JP2788530B2 - アルカリ乾電池用ゲル状負極の製造方法及びその方法にて製造されるゲル状負極 - Google Patents

アルカリ乾電池用ゲル状負極の製造方法及びその方法にて製造されるゲル状負極

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アルカリ乾電池に使用されるゲル状負極の
製造方法に関し、詳しくは亜鉛合金粉末の防食剤の添加
方法、及びその方法にて製造されるゲル状負極に関す
る。
[従来の技術] 従来、ゲル状負極は、次のような方法にて製造されて
いた。
1)亜鉛合金粉末とカルボキシビニルポリマー等のゲル
化剤とを混合した後、これを苛性アルカリ水溶液に添加
し、減圧下で撹拌・混合する。
2)ゲル化剤を苛性アルカリ水溶液に添加・溶解して調
製したゲル状苛性アルカリ水溶液と亜鉛合金粉末とを撹
拌・混合する。
ここで、亜鉛合金粉末の防食剤としてインジウム(I
n),ガリウム(Ga),タリウム(T1),鉛(Pb),ス
ズ(Sn)等の可溶性化合物又は界面活性剤もしくは防錆
剤等が使用されるが、これらの添加は、次のような方法
にて行われていた。
1)防食剤を含有する溶液に亜鉛合金粉末を浸漬撹拌す
るか又は水溶液中で亜鉛合金粉末を撹拌しながら防食剤
を添加・混合して、亜鉛合金粉末の表面に防食剤を析出
又は付着させ、水洗・脱水後乾燥させる。
2)苛性アルカリ水溶液又はゲル状苛性アルカリ水溶液
に防食剤を添加する方法。
3)ゲル状負極に防食剤を添加する方法。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の亜鉛合金粉末の防食剤の添加方
法、例えば、亜鉛合金粉末表面に防食剤を析出又は付着
させる方法では、亜鉛合金が細長く脆いので、防食剤を
析出あるいは付着させた後の移動・搬送作業中やゲル負
極の製造工程中に破砕される。かかる亜鉛合金粉末は、
その破砕断面が防食剤で被覆されていないので、苛性ア
ルカリ水溶液中では次式のように水素ガスを発生し易く
なり、 Zn+2KOH+2H2O→K2[Zn(OH)]+H2↑ 折角添加した防食剤の効果を低減させてしまう。このよ
うな水素ガスを発生し易い亜鉛合金粉末を原料の一つと
して製造されたゲル状負極を用いてアルカリ乾電池を組
み立てると、貯蔵中に電池内の圧力が上昇して電解液の
流出や放電特性の劣化等、電池品質を著しく損なうこと
になる。
又、苛性アルカリ水溶液もしくはゲル状苛性アルカリ
水溶液又はゲル状負極に防食剤としてIn,Ga,Pb,Sn等の
可溶性の化合物を添加する方法では、それらの水溶液に
防食剤を添加するやいなや瞬時に水酸化物になるため、
少量の添加量であればその水酸化物は溶解するが、添加
量が多くなれば溶解に時間がかかったり、未溶解の水酸
化物を均一に分散させることが難しく、有効な防食効果
を発現させるためには多量の添加が必要となる。
一方、防食剤が界面活性剤や防錆剤の有機物系のもの
である場合は、防食剤を均一に溶解させることは出来る
が、有機物なので電池内での安定性に欠け長期間防食効
果を持続することが難しく、又、ゲル状負極からのガス
発生を増大させるというような問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされた
もので、防食剤を亜鉛粉末の表面及びゲル状負極中に均
一に存在させることができ、水素ガスの発生の少ない高
品質なアルカリ乾電池用ゲル状負極を製造し得る方法、
及びその方法にて製造されるゲル状負極を提供しようと
するものである [課題を解決するための手段] 亜鉛合金粉末、ゲル化剤及びアルカリ電解液を含むゲ
ル状負極の製造において、予めゲル化剤とインジウム化
合物又は該インジウム化合物と水銀化合物を均一に混合
した後、該混合物と亜鉛合金粉末とを均一に混合し、更
に、この混合物をアルカリ電解液中に加え、減圧下で撹
拌混合することを主特徴とする。尚、該ゲル状負極の構
成成分中に水銀を含まないものとする場合には、該イン
ジウム化合物の配合量は該亜鉛合金粉末に対しIn換算で
