JP2781272B2 - 脂肪族アルコールの製造方法 - Google Patents

脂肪族アルコールの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、脂肪族アルコールの製造方法に関する。
脂肪族アルコール、即ち高級アルコールとも称される
ことがあるアルコールは、6個以上の炭素原子を含む1
価の脂肪族アルコールであり、天然物質から誘導され、
または石油原料から合成される。これらは多くの場合、
市場における用途によって分類される。約6個から約11
個の間の炭素原子を含む第一アルコールの基本的な末端
用途は可塑剤エステルの製造にあるので、これらのアル
コールは多くの場合、可塑剤アルコールと呼ばれてい
る。例えば約11個以上から約20個の炭素原子を含有する
より高級なアルコールについては、主要な用途は合成清
浄剤の製造である。それゆえこれらのアルコールはしば
しば、清浄アルコールと呼ばれる。可塑剤アルコールと
清浄アルコールの間の区別はある程度任意のものであ
り、またC13の「オキソ」アルコールからはフタル酸エ
ステルが幾らか製造され、C8C10アルコールからは例え
ば非イオン性界面活性剤も幾らか製造される。
水素化されて可塑剤となる範囲においてアルコールを
製造することのできるエステルを含んでいる天然物質が
いくつかあるが、これらのアルコールはより一般的に
は、石油原料から合成によって製造されるものである。
これは例えばいわゆる「オキソ」法によるもので、この
方法はまたオキソ化またはヒドロホルミル化とも呼ばれ
ている。他方、清浄アルコールの範囲のものは、普通は
脂肪酸の低分子アルキルエステルの水素化によって製造
される。これらのエステルは天然のトリグリセリドのエ
ステル交換反応により、或いはかかるトリグリセリドの
加水分解によって得られる脂肪酸のエステル化によって
得られる。原料として使用可能なトリグリセリドの例に
は、ココナッツ油、菜種油、パーム油のような天然油、
ラード、牛脂、魚油のような動物性脂肪がある。これら
の天然原料はトリグリセリドの混合物を含有しているの
が通常であるから、水素化によって得られるアルコール
生成物もまた、分子量の異なるn−アルカノールの混合
物である。このようなアルカノールの混合物は、アルカ
ノールを相互に事前に分離することなしに清浄剤を製造
するのに十分なものである。
脂肪族アルコールまたは脂肪族アルコール混合物の商
業的な末端用途が何であろうと、一般的にユーザーは、
アルコール製品の酸価が可能な限り少なく、またケン化
価ができるだけ小さくなければならないと主張する。酸
価(AV)とはアルコール製品の遊離酸含有量の目安であ
り、アルコール1g中の遊離脂肪酸を中和するのに必要な
KOHのmg数として定義される。ケン化価(SV)は酸価と
共に、アルコール製品の遊離エステル含有量の目安を与
えるものであり、アルコール1g中のエステル及び酸をケ
ン化するのに必要なKOHのmg数として定義される。エス
テル価(EV)とは、ケン化価から酸価を減算する事によ
って得られる数である(EV=SV−AV)。すべての場合に
ついて、価(AV,SVまたはEV)が低いほど、アルコール
製品の品質は良好であると考えられている。飽和アルコ
ールの純度についての別の目安は、ヨウ素価(IV)、即
ちアルコール100gに吸収されるI2のグラム数である。ヨ
ウ素価は、アルコール製品についてのエチレン性二重結
合の含有量を示す。この場合も、飽和アルコールについ
て可能な限り低いヨウ素価を持つことが望ましいと一般
に考えられている。
市販の脂肪族アルコール製品の例としては、以下の商
品名の下に販売されている製品がある。
清浄アルコールの範囲のものを製造する原材料として
通常用いられるエステルは、メチルエステルである。と
ころが生成したアルコール混合物を精製するについては
問題が生ずる。なぜなら水素化されたエステル混合物中
に存在している1つ以上のメチルエステルの沸点は通
常、生成アルコールの1つの沸点に近くなるからであ
る。従って、生成したアルコール混合物から未変換のメ
チルエステルを蒸留によって分離することは、不可能で
ないにしても非常に困難になる。
脂肪酸メチルエステルから脂肪族アルコールを分離す
る困難性、特に脂肪族アルコールの混合物が大部分で脂
肪酸メチルエステルを少量含有している混合物から分離
する困難性を例示するものとして、次の沸点のリストが
参照される。
これらの化合物を全部含んでいる混合物は、例えば天
然のトリグリセリドの加水分解により生成されるC12−C
18脂肪酸のメチルエステル混合物の水素化によって生成
されるが、多数の精留塔の使用によらなければ、蒸留に
よって十分に分離することは困難(不可能でなければ)
である。多数の精留塔に要するコストを回避するために
は、次の2つのうち1つのアプローチが採用されるのが
通常である。最初のアプローチは、高温高圧の使用を含
めたやや激しい水素化条件を用いることであり、それに
よって水素化生成物中に残存する未変換のメチルエステ
ルの比率をできるだけ小さくすることである。このこと
は生成したアルコールからメチルエステルを分離する問
題を大きく取り除くが、激しい水素化条件を用いること
には欠点がある。特に、そのような条件ではアルカン及
びエーテルといった副生物の収量が増大する傾向があ
り、そのことは潜在的に価値のあるアルコールの実質的
な損失を意味している。また触媒の消費量も幾らか多
く、高圧設備を使用することは、プラントの設備投資及
びランニングコストを増大する。
アルコール水素化生成物中の未変換エステルの存在に
伴う問題点に対する第2のアプローチは、より穏やかな
水素化条件を用いることである。これにより、アルカン
やエーテル副生物の形成によるアルコール生成物の損失
が減少する。次いで、加熱した水素化ナトリウム水溶液
のような加熱したアルカリ水溶液による加水分解によ
り、未変換エステルの除去を行う。この場合、残存エス
テルは脂肪酸塩に変換され、水性相中に失われてしま
う。またこの方法では、水酸化ナトリウムその他のアル
カリの消費を伴う。さらに、脂肪酸のナトリウムその他
のアルカリ金属塩がセッケンとして作用するため、エマ
ルジョンの形成により、アルコール生成物から水性相を
分離するについて問題が生じうる。
脂肪酸のエステル化において恐らく最も広く使用され
ている触媒は、硫酸及びパラトルエンスルホン酸のよう
な有機スルホン酸である。これらの触媒は有効ではある
が、均一系触媒であるため、エステル精製を試みること
が可能となる前に中和段階が必要となる。普通の場合、
かかる中和段階においては水酸化ナトリウム水溶液のよ
うなアルカリによる洗浄が用いられる。エステル化は平
衡反応であるから、この方法の欠点として、洗浄段階の
結果として同時に、洗浄液により未反応脂肪酸が除去さ
れてしまうことが挙げられる。通常、洗浄液中の塩から
未反応の酸を回収することを試みるのは経済的でないか
ら、このことは方法の効率の実質的なロスを意味するこ
とになる。加えて、いくらかのエステルもこの洗浄段階
において失われる。水性アルカリ相におけるエステルの
ロスは、かかる水溶液に対するそのエステルの溶解性に
依存している。さらに、洗浄液を廃棄することは環境問
題を意味することにもなるが、これは洗浄液中に有機カ
ルボン酸塩が存在することによってさらに悪化する。ま
た特に長鎖の脂肪酸が関与している場合には、洗浄段階
において問題が生ずる。これは、脂肪酸のアルカリ金属
塩によって安定化された表面活性なエマルジョンが形成
され、それをその成分である水性相と有機相に分離する
ことが大抵は困難であることによる。かかるエマルジョ
ンの安定性は不特定な態様で変動することが知られてお
り、そのため有機相/水性相の分離装置の設計は困難と
なる。従って、均一系触媒を用いて連続的にエステル化
方法を実行することは困難である。その結果、通常はバ
ッチプロセスが採用されており、これがバッチごとの生
成物の品質に影響する要因となっている。硫酸やパラト
ルエンスルホン酸といった均一系触媒を用いることの別
の欠点は、硫黄含有成分によってエステルが汚染される
危険性があることである。そのような硫黄含有成分は、
続いての水素化に大きく干渉する可能性がある。
脂肪族アルコールの製造に関するさらなる背景的な情
報としては、次の文献が参照されよう。
1.モニック(J.A. Monick)著「脂肪族アルコール」、
J.Am.Oil Chemists' Soc.,1979年11月、Vol.56,853A−8
60A頁、 2.ヘニング・ブホールド(Henning Buchold)著「脂肪
族アルコールへの天然脂肪及び油によるルート」、Chem
ical Engeneering,1985年2月21日、42−43頁、 3.クロイツァー(Udo R.Kreutzer)著「天然脂肪及び脂
に基づく脂肪族アルコールの製造」、JAOCS,Vol.61,No.
