JP2780706B2 - 6,13−ジヒドロキナクリドンの製造法 - Google Patents

6,13−ジヒドロキナクリドンの製造法

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JP2780706B2
JP2780706B2 JP7930797A JP7930797A JP2780706B2 JP 2780706 B2 JP2780706 B2 JP 2780706B2 JP 7930797 A JP7930797 A JP 7930797A JP 7930797 A JP7930797 A JP 7930797A JP 2780706 B2 JP2780706 B2 JP 2780706B2
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三樹夫 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、6,13−ジヒド
ロキナクリドンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】6,13−ジヒドロキナクリドン類は赤
色系顔料のキナクリドンの中間原料として公知である。
米国特許第2821541号公報には、サクシニルコハ
ク酸ジアルキルエステルと芳香族アミン類とを縮合させ
て得られる2,5−ジ(アリルアニリノ)−3,6−ジ
ヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類を「ダウサー
ムA」の商標(ダウケミカル社製)のもとに販売されて
いる共融混合物の不活性高沸点溶媒中で合成し、この後
加熱し閉環させることにより6,13−ジヒドロキナク
リドン類を製造する方法が記載されている。しかしなが
ら、この方法は収率が低いのみならず、縮合を減圧下で
脱水しながら実施する必要があり、工業的に極めて不利
である。
【0003】他の方法として、不活性高沸点溶媒の不存
在下で縮合反応を実施する方法が知られている。しかし
ながらこの方法は、2,5−ジ(アリルアミノ)−3,
6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類と共存
する未反応芳香族アミン類が6,13−ジヒドロキナク
リドン類の製造に悪影響を及ぼすため、可能な限りこの
未反応芳香族アミン類を除去せねばならないと云う問題
点がある。もちろん、芳香族アミン類は減圧下で留去す
る事ができるが、2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6
−ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類は固体と
して得られるので次の環化工程に供する前に濾過、洗浄
等の煩雑な操作を施さなければならない。しかも、この
様な2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸ジアルキルエステル類を不活性高沸点溶媒に
溶解し高温に加熱し環化を行なっても、高収率で6,1
3−ジヒドロキナクリドン類を得ることはできない。し
かしながら、特開昭53−26823号公報によれば、
2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフ
タル酸ジアルキルエステル類の合成を不活性高沸点溶媒
の非存在下で合成し、芳香族アミン類の減圧下留去の際
に不活性高沸点溶媒を存在させておくことにより、2,
5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル
酸ジアルキルエステル類が、溶液ないしはスラリーとし
て得られるので扱い易く更にこのまま予め加熱した高沸
点溶媒中に供給し閉環反応を実施することで、高収率で
高純度の6,13−ジヒドロキナクリドン類が得られる
と記載されている。しかしながら、ここに用いた2,5
−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸
ジアルキルエステル類は基本的に芳香族アミン類を洗浄
していないため、6,13−ジヒドロキナクリドンの生
成に悪影響を与えることに何等変わりはない。更に用い
た不活性高沸点溶媒は「ダウサームA」(ダウケミカル
社)及びジフェニルメタン、1,1−ジフェニルエタ
ン、などが挙げられているが、これらは融点温度が室温
に近く場合によっては固体であるため取扱が容易でない
欠点がある。
【0004】特開昭54−119532号公報によれ
ば、用いる不活性高沸点溶媒にtert−アミルベンゼ
ン、tert−ヘキシルベンゼン、tert−ヘプチル
ベンゼンなどが挙げられているが、窒素圧20気圧に加
圧して所定の温度まで加熱しており、工業的に有利でな
い。特公昭55−47626号公報および米国特許第2
8241541号公報ではメチルナフタレン類、ビフェ
ニル、ジフェニルオキサイド等を用いる記載があるが、
これらは「ダウサームA」より沸点が低いので収率や生
成物の純度が「ダウサームA」で合成した生成物よりも
