JP2785504B2 - 歯車の歯当り品質判定方法 - Google Patents

歯車の歯当り品質判定方法

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JP2785504B2
JP2785504B2 JP3045545A JP4554591A JP2785504B2 JP 2785504 B2 JP2785504 B2 JP 2785504B2 JP 3045545 A JP3045545 A JP 3045545A JP 4554591 A JP4554591 A JP 4554591A JP 2785504 B2 JP2785504 B2 JP 2785504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は噛合すべき一対の歯車の
歯当りを適正にするため、これら歯車の歯当り位置を定
量化して歯当り品質を短時間かつ高精度で判定する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車の歯当りについての判定を行う従来
の方法としては、例えば特開昭60−82905号公報
に記載されたものがある。この従来方法は、噛合する一
対の歯車の一方の歯車の歯面に塗布した塗料の、噛合駆
動後の剥離状態または転写状態をビデオカメラ等により
撮像し、得られた画像を画像処理して所定の評価パラメ
ータを求め、この評価パラメータに基づき歯当りの良否
や品質等級を判定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に歯車の歯当り品
質を判定するに際し、JIS B 1741に示されているよう
に、歯すじ方向および歯たけ方向の歯当りの割合が重要
な評価項目となるのは勿論であるが、歯すじ方向および
歯たけ方向の歯当り位置(以下、夫々「歯当りポジショ
ン」、「歯当りの浮き沈み」と称す)も極めて重要な評
価項目となる。すなわち、上記歯当りの割合が必要なだ
け確保された場合であっても、実際の歯当り位置が図5
(a) に示す正常な歯当り状態にならずに、歯面に対して
極端に偏心している場合(同図(b) の「浮き」、同図
(c) の「沈み」)には総合的な歯当り品質は良好になら
ない。しかしながら上述した従来方法では、上記歯当り
のポジションおよび浮き沈みについて直接評価しておら
ず、歯面画像中の歯当りに相当する部分の図形(以下歯
当り図形と称す)の図心偏差およびこの歯当り図形の歯
すじ方向寸法および歯たけ方向寸法である歯当り長さを
評価パラメータとして間接的に評価しているに過ぎず、
歯当り位置の定量化は達成されていない。このため歯当
り図形の形状が熱処理変形等によってばらつく場合には
基準とすべき歯当り位置が変動してしまい、歯当り品質
判定精度に悪影響を招く。
【0004】また上記従来方法にあっては、歯当り品質
の判定に用いる評価パラメータを得るため、対象とする
歯車の歯の全てについて歯面画像を撮像し、得られた全
歯面画像を画像処理しているため、歯車の歯当り品質判
定に多大な処理時間を要してしまう。なお、撮像対象と
する歯を無作為に一定数だけ抽出し、処理時間を短縮す
る手法も考えられるが、その場合必ずしも歯当りに問題
の生じる可能性のある歯が抽出されるとは限らず、かえ
って歯当り品質判定の信頼性が低下してしまう。
【0005】本発明は歯当り位置を所定パラメータによ
り定量化する際に、撮像対象とする歯を一対の歯車の一
方を駆動したときの被駆動軸の振動加速度に基づき選定
することにより、上述した問題を解決することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の請求項1に係る歯車の歯当り品質判定方法は、噛合す
る一対の歯車の噛合状態を表わす歯面画像を撮像手段に
より撮像し、得られた歯面画像を画像処理して歯当り評
価パラメータを求め、得られた歯当りパラメータに基づ
き前記一対の歯車の歯当り品質を判定するに際し、前記
一対の歯車の一方の歯車を駆動したときの回転角度およ
び被駆動軸の振動加速度を夫々回転角度検出手段および
振動検出手段により1回転分検出し、得られた振動加速
度データおよび回転角度データを関連付けて前記一方の
歯車の各歯の振動加速度を特定し、振動加速度の大きい
方から順に一定数の歯を前記撮像手段による撮像の対象
として選定することを特徴とし、本発明の請求項2に係
る歯車の歯当り品質判定方法は、噛合する一対の歯車の
噛合状態を表わす歯面画像を撮像手段により撮像し、得
