JP2784851B2 - 含有水分量算出装置 - Google Patents

含有水分量算出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粉体、紙葉等の含有水分
量を算出する装置に関し、特に、電子写真方式、静電記
録方式などの複写機、プリンタ等の画像形成装置におい
て画像を制御するのに好適な含有水分量算出装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ等の画像形成装
置、特にカラー画像形成装置においては、環境の変化に
より形成される画像が悪影響を受けるのを防止するため
に、湿度を検知する湿度センサを設置し、このセンサか
らの湿度情報に応じて画像形成条件を変化させ、安定し
た画像を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、湿度が
画像に影響するのは、例えば現像剤や記録材(通常は
紙)の含有水分量であることが多く、この含有水分量は
湿度の現在値だけでは判定できない。そのため、常時湿
度を検知し、その傾向から含有水分量を推定するという
提案がなされているが、極めて複雑な条件判断により推
定しているのにもかかわらず、精度があまり良くないと
いう欠点があった。
【0004】従って、本発明の目的は、平均湿度と現在
湿度と含有水分量を定性的な規則によって関係付け、こ
れら規則に基づいて平均湿度及び現在湿度と含有水分量
のあいまいな関係を推論して適正な含有水分量を算出す
る含有水分量算出装置を提供することである。
【0005】本発明の特定の1つの目的は、平均湿度、
現在湿度及び含有水分量のファジイ集合で表現したメン
バーシップ関数を記憶すると共に、平均湿度、現在湿度
及び含有水分量を定性的に関係付けるファジイ規則を記
憶し、これらファジイ規則に従って平均湿度及び現在湿
度から含有水分量をファジイ推論により算出する含有水
分量算出装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
含有水分量算出装置によって達成される。要約すれば、
本発明は、湿度検知手段と、該湿度検知手段の検知結果
を予め定めた期間分記憶する記憶手段と、該記憶手段に
記憶された前記記憶期間分の湿度検知結果を平均する演
算手段と、該演算手段により求められた平均湿度及び前
記湿度検知手段からの現在湿度と含有水分量との関係を
定性的な規則として関係付ける規則手段と、前記平均湿
度、前記現在湿度及び前記含有水分量の適合度を表わす
所定の集合と、前記規則手段の規則に従い、前記平均湿
度及び前記現在湿度が前記所定の集合に属する度合に基
づいて前記含有水分量を推論する推論手段とを具備する
ことを特徴とする含有水分量算出装置である。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照して詳細に説明する。本発明は粉体、紙葉等を使用す
る種々の装置に適用できるが、特に像担持体上に潜像を
形成し、この潜像を現像して可視画像(トナー像)と
し、この可視画像を転写材に転写する電子写真方式、静
電記録方式などの複写機、プリンタ等の画像形成装置に
適用して有用なものである。
【0008】図1は本発明による含有水分量算出装置の
第1の実施例を示すブロック図である。CPU(中央処
理装置)100は機械全体の動作を制御すると共に、適
合度算出手段として、検知された湿度の適合度を、リー
ド・オンリー・メモリ(ROM)101に記憶されてい
る湿度のメンバーシップ関数に基づき算出し、また、演
算手段として、算出された適合度に基づき所定の演算を
行なってROM101に記憶されている各規則の推論結
果を求め、得られた各規則の推論結果に基づき操作量を
算出し、ファジイ推論を行なうものである。このCPU
100には、一定時間毎に湿度検知を行なうために用い
られるカウンタ100A及びタイマー100Bが設けら
れている。
【0009】CPU100に接続された上記ROM10
1は上記メンバーシップ関数及びファジイ規則を記憶し
ているだけでなく、制御プログラム(制御手順)を記憶
している。また、CPU100にはランダム・アクセス
・メモリ(RAM)102が接続されており、検知され
た湿度及び必要ならば温度等を少なくとも予め定められ
た期間分記憶し、また、ファジイ推論、さらには機器全
体のシーケンス制御を行なう際に、作業領域として使用
される。
【0010】CPU100から出力されるディジタルの
制御信号は、例えばディジタル−アナログ変換器(D/
A変換器)103によってアナログの電圧信号に変換さ
れた後、制御量として例えば高圧電源107に供給され
