JP2781666B2 - 自動式ジャンパ線確認試験器の確認装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電話回線の局内における
ジャンパ線を補足し、且つ確認試験及び試験結果の保存
機能を自動的に実行する自動式ジャンパ線確認試験器の
確認装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電話回線の局内における電話回線
を含むジャンパ線を補足する確認試験は、作業者による
手動試験によって行われていた。そのため、試験を実施
する作業者の経験等による熟練度によって、試験の精度
等や作業に必要な時間が異なっていた。

【０００３】そこで本出願人が出願した特願平１−２８
６１５４号に開示されているような自動式ジャンパ線確
認試験器を用いてジャンパ線の自動確認試験を行うこと
ができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この自動式ジ
ャンパ線確認試験器は、交換機（例えば、Ｄ７０形デジ
タル交換機）側でジャンパ線確認用音声信号を受信でき
なかったため、Ｄ７０形デジタル交換機のジャンパ線確
認及び、Ｄ７０形デジタル交換機を新設のＤ７０形デジ
タル交換機に更改する時に新設ジャンパ線の自動確認試
験はできない等の欠点があった。

【０００５】従って、ジャンパ線の自動確認試験ができ
ない場合は、従来と同様に作業者による手動試験が行わ
れ、その作業者の経験等による熟練度で、試験精度や作
業に必要な時間が異なっていた。

【０００６】そこで本発明は、ジャンパ線確認用音声信
号を確認して、高精度の確認試験及び自動化による夜間
無人試験の実施を可能とする自動式ジャンパ線確認試験
器の確認装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、自動式電話交換機を接続する自動式電話交
換機接続端子と、パーソナルコンピュータのプログラム
実行により各部へのデータ送受を行うパーソナルコンピ
ュータインターフェース部と、前記パーソナルコンピュ
ータインターフェース部を通して、前記プログラムによ
り制御され、前記自動式電話交換機の該当番号のジャン
パ線を補足するための音声信号発生部と、前記音声信号
発生部の正常動作を確認するモニタスピーカ部と、前記
音声信号発生部から送出された音声信号を前記自動式電
話交換機が動作できる音量まで増幅する音声増幅部と、
前記自動式交換機との接続状態、前記音声信号の受信検
出を行う信号検出部と、前記パーソナルコンピュータイ
ンターフェース部を通して前記プログラムにより制御さ
れ、前記自動式電話交換機の試験装置の起動させ、前記
ジャンパ線に接続した後、前記信号検出部へ接続切換え
を行う試験装置インターフェース部とで構成される自動
式ジャンパ線確認試験器において、前記自動式電話交換
機接続端子が有する第１信号入力端子、第２信号入力端
子、電源供給端子及び基準電位端子と、前記第１信号入
力端子と電源供給端子との間に接続され、電源から供給
される電流を制御する第１電流制御手段と、前記第２信
号入力端子と基準電位端子との間に接続され、この間に
流れる電流を制御する第２電流制御手段とで構成され、
ジャンパ線確認用音声信号を前記自動式電話交換機側で
補足する自動式ジャンパ線確認試験器の確認装置を提供
する。

【０００８】

【作用】以上のような本発明の自動式ジャンパ線確認試
験器の確認装置によれば、電話回線を含むジャンパ線の
異常を検出する回線試験装置からの検出信号を自動式ジ
ャンパ線確認試験器側及び、二重ジャンパ線検証試験器
側からジャンパ線確認用音声信号を受信できるように
し、ジャンパ線確認が自動化される。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳
細に説明する。図１は、本発明の確認装置を組み入れた
自動式ジャンパ線確認試験器の試験を実施するための試
験回路の概略的な構成を示すブロック図である。

【００１０】この構成図で、後述する本発明の確認装置
１（円内に示す範囲）は、試験装置（例えば、Ｄ７０形
デジタル交換機）側で音声受信を可能とする該試験装置
への電流供給部であり、パーソナルコンピュータ等（以
下、パソコンと称する）の拡張スロットと、自動式ジャ
ンパ線確認試験器の試験装置の間に設けられ、ジャンパ
線確認を自動化するものである。

【００１１】この試験回路において、パソコン拡張スロ
ットが、パソコンインターフェース部２に接続される。
このインターフェース部２は、直接及び、試験用の音声
信号発生部３，音声増幅部４を介して、前記Ｄ７０形デ
ジタル交換機の試験装置と接続するためのインターフェ
ース部６に接続され、パソコンのプログラム実行により
各構成部材への制御信号等の送受を行う。さらに前記イ
ンターフェース部２は、交換機との接続状態、音声信号
の受信検出等を行う例えば、フォトカプラ等の信号検出
部７に接続される。