られた歯面画像を画像処理して歯当り評価パラメータを
求め、得られた歯当りパラメータに基づき前記一対の歯
車の歯当り品質を判定するに際し、前記一対の歯車の一
方の歯車を駆動したときの回転角度および被駆動軸の振
動加速度を夫々回転角度検出手段および振動検出手段に
より1回転分検出し、得られた振動加速度データおよび
回転角度データを関連付けて前記一方の歯車の各歯の振
動加速度を特定し、振動加速度が所定値を越える歯を前
記撮像手段による撮像の対象として選定することを特徴
とし、本発明の請求項3に係る歯車の歯当り品質判定方
法は、上記請求項1または2の方法において、選定した
歯について撮像した歯面画像内の歯当り図形から求めた
歯当りの割合および歯当りの偏差に基づき歯すじ方向の
歯当り位置に関する第1の歯当り位置データを得るとと
もに、前記歯当り図形を歯たけ方向に3分割して形成し
た部分図形の各々から求めた歯当りの割合および歯当り
の偏差に基づき歯たけ方向の歯当り位置に関する第2の
歯当り位置データを得て、これら第1および第2の歯当
り位置データに基づいて前記一対の歯車の歯当り品質を
判定することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明方法によれば、撮像手段が撮像した、噛
合する一対の歯車の噛合状態を表わす歯面画像を処理し
て得られる歯当り評価パラメータに基づき、前記一対の
歯車の歯当り品質を判定する際には、前記一対の歯車の
一方の歯車を駆動したとき回転角度検出手段および振動
検出手段により1回転分検出した振動加速度データおよ
び回転角度データを関連付けて前記一方の歯車の各歯の
振動加速度を特定した後、請求項1では振動加速度の大
きい方から順に一定数の歯を前記撮像手段による撮像の
対象として選定し、請求項2では振動加速度が所定値を
越える歯を前記撮像手段による撮像の対象として選定す
るから、撮像する歯面画像の数が大幅に減少し、歯当り
品質判定時間の大幅な短縮が可能になる。また、請求項
3では、選定した歯について撮像した歯面画像内の歯当
り図形から求めた歯当りの割合および歯当りの偏差に基
づく歯すじ方向の歯当り位置に関する第1の歯当り位置
データと、前記歯当り図形を歯たけ方向に3分割して形
成した部分図形の各々から求めた歯当りの割合および歯
当りの偏差に基づく歯たけ方向の歯当り位置に関する第
2の歯当り位置データとに基づいて前記一対の歯車の歯
当り品質を判定するから、歯当り位置の定量化を実現す
ることができ、極めて精度良く歯当り品質を判定するこ
とができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明方法の実施に用いる歯当り品質
判定システムの第1実施例の構成を示する線図であり、
図中10は評価対象としての歯車を示し、本例ではハイポ
イド歯車を用いている。歯車10としては、一対の歯車1
0, 11の一方の歯車10を用いるものとし、歯車11の歯面
には以下の画像処理の容易化のため、図示しない塗料を
塗布し、歯車10, 11を噛合状態にしてから、駆動装置12
により歯車10を回転駆動する。したがって歯車10の歯面
10a には転写により塗料が付着する。歯車10はターンテ
ーブル状の駆動装置12上に回動可能に位置決め載置され
る。駆動装置12は回転角度検出装置13を内蔵しており、
回転角度検出装置13は駆動装置12が歯車10を毎回所定角
度(360゜/歯数N)ずつ回転させるとき原点位置からの
回転角度θを検出してこの回転角度θによって歯車11と
噛合する歯を特定し、回転角度検出手段として機能す
る。
【0009】歯車10の回転によって駆動される歯車11の
回転軸(つまり被駆動軸)11a には、振動加速度αを検
出する、振動検出手段としての加速度センサ14を設置す
る。加速度センサ14は、歯車10の全ての歯について歯車
11との噛合状態を表わすデータを得るため、駆動装置12
により歯車10を上記所定角度ずつ回転させたときの各歯
に対応するデータを歯車10の1回転分読込む(このデー
タは後述するようにして制御装置18において上記回転角
度θと関連付ける) 。
【0010】歯車10の歯面10a を照明装置15により照明
する。この照明装置15としては、ハロゲンランプ等可視
光線を発するものを用いる。なお周囲環境を暗室化する
必要はないが、暗室化した場合一層好適である。照明装
置15により照明された歯面10a を撮像手段としてのテレ
ビカメラ16により撮像する。この撮像は駆動装置12の回
転を回転角度検出装置13によって監視する制御装置18か
