JP2786224B2 - 薄膜作製装置および方法 - Google Patents

薄膜作製装置および方法

Info

Publication number
JP2786224B2
JP2786224B2 JP1013569A JP1356989A JP2786224B2 JP 2786224 B2 JP2786224 B2 JP 2786224B2 JP 1013569 A JP1013569 A JP 1013569A JP 1356989 A JP1356989 A JP 1356989A JP 2786224 B2 JP2786224 B2 JP 2786224B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ozone
processing chamber
thin film
substrate
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1013569A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02194177A (ja
Inventor
敦 関口
信二 高城
司 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ANERUBA KK
Original Assignee
ANERUBA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ANERUBA KK filed Critical ANERUBA KK
Priority to JP1013569A priority Critical patent/JP2786224B2/ja
Publication of JPH02194177A publication Critical patent/JPH02194177A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2786224B2 publication Critical patent/JP2786224B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、半導体電子デバイス、超電導デバイス、各
種電子部品、各種センターの絶縁膜、誘電体膜、保護膜
の作製装置および方法に関する。
(従来の技術) 半導体電子デバイス、超電導デバイス、各種電子部
品、各種センターの絶縁膜、誘電体膜、保護膜の作製
は、基体物質の熱酸化、基体表面への熱CVD、スパッタ
リング、プラズマアシストCVD、スピンコート等の種々
の方法で成膜が試みられている。
近年、デバイスの集積化あるいは積層化が進むにつれ
て、段差部への被覆性の良い、または平坦性の良い成膜
方法が求められている。
さて、注目されている方法の一つに、テトラエトキシ
シラン(別名テトラエチルオルソシリケートともいう、
以下“TEOS"と略す)またはジアセトキシジターシャリ
ーブトキシシラン(以下“DADBS"と略す)等を用いたCV
D技術がある。(なお、これらTEOS、DADBS等は半導体で
あるシリコンの有機化合物であるが、本明細書ではかか
る半導体の有機化合物も一括して“有機金属化合物”と
表現することにする。) 例えば、池田らの「電気化学」Vol.56,No.7(1988)
P.527−P.532や、その中の引用文献等にその方法に関す
る記事がある。
池田らは、TEOSとオゾンを用いる大気圧CVDにより、
段差部への被覆性を良くした平坦性の良い酸化シリコン
膜(以下“NSG膜”と略す)、リン含有酸化シリコン膜
(以下“PSG膜”と略す)、および、ホウ素含有酸化シ
リコン膜(以下“BSG膜”と略す)を作製している。こ
の場合は酸化源としてオゾンを用い、それによって、40
0℃の低温でNSG膜を作製可能にし、また膜中のOH基を減
少させて良質なNSG膜を得ている。しかし欠点があり、
成膜速度は約1400Å/minであって、1μmのNSG膜を作
製するのに約7分を必要とし、枚葉式の装置の要求する
成膜速度1μm/minには遥かに及ばない。
同様の方法を用いた特開昭61−77695号公報「気相成
長方法」、米国特許第3,934,060号の発明にも同様の問
題がある。
また、R.A.LevyらのJ.Electrochem.Soc.Vol.134,No.7