0.01〜1.0重量%とし、一方、該ゲル状負極の構成成分
中に水銀を含むものとする場合には、該インジウム化合
物の配合量は該亜鉛合金粉末に対しIn換算で0.001〜0.1
重量%であってよい。
上記ゲル化剤としては、例えばカルボキシメチルセル
ロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ等を挙
げることができる。
上記インジウム化合物としては、例えば試薬特級相当
以上の酸化インジウム、水酸化インジウム等を挙げるこ
とができる。
上記水銀化合物としては、例えば試薬特級相当以上の
塩化水銀、硝酸水銀、硫酸水銀、臭化水銀、酢酸水銀、
酸化水銀等を挙げることができる。
上記亜鉛合金としては、例えば亜鉛と鉛;インジウ
ム;アルミニウムガリウム;カドミウム;タリウム;ニ
ッケル;コバルト;ビスマス;スズ;水銀から選ばれる
少なくとも1種類とからなるもの等を挙げることができ
る。
上記亜鉛合金粉末は、粒径が75〜300μmの範囲のも
のを用いることが望ましい。その理由は、粒径を75μm
未満にすると比表面積が大きくなって水素ガスを発生し
やすくなり、かといってその粒径が300μmを越えると
ゲル状負極として電池容器に充填する際に充填密度が減
少する恐れがあるからである。
上記苛性アルカリ電解液としては、例えば苛性ソーダ
水溶液、苛性カリ水溶液等を挙げることができる。かか
る苛性アルカリ電解液は、必要に応じて、酸化亜鉛を8
重量%以下の範囲で溶解させたものを用いてもよい。
上記ゲル状負極の製造に際しての亜鉛合金粉末、ゲル
化剤、アルカリ電解液、インジウム化合物又は該インジ
ウム化合物と水銀化合物の配合割合は次のように設定す
ることが望ましい。即ち、亜鉛合金粉末を50〜80重量
部、アルカリ電解液を20〜50重量部とし、ゲル化剤をこ
れらの合計量(100重量部)に対し0.3〜1.5重量部、イ
ンジウム化合物をインジウム換算で前記亜鉛合金粉末に
対して0.001〜1.0重量部になるよう配合することが望ま
しく、亜鉛合金粉末の合金組成によっては、更に水銀化
合物を前記亜鉛合金粉末に対する汞化率換算で0.001重
量%以上配合してもよい。いずれにしろ、水銀の配合上
限については、環境への影響等の観点から該ゲル状負極
の構成成分中、該亜鉛合金の汞化率換算で0.15重量%と
することが望ましい。
上記減圧下での撹拌・混合は、混合物中の空気等を脱
気するために行うものである。かかる撹拌・混合時の減
圧条件としては、撹拌・混合初期:500mmHg(絶対圧)以
下とし、後期:300mmHg(絶対圧)以下にすることが望ま
しい。
[作用] 本発明によれば、予め亜鉛合金粉末及びゲル化剤並び
にインジウム化合物又は該インジウム化合物及び水銀化
合物とを均一に混合した後、該混合物をアルカリ電解液
中に加え、減圧下で撹拌・混合することによって、イン
ジウム化合物や水銀化合物がアルカリ電解液に一部溶解
し、それが亜鉛合金粉末の表面に均一に析出したり、亜
鉛合金粉末と接触したインジウム化合物や水銀化合物が
還元され金属インジウムや金属水銀となって亜鉛合金粉
末の表面を均一に被覆する。更に、亜鉛合金粉末の表面
を均一に被覆した金属インジウムや金属水銀は無機物な
ので、有機物である界面活性剤や防錆剤に較べ長期に渡
り防食効果が持続し、かかるゲル状負極を電池容器に組
込むことによって、貯蔵時のガス発生を抑制し、ガス発
生に伴う電池容器の内圧上昇による電解液の漏れを防止
した高性能のアルカリ乾電池を得ることができる。
[実施例] 以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
(実施例1) まず、ゲル化剤としてのポリアクリル酸0.6重量部に
試薬特級相当以上の品質で、平均粒径20μm以下の酸化
インジウム(In2O3)を0.00078重量部(In換算として亜
鉛合金粉末に対して0.001重量%)加え、ポットミルで1
0分間均一に混合した後、これをPb:0.049重量%、In:0.