劣る。不活性高沸点溶媒の沸点が低い場合、例えば特開
昭57−40562号公報によれば240℃で2,5−
ジ(アリルアニリノ)−3,6−ジアルキルエステル類
を加熱した場合、望ましくない閉環生成物が得られる。
【0005】更に特開昭57−57749号公報ではジ
ベンジルエーテルを用いて、また特開昭62−2051
63号公報ではジメチルジフェニールエーテル異性体混
合物を用いて6,13−ジヒドロキナクリドン類の製造
する方法が挙げられているが、何れも収率及び品質、反
応時間において満足することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】2,5−ジ(アリルア
ミノ)3,6−テレフタル酸ジアルキルエステル類から
高収率で高純度な6,13−ジヒドロキナクリドン類を
短時間に製造する工業的に有利な方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、2,5−(ジ
アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアル
キルエステル類を、式(I)で示されるナフタレン誘導
体の単体あるいは混合物中で本質的に酸素を含まない雰
囲気中で250℃〜330℃に加熱することを特徴とす
る6,13−ジヒドロキナクリドン類の製造方法に関す
る。
【0008】
【化3】
【0009】( 式中、R1 は、C1 〜C4 のアルキル基
を示し、nは1、2、3、4である(但し、n=1の時
のC1 を除く。)。) 本発明で使用されるナフタレン誘導体(I)としては、
好ましくは、エチルナフタレン異性体混合物、プロピル
ナフタレン異性体混合物、ブチルナフタレン異性体混合
物、ジメチルナフタレン異性体混合物、ジエチルナフタ
レン異性体混合物、ジプロピルナフタレン異性体混合
物、ジブチルナフタレン異性体混合物、トリメチルナフ
タレン異性体混合物、トリエチルナフタレン異性体混合
物、トリブチルナフタレン異性体混合物、テトラメチル
ナフタレン異性体混合物、テトラエチルナフタレン異性
体混合物、テトラプロピルナフタレン異性体混合物、テ
トラブチルナフタレン異性体混合物がある。上記アルキ
ルナフタレン異性体混合物どうしの適宜比率で混合した
物であっても良い。
【0010】2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−テ
レフタル酸ジアルキルエステル類は、下記一般式(II)
で表される。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R2 、R3 はメチル、エチルなど
の低級アルキル基を示し、Xは水素と置換されたF、C
l、Br、I、−OH、−NO2 、−CF3 、置換して
いてもよいC1 〜C4 アルキル基、置換していてもよい
1 〜C4 アルコキシ基、フェニル、シクロヘキシル、
フェノキシ、−COOH、−COO−C1 〜C4 アルキ
ル、−SO3 H、フエニルアミノ、ベンジルアミノ、−
N(CH3 2 、−SO 2 NH2 、−SO2 N(C
3 2 、ピリジル、−CONH2 または−CON(C
3 2 を示し(ただし、−NH−基に対し少なくとも
1個のオルト位置が水素である)、nは0、1、2の整
数を示す。)
【0013】2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−テ
レフタル酸ジアルキルエステル類は、ナフタレン誘導体
(I)を溶媒としても合成可能であるが、この様な不活
性高沸点溶媒の不存在下でメタノールまたはエタノー
ル、トルエン、キシレンを溶媒とし、ジアルキルサクシ
ニルサクシネートと芳香族アミンを塩酸、硫酸、酢酸な
どの酸を触媒として用い60〜120℃の温度で縮合
し、生成物を一旦濾過して縮合に用いた溶媒で芳香族ア
ミンを良く洗浄した物を用いるのが好ましい。
【0014】2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジ
ヒドロテレフタル酸ジアルキルエステルは洗浄後の縮合
溶媒を含んだペースト状態でも乾燥した状態でもよく、
乾燥重量の5〜20重量倍のナフタレン誘導体(I)を
溶媒として使用して、不活性ガス、例えば窒素、アルゴ
ン、炭酸ガスなどの雰囲気下で250〜320℃に加熱
を30〜90分間行なう。あるいは、2,5−ジ(アリ
ルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキル
エステルとナフタレン誘導体(I)の混合物を不活性ガ
スの雰囲気下で100〜170℃に予熱し、これを不活
性ガスの雰囲気下で250〜320℃で沸騰したナフタ
レン誘導体(I)中に15〜120分で計り入れ、更に
15〜30分間還流するよう加熱し、メタノール、エタ
ノール等のアルキルアルコールを留去させることにより
環化を完結させる。ナフタレン誘導体(I)の不活性高
沸点溶媒中での環化の後、適宜置換した6,13−ジヒ
ドロキナクリドン類の懸濁液が得られ、常法で処理す
る。例えば、生成物は170℃以下の温度で吸引濾別す
る事ができ、得られた吸引濾過ケーキはアルコール、好
