JP2782005B2 - ホスファイト化合物およびその用途 - Google Patents

ホスファイト化合物およびその用途

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    • C08K5/526Esters of phosphorous acids, e.g. of H3PO3 with hydroxyaryl compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機材料の安定剤として有用なホスファイト
化合物およびその用途に関する。
〔従来技術・発明が解決しようとする課題〕
天然高分子、合成高分子、油脂、潤滑油、作動油等の
有機化合物よりなる有機材料は酸化を受けて有用性を減
じるので、種々の酸化防止剤が工夫されて、これら有機
材料中に添加されている。例えば、ヒンダードフェノー
ル系化合物、チオアルカン酸エステル化合物、有機リン
化合物、芳香族アミン等の安定化剤を単独で、あるいは
複数の組合せで用いると安定化効果のあることが知られ
ている。上記の安定化剤は夫々に特長を有し有用である
が、特に近年加工技術の向上、高品質成型品の要望が強
く、有機リン化合物系のホスファイト化合物は有用な酸
化防止剤として汎用されている。
ホスファイト化合物の具体例としては、特公昭33−16
41号公報、特開昭59−4629号公報に記載された化合物が
知られている。ホスファイト化合物とヒンダードフェノ
ールを併用して安定化効果を期待する具体例としては、
特公昭37−12373号公報、米国特許第3558554号明細書、
特開昭51−109050号公報、特公昭2−21822号公報にそ
の提案がなされている。さらに、米国特許第4163007
号、同4182704号および同4187212号各明細書にもホスフ
ァイト系酸化防止剤が開示されている。
しかしながら、上記の従来既知のホスファイト化合物
は加水分解や熱分解を受け易いので充分な安定化効果を
期待できないばかりでなく、分解生成物による腐食、発
臭等の不都合が発生し易いという問題点を有している。
これに対し、最近では、加水分解性や熱分解性が改善さ
れたホスファイト化合物も提案されているが、未だに充
分ではなく、逆に、従来のホスファイト系化合物が示し
ていた添加練り込み時の初期着色、また樹脂加工時の加
熱着色の改良という長所を発揮しえないという問題点を
有している。また、トリス〔n−オクタデシル−β−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕ホスファイト(特開昭59−4629号公
報)、トリス(2,6−ジ第3級ブチルフェニル)ホスフ
ァイトなどは、上記のような問題点を示すばかりでな
く、そのホスファイト結合の隣接の立体的嵩高さが非常
に大きく、合成が極めて困難であり、大量に供給しなけ
ればならない酸化防止剤としては不適である。
また、本発明者らは、これらトリス体化合物の合成上
の困難性を克服すべく、トリス〔2−第3級ブチル−6
−メチル−4−(2−オクタデシルオキシカルボニルエ
チル)フェニル〕ホスファイトを合成評価してきたとこ
ろ、耐熱性は改善されたものの依然として色調の面で改
善がなされていないことが判明した。
一方、米国特許第4182704号明細書には、ビス−(2,6
−ジ第3級ブチル−4−エチルカルボ−n−オクタデシ
ルオキシフェニルエステル)亜リン酸が記載されている
が、効果面ではまだ充分ではなく、さらに前記したよう
に第3級ブチルという嵩高い基がホスファイト結合に隣
接していることから、大量に製造できないという欠点が
ある。
従って、本発明の目的は工業的に合成が容易で、熱分
解、加水分解し難く、しかも、有機材料の加工安定性、
耐熱性を向上させ、その上、さらに有機材料の初期着
色、加熱着色も改善しうるバランスのとれた安定化効果
を示すホスファイト化合物およびその用途を提供するこ
とである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、一般式 (式中、R1は炭素数1〜22個のアルキル基を示す。) により表わされるホスファイト化合物〔以下、化合物
(I)という〕に関する。
上記定義中、炭素数1〜22個のアルキル基としてはメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、第3級ペンチル、ヘキシル、
イソヘキシル、1−メチルペンチル、ヘプチル、オクチ
ル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシ
ル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプ
タデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ド
コシルなどが例示される。
本発明の一般式(I)の化合物の特徴は次の通りであ
る: 第一番目に、本発明化合物は市販されているホスファ
イト化合物がトリス置換体であるのに対し、ビス置換体
である点が本質的に重要である。
即ち、後記する実験例2等から明らかなように、本発
明化合物は対応するトリス置換体に比べ、加水分解性、
熱安定性、着色性について総合的にすぐれた酸化防止能
を召す。このように置換度の違いにより作用が著しく異
なることは当業者の予測域外のことである。
第二番目に、一般式(I)において、フェニル核4−
位の置換基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基の様な単純なア
ルキル基でなく、−(CH2−COOR1基であることが重
要である。即ち、当該4−位の置換基構造は、化合物
(I)合成上において格別の制約を受けることがなく、
しかも安定剤として必要な特性、例えば安定化を受くべ
き有機化合物ないしは有機材料に対する溶解性の付与、
揮散を防ぐための化合物(I)の高分子量化、耐分解性
等を賦与する為に重要な要素である。
第三番目に当該6−位がメチル基であることは化合物
(I)の合成上重要な意味を持っている。即ち、例えば
6−位に第3級ブチル基の様な立体的に嵩高い基で置換
された化合物は合成が極めて困難であり、かかる化合物
は本発明の化合物(I)とは本質的に異質のものであ
る。
第四番目に前述第1番目から第4番目の特徴を同時に
兼ね備えていることが構造上非常に重要な意味を持って
いる。すなわち、当該第1番目と第3番目のみの条件を
満たしている場合において、たとえばフェニル核の4位
の置換基が−CH2−COOR1または−COOR1のような構成に
おいては、本発明に比し、着色防止能または耐熱老化性
