JP2785528B2 - 車両用ナビゲーション装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乗員に目的地までの最
適経路や種々の道路交通情報を提供する車両用ナビゲー
ション装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両の現在位置周辺の道路地図上に、目
的地までの誘導経路や、交通渋滞，道路工事，交通規制
などの動的交通情報を表示する車両用ナビゲーション装
置が知られている。図８は、従来の車両用ナビゲーショ
ン装置の構成を示すブロック図である。ロケーター部１
は、地磁気センサー２からの車両の移動方向，車輪速セ
ンサー３からの移動距離，およびＣＤ−ＲＯＭ４から読
み込んだ地図情報の道路データに基づいて車両が現在ど
の道路を走行しているかを周知のマップマッチング手法
により判定し、現在位置情報を含む地図データを表示制
御部５へ送る。表示制御部５は、ＣＤ−ＲＯＭ４から一
方通行，右折禁止などの静的交通情報を読み込み、ロケ
ーター部１からの現在地情報を含む地図データに合成し
てディスプレイ６に表示する。この表示例を図９に示
す。なおキーボード７は、乗員が目的地などの情報を入
力するために使用される。

【０００３】図１０は、他の従来装置を示すブロック図
である。この装置では、図８に示す装置にアンテナ８お
よび受信機９を加え、路上ビーコンから送信される交通
渋滞，道路工事，交通規制などの動的交通情報や、ＣＤ
−ＲＯＭ４に記憶されていない交差点の行き先案内標識
などの静的交通情報を受信する。そして、表示制御部５
は、上述した現在地情報を含む地図データに、交通渋
滞，道路工事，交通規制などの動的交通情報および一方
通行，右折禁止，案内標識などの静的交通情報を合成し
てディスプレイ６に表示する。この表示例を図１１に示
す。なお図１１に示すように、交通渋滞表示は、渋滞発
生場所が道路の上り線か下り線かを明確に表示するた
め、道路に沿って進行方向左側に表示する。また交差点
の行き先案内標識は、表示画面の支障のない部分にスポ
ット表示する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用ナビゲーション装置では、小さなディ
スプレイ画面上に表示された車両周辺の地図上に、必ず
しも乗員に必要でない情報を含むすべての動的交通情報
を合成して表示しているので、画面が煩雑になり見ずら
いという問題がある。

【０００５】本発明の目的は、現在走行中の道路に関わ
る交通情報を選択して地図上に表示し、見やすい画面表
示を行なう車両用ナビゲーション装置を提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】クレーム対応図である図
１に対応づけて本発明を説明すると、本発明は、車両の
現在位置を検出する現在位置検出手段１００と、道路地
図データを記憶する地図記憶手段１０１と、少なくとも
交通渋滞，道路工事，交通規制の情報を含む道路交通情
報を入力する道路交通情報入力手段１０２と、現在位置
検出手段１００で検出された車両の現在位置と地図記憶
手段１０１に記憶されている道路地図データとに基づい
て車両が現在走行中の道路を検出する道路検出手段１０
３と、道路交通情報入力手段１０２で入力された道路交
通情報の中から道路検出手段１０３により検出された走
行中の道路に関わる道路交通情報を抽出する情報抽出手
段１０４と、地図記憶手段１０１から車両の現在位置周
辺の道路地図データを読み出し、その道路地図データに
情報抽出手段１０４で抽出された道路交通情報を対応づ
けて表示する表示手段１０５とを備え、これにより、上
記目的を達成する。

【０００７】

【作用】道路検出手段１０３は、車両の現在位置と道路
地図データとに基づいて車両が現在走行中の道路を検出
し、情報抽出手段１０４は、道路交通情報の中から走行
中の道路に関わる情報を抽出し、表示手段１０５は、車
両の現在位置周辺の道路地図データに走行中の道路に関
わる道路交通情報を対応づけて表示する。

【０００８】

【実施例】図２は、一実施例の構成を示すブロック図で
ある。なお、上述した図８，図１０に示す従来装置と同
様な機器に対しては同符号を付して相違点を中心に説明
する。ロケーター部１は、上述したように、地磁気セン
サー２からの車両の進行方向データ、車輪速センサー３
からの走行距離データ、およびＣＤ−ＲＯＭ４からの地
図データに基づいて車両の現在位置を検出し、この現在
位置情報を含む地図データを情報処理部１１へ送る。ま
た、アンテナ８および受信機９は、路上ビーコンから送
信される交通渋滞，道路工事，交通規制などの動的交通
情報と、ＣＤ−ＲＯＭ４に記憶されていない交差点の行
き先案内標識などの静的交通情報とを受信して情報処理
部１１へ送る。情報処理部１１は、ＣＤ−ＲＯＭ４から
一方通行，右折禁止などの静的交通情報を読み出し、こ
の情報および上述したロケーター部１および受信機９か
ら送られた動的および静的交通情報の中から現在走行中
の道路に関わる交通情報を検索する。これらの情報は地
図データとともに表示制御部５へ送られ、表示制御部５
は、これらの情報を車両周辺の道路地図上に合成してデ
ィスプレイ６に表示する。なお、ロケーター部１，表示
制御部５および情報処理部１１は、マイクロコンピュー
ターおよびその周辺部品から構成され、後述する制御プ
ログラムを実行して表示制御を行なう。