021重量%、Al:0.048重量%、Ga:0.002重量%及びHg
(汞化率0.15重量%)を含む粒径100〜300μmの亜鉛合
金粉末(以下、亜鉛合金Aという)65重量部に加え、汎
用混合器で5分間撹拌し、均一に混合した。次いで、酸
化亜鉛を3.5重量%溶解した35重量%濃度の苛性カリ水
溶液35重量部が収容された混合器に前記混合物を4分間
かけて徐々に添加すると共に、150mmHg以下の減圧状態
で撹拌・混合し、更に、10mmHg以下の減圧状態にして5
分間撹拌・混合して均一なゲル状負極を製造した。
得られたゲル状負極を用いて第1図に示すJIS規格LR6
形(単3形)アルカリ電池を組立てた。この図におい
て、1は正極端子を兼ねる有底円筒形の金属缶である。
該金属缶1内には、円筒状に加圧成形した正極合剤2が
充填されている。該正極合剤2は、二酸化マンガン粉末
とカーボン粉末を混合し、これを前記金属缶1内に収納
し所定の圧力で中空円筒状に加圧成形したものである。
又、該正極合剤2の中空部には、アセタール化ポリビニ
ルアルコール繊維の不織布からなる有底円筒状のセパレ
ータ3を介して前記方法で製造したゲル状負極4が充填
されている。該ゲル状負極4内には、真鍮製の負極集電
棒5が、その上端部を該ゲル状負極4より突出するよう
に挿着されている。該負極集電棒5の突出部外周面及び
該金属缶1の上部内周面には二重環状のポリアミド樹脂
からなる絶縁ガスケット6が配設されている。又、該ガ
スケット6の二重環状部の間にはリング状の金属板7が
配設され、且つ、該金属板7には負極端子を兼ねる帽子
形の金属封口板8が該集電棒5の頭部に当接するように
配設されている。そして、該金属缶1の開口縁を内方に
屈曲させることにより該ガスケット6及び該金属封口板
8で該金属缶1内を密封口している。
(実施例2) In2O3の添加量を、亜鉛合金Aに対しIn換算で0.01重
量%とした以外、実施例1と同様にしてJIS規格LR6形
(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例3) In2O3の添加量を、亜鉛合金Aに対しIn換算で0.1重量
%とした以外、実施例1と同様にしてJIS規格LR6形(単
3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例4) 亜鉛合金Aの代わり、Pb:0.05重量%、In:0.022重量
%、Al:0.051重量%、Ga:0.011重量%を含む粒径100〜3
00μmの亜鉛合金粉末(以下、亜鉛合金Bという)を用
いたこと及びIn2O3の添加量を、亜鉛合金Bに対しIn換
算で0.01重量%とした以外、実施例1と同様にしてJIS
規格LR6形(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例5) In2O3の添加量を、亜鉛合金Bに対しIn換算で0.1重量
%とした以外、実施例4と同様にしてJIS規格LR6形(単
3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例6) In2O3の添加量を、亜鉛合金Bに対しIn換算で1.0重量
%とした以外、実施例4と同様にしてJIS規格LR6形(単
3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例7) In2O3の代りに、試薬特級相当以上の品質で、平均粒
径20μm以下の水酸化インジウム(In(OH))を0.00
047重量部(In換算として亜鉛合金Aに対し0.001重量
%)添加した以外、実施例1と同様にしてJIS規格LR6形
(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例8) In(OH)の添加量を、亜鉛合金Aに対してIn換算で
0.01重量%とした以外、実施例7と同様にしてJIS規格L
R6形(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例9) In(OH)の添加量を、亜鉛合金Aに対しIn換算で0.