(1987)P.1744−P.1749やその引用文献では、酸素とDA
DBSまたはTEOSを用いて、NSG膜、PSG膜、BSG膜およびホ
ウ素・リン含有酸化シリコン膜(以下“BPSG膜”と略
す)を作製したことが紹介されている。この場合は成膜
温度が550℃であって先述のオゾンを用いる方法と比較
してかなり高温であるにも拘らず、成膜速度は300Å/mi
nと遅く、これもまた産業上利用できるレベルには達し
ていない。
また、野口らは、第35回応用物理学関係連合講演会
(昭和63年春季)講演番号29P−G−5において、マイ
クロ波放電で作製された酸素原子と、テトラメトキシシ
ラン(以下“TMOS"と略す)を用いることにより、テト
ラメチルシラン(以下“TMS"と略す)を用いた場合より
も、生成膜中の炭素含有量が減少することを示してい
る。しかしこのTMOSを用いて作られた膜も、その赤外線
吸収スペクトルから、多めのOH基の存在が観察され、必
ずしも良好な膜とは言えないことが明かである。これは
酸素活性種の供給量が不足しているためと考えられる。
酸素原子を用いた他の例が、特開昭63−83275号「CVD
装置」に記載されており、ここではNSG膜、PSG膜やBSG
膜を作製するのに、酸素原子とシランを反応させてい
る。この反応は通常、常温では減圧下でも急速に進み、
酸化シリコンの粉末ダストを生じる。また急速に反応す
るため、酸素とシランという2つのガス成分の反応室へ
の導入、混合が困難であって均一性の良い膜の作製が難
しい。
その問題を解決しようと、特開昭63−83275号公報の
発明では、ガスの流出部を冷却することによって酸素原
子とシランの反応をおさえ、加熱した被処理基体の表面
に酸素とシランを導入してそこで反応を起こさせるよう
にした装置を示している。しかしこの方法の場合は、ガ
スの流出部を冷却することが必要であって装置が複雑に
なるとともに、基体表面から離れた空間での反応を完全
におさえることが不可能で、どうしても多少のダストが
生じてしまう欠点がある。
光化学反応を用いて酸化シリコン膜を作製した例とし
て、奥山らの「月刊Semiconductor World 1986年9月号
P.79−P.84」やその引用文献等があるが、この場合もジ
シランと酸素の直接的な反応で上記記載と同様の問題点
が生じている。
(発明が解決しようとする問題点) 以上のように、従来の方法では、オゾン+TEOS系、酸
素+DADBS系および酸素+TEOS系の各系では、枚葉式装
置として産業上必要とされる1μm/min程度の成膜速度
を得ることができない欠点があった。
また、この速い成膜速度が得られる、酸素原子+シラ
ン系では、反応が両気体の混合部で急速に生じるため、
混合部およびガスの流出部を冷却して反応を抑える方法
が必要となり、装置が複雑になり、しかも空間での反応
によるダストの発生を抑えることができないという欠点
があった。
また、マイクロ波放電で作製された酸素原子と、TMA
またはTMOSを併用する方法では、酸素活性種の量が不足
するため、TMAを用いた場合では炭素系の不純物を含ん
だ膜となり、TMOSを用いた場合はOH基を含んだ膜とな
り、ともに良質な膜が得られないという欠点があった。
(発明の目的) 本発明はこの問題を解決し、有機金属化合物とオゾン
を光化学的に活性化した酸素活性種を用いることによ
り、所定の温度に設定された被処理基体表面で所定の成
膜反応を生じ、高速でダストの少ない絶縁膜、誘電体膜
または保護膜を作製する装置と方法を提供することを目
的とする。
(問題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本願の第1の発明は、気
密に保つことが可能な処理室と、該処理室内に設置され
表面に所定の酸化膜を作製する基体と、該基体の温度を
調整する基体温度調整機構と、有機金属化合物を該処理
室内の該基体の全面空間に導入する有機金属化合物導入
機構とを備え、導入された有機金属化合物の気相反応に
利用されるオゾンを発生させるオゾン発生機構と、該オ
ゾン発生機構と該処理室とを連通して該オゾン発生機構
で発生したオゾンを該処理室に輸送する接続管とを備え
ており、該接続管は、所定の波長または波長帯の放射光
が通過する光学窓を有し、さらに、この光学窓を通して
接続管内のオゾンに照射する所定の波長または波長帯の