ましくはメタノールで洗うことにより付着した溶媒と副
生成物を除くことができ、もし必要ならば次にナフタレ
ン誘導体(I)の不活性高沸点溶媒の残渣を取り除くた
めに熱メタノール中で再びかき混ぜることにより抽出で
きる。環化プロセスで得られる全ての廃棄物(母液、洗
浄液)は問題なく蒸留によって処理し、ナフタレン誘導
体(I)の高沸点溶媒とメタノールを高収率で回収で
き、また残渣は液体の形で燃焼処理することが出来る。
【0015】本発明の2,5−時(アリルアニリノ)−
3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類の
ナフタレン誘導体(I)の不活性高沸点溶媒中での6,
13−ジヒドロキナクリドン類の製造は、従来から行な
われている方法に比べ閉環反応に係る脱エステル化反応
が非常に速やかに起こるため、副生成物の生成を限りな
く減少させることができ、しかも反応が非常に速やかに
起こることから、全体の製造にかかる時間が短縮でき
る。本発明のナフタレン誘導体(I)は、アルコール
類、特にメタノールの溶解度が従来から公知の「ダウサ
ームA」、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、1,
1−ジフェニルエタン等に比べて低いためアルコール類
が溶媒中に存在した場合に沸点温度で留去され易く、
2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフ
タル酸ジアルキルエステル類の脱エステル反応によって
生成するアルコール類の溶媒への溶存量が少なくなり、
主反応が早く完結するのみならず副生成物の生成を減少
することができる。
【0016】本発明のナフタレン誘導体(I)の不活性
高沸点溶媒中での環化反応によって2,5−ジ(アリル
アミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエ
ステル類から出発する適宜置換した6,13−ジヒドロ
キナクリドン類の合成は高収率で進行する。本発明によ
り合成した生成物はIRとUV分光学のデータによって
示されるように、非常に純粋な形で得られる。それらは
更にメタノールを含んでいるか水性のペーストの状態ま
たは乾燥した形で加工することができる。6,13−ジ
ヒドロキナクリドン類の酸化は原則において公知であ
る。(例えば、米国特許第2821529号公報実施例
9〜15、英国特許第909602号公報実施例1〜
6、英国特許第911477号実施例1〜11など。)
【0017】本発明によって製造された6,13−ジヒ
ドロキナクリドン類は、例えば、m−ニトロベンゼンス
ルホン酸ソーダ、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン、
ニトロベンゼンスルホン酸及びニトロベンゼンカルボン
酸、ニトロフェノール、酸素または空気によるメタノー
ル、エタノール、アセトンまたはエチレングリコールま
たはグリコールエーテルと水の溶媒混合物中でアルカリ
の存在で高温において、もしも必要ならば加圧下、また
必要ならば分散剤および反応促進剤の存在で酸化によっ
て対応するキナクリドンに変えることが出来る。酸化は
分散剤、好ましくはアニオン分散剤、例えば芳香族スル
ホン酸とホルムアルデヒドの縮合生成物の存在で空気に
よって行なうのが好ましい。
【0018】本発明によって、例えば次のキナクリドン
を合成することができる。キナクリドン、2,9−ジク
ロロキナクリドン、3,10−ジクロロキナクリドン、
4,11−ジクロロキナクリドン、2,9−ジメチルキ
ナクリドン、3,10−ジメチルキナクリドン、4,1
1−ジメチルキナクリドン、2,9−ジメトキシキナク
リドン、2,9−ジエトキシキナクリドン、2,4,
9,11−テトラクロロキナクリドン、2,9−ジシク
ロヘキシルキナクリドン、2,9−ジフェニルキナクリ
ドン、3,10−ジニトロキナクリドン、1,2,8,
9−テトラクロロキナクリドン、2,9−ジフルオロキ
ナクリドン及び2,9−ジブロモキナクリドン。
【0019】本発明は更に無置換γ型リニアトランスキ
ナクリドンの製造において、特に常圧あるいは加圧状態
で環化反応を300℃以上の温度で行なって得られた
6,13−ジヒドロキナクリドンについてはβ型結晶で
あることが分かった。従って、米国特許第335286
7号公報に記載があるようにγ型キナクリドンを合成す
るにはα型6,13−ジヒドロキナクリドンをβ型6,
13−ジヒドロキナクリドンへ転移を行なった後、一般
的な方法で酸化することで得られるが、本発明によって
β型6,13−ジヒドロキナクリドンが得られることか
ら転移工程を省略して酸化反応のみによって得られ、大
幅に製造にかかる時間を短縮できることが分かった。ま
た本発明によって得られたα型6,13−ジヒドロキナ
クリドンのβ型6,13−ジヒドロキナクリドンへの転
移には一般にC1 〜C4 アルコールとアルカリの実質的
に無水の混合物で処理する。
【0020】本発明の方法によって得られた無置換γ型
リニアトランスキナクリドンは高純度、高隠ぺい力、高
光沢及び他の顕著な着色性を特徴とする。本発明による