2,1984年2月、343−348頁、 4.テオドール・ヴォエスト(Theodor Voeste)及びヘニ
ング・ブホールド(Henning Buchold)著「脂肪酸から
の脂肪族アルコールの製造」、JAOCS,Vol.61,No.2,1984
年2月、350−352頁、 5.カーク・オスマー化学技術大辞典第3版(1978年)
「アルコール、高級脂肪族」、Vol.1,716−739頁、ニュ
ーヨーク市ウィレイ・アンド・サンズ社発行、 6.コンプ(H.D. Kompp)及びクバースキイ(H.P. Kuber
sky)著「脂肪族アルコールの製造のための技術プロセ
ス」、1982年ジュッセルドルフ市ヘンケル社発行「脂肪
族アルコール−原料、方法、用途」所載、49−74頁。
選択された水素化条件の結果として水素化粗生成物中
に未変換の脂肪酸メチルエステルがかなりの量で存在す
ることになるとしても、実質的にエステルを含有しない
脂肪族アルコールを脂肪酸メチルエステル原料の水素化
により比較的穏やかな条件の下に製造することを可能と
し、またこの経路による従来の脂肪族アルコールの製法
において生ずるのと比較してアルカン副生物の形成がよ
り少なくなる方法を提供することが望ましい。このよう
な改良された方法を提供することは、アルカン副生物の
形成による方法の損失が減少するため、脂肪族アルコー
ルの収率を改良する結果となる。
従って本発明は、アルカン及びエーテル副生物の形成
を最小にする条件の下で天然のトリグリセリドから誘導
された脂肪酸の低級アルキルエステル、特にメチルエス
テルを水素化し、それによるエステル含有水素化生成物
を次いで精製することによって脂肪族アルコールを製造
する、改良された方法を提供することを目的としてい
る。
本発明によれば、エステル化段階において脂肪酸又は
脂肪酸混合物を低級アルカノールでエステル化して対応
する脂肪酸低級アルキルエステルを生成し、生成された
脂肪酸低級アルキルエステルを不均一系水素化触媒の存
在下で水素化して脂肪族アルコールからなるエステル水
素化生成物を生成し、このエステル水素化生成物を精製
して脂肪族アルコールを回収する方法において、エステ
ル化段階が、エステル化条件に維持され且つスルホン酸
基及び/又はカルボン酸基を含有しているエステル化固
体触媒が装填されたエステル化領域へと、脂肪族アルカ
ノールの蒸気を含有する気流に対する向流でもって脂肪
酸又は脂肪酸混合物を液相で連続的に供給することを含
み、エステル化領域に約5モル%より少ない水分含有量
を有する低級アルカノール蒸気の供給流を供給し、低級
アルカノール蒸気とエステル化の水分を含有する蒸気状
の排出流をエステル化領域から回収し、エステル化領域
から回収される脂肪酸低級アルキルエステル流が少なく
とも約99モル%の脂肪酸低級アルキルエステルを含有す
るものとし、エステル化段階から回収された脂肪酸低級
アルキルエステル又はエステル混合物を水素流中で気化
し、触媒と接触する蒸気状混合物が常時その露点より高
い温度にあるようにする気相水素化条件の下にエステル
水素化固体触媒が装填された水素化領域を介して蒸気形
態で通過させ、その結果得られる水素化生成物を生成脂
肪族アルコールの他に少なくとも約0.5モル%の未反応
脂肪酸低級アルキルエステルを含有して収集し、水素化
生成物をエステル交換条件に維持された第1のエステル
交換領域においてエステル交換し、かくして水素化生成
物中の未反応脂肪酸低級アルキルエステルを生成した脂
肪族アルコールとの反応によってそれ自体又は生成した
アルコール及び脂肪酸から誘導されるワックスエステル
へと変換し、未反応の低級アルカノールを生成した混合
物から蒸発させ、かくして実質的に低級アルカノールを
含まない混合物をさらに蒸留して(i)生成したアルコ
ールを含有し実質的に脂肪酸低級アルキルエステルを含
まない塔頂留出物画分と(ii)脂肪族アルコール及びワ
ックスエステルからなる蒸留残渣を収集することを特徴
とする、脂肪族アルコールの製造方法が提供される。
特に好ましい方法では、蒸留残渣(ii)はエステル交
換条件に維持された第2のエステル交換領域において添
加された低級アルカノールの存在下にエステル交換さ
れ、それによってワックスエステルを脂肪酸低級アルキ
ルエステル及び脂肪族アルコールへと再度変換する。そ
の後低級アルカノールを蒸発させることにより実質的に
低級アルカノールを含まない液状残渣を収集し、また次
いでこの液状残渣中に存在する脂肪族アルコール及び脂
肪酸低級アルキルエステルを蒸留することにより(a)
脂肪酸低級アルキルエステル及び脂肪族アルコールの混
合物を含有する塔頂留出物と(b)比較的不揮発性の残
渣を得る。この比較的不揮発性の残渣はワックスエステ
ルを含有しており、また第2のエステル交換領域におい
てエステル交換触媒を使用した場合には恐らくその触媒
をも含んでいる。
本明細書において「モル%」で示したすべての数量
は、特記しない限り低級アルカノールを含まないベース
で計算したものである。また「脂肪族アルコール」とい
う用語は、約6個から約26個の炭素原子を含む直鎖状ア
ルカノールを意味する。好ましい脂肪族アルコールは約
10個から約20個の炭素原子を含有する。典型的な脂肪族
アルコールには、1−デカノール、1−ドデカノール、
1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オ
クタデカノールその他があり、またこれらの混合物も含
まれる。「低級アルキル」という用語は、メチル、エチ
ル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチ
ル、イソブチル及びセカンダリーブチルなどのC1−C4
ルキルを意味する。好ましい低級アルキルラジカルはメ
チルである。同様に「低級アルカノール」という用語も
C1−C4アルカノールを包含するものであり、メタノー
ル、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノ
ール、ノルマルブタノール、イソブタノール及びセカン
ダリーブタノールを含む。好ましい低級アルカノールは
メタノールである。「脂肪酸」という用語によって本発
明者らは、直鎖状の飽和、不飽和又はポリ不飽和脂肪酸
を意味している。これは例えば約6個から約26個の炭素
原子、好ましくは約10個から約20個の炭素原子を包含す
る直鎖状のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアル
ケニルカルボン酸である。かかる脂肪酸の例としては、
デカン酸(カプリル酸)、ドデカン酸(ウラリル酸)テ
トラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキ
サデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸(マルガ
リン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸又はイソステ
アリン酸)、オクタデセン酸(オレイン酸、リノール酸
又はリノレン酸)、ヒドロキシオクタデセン酸(リシノ
ール酸)、エイコサン酸(アラキン酸)及びドコサン酸
(ベヘン酸)がある。脂肪酸の混合物は、水素化段階に
おいて出発物質として使用される脂肪酸低級アルキルエ
ステルを調製する原材料として特に重要である。そのよ
うな酸の混合物は、ココナッツ油、菜種油、パーム油、
牛脂、ラード及び魚油のような天然に存在するトリグリ
セリドの加水分解によって得られる。所望の場合にはか
かる酸の混合物を蒸留して、ある選択した温度よりも低
い沸点を有する低沸点の酸を除去して酸の「抜頭(topp
ing)」混合物を得、又は別の選択温度よりも高い沸点
を有する高沸点の酸を除去して酸の「抜尾(tailin
g)」混合物を得、或いは低沸点及び高沸点の両方の酸
を除去して酸の「抜頭及び抜尾」混合物を得ることがで
きる。
本発明による好ましい方法では、低級アルカノール
(例えばメタノール)での脂肪酸又は脂肪酸混合物のエ
ステル化は、次の手順で行われる。即ち脂肪酸又は脂肪
酸混合物と低級アルカノールは、縦方向に重なり合って
設けられる複数個のエステル化トレーが備えられた反応
塔を介して向流でもって通過させ、トレーの各々は所定
量の液体と装填されるエステル化固体触媒とを保持する
ように構成されている。各々のエステル化トレーには液
体下降手段が関連されており、これは液相があるエステ
ル化トレーから反応塔を下方へと通過することは許容す
るが、エステル化固体触媒はトレーに保持するように構
成されている。また各々のエステル化トレーには蒸気上
昇手段が関連されており、これはトレーに下側から蒸気
が入ってそのトレー上の液体混合物とエステル化固体触
媒を攪拌することを許容するよう構成されている。脂肪
酸又は脂肪酸混合物は液相でもって複数個あるエステル
化トレーの一番上のものに供給され、他方低級アルカノ
ールは気相でもって、複数個のエステル化トレーの一番
下のものの下側から供給される。低級アルカノールとエ
ステル化による水からなる蒸気は反応塔の上部から回収
され、脂肪酸低級アルキルエステル又はエステル混合物
は反応塔の下部から回収される。
かかる手順において、反応塔に供給される低級アルカ
ノール蒸気の水分含有量は約5モル%より少なくあるべ
きであり、エステル化トレーの数や反応条件は、脂肪酸
低級アルキルエステル流が低級アルカノールを含まない
ベースで計算して約1モル%より少ない低い酸含有量と
なり、エステル含有量がやはりアルカノールを含まない
ベースで少なくとも約99モル%となるように選択され
る。
本発明の方法は、エステル化反応器中で生成されるエ
ステル化反応による水分を運び去るように低級アルカノ
ールの気流を用いている。しかしこの気流は、脂肪酸や
脂肪酸低級アルキルエステルを多量に運び出すものでは
ない。
反応塔において使用されるエステル化条件は通常の場
合、約160℃までの昇温、例えば約80℃から約140℃まで
の範囲、好ましくは約100℃から約125℃までの範囲にあ
る温度を用いることを含む。かかる作動温度は、エステ
ル化触媒の熱安定性、エステル化反応の速度、適切な入
口圧力を有する反応塔の基部に供給される低級アルカノ
ールの蒸気の温度といった要因によって決定される。反
応塔の蒸気入口における通常の作動圧力は、約0.1バー
ルから約25バールの範囲にある。液体は反応塔を通る毎
時の空間速度が約0.1/時から約10/時、通常は約0.2/時
から約2/時の範囲でもって使用される。
脂肪酸又は脂肪酸混合物は液状でもって反応塔の上部
へと供給されるか、或いは低級アルカノールとの混合物
であるか、リサイクルされたエステル生成物中の溶液で
あるか、又は不活性溶媒やその希釈剤中の溶液である。
低級アルカノールと脂肪酸又は脂肪酸混合物を反応塔に
導入する前に予反応させることも可能である。その結果
として得られる反応混合物は、脂肪酸低級アルキルエス
テル又はエステル混合物、水及び低級アルカノールの混
合物を含有する。通常の場合、スルホン基及び/又はカ
ルボキシル基を含有する酸性イオン交換樹脂の存在下に
低級アルカノールと脂肪酸又は脂肪酸混合物とを予反応
させて、最終的な平衡混合物を反応塔に導入する前に平
衡させるのが都合が良い。
このようなエステル化方法においては、蒸気混合物が
反応塔の塔頂留出物として出てくる。かかる蒸気混合物
を液状の低級アルカノールで洗気して、痕跡量の脂肪酸
エステル及び脂肪酸を反応塔内へと洗浄し戻す手段を講
ずることができる。反応塔からこの塔頂留出物は濃縮
し、公知の仕方で処理してその構成要素を分離すること
ができる。エステル化から回収される水分は拒絶され、
低級アルカノールは、相当する経済的な制約の枠内で実
行できる限度において可能な限り乾燥した形態において
再使用すべくリサイクルされる。複数のエステル化トレ
ーのうち最も下側にあるものに供給される低級アルカノ
ール蒸気中の水分含有量が少ないほど、エステル化平衡
反応のエステルへの変換は100%へと近づき、反応塔の
底部から回収されるエステル含有生成物の残余酸性度は
低くなる。しかしながら、例えば一方では反応塔内部へ
と気化される実質的に乾燥した低級アルカノールを提供
するためのコストと、より乾燥していないアルカノール
を使用した場合にエステル生成物を所要の品質までグレ
ードアップさせるために必要となる何らかの付加的な下
流の処理設備を提供し動作させるためのコストとの間で
バランスを達成せねばならないことが多いであろう。こ
れは低級アルカノールの種類によっても変わり、水と低
級アルカノールとの間の相互作用に依存しており(例え
ば共沸混合物を形成する)、またアルカノール/水の分
離に対する効果にも依存している。何れにせよ、反応塔
へと供給される低級アルカノール蒸気中の水分含有量は
約5モル%より少なく、より好ましくは約1モル%より
少ない。
反応塔は複数個のエステル化トレーを有する。場合に
よっては2又は3個のトレーでも十分なことがあるが、
通常は反応塔内に少なくとも約5個から約20個又はそれ
以上のエステル化トレーを備えることが必要となる。普