放射光を放射する光源が設けられている薄膜作製装置で
ある。
また本願の第2の発明は、気密に保つことが可能な処
理室と、該処理室内に設置され表面に所定の酸化膜を作
製する基体と、該基体の温度を調整する基体温度調整機
構と、有機金属化合物を該処理室内の該基体の全面空間
に導入する有機金属化合物導入機構とを備え、導入され
た有機金属化合物の気相反応に利用されるオゾンを発生
させるオゾン発生機構と、該オゾン発生機構で発生した
オゾンを該処理室に導入するオゾン導入機構とを備えて
おり、該処理室は、所定の波長または波長帯の放射光が
通過する光学窓を有し、さらに、この光学窓を通して接
続管内のオゾンに照射する所定の波長または波長帯の放
射光を放射する光源が設けられている薄膜作製装置であ
る。
また、本願の第3の発明は、有機金属化合物と、オゾ
ンを光化学的に活性化して得られた酸素活性種を原料気
体とし、それらの化学反応により所定の温度に設定され
た所定の基体の表面に酸化物を作製する薄膜作製方法で
ある。
(作用) 上記構成に係る本願の各発明では、有機金属化合物
と、オゾンを光化学的に活性化して得られた酸素活性種
との反応を利用して、所定の基体の表面に所定の薄膜が
作製される。
(実施例) オゾンを光化学的に活性化すると種々の酸素活性種が
生じる。(これについては、「日本化学会編 化学総説
No.39 無機光化学(1983)学会出版センターP.18−
P.19」やその引用文献に詳しい。) オゾンには850nm付近よりも短波長側に真空紫外領域
まで広く光吸収帯が存在する。
例えば、Chappuis帯(440−850nm)は基底状態のO3
光を吸収し、励起オゾンO31B1)を生じ、これが自己
解離して基底状態の酸素分子O2(X3Σg -)と基底状態の
酸素原子O(1D2)が生じる。
この吸収帯は可視光領域にあるため、光源、光学系窓
材の点で取り扱いが容易であるが、吸収の量子収率が非
常に小さい欠点がある。
実効的な吸収が存在するのはHartley帯(200−300n
m)である。(吸収係数については、奥山らの「月刊Sem
iconductor World 1986年9月号p.79図1」に記載され
ている) Hartley帯はオゾンの基底状態分子O31A1)がオゾン
の励起状態O31B2)となる遷移に相当し、O31B2)は
自己解離により励起酸素分子(σΔ)と励起酸素原
子(1D2)が生じる。
さらにこれらの活性種が基底状態の分子や原子も含め
複雑になって種々の活性種を多量に作製することができ
る。
従来のオゾンと有機金属化合物から酸化膜を作製する
過程で、酸化作用が弱いためにオゾンを多量に流す必要
があり、また成膜速度が遅かったり、膜中に炭素やOH基
が多量に残留したりしていた問題を、本発明は、上記の
反応を利用して酸化作用を強めることで解決した。
本願の第1の発明の実施例の薄膜作製装置の正面断面
図を第1図に示す。
21はステンレス製の処理室で、必要に応じて真空に引
いたり気密に保ったりが可能な構造となっている。また
加圧することも可能な構造となっている。11は、これか
らその表面に薄膜を作製せんとする基体である。
基体温度調整機構10(12,13,14等)について記述する
と、12は、基体11を保持し基体の温度制御を行なう基体
ホルダーである。13はヒーターで14は熱電対であって、
基体ホルダー12は、直径15cmで約450℃まで昇温可能で
ある。熱電対14によって基体ホルダー12の温度を測定
し、図示しない温度調節計とサイリスタユニットの併用
により、P、PI、PID制御または単なるリレーを用いたO
N、OFF制御により、ヒーター13に加える電力を加減して
基体ホルダー12の温度を調整する。必要なときはこの部
分に水冷等の冷却機構を併用する。
処理室21は直径約25cm、高さ約30cmの円筒形で、バル
ブ31を通して、メカニカルブースターポンプ32、油回転
ポンプ33を用いて真空に排気することが可能である。34
は真空計で、処理室21内の圧力が測定する。本実施例で
は、バルブ31の開閉を加減して処理室21の圧力を一定に
保った。
22はガス吹き出し板で、本願の出願人の出願になる特
願昭62−254268号「成膜装置および方法」の明細書中の
“分配板”に該当しており、その構造は前記明細書に詳
しく述べるものと同等であり、24はヒーターで、ガス吹
