JP2785516B2 - アイロン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は衣類等のしわ伸ばしを行
うアイロン装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のアイロン装置は、例えば
特開昭５８−２９４９８号公報に示されているように図
４のような構造になっていた。

【０００３】すなわち、給水台１にアイロン２を載置す
る載置部３と水タンク４を設け、上記載置部３にアイロ
ン２を載置することにより、前記給水台１の水タンク４
とアイロン２のタンクとの水頭差を利用して、同アイロ
ン２内のタンクに水が供給されるようになっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
造のものでは、アイロンの後部に設けた注水口を前記給
水台の載置部上に設けた給水口に嵌合させると、給水台
の水タンクとアイロン内のタンクの水頭差によって水が
供給されることから、水頭差や接続部の嵌合の度合によ
って水の供給される時間が変化し、十分な給水が行われ
る前に作業者がアイロンを取り外してしまい、アイロン
がけ作業中にアイロン本体内の水がなくなってしまうと
いう不都合が生じていた。

【０００５】したがって、アイロンがけ作業中の小休止
時に、作業者は常にアイロン本体内のタンクへの水の供
給が完了したかどうかの確認をする必要があり、極めて
作業性が悪いという問題があった。

【０００６】また、アイロンがけ作業が終了してアイロ
ン装置を収納する際に、アイロン本体内に水が残ってい
た場合に水漏れが生じたり、スチームを出さずにアイロ
ンがけ作業を行いたい時にでも、アイロン本体内に水が
残っているためにスチームが噴出してしまうという問題
もあった。

【０００７】そこで、本発明は上記従来の問題点を解決
し、アイロンがけ作業性を高めた使い勝手のよいアイロ
ン装置を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成
するために本発明は、ヒータによって加熱されるベー
ス、このベースに形成した気化室、この気化室に連結し
たタンクを有するアイロン本体と、このアイロン本体を
載置するスタンドを備え、前記スタンドには前記アイロ
ン本体のタンクに供給する水を貯える貯水タンクと、こ
の貯水タンク内の水を前記アイロン本体のタンクに供給
する給水装置と、前記アイロン本体のタンクの水を貯水
タンクに戻す排水装置を設け、設定手段によりアイロン
がけを設定すると、前記アイロン本体をスタンドに載置
している状態で前記給水装置を駆動して前記タンク内に
アイロンがけに十分な水を供給し、設定手段によりアイ
ロンがけ作業を終了を設定すると、前記アイロン本体を
スタンドに載置している状態 で前記排水装置を駆動させ
てタンク内の残水を排水し、かつ前記給水装置および排
水装置の駆動状態を表示装置により表示するものであ
る。

【０００９】

【作用】本発明のアイロン装置は、上記構成により、設
定手段によりアイロンがけを設定すると給水装置を駆動
させ、この給水装置の駆動中は表示装置により給水中で
あることが表示できるようになる。これにより作業者は
給水装置が駆動中であることを知ることができるように
なるのである。

【００１０】また、設定手段によりアイロンがけ作業を
終了を設定してアイロンがけ作業を終了して収納すると
きには、排水装置が駆動してアイロン本体内のタンク中
の水を排水する。この間表示装置が排水中であることが
表示できるようになり、作業者は排水が完了したことを
確認してから収納できるようになるのである。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづ
いて説明する。図１〜図３において、１０はアイロン本
体で、スチームを発生するための気化室１１を形成した
ベース１２、このベース１２を加熱するヒータ１３、前
記ベース１２の温度を検知するサーミスタ等の温度検知
手段１４、前記気化室１１に連結したタンク１５、この
タンク１５に水を供給するための注水口１６、前記温度
検知手段１４の出力信号を処理し信号端子１７に出力す
る複数の電子部品により構成された温度信号処理手段１
８、前記ヒータ１３に接続された給電ピン１９を有して
いる。

【００１２】２０は前記アイロン本体１０を載置するス
タンドで、アイロン本体１０の信号端子１７および給電
ピン１９と各々接続される複数の給電端子２１、前記ア
イロン本体１０の注水口１６と接続される給水口２２、
水を貯える貯水タンク２３、この貯水タンク２３に貯え
られた水を前記給水口２２、注水口１６を介して前記タ
ンク１５に供給するためのポンプ等で構成された給水装
置２４、タンク１５の水を貯水タンク２３に戻す排水装
置２５、前記温度信号処理手段１８の出力信号を受けて
前記ヒータ１３への通電および前記給水装置２４、排水
装置２５の駆動を制御する複数の電子部品により構成さ
れた制御手段２６が設けられている。