通各々のエステル化トレーは、各トレーにおける液体の
滞留時間が約2分から約120分、好ましくは約5分から
約60分となるように構成されている。
エステル化固体触媒は、スルホン基及び/又はカルボ
キシル基を含有している粒状のイオン交換樹脂でありう
る。この種の大きな網状組織の樹脂が好ましい。適当な
樹脂の例としては"Amberlyst","Dowex"、"Dow"及び"Pur
olite"といった商標名の下に販売されているものがあ
り、その例はAmberlyst 13,Amberlyst 66,Dow C351及び
Purolite C150などである。
反応塔のそれぞれのトレーについて、異なるエステル
化固体触媒を使用することができる。また、それぞれの
トレーについて濃度の異なるエステル化固体触媒を使用
することができる。
各々のトレーにある微粒子又は粒状のエステル化固体
触媒の装填量は通常の場合、そのトレー上において少な
くとも約0.2%w/vの樹脂濃度、例えば約2%w/vから約2
0%w/vの範囲の樹脂濃度、好ましくは約5%w/vから約1
0%w/vの範囲の樹脂濃度に相当する触媒:液体比率を提
供するのに十分なものとされる。選択した滞留時間内に
おいて適当な作動条件の下にトレー上で平衡状態又は平
衡に近い状態が達成され得るように、十分な触媒を使用
すべきである。その一方で、下側からトレーに入ってく
る上昇蒸気によって生ずる攪拌によりトレー上で触媒を
液体内懸濁状態に維持するのが困難になるような、各ト
レーについて多すぎる触媒も使用すべきではない。典型
的な樹脂触媒について、約2%v/vから約20%v/v、好ま
しくは5%v/vから10%v/vの範囲の樹脂濃度が使用され
る。
触媒の粒径は、スクリーンその他の装置によって触媒
を各トレー上に保持するのに容易ならしめるのに十分大
きくあるべきである。しかしながら、大きな触媒粒径に
なると懸濁状態に維持するのがより困難となり、またグ
ラム当たりの幾何学的表面積も少なくなるから、余り大
きすぎない触媒粒径のものを使用するのが都合がよい。
適当な触媒粒径は、約0.1mmから約5mmの範囲内にある。
反応塔からの生成物、溶媒及び/又は試薬のロスを防
ぐため、エステル化トレーの上方には1つ以上の洗浄ト
レーを設けることができる。
反応塔内において、各々のエステル化トレーと組み合
わせられている蒸気上昇手段はスパージャーを含む。こ
れは作動時において、トレー上の液体とエステル化固体
触媒の混合物の表面よりも下側に来るよう配置されてお
り、それによってスパージャーから排出される蒸気の泡
が液体と粒状の固体触媒の混合物を攪拌するようになっ
ている。このスパージャーはリングスパージャーでよ
い。スパージャーの付近には少なくとも1つのバッフル
手段が設けられ、その混合力を高める。小規模で実施す
るについては、円筒状のバッフルの下側にあり反応塔の
中心軸に沿ったスパージャーを用いることができる。
1実施例では、スパージャーはリングスパージャーで
あり、そのスパージャーの近傍に内側及び外側の環状の
バッフル手段が配置され、蒸気の泡が上昇してくる領域
には上昇流ゾーンを画定し、またこの上昇流ゾーンの内
側及び外側に隣接する下降流ゾーンを画定する。
エステル化固体触媒が落ち着いてしまう停滞ゾーンを
回避することは重要である。なぜならこれは副生物の過
剰な生成を招来するし、または高温スポットが生ずるか
らである。触媒粒子が液体内に懸濁して維持されるよう
に各トレーに機械的な攪拌装置を設けることができる
が、これは反応装置に幾らかの複雑さを付加するもので
ある。しかしながら、スパージャーとトレーを適切に設
計することにより上昇してくる蒸気がトレー上の液体を
介して通過するに際して十分な攪拌をもたらすように
し、触媒粒子を懸濁状に維持することが可能である。こ
の目的を達成するためには、エステル化トレーの1つ以
上(好ましくは全部)の床面の少なくとも一部を、スパ
ージャーの下において見いだされるような上昇蒸気流に
より発生される乱流があるゾーンに向けて傾斜させるこ
とが便利である。傾斜角度は、エステル化トレー内の液
体下にある粒状のエステル化固体触媒の静止角度に等し
いか又は大きくなるように選択されるのが好ましい。そ
のような傾斜を採用することにより、作動中にすべての
触媒が液体と動的に接触し、触媒の停滞するゾーンが形
成されないことを確実にし得る。かかる停滞ゾーンが好
ましくないのは、それが望ましくない副反応を可能に
し、さらには場合によっては急激な発熱が生ずることを
も可能にするからである。
好ましい装置では、1つ以上(好ましくは全部)のエ
ステル化トレーの蒸気上昇手段には、液体吸い戻し防止
手段が設けられる。
少なくとも1つのエステル化トレーには、その下降手
段を介してエステル化トレーからエステル化固体触媒が
失われるのを防止するために、スクリーン手段が設けら
れる。このようにして、1つのエステル化トレーから下
の段にある次のトレーへと固体触媒が下方に流れること
を実質的に防止できる。
反応塔の作動中に1つ以上のトレーから樹脂を除去し
又は樹脂を添加するための手段を設けることができる。
例えば下向きに曲がった開放端部を有する導管を、その
開放端部がトレー内の底の方に位置するようにして、そ
れぞれのトレーの内側に延伸させることができる。この
手段により、触媒と液体からなるスラリーをトレーから
間欠的又は連続的に所望に応じて制御された仕方で除去
することができ、また追加の触媒を所望に応じてトレー
へとスラリー状で導入することができる。所定のトレー
から除去された触媒は、恐らくは再生処理を施した後
に、同じトレー又は下側若しくは上側のトレーへと、反
応塔内に導入することができる。
本発明の方法の水素化段階においては、脂肪酸低級ア
ルキルエステルは気相の水素化条件下で水素化される。
この場合にガス流の組成は、水素化触媒と接触する物質
が常時その露点より高い温度、好ましくは露点よりも少
なくとも約5℃高い温度にあるように選択される。適切
な水素化触媒には公知のエステル水素化触媒、例えば還
元酸化銅−酸化亜鉛(GB−B−2116552及びWO−A−82/
03854参照)、亜クロム酸銅、及び促進された亜クロム
酸銅などがある。好ましい触媒は、GB−B−2116552及
びWO−A−82/03854に開示されたタイプの還元酸化銅−
酸化亜鉛触媒である。この触媒は酸化銅と酸化亜鉛の還
元混合物からなり、これは還元前に(a)約10から約70
重量%のCuO及び約90から約30重量%のZnO、(b)約65
から約85重量%のCuO及び約15から約35重量%のZnO、及
び(c)約40から約50重量%のCuO又はZnO及び0から20
重量%のアルミナからなる混合物から誘導される。好ま
しい亜クロム酸銅触媒は、金属として計算して約25から
約45重量%の銅と約20から約35重量%のクロムを含有す
るものである。典型的な気相水素化条件は、約260℃ま
での温度、例えば約140℃から約240℃の範囲の温度を用
いること、及び約5バールから約100バールの範囲の圧
力を用いることを含んでいる。典型的には、水素化領域
に対する供給蒸気内のH2:エステルのモル比は少なくと
も約200:1であり最高約2000:1又はそれ以上である。
脂肪酸低級アルキルエステル又はエステル混合物の水
素化によって得られる水素化混合物は、脂肪族アルコー
ル又は脂肪族アルコール混合物に加えて、メタノールの
ような低級アルカノールをも含んでいる。このメタノー
ルは例えば1以上の段階における蒸留といった公知の手
法によって脂肪族アルコールから分離され、本発明の方
法において使用するのに適した脂肪族アルコール留分が
得られる。かかる脂肪族アルコール留分は通常、恐らく
は少モル量のメタノールその他の低級アルカノール(普
通は約5モル%より少ない)の他に、多モル量の脂肪族
アルコール(普通は約90モル%又はそれ以上)と小モル
量の未反応脂肪酸低級アルキルエステル(普通は約0.5
モル%から約5モル%)を含有している。
本発明方法の水素化段階においては、気相条件が使用
される。すべての成分を気相中に維持するために重要な
2つの要因は、(a)水素化ゾーンへの蒸気混合物の
H2:エステルのモル比、及び(b)その温度である。一
般に、脂肪酸低級アルキルエステルの分子量が高くなる
ほど揮発性が少なくなり、また沸点も上昇する。従って
例えば、水素化ゾーンに対する供給原料としてラウリン
酸メチルを用いる場合、ステアリン酸メチルのような高
い沸点のエステルを水素化する場合よりも、水素化ゾー
ンにおいてより低いH2:エステルのモル比とより低い入
口温度を使用することができる。実際上においては、プ
ラントの操作者はその時々において異なる供給源から誘
導された脂肪酸を用いてプロセスを実行する自由を持つ
ことを欲するであろう。例えば操作者はその時々に応じ
て、牛脂、ラード、魚油、ココナッツ油、菜種油又はパ
ーム油といった一般的な供給源の何れかに由来する脂肪
酸を用いてプロセスを実行しようとする。このような一
定範囲の酸原料を取り扱うことのできるプラントは、使
用される可能性のある脂肪酸のメチル又は他の低級アル
キルエステルのうち最も高い沸点を有するものを水素化
することのできるものでなければならない。従ってそれ
は一定範囲のH2:エステルのモル比にわたって作動する
ことが可能であって、且つ水素化ゾーンに対して蒸気状
の入口混合物を適当な温度において給送することのでき
るエステル気化領域を有しなければならない。即ちステ
アリン酸メチルについてはラウリン酸メチルの場合より
もより高い入口温度とH2:エステルのより高いモル比に
ついて作動しうるものでなければならない。
水素化領域は、断熱状態において動作すると共に、亜
クロム酸銅や還元CuO−ZnO触媒といったエステル水素化
触媒の単一のベッドを含む単一の反応器からなることが
できる。しかしながらこの場合に触媒ベッドは、最低の
設計温度で作動している場合に設計供給速度においてそ
こを通る1回きりの蒸気混合物の通過によって、可能な
限り水素化が完了するような大きさとせねばならない。
また、触媒の老化と共に生ずる触媒の不活性化に対応し
て、プラントを設計するについては考慮を払わねばなら
ない。このアプローチが採用される場合には、比較的低
沸点のエステル、例えばラウリン酸メチルに適した温度
において作動するような大きさとされた触媒装填物に関
して、例えばステアリン酸メチルにような沸点の高いエ
ステルを気相に維持するのに必要なより高い作動温度及
びH2:エステルのより高いモル比においては水素化が速
く生ずるため、水素化反応器中で役割を果しているのは
主として触媒ベッドの前端部分であり、触媒ベッドの後
端部分は何の役目も果たしていないことが理解されよ
う。この設計アプローチの欠点は、ステアリン酸メチル
のような高沸点エステルについて作動している場合、水
素化反応は既に有効に完了してしまっているのに触媒ベ
ッドの後方では高温の反応混合物が触媒とかなりの時間
にわたって接触し、その結果として副生物への変換がこ
れに応じて高くなるということである。
この問題点を克服するために、本発明による好ましい
方法において提案されることは、所要に応じて使用に供
することのできる直列に構成された水素化触媒の複数個
のベッド、或いは触媒ベッドの複数個の区画を有する水
素化領域を使用して水素化を実行することである。1つ
の構成においては、水素化反応器は主入口と主出口とを
有し、この主入口と主出口の間を流れているガスの経路
に複数個の水素化触媒ベッドがあり、さらに1つ以上の
二次的流れ接続手段が設けられて、対となっている触媒
ベッドの間のそれぞれに配置されている。水素及び脂肪
酸低級アルキルエステルを含んでいる蒸気混合物は主出
口によって水素化反応器内へと供給することができ、他
方反応混合物はエステルの揮発性に応じて、従って蒸気
混合物のH2:エステルのモル比及び入口温度に応じて、
すべての触媒ベッドが使用されるように主出口を介して
取り出すことも、また触媒ベッドの1つ又は幾つかだけ
が使用されるように二次的流れ接続手段の1つを介して
取り出すこともできる。或いはまた、反応混合物を主出
口から取り出す一方で、蒸気混合物を二次的流れ接続手
段の1つへと供給することができる。アクティブに使用
されていない触媒ベッドはすべて、適当な水素圧の下に
維持される。このようにしてプラントの操作者は、現在
使用されている脂肪酸の供給原料の性質に適合する適切
な数の触媒ベッドを容易に選択することができる。
第1のエステル交換ゾーンにおいて、脂肪族アルコー
ル画分はエステル交換を受ける。このエステル交換は、
高温、例えば約250℃又はそれ以上に加熱することによ
って、添加触媒の不存在下において実行することができ
る。しかしながら通常は、エステル交換触媒の存在下に
第1のエステル交換ゾーンでエステル交換を行うことが
好ましい。いかなる公知のエステル交換触媒も使用でき
る。その例としては、アルキルチタン酸塩、アルカリ金
属のアルコキシド、金属スズ及び水酸化第一スズなどが
ある。従来の技術では、液相エステル交換用の触媒とし
て硫酸やスルホン酸のような酸が提案されているが、そ
のような触媒の使用は避けるのが最良である。なぜなら