き出し板22を所定の温度に設定するためのもの、23は拡
散板であり、厚さ2mmの板に直径1mm前後の穴を多数密に
あけたものを用いている。
このガス吹き出し板22は、液化し易いTEOSを気体のま
まの状態で基体11の前面空間に均一性よく分配し吹き出
すもので、ここで加熱されていないとTEOSに結露を生
じ、プロセスガスの供給が不安定となって、成膜の安定
性、再現性に問題が生じる。
また、このガス吹き出し板22による加熱の別の効用と
して、プロセスガスに熱変性による中間生成物を生じ、
それが成膜に寄与することも考えられる(特願昭62−25
4268号「成膜装置および方法」参照)。但し、現在のと
ころそのメカニズムは明確化されていない。
次に有機金属導化合物入機構40について記述すると、
43はTEOSであって常温常圧では液体である。キャリアガ
スの窒素は、図示しない高圧ボンベから減圧弁、流量コ
ントローラを通して供給される(矢印45)。42はバブラ
ーで、液体の状態にあるTEOS43はバルブ44を通して導入
された窒素によりバブリングされて気化し、バルブ41、
前記のガス吹き出し板22を通して基体11の前面空間に導
かれる。
46は恒温槽を示す。バブリング温度を調整したり、液
化しやすいTEOSを、気体のままの状態に保つために、バ
ルブ41や配管を保温する。本実施例では、バブラー42の
容量は約1とし、それにTEOSを300gづつ充填して使用
した。次にもう一つのプロセスガスであるオゾンを光化
学的に活性化した酸素活性種の作製とその処理室21内へ
の導入について記述する。
まずオゾン発生機構50は次のように設定した。
51はオゾナイザーで一般的には音声放電を用いてオゾ
ンを作製する。矢印53は酸素の流れの方向で、バルブ52
を通してオゾナイザー51に原料酸素を供給する。
発生したオゾンは矢印55の方向に供給される。
54はバリアブルコンダクタンスバルブでオゾナイザー
51内の圧力と処理室21内の圧力に差をもたせる場合、こ
のバリアブルコンダクタンスバルブ54のコンダクタンス
を小さくすることにより実現できる。即ちオゾナイザー
51内の圧力(通常1気圧)に比較して処理室21内の圧力
を小さくする場合には、バリアブルコンダクタンスバル
ブ54を閉じる方向に調節してコンダクタンスを小さくす
るとよい。
次に、オゾン発生機構50と処理室21とを連通し、ここ
を通してオゾンを処理室21に導入する接続管60を示す。
接続管60の一部は透明石英ガラス製の光学窓56で構成さ
れている。
本実施例では光学窓56はパイプ状の形状であり、透明
石英ガラスの中でも合成石英ガラス(例えば、信越石英
株式会社のSUPRASIL−I、東芝セラミックス株式会社の
T−4040、日本石英硝子株式会社のES等)を用いた。
しかし合成石英ガラスでなくても、放射光の透過率が
やや減少するが、通常の透明石英ガラスを用いてもよ
い。
57は光源で、光源57から発した光は光学窓56を通して
接続管60内のオゾンを励起し光化学的に活性化し多量の
酸素活性種を生じる。光源57としては前記のChappuis帯
(440−850nm)を用いるのであればキセノンショートア
ークランプ(ウシオ電機製やオーク製作所製がある)等
がよい。この場合、可視光領域のため、光学窓56として
パイレックスガラスを用いてもよい。しかしながら、Ch
appuis帯を用いる方法は前述した通りオゾンが光を吸収
する効率が良くない欠点がある。本実施例ではオゾンの
大きな吸収帯のあるHartley帯(200−300nm)を有効に
利用するため、この付近の発光強度の強い低圧水銀ラン
プを用いた。このことによって多量の酸素活性種を作製
でき成膜に有効であることが分かった。
低圧水銀ランプはウシオ電機製、オーク製作所等で作
製したものを用いた。低圧水銀ランプは184.9nmと253.7
nmに主に強い発光が存在する。ここで酸素分子は250〜3
00nmに禁制遷移(X3Σg -→A3Σu +)に基づく弱い吸収帯
(Herzberg I帯)が存在するが、この吸収帯は禁制遷移
であり非常に弱く現実的には無視できる。
しかし175〜200nm帯にはX3Σg -→B3Σu -に基づくSchu
mann−Runge帯が非常に強い吸収帯として存在して酸素
分子を励起し酸素原子やオゾンを発生する。
本実施例では低圧水銀ランプの放電管の材質としてオ
ゾンフリー石英ガラスを用いた。(例えば、信越石英株
