酸亜鉛析出を促進させること
ができる。したがって、Znと金属酸化物の共析物の析出
は、全面に均一に行う必要はなく、極端な場合、裏面の
み析出させても、表面に析出するリン酸亜鉛は微細に多
く析出される。
本発明は、かゝる知見に基づいてなされたものであ
る。
すなわち、本発明は、アルミニウム合金の表面に0.1g
/m2以上、1g/m2以下の金属Zn及び金属酸化物を共析させ
たことを特徴とするリン酸亜鉛処理性に優れる表面を有
するアルミニウム合金材料を要旨とするものである。
以下に本発明を更に詳述する。
(作用) 本発明において、アルミニウム合金表面に析出したZn
は、リン酸亜鉛処理浴中でアルミニウム表面上に電池を
形成し、アノードとして作用する。リン酸亜鉛の析出
は、被処理材表面のpH上昇により生じるが、pHの上昇は
カソード領域で生じる。また、アノード部においても溶
出した金属のpH緩衝作用でpHが上昇する。金属Znと共析
する金属酸化物は、主にアルミニウム合金の溶解により
供給され、リン酸亜鉛処理時に溶解し、pHの緩衝作用を
助長する。したがって、局部電池を積極的に構成させる
ことにより、析出量を増大させることが可能となる。
アルミニウム合金のリン酸亜鉛処理においては、リン
酸亜鉛浴浸漬初期は、アルミニウムの溶解のみが進行
し、リン酸亜鉛の析出が生じない誘導期間があるが、誘
導期間を短くすることにより、析出核を増加させ、均一
微細なリン酸亜鉛の結晶が得られることが判明した。本
発明において局部電池の積極的構成は、誘導時間の短縮
に有効であるため、均一微細で、塗装仕上がり性、耐糸
錆性向上に必要充分なリン酸亜鉛の析出量が確保でき
る。したがって、リン酸亜鉛処理→カチオン電着→中上
塗装された、例えば自動車パネル材の表面性状や、耐糸
錆性を著しく向上させることができる。
次に、本発明の条件について説明する。
金属Zn及び金属酸化物の析出量は、リン酸亜鉛浴中で
のアノード反応を維持するために必要な量であればよ
く、それ以上の析出は、塗装下地に活性なZnを含む層が
残留するため、好ましくない。析出量が0.1g/m2未満で
は、リン酸亜鉛処理前の脱脂洗浄工程での溶解等でリン
酸亜鉛浴中の必要量が残存しない場合が考えられるた
め、0.1g/m2を下限値とした。もっとも、析出状況やリ
ン酸亜鉛処理工程によっては更に少量でもよい。
析出量の上限値としては、リン酸亜鉛処理後において
Znが層として存在しない範囲であればよく、通常1g/m2
が上限値となる。Znの析出状態によっては、更に析出量
を増加させても問題はないが、製造コスト等も考慮し、
1g/m2を上限値とした。
共析皮膜に含まれるZnの含有量は、特に制限されるも
のではないが、リン酸亜鉛処理時のアノード点として作
用させるためには、少なくとも皮膜総重量の50重量%以
上が必要であり、50重量%未満ではリン酸亜鉛の析出速
度が不充分となる。一方、95%を超えて含有すると、Zn
の浴出速度が増大し、アルミニウム合金表面にリン酸亜
鉛を析出させるために必要な共析皮膜量が増大するた
め、好ましくない。
金属Znと共析させる金属酸化物としては、特に制限さ
れるものではないが、Al、Mg、Znの酸化物又は水酸化物
が適当である。
アルミニウム合金材料表面に金属Zn及び金属酸化物を
共析させる方法としては、電気メッキ、置換メッキ、浴
射等の方法があるが、置換メッキ(ジンケート)が粒子
状の析出となるため好ましい。Znの析出形態、析出処理
性、コスト及び塗装後の表面特性、塗装仕上がり性等を
考慮すると、化学置換メッキが特に好ましい。この点、
前述の特開昭61−157693号のように、電気メッキの場
合、脱脂工程と化学メッキの下地の処理の組み合わせが
不可欠であり、また溶融Znメッキでは、素材の材料特性
上の制約から、いずれも好ましくない。
本発明の場合、リン酸亜鉛の析出部位は、Znメッキ層
の表面ではなく、析出Zn近傍のアルミニウム合金表面で
あり、この点が前述の特開昭61−157693号との大きな相
違点である。したがって、本発明では、均一なZnメッキ
層を必要としないから、析出の前処理としては、処理材
の表面が水はじきをしない程度に脱脂されていればよ
く、焼鈍後析出処理を行う場合には、特別な前処理を必
要としない(素材の焼鈍でも可)。析出材料が少なく、
特別な前処理を必要としないため、生産性の向上、生産
コストの低減効果は著しく大きい。