脂肪族アルコール生成物が硫黄不純物で汚染される危険
があるためである。好まれてはいないがこれまでに提案
されてきている他のエステル交換触媒系には、塩基、ア
ルカリ金属及びアルカリ土類金属の化合物、水、並びに
亜鉛、カドミウム、鉛といった金属及びこれらの化合物
がある。スルホン基及び/又はカルボキシル基を含む酸
性樹脂や、アンモニウム置換基を含む塩基性樹脂など
も、エステル交換触媒として使用できると考えられてい
る。
エステル交換触媒の中でも特に好ましい部類は、アル
キルチタン酸塩である。どのようなアルキルチタン酸塩
も触媒として添加することができるが、アルキルチタン
酸塩はそれ自体がエステル交換に関与するから、本発明
の方法の実施に際して、アルキルチタン酸塩中の元々存
在しているアルコキシドラジカルは、脂肪族アルコール
から誘導されるアルコキシドラジカルとの交換を受ける
傾向がある。
別の特に好ましい部類のエステル交換触媒は、ナトリ
ウムメトキシド又はナトリウムエトキシドといったアル
カリ金属のアルコキシドである。この場合にも第1のエ
ステル交換領域において、脂肪族アルコールから誘導さ
れたアルコキシドラジカルとのアルコキシドラジカルと
の交換が、触媒中で時間と共に生じがちである。あるい
はまた、脂肪族アルコール生成物自体、又は脂肪族アル
コールの混合物を生成すべき場合にはそれらのうちの1
つ以上から誘導されたアルカリ金属のアルコキシドを用
いることができる。
第1のエステル交換ゾーンにおいて用いられるエステ
ル交換条件は大部分が、エステル交換触媒の使用その
他、並びにエステル交換触媒の活性に依存している。高
圧の使用も排除される訳ではないが、例えば約0.1バー
ルから約1.2バールの範囲の圧力といった、実質的に大
気圧又はそれ以下の圧力において動作させるのが通常は
好ましい。このようにすれば、エステル交換反応の途上
におけるメタノール又はその他の低級アルカノールの蒸
発が容易になる。エステル交換の間に低級アルカノール
を除去すれば、エステル交換反応は完了の方向へと押し
進められる。
アルキルチタン酸塩を使用する場合には、第1のエス
テル交換ゾーンにおいて約240℃までの温度、例えば約1
20℃から約200℃の範囲の温度が用いられるのが一般で
あり、例えばそれは約170℃から約180℃の間の温度であ
る。アルカリ金属のアルコキシドならば、より低い作動
温度、例えば約40℃から約100℃の範囲の温度を用いる
ことが可能となるが、通常は後で説明するような余分の
処理段階を導入することが必要となる。
第2のエステル交換ゾーンにおいても同様のエステル
交換条件を使用することができる。通常はエステル交換
触媒が用いられ、それは例えば第1のエステル交換ゾー
ンで使用するとして上に掲げたものの一つである。しか
しながら、そのような触媒なしで動作させることも考慮
されている。第2のエステル交換ゾーンにおいては、大
気圧より高い圧力、例えば約1.5バールから約50バール
の圧力を使用することが通常は好ましく、それによって
第2のエステル交換ゾーンでは低級アルカノール(例え
ばメタノール)を液相中に維持するものである。
第1及び第2のエステル交換ゾーンにおいてアルカリ
チタン酸塩をエステル交換触媒として使用することの利
点は、その後の蒸留及び/又は気化段階を触媒の事前の
除去なしに実施できるということである。しかしなが
ら、エステル交換触媒としてアルカリ金属のアルコキシ
ドを用いる場合には、蒸留及び/又は気化に先立って触
媒を中和することが好ましい。都合の良いことに、この
中和段階は、触媒含有物質をスルホン基及び/又はカル
ボキシル基を含有するイオン交換樹脂のベッドを介して
通過させることによって行うことができ、かくしてアル
カリ金属を液体混合物から除去できる。即ち、 R−SO3H+NaOR′=RSO3Na+HOR′ であり、式中Rは樹脂を表し、−OR′はアルコキシドラ
ジカルを表す。
アルキルチタン酸塩を用いることの別の利点は、蒸留
残渣(ii)又は比較的不揮発性の残渣(b)に残存して
いる触媒を用いて、第1のエステル交換ゾーンで用いら
れるエステル交換触媒の少なくとも一部を形成し得るこ
とである。必要とされる全触媒量の残りは、このときに
アルキルチタン酸塩を補うことによって供給され得る。
本方法において、「重質成分(heavies)」の制御は、
(b)の比較的不揮発性の残渣の一部をパージすること
によって達成でき、この比較的不揮発性の残渣の残りは
第1のエステル交換ゾーンで使用すべくリサイクルする
ことができる。
他方、アルカリ金属のアルコキシドをエステル交換触
媒として使用する場合には、比較的不揮発性の残渣(i
i)には触媒残渣がないのが普通である。これは蒸留段
階に先立って中和が行われるのが通常だからである。同
様に、もし樹脂触媒がエステル交換触媒として用いられ
る場合には、比較的不揮発性の残渣(ii)の溶解してい
る触媒はない。従ってこれらの場合には、比較的不揮発
性の残渣をリサイクルすることには何の利益もなく、こ
の比較的不揮発性の残渣(ii)はプラントからパージし
て燃料として使用することができる。
アルキルチタン酸塩をエステル交換触媒として用いる
場合には、第2のエステル交換ゾーンの下流における気
化及び蒸留段階を、触媒の事前の除去なしに実行するこ
とができる。この場合には、エステル交換反応が実質的
に逆転してこられの段階でワックスエステルが再形成さ
れる結果となる危険性を最小限とするために、これらの
段階での滞留時間をできる限り短くして作動させるのが
ベストである。従って好ましいのは、この気化段階をフ
ラッシュ蒸留によって行ってこの段階での滞留時間を最
小限とし、また同様の理由から、この気化段階を流下フ
ィルム形又は拭取フィルム形分子蒸留機(wiped film e
vaporator)において実行することができる。
塔頂留出物(i)と蒸留残渣(ii)を収集するための
実質的に低級アルカノールを含まない混合物の蒸留、並
びに塔頂留出物(a)及び比較的不揮発性の残渣(b)
を生成するための液状残渣の蒸留は、大気圧付近又はそ
れ以下、例えば約0.005バールから約1.2バールの範囲の
圧力において行われるのが通常である。
本発明が明瞭に理解され、また容易に実行に移される
ように、本発明の開示に従って操作されるよう設計され
たアルコール製造プラントの幾つかの好ましい形態を、
例示のみの目的でもって如何に添付図面を参照して説明
する。
図1は本発明の教示に従って構築された脂肪族アルコ
ールの製造プラントの流れ図であり、 図2から4は図1のプラントで使用できるエステル化
反応器の2つの構成の部分的な詳細を示し、 図5は別のプラントの流れずであり、 図6は種々の脂肪酸供給原料を用いて操作可能なよう
に構成されたプラントの修正形態の一部を示し、 図7及び8はそれぞれ脂肪族アルコール製造プラント
の別の形態の各々の一部を示し、 図9は脂肪族アルコール製造プラントにおいて使用す
るための水素か反応器の修正された形態についての垂直
断面図であり、 図10は図9の反応器の水平方向断面図である。
これらの図面は概略的なものであり、工業用プラント
においては設備についての別の装置類、例えば還流ドラ
ム、ポンプ、真空ポンプ、温度センサー、圧力センサ
ー、圧力逃がし弁、制御弁、流れ制御装置、レベル制御
装置、保持タンク、貯蔵タンクその他が必要とされるこ
とは、当業者の理解するところである。
図1を参照すると、脂肪酸混合物はライン1からプラ
ントに供給され、ライン2においてリサイクルされたメ
タノールと混合される。このメタノールはポンプ3によ
って給送されて、ライン4からプラントに供給される混
合物を形成する。脂肪酸混合物は例えば天然に産生する
トリグリセリド、例えばココナッツ油を加水分解し、次
いで「抜頭及び抜尾」により得られる脂肪酸混合物であ
る。かかる脂肪酸混合物は約65モル%のドデカン酸、25
モル%のテトラデカン酸、および10モル%のヘキサデカ
ン酸を含有する。ライン4の供給混合物は熱交換器5へ
と流れ、そこにおいて温度は110℃まで上昇される。加
熱された酸/メタノール混合物はライン6を通って第1
エステル化反応器7へと流れる。この反応器はスルホン
酸基及び/又はカルボン酸基を含むイオン交換樹脂、例
えばAmberlyst 13の装填物8を含有している(「Amberl
yst」は商品名)。反応器7の圧力は5バールである。
反応器7において、酸混合物は一部がメタノールとの
反応によりエステル化され、対応する脂肪酸メチルエス
テルを生ずる。反応器7からはライン9を介して、メチ
ルエステル、未反応脂肪酸、エステル化により生成した
水、及び未反応メタノールの混合物が出る。この混合物
は圧力解放弁10を介して気/液分離器11へと通される。
メタノールと水からなる気相は、ライン12と13を介して
1.3バールでもってエステル化反応器14の上部へと供給
される。反応器14には多数のエステル化トレー15が設け
られている。エステル化トレー15について考えられる2
つの形態が図2及び3に示されており、以下により詳細
に説明される。図1の反応器14では6つのエステル化ト
レー15がある(全部は示されていない)。しかしなが
ら、脂肪酸又は脂肪酸混合物の性質に応じて、また選択
される反応条件に応じて、かかるトレーをより多くの又
はより少ない数で設けることができる。
気/液分離器11からの液相は、ライン16、ポンプ17及
びライン18によって熱交換器19へと送られ、そこで蒸気
により150℃までの温度(例えば120℃)に加熱され、次
いでライン20によって、ライン13の入る個所よりも下側
の個所から反応器14に供給される。
反応器14において降下しながら流れる、ライン20から
の混合物中に含まれる未反応脂肪酸は、各々のエステル
化トレー15から次に低いトレー15へと、メタノール及び
エステル化水、即ちエステル化反応の結果として生成さ
れる水からなる蒸気の上昇流に対する向流となって下方
に通過する。乾燥したメタノール蒸気が、ライン21を介
して反応器14に供給されている。各々のエステル化トレ
ー15は、ある装填量の酸性イオン交換樹脂、例えばスル
ホン酸基を含有する樹脂を保持している。Amberlyst 13
が適切な樹脂である(「Amberlyst」は商品名)。反応
器14のカラムを下方に通過すると、未反応の遊離酸は各
トレー上で段々とより乾燥したメタノール蒸気に遭遇す
る。各々のトレー15が適切な液体保持容量を備えるよう
に構成することにより、各々のトレー15上での滞留時間
を調節することができる。トレー15の数を適当に選択す
ることにより、一番低いトレー15から反応器14の溜め22
へと下方に通過する液体に本質的に遊離脂肪酸が残存し
ないように反応器14を構成することも可能である。メチ
ルエステル生成物(即ちライン4から供給される混合脂
肪酸から誘導されるメチルエステルとメタノールの混合
物)はライン23を介して溜め22から取り出され、ポンプ
24によってライン25を介し、プラントの水素化段階へと
前方に給送される。メタノールの蒸気とエステル化反応
により放出された水の混合物は、ライン26を介して反応
器14から塔頂留出物として取り出される。液体メタノー
ルが、ライン13の接続点よりも上方の位置でライン27を
介して反応器14の上部へと供給され、洗浄トレー28上に
液体メタノールを供給する。
ライン26の蒸気はメタノール/水分離カラム29へと供
給されるが、これは1.3バールの圧力及び70℃の頭部温
度(head temperature)で操作される。乾燥メタノール
蒸気はライン30から塔頂留出物として回収され、凝縮器
31で凝縮される。その結果得られる凝縮物はドラム32で
収集されるが、これは33で示すように抜気されている。
副生物として生成されるジメチルエーテルは、ライン33
で抽出される。メタノールはライン31に冷却凝縮器(図
示せず)を設けることによって回収されるものであり、
そうでなければジメチルエーテルと共に失われる。凝縮
されたメタノールの一部はドラム32から、ポンプ35とラ
イン36及び37を介してライン34において還流としてカラ
ム29にリサイクルされる。凝縮されたメタノールの他の
一部はまたライン205において、高圧ポンプ206によりラ
イン180へと給送されて、第2のエステル交換反応器で
使用される。残りはライン38を介して再使用すべく給送
し戻される。
カラム29の溜めからの生成物は、本質的に水からな
る。これはライン39を介して除去される。一部は蒸気加
熱再沸器(図示せず)によってカラム29へとリサイクル
されるが、残りは溶出液処理へと流される。
ライン38の乾燥メタノールの幾らかは蒸発器40を介し
て通されて、ライン21に乾燥メタノール蒸気の流れを提
供する。残りはそのまま通されて、ライン27に還流を提
供する。このプラントの補充用メタノールは、ライン41
を介して還流ドラム32に供給される。
図1のプラントの修正例においては、反応器7と気/
液分離器11は省略され、脂肪酸と選択的にいくらかのメ
タノールとがライン42を介してライン13へと供給され
る。この場合、ライン2からリサイクルされたメタノー