式会社のM235や東芝セラミックス株式会社のT−1130、
T−1170、T−2130等)。これらのオゾンフリー石英ガ
ラスは低圧水銀放電からの184.9nm光をカットし、253.7
nm光より長波長帯の透過は良好となっている。通常の透
明石英ガラスを用いると、低圧水銀ランプから184.9nm
光も放出され、この放射光により空気中の酸素分子が励
起しオゾンが大気に放出される。オゾンは健康上有害で
ある。
オゾン発生を防止するため、低圧水銀ランプ付近を窒
素でパージしたり、発生したオゾンの拡散を防ぐため局
所排気したりすることが必要である。
しかしこのオゾンフリー石英ガラスを用いることによ
ってオゾンの発生を微小におさえることが可能で、大気
にオゾンが拡散すること防止できた。また、253.7nm光
はオゾンフリー石英ガラスを用いてもその発光強度の減
少は小さく、接続管60内のオゾンを有効に活性化でき
る。
以上のように放電管の材質としてオゾンフリー石英ガ
ラス、接続管60の材質として合成石英ガラスを用いるこ
とにより、大気でのオゾン生成および大気へのオゾン拡
散を最少とし接続管60内のオゾンを有効に活性化するこ
とができた。
しかし、放電管の材質として、装置が複雑でランニン
グコストが上昇するが、窒素等で放電管周辺をパージす
れば、通常の透明石英ガラスまたは合成石英ガラスを用
いることもできる。
58は反射板で光源57から放出された放射光が外部に放
出されず有効利用されるようにした構造となっている。
オゾンを光化学的に活性化させて作製した酸素活性種
は、バルブ61を通り輸送管62内で有機金属化合物と混合
されガス吹き出し板22を通して基体11の前面空間に供給
する。
本実施例の装置を使用して本願の第3の発明の薄膜作
製方法を実施する実施例について説明すると、処理室21
内圧力500Torr、酸素流量10/mim、バブリング窒素流
量2/min、恒温槽46の温度80℃、ガス吹き出し板22の
温度80℃、基板ホルダー12の温度400℃、消費電力300W
の低圧水銀ランプ光を用いることによって、約1.1μm/m
inの成膜速度でNSG膜を得ることができた。このNSG膜は
赤外吸収分光法において炭素の混入が観測されず、OH基
も少ない良質膜であることが分かった。
この、約1.1μm/minの成膜速度で良質膜が得られたこ
とは工業上重要であって、枚葉式装置に必要とされてい
る1μm/minの成膜速度を満足するものである。
また第1図の装置のバルブ71を通して窒素キャリアの
リン酸トリメチルエステルを導入する。リン酸トリメチ
ルエステルは、図示しないバルラー内で流量コントロー
ルされた窒素によりバルリングされ輸送されてくる。バ
ブリング温度は60℃、窒素流量1.5/minである。処理
室内の圧力、TEOS等、他の条件を第1図の実施例と同様
にして、基体11の表面にリンが含有された酸化シリコン
膜、即ちPSG膜を1.0μm/minの速度で作製できた。
またリン酸トリメチルエステルの代わりにトリエトキ
シホウ素を用いてもよい。この場合は酸化膜中に添加元
素としてホウ素を含有させることができる。トリエトキ
シホウ素のバブリング温度を15℃、窒素流量の0.2/mi
nとし、他の条件を第1の実施例と同様にすることで、
基体11の表面にBSG膜を1.0μm/minの速度で作製でき
た。
また、リン酸トリメチルエステルとトリエトキシホウ
素を併用することにより、基体11の表面にBPSG膜を1.0
μm/minの速度で作製できた。
また、TEOSの代わりにDADBSを用いた場合でも、同様
にNSG膜、PSG膜、およびBPSG膜を作製できた。
また添加元素としてヒ素の場合、アルシンまたはトリ
エトキシアルシン、アンチモンの場合、トリエトキシア
ンチモンを用いてもよい。
また本発明の他の実施例として、有機金属化合物とし
て第1の実施例のTEOSの代わりに、タンタルメチラート
またはタンタルエチラート等のタンタルアルコラートを
用い、バブリング温度60〜160℃、基体ホルダー12の温
度450℃とすると、基体11の表面に酸化タンタルの膜が3
00Å/minの速度で作製できた。この酸化タンタル膜は、
主にデバイスのコンデンサー部の誘電体膜として使用さ
れ、必要とされる膜厚は250Å程度である。このため、
成膜は約1分で完了し産業上有用である。
以上の実施例では、減圧下での成膜例を示したが、プ