【００１２】また前記音声増幅部４は、出力状態をモニ
ターするモニタースピーカ部５が接続されており、前記
音声信号発生部３から送出された音声信号を交換機が動
作できる音量まで増幅する。そして前記モニタースピー
カ部５によって、前記音声信号発生部３及び前記音声増
幅部４が正常に動作しているか確認される。

【００１３】そして、前記インターフェース部６は、前
記Ｄ７０形デジタル交換機の試験装置に接続するための
コネクタ８のＡ線端子、Ｂ線端子、地気端子及び、 -48
Ｖ端子に接続され、復旧端子及び話中端子には直接的に
接続される。これらのコネクタ８の -48Ｖ端子、Ａ線端
子、Ｂ線端子及び、地気端子の配線途中に本発明の確認
装置１が設けられている。

【００１４】この確認装置１の構成において、 -48Ｖ端
子が抵抗Ｒ８、d-t リレーの9-13接点の直列接続を介し
てＡ線端子と接続され、地気端子が抵抗Ｒ７、d-t リレ
ーの4-8接点の直列接続を介してＢ線端子と接続され
る。次に図２に前述した確認装置１が組み込まれた試験
器の具体的な回路例を示し説明する。ここで図２で図１
の構成部材と同等のものには、同じ参照番号を付す。

【００１５】まずパソコンのインターフェース部２の端
子１〜３が、電流検出部１０に接続される。また、パソ
コンインターフェース部２の端子４には、音声信号検出
器ＩＣ３が接続され、同様に端子５〜７には、自動可変
増幅器ＩＣ２が接続され、さらに可変抵抗器ＶＲ１を介
して、帯域瀘波器ＩＣ１が接続される。

【００１６】前記帯域瀘波器ＩＣ１は、試験用音声信号
発信器の周波数を通過させ、他の周波数を阻止し、誤動
作を防止させる。また、前記自動可変増幅器ＩＣ２は、
前記帯域瀘波器ＩＣ１を通過した周波数のレベルを可変
増幅するもので、増幅度がパソコンにより制御され、Ａ
線，Ｂ線に入ってくる音声信号を可変する。前記可変抵
抗器ＶＲ１は、前記帯域瀘波器ＩＣ１からの出力を調整
し音声信号検出器ＩＣ３の飽和状態を防止する。

【００１７】また、前記インターフェース部２の端子８
〜１５には、図１と同様に音声信号発生器３、音声増幅
器４及びモニタスピーカ５が接続される。そして前記音
声増幅器４の出力端は、整流器Ｄ１，Ｄ２とトランス
Ｔ、切換えスイッチ等を介して、コネクタ８のＡ線端
子、Ｂ線端子に接続される。

【００１８】そして前記電流検出部１０の端子３からダ
イオードＤ５を介してコネクタ８の話中端子に接続さ
れ、該電流検出部１０の端子４から抵抗Ｒ３を介してコ
ネクタ８の -48Ｖ端子に接続される。そして前記端子４
から抵抗Ｒ３の配線中にリレー接点が設けられ、コネク
タ８の地気端子及び復旧端子に接続される。これらのコ
ネクタ８の -48Ｖ端子、Ａ線端子、Ｂ線端子、地気端子
及び復旧端子の配線途中に本発明の確認装置１が設けら
れている。

【００１９】この確認装置は、図１と同じ構成であり、
-48Ｖ端子が抵抗Ｒ８、d-t リレーの9-13接点を介して
Ａ線端子と接続され、地気端子が抵抗Ｒ７、d-t リレー
の4-8 接点を介してＢ線端子と接続される。また帯域瀘
波器ＩＣ１の出力端が、幾つかのリレー接点を介して、
コネクタ８の各端子に接続されている。次に図３には、
前述した本発明の確認装置を組み込んだ試験器を用い
て、ジャンパ線の自動確認試験を行う構成を示す。

【００２０】予め試験の手順や故障状況等の所定プログ
ラムが記録され、試験した結果を記録するフロッピーデ
ィスクＦＤ３１が、試験工程を制御するパソコン３２の
装着される。

【００２１】そして、前記確認装置を組み込んだ試験器
３３がＤ７０形デジタル交換機の回路試験装置３４に接
続され、さらに該回路試験装置３４が電話局内のデジタ
ル交換器３５に接続される。そしてこのデジタル交換器
３５は電話局内で避雷器弾器３６を介して、本配線盤３
７に接続される。その本配線盤３７からジャンパ線の確
認試験を行う各回線加入者の電話機に接続されている。
このように構成されたジャンパ線の自動確認試験の動作
について、図２および図３の各構成部材を用いて説明す
る。