る。この高圧電源107はディジタル−アナログ変換器
103から供給される制御量に応じて出力電圧を発生す
る。
【0011】さらに、湿度検知手段である湿度センサ1
09が設けられており、この湿度センサ109によって
検出されたアナログの湿度情報信号はアナログ−ディジ
タル変換器(A/D変換器)104によってディジタル
信号に変換され、状態量信号としてCPU100に入力
される。
【0012】以上の概略構成により、RAM102に一
定時間毎の湿度データが記憶される。なお、瞬間的な湿
度変化は含有水分量には殆ど影響しないことから、湿度
データを前記一定時間内での複数の測定値の平均とする
ことで瞬間的な湿度変化を除去することができる。さら
に、このようにして得られた湿度データから予め定めら
れた期間の平均湿度を求めておく。
【0013】次に、上記構成の本実施例の含有水分量算
出装置の動作について説明する。なお、ファジイ制御を
行なう際の状態量として、本実施例では湿度を使用し、
含有水分量を求める。
【0014】図2、図3及び図4に平均湿度、現在湿度
及び含有水分量のメンバーシップ関数をそれぞれ示す。
図2及び図3は横軸が測定又は演算から得られた湿度で
あり、また、図4の横軸は含有水分量であり、例えば絶
対湿度やそれに相当する湿度量、さらには推定水分量を
得た後の処理に都合の良い何等かの量である。図2〜図
4のそれぞれの縦軸は適合度である。
【0015】各メンバーシップ関数はそれぞれ2つのフ
ァジイ集合を有する。例えば、平均湿度の2つのファジ
イ集合の場合には、「MHL」、「MHH」のファジイ
ラベルが付されており、これらをそれぞれ (1)MHL :「平均湿度が低い」を表わすファジイ集
合 (2)MHH :「平均湿度が高い」を表わすファジイ集
合 とする。
【0016】また、現在湿度の2つのファジイ集合の場
合には、「NHL」、「NHH」のファジイラベルが付
されており、これらをそれぞれ (1)NHL :「現在湿度が低い」を表わすファジイ集
合 (2)NHH :「現在湿度が高い」を表わすファジイ集
合 とする。
【0017】さらに、含有水分量の2つのファジイ集合
の場合には、「THL」、「THH」のファジイラベル
が付されており、これらをそれぞれ (1)THL :「含有水分量が少ない」を表わすファジ
イ集合 (2)THH :「含有水分量が多い」を表わすファジイ
集合 とする。
【0018】各々の集合に属する度合は「0」から
「1」までの間の任意の値で表わされ、例えば図2の平
均湿度の集合MHHを例に取ると、湿度が80%のとき
集合MHHに属する度合、即ち、適合度は「1.0」で
あり、湿度40%のときには集合MHHに属する度合、
即ち、適合度は「0.5」であるということを意味す
る。他の場合も同様である。
【0019】次に、湿度の状態量から含有水分量を決定
する方法について述べる。
【0020】含有水分量の決定には、例えば次の表1に
示すファジイ推論規則を用いる。このファジイ推論規則
は、例えば特にトナーのような粉体等は吸湿過程におい
ては比較的水分を含み易く、脱湿過程ではなかなか水分
が抜けにくいという性質に基づいて、定められている。
即ち、吸湿過程と脱湿過程では時定数が異なるといえ
る。このようにファジイ推論規則を必要に応じて設定す
る。
【0021】
【表1】
【0022】上記〔ルール1〕〜〔ルール4〕を用いて
ファジイ推論により含有水分量を算出する一例を図5〜
図9に示す。まず、〔ルール1〕の場合には、図5に示
すように、湿度センサ109からアナログ−ディジタル
変換器104を介してCPU100に入力される平均湿
度Xは、図2の平均湿度のメンバーシップ関数より、図
5(A)に示すようにμXの度合でMHHの集合に含ま
れ、また、現在湿度Yは、図3の現在湿度のメンバーシ
ップ関数より、図5(B)に示すようにμYの度合でN
HHの集合に含まれる。その後求められたμXとμYの
いずれか値の小さい方を取り、その値を〔ルール1〕の
条件部が満たされる度合とする。その値と図4の含有水
分量のメンバーシップ関数との最小値演算を取ると、演
算結果は図5(C)に斜線で示す台形S1 となる。これ
が〔ルール1〕により得られた推論結果に相当する。
【0023】以下、〔ルール2〕〜〔ルール4〕の場合
にも同様の計算を行ない(図6、図7、図8参照)、そ
れぞれ各図に斜線で示す台形S2 、S3 、S4 を求め
る。その後求められた各規則の推論結果、即ち、4つの
斜線で示す台形S1 〜S4 を合成し、和集合を求める
と、図9に斜線で示す和集合Uが得られる。この和集合
Uの重心Pを計算し、横軸の値Zを推定含有水分量と決
定する。
【0024】このように、本実施例では、湿度及び含有