1重量%とした以外、実施例7と同様にしてJIS規格LR6
形(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(実施例10) In2O3の添加の際に、試薬特級相当以上の品質で、平
均粒径20μm以下の塩化水銀(HgCl2)を0.13重量部
(亜鉛合金の汞化率に換算して0.15重量%)を更に加え
た以外、実施例4と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)
アルカリ電池を組立てた。
(実施例11) HgCl2の代りに、試薬特級相当以上の品質で、平均粒
径20μm以下の硝酸水銀(Hg(NO3)を0.16重量部
(亜鉛合金の汞化率に換算して0.15重量%)添加した以
外、実施例10と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)アル
カリ電池を組立てた。
(実施例12) HgCl2の代りに、試薬特級相当以上の品質で、平均粒
径20μm以下の硫酸水銀(HgSO4)を0.14重量部(亜鉛
合金の汞化率に換算して0.15重量%)添加した以外、実
施例10と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)アルカリ電
池を組立てた。
(実施例13) HgCl2の代りに、試薬特級相当以上の品質で、平均粒
径20μm以下の臭化水銀(HgBr2)を0.18重量部(亜鉛
合金の汞化率に換算して0.15重量%)添加した以外、実
施例10と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)アルカリ電
池を組立てた。
(実施例14) HgCl2の代りに、試薬特級相当以上の品質で、平均粒
径20μm以下の酢酸水銀(Hg(CH3COO))を0.16重量
部(亜鉛合金の汞化率に換算して0.15重量%)添加した
以外、実施例10と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)ア
ルカリ電池を組立てた。
(実施例15) HgCl2の代りに、試薬特級相当以上の品質で、平均粒
径20μm以下の酸化水銀(HgO)を0.11重量部(亜鉛合
金の汞化率に換算して0.15重量%)添加した以外、実施
例10と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)アルカリ電池
を組立てた。
(比較例1) In2O3の添加量を、亜鉛合金Aに対しIn換算で0.0005
重量%とした以外、実施例1と同様にしてJIS規格LR6形
(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(比較例2) In2O3の添加量を、亜鉛合金Aに対しIn換算で0.2重量
%とした以外、実施例1と同様にしてJIS規格LR6形(単
3形)アルカリ電池を組立てた。
(比較例3) In2O3の添加量を、亜鉛合金Bに対しIn換算で0.005重
量%とした以外、実施例4と同様にしてJIS規格LR6形
(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(比較例4) In2O3の添加量を、亜鉛合金Bに対しIn換算で2.0重量
%とした以外、実施例4と同様にしてJIS規格LR6形(単
3形)アルカリ電池を組立てた。
(比較例5) In(OH)の添加量を、亜鉛合金Aに対しIn換算で0.