らの指令に基づき、撮像対象として選定した歯面10a を
常に同一条件で撮像できるようなタイミングで行い、ま
た歯面10a とテレビカメラ16とは所定の角度を成すもの
とする。なおテレビカメラ16は図示のように1台あれば
よいが、歯面をドライブ側、コースト側から同時に撮像
できるように所定角度に2台配置すれば一層好ましい。
テレビカメラ16からの画像データを画像処理装置17に入
力する。画像処理装置17を制御装置18に接続し、制御装
置18にはさらに歯車の該当車種設定、計測開始等のマニ
ュアル操作および判定結果表示を行う操作表示盤19、加
速度センサ14からの信号αを波形分析する波形分析装置
20を接続する。
【0011】制御装置18は、駆動装置12、回転角度検出
装置13、画像処理装置17、操作表示盤18および波形分析
装置20からの入力情報に基づき図2の制御プログラムを
実行して本システム全体の制御を行い、画像処理装置17
はテレビカメラ16および制御装置18からの入力情報に基
づき図3の制御プログラムを実行して歯面画像の画像処
理を行う。
【0012】すなわちまず図2のステップ101 でワーク
である歯車の対応車種の設定を行う(このステップ101
は例えば操作表示盤19の操作による) 。次のステップ10
2 ではワーク着座の有無の判定を行い(この判定は例え
ば駆動装置12に設けた図示しない着座センサにより行
う)、ワーク着座無の場合にはステップ102 で待機状態
を続け、ワーク着座有りで歯車10, 11の噛合駆動が可能
な状態になった場合にはステップ103 で振動加速度αお
よび回転角度θの計測開始指令を例えば操作表示盤19の
操作により行い、ステップ104 で駆動装置12によって歯
車10, 11を噛合駆動する。次のステップ105 では加速度
センサ14より歯車10, 11の噛合駆動時の軸11a の振動加
速度αのサンプリングを行い、ステップ106 ではそのと
きの歯車10の回転角度θ (回転開始時を原点とする) を
回転角度検出装置13より読込む (αとθとは制御装置18
において関連付けられるため、計測した振動加速度がど
の歯に該当するかを特定することができる) 。このよう
なα, θのサンプリングは歯車10の全ての歯について完
了するまで繰返され、全ての歯についてのα, θのサン
プリングが完了してステップ107 の判別が Yesになった
ら、ステップ108 でテレビカメラ16による撮像の対象と
する歯を選定する。この撮像対象とする歯の選定は、例
えば最も大きい振動加速度を示した歯を基準にして、振
動加速度の大きい順に一定数n(このnは歯車10の全歯
数Nに対して充分小さい値とする)だけの歯を選定する
ものとする(なお上記nを、検出した振動加速度が所定
値を越える歯の歯数に応じて変更してもよい)。
【0013】次のステップ109 では画像処理開始指令を
例えば操作表示盤19の操作により行い、この画像処理開
始指令によって駆動装置12を作動させて、上記ステップ
108 で求めた撮像対象の歯の何れか1つがテレビカメラ
16により歯面画像を撮像し得る位置 (撮像位置) に来る
ようにし、ステップ110 で後述する図3のサブルーチン
により当該撮像位置における歯面画像の画像処理を行
う。このような画像処理は駆動装置12の作動によって順
次撮像対象の歯が撮像位置に来るように位置決めしてか
ら行い、全ての撮像対象の歯の歯面についての画像処理
が完了してステップ111 の判別が Yesになったら、ステ
ップ112 で、画像処理装置17から送信されて来る判定結
果信号に基づき一対の歯車10,11に対する総合判定を行
う。この総合判定において、判定結果信号が無い場合
(例えば送信エラーの場合)には、制御をステップ109
に戻して前記画像処理を再度行い、OK信号を受信した
らステップ113 で操作表示盤19の「OK」判定結果表示
灯を点灯し、NG信号または判定エラー信号を受信した
らステップ114 で「NG」判定結果表示灯を点灯する。
なおこの場合、ステップ115 でこの表示をリセットする
ものとし (このリセットは例えば作業者が表示確認後、
操作表示盤19を操作して行う)、このリセット操作を行
わないとワーク着座中はステップ116-115-116 のループ
を繰り返して待機状態となり、リセットせずにワークを
駆動装置12から取り外すとステップ117 で警報出力がな
される。この警報は、ステップ118 で前記NG、判定エ
ラー信号をリセットした後に、ステップ119 でリセット