水分量のメンバーシップ関数を設定すると共に、必要な
ファジイ規則を設定し、これに基づいて演算を行なうだ
けであるので、含有水分量の算出が簡単に行なえ、しか
も高精度に算出することができる。その上、メンバーシ
ップ関数やファジイ規則の変更もかなり自由に、かつ簡
単に行なえるので、きめの細かい推定が可能となり、よ
り正確に含有水分量を決定できる等の利点がある。従っ
て、本発明を例えば画像形成装置に適用した場合には、
このようにして得られた含有水分量を考慮して、必要な
らばファジイ推論して、決定した制御信号を、CPU1
00からディジタル−アナログ変換器103を介して高
圧電源107に供給すれば、高圧電源107からは常時
適正な、例えば転写電圧、現像バイアス等を発生させる
ことができ、環境の変化に影響されずに常に安定した画
質の画像を形成することができる。
【0025】ちなみに、前述した従来の含有水分量を推
定する手順の一例を図38に示す。図38のフローチャ
ートから明瞭なように、この例では2時間平均、4時間
平均、8時間平均及び現在値から条件判断により湿度の
変化状態を決定し、さらに、選択した湿度変化状態に応
じて、どの平均値又は現在値を、さらにはそのうちのい
くつの平均値をパラメータとして含有水分量を推定する
かを決定し、演算している。このように従来は処理が複
雑であり、また、上記条件判断基準及び選択するパラメ
ータが実験的に得られたものであるので、変更も容易で
なく、得られた含有水分量の精度もあまり良くない等の
欠点があった。
【0026】なお、図38のフローチャートは電子写真
方式のカラープリンタにおいて検知湿度に対応した適正
なコントラスト電位VCONTを求める手順を示すものであ
り、この分野の技術者には容易に理解できるものと思わ
れるので、詳細な説明は省略する。なお、図中、CONT1
〜CONT5 はコントラストフラグである。
【0027】次に、本発明の第2の実施例について図1
0〜図23を参照して説明する。上記第1の実施例は高
湿状態が起ると即座に含有水分量が増加し、かつ含有水
分量が抜けるのに時間がかかる場合の例であったが、本
実施例は湿度の履歴及び現在湿度の関係により注目した
場合に適応できるものである。
【0028】本実施例でも、ファジイ制御を行なう際の
状態量として湿度を使用し、含有水分量を求める。図1
0に平均湿度のメンバーシップ関数、図11に現在湿度
のメンバーシップ関数、図12に含有水分量のメンバー
シップ関数を示す。これら図面における縦軸及び横軸の
単位は上記第1の実施例と同様である。また、図10及
び図11のメンバーシップ関数は上記第1の実施例と同
様にそれぞれ2つのファジイ集合(MHL、MHH及び
NHL、NHH)を有するが、図12のメンバーシップ
関数は4つのファジイ集合を有する。
【0029】平均湿度及び現在湿度のメンバーシップ関
数のファジイラベル及びその意味するところは上記第1
の実施例と同様である。また、含有水分量の4つのファ
ジイ集合に対しては「THL」、「THH1」、「TH
H2」、「THH3」のファジイラベルが付されてお
り、これらをそれぞれ (1)THL :「含有水分量が少ない」を表わすファジ
イ集合 (2)THH1 :「含有水分量が少々多い」を表わすフ
ァジイ集合 (3)THH2 :「含有水分量が中ぐらい多い」を表わ
すファジイ集合 (4)THH3 :「含有水分量が多い」を表わすファジ
イ集合 とする。各々の集合に属する度合は同じく「0」から
「1」までの値で表現される。
【0030】次に、湿度の状態量から含有水分量を決定
する方法について述べる。含有水分量の決定には、例え
ば次の表2に示すファジイ推論規則を用いる。
【0031】
【表2】
【0032】状態量の湿度から上の表2に示すファジイ
推論規則を用いて含有水分量を算出する方法は図13〜
図22に示す通りであり、上記第1の実施例と同様であ
るので、その詳細は省略するが、図13〜図17は高湿
状態から低湿状態に移行しつつある場合を示し、逆に図
18〜図22は低湿状態から高湿状態に移行しつつある
場合を示す。各場合とも、表2の各ルールに基づき、図
13〜図16の斜線の面積S′1 〜S′4 及び図18〜
図21の斜線の面積S″1 〜S″4 をそれぞれ求め、こ
れら4つの面積S′1 〜S′4 及びS″1 〜S″4 をそ
れぞれ合成して図17及び図22の斜線で示す面積U′
及びU″を得、この和集合U′及びU″の重心P′及び
P″を計算し、横軸の値Z′及びZ″をそれぞれ推定含
有水分量と決定する。最終的に得られたZ′及びZ″比
較すると、Z″の方が含有水分量が少ない。これは吸湿
過程の方が時定数が小さいことを示しているが、充分に
低湿で馴染んでいた状態から高湿に移行する場合には低