ルの残りは蒸発器40を介して通過され、反応器14内のエ
ステル化トレー15の数は(例えば)4又は5個へと増加
される。
図2は図1のプラントの反応器14のトレー15の構造に
ついての一つの形態を示している。水平方向の隔膜即ち
仕切50が反応器14の壁51内で延在しており、液体用の下
降管52と蒸気上昇管53を除いては、反応器14の横断面を
完全に隔絶している。仕切50は蒸気上昇管53を取り囲ん
でいる軸方向の円錐台形部分54と、壁51に隣接した環状
の傾斜部分55を有する。従ってトレー15は表面を56で示
した一定容量の液体を保持することができ、その容積は
仕切50の上方における下降管52のオーバーフローレベル
の高さによって定まる。各々のトレー15はまた、スルホ
ン基を含む酸性イオン交換樹脂、例えばAmberlyst 13の
装填物をも支持することができる。この樹脂の粒子が57
で概略的に示してある。かかるイオン交換樹脂粒子は、
以下に説明するように上昇してくる蒸気によって生ずる
攪拌の結果、トレー15上の液体中に懸濁されて保持され
る。下降管52を通ってオーバーフローする液体と共にイ
オン交換樹脂粒子57が逃げていくのを防止するために、
下降管52の頂部にはスクリーン58が設けられている。円
錐台形部分54の傾斜と傾斜部分55の傾斜は、エステル化
トレー15上の液体中でAmberlyst 13又は他の粒状固体エ
ステル交換触媒が静止する角度に等しいか又はより大き
い。
蒸気上昇管53は、上昇してくる蒸気を蜘蛛形管60によ
って、円錐台形部分54を取り囲んでいる環状のスパージ
ャー59へと導く。吸い戻し防止弁61により、上昇管53を
介して下方への液体の吸い戻しは防止される。
トレー15上の液体の容積内には、環状のドラフト覆い
即ちバッフル62及び63が配置されている。これは一方が
環状のスパージャー59の内側に、他方が外側にあり、上
昇してくる蒸気による液体/樹脂懸濁液の攪拌を促進す
るようになっている。覆い62及び63の垂直方向の長さは
臨界的なものではないが、一般的には隔膜50と液体表面
56の間の垂直方向高さの3分の1から4分の3の間のも
のである。覆い62と63が対称的又はほぼ対称的な垂直方
向の位置に配置されることが好ましい。覆い62と63の間
の環状領域においては液体の流れは通常上昇方向であ
り、他方覆い62の内側と覆い63の外側では液体の流れの
一般的な方向は下向きである。覆い62と63の間の環状領
域の面積は、覆い62の内側と覆い63の外側の面積の合計
にほぼ等しいことが好ましい。
符号64は、図2に示されているトレーの上にある隣接
のトレーからの下降管を示している。下降管64内の液体
レベルは65で示してあり、トレー15上にある液体レベル
56の上方におけるこの液体レベルの高さHは、下降管64
へと供給を行うトレー(即ち図示のトレー15の上側のト
レー)上の液体レベルと、そのトレー(即ち図示のトレ
ー15の上側のトレー)上のスパージャー59を介しての圧
力降下、及び摩擦圧力降下によって固定のものになって
いる。
反応器14の操作にあたっては、脂肪酸又は脂肪酸混合
物を含有する液体が上昇してくる低級アルカノール、例
えばメタノールの蒸気流に対して向流となって通常は下
方に通される。各々のトレー15はエステル化ゾーンとし
て機能し、それぞれにエステル交換触媒の装填物を含ん
でいる。この触媒はエステル化反応と、エステル化によ
る水の放出を触媒する。反応器14内で支配的である向流
条件の下では、かかるエステル化による水は気化され
て、上昇する低級アルカノールの蒸気と共に反応器14を
通って上方へと運ばれる。液体は一つのトレー15から次
の下側のトレー15へと下方に通過し、各々のトレー15上
における遊離酸濃度は、隣接する上方のトレー15におけ
る液体中の対応する酸濃度よりも低い。液体はまた、反
応器14を通って降下するにつれて、各々のトレー15上で
より一層乾燥した低級アルカノール蒸気と遭遇する。こ
のようにして、エステル化反応の平衡はエステルの形成
の方へとさらに押し進められ、加水分解という逆反応は
有効に抑制される。なぜならトレー15上の液体中におけ
る水の濃度は下方に行くにしたがってトレーごとに減少
していくからである。
反応器14内のトレー15の数を適切に選択し、各々のト
レー上における所要の滞留時間を提供するに十分な液体
保持量を持つように各々のトレー15を構成することによ
り、ライン25の生成物がその主要成分である脂肪酸エス
テル及び低級アルカノールと共に約1モル%より少ない
脂肪酸を含有するように反応器14を構成することができ
る。低級アルカノール蒸気に適切な上昇速度を与えるこ
とにより、環状のスパージャー59から出てくる蒸気の気
泡66により生ずる攪拌は、ドラフト覆い62及び63の存在
により誘起される液体の循環と相俟って、エステル交換
が上首尾に進行するよう酸性イオン交換樹脂粒子が十分
に懸濁して維持されるという要求を満たすことができ
る。部分54及び55の表面はスパージャー59の下側のゾー
ンに向かって傾斜しており、樹脂のかなりの量が懸濁か
ら外れて落ち着くことのできるような停滞領域が存在し
ないということを保証する。(図2はドラフト覆い62及
び63の間の領域においてのみ樹脂粒子57を懸濁状態で示
しているが、実際にはこれらはこの領域の外側の液相内
にも懸濁して存在していることは理解されよう。)必要
ならば、上昇してくる蒸気の容積は不活性ガス又は他の
気化可能な不活性物質、好都合には本方法の副生物であ
る不活性物質によって増加することができる。例えば、
酸性触媒が使用されるアルコールからのエーテルの形成
を促進しうるため、エーテルが副生物中に見いだされる
ことがよくある。従ってアルコールとしてメタノールが
使用されたならば、ジメチルエーテルが副生物となる可
能性があり、他方使用アルコールがエタノールであるな
らば、反応器14においてジエチルエーテルが形成され得
る。必要ならば、これらの何れの物質も蒸気上昇流を増
量するために使用可能であり、それによってトレー15上
に追加的な攪拌をもたらし、或いはエステル化の水を運
び去る追加の蒸気を提供する。
図3には、比較的小スケールの反応器14で使用するの
に適したエステル化トレー15の別の構成が示されてい
る。この場合、円錐台形の仕切即ち隔膜70は反応器14の
壁71内を延在しており、液体用の下降管72及び蒸気上昇
管73を除いては、反応器14の横断面を完全に隔絶してい
る。円錐台形の隔膜70の傾斜は、トレー15上に存在して
いる液体の下で固体の粒状触媒が静止する角度に等しい
か又はより大きい。蒸気上昇管73は気泡キャップ75が備
えられた軸方向のスパージャー74を含み、また吸い戻し
防止弁76が装着されている。選択的に、気泡キャップ75
はメッシュスクリーン(図示せず)によって囲むことが
でき、かくして触媒粒子が入り込んで弁76の作動を妨害
することのないようにできる。円筒形のバッフル77がス
パージャー74を対称的に取り囲んでおり、且つ液体レベ
ル78よりも下側に配置されている。液体レベルの高さは
下降管72の上端の高さによって定まる。下降管72の頂部
にはスクリーン79が装着されており、固体のエステル化
触媒、例えばAmberlyst 13をトレー15上に保持するよう
になっている。符号80は隣接する上側のエステル化トレ
ー15(図示せず)からの下降管を示している。図3に関
して説明したのと同様の仕方により、蒸気の気泡81がト
レー15上の液体を攪拌し、触媒粒子82を懸濁状態に保
つ。バッフル77は、バッフル77の内側の上昇流ゾーンと
バッフル77の外側の下降流ゾーンを画定している。好ま
しくは、これらの2つのゾーンの面積は実質的に等しく
される。この構成により、触媒粒子が沈澱しうる停滞ゾ
ーンが可能な限り形成されないことが保証される。
所望の場合には、図1のプラントの供給ライン20又は
13は、図2又は図3のトレー15に類似してはいるがイオ
ン交換樹脂の装填物を保持していないトレー上に放出を
行うよう配列され得る。供給ライン20又は13との接続個
所よりも上側に、1つ以上のアルカノール洗浄トレーを
設けることができ、それによって蒸気はライン26を通っ
て反応器14を出る前に少量の液体アルカノールで洗浄さ
れ、蒸気内の酸又はエステルの量は痕跡量に限定され
る。
図1に戻ると、ライン25のメチルエステル生成物は蒸
発器100の頂部に供給され、蒸発器100内の充填物101全
体にわたって分散される。蒸発器100では、降下する有
機物質はライン102で供給される熱水素の上昇流中へと
気化される。蒸発器100の溜め103の中に収集される液体
は、ライン104及び105からポンプ24の吸引側へとリサイ
クルされる。蒸発器100に供給される有機物質中に「重
質成分」が蓄積するのを制限するために、ライン106を
介して少量の流れを追い出す手段が備えられる。蒸発器
100は典型的には約205℃の温度と約41バールの圧力で作
動される。
蒸気状の有機物質/水素流は蒸発器100からライン107
を介して塔頂留出物として回収され、バイパスライン10
8からの付加的な熱水素と混合されてこの蒸気流を幾ら
か希釈し、その結果生ずる希釈混合物をライン109内に
おいてその露点より高い温度、好ましくはその露点より
も少なくとも約5℃高い温度に維持する。蒸気状混合物
はライン109から水素化反応器110に入る。これはGB−B
−2116552に開示されたタイプの還元された酸化銅−酸
化亜鉛触媒の装填物111を含有している。典型的な触媒
は、還元前に約35重量%の酸化銅と約65重量%の酸化亜
鉛を含んでいる。
水素化触媒の装填物111を通過すると、メチルエステ
ルの大部分は脂肪族アルコールとメタノールに変換され
る。従って水素化反応器110からはライン112を介して、
214℃の温度と40.7バールの圧力において、蒸気状の反
応混合物が得られる。これは脂肪族アルコールと、メタ
ノール、少量の未反応メチルエステル及び少量の副生物
を含む。この混合物は気/気熱交換器113を介し、ライ
ン114を通って冷却器115へと送られる。冷却された反応
混合物はライン116を流れ、デミスターパッド118その他
の気/液分離装置を含む気/液分離器117へと送られ
る。
水素に富んだ流れが気/液分離器117からライン119を
介して排出され、ライン120によってガス循環器121の吸
引側へと送られる。循環する水素中に不活性ガスが蓄積
されるのを制限するために、ライン122から追い出しガ
ス流が取り出される。ライン123において補充の水素ガ
スが圧縮ガスと混合されるが、かかる補充水素ガスはラ
イン124から供給されている。補充ガスと循環ガスの組
み合わせからなる流れはライン125から気/気熱交換器1
13の反対側に供給され、次いでライン126を介してガス
過熱器127に供給されて、ライン128内にライン102及び1
08のための熱水素の供給源を提供する。
ライン124の補充水素流は、合成ガスを得た後にシフ
ト反応を行い、二酸化炭素を除去する従来法により生成
することができ、所望の場合にはさらに圧力スイング吸
着によって精製することができる。この流れは窒素、メ
タン及びアルゴンといった1つ以上の不活性ガスを含ん
でいてよい。
液状の凝縮物は気/液分離器117からライン129を介し
て取り出され、熱交換器130で部分的に気化され、圧力
解放弁(図示せず)を介してライン132を通ってメタノ
ール回収カラム131へと供給される。プラントの生成物
アルコール回収及び精製段階(以下に詳細に説明する)
のライン133及び134からのメタノール蒸気が、メタノー
ル回収カラム131に入る前にライン132内の物質と混合さ
れる。メタノールの還流は、ライン135でカラム131に供
給される。
カラム131からのメタノール蒸気はライン136、凝縮器
137及びライン138を介してメタノール凝縮ドラム139へ
と取り出され、そこに蓄積される。抜気ライン140は、
抜気凝縮器(図示せず)を介して揮発性成分がプラント
のフレアスタック(flare stack)へと逃げるのを許容
する。メタノールはドラム139からポンプ3によって取
り出されて、ライン2及び135にリサイクル流を提供す
る。
脂肪族アルコールの実質的にメタノールを含まない流
れは少量の未反応脂肪酸メチルエステルを含み、カラム
131の底部からライン142を介してポンプ143により給送
され、プラントの脂肪族アルコール回収及び精製段階へ
と供給される脂肪族アルコール画分の流れをライン144
内に形成する。
ライン144内の粗製脂肪族アルコール流は、少量の副
生アルカン、未知物質及び「重質成分」の他に、少量の
未変換メチルエステルを含んでいる。粗製脂肪族アルコ
ール流は熱交換器145を介して通過し、そこにおいて温
度が約160℃から約200℃、好ましくは約170℃から約190
℃、例えば190℃に調節される。この熱流はライン146を
通り、ライン147から供給されるエステル相互交換触媒
(エステル交換触媒)、例えばアルキルチタン酸塩の新
しいものとリサイクルされたものの混合物と混合され、
ライン148を介して第1のエステル交換ゾーンを提供す
る第1のエステル交換反応器149へと通される。反応器1