方法を、次の実施例によってより詳細に説明する。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表わす。 実施例1 よく乾燥した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸ジメチルエステル30部に対し、ジメチルナ
フタレン異性体混合物150部を200mlの底部に出
口バルブを有するフラスコ中に窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら120〜170℃に加熱する。次にこの熱混合
液を500mlフラスコ中で窒素ガス雰囲気下で撹拌し
ながら258℃で沸騰している150部の前述のジメチ
ルナフタレン異性体混合物中に20〜40分掛けて計り
入れ、続いて混合物を258〜262℃(還流)に更に
30分保つ。
【0022】258℃の沸騰したジメチルナフタレン異
性体混合物に120〜170℃の2,5−ジアニリノ−
3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチルエステルとジメ
チルナフタレン異性体混合物を計り入れた瞬間からメタ
ノールの発生を伴って6,13−ジヒドロキナクリドン
の生成反応が開始し、メタノールの発生は258℃での
還流開始直後には殆どなくなる。100℃に冷却後窒素
ガス雰囲気を解除し、内容物を濾過し、熱メタノール5
00mlで洗浄し、乾燥してα型6,13−ジヒドロキ
ナクリドン24.47部(理論量の98.10%)を得
た。IRおよびUVスペクトルにより純度は98%以上
であった。
【0023】比較例1 よく乾燥した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸ジメチルエステル30部に対し、メチルナフ
タレン異性体混合物150部を200mlの実施例1と
同様の反応容器中で窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら1
20〜170℃に加熱する。次にこの熱混合液を500
mlフラスコ中で窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら24
4℃で沸騰している150部の前述のメチルナフタレン
異性体混合物中に20〜40分掛けて計り入れ、続いて
混合物を241〜244℃(還流)に更に30分保つ。
【0024】244℃の沸騰したジメチルナフタレン異
性体混合物に120〜170℃の2,5−ジアニリノ−
3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチルエステルとジメ
チルナフタレン異性体混合物を計り入れた瞬間からメタ
ノールの発生を伴って6,13−ジヒドロキナクリドン
の生成反応が開始し、メタノールの発生は244℃での
還流開始直後には殆どなくなる。100℃に冷却後窒素
ガス雰囲気を解除し、内容物を濾過し、熱メタノール5
00mlで洗浄し、乾燥してα型6,13−ジヒドロキ
ナクリドン20.21部(理論量の81.10%)を得
た。IRおよびUVスペクトルにより純度は96%であ
った。
【0025】比較例2 比較例1で使用したメチルナフタレンの替わりに「ダウ
サームA」を用いて同様の実験を行った。その結果、α
型6,13−ジヒドロキナクリドン23.85部(理論
量の95.70%)を得た。
【0026】実施例2 実施例1で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5
−ジ(p−クロロアニリノ)−3,6−ジヒドロテレフ
タル酸ジメチルエステル30部を用いて同様の反応を行
なった。その結果2,9−ジクロロ−6,13−ジヒド
ロキナクリドン24.68部(理論量の96.01%)
を得た。
【0027】比較例3 実施例1で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5
−ジ(p−クロロアニリノ)−3,6−ジヒドロテレフ
タル酸ジメチルエステル30部を用い、ジメチルナフタ
レン異性体混合物の替わりにメチルナフタレン異性体混
合物を用いて同様の反応を行なった。その結果2,9−
ジクロロ−6,13−ジヒドロキナクリドン19.63
部(理論量の76.37%)を得た。
【0028】実施例3 実施例1で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5
−ジ(m−クロロアニリノ)−3,6−ジヒドロテレフ
タル酸ジメチルエステル30部を用いて同様の反応を行
なった。その結果3,10−ジクロロ−6,13−ジヒ
ドロキナクリドン24.45部(理論量の95.12
%)を得た。
【0029】実施例4 実施例1で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5
−ジ(p−トルイジノ)−3,6−ジヒドロテレフタル
酸ジメチルエステル30部を用いて同様の反応を行なっ
た。その結果、2,9−ジメチル−6,13−ジヒドロ
キナクリドン24.44部(理論量の96.71%)を
得た。
