JP2786750B2 - 食品素材の高圧処理方法 - Google Patents

食品素材の高圧処理方法

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JP2786750B2
JP2786750B2 JP5488491A JP5488491A JP2786750B2 JP 2786750 B2 JP2786750 B2 JP 2786750B2 JP 5488491 A JP5488491 A JP 5488491A JP 5488491 A JP5488491 A JP 5488491A JP 2786750 B2 JP2786750 B2 JP 2786750B2
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神田  剛
一男 北川
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品素材の高圧処理方
法に係り、より具体的には、水分を含有する食品等の被
処理物の、殺菌、滅菌を目的とする加圧処理を、低温域
において効率的に実施する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の食品加工に於いては、加工に係る
物理的変数として、ほとんどの場合、熱が用いられてお
り、圧力は熱的作用に伴って付随的に派生するものであ
った。しかるに、近時、食品加工への圧力利用が注目を
浴びて研究開発が進展しつつあり、この場合、圧力とと
もに温度を相乗的に作用させることが試みられつつあ
る。
【0003】例えば、殺菌を目的とする場合、加熱側の
みでなく冷却側においても、室温で加圧するよりは効率
的であることは、特開昭62−69969 号公報で知られてい
る。この様な圧力と温度とを食品に付与する装置として
は、公知の温間静水圧加圧装置があり、高圧容器の外側
に熱媒を循環させることによって温度コントロールを行
っているのが一般的である。この装置はまた、冷媒を循
環させることによって、低温下に加圧処理することも可
能であり、対象とする被処理物を、同装置の冷却された
圧媒の中に浸漬して加圧処理を行うことができる。
【0004】しかるに、このような温度コントロールの
方法は、厚肉で熱容量の大きな高圧容器の外部から温度
コントロールを行おうとするものであるから、熱的平衡
状態に達するまでに極めて長時間を要し、実験装置的に
はともかくとして、生産装置としては極めて非効率なも
のであった。このような問題点を回避する方法として
は、例えば冷却に関していえば、特開平2−182157号公
報に記載の装置、すなわち高圧容器の内側に多数の管群
を設けて冷媒を循環して圧媒を冷却する装置が提案さ
れ、一応前記の問題点は改善された形になっている(従
来例の1) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の1にあっては、高圧容器内部への管群配列が、高圧に
なるほど難しくなり、また高圧容器内に余分なスペース
を必要として、高圧容器内の体積利用効率が低下すると
いう課題があった。そこで、本発明は、水分を含む食品
等被処理物の殺菌を目的とする加圧処理を、低温域にお
いて効率的に、しかも上記のような大掛りな装置を用い
ることなく実施しうる方法を提供しようとするのが目的
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水分を含有す
る食品等の被処理物7 を高圧容器1 の高圧室6 で圧媒10
により等方圧下に加圧処理する方法において、前述の目
的を達成するために、次の技術的手段を講じている。す
なわち、本発明は、前記被処理物7 を凍結状態におき、
かつ可撓性を有する断熱部材8 で包み込むとともに、圧
媒10の侵入を阻止した状態で圧媒10に浸漬して、該圧媒
10により等方圧下に加圧処理することを特徴とするもの
である。
【0007】
【実施例】以下、図を参照して本発明の実施例と作用を
説明する。図1は、本発明の第1実施例であり、円筒形
状とされている高圧容器1 の上開口部にはパッキン4 を
有するピストン2 が挿入され、一方、高圧容器1 の下開
口部にはパッキン5 を有する下蓋3 が装着され、これら
によって高圧容器1 内に高圧室6 が形成されている。
【0008】ピストン2 は、図では省略しているが、油
圧シリンダとして構成されていて、油圧力によって下方
に押し込まれることで高圧室6 内の圧媒10を圧縮して、
等方圧を発生する所謂ピストン式の加圧装置を構成して
いる。なお、ピストン2 および下蓋3 に作用する軸力
は、図示省略しているが方形フレームで支承されるよう
になっている。しかして、水分を含む魚肉、畜肉等の被
処理物7 は、衛生上の観点から例えばレトルトパウチの
ような形で密封された状態で先ず凍結され、しかる後そ
の周囲を可撓性の断熱材、例えばマット状の保温材8 で
包まれ、さらにその外周を同じく可撓性のポリエチレン
製の袋9 で包まれることで圧媒10の侵入を阻止されて、