49はそこにおける滞留時間が約10分から約120分、好ま
しくは約15分から約60分の範囲となるように構成されて
いる。滞留時間の長さはライン148からの流れ及び反応
器149内の流れの温度、並びにライン147を介して供給さ
れるアルキルチタン酸塩の有効濃度に依存している。反
応器149内において、ライン148からの供給流中に存在し
ている脂肪酸のメチルエステルは、生成される脂肪族ア
ルコールとのメチルエステルのエステル交換により、ワ
ックスエステル、即ちメチルエステルの酸部分の脂肪族
アルコールエステルに変換される。エステル交換によっ
て形成されるメタノールの大部分は容器149内の蒸気空
間からライン133を介して蒸気として回収され、上述し
たようにライン132内の物質と混合されるべくリサイク
ルされる。
第1のエステル交換反応器149からの生成物には、多
モル量のアルコール生成物の他に、小モル量の副生アル
カン、ワックスエステル及び「重質成分」、並びに痕跡
量のメタノールが含まれる。これはライン150を介し
て、構造化充填物の3つのベッド152、153及び154が備
えられた生成物カラム151へと通される。主としてアル
カン副生物と痕跡量のメタノールからなる軽量末端(li
ght ends)はライン155から塔頂留出物として回収さ
れ、凝縮器156によって凝縮される。この結果得られる
ライン157からの凝縮物は、0.005バールで作動している
真空ポンプ(図示せず)へと抜気されている還流ドラム
158へとライン159を介して蓄積される。アルカンの幾ら
かはライン160、ポンプ161及びライン162を介して生成
物カラム151へと戻されて還流をもたらし、他方アルカ
ンの正味の生成物はライン163を介して貯蔵部へと通過
する。
アルコール生成物は生成物カラム151からライン164に
より蒸気として取り出され、凝縮器165によって凝縮さ
れる。凝縮物はライン166を介して、ライン168によって
真空ユニット(図示せず)へと抜気されている生成物ド
ラム167へと通される。液体アルコール生成物は、ライ
ン169、ポンプ170及びライン171を介して生成物貯蔵部
へと通される。
かん出生成物はライン172を介して生成物カラム151か
ら取り出され、ライン173を介して、約210℃から約245
℃の範囲の温度、例えば240℃で操作される降下フィル
ム形再沸器174へと通される。再沸器174からの加熱物質
はライン175において生成物カラム151へとリサイクルさ
れる。かん出生成物の一部はライン176から取り出さ
れ、ポンプ177によりライン178を介して熱交換器179へ
と給送される。ライン180からの過剰のメタノールが、
熱交換器179からのこの加熱されたかん出生成物と混合
される。ライン180を介して混合されるメタノールの量
は、典型的にはかん出生成物中に存在しているワックス
エステルに等しい化学量論量の少なくとも約5倍からこ
の化学量論量の約100倍、例えばこの化学量論量の約80
倍である。このようにして、ワックスエステル及びメタ
ノールを一方に、脂肪酸メチルエステル、脂肪族アルコ
ール及び過剰のメタノールを他方においた両者の間の平
衡は、ワックスエステルの形成から脂肪酸メチルエステ
ルの形成へとシフトする。
熱交換器179において、エステル交換触媒であるアル
キルチタン酸塩を依然として含有しているかん出生成物
の温度が調節される。高温のかん出生成物と過剰のメタ
ノールの混合物は、第2のエステル交換反応器181へと
通される。これは第2のエステル交換ゾーンを提供する
ものであり、また約30分から約240分、好ましくは約60
分から約180分、例えば約120分の滞留時間を提供するよ
うに構成されている。反応器181内の温度は約160℃から
約195℃の範囲、例えば約180℃である。反応器181につ
いて選択される大きさ、従って滞留時間は、選択された
温度においてエステル交換が平衡まで進むのを可能にす
るため十分なものでなければならない。反応器181の圧
力は、典型的には42バールである。この第2のエステル
交換反応器181から、結果的に得られるエステル交換生
成混合物はライン182を介し圧力解放弁183を通って給送
され、その圧力を約1.3バールに減ずる。これは次いで
ライン184から加熱されたフラッシュ容器185へと続いて
給送される。メタノール蒸気はライン134から塔頂留出
物として回収され、上述のようにしてライン132内の物
質と混合される。
残余の液相はライン186を介してフラッシュカラム185
を出され、ポンプ187によってライン188を通り、圧力解
放弁(図示せず)を介してフィルム降下形蒸発器189へ
と給送される。これは約240℃の最高温度と約0.005バー
ルの圧力で操作されている。蒸気と液体の混合物はライ
ン190からフィルム降下形蒸発器189を出て、分離ドラム
191へと通される。蒸気はライン192から回収され、凝縮
器193によって凝縮される。その結果得られる凝縮物は
ライン194からドラム195に通されるが、このドラムはラ
イン196によって真空系(図示せず)に接続されてい
る。液状の凝縮物は脂肪族アルコール生成物、メチルエ
ステル、幾らかのメタノール及び痕跡量の副生物の混合
物からなり、ライン197から回収されポンプ198により給
送されてライン199にリサイクル流を形成する。
ドラム191からの液体はライン200及びポンプ201を介
し、ライン202を介して廃液処理部へ通され、又はライ
ン203からライン147を介してリサイクルされる。
新しいアルキルチタン酸塩エステル交換触媒は、所望
に応じてライン204から添加できる。
ライン205とポンプ206は、ライン180にメタノールを
供給する。
ライン内の種々の流れの概略的な流量は、モル単位で
表すと以下の表1のように要約できる。
図1のプラントは、アルキルチタン酸塩の代わりにア
ルカリ金属アルコキシドをエステル交換触媒として用い
て作動するように修正できる。この場合、ライン144か
らの粗製脂肪族アルコール流の温度は、熱交換器145で4
5℃に調節される。乾燥メタノール中に10%w/vのナトリ
ウムメトキシドを含有している溶液がライン147に添加
されて、ライン148を流れる物質中のナトリウムメトキ
シドの濃度が0.05%w/vとなるようにしてある。この修
正形態のプラントでは第1のエステル交換反応器149は
典型的には約30分の滞留時間をもたらすように構成して
ある。ライン150から反応器149を出る物質は次いでライ
ン150に設けられた容器(図示せず)内のイオン交換樹
脂のベッドを介して通され、触媒を中和するようになっ
ている。このベッド内のイオン交換樹脂は、スルホン酸
基及び/又はカルボン酸基を含有し得る。触媒を含まな
くなった流れは、ライン150から生成物カラム151へと通
される。
生成物カラム151内で蒸留を行うのに先立って、ナト
リウムメトキシド触媒を除去することが望ましい。生成
物カラム151内で支配的な高温では混合物中のナトリウ
ムメトキシドの存在によって濃縮副生物及び暗色有機タ
ールの形成が促進されるから、これを回避するためであ
る。
生成物カラム151内のアルコール生成物の回収は、図
1のプラントについてのものと同様の手法で行われる。
次いでライン172,176及び178からのかん出生成物が、熱
交換器179で約50℃に冷却される。同じように過剰の化
学量論量のメタノールがライン180から、ナトリウムメ
トキシドのメタノール溶液の形態である熱交換器179か
らの液体の流れに加えられ、約120分の滞留時間を持つ
ように構成された第2のエステル交換反応器181に入る
前に、混合流中のナトリウムメトキシドの濃度が約0.05
%w/vとなるようにされる。ライン182内のこのエステル
交換生成物流は次いでライン182にある容器(図示せ
ず)内のイオン交換樹脂の第2のベッドを介して通され
る。この樹脂は例えばスルホン酸基及び/又はカルボン
酸基を含有している。これは液相からナトリウムイオン
を除去し、ナトリウムメトキシドエステル交換触媒を中
和する。中和された液相はライン182及び184からフラッ
シュカラム185へと通される。
ライン184内の物質はエステル交換触媒を含有してい
ないから、「重質成分」をライン203を介してリサイク
ルする必要(図1のプラントでのように)はない。ま
た、ライン184の物質中には触媒は残っていないから、
脂肪族アルコール生成物とのエステル交換によってカラ
ム185及び189においてメチルエステルがワックスエステ
ルに再変換されたりメタノール蒸気が失われたりする危
険性は回避される。
このプラントのさらなる修正形態では、カラム185と1
89はバッチスチル(図示せず)によって置き換えられ
る。この場合、ライン184内の中和物質は、バッチスチ
ルの操作が正当化されるのに十分となるまで収集され
る。
図4は実験室スケールの反応器14又は工業的スケール
の反応器14で用いるのに適したエステル化トレー15の別
の構成を示している。これは、反応器14の壁251内を延
在するほぼ円錐台形の仕切又は隔膜250を含む。隔膜250
の上側表面の傾斜は、固体の粒状触媒の静止角度よりも
大きい。蒸気上昇管252にはキャップ253が、付属のメッ
シュスカート254と共に装着されている。下降管255には
メッシュキャップ256とシールバケット257が備えられて
いる。下降管255の上端はトレー15上の液体の保持容積
が適切になるように位置しており、他方メッシュスカー
ト254及びメッシュキャップ256は樹脂粒子の装填物を隔
膜250上に保持するものである。メタノール蒸気は、矢
印257で示したようにして上昇管252を流れ昇り、矢印25
8で示すようにして上昇管252とキャップ253の間の空間
を通り、矢印259で示す如くスカート254を通って、それ
と共にエステル化により下の方のトレーに形成された水
から発生する蒸気を運び去る。
図5のプラントは大体図1のものに類似しており、図
1の場合と同様の部材については両方の図面で同じ符号
が用いられている。ライン1から供給される酸は典型的
には不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸である。
カラム14の理論段数はカラム14に装着されるトレー15
の数に必ず対応する訳ではなく、またそのような理論段
数は特定のカラムごとに異なるから、ライン4から供給
される種々の酸について、ライン23のメチルエステル生
成物中の酸含有量はライン4内で供給される酸の性質が
変化したときには変動する。
既に述べたように、カラム内で形成されるエステル副
生物の多くの場合、ジアルキルエーテルである。かかる
ジアルキルエーテル副生物の収量は、反応器14の操作温
度に依存していることが見いだされている。従ってカラ
ム反応器14の操作温度を最低限のものとすることによ
り、副生エーテルの収量も最小にできる。しかしながら
このことは、低い温度では酸がエステルへと低い割合で
しか変換されないということに必然的に帰結する。この
場合、恐らく約97モル%から約99モル%のエステルを含
有しており残りが酸物質であるエステル含有生成物を、
さらにアルカノール(例えばメタノール)と混合し、そ
れにより得られる例えば2:1から4:1、例えば3:1のアル
カノール:エステルモル比の混合物を含む混合物を、Am
berlyst 13のような固体エステル化触媒の固定ベッドを
有しカラム反応器よりも低い温度で操作することのでき
るするポリッシュ(polishing)反応器を介して通過さ
せることにより、エステルへの変換を最適化することが
可能である。このようにして、非常に高率での全般的な
エステルへの変換が達成される。かかる修正形態のプラ
ントは図5に示されている。
図5のプラントでは、6つのエステル化トレー15があ
り、またライン25内のメチルエステル生成物は依然とし
て少量のオレイン酸を含有している。典型的にはオレイ
ン酸メチル:オレイン酸のモル比は97:3の範囲にある。
この混合物はライン301からのさらなるメタノールと混
合されて、メタノール:オレイン酸メチル:オレイン酸
のモル比が3:0.97:0.03である混合物が形成される。こ
の混合物はライン302から60℃の温度でもって、また1
時間当たり1/時の液体空間速度において、Amberlyst 13
のような酸性イオン交換樹脂の固定ベッド304を含有し
ている別のエステル化反応器303へと供給される。その
結果得られる混合物はライン305を通って別の蒸留カラ
ム306へと流れる。メタノールの蒸気はライン307から塔
頂留出物として、ライン26を介してカラム29へと通過す
る。カラム29及び306についての還流と、ライン301内の
流れを形成する液体メタノールは、凝縮物ドラム32から
ライン34を介し、ポンプ35によりライン36及び308へと
給送される。還流を形成するメタノールはライン309か
らライン37を介してカラム29に、またライン310を介し
てカラム306に流れる。カラム306からライン311を通る
かん出生成物は、本質的に純粋なオレイン酸メチル(少
なくとも99.5モル%の純度)からなる。一部はライン31