能の面で不十分となり、従来種々有効な公知構造の組合
せから常に有効な化合物構造が容易に煩雑しうるもので
はない。
化合物(I)の具体的な例としては、以下のものがあ
げられる。
◎ ビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(メトキシカルボニル)エチル)フェニル〕ヒドロキシ
ホスファイト ◎ ビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(ブトキシカルボニル)エチル)フェニル〕ヒドロキシ
ホスファイト ◎ ビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル)フェ
ニル〕ヒドロキシホスファイト ◎ ビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(ドデシルオキシカルボニル)エチル)フェニル〕ヒド
ロキシホスファイト ◎ ビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(トリデシルオキシカルボニル)エチル)フェニル〕ヒ
ドロキシホスファイト ◎ ビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(オクタデシルオキシカルボニル)エチル)フェニル〕
ヒドロキシホスファイト ◎ ビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(ドコシルオキシカルボニル)エチル)フェニル〕ヒド
ロキシホスファイト 化合物(I)は、一般式 (式中、R1は前記と同様である。) により表わされる化合物〔以下、化合物(II)という〕
と一般式 P−X3 (III) (式中、Xはハロゲン原子を示す。) により表わされる化合物〔以下、化合物(III)とい
う〕とを反応させることにより製造される。
化合物(II)と化合物(III)との反応は通常、ピリ
ジン、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン、ジメ
チルアニリン、ジエチルアニリン、1,8−ジアザビシク
ロ〔5.4.0〕ウンデセン−7などのアミンの存在下、ベ
ンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭
素、ジクロロエタン、クロロトルエン、クロロベンゼン
などの溶媒中で冷却下または室温から用いる溶媒の沸点
までの温度で30分から24時間で進行する。
得られた目的化合物(I)は再結晶法、クロマトグラ
フィー法などの通常の手段により精製することが出来
る。
本発明の化合物(I)は、有機材料に対する安定化作
用、特に酸化防止作用を有し、有機材料の酸化劣化を防
止する酸化防止剤等として有用である。
したがって、本発明は、さらに化合物(I)0.01〜5
重量%を含有することを特徴とする安定化された有機材
料;化合物(I)および当該化合物に対し、0.1〜15重
量倍のヒンダードフェノール系化合物、光安定剤または
チオアルカン酸エステル化合物を含有することを特徴と
する安定化された有機材料に関する。
本発明化合物(I)により安定化される有機材料は、
高分子重合体、油脂、鉱油など自体およびこれよりなる
ものに代表されるものであり、高分子重合体としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3
−メチルブチレンなどのα−オレフィン重合体またはエ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共
重合体などのポリオレフィンおよびこれらの共重合体、
ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニリデン、臭素化ポリエチレン、塩化
ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、
塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチ
レン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、
塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、
塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソブチ
レン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重
合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化
ビニル−マレイン酸性エステル共重合体、塩化ビニル−
メタクリル酸性エステル共重合体、塩化ビニル−アクリ
ロニトリル共重合体、内部可塑性ポリ塩化ビニルなどの
含ハロゲン合成樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリス
チレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレンと他
の単量体(無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニト
リルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジ
エン−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレートな
どのメタクリレート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルブチラール、直鎖ポリエ
ステル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリアセタールポリウレタン、繊維素系樹
脂、あるいは不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレン
サルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリスル
ホン系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポ
リイミド、マレイミド、ポリアミドイミドなどをあげる
ことができる。さらに、天然ゴム、イソプレンゴム、ブ
タジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ムなどのゴム類や、これらの樹脂のブレンドであっても
よい。