湿状態の含有水分量に影響を受けることを示している。
【0033】なお、本実施例において、図12に示す含
有水分量のメンバーシップ関数は図23に示すように変
更しても良い。これらメンバーシップ関数に対しては経
験、実験結果を適宜反映させることができる。
【0034】次に、湿度の履歴がより複雑に含有水分量
に影響する場合に適用される本発明の第3の実施例につ
いて図24〜図32を参照して説明する。
【0035】本実施例では平均湿度の計算を予め定めら
れた2種の時間幅に対して求めておき、これら平均湿度
(X1、X2)と現在湿度から含有水分量を推定するも
のである。図24に第1の時間幅における平均湿度X1
のメンバーシップ関数、図25に第2の時間幅における
平均湿度X1のメンバーシップ関数、図26に現在湿度
のメンバーシップ関数、図27に含有水分量のメンバー
シップ関数を示す。これら図面における縦軸及び横軸の
単位は上記第1の実施例と同様である。また、図24〜
図26のメンバーシップ関数は上記第1の実施例と同様
にそれぞれ2つのファジイ集合(FHL、FHH、GH
L、GHH及びNHL、NHH)を有するが、図27の
メンバーシップ関数は、本来は9つ考えられるが、本実
施例においては6つのファジイ集合を有する。
【0036】両時間幅の平均湿度及び現在湿度のメンバ
ーシップ関数のファジイラベル及びその意味するところ
は上記第1の実施例と同様である。また、含有水分量の
6つのファジイ集合に対しては「THL1」、「THL
2」、「THL3」、「THH1」、「THH2」、
「THH3」のファジイラベルが付されており、これら
をそれぞれ (1)THL1 :「含有水分量が少々少ない」を表わす
ファジイ集合 (2)THL2 :「含有水分量が中ぐらい少ない」を表
わすファジイ集合 (3)THL3 :「含有水分量が少ない」を表わすファ
ジイ集合 (4)THH1 :「含有水分量が少々多い」を表わすフ
ァジイ集合 (5)THH2 :「含有水分量が中ぐらい多い」を表わ
すファジイ集合 (6)THH3 :「含有水分量が多い」を表わすファジ
イ集合 とする。各々の集合に属する度合は同じく「0」から
「1」までの値で表現される。
【0037】次に、湿度の状態量から含有水分量を決定
する方法について述べる。含有水分量の決定には、例え
ば次の表3に示すファジイ推論規則を用いる。
【0038】
【表3】
【0039】状態量の湿度から上の表3に示すファジイ
推論規則を用いて含有水分量を算出する方法は図28〜
図31に示す通りであり、上記第1の実施例と同様であ
るので、その詳細は省略するが、各図はすべての推論経
過を1つで表わしている。そして図31の重心Pの横軸
の値Zが求めた推定含有水分量である。
【0040】なお、本実施例において、図27に示す含
有水分量のメンバーシップ関数は図32に示すように変
更しても良い。また、本実施例では2種の時間幅で平均
湿度を計算して推論を行なったが、これをより多くの時
間幅の平均湿度で行なっても良い。
【0041】次に、いわゆるファジイ推論の前件部から
直接含有水分量を推定する本発明の第4の実施例につい
て図33〜図35を参照して説明する。
【0042】図33に平均湿度のメンバーシップ関数、
図34に現在湿度のメンバーシップ関数を示す。両メン
バーシップ関数は横軸が測定又は演算から得られた湿度
であり、縦軸が適合度である。これら図面から分るよう
に、平均湿度のメンバーシップ関数と現在湿度のメンバ
ーシップ関数は湿度に対する適合度の傾斜が異なる。こ
れは後述するように、トナーの吸湿度が湿度の履歴の影
響を大きく受けることによる。
【0043】推論は以下のようにして行なう。入力され
た平均湿度Xは、図33の平均湿度のメンバーシップ関
数より、μXの度合を有し、また、入力された現在湿度
Yは、図34の現在湿度のメンバーシップ関数より、μ
Yの度合を有する。そして、平均湿度のメンバーシップ
関数の平均湿度Xより下側の斜線で示す面積を切り出
し、同様に、現在湿度のメンバーシップ関数の現在湿度
Yより下側の斜線で示す面積を切り出す。これら切り出
した面積を合成したのが図35である。この図35の合
成面積の図形から幾何的重心を求めると点Pが得られ
る。そして、この点Pの横軸(X座標)の値を推定含有
水分量とする。
【0044】本実施例による含有水分量推定の妥当性に
ついて図36及び図37を参照して説明する。
【0045】図36は低湿状態から高湿状態に移行しつ
つある吸湿過程の場合を示し、図37は高湿状態から低
湿状態に移行しつつある脱湿過程の場合を示す。例え
ば、トナーのような粉体等は、吸湿過程においては比較
的水分を含み易く、脱湿過程ではなかなか水分が抜けに
くい。即ち、吸湿過程と脱湿過程では時定数が異なると