0005重量%とした以外、実施例7と同様にしてJIS規格L
R6形(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(比較例6) In(OH)の添加量を、亜鉛合金Aに対してIn換算で
0.2重量%とした以外、実施例7と同様にしてJIS規格LR
6形(単3形)アルカリ電池を組立てた。
(比較例7) まず、亜鉛合金A100重量部を、1重量%硫酸水溶液20
0重量部中で撹拌しながら、2重量%硝酸インジウム(I
n(NO3)水溶液を亜鉛合金Aに対してIn換算として
0.2重量%になるように滴下し、亜鉛合金粉末表面にイ
ンジウムを析出させ、水洗・乾燥してインジウム被覆亜
鉛合金粉末を調整した。このインジウム被覆亜鉛合金粉
末65重量部にゲル化剤としてポリアクリル酸0.6重量部
を加え、汎用混合器で5分間撹拌し均一に混合した。次
いで、得られた混合物を苛性カリ水溶液に添加する操作
以降を実施例1と同様にして、JIS規格LR6形(単3形)
アルカリ電池を組立てた。
(比較例8) 酸化亜鉛3.5重量%溶解した35重量%濃度の苛性カリ
水溶液35重量部に、ゲル化剤としてポリアクリル酸0.6
重量部を溶解させ、撹拌しながらこれに20重量%硝酸イ
ンジウム水溶液を亜鉛合金A65重量部に対してIn換算と
して1.0重量%になるように滴下し、インジウム含有ゲ
ル状苛性カリ水溶液を調製した。これ以降、苛性カリ水
溶液を前記操作にて得られた苛性カリ水溶液とし、これ
に添加する混合物を亜鉛合金Aとした以外、実施例1と
同様の操作を行い、JIS規格LR6形(単3形)アルカリ電
池を組立てた。
(比較例9) ゲル化剤としてのポリアクリル酸0.6重量部と亜鉛合
金A65重量部とを汎用混合器で5分間撹拌し均一に混合
した。これ以降、得られた混合物を苛性カリ水溶液に添
加・混合した後、更に、界面活性剤を該苛性カリ水溶液
に亜鉛合金Aに対して0.1重量%になるように添加した
以外実施例1と同様にして、JIS規格LR6形(単3形)ア
ルカリ電池を組立てた。
このようにして得られた10個/例の各電池240個につ
いて、負荷抵抗10Ωを接続し、0℃で連続放電を行い、
終止電圧0.9V迄の平均放電持続時間を測定した。又、同
様にして得られた20個/例の各電池480個を60℃恒温槽
中に貯蔵し、1ヶ月後と3ヶ月後に、それぞれ10個/例
を取り出し、水中で分解することによって貯蔵中に発生
した水素ガスを捕集測定した。これらの結果を、別表に
示した。ここで、各欄の左側の数値は、10個の平均値、
カッコ内の数値は、そのバラツキである。
別表から明らかなように、本実施例1〜15で製造され
たゲル状負極を用いて組立てられた電池は、比較例1〜
7の電池に比べ60℃貯蔵後の水素ガス発生量が少なく、
且つバラツキが小さいことがわかる。この差は、保存期
間の長期化(3ヶ月後のデータ参照)に伴い顕著にな
る。このことは、本実施例1〜15で製造されたゲル状負
極は、その構成成分である亜鉛合金粉末の表面を、添加
した酸化インジウムや水酸化インジウムから溶解・析出
したインジウムが均一に被覆していることを(実施例1
〜9)、添加した酸化インジウムから溶解したインジウ
ム化が水銀化合物から溶解・析出した水銀に捕捉され、
インジウムを含む水銀が亜鉛合金表面にアマルガムとな
り均一に被覆していることを(実施例10〜15)、夫々意
味している。尚、比較例8の電池と実施例1〜3及び7
〜9の電池とをそのガス発生量にて比較すると、1ヶ月
後のそれはほぼ同等であるが、3ヶ月後のそれは、比較
例の電池の方が多くなり、しかも、バラツキも大であ
る。このことは、本発明によれば、添加インジウム量を
削減せしめ得ることを示しているのである。因に、本発
明の電池では、亜鉛合金粉末に対するインジウム添加量
(as In)が、該負極構成成分として水銀を含まない場
合には0.01〜1.0重量%、水銀を含む場合(亜鉛合金粉
末中に水銀を含む場合も含む)には0.001〜0.1重量%の
範囲内であれば、電池内での水素ガスの発生を抑制する
防食効果があることがわかる。
更に、本実施例1〜15の電池は、比較例9の電池に比
べ60℃、3ヶ月間貯蔵後の水素ガス発生量が少ない。こ
のことは、本実施例1〜15のゲル状負極が、無機質であ
る酸化インジウムや水酸化インジウムを添加しているの
で、有機質である界面活性剤に比べ苛性カリ水溶液中で
安定で、分解・変質することなく、防食効果が長く持続