ロセス圧力は常圧乃至それ以上の加圧であってもよい。
特に平坦性を重視するNSG膜、PSG膜、BSG膜またはBPSG
膜の成膜は、圧力が高い方が平坦性が良好となる。但し
この場合膜中のOH基の含有量が増大する傾向にあり、そ
のためには酸素流量(即ち酸素活性種の量)を増大しな
くてはならない。
常圧ないしそれ以上の加圧の場合は、必要に応じてメ
カニカルブースターポンプ32と油回転ポンプ33は取り外
す。
なお、酸素活性種の量については、藤村らの「月刊Se
miconductor World 1988年7月号p.131−p.138」やそれ
に引用されている文献に詳しい。
これらの文献に見られるのと同様に、本実施例の場合
も、窒素や微量のフッ素系ガス(三フッ素窒素、フレオ
ン等)の添加は、膜中のOH基の減少につながり、良好な
結果を得ている。
しかしこの添加ガスが酸化膜に混入されて生じる酸化
膜の電気特性の安定性については、現時点で明確になっ
ていない。
本願の第3の発明の薄膜作製方法の他の実施例に使用
される第1の発明の他の実施例を第2図に示す。第1図
と同じ部材には同じ番号を付けてある。本実施例は第1
図の実施例のガス吹き出し板22を取り外した構造にした
ものである。こうした装置では、生成膜の膜厚や膜質の
分布が悪くなる欠点がある。しかし、有機金属化合物お
よび酸素活性種を直接導入できるため、より高速な成膜
(約2μm/min)が可能であった。膜厚、膜質分布をよ
くするためには基板を回転させると効果のあることが分
かっている。
第3図に第1の発明のさらに他の実施例を示した。第
1図と同じ部材には同じ番号を付けてある。
28は石英ガラス管(内径30cm、長さ80cm)よりなる処
理室で、その外部から電気炉(またはハロゲンランプか
らの放射光)81により基体11を加熱できるようになって
いる。82は石英ガラス製の基体ホルダーである。101は
ハッチであり、基体11を、矢印102の方向に基体ホルダ
ー82ごと出し入れできる構造となっている。
92は逆止弁であって矢印91の方向にのみ気体を排気で
きる構造となっている。バルブ62を設けないで、石英ガ
ラスと一体にして処理室28と光学窓56を作製してもよ
い。
本実施例では多数枚数のウェハーを一挙に処理できる
利点がある。処理室28はこれを縦型構造にしてもよく、
その場合は基体11の温度分布性が改善されてより均一性
のより膜を作製できる可能性がある。
また、第1図、第2図、第3図に示した実施例では、
有機金属化合物導入機構40にバブラー42を用いたが、バ
ブリングによらず、単に有機金属化合物の蒸気圧を利用
して気化させ流量をコントロールして処理室21,28内に
導入するような構造にしてもよいし、また強制的に気化
させる気化器を設置してもよい。加圧下で成膜を行なう
場合は特に気化器の併用が有効である。
なおまた、有機金属化合物のキャリアガスとして窒素
を例にとって記述したが、アルゴン、ヘリウム等の不活
性ガスやその他反応性の低い気体であれば良い。
また、本発明の第2の発明の実施例を第4図に示し
た。第1〜3図と同じ部材には同じ番号をつけている。
本実施例は、光照射機構80として処理室21の一部に光
学窓81を設置し光源82から発せられた放射光を処理室21
内に導入し、基体11の表面および基体11の前面空間に照
射することが可能な構造となっている。83は反射板で、
放射光を有効に処理室21内に導入可能にするためのもの
である。
この場合も第1の発明と同様に、光源82として低圧水
銀ランプが有効であった。またその放電管の材質の効果
や光学窓81の材質の効果は同様であった。
ただ184.9nmの放射光を併用した場合、基体11の表面
での反応のみならず、基体11の前面空間においてオゾン
のみならずTEOS等の有機金属化合物をも活性化すること
が可能である。この場合、NSG膜の成膜速度で第1の実
施例の1.5倍に増大した。しかし多少OH基の含有量が増
大している。
放電管の材質としてオゾンフリー石英ガラスを用いて
184.9nm光をカットし、主に253.7nm光により処理を行な
った場合、通常の透明石英ガラスの放電管よりなる光源
82を使用した場合に比べて、成膜速度は変わらなかった
が、膜中のOH基の含有量が減少し、より良い膜を得るこ
とができた。これは膜中に含まれるOH基が240nm付近の
広い波長域の光で分解される。低圧水銀ランプでは253.