するものとする。なお上記総合判定は画像処理装置17か
らの判定結果信号のみを用いているが、この判定に波形
分析装置20からの振動加速度αに関する信号を加えるよ
うにしてもよい。
【0014】次に画像処理について図3および図4を用
いて説明する。まず図3のステップ131 で歯面画像を取
込み、ステップ132 でこの画像を2値化する。このとき
取込んだ画像は図4(a) のようになり(なおここでは塗
料を塗布した歯車および、それと対をなす塗料を塗布し
ない歯車の一方について説明するが、他方については白
黒反転を行えば同様に処理することができる)、この画
像を2値化すると同図(b) に示すように歯面内に歯当り
図形Pが現れる。次のステップ133 では、図2のステッ
プ101 の車種設定に基づく、予め教示された歯面の輪郭
形状(本例では六角形である)によってマスク処理を行
い、同図(c) に示すように、対象となる歯面以外の部分
を除外する。次にステップ134 でノイズ除去処理を行
う。これは同図(d) に示すように、前記マスク内にある
面積最大の部分である歯当り図形Pの外部の孤立部分を
除去するものであり、歯当り図形Pの内部に穴があって
も影響を受けない。得られた歯当り図形Pにはステップ
135 で接線探査を行う。すなわち同図(e) に示すよう
に、歯当り図形Pを包囲するように前記マスクの各辺と
平行な6本の接線を描く。次にステップ136 で同図(f)
に示すように、上記各接線により歯すじ方向に区画され
る3つの部分の長さの比率a:b:cを求める。なおこ
こでは歯面の左右下端点を結ぶ線分上において歯たけ方
向の接線との交点を求めることにより上記比率を求めて
いるが、他の線分、例えば中心線上において平均値を求
めるようにしてもよい。この比率に基づき次のステップ
137 で歯当りポジションの判定を行う。この判定は、例
えば前記比率a:b:cより求まる歯当りの割合 および歯当りの偏差|a−c|に基づき歯すじ方向の歯
当り位置を定量化して第1の歯当り位置データを得、こ
のデータによって歯当り品質を等級付けし、この等級が
基準を上回るか否かによりOKまたはNGと判定するも
のである。
【0015】同様に次のステップ138 では同図(g) に示
すように、上記各接線により歯たけ方向に区画される3
つの部分の長さの比率d:e:fを求める(ここでは歯
面の左端点MとNとを結ぶ線分上において求めてい
る)。次いでステップ139 で同図(h) に示すように、歯
当り図形Pの上端部、中央部および下端部の図形 P1, P
2,P3 のみを抽出するため、歯当り図形Pのそれ以外の
部分をマスク処理し、ステップ140 で同図(i) に示すよ
うに、前記ステップ135 と同様にして図形 P1, P2,P3
に対し歯たけ方向の接線探査を行う。なおステップ139
のマスク処理の代わりに、前記図形 P1, P2, P3 に相当
する領域について夫々歯すじ方向の直線により走査を行
い、この直線上の画素濃淡度から前記図形 P1,P2, P3
の輪郭線を抽出するようにしてもよい。次のステップ14
1 では同図(j) に示すように、得られた各接線により夫
々歯すじ方向に区画される3つの部分の長さの比率、す
なわち図形P1のg:h:i、図形P2のj:k:l、図形
P3のm:n:oをステップ136 と同様にして求める。こ
の3通りの比率を用いてステップ142 で歯当りの浮き沈
みの判定を行う。ここでこの判定は、例えば歯当りの割
歯当りの偏差|g−i|,|j−l|,|m−o|に基
づき歯たけ方向の歯当り位置を定量化して第2の歯当り
位置データを得、このデータによって所定判定基準の下
で歯当り品質を等級付けし、この等級が基準を上回るか
否かによりOKまたはNGと判定するものであり、図6
に例示する種々の歯当り図形(D-1〜D-10はドライブ側、
C-1〜C-10はコースト側) の中で識別し難い D-1とD-9,
D-8と D-10, C-6と C-9, C-7 と C-10 を正確に識別し
て判定することができる。なおこのステップ142 の判定
にステップ138 で求めた歯たけ方向の長さ比率d:e:
fをも用いれば、特に歯当り図形が複雑な形状の場合
に、歯当り品質判定精度を向上させることができ、また
この比率をステップ142 の判定に用いない場合にはステ
ップ138 を省略してもよい。次のステップ143 ではステ
ップ137, 142の判定結果に基づきこのワークの歯当り品
質の総合判定を行い、判定結果信号を出力する。この判
定結果信号はOK信号またはNG信号とし、判定が得ら
れないときは判定エラー信号とするものとする。