【００２２】１）この確認装置のオン（ｏｎ）リレーが
動作することにより、ｏｎリレーの13-9接点が導通さ
れ、コネクタ８のＡ線−ｏｎリレーの13-9接点−Ｒ１−
コネクタ８のＢ線の閉回路が形成され、Ｄ７０形デジタ
ル交換機の回路試験装置を起動する。

【００２３】２）次に起動及び、接続完了確認は、コネ
クタ８のＡ線−ｏｎリレーの9-13接点−Ｒ５−電流検出
部６の5-6 端子若しくは、8-7 端子−コネクタ８のＢ線
の閉回路の電流の向きにより、パソコンインターフェー
ス部２の端子２若しくは、端子３に地気が送出され、こ
れを検出して確認する。

【００２４】３）次に起動確認後、音声信号発生器を動
作させ、該当する試験番号音声を発生させる。そして発
生した前記試験番号音声を増幅器４により前記Ｄ７０形
デジタル交換機が動作できる最適レベルまで増幅し、ト
ランスを経由してコネクタ８のＡ線、Ｂ線間に送出す
る。 ４）次に前述したと同様の検出確認を繰り返し行う。 ５）そして接続完了を確認した後、、tst リレー、pgリ
レー、bgリレー、abリレーを動作復旧させ、コネクタ８
のＡ線及びＢ線の故障の有無を試験する。

【００２５】６）前記故障有無の試験で異常が認められ
なかった場合に、確認装置のd-t リレーを動作させ、コ
ネクタ８の地気端子−Ｒ７− d-tリレーの13-9接点−コ
ネクタ８の閉回路で回線試験装置のＢ線に地気を供給
し、次にコネクタ８の -48Ｖ端子−Ｒ８−d-t リレーの
13-9接点−コネクタ８のＡ線端子の閉回路で回線試験装
置のＡ線に-48Vの電源を供給することにより、回線試験
装置の試験回路ゲートを開き、試験用音声信号の受信を
可能とする。

【００２６】７）新設ジャンパ線及び線番確認のため、
Ｄ７０形デジタル交換機の該当試験電話番号のジャンパ
線Ａ線端子に音声信号発振器の出力線（片線は接地電位
に接続する）を接続する。

【００２７】８）そしてＡ線側の音声信号は、コネクタ
８のＡ線端子− tetリレーの 4-8接点− a-bリレーの 1
1-13接点−Ｃ６−Ｒ４−帯域瀘波器ＩＣ１−Ｃ７−可変
抵抗器ＶＲ１−Ｃ８−自動可変増幅器ＩＣ２−Ｃ９−音
声信号検出ＩＣ３の閉回路で受信の有無が確認され、同
様に、Ｂ線側の音声信号は、コネクタ８のＢ線−tet9-1
3 −a-b リレーの6-4 接点−Ｃ５−接地の閉回路で受信
の有無が確認されて、それぞれに有であれば、「良好」
を設定し、無であれば、「Ａ線断線」を設定する。

【００２８】９）次にＢ線側の音声信号は、a-b リレー
を動作させ、コネクタ８のＢ線−tet9-13 −a-b リレー
の9-13接点−Ｃ６−Ｒ４−帯域瀘波器ＩＣ１−Ｃ７−可
変抵抗器ＶＲ１−Ｃ８−自動可変増幅器ＩＣ２−Ｃ９−
音声信号検出ＩＣ３の閉回路で受信の有無が確認され、
同様に、Ａ線側の音声信号は、コネクタ８のＡ線−tet4
-8−a-b リレーの8-4 接点−Ｃ５−接地の閉回路で受信
の有無が確認されて、それぞれに有であれば、「ＲＥ
Ｖ」を設定し、無であれば、「良好」を設定する。 １０）次に前述した７）項の新設ジャンパ線及び線番確
認のための音声信号発振器の出力端子をジャンパ線Ｂ線
端子に接続する。

【００２９】１１）そしてＢ線側の音声信号は、前述し
た９）項と同じ閉回路で、出力された音声信号の有無に
より、有であれば「良好」とし、無であれば、「Ｂ線断
線」を設定して、a-b リレーを復旧させる。 １２）次にＡ線側の音声信号は、８）項と同じ閉回路
で、出力された音声信号の有無により、有であれば「Ｒ
ＶＥ」とし、無であれば「良好」と設定する。