いえる。図36(A)及び(B)では平均湿度がX1で
低湿状態であったのが、現在湿度はY1で高湿状態にな
りつつあり、その結果湿度現在値Y1が大きく影響す
る。また、図37(A)及び(B)では平均湿度がX2
で高湿状態であったのが、現在湿度はY2と低湿状態に
移行しつつあり、平均湿度X2の影響が大きい。このよ
うに、平均湿度と現在湿度の湿度に対する集合に含まれ
る適合度の傾斜の違いにより、以上述べたような吸湿過
程と脱湿過程の時定数の違いを表わしている。そして、
図36(C)に示すように、図36(A)、(B)から
幾何的平均P1を、また、図37(C)に示すように、
図37(A)、(B)から幾何的平均P2をそれぞれ求
め、それらの横軸(X座標)の値を各場合の推定含有水
分量とする。
【0046】なお、本実施例においても、得られた幾何
的重心の横軸(X座標)を推定含有水分量としたが、こ
の場合図35、図36(C)及び図37(C)の横軸の
重みが図33、図34、図36(A)及び(B)、図3
7(A)及び(B)の横軸の重みとは相違する。例え
ば、平均湿度と現在湿度が等しい場合には、完全にその
湿度に調湿されたと判定すべきであるが、前述のように
斜線で示す面積の合成図形の幾何的重心を求めているの
で、図35、図36(C)及び図37(C)の横軸の重
みを図33、図34、図36(A)及び(B)、図37
(A)及び(B)と同じにすると矛盾が生じる。即ち、
横軸の目盛りを同じにしたのでは幾何的重心の横軸の値
が正しい値にならない。それ故、図35、図36(C)
及び図37(C)の横軸の重みは平均湿度と現在湿度が
同じ値を取ったときの幾何的平均値とし、上記矛盾を回
避している。
【0047】なお、本実施例ではファジイ規則、メンバ
ーシップ関数、制御プログラム等をROMに格納し、R
AMを用いて演算を行なったが、状態量の入力に対応す
る制御量を出力するROMを用いてもよい。また、上述
のファジイ推論のアルゴリズムは単なる一例であって、
アルゴリズムを変形しても差し支えない。例えば、複数
の規則の合成時に面積の重心を取る代りに、縦軸が最大
となる値に対する横軸の値を推論結果としてもよい。ま
た、ファジイ規則の数や内容も、経験に基づき変形する
ことが可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
湿度及び含有水分量のメンバーシップ関数を設定すると
共に、必要なファジイ規則を設定し、これに基づいて演
算を行なうだけであるので、含有水分量の算出が簡単に
行なえ、しかも高精度に算出することができる。その
上、メンバーシップ関数やファジイ規則の変更もかなり
自由に、かつ簡単に行なえるので、きめの細かい推定が
可能となり、より正確に含有水分量を決定できるという
顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の水分量算出装置を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の平均湿度のメンバーシ
ップ関数を示す線図である。
【図3】本発明の第1の実施例の現在湿度のメンバーシ
ップ関数を示す線図である。
【図4】本発明の第1の実施例の含有水分量のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図5】本発明の第1の実施例においてファジイ推論に
より含有水分量を算出する手順を説明する線図である。
【図6】本発明の第1の実施例においてファジイ推論に
より含有水分量を算出する手順を説明する線図である。
【図7】本発明の第1の実施例においてファジイ推論に
より含有水分量を算出する手順を説明する線図である。
【図8】本発明の第1の実施例においてファジイ推論に
より含有水分量を算出する手順を説明する線図である。
【図9】本発明の第1の実施例においてファジイ推論に
より含有水分量を算出する手順を説明する線図である。
【図10】本発明の第2の実施例の平均湿度のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図11】本発明の第2の実施例の現在湿度のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図12】本発明の第2の実施例の含有水分量のメンバ
ーシップ関数を示す線図である。