【0016】このようにして歯当りポジション(歯すじ
方向の歯当り位置)および歯当りの浮き沈み(歯たけ方
向の歯当り位置)を定量化することができるから、得ら
れた第1および第2の歯当り位置データの一方または双
方(本例では双方)を用いて、極めて高精度の歯当り品
質判定を行うことができる。またその際、歯車10の各歯
に対応する、噛合駆動時の振動加速度の検出値に基づ
き、テレビカメラ16による歯面画像の撮像の対象とする
歯を選定するから、撮像対象とする歯数が減少しても歯
当りに問題の生じる可能性のある歯については必ず歯当
り品質判定がなされることになり、歯当り品質判定時間
を大幅に短縮することができる。
【0017】図7は本発明方法の実施に用いる歯当り品
質判定システムの第2実施例の構成を示す線図であり、
第1実施例と同一の部分には同一符号を付してある。こ
の第2実施例の第1実施例との相違点は、歯車11の代わ
りに、歯当り品質判定の対象とする歯車の表面 (歯面10
a)に密着して回転するローラ21を設け、ローラ21の回転
軸 (つまり被駆動軸)21aに振動加速度αを検出する加速
度センサ14を設置したことである。制御装置18は、図8
の制御プログラムを実行して本システム全体の制御を行
う。
【0018】すなわちまず図8のステップ151 でワーク
としての歯車10の原点設定を行い、ステップ152 で駆動
装置12のモータの駆動を開始し、ステップ153 で加速度
センサ14からの振動加速度αおよびそれと対応するワー
ク回転角度θをサンプリングする。次のステップ154
で、得られた振動加速度データに基づきキズの有無の判
定を行う。この判定は例えば、波形分析装置20におい
て、振動波形の有効成分だけを抽出するため図9(a) に
示す振動加速度データを低周波除去フィルタに通し、得
られたデータの中に、同図(b) に示すように所定の閾値
を上回るピーク値が現れた場合にキズ有りと判定するこ
とにより行い、キズ有りの場合にはステップ155 で歯車
10の回転角度θで表わされるキズ位置をメモリに書込ん
でおく。このようなキズの有無の判定を歯車10が1回転
してステップ156 の判別が Yesになるまで行い、完了し
たらステップ157 でモータを停止する。次にキズ有りの
場合にそのキズの形状等を詳細に調べてそのキズがOK
かNGかを総合的に判定するため、ステップ158 では前
記ステップ155 でメモリに書込んだデータに基づきキズ
有りか否かの判別を行い、キズ有りの場合にはステップ
159 で駆動装置12によってキズ位置をテレビカメラ16の
撮像位置に移動し、ステップ160 で画像処理装置17にお
いて画像処理による判定を行う (この判定は公知の手法
により行う) 。この判定においてそのキズがOKと判定
されたら制御をステップ161 のNo−ステップ159 と進め
て次のキズ位置についての判定を行い、そのキズがNG
と判定されたらステップ162 で画像処理装置17より制御
装置18にNG信号を出力する。ステップ161 の判別が Y
esになったら、つまり全てのキズについての判定がOK
であったら、ステップ163 でOK信号を出力する。
【0019】ステップ162, 163から制御を図2のステッ
プ108以降へ進め、以下第1実施例と同様にして歯当り
品質判定を行う。その際、ステップ108 における撮像対
象とする歯として例えば上記NG信号に該当する歯を選
定する。このようにした場合、歯当りの不具合が生じ易
いと予測される、キズ有りの歯については必ず歯当り品
質判定がなされることになり、歯当り品質判定の信頼性
が向上する。
【0020】なおこの第2実施例ではワークとして歯車
10を用いているが、代わりにワークとして曲面で構成さ
れる回転体 (例えばプーリ) をセットし、図8のステッ
プ151 〜163 を実行することにより、極めて少ない検査
時間で、該回転体表面に存在するキズを精度良く検査す
ることができ、さらにその手法は上記回転体のみなら
ず、平面 (例えば板状) のワークに対しても適用可能で
あることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】かくして本発明の歯車の歯当り品質判定
方法は上述の如く、歯当り位置を所定パラメータにより
定量化する際に、噛合する一対の歯車の一方の、振動加
速度の大きい方から順に一定数の歯(請求項1)または
振動加速度が所定値を越える歯(請求項2)を撮像手段
による撮像の対象として選定するから、撮像する歯面画