2によりカラム再沸器313及びライン314を介してカラム3
06へとリサイクルされ、一方残りはライン315から蒸発
器100へと通される。
別の修正形態のプラントの一部が図6に示されてい
る。これは水素化セクションを除いて図5のプラントに
類似のものである。同様の符号は図5と6における同様
の部材を示している。
図6のプラントは種々の異なる脂肪酸供給原料につい
て使用するために設計されている。従ってライン315か
ら蒸発器100に供給されるエステル(又はエステル混合
物の主要構成成分)は、ある時は例えばラウリン酸メチ
ルであり、また別の時にはそれはステアリン酸メチルで
ある。分子量が大きなエステルの揮発性はより低いか
ら、水素化反応器110へのライン109からの供給混合物が
気相であることを保証するためには、使用するエステル
が例えばステアリン酸メチルである場合にはそれがラウ
リン酸メチルである場合よりもH2:エステルのより高い
モル比が用いられねばならない。また、熱交換器127へ
の熱入力を調節して、ライン128から供給される水素の
温度を上昇させ、従ってライン109からの供給混合物の
温度を増加させることが通常都合がよい。水素化反応器
110に対する入口温度の増加は、触媒装填物111内におけ
る反応速度の増大に寄与し、その結果、ラウリン酸メチ
ルがエステル又はエステル混合物の主成分である場合よ
りも、触媒装填物111の入口端部のより小さな触媒容積
内において水素化が達成されることになる。従って触媒
装填物111の出口端部はこの場合、何等有用な機能を果
たしていない。反応器110は断熱的に操作されるから、
蒸気状反応混合物は触媒と接触した状態で出口温度にお
いてかなりの時間を過ごすことになる。この状態は不具
合なものである。というのは、それが副生物形成の増
大、例えばさらなる少量のアルカンの形成を導くからで
ある。この状況を回避するために、図6のプラントでは
水素化反応器110に、ライン112に加えて3つの選択的な
出口ポート320、321及び322が設けられている。これら
の出口ポート320、321及び322は、出口マニホールド323
に接続されている。バイパスライン324によって、出口
ポート320、321又は322の一つが使用されている場合
に、ガスを含有している補足的な水素流を水酸化反応器
110の底部に導入することが可能となる。この水素の補
足的な流れは、触媒装填物の低部に何らかの液体が凝縮
することを防止する。触媒装填物111自体は幾つかの別
々のベッドに分割して、補助的な出口ポート320、321及
び322の各々がベッドのそれぞれの対の間に接続される
ようにすることができる。或いはまた、触媒装填物は幾
つかの収集装置を備えた一体的な装填物であることがで
き、その場合に収集装置の各々は触媒装填物に埋設され
た出口ポート320、321及び322のそれぞれに接続され
る。従ってこの場合、直列的に配列された触媒の別々の
分離した装填物を有するという意味での別個の触媒ベッ
ドはないが、幾つかのベッドが一体の触媒装填物の別々
の部位を構成しているといえる。
補助的な出口ポート320、321及び322を設けること
は、高沸点の脂肪酸供給原料を用いる場合にプラントの
オペレーターが副生物の形成を最小限にすることを可能
にする他、触媒装填物の老化により時間と共に触媒の活
性の何らかの喪失について評価を行うことを可能にす
る。
水素化反応器110の構成の設計変更例が図7及び8に
示されている。図9及び10は、図6から8に示された反
応器110に装着される補助的なポートの一つについての
分配器/収集器の形態の詳細を示している。
図7の修正された構成においては、変更可能とされて
いるのは出口の個所ではなく、水素化反応器110に対す
る蒸気状混合物の入口の個所である。この場合、反応器
110は入口マニホールド328に接続された幾つかの補助的
な入口325、326及び327を有しており、反応器110への流
れは弁329、330、331及び332によって制御されている。
またこの構成では水素バイパスライン324がライン315に
接続されており、このライン324を通る流れは弁333によ
り制御されている。符号334は、入口325、326又は327の
それぞれに各々接続された触媒装填物111内の分配器を
概略的に示している。
図8は水素化反応器110のさらに修正された構成を示
している。そこでは個別に分離された触媒装填物111の
部分がシーケンス的に用いられて、許容できる反応及び
蒸発温度の範囲内において、所望とされる反応速度及び
平衡に適合するようにされている。これはライン315を
ライン312に接続するライン339に接続された幾つかの補
助的なライン335、336、337及び338を有している。ライ
ン340はライン336と338を接続している。補助的な水素
はライン341及び342の何れかにより反応器110へと供給
可能である。弁343から352は、反応器110を介しての流
れを制御するために使用できる。典型的な操作シーケン
スは例えば表2に示すようなものである。
図9及び10は、水素化反応器110の一部においての分
配器又は収集器334の1形態を示す。これは触媒粒子が
入るのを阻止するために細かいメッシュで覆われたひし
形リングの形状をしている。図9から看取されるよう
に、各々の分配器/収集器は触媒装填物111に沈められ
ている。
本発明を以下の実施例においてさらに説明する。
実施例1 ココナッツ油の加水分解によって生成され「抜頭及び
抜尾」を経た脂肪酸混合物から得られた脂肪酸メチルエ
ステル混合物を、気相条件下(即ち触媒と接触している
反応混合物が常時その露点より高い温度となる条件下)
において実験室の水素化反応器中で水素化することによ
り、少量の未変換脂肪酸メチルエステルを含有している
粗製脂肪族アルコール生成物を調製した。使用した接触
は、還元された酸化銅−酸化亜鉛のエステル水素化触媒
であった。使用に先立って、粗製アルコール生成混合物
は蒸留して、水素化段階で共生成物として生成された実
質的にすべてのメタノールを除去した。
実質的にメタノールを含まない粗製脂肪族アルコール
生成物の3つのサンプルの各々を、0.99バールで30分
間、0.03%w/wのTilcom BIP(Tioxide Chemical Divisi
on of British Titan Products p.l.c.の商標名)によ
り窒素雰囲気下で200℃に加熱した。Tilcom BIPという
物質は、チタン酸イソプロピル/ノルマルプロピルの混
合物であると報告されている。続いての分析により示さ
れたことは、大過剰の脂肪族アルコールの存在下におい
て、また反応系からメタノールが逃げることを許容する
条件下において、実質的にすべてのメチルエステルがワ
ックスエステルに変換されたということであった。その
結果は下記の表3にプロットされており、この表2は存
在する成分量を%w/wで示している。表3において「C12
メチルエステル」はドデカン酸メチルを意味しており、
他方「C14メチルエステル」、「C16メチルエステル」及
び「C18メチルエステル」はそれぞれC14、C16及びC18
ルボン酸の対応するメチルエステルを示している。表3
で「未知化合物1から16」として示した16種の未同定化
合物が、少量又は痕跡量でもって検出された。
表3においてワックスエステルは(a)C12−C12
(b)C12−C14、(c)C12−C16及び(d)C14−C14
して各種に区別されている。これらの物質は、これらの
ガスクロマトグラムの保持時間から、それぞれ次のもの
を表すと考えられる。
(a)C12脂肪酸とC12アルカノールとのエステル (b)C14脂肪酸とC12アルカノールのエステル及びC12
脂肪酸とC14アルカノールのエステルの混合物 (c)C16脂肪酸とC12アルカノールのエステル及びC12
脂肪酸とC16アルカノールのエステルの混合物 (d)C14脂肪酸とC14アルカノールとのエステル 表3にプロットした結果は、25メートル長のNordian
NB351 FAMEキャピラリーカラムとフレームイオン化検出
器が装填されたPye Unicam 4500ガスクロマトグラフィ
ーを用いて得られた。キャリアガスはヘリウムであり、
そのカラム入口圧は2.39バールであった。サンプルの注
入容積は0.4マイクロリットルであった。カラムは次の
ように温度がプログラムされていた。即ちサンプルの注
入後2分間は80℃、次いで1分当たり8℃の割合で230
℃まで加熱し、その後温度をこの値に維持した。注入ポ
ートの温度は250℃であり、検出器温度は270℃であっ
た。40から50:1のサンプル流分割比を用いた。これらの
結果から明らかなことは、エステル交換触媒の影響下に
おいて、C12、C14、C16及びC18脂肪酸のメチルエステル
がワックスエステルへとスムーズに変換されるというこ
とである。しかしながら、採用したガスクロマトグラフ
ィーの技術はワックスエステルを全炭素数の順番で分解
しはするが、同数の炭素原子を含んでいるワックスエス
テル相互間で良好な分解能を可能にするものでないこと
は注意すべきである。例えばC12−C16ワックスエステル
とC14−C14ワックスエステルの間で達成可能な分解能は
比較的貧弱なものである。
実施例2 実施例1で大要を述べた条件の下にエステル交換を受
けた665グラムの粗製脂肪族アルコール生成物を真空下
に簡単な実験室蒸留ユニットで蒸留した。この装置のボ
イラーには液滴が入り込むのを阻止するために短い充填
されたカラムが装着されていた。充填カラムの大きさ
は、直径2.5cm×高さ30cmであり、4mmのラシヒリングが
充填されていた。結果を以下の表4及び5に要約してあ
る。表5の分析値はこの場合も%w/wで表してある。表
5で用いた省略形は、表3で用いたものと同じである。
エステル交換触媒が蒸留の間ずっと活性のままであ
り、また低級アルコールが蒸留手順により系から徐々に
除去されることから、蒸留残渣中に残存しているワック
スエステルは出発物質中におけるよりも高分子のものと
なった。換言すれば、蒸留の間にもワックスエステル相
互の間で継続的にエステル相互交換が行われており、そ
れによってより揮発性の脂肪族アルコール成分が留出物
へと徐々に失われる訳である。
実施例3 表4及び5の蒸留残渣を2つの部分に分割した。一方
はメタノールにより180℃で2時間、メタノール:ワッ
クスエステルのモル比を20:1として加熱し、他方は温度
と時間は同じであるがメタノール:ワックスエステルの
モル比を40:1として加熱した。急冷の後に、実施例2の
ガスクロマトグラフィー技法を用いて、以下の表6に示
すように%w/wで分析値を得た。表6の省略形は、表3
及び5で用いたものと同じである。分析数値はメタノー
ルを含まないベースで表してある。
これらの結果から、表5の残渣の組成と比較して、メ
タノールで処理することによりワックスエステルが
C12、C14、C16及びC18脂肪族アルコール及びC12、C14
C16及びC18脂肪酸のメチルエステルへとかなりの変換が
行われるということが看取され得る。この変換はまた、
追加的にアルキルチタン酸塩エステル交換触媒を添加す
ることなしに行われたが、このことはエステル交換触媒
の活性が実施例2の真空蒸留ステップにおいて失われな
かったことを示すものである。
実施例4 ガラスQVF成分から製造され、内径が76.2mmの実験室
スケールのカラム反応器であって、10段のトレイを持つ
カラム反応器を使用した。それぞれのトレイは図5に示
すような形状を持つ。カラム反応器は外被材で覆われ、
外部は電熱テープが巻かれている。各トレイはそれぞれ
の温度調節システムを持つ。頂上のトレイは樹脂を含ま
ず、酸仕込み量或いはエステル生成物の損失を制限する
液体スクラブ(scrubbing)トレイである。頂上から二
番目のトレイもまた樹脂を含まず酸仕込みのためのトレ
イである。残る8つのトレイには粒径が355μm以下に
ふるい分けされ、メタノールで長時間洗浄され105℃で
恒量になるまで乾燥されたイオン交換樹脂であるアンバ
ーライト16が充填されている。スカート254とキャップ2
56のステンレス鋼製メッシュの網目のサイズは300μm
である。乾燥メタノールは150℃の油浴中に浸されたコ
イルを通過することにより気化され、結果として蒸気は
最も下方のトレイの下のカラム反応器の底にたまる。各
トレイは約240mlの液体を保持する。各トレイの樹脂の
充填量は、14重量%であり、これは各トレイに満たされ
る液体量に基づいて乾燥樹脂として算出されたものであ
る。未反応メタノール、エステル化の過程で生成した水
及び副生物である少量のジメチルエーテルからなるカラ
ム反応器からの塔頂蒸気は濃縮される。塔頂からのオー
バーフローを一定にする装置はカラム反応器からのエス
テル生成物の除去速度を制御するために使用される。
開始当初、カラム反応器は樹脂及びメチルラウレート
で充填される。メタノールが流出し、各トレイの温度が
固定されると、50モル%のメチルラウレート、40モル%
のラウリン酸、及び10モル%のミリスチン酸がカラムに
仕込まれる。ライン4にてプラントにラウリン酸とミリ