本発明に係るアルミラニウム合金材料を自動車パネル
用として使用した場合、鉄との同時処理を行なう必要
上、リン酸亜鉛処理が施され、次いでカチオン電着、中
塗り、上塗りが行われるが、このような工程でも、リン
酸亜鉛の析出量が多く且つ均一微細に析出するため、塗
装仕上がり性が向上し、またアルミニウムパネル使用に
おいて最も大きな問題点であった塗装材の耐糸錆性も著
しく向上し、ユーザーニーズに十分応えることが可能で
ある。
なお、本発明におけるアルミニウム合金の成分系や組
成も特に制限されないことは云うまでもない。
以下に本発明の実施例を示す。
(実施例) まず、素材としてJIS5182−0材の圧延板(1mm×75mm
×150mm)を準備し、以下の実施例に供した。
実施例1 上記5182合金板に第1表に示す種々の表面処理を施し
た後、濃硝酸で皮膜を溶解し、原子吸光分析法により分
析した。その結果を第1表に示す。ここで、濃硝酸を用
いたのは、濃硝酸では金属のアルミニウムは溶解せず、
Zn及び金属の酸化物の共析物を分析できるためである。
第1表より、本発明例では、いずれも皮膜は金属Znと
金属酸化物の共析物であり、皮膜量も本発明範囲内であ
ることが明らかである。
実施例2 実施例1で得られた表面処理材に自動車用パネル材と
同様の脱脂及び下地処理を行った後、カチオン電着塗装
(膜厚25μm)を施し、耐糸錆性の評価を行った。下地
処理としては、けい酸塩系脱脂→表面活性化処理→リン
酸亜鉛処理を施した。耐糸錆性については5サイクル後
の評価結果である。また、リン酸亜鉛処理性及び表面仕
上がり性(鮮映性)も評価した。
それらの結果を第2表に示す。
第2表より明らかなように、本発明例は、いずれもリ
ン酸亜鉛処理性が優れており、しかも表面仕上がり性及
び耐糸錆性も優れている。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、リン酸亜鉛の
析出量、形態が著しく向上でき、優れたリン酸亜鉛処理
性が得られるため、塗装仕上がり性、耐糸錆性が大幅に
改善できる。特に、自動車パネル材として適用する場合
には、現在使用されている表面処理(リン酸亜鉛処理)
ライン(鉄用)で直接処理が可能となるので低コストで
あり、且つリン酸亜鉛処理で従来から最大の問題点であ
った耐糸錆性の問題が解決できるので、その効果は著し
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 雅弘 栃木県真岡市熊倉町3695 (72)発明者 池田 貴基 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―3 ―1 (72)発明者 入本 淳 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―3 ―1 (72)発明者 山村 なぎさ 兵庫県神戸市西区狩場台4―19―17 (56)参考文献 特開 昭59−179797(JP,A) 特開 昭54−10243(JP,A) 特開 昭57−145987(JP,A) 特開 平2−19475(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 22/00 - 22/86 B05D 3/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金の表面に0.1g/m2以上、1
    g/m2以下の金属Zn及び金属酸化物を共析させたことを特
    徴とするリン酸亜鉛処理性に優れる表面を有するアルミ
    ニウム合金材料。
  2. 【請求項2】金属Znと共析させる金属酸化物が、 Al、Mg又はZnの酸化物若しくは水酸化物である請求項1
    に記載のアルミニウム合金材料。
  3. 【請求項3】前記共析皮膜に対するZnの含有量が95〜50
    重量%の範囲である請求項1又は2に記載のアルミニウ
    ム合金材料。
  4. 【請求項4】金属Zn及び金属酸化物の共析は、置換メッ
    キによるものである請求項1、2又は3に記載のアルミ
    ニウム合金材料。
  5. 【請求項5】自動車のパネル材として使用されるもので
    ある請求項1、2、3又は4に記載のアルミニウム合金
    材料。
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