高圧室6 中の圧媒10の中に浸漬されて加圧処理を受け
る。
【0009】以上の構成をとることによって、凍結され
た食品中の水分は、加圧にともなって、例えば−5℃で
2000kgf /cm2 に加圧したとすると、図2に示す水の状
態図における氷Iと水との固液変態線に沿って図示点線
Aの如く、一部が加圧融解し、その潜熱にもとづいて冷
却されて約−20℃まで温度降下する。なお、このことは
実験的に確認された事実である。
【0010】したがって温度降下にともなって加圧殺菌の効
果は一層増進されるとともに、加圧保持の間の外部の例
えば室温状態の圧媒からの熱侵入に対しても、断熱材に
よる保冷効果ともあいまって、残余する凍結水分が完全
に融解するまでは少なくとも−20℃〜0℃を維持するの
で、大掛りな装置構成をとらずとも、極めて簡便なやり
方で低温を利用した効率的な殺菌を行わしめることが出
来る。また、氷の加圧下の挙動(固液変態線に沿う部分
融解と潜熱にもとづく温度降下) からすれば、初期凍結
状態の温度が0℃近傍の温度であっても、断熱材8 によ
る保冷効果、遮熱効果もあいまって、加圧により低温の
状態を容易につくり出し、かつその状態を保持すること
が出来る。
【0011】なお、被処理物7 が液の形態をとる場合に
は、栓13A を有する蓋13に、リング形のフランジ15なら
びにベローズ状の筒部16を有する容器12をシール14を介
在したもとで着脱自在に組立て、蓋13ならびに容器12の
内側には断熱用のフッ素樹脂コート11,11Aを行って、こ
の容器12に液体の被処理物7 を注入して施栓した状態で
凍結状態とし、しかる後に加圧処理を行っても同様の効
果が得られる。
【0012】又容器12そのものをフッ素樹脂等の材質
で、ベローズ形に構成することも可能である。別添実施
例を追加願います。 実施例 1 大腸菌(E.Coli)を生理食塩液(0.9%NaC
l)で洗浄してのち、約108 /mlの菌体懸濁液を調
製した。これを50mlとり、ポリエチレン製の袋に入
れパックし、供試試料(約直径40mm×長さ40m
m)とした。これを−7℃に凍結、そのまま−7℃の液
圧媒中に浸漬、2kbまで加圧、20min保持、減圧
後生残菌数測定を行ったところ、生存率は2.1×10
-6となった。 実施例 2 実施例1の供試体を、厚さ10mmのマット状の保温材
で包み、さらにポリエチレン製の袋に密封して、実施例
1と同様の条件で凍結し、かつ加圧処理を行ったとこ
ろ、生存率は8.1×10-8となり、実施例1を上回る
殺菌効果が認められた。実施例1の供試体を−20℃に
凍結、−20℃の液圧媒中に浸漬して、2kb、20m
in加圧した際の生存率は2.1×10-8であり、前記
の結果はこれと温度的に等価なレベルでの殺菌になって
いると判断された。
【0013】
【発明の効果】本発明は以上の通りであり、水分を含有
せる食品等被処理物を、凍結状態におき、かつ可撓性を
有する断熱部材でつつみ、該断熱部材の内側に圧媒が侵
入しないようにして加圧処理を行うことによって、氷の
加圧下の部分融解と潜熱にもとづく温度降下ならびに断
熱部材による保冷、遮熱効果により、加圧保持中の温度
を初期温度以下の低温に維持して、殺菌を効率的に、且
つ簡易な構成によって経済的に実施することが出来、当
該技術分野の普及に大きな寄与を果たしうるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の要部断面図である。
【図2】氷の加圧下の挙動を示す説明図である。
【図3】断熱材で包まれた被処理物の変形断面図であ
る。
【符号の説明】
1 高圧容器 2 加圧ピストン 6 高圧室 7 被処理物 8 断熱部材 10 圧媒

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分を含有する食品等の被処理物(7) を
    高圧容器(1) の高圧室(6) で圧媒(10)により等方圧下に
    加圧処理する方法において、前記被処理物(7) を凍結状
    態におき、かつ可撓性を有する断熱部材(8) で包み込む
    とともに、圧媒(10)の侵入を阻止した状態で圧媒(10)に
    浸漬して、該圧媒(10)により等方圧下に加圧処理するこ
    とを特徴とする食品素材の高圧処理方法。
JP5488491A 1991-03-19 1991-03-19 食品素材の高圧処理方法 Expired - Lifetime JP2786750B2 (ja)

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JPH05137550A JPH05137550A (ja) 1993-06-01
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JP6590184B2 (ja) * 2015-04-15 2019-10-16 恒男 芝 加圧解凍殺菌法

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