【００１３】さらに上記スタンド２０には、前記ベース
１２を任意の温度に設定してアイロンがけを設定し、か
つ、アイロンがけ作業の終了を設定するための温度設定
手段２７、設定された温度の状態をＬＥＤ等で表示する
温度表示手段２８、前記給水装置２４と前記排水装置２
５の駆動状態を表示する表示装置２９、前記アイロン本
体１０が載置部の所定の位置に載置されたことを検知す
るリミットスイッチ等で構成された載置検知手段３０を
有している。

【００１４】次に、この一実施例の構成における作用を
説明する。まず、アイロンがけを行うには、アイロン本
体１０をスタンド２０の載置部に載置して電源を投入
し、スタンド２０の温度設定手段２７を操作して前記ベ
ース１２を任意の温度に設定すると、ベース１２にある
温度検知手段１４の出力に応じて温度信号処理手段１８
からの信号が信号端子１７を介してスタンド２０の中の
制御手段２６に伝えられる。

【００１５】制御手段２６は、伝えられた信号からベー
ス１２の温度を知り、温度設定手段２７により設定され
た値と比較する。比較した結果、ベース１２の温度が設
定値よりも高ければ制御手段２６はヒータ１３への通電
をせず、逆に低ければ給電ピン１９、給電端子２１を介
してヒータ１３への通電を行なう。その結果、ベース１
２の温度は設定された温度にまで上昇する。

【００１６】さらに、制御手段２６は、温度設定手段２
７によって設定されたのがスチームの設定であるときに
は給水装置２４を駆動させてスタンド２０の貯水タンク
２３の水を給水口２２、注水口１６を介してタンク１５
に注水すると同時に表示装置２９に給水装置２４が駆動
中であることを表示する。

【００１７】作業者は、この表示を見て給水装置２４が
駆動中であることを知り、給水が終了してからアイロン
がけ作業を開始するのである。このことにより、十分に
給水が行われてからアイロンがけすることができる。

【００１８】次に、アイロンがけ作業が終了してアイロ
ン装置を収納する場合、作業者は温度設定手段２７を操
作する。この場合には、制御手段２６はヒータ１３への
通電を止め、同時に排水装置２５を駆動させ、表示装置
２９に表示する。

【００１９】また、スチームの設定からドライの設定に
変えた場合も排水装置の駆動中は、表示装置が駆動中で
あるとの表示を行なうことができる。

【００２０】なお、上記実施例では給水装置あるいは排
水装置の駆動の表示をＬＥＤを用いて行なう例を示した
が、ＬＣＤ等での表示のほか、報知手段を用いてもよ
く、要は、作業者が給水あるいは排水を行なっていると
分かればよい。

【００２１】また、上記実施例では表示装置と温度表示
手段を各々独立して設けているが、給水装置あるいは排
水装置の駆動状態が分かるように表示すればこれらを共
用してもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明は、アイロン本体が
スタンドに載置されていて給水あるいは排水を行なって
いる時に、給水装置あるいは排水装置が駆動しているこ
とを表示する表示装置を設けたことにより、作業者は上
記装置が駆動中であることを知ることができる。したが
って、給水が確実に行われてからアイロンがけ作業が開
始できるため、使用中にスチームの噴出が停止すること
もなく能率よく作業が行える。

【００２３】また、アイロンがけ作業が終了時も、作業
者は排水が完了したことを確認してから収納できる。し
たがって、漏水による感電などの危険を防止して安全性
を高めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示したアイロン装置の斜視
図

【図２】同要部断面図

【図３】同表示装置の表示例を示したタイミングチャー
ト図

【図４】従来のアイロン装置の要部断面図

【符号の説明】

１０ アイロン本体 １１ 気化室 １２ ベース １３ ヒータ １５ タンク １６ 注水口 ２０ スタンド ２３ 貯水タンク ２４ 給水装置 ２５ 排水装置 ２６ 制御手段 ２９ 表示装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 和久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中田 清一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平３−112600（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−118100（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−286198（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−102700（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−66400（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−106399（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−13997（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) D06F 75/14,75/26,75/40,79/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒータによって加熱されるベース、この
   ベースに形成した気化室、この気化室に連結したタンク
   を有するアイロン本体と、このアイロン本体を載置する
   スタンドを備え、前記スタンドには前記アイロン本体の
   タンクに供給する水を貯える貯水タンクと、この貯水タ
   ンク内の水を前記アイロン本体のタンクに供給する給水
   装置と、前記アイロン本体のタンクの水を貯水タンクに
   戻す排水装置を設け、設定手段によりアイロンがけを設
   定すると、前記アイロン本体をスタンドに載置している
   状態で前記給水装置を駆動して前記タンク内にアイロン
   がけに十分な水を供給し、設定手段によりアイロンがけ
   作業を終了を設定すると、前記アイロン本体をスタンド
   に載置している状態で前記排水装置を駆動させてタンク
   内の残水を排水し、かつ前記給水装置および排水装置の
   駆動状態を表示装置により表示するアイロン装置。