本発明化合物(I)を有機材料用安定剤として用いる
場合、有機材料に対し、好ましくは0.01〜5重量%の割
合で配合するのがよい。
本発明化合物(I)を有機材料用安定剤として用いる
場合、ヒンダードフェノール系化合物、光安定剤または
チオアルカン酸エステル化合物と組合わせて使用するこ
とが好ましい。
これらヒンダードフェノール系化合物としては、2,6
−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロ
キシメチル−2,6−ジ第3級ブチルフェノール、2,6−ジ
第3級ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロ
キシアニソール、オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ
−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、ジ
ステアリル・(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3
級ブチル)ベンジルマロネート、没食子酸プロピル、没
食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、トコフェロール、
2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−第3級ブチル
フェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ第3級ブ
チルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−第3
級ブチル−m−クレゾール)、4,4′−チオビス(6−
第3級ブチル−m−クレゾール)、スチレン化フェノー
ル、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、3,5−ジ第3級
ブチルヒドロキシベンジルホスホン酸アミノエチルエス
テル・カルシウム、1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5第3級ブチルフェニル)ブタン、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔3−
(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシメチル〕メタン、1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス〔3(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、2,2′−ジヒドロキシ
−3,3′−ジシクロヘキシル−5,5′−ジメチルジフェニ
ルメタン、2,2′−メチレンビス〔6−(1−メチルシ
クロヘキシル)−p−クレゾール〕、1,3,5−トリス
(4−第3級ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3,5−ジ第
3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジ
ン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリエチレングリ
コールビス3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2′−オキザ
ミドビス〔エチル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、6−(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルアニリノ)−2,4−ジオ
クチルチオ−1,3,5−トリアジン、ビス〔2−第3級ブ
チル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3級
ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレー
ト、3,9−ビス〔2−〔3−(3−第3級ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ〔5・5〕ウンデカン、3,9−ビス〔2−〔3
−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンなどが
あげられるが、これらに限定されるものではない。
また、光安定剤としてはフェニルサリチレート、p−
第3級ブチルサリチレート、p−オクチルフェニルサリ
チレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−アセトキシエトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−
ジヒドロキシ−4,4′−メトキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフ
ェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−5,
5′−ジスルホベンゾフェノン・2ナトリウム、2−ヒ
ドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキ
シ)プロポキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチ
ル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第3級オクチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジ第3級ブチ
ルフェニル・3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベ
ンゾエート、エチル・2−シアノ−3,5−ジフェニルア
クリレート、〔2,2−チオビス(4−第3級オクチルフ
ェノラート)〕−n−ブチルアミン・ニッケル、ニッケ
ルビス(オクチルフェニルサルファイド)、ニッケルビ
ス〔O−エチル(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)〕ホスホネート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ブチル−3,5
−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル−マロネー