7nmに強い発光があり、この光によってOH基が効率よく
分解され、含有OH基の少ない膜を得ることができたもの
である。PSG膜、BSG膜、酸化タンタル膜等も同様に有効
であった。
また本発明に類似した装置を用いた例に特開昭61−77
695号公報「気相成長方法」がある。その明細書の第2
図に示されている装置は、本実施例の装置と類似してい
るが、その効果は大きく異なる。その水銀ランプ26は反
応容器14中に導入した酸素分子をオゾンに変えるために
用いるものであって、184.9nm光を利用することが不可
欠である。
各実施例の装置では、オゾナイザー51を別に設置し無
声放電により効率よくオゾンを発生し処理室21内でオゾ
ンを光化学的に活性化し、酸素活性種を作製し、またそ
れを用いて成膜するものである。このため各実施例の主
な有効成分は、オゾンの吸収帯と合った低圧水銀ランプ
の253.7nm光であり、前述のように成膜速度の点から18
4.9nmを併用することは有効であるが、その反面膜質の
点では184.9nmは有害となる。
酸素分子の活性化を目的とした特開昭61−77695号公
報の発明の方法とは本質的に異なるものである。
また本願の第2の発明の他の実施例を第5図に示し
た。
ガス吹き出し板22の代わりに吹き出しリング27を用い
た構造となっている。ガス吹き出し板22の加熱構造を取
り除いた構造となっているため、成膜は多少不安定とな
るが、装置構造が単純化できる利点がある。
また、本願の第2の発明のさらに他の実施例を第6図
に示した。
aは実施例の正面断面図で、bはaのA−A′断面図
である。111はハロゲンランプで基体11の温度を設定す
るためのものである。112は光源で、本実施例では低圧
水銀ランプを用いている。このような装置を用いると一
度に多量の処理を有効に行なうことができる。
(発明の効果) 有機金属化合物と、オゾンを光化学的に活性化して得
られた酸素活性種を原料気体とし、それらの化学反応に
より所定の温度に設定した基体の表面に酸化膜を作製す
ることが可能で、高速に良質の膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願の第1の発明の実施例の薄膜作製装置の正
面断面図、第2図は第1の発明の他の実施例の薄膜作製
装置の正面断面図、第3図は第1の発明のさらに他の実
施例の薄膜作製装置の正面断面図である。また、第4図
は本願の第2の発明の実施例の薄膜作製装置の正面断面
図、第5図は第2の発明の他の実施例の薄膜作製装置の
正面断面図、第6図は第2の発明のさらに他の実施例の
薄膜作製装置の正面断面図である。 10……基体温度調整機構、11……基体、12……基体ホル
ダー、21……処理室、22……ガス吹き出し板、33……油
回転ポンプ、40……有機金属化合物導入機構、42……バ
ブラー、50……オゾン発生機構、51……オゾナイザー、
54……バリアブルコンダクタンスバルブ、56……光学
窓、57……光源、60……接続管、81……電気炉、101…
…ハッチ、112……光源。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−76870(JP,A) 特開 昭63−83275(JP,A) 特開 昭53−131300(JP,A) 特開 昭63−219585(JP,A) 特開 昭61−165942(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 16/00 - 16/56

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密に保つことが可能な処理室と、該処理
    室内に設置され表面に所定の酸化膜を作製する基体と、
    該基体の温度を調整する基体温度調整機構と、有機金属
    化合物を該処理室内の該基体の全面空間に導入する有機
    金属化合物導入機構とを備え、導入された有機金属化合
    物の気相反応に利用されるオゾンを発生させるオゾン発
    生機構と、該オゾン発生機構と該処理室とを連通して該
    オゾン発生機構で発生したオゾンを該処理室に輸送する
    接続管とを備えており、該接続管は、所定の波長または
    波長帯の放射光が通過する光学窓を有し、さらに、この
    光学窓を通して接続管内のオゾンに照射する所定の波長
    または波長帯の放射光を放射する光源が設けられている
    ことを特徴とする薄膜作成装置。
  2. 【請求項2】該有機金属化合物がテトラエトキシシラン
    であり、該酸化膜が酸化シリコン膜であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の薄膜作製装置。
  3. 【請求項3】該光源が低圧水銀ランプであって、該光学
    窓が石英ガラスおよびサファイアまたはそのどちらか一
    方であることを特徴とする特許請求の範囲第1または2
    項記載の薄膜作製装置。
  4. 【請求項4】該低圧水銀ランプの放電管の材質がオゾン
    フリー石英ガラスであることを特徴とする特許請求の範
    囲第3項記載の薄膜作製装置。
  5. 【請求項5】気密に保つことが可能な処理室と、該処理
    室内に設置され表面に所定の酸化膜を作製する基体と、
    該基体の温度を調整する基体温度調整機構と、有機金属
    化合物を該処理室内の該基体の全面空間に導入する有機
    金属化合物導入機構とを備え、導入された有機金属化合
    物の気相反応に利用されるオゾンを発生させるオゾン発
    生機構と、該オゾン発生機構で発生したオゾンを該処理
    室に導入するオゾン導入機構とを備えており、該処理室
    は、所定の波長または波長帯の放射光が通過する光学窓
    を有し、さらに、この光学窓を通して接続管内のオゾン
    に照射する所定の波長または波長帯の放射光を放射する
    光源が設けられていることを特徴とする薄膜作成装置。
  6. 【請求項6】該有機金属化合物がテトラエトキシシラン
    であり、該酸化膜が酸化シリコン膜であることを特徴と
    する特許請求の範囲第5項記載の薄膜作製装置。
  7. 【請求項7】該光源が低圧水銀ランプであって、該光学
    窓が石英ガラスおよびサファイアまたはそのどちらか一