【図13】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図14】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図15】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図16】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図17】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図18】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図19】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図20】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図21】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図22】本発明の第2の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図23】本発明の第2の実施例の含有水分量のメンバ
ーシップ関数の変形例を示す線図である。
【図24】本発明の第3の実施例の平均湿度のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図25】本発明の第3の実施例の平均湿度のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図26】本発明の第3の実施例の現在湿度のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図27】本発明の第3の実施例の含有水分量のメンバ
ーシップ関数を示す線図である。
【図28】本発明の第3の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図29】本発明の第3の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図30】本発明の第3の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図31】本発明の第3の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図32】本発明の第3の実施例の含有水分量のメンバ
ーシップ関数の変形例を示す線図である。
【図33】本発明の第4の実施例の平均湿度のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図34】本発明の第4の実施例の現在湿度のメンバー
シップ関数を示す線図である。
【図35】本発明の第4の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図36】本発明の第4の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図37】本発明の第4の実施例においてファジイ推論
により含有水分量を算出する手順を説明する線図であ
る。
【図38】従来の含有水分量を算出する手順の一例を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
100 CPU 101 ROM 102 RAM 103 ディジタル−アナログ変換器 104 アナログ−ディジタル変換器 107 高圧電源 109 湿度センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿度検知手段と、該湿度検知手段の検知
    結果を予め定めた期間分記憶する記憶手段と、該記憶手
    段に記憶された前記記憶期間分の湿度検知結果を平均す
    る演算手段と、該演算手段により求められた平均湿度及
    び前記湿度検知手段からの現在湿度と含有水分量との関
    係を定性的な規則として関係付ける規則手段と、前記平
    均湿度、前記現在湿度及び前記含有水分量の適合度を表
    わす所定の集合と、前記規則手段の規則に従い、前記平
    均湿度及び前記現在湿度が前記所定の集合に属する度合
    に基づいて前記含有水分量を推論する推論手段とを具備
    することを特徴とする含有水分量算出装置。
  2. 【請求項2】 前記規則手段がファジイ命題の形式で表
    現され、前記所定の集合がファジイ集合で表現されたメ
    ンバーシップ関数であり、前記規則手段及び前記メンバ
    ーシップ関数を記憶する記憶手段を備えていることを特
    徴とする請求項1の含有水分量算出装置。
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