ト、ビス(1−アクリロイル−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)・ビス(3,5−ジ第3級ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)マロネート、テトラキス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4
−テトラカルボキシレート、ポリ{〔6−(1,1,3,3−
テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−s−トリア
ジン−2,4−ジ−イル}、〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、ポリ
(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジ−イル)
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)イミノ〕、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸縮合
物、塩化シアヌル−/第3級オクチルアミン/1,6−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘ
キサン縮合物などに代表されるサリチル酸系、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート
系、ニッケル化合物系もしくは2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン系化合物などがあげられ、特にベンゾトリア
ゾール系化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン系
化合物が好ましい。
チオアルカン酸エステル化合物としてはジラウリルチ
オジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオジプロピオネートおよびペンタエ
リスリトールテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネ
ート)から選ばれる。
本発明化合物(I)およびヒンダードフェノール系化
合物、光安定剤またはチオアルカン酸エステル化合物の
それぞれ少なくとも1種を組合わせて有機材料用安定剤
として用いる場合、有機材料に対し、好ましくは0.01〜
5重量%の割合で配合するのがよく、ヒンダードフェノ
ール系化合物等は本発明化合物(I)に対し、0.1〜15
重量倍用いるのがよい。
本発明の化合物(I)単独またはヒンダードフェノー
ル系化合物、光安定剤またはチオアルカン酸エステル化
合物と併用して、有機材料へ配合する方法としては混合
し、ついで混練、押出などの工程で処理することができ
る。
本発明化合物(I)は、さらに、金属石鹸、重金属不
活性化剤、造核剤、有機錫化合物、可塑剤、エポキシ化
合物、顔料、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑
剤、加工助剤などと併用することもできる。
〔作用および発明の効果〕
本発明化合物(I)は、有機材料に対し、安定化作用
を示し、酸化防止剤として有用である。また、ヒンダー
ドフェノール系化合物、光安定剤またはチオアルカン酸
エステル化合物と併用すると、より一層安定化効果が発
揮される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、得られ
た化合物は赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクト
ル、質量スペクトル、元素分析などの手段により目的と
する化合物(I)であることを確認した。
〔実 施 例〕
実施例1 1容フラスコにメチル・3−(3−第3級ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
98.2gとトルエン400mlを仕込み、ピリジン1.9gを滴下し
た。昇温し、70℃にて三塩化リン16.3gを滴下した。滴
下終了後、昇温し還流下(110〜112℃)に13時間撹拌し
た。反応終了後、反後液を水に投入し、酢酸エチルにて
抽出し、水洗した。無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶
媒を除去し、粗生成物120.1gを得た。析出した結晶を濾
取後、濾液をシリカゲルカラムで精製(n−ヘキサン:
酢酸エチル=5:1にて展開)した。先に析出した結晶と
あわせて、n−ヘキサンと酢酸エチルの7:1混合溶媒か
ら再結晶すると、融点138〜139℃の白色結晶性粉末であ
るビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(メトキシカルボニル)エチル)フェニル〕ヒドロキシ
ホスファイト50.6gを得た。
この生成物のFAB質量スペクトルを測定したところ、m
/z=547に水素化分子イオンが観測された。
元素分析値(%) 実測値 C:65.70, H:8.10, P:5.70 計算値 C:65.92, H:7.93, P:5.67 実施例2 オクタデシル・3−(3−第3級ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート70.0gとピ
リジン3.5mlをトルエン80mlに加え、70℃に加熱後、三
塩化リン7.14gを15分で滴下した。滴下後、トルエン還
流下に10時間撹拌した。反応混合物を冷却後、水150ml
を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水150m
l、飽和食塩水200mlに洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物63.4gをシ
リカゲルカラムクロマトにて精製(n−ヘキサンと酢酸
エチルとの混合溶媒にて展開)し、ついでn−ヘキサン
とメタノールの1:1混合溶媒にて再結晶すると、融点68.
5〜70℃のビス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−
(2−(オクタデシルカルボニル)エチル)フェニル〕
ヒドロキシホスファイト15.9gを得た。
この生成物のFAB質量スペクトルを測定したところ、m
/z=1023に水素化分子イオンが観測された。