【０００９】図３は、表示制御プログラム例を示すフロ
ーチャートであり、このフローチャートにより実施例の
動作を説明する。ステップＳ１で、目的地を設定するか
否かを判別する。通常、車両の走行パターンは次の２つ
に大別される。 （１）目的地を設定せずに自由に走行する。 （２）目的地を設定し、目的地までの最適経路を選択し
ながら走行する。 従って、乗員がいずれの走行パターンで車両を運行する
かを、目的地を設定するか否かにより判断する。以下で
は、まず（１）の場合、続いて（２）の場合の動作を説
明する。

【００１０】（１）の場合は、乗員が目的地を設定して
いないため、ナビゲーション装置では最適経路を計算す
ることができない。そこでこの場合は、現在車両が走行
中の道路をもとに乗員に必要な交通情報を表示する。ス
テップＳ４で、地磁気センサー２からの移動方向，車輪
速センサー３からの移動距離，およびＣＤ−ＲＯＭ４か
ら読み込んだ地図情報に基づいて車両の現在地を計算す
る。なお、ＧＰＳレシーバにより衛星から送られる信号
を受信して現在位置を検出するようにしてもよい。

【００１１】次にステップＳ５で、路上ビーコンから送
信される交通渋滞，道路工事，交通規制などの動的交通
情報および案内標識などの静的交通情報を、アンテナ８
および受信機９によって受信する。ステップＳ６で、目
的地が設定されているか否かを判別する。目的地を設定
せずに自由走行する（１）の場合は、当然目的地は設定
されていないのでステップＳ１２へ進み、地図情報の道
路データから現在走行中の道路が国道または県道か否か
を判別し、国道または県道の場合はステップＳ１３へ進
み、そうでない場合はステップＳ１１へ進む。ステップ
Ｓ１３で、現在走行中の国道または県道を終点まで走行
すると仮定し、続くステップＳ１０で、この道路の先に
ある交差点から分岐する道路、あるいはこの道路に合流
する道路に関する情報だけを検索する。なおこの時、走
行中の国道または県道から分岐またはそれらへ合流する
道路から、一方通行の出口や右折禁止などの右左折でき
ない道路が検索された時は、通行できない道路として他
の道路と異なる図柄または異なる表示色で表示する。次
にステップＳ１１で、これらの情報を車両の現在位置周
辺の道路地図上に重ねてディスプレイ６に表示する。こ
の表示例を図４に示す。なお走行中の道路に交通渋滞が
ある時は、図５に示すように表示画面上部にこの渋滞に
関するスポット表示を行なう。

【００１２】ステップＳ１２で、現在走行中の道路が国
道または県道ではないと判別された時は、市道，町道，
村道，私道，細街路などを走行している時である。この
場合は、乗員がどの方向に進行するか予測できない上
に、自動車工業会の自主規制によって走行中は細街路の
表示を行なわないことになっているので、ステップＳ１
１へ進んで従来と同様に特に交通情報を選択せずに表示
する。なお高速道路または自動車専用道路では、一方通
行，右折禁止，案内標識などの静的交通情報がないので
これに関する表示は行なわない。高速道路または自動車
専用道路の動的交通情報に関しては、上述した国道また
は県道の場合と同様に現在走行中の道路に関わる交通情
報を選択して表示する。