像の数が大幅に減少し、歯当り品質判定時間の大幅な短
縮が可能になる。また、請求項3では、選定した歯につ
いて撮像した歯面画像内の歯当り図形から求めた歯すじ
方向の歯当り位置に関する第1の歯当り位置データおよ
び歯たけ方向の歯当り位置に関する第2の歯当り位置デ
ータに基づいて前記一対の歯車の歯当り品質を判定する
から、歯当り位置の定量化を実現することができ、極め
て精度良く歯当り品質を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に用いる歯当り品質判定シス
テムの第1実施例の構成を示す線図である。
【図2】同例における制御装置の制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図3】同例における画像処理装置の制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図4】(a) 〜(j) は夫々図3の制御プログラムと対応
する画像処理状況を例示する図である。
【図5】(a)〜(c) は同例において歯当り状態を説明す
るための図である。
【図6】同例において画像処理後の歯当りに相当する部
分の図形の種々の実例を模式的に示す図である。
【図7】本発明方法の実施に用いる歯当り品質判定シス
テムの第2実施例の構成を示す線図である。
【図8】同例における制御装置の制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図9】(a) および(b) は同例における波形分析装置に
よるキズの判定を説明するための図である。
【符号の説明】 10 歯車 10a 歯面 12 駆動装置 13 回転角度検出装置(回転角度検出手段) 14 加速度センサ(振動検出手段) 15 照明装置 16 テレビカメラ(撮像手段) 17 画像処理装置 18 制御装置 19 操作表示盤 20 波形分析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 21/20 102 G01M 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噛合する一対の歯車の噛合状態を表わす
    歯面画像を撮像手段により撮像し、得られた歯面画像を
    画像処理して歯当り評価パラメータを求め、得られた歯
    当りパラメータに基づき前記一対の歯車の歯当り品質を
    判定するに際し、 前記一対の歯車の一方の歯車を駆動したときの回転角度
    および被駆動軸の振動加速度を夫々回転角度検出手段お
    よび振動検出手段により1回転分検出し、得られた振動
    加速度データおよび回転角度データを関連付けて前記一
    方の歯車の各歯の振動加速度を特定し、振動加速度の大
    きい方から順に一定数の歯を前記撮像手段による撮像の
    対象として選定することを特徴とする、歯車の歯当り品
    質判定方法。
  2. 【請求項2】 噛合する一対の歯車の噛合状態を表わす
    歯面画像を撮像手段により撮像し、得られた歯面画像を
    画像処理して歯当り評価パラメータを求め、得られた歯
    当りパラメータに基づき前記一対の歯車の歯当り品質を
    判定するに際し、 前記一対の歯車の一方の歯車を駆動したときの回転角度
    および被駆動軸の振動加速度を夫々回転角度検出手段お
    よび振動検出手段により1回転分検出し、得られた振動
    加速度データおよび回転角度データを関連付けて前記一
    方の歯車の各歯の振動加速度を特定し、振動加速度が所
    定値を越える歯を前記撮像手段による撮像の対象として
    選定することを特徴とする、歯車の歯当り品質判定方
    法。
  3. 【請求項3】 選定した歯について撮像した歯面画像内
    の歯当り図形から求めた歯当りの割合および歯当りの偏
    差に基づき歯すじ方向の歯当り位置に関する第1の歯当
    り位置データを得るとともに、前記歯当り図形を歯たけ
    方向に3分割して形成した部分図形の各々から求めた歯
    当りの割合および歯当りの偏差に基づき歯たけ方向の歯
    当り位置に関する第2の歯当り位置データを得て、これ
    ら第1および第2の歯当り位置データに基づいて前記一
    対の歯車の歯当り品質を判定することを特徴とする、請
    求項1または2記載の歯車の歯当り品質判定方法。
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