元素分析値(%) 実測値 C:75.00, H:10.90, P:3.00 計算値 C:75.10, H:10.93, P:3.03 原料のオクタデシル・3−(3−第3級ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートは、
次のようにして合成した。
メチル・3−(3−第3級ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート70.0g、オクタデ
シルアルコール76.3gおよびジブチル錫オキシド0.74gを
トルエン70mlに溶解後加熱し、トルエンを加えながら溶
媒200mlを留去した。反応混合物からトルエンを留去
し、残査をカラムクロマトにより精製して、融点58〜59
℃のオクタデシル・3−(3−第3級ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート136.0gを
得た。
製造例1 メチル・3−(3−第3級ブチル−6−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート10.0g、トルエン4
0ml、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(D
BU)6.1gを仕込み、25℃にて三塩化リン1.7gを滴下し
た。滴下後、25〜26℃にて17時間撹拌した。反応終了
後、水に投入し、酢酸エチルにて抽出する。水洗し、無
水硫酸マグネシウムにて脱水後、減圧濃縮し、シリカゲ
ルカラム精製(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1混合溶
媒にて展開)した。得られた粗精製物をn−ヘキサンか
ら再結晶すると、融点113〜114℃の白色結晶性粉末とし
てトリス〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−
(メトキシカルボニル)エチル)フェニル〕ホスファイ
トを得た。
この生成物のFAB質量スペクトルを測定したところ、m
/z=779に水素化分子イオンが観測された。
元素分析値(%) 実測値 C:69.30, H:8.10, P:3.80 計算値 C:69.39, H:8.15, P:3.98 製造例2 200mlフラスコにオクタデシル・3−(3−第3級ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート20.0g、トルエン60ml、DBU6.2gを仕込み、三塩化
リン1.4gを23〜29℃にて滴下した。滴下後、25〜28℃に
て19時間撹拌した。反応終了後、水に投入し、酢酸エチ
ルにて抽出し、水洗した。無水硫酸マグネシウムにて脱
水後、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲル
カラム精製(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1にて展開
し)、n−ヘキサンから再結晶すると、融点65〜66℃の
白色結晶性粉末としてトリス〔2−第3級ブチル−6−
メチル−4−(2−(オクタデシルオキシカルボニル)
エチル)フェニル〕ホスファイトを得た。
この生成物のFAB質量スペクトルを測定したところ、m
/z=1493に水素化分子イオンが観測された。
元素分析値(%) 実測値 C:76.90, H:11.00, P:2.10 計算値 C:77.16, H:11.13, P:2.07 実験例1 135℃でテトラリン中で測定した極限粘度が1.9でアイ
ソタクチックなものが98%の添加剤未添加のポリプロピ
レン粉末に酸化防止剤を添加してミキサーで充分混合し
た。そしてシリンダー温度260℃でL/D=20、20mm径の押
出機によって溶融混練して造粒した。こうして得られた
ペレット230℃でのMFR(JIS K67548)を測定してMFR1
した。更に同上混練造粒条件で押出機を繰り返して3回
通し、得られたペレットの230℃でのMFRをMFR4とした。
MFRは分子量の一つの指標であり、MFRが大きいというこ
とは分子量が小さいことに対応する。即ち、MFR1および
MFR4が小さく、MFR1とMFR4との差が小さいということは
押出機中での酸化劣化による分子量の低下が小さいとい
うことであり、酸化防止剤を用いている場合には酸化防
止効果が大きいということである。結果を第1表にまと
めた。比較化合物として、米国特許第4187212号明細書
に記載された化合物中、代表的化合物であるトリス(2,
4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイト(以下、化
合物Aという)を用いた。
実験例2 実験例1において、ヒンダードフェノール系化合物と
してテトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン
(以下、化合物Bと示す。)を併用して、酸化防止効果
を検討した。結果を第2表にまとめた。表中、色相bは
ハンター(Hunter)のb値を、YIはイエローネスインデ
ックスを示し、第1回と第4回押出成型ペレットを対比
して示した。これらは数値が小さいほど着色度が小さい
ことを意味する。比較化合物として、化合物A、トリス
〔2−第3級ブチル−6−メチル−4−(2−(メトキ
シカルボニル)エチル)フェニル〕ホスファイト(製造
例1の化合物)およびトリス〔2−第3級ブチル−6−
メチル−4−(2−(オクタデシルオキシカルボニル)
エチル)フェニル〕ホスファイト(製造例2の化合物)
を用いた。
実験例3 実験例1に用いたポリプロピレン樹脂に、第3表記載
のリン系酸化防止剤を添加、充分に混合し、260℃、20m
mφ押出機にてペレット化し、射出成型機にて、200℃で
1mm厚のテストピースを作成した。
このテストピースを150±1℃に調節されたギアーオ
ーブン中で、脆化するまでの時間(BP、時間)を測定し
た。この結果を第3表に示す。
実験例4 実験例1に用いたポリプロピレン樹脂に第4表記載の
リン系酸化防止剤と、ステアリン酸カルシウムを添加、
充分に混合し、実験例3と同様にし、脆化するまでの時
間を測定した。この結果を第4表に示す。
実験例5 実験例1に用いたポリプロピレン樹脂に第5表記載の
酸化防止剤と、テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチ
ル−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(化合物B)を添加、充分に混合し、実験例
3と同様にし、脆化するまでの時間を測定した。この結
果を第5表に示す。
実験例6 本発明化合物を含む各種有機ホスファイト化合物の耐