    方であることを特徴とする特許請求の範囲第5または6
    項記載の薄膜作製装置。
  8. 【請求項8】該低圧水銀ランプの放電管の材質がオゾン
    フリー石英ガラスであることを特徴とする特許請求の範
    囲第7項記載の薄膜作製装置。
  9. 【請求項9】有機金属化合物と、オゾンを光化学的に活
    性化して得られた酸素活性種を原料気体とし、それらの
    化学反応により所定の温度に設定された所定の基体の表
    面に酸化物を作製することを特徴とする薄膜作製方法。
JP1013569A 1989-01-23 1989-01-23 薄膜作製装置および方法 Expired - Lifetime JP2786224B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1013569A JP2786224B2 (ja) 1989-01-23 1989-01-23 薄膜作製装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1013569A JP2786224B2 (ja) 1989-01-23 1989-01-23 薄膜作製装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02194177A JPH02194177A (ja) 1990-07-31
JP2786224B2 true JP2786224B2 (ja) 1998-08-13

Family

ID=11836797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1013569A Expired - Lifetime JP2786224B2 (ja) 1989-01-23 1989-01-23 薄膜作製装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2786224B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5824374B2 (ja) * 1977-10-03 1983-05-20 ティーディーケイ株式会社 酸化珪素被膜作製方法
JPS5976870A (ja) * 1982-10-25 1984-05-02 Seiko Epson Corp 酸化膜の化学蒸着法
JPS61165942A (ja) * 1985-01-18 1986-07-26 Ushio Inc 放電灯の石英製管球
JPH062948B2 (ja) * 1986-09-27 1994-01-12 東京エレクトロン株式会社 被処理体の処理方法
JPS63219585A (ja) * 1987-03-06 1988-09-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 非晶質薄膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02194177A (ja) 1990-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6596343B1 (en) Method and apparatus for processing semiconductor substrates with hydroxyl radicals
US7488693B2 (en) Method for producing silicon oxide film
JP5401309B2 (ja) ギャップ充填と共形のフィルムの適用のために低k膜を堆積させ硬化する方法
US5710079A (en) Method and apparatus for forming dielectric films
US6150265A (en) Apparatus for forming materials
US20020119327A1 (en) Silicon based films formed from iodosilane precursors and method of making the same
US5225378A (en) Method of forming a phosphorus doped silicon film
JPH03286531A (ja) シリコン酸化膜の形成方法
US6335277B2 (en) Method for forming metal nitride film
JPS60245217A (ja) 薄膜形成装置
JP2786224B2 (ja) 薄膜作製装置および方法
JP2002517912A (ja) TiドープTa2O5層を形成する方法及び装置
JP2008187187A (ja) 低誘電率膜およびその成膜方法並びにその膜を用いた電子装置
KR20020025004A (ko) 반도체 박막을 형성하는 공정 및 장치
JP2891383B2 (ja) Cvd装置
JPH0660408B2 (ja) 薄膜作製方法および装置
US5990006A (en) Method for forming materials
US7763327B2 (en) Methods using ozone for CVD deposited films
JPH03274275A (ja) 有機金属ガス利用薄膜形成装置
JPS61216449A (ja) パタ−ン薄膜形成方法及びその装置
JPH07335576A (ja) 薄膜作製方法および薄膜作製装置
CN113818002B (zh) 一种薄膜制备方法
JPH0674502B2 (ja) 半導体装置
JPS6118125A (ja) 薄膜形成装置
JPS6052579A (ja) 光学的窒化膜形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080529

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080529

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090529

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090529

Year of fee payment: 11