【0030】実施例4の比較例 実施例1で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5
−ジ(p−トルイジノ)−3,6−ジヒドロテレフタル
酸ジメチルエステル30部を用い、ジメチルナフタレン
異性体混合物の替わりにメチルナフタレン異性体混合物
を用いて同様の反応を行なった。その結果2,9−ジメ
チル−6,13−ジヒドロキナクリドン19.78部
(理論量の78.27%)を得た。
【0031】実施例5〜13 実施例1で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、以下の
表に示した2,5−ジ(アリルアニリノ)−3,6−ジ
ヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類30部を用い
て同様の反応を行ない、その結果を示す。 実施例 使用したジアリルアニリノ 得られたジヒドロ 収 率 No. テレフタル酸類 キナクリドン類 (%) 5 2,5−ジ(p−カルボキシ 2,9−ジカルボキシ−6, 94.2 アニリノ)−3,6−テレフ 13−ジヒドロキナクリドン タル酸ジメチルエステル 6 2,5−ジ(p−フルオロア 2,9−ジフルオロ−6,1 93.1 アニリノ)−3,6−テレフ 13−ジヒドロキナクリドン タル酸ジメチルエステル 7 2,5−ジ(m−ヒドロキシ 3,10−ジヒドロキシ−6 91.2 アニリノ)−3,6−テレフ ,13−ジヒドロキナクリド タル酸ジメチルエステル ン 8 2,5−ジ(m−ニトロアニ 3,10−ジニトロ−6,1 93.6 リノ)−3,6−テレフタル 3−ジヒドロキナクリドン 酸ジメチルエステル 9 2,5−ジ(p−エトキシア 2,9−ジエトキシ−6,1 91.9 ニリノ)−3,6−テレフタ 3−ジヒドロキナクリドン ル酸ジメチルエステル 10 2,5−ジ(p−ベンズアミ 2,9−ジベンズアミノ−6 88.2 ノアニリノ)−3,6−テレ ,13−ジヒドロキナクリド フタル酸ジメチルエステル ン 11 2,5−ジ(p−ジメチルア 2,9−ジ(ジメチルアミノ 80.8 ミノスルフォアニリノ)−3 スルフォニル)−6,13− ,6−テレフタル酸ジメチル ジヒドロキナクリドン エステル 12 2,5−ジ(p−ジメチルア 2,9−ジ(ジメチルアミド 81.7 ミドアニリノ)−3,6−テ )−6,13−ジヒドロキナ レフタル酸ジメチルエステル クリドン 13 2,5−ジ(p−ピリジノア 2,9−ジピリジノ−6,1 79.2 ニリノ)−3,6−テレフタ 3−ジヒドロキナクリドン ル酸ジメチルエステル
【0032】実施例14 実施例1で使用したジメチルナフタレン異性体混合物に
替えて、エチルナフタレン異性体混合物を用いて、同様
の反応を行なった。沸点温度は259℃であった。その
結果、6,13−ジヒドロキナクリドン24.08部
(理論量の96.43%)が得られた。
【0033】実施例15 実施例1と同様の反応を加圧反応容器で行ない反応温度
(還流温度)を310℃にして行なった結果、β型6,
13−ジヒドロキナクリドン24.32部(理論量の9
7.59%)を得た。
【0034】実施例16〜19 実施例1で使用したジメチルナフタレン異性体混合物に
替えて、以下の表に示した物を使用して同様の反応を実
施した結果を示す。 実施例 使用したナフタレン誘導体の不活性高沸点溶媒 収率(%) 16 ブチルナフタレン異性体混合物 97.1 17 ジプロピルナフタレン異性体混合物 95.2 18 トリメチルナフタレン異性体混合物 95.8 19 テトラメチルナフタレン異性体混合物 96.1
【0035】実施例20 実施例1で使用したジメチルナフタレン異性体混合物に
替えて、次に示す配合比でナフタレン誘導体を混合した
不活性高沸点溶媒を用いて、同様の反応を行なった。沸
点温度は263℃であった。その結果、6,13−ジヒ
ドロキナクリドン24.20部(理論量の97.11
%)を得た。
【0036】 ナフタレン誘導体名 重量比(部) エチルナフタレン異性体 25.65 ジメチルナフタレン異性体 270.30 ジエチルナフタレン異性体 4.05
【0037】実施例21 実施例1で使用したジメチルナフタレン異性体混合物に
替えて、次に示す配合比でナフタレン誘導体を混合した
不活性高沸点溶媒を用いて、同様の反応を行なった。そ
の結果、6,13−ジヒドロキナクリドン23.86部
(理論量の95.74%)を得た。
【0038】 ナフタレン誘導体名 重量比(部) エチルナフタレン異性体 4.59 ジメチルナフタレン異性体 76.80 ジエチルナフタレン異性体 211.50 トリメチルナフタレン異性体 7.11
【0039】実施例22 ステンレスフラスコ中でメタノール79部、50%Na
OH水溶液12部を良く撹拌し、実施例1.で製造した
6,13−ジヒドロキナクリドン10部とm−ニトロベ
ンゼンスルホン酸ソーダ10部を徐々に混合し、70〜
75℃で3〜5時間還流する。この混合物を40℃以下
になるまで冷却した後濾過し、ケーキは留出液が無色透
明になるまで熱水で洗浄し乾燥する。その結果無置換リ
ニアトランスキナクリドン9.78部(理論量の98.