【００１３】次に、上記（２）の場合は、ステップＳ２
で、キーボード７によって設定された目的地を入力し、
続くステップＳ３で、所用時間，走行距離あるいは経済
性などを考慮して目的地までの最適経路を計算する。次
に上述したように、ステップＳ４で現在位置を計算し、
ステップＳ５で路上ビーコンからの交通情報を受信す
る。その後、ステップＳ６からステップＳ７へ進み、上
記ステップで計算された最適経路上を走行しているか否
かを判別し、最適経路上を走行していればステップＳ８
へ進み、そうでなければステップＳ９へ進む。ステップ
Ｓ９では、上記ステップで計算された最適経路を走行し
ていないので、ふたたび最適経路の計算を行なう。ステ
ップＳ８では、目的地に到着したか否かを判別し、目的
地に到着したらこの制御プログラムの実行を終了し、ま
だ到着していなければステップＳ１０へ進む。ステップ
Ｓ１０で、最適経路から分岐する道路、あるいは最適経
路へ合流する道路に関する交通情報だけを検索し、続く
ステップＳ１１で、それらの情報を車両周辺の道路地図
上に表示する。この表示例を図６に示す。なお、計算さ
れた最適経路上に交通渋滞がある時は、上述したように
その渋滞情報をスポット表示する。

【００１４】なお、路上ビーコンから得られた行き先案
内標識などの静的交通情報は、最適経路上の分岐点また
は合流点だけで表示する。また、図１１に示すような行
く先案内標識に対して最適経路が右折の場合、右折側の
行く先地名が例えば「新橋」と表示されており、乗員の
目的地である例えば「千葉」と異なる。最適経路では
「新橋」を経由して目的地である「千葉」へ向うのであ
るが、このような行く先地名の表示では乗員に誤解や不
安感を与える可能性があり、図７に示すように通常の行
き先地名「新橋」の下に乗員の目的地である「千葉方
面」の地名表示を合わせて行なう。

【００１５】このように、道路交通情報の中から車両が
現在走行中の道路に関わる情報を抽出して車両周辺の道
路地図上に対応づけて表示するようにしたので、乗員が
必要とする情報だけが表示され、表示画面が見やすくな
る。

【００１６】以上の実施例の構成において、地磁気セン
サー２および車輪速センサー３が現在位置検出手段を、
ＣＤ−ＲＯＭ４が地図記憶手段を、アンテナ８および受
信機９が道路交通情報入力手段を、ロケーター部１が道
路検出手段を、情報処理部１１が情報抽出手段を、表示
制御部５およびディスプレイ６が表示手段をそれぞれ構
成する。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の現在位置と道路地図データとに基づいて車両が現在
走行中の道路を検出し、入力された道路交通情報の中か
ら走行中の道路に関わる情報を抽出して車両周辺の道路
地図上に対応づけて表示するようにしたので、常に乗員
が必要な道路交通情報だけが表示され、表示画面が見や
すくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】クレーム対応図。

【図２】一実施例の構成を示すブロック図。

【図３】制御プログラム例を示すフローチャート。

【図４】現在走行中の道路に関わる道路交通情報を表示
する車両用ナビゲーション装置の表示例を示す図。

【図５】現在走行中の道路に交通渋滞がある場合の車両
用ナビゲーション装置の表示例を示す図。

【図６】目的地までの最適経路に関わる交通情報を表示
する車両用ナビゲーション装置の表示例を示す図。

【図７】表示地図上に行き先案内標識を表示する車両用
ナビゲーション装置の表示例を示す図。

【図８】従来の車両用ナビゲーション装置の構成を示す
ブロック図。

【図９】図８に示す従来の車両用ナビゲーション装置の
表示例を示す図。

【図１０】他の従来の車両用ナビゲーション装置の構成
を示すブロック図。

【図１１】図１０に示す従来の車両用ナビゲーション装
置の表示例を示す図。

【符号の説明】 １ ロケーター部 ２ 地磁気センサー ３ 車輪速センサー ４ ＣＤ−ＲＯＭ ５ 表示制御部 ６ ディスプレイ ７ キーボード ８ アンテナ ９ 受信機 １００ 現在位置検出手段 １０１ 地図記憶手段 １０２ 道路交通情報入力手段 １０３ 道路検出手段 １０４ 情報抽出手段 １０５ 表示手段

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両の現在位置を検出する現在位置検出手
   段と、 道路地図データを記憶する地図記憶手段と、 少なくとも交通渋滞，道路工事，交通規制の情報を含む
   道路交通情報を入力する道路交通情報入力手段と、 前記現在位置検出手段で検出された前記車両の現在位置
   と、前記地図記憶手段に記憶されている前記道路地図デ
   ータとに基づいて、前記車両が現在走行中の道路を検出
   する道路検出手段と、 前記道路交通情報入力手段で入力された前記道路交通情
   報の中から、前記道路検出手段により検出された走行中
   の道路に関わる道路交通情報を抽出する情報抽出手段
   と、 前記地図記憶手段から前記車両の現在位置周辺の道路地
   図データを読み出し、その道路地図データに前記情報抽
   出手段で抽出された道路交通情報を対応づけて表示する
   表示手段とを備えることを特徴とする車両用ドライブガ
   イド装置。