することが考えられる。
尚、ここには記載はしていないが、実施例10〜15にお
ける酸化インジウムの代わりに水酸化インジウムを用い
た別の実験にて、亜鉛合金粉末に対する添加量が同等範
囲内であれば同じような結果が得られることを確認して
いる。
[発明の効果] 本発明によれば、防食剤であるインジウム化合物又は
該インジウム化合物と水銀化合物をゲル状負極中に均一
に分散させることができ、その結果として、亜鉛合金粉
末表面を安定して長期間防食するゲル状負極を製造する
ことができ、ひいてはかかるゲル状負極を用いることに
よって長期貯蔵時のガス発生が抑制され、放電持続時間
を低下せしめないアルカリ乾電池を得ることができる等
顕著な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例で製造されたゲル状亜鉛負極
を組込んだアルカリ乾電池を示す断面図である。 1:金属缶、2:正極合剤 3:セパレータ、4:ゲル状負極 5:負極集電棒、6:絶縁ガスケット 7:金属板、8:金属封口板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−186256(JP,A) 特開 平2−79368(JP,A) 特開 平3−230476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/06,4/12,4/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛合金粉末、ゲル化剤及びアルカリ電解
    液を含むゲル状負極の製造において、予めゲル化剤とイ
    ンジウム化合物とを均一に混合した後、該混合物と亜鉛
    合金粉末とを均一に混合し、更に、この混合物をアルカ
    リ電解液中に加え、減圧下で撹拌混合すること、並びに
    ゲル状負極の構成成分中に水銀を含まないこと、及び該
    インジウム化合物の配合量が該亜鉛合金粉末に対しIn換
    算で0.01〜1.0重量%であること、を特徴とするアルカ
    リ乾電池用ゲル状負極の製造方法。
  2. 【請求項2】亜鉛合金粉末、ゲル化剤及びアルカリ電解
    液を含むゲル状負極の製造において、予めゲル化剤とイ
    ンジウム化合物又は該インジウム化合物及び水銀化合物
    とを均一に混合した後、該混合物と亜鉛合金粉末とを均
    一に混合し、更に、この混合物をアルカリ電解液中に加
    え、減圧下で撹拌混合すること、並びにゲル状負極の構
    成成分中に水銀を該亜鉛合金の汞化率換算で0.15重量を
    越えない範囲で含むこと、及び該インジウム化合物の配
    合量が該亜鉛合金粉末に対しIn換算で0.001〜0.1重量%
    であること、を特徴とするアルカリ乾電池用ゲル状負極
    の製造方法。
  3. 【請求項3】亜鉛合金粉末、ゲル化剤及びアルカリ電解
    液を含むアルカリ乾電池用ゲル状負極であって、該負極
    が、予めゲル化剤とインジウム化合物とを均一に混合し
    た後、該混合物と亜鉛合金粉末とを均一に混合し、更
    に、この混合物をアルカリ電解液中に加え、減圧下で撹
    拌混合してなるものであること、並びに該負極がその構
    成成分中に水銀を含まないものであること、及び該負極
    中に該インジウム化合物をIn換算で0.01〜1.0重量%
    (対亜鉛合金粉末)含むこと、を特徴とするアルカリ乾
    電池用ゲル状負極。
  4. 【請求項4】亜鉛合金粉末、ゲル化剤及びアルカリ電解
    液を含むアルカリ乾電池用ゲル状負極であって、該負極
    が、予めゲル化剤とインジウム化合物又は該インジウム
    化合物及び水銀化合物とを均一に混合した後、該混合物
    と亜鉛合金粉末とを均一に混合し、更に、この混合物を
    アルカリ電解液中に加え、減圧下で撹拌混合してなるも
    のであること、並びに該負極がその構成成分中に水銀を
    該亜鉛合金の汞化率換算で0.15重量を越えない範囲で含
    むものであること、及び該負極中に該インジウム化合物
    をIn換算で0.001〜0.1重量%(対亜鉛合金粉末)含むこ
    と、を特徴とするアルカリ乾電池用ゲル状負極。
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