スチン酸の混合物が供給される時、この仕込み混合物は
図1のライン20の混合物に類似する。カラム反応器から
の底部生成物中のC14エステルのレベルは平衡になるま
で測定される。各トレイ上の液体は分析される。その結
果は下記の表7に示されている。トレイは1から10まで
番号が付され、No.1は塔頂のトレイでNo.10は底部のト
レイである。
表7及び以下の表において、“N.D"とは“測定不能”
を意味し、また、“DME"とは“ジメチルエーテル”を意
味し、“DME生成量”は酸仕込み量に対する重量%で表
されている。
実施例5 実施例4で用いたものと同じカラム反応器に、下記の
組成を有する天然直鎖脂肪酸の混合物が仕込まれた。
成 分 重量% C8酸 5.10 C10酸 4.62 C12酸 40.64 C14酸 14.12 C16酸 9.57 C18酸 25.01 未知化合物 0.77 H2O 0.17 結果を表8に示す。
実施例6 実施例5の処理が51.6:48.4の酸:エステル仕込み混
合モル比にて繰り返された。該混合物は図5のライン20
中の代表的な仕込み混合物に対応している。使用される
酸は天然の直鎖脂肪酸の混合物であり、その構成はC12
の酸が65重量%、C14の酸が25重量%及びC16の酸が10重
量%である。結果は下記の表9に示されている。本実施
例において、各トレイに使用される樹脂量は、各トレイ
に保持される液体に基づいてNo.3から7は乾物基準で10
重量%、No.8から10は同様に5重量%である。
実施例7 実施例4のカラム反応器を用いて、下記に示す特定の
酸と対応するアルコール成分のエステル化反応が行なわ
れ、より揮発性の高い反応物質はそれぞれ反応器の底部
に蒸留物として供給され、また、より揮発性の低い成分
は液体として反応器の二番目のトレイに供給されるとい
う同様の良好な結果が得られた。
(a)ステアリン酸とメタノールからメチルステアレー
ト (b)パルミチン酸とエタノールでエチルパルミテート (c)アラキジン酸とメタノールでメチルアラキデート (d)オレイン酸とイソプロパノールでイソプロピルオ
レエート (e)リシノール酸とメタノールでメチルリシノレート (f)イソステアリン酸とメタノールでメチルイソステ
アレート 実施例8 抜頭されたヤシ油脂肪酸混合物とメタノールから得ら
れたエステル混合物は、蒸気相以下を、PG 88/32の触媒
前駆体(デヴィ・マッキー(ロンドン)・リミテッド・
オブ・デヴィ・ハウス,68ハンマースミス・ロード,ロ
ンドン,W 14 8YWより入手可能)を販売者の指示に従っ
て還元して得られる酸化銅/酸化亜鉛還元触媒を用いる
条件下で、実験室の反応器中で水素化される。該エステ
ル混合物は重量%による以下の分析値を持つ。即ち、メ
タノール0.16;C10エステル1.63;C12エステル54.60;C14
エステル20.24;C16エステル10.34;C18エステル10.74;C
12酸0.09;C14酸0.05;C16酸0.05;C18酸0.42;未知化合物
1.61;及び水0.07である。水素:エステルモル比は630:1
である。結果は表10に示される。
実施例9 次いで、実施例8に示したように、前記実施例7で得
られたエステルは実施例8のような一般的な方法で水素
化され、該水素化物は実施例1のような方法でエステル
交換を受け、次に実施例2で述べたような方法で蒸留さ
れ、更に実施例3で教示された第二エステル交換を受け
る。同様に良好な結果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スカーレット,ジョン イギリス国ダーラム・ディーエル16・7 ジェイズィー,スペニームア,カーク・ メリントン,クリーヴランド・ヴュー・ 2 (72)発明者 ウッド,マイクル,アンソニー イギリス国 クリーブランド・ティーエ ス7・0キューエス、ミドルスブロー, ヌンソープ ウォッチゲイト・2 (72)発明者 マッキンレー,ドナルド・ヒュー イギリス国ハートフォードシャー・ダブ リュディー7・8エイズィー,ラッドレ ット,グディヤーズ・アヴェニュー・55 (56)参考文献 特開 昭56−142244(JP,A) 特開 昭60−188334(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 31/02 - 31/125 C07C 29/80 C07C 29/149

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エステル化段階において脂肪酸又は脂肪酸
    混合物を低級アルカノールでエステル化して対応する脂
    肪酸低級アルキルエステルを生成し、生成された脂肪酸
    低級アルキルエステルを不均一系水素化触媒の存在下で
    水素化して脂肪族アルコールからなるエステル水素化生
    成物を生成し、このエステル水素化生成物を精製して脂
    肪族アルコールを回収する方法において、エステル化段
    階が、エステル化条件に維持され且つスルホン酸基及び
    /又はカルボン酸基を含有しているエステル化固体触媒
    が装填されたエステル化領域へと、脂肪族アルカノール
    の蒸気を含有する気流に対する向流でもって脂肪酸又は
    脂肪酸混合物を液相で連続的に供給することを含み、エ
    ステル化領域に約5モル%より少ない水分含有量を有す
    る低級アルカノール蒸気の供給流を供給し、低級アルカ
    ノール蒸気とエステル化の水分を含有する蒸気状の排出
    流をエステル化領域から回収し、エステル化領域から回
    収される脂肪酸低級アルキルエステル流が少なくとも約
    99モル%の脂肪酸低級アルキルエステルを含有するもの
    とし、エステル化段階から回収された脂肪酸低級アルキ
    ルエステル又はエステル混合物を水素流中で気化し、触
    媒と接触する蒸気状混合物が常時その露点より高い温度
    にあるようにする気相水素化条件の下にエステル水素化
    固体触媒が装填された水素化領域を介して蒸気形態で通
    過させ、その結果得られる水素化生成物を生成脂肪族ア
    ルコールの他に少なくとも約0.5モル%の未反応脂肪酸
    低級アルキルエステルを含有して収集し、水素化生成物
    をエステル交換条件に維持された第1のエステル交換領
    域においてエステル交換し、かくして水素化生成物中の
    未反応脂肪酸低級アルキルエステルを生成した脂肪族ア
    ルコールとの反応によってそれ自体又は生成したアルコ
    ール及び脂肪酸から誘導されるワックスエステルへと変
    換し、未反応の低級アルカノールを生成した混合物から
    蒸発させ、かくして実質的に低級アルカノールを含まな
    い混合物をさらに蒸留して(i)生成したアルコールを
    含有し実質的に脂肪酸低級アルキルエステルを含まない
    塔頂留出物画分と(ii)脂肪族アルコール及びワックス
    エステルからなる蒸留残渣を収集することを特徴とす
    る、脂肪族アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】蒸留残渣(ii)をエステル交換条件に維持
    された第2のエステル交換領域において添加された低級
    アルカノールの存在下にエステル交換して、ワックスエ
    ステルを脂肪酸低級アルキルエステル及び脂肪族アルコ
    ールへと再変換し、かくして得られる反応混合物中から
    低級アルカノールを蒸発させることにより実質的に低級
    アルカノールを含まない液状残渣を収集し、この液状残
    渣中に存在する脂肪族アルコール及び脂肪酸低級アルキ
    ルエステルを蒸留して(a)脂肪酸低級アルキルエステ
    ル及び脂肪族アルコールの混合物を含有する塔頂留出物
    及び(b)比較的不揮発性の残渣を得ることを特徴とす
    る、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】第2のエステル交換ゾーンにおいてアルキ
    ルチタン酸塩がエステル交換触媒として使用されること
    を特徴とする、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】液体残渣が該残渣からエステル交換触媒を
    事前に除去することなく蒸留されて、塔頂留出物(a)
    及び比較的不揮発性の残渣(b)が生成されることを特
    徴とする、請求項3の方法。
  5. 【請求項5】比較的不揮発性の残渣(b)の少なくとも
    一部がリサイクルされて第1のエステル交換ゾーンで使
    用するためのエステル交換触媒を与えることを特徴とす
    る、請求項3又は4の方法。
  6. 【請求項6】第1のエステル交換ゾーンにおいてアルキ
    ルチタン酸塩がエステル交換触媒として使用されること
    を特徴とする、請求項1から5の何れか1つの方法。
  7. 【請求項7】第1のエステル交換ゾーンからのエステル
    交換中間生成物が該生成物からエステル交換触媒を事前
    に除去することなく蒸留されて、塔頂留出物(i)及び
    残留残渣(ii)が生成されることを特徴とする、請求項
    6の方法。
  8. 【請求項8】第2のエステル交換ゾーンにおいてアルカ
    リ金属アルコキシドがエステル交換触媒として使用され
    ることを特徴とする、請求項2の方法。
  9. 【請求項9】液状残渣がスルホン基及び/又はカルボキ
    シル基を含有している酸性イオン交換樹脂のベッドを介
    して通されて、塔頂留出物(a)及び比較的不揮発性の
    残渣(b)を生成するための蒸留段階に先立ってアルカ
    リ金属アルコキシドが中和されることを特徴とする、請
    求項8の方法。
  10. 【請求項10】第1のエステル交換ゾーンにおいてアル
    カリ金属アルコキシドがエステル交換触媒として使用さ
    れることを特徴とする、請求項2又は8の方法。
  11. 【請求項11】第1のエステル交換ゾーンからのエステ
    ル交換中間生成混合物がスルホン基及び/又はカルボキ
    シル基を含有している酸性イオン交換樹脂のベッドを介
    して通されて、塔頂留出物(i)及び蒸留残渣(ii)を
    生成するための蒸留段階に先立ってアルカリ金属アルコ
    キシドが中和されることを特徴とする、請求項10の方
    法。
  12. 【請求項12】脂肪酸低級アルキルエステルが脂肪酸メ
    チルエステルであり、低級アルカノールがメタノールで
    あることを特徴とする、請求項1から11の何れか1つの
    方法。
  13. 【請求項13】エステル化段階が縦方向に重なり合って
    設けられる複数個のエステル化トレーが備えられたカラ
    ム反応器において行われ、各々のトレーは所定量の液体
    と装填されるエステル化固体触媒とを保持するように構
    成されており、液相があるエステル化トレーからカラム
    反応器を下方へと通過することは許容するがエステル化
    固体触媒はトレーに保持するように構成されている液体
    下降手段が各々のエステル化トレーに関連されており、
    蒸気が下側からトレーに入ってそのトレー上の液体とエ
    ステル化固体触媒の混合物を攪拌することを許容するよ
    う構成されている蒸気上昇手段が各々のエステル化トレ
    ーに関連されており、脂肪酸又は脂肪酸混合物は液相で
    もって複数個あるエステル化トレーの一番上のものに供
    給され、他方低級アルカノールは気相でもって、複数個
    のエステル化トレーの一番下のものの下側から供給さ
    れ、低級アルカノールとエステル化による水からなる蒸
    気はカラム反応器の上部から回収され、脂肪酸低級アル
    キルエステル又はエステル混合物はカラム反応器の下部
    から回収されることを特徴とする、請求項1から12の何
    れか1つの方法。
  14. 【請求項14】低級アルカノールがメタノールであるこ
    とを特徴とする、請求項1から13の何れか1つの方法。
  15. 【請求項15】カラム反応器に供給されるメタノール蒸
    気中の水分含有量が約1モル%よりも少ないことを特徴
    とする、請求項14の方法。
  16. 【請求項16】カラム反応器は約80℃から約140℃の温
    度と、約0.1バールから約25バールの蒸気入口圧力で作
    動されることを特徴とする、請求項13から15の何れか1
    つの方法。
  17. 【請求項17】エステル化段階が第1のエステル交換ゾ
    ーンから回収した脂肪酸低級アルキルエステルを追加的
    な低級アルカノールと混合し、その結果得られる混合物
    を固体のエステル化触媒の固定ベッドを有する別のエス
    テル化をゾーンを介して通過させることを特徴とする、
    請求項1から16の何れか1つの方法。
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