4%)を得た。IRとUVスペクトルによる純度を求め
た結果98.5%のキナクリドンと1.2%の6,13
−ジヒドロキナクリドンが検出できた。
【0040】実施例23 実施例15で得たβ型6,13−ジヒドロキナクリドン
10部を実施例22.と同様に酸化反応を行なった結
果、無置換γ型リニアトランスキナクリドン9.72部
(理論量の97.82%)を得た。
【0041】実施例24 実施例2で得た2,9−ジクロロ−6,13−ジヒドロ
キナクリドン10部を実施例22.のα型6,13−ジ
ヒドロキナクリドンに替えて同様に反応を行なった。但
し、反応派加圧反応容器で行ない、反応温度を100℃
とした。その結果、2,9−ジクロロキナクリドン9.
68部(理論量の97.3%)を得た。
【0042】実施例25 実施例4で得た2,9−ジメチル−6,13−ジヒドロ
キナクリドン10部を実施例10.の2,9−ジクロロ
−6,13−ジヒドロキナクリドンに替えて同様に反応
を行なった結果、2,9−ジメチルキナクリドン9.5
3部(理論量の95.9%)を得た。
【発明の効果】本発明のナフタレン誘導体の不活性高沸
点溶媒を用いた2,5−ジ(アリルアニリノ)−3,6
−ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類から6,
13−ジヒドロキナクリドン類への環化反応は、環化に
かかる脱エステル反応が非常に速やかに進行することよ
り、副生成物の生成を十分に阻止できることから、短時
間のうちに高収率で高純度の適宜置換した6,13−ジ
ヒドロキナクリドン類が得られる。また、本発明により
得られた6,13−ジヒドロキナクリドン類を公知の方
法で酸化することによって、高収率で高純度、高隠ぺい
力、高光沢及び他の顕著な着色性を有する適宜置換した
該当するキナクリドン類を得ることが出来る。また、無
置換γ型リニアトランスキナクリドンの製造において
は、ナフタレン誘導体の不活性高沸点溶媒を適宜選択
し、常圧または必要ならば加圧状態で反応温度を300
℃以上に保つことで得られる6,13−ジヒドロキナク
リドンはβ型結晶を有するので、結晶転移を行なう必要
無く、このまま酸化することで無置換γ型リニアトラン
スキナクリドンを得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−205163(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 48/00 C07D 213/16 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,5−(ジアリルアミノ)−3,6−
    ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類を、式
    (I)で示されるナフタレン誘導体の単体あるいは混合
    物中で本質的に酸素を含まない雰囲気中で250℃〜3
    30℃に加熱することを特徴とする6,13−ジヒドロ
    キナクリドン類の製造方法。 【化1】 ( 式中、R1 は、C1 〜C4 のアルキル基を示し、nは
    1、2、3、4である(但し、n=1の時のC1 を除
    く。)。)
  2. 【請求項2】 2,5−(ジアリルアミノ)−3,6−
    ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類が下記一般
    式(II)で示される請求項1記載の6,13−ジヒドロ
    キナクリドン類の製造方法。 【化2】 (式中、R2 、R3 は低級アルキル基を示し、Xは水素
    と置換されたF、Cl、Br、I、−OH、−NO2
    −CF3 、置換していてもよいC1 〜C4 アルキル基、
    置換していてもよいC1 〜C4 アルコキシ基、フェニ
    ル、シクロヘキシル、フェノキシ、−COOH、−CO
    O−C1 〜C4 アルキル、−SO3 H、フエニルアミ
    ノ、ベンジルアミノ、−N(CH3 2 、−SO2 NH
    2 、−SO2 N(CH3 2 、ピリジル、−CONH2
    または−CON(CH3 2 を示し(ただし、−NH−
    基に対し少なくとも1個のオルト位置が水素である)、
    nは0、1、2の整数を示す。)
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