加水分解性を40℃、相対湿度75%の条件下でその重量変
化を経時的に測定することにより比較した。その結果を
第6表に示す。
〔各有機ホスファイト化合物の初期値(0時間)を100
として、重量変化を比較した。また、表中の化合物C、
DおよびEは次の化合物を意味する。
化合物C:トリスノニルフェニルホスファイト ↑ 化合物D:サイクリックネオペンタンテトライルビス(オ
クタデシルホスファイト) ↑ 化合物E:サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,
4−ジ第3級ブチルフェニルホスファイト)〕 以上実験例1〜6に示したように、本発明化合物が極
めてバランスのとれた酸化防止剤であることを述べてき
た。
従来ホスファイト系酸化防止剤に関しては、「ポリマ
ーの着色を防止し、またそれ自身が酸化されホスフェー
トになり、ポリマーの自動酸化(Autoxidation)に寄与
するハイドロパーオキサイドを不活性な化合物に分解す
る。その他、ホスファイト系酸化防止剤の長所として、
一次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤が酸化さ
れ、キノン構造をとることにより、着色することを防ぐ
役割がある。また一方欠点として、その物自体の加水分
解性がある。」と言われてきている。これらの代表例と
してトリスノニルフェニルホスファイト(化合物C)、
サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシ
ルホスファイト)(化合物D)、サイクリックネオペン
タンテトライルビス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル
ホスファイト)(化合物E)があり、これらは着色防止
性能、加工安定性改良の効果を示すものの、実験例6で
示したように加水分解しやすい化合物である。
この加水分解性を改善したホスファイトとして代表的
な化合物としてトリス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニ
ル)ホスファイト(化合物A)があげられる。
実験例6の結果から明らかなように、本発明化合物お
よびそのトリス体である、製造例で示した化合物は、ト
リス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ホスファイト
と同等もしくはそれ以上の耐加水分解性を示す有用な化
合物である。そこで、これら加水分解性の改善されたホ
スファイト化合物についての加工安定性能および着色防
止性能について実験例1〜2により比較してみた。すな
わち、実験例1はホスファイト化合物単品での性質比
較、実験例2はホスファイト化合物とフェノール系化合
物との併用等の性能比較を行ったものであるが、実験例
1では化合物Aは単品使用の際加工安定性がなく、本発
明化合物は単品使用でも充分加工安定性能があることが
判明した。化合物Aについては、この単品使用等の効力
不足を補うため、米国特許第4187212号明細書に示され
るようにフェノール系酸化防止剤との併用により加工安
定性を改良する処方が開発されたが、実験例2に示す通
り、化合物Aは着色防止性能が不充分であり、しかも製
造例1、2で示す化合物についても着色防止性能が損な
われてしまうことは明らかである。
一方、本発明化合物は製造例1、2で示す化合物と極
めて近い構造を有するにも拘わらず、驚くべきことに耐
加水分解性と同時に着色防止性能をも兼ね備えているこ
とは明らかである。
次に本発明者らは、実験例3〜5に示す通りホスファ
イト化合物の耐熱性能を比較した。実験例3では、本発
明化合物が単品で、他の化合物に比し飛躍的にポリマー
の耐熱性能を向上させることを示し、実験例4、実験例
5では種々の併用系でその耐熱性能が向上することが見
出された。
以上述べてきたように従来のホスファイト化合物は、
着色防止性能、加工安定性能は保有するが、加水分解し
易いとの欠点を有していたり、逆に耐加水分解性があり
しかもフェノール系と併用すれば加工安定性も保有し得
るが着色防止性能が劣るとの欠点を有しているのに対
し、本発明化合物は着色防止性能、加工安定性、対加水
分解性、さらにポリマーの耐熱性能を向上させるという
バランスのとれた化合物であり、その上他の添加剤との
併用系で性能が更に向上するという特徴を有している。
フロントページの続き (72)発明者 大西 章義 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社樹脂研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は炭素数1〜22個のアルキル基を示す。) により表わされるホスファイト化合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のホスファイト化合物0.01〜
    5重量%を含有することを特徴とする安定化された有機
    材料。
  3. 【請求項3】請求項1記載のホスファイト化合物および
    当該ホスファイト化合物に対し、0.1〜15重量倍のヒン
    ダードフェノール系化合物を含有することを特徴とする
    安定化された有機材料。
  4. 【請求項4】請求項1記載のホスファイト化合物および
    当該ホスファイト化合物に対し、0.1〜15重量倍の光安
    定剤を含有することを特徴とする安定化された有機材
    料。
  5. 【請求項5】光安定剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸
    収剤である請求項4記載の有機材料。
  6. 【請求項6】光安定剤が2,2,6,6−テトラメチルピペリ
    ジン系化合物である請求項4記載の有機材料。
  7. 【請求項7】請求項1記載のホスファイト化合物および
    当該ホスファイト化合物に対し、0.1〜15重量倍のジラ
    ウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロ
    ピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートおよび
    ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリルチオプ
    ロピオネート)から選ばれるチオアルカン酸エステル化
    合物を含有することを特徴とする安定化された有機材
    料。
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