【００３０】１３）そして前述した８）〜１２）項で、
Ａ，Ｂ線の両線が共に良好と判定された場合には、パソ
コンの表示画面、プリンター、フロッピーディスクＦＤ
に、それぞれ「良好」と記録され、次の試験電話番号の
試験に移行する。

【００３１】１４）しかし、前述した８）〜１２）項
で、Ａ，Ｂ線の両線が、断線、ＲＥＶ等若しくは、不良
と判定された場合には、パソコンの表示画面に故障の状
況により、あらかじめ設定されたキー操作により、プリ
ンター、フロッピーディスクＦＤに、それぞれ「故障の
状態」が記録され、次の試験電話番号の試験に移行す
る。

【００３２】以上、詳述したように本発明の確認装置を
組み込んだ試験装置により、Ｂ線に地気を供給し、Ａ線
に -48Ｖを供給することによって試験装置の試験回路ゲ
ートを開き試験用音声信の受信を可能になる。

【００３３】さらに本発明の確認装置を組み込んだ試験
器を用いて、ジャンパ線の自動確認試験においては、作
業者による手動操作が最小限で済み、従来の試験作業と
比較すると、作業が高能率化され、しかも作業者の能力
に試験精度が左右されずに、且つ容易に、試験を実施す
ることができる。

【００３４】また、本発明の確認装置を組み込んだ試験
器を用いたジャンパ線の自動確認試験においては、同様
の従来の作業工程に対して、１電話回線当り、１／７の
工程に減じ、試験時間が１／５に短縮される。

【００３５】さらにジャンパ線の自動確認試験の際に、
従来の確認試験では、試験回線の加入者の電話器の呼び
出し音が発信していたものが、本発明によると呼び出し
音の発信が無くなる。

【００３６】さらに二重ジャンパ線検証試験器に採用し
た場合は、Ｄ７０形デジタル電話交換機から、新たなＤ
７０形デジタル電話交換機に更改する時に行う加入者回
線のジャンパ線の確認試験を夜間に無人で自動試験をも
実施することができる。また本発明は、前述した一実施
例に限定されるものではなく、他にも発明の要旨を逸脱
しない範囲で種々の変形や応用が可能であることは勿論
である。

【００３７】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ジ
ャンパ線確認用音声信号を交換機側で確認して、高精度
の確認試験及び自動化による夜間無人試験を実施する自
動式ジャンパ線確認試験器の確認装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の確認装置を組み入れた自動式
ジャンパ線確認試験器の試験を実施するための試験回路
の概略的な構成を示すブロック図である。

【図２】図２は図１の試験回路の具体的な回路例であ
る。

【図３】図３は、本発明の確認装置を組み込んだ試験器
を用いて、ジャンパ線の自動確認試験を行う構成図であ
る。

【符号の説明】

１…確認装置、２…パソコンインターフェース部、３…
音声信号発生部、４…音声増幅部、５…モニタースピー
カ部、６…インターフェース部、７…信号検出部、８…
コネクタ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動式電話交換機に接続する自動式電話
   交換機接続端子と、パーソナルコンピュータのプログラ
   ム実行により各部へのデータ送受を行うパーソナルコン
   ピュータインターフェース部と、前記パーソナルコンピ
   ュータインターフェース部を通して、前記プログラムに
   より制御され、前記自動式電話交換機の該当番号のジャ
   ンパ線を補足するための音声信号発生部と、前記音声信
   号発生部の正常動作を確認するモニタスピーカ部と、前
   記音声信号発生部から送出された音声信号を前記自動式
   電話交換機が動作できる音量まで増幅する音声増幅部
   と、前記自動式交換機との接続状態、前記音声信号の受
   信検出を行う信号検出部と、前記パーソナルコンピュー
   タインターフェース部を通して前記プログラムにより制
   御され、前記自動式電話交換機に試験装置の起動させ、
   前記ジャンパ線に接続した後、前記信号検出部へ接続切
   換えを行う試験装置インターフェース部とで構成される
   自動式ジャンパ線確認試験器において、前記自動式電話
   交換機接続端子が有する第１信号入力端子、第２信号入
   力端子、電源供給端子及び基準電位端子と、前記第１信
   号入力端子と電源供給端子との間に接続され、電源から
   供給される電流を制御する第１電流制御手段と、前記第
   ２信号入力端子と基準電位端子との間に接続され、この
   間に流れる電流を制御する第２電流制御手段とで構成さ
   れ、ジャンパ線確認用音声信号を前記自動式電話交換機
   側で補足する自動式ジャンパ線確認試験器の確認装置。