JP2779769B2 - 塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂固形物の製造方法 - Google Patents

塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂固形物の製造方法

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JP2779769B2 JP19468594A JP19468594A JP2779769B2 JP 2779769 B2 JP2779769 B2 JP 2779769B2 JP 19468594 A JP19468594 A JP 19468594A JP 19468594 A JP19468594 A JP 19468594A JP 2779769 B2 JP2779769 B2 JP 2779769B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩素化エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂の固形物製造方法に関し、詳しくは粘着
性を有する塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に、
塩素化ポリオレフィンを含有させた後ペレットもしくは
ストランドとし、該樹脂表面をポリオキシアルキレング
リコール及び粘着防止用粉体により被覆することで耐ブ
ロッキング性に優れた樹脂固形物を製造する方法に関す
る。
【0002】塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
は、主に塗料,インキ及び接着剤の原料樹脂として広く
用いられており、特にプラスチックフィルムの印刷イン
キである特殊グラビアインキ用の樹脂として有用なもの
であるが、ブロッキング性があるため溶剤に溶解したも
のが通常の商品形態となっている。本発明の塩素化エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂の固形物は溶剤を含まない
状態で安全に且つ軽量運搬でき、又、使用時ブロッキン
グによる作業性の低下を軽減できる点で、産業上多くの
利点を持つものとしてその利用価値は極めて高いもので
ある。
【0003】
【従来の技術】塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
の固形物を得る方法としては、ドラム乾燥法,溶剤置換
法,ベント付き押出機を使用する方法等があるが、いず
れの方法においても塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂は粘着性を有するため、固形化物では固形化後の製
品の保管や運搬時に固形物のブロッキングが生じ易く、
使用時の作業性を著しく損なうことが問題であった。
【0004】これを解決する方法として、樹脂ペレット
表面に粘着防止用粉末をコーティングする方法(特開平
01-288408 号公報)や低分子量結晶性ポリオレフィンを
樹脂中に混入する方法(特公昭51-44974号公報)等があ
るが、前者の方法では粘着防止用粉末が樹脂ペレットに
十分付着できなかったり、運搬中に剥離して十分な耐ブ
ロッキング性を発揮できないことがあり、後者の方法で
は樹脂中に混練された低分子量結晶性ポリオレフィンの
ために樹脂本来の物性が低下し、特に溶剤への溶解性や
他樹脂との相溶性,塗料やインキとして用いた場合の被
塗物への接着性などに問題を生ずることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はかかる問
題を解決するため、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂の粘着性樹脂ペレットもしくはストランド表面を、
粉体とポリオキシアルキレングリコールで被覆し、樹脂
固形物の凝集とブロッキングを防止する方法を特開平6-
73187 号公報で既に提案した。しかしこの方法もペレッ
トやストランドを長期保存すると粉体が樹脂内部に移行
し耐ブロッキング性が低下するという欠点を有するもの
であった。本発明は特開平6-73187 号公報の方法を更に
改良し、長期保存しても耐ブロッキング性が低下しない
塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の固形物を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、粘着性のある
塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に塩素含有率が
5〜50重量%の塩素化ポリオレフィンを 0.5〜20重量%
添加したペレットもしくはストランドを、平均粒径 0.0
05〜10μmの粘着防止用粉体を分散させた数平均分子量
100〜4000のポリオキシアルキレングリコールもしくは
その水溶液で処理した後乾燥し、ペレットもしくはスト
ランド表面にポリオキシアルキレングリコール及び粉体
を樹脂に対して0.01〜1.0 重量%付着させる方法によ
り、上記問題を解決するものである。
【0007】ここで、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂とは、酢酸ビニル含量10〜50モル%のエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂を塩素含有率が5〜50重量%の範
囲で塩素化して得られるものである。酢酸ビニル含量及
び塩素含有率が上記の範囲にないものは塗料やインキと
した場合性能が著しく劣るため好ましくない。又、ここ
で言う塩素化ポリオレフィンとは、ポリプロピレン,エ
チレン−プロピレン共重合物,ポリ(4−メチルペンテ
ン−1)を塩素含有率5〜50重量%になるまで塩素化し
たものであり、これらの塩素化ポリオレフィンの内の少
なくとも1種を塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
に添加しペレット化あるいはストランド化して用いるこ
とにより本発明の効果が発揮される。この際用いるポリ
オレフィンは、クロロホルムや四塩化炭素等の塩素化溶
媒に常温から 150℃の温度範囲で溶解し、塩素化できる
ものであれば全て使用できるが、塩素化し易いという観
点で考えると、数平均分子量10万以下のものが本発明を
実施する上で好ましい。
【0008】塩素化ポリオレフィンの添加量は塩素化エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂に対し 0.5〜20重量%が
好ましく、 0.5重量%未満ではペレットやストランド表
面に粉体を付着させて長期保存した場合耐ブロッキング
性が低下する。20重量%を越えると耐ブロッキング性の
低下はみられないが塗料やインキとした場合著しい性能
低下がみられるため好ましくない。又、塩素化ポリオレ
フィンの塩素含有率は5〜50重量%が好ましく、この範
囲以外は塩素化エチレン−酢酸ビニル樹脂との相溶性が
悪くなるため好ましくない。
【0009】上記問題を解決するためのもう一つの手段
として、酢酸ビニル含量が10〜50モル%のエチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂にポリオレフィンを 0.5〜20重量%
添加し塩素含有率が5〜50重量%まで塩素化した後、ペ
レット化もしくはストランド化し、平均粒径 0.005〜10
μmの粘着防止用粉体を分散させた数平均分子量100〜4
000のポリオキシアルキレングリコール中もしくはその
水溶液中に浸漬した後乾燥させ、ペレットもしくはスト
ランド表面にポリオキシアルキレングリコール及び粉体
を樹脂に対して0.01〜1.0 重量%付着させる方法も、耐
ブロッキング性のある塩素化エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂の固形物を得るために有効である。この時、酢酸
ビニル含量や塩素含有率が上記範囲以外では塗料やイン
キとした場合性能が著しく悪くなるため好ましくない。
この際用いるポリオレフィンは上記したものがそのまま
使用できる。
【0010】又、ポリオレフィンの添加量はエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂に対し 0.5〜20重量%が好まし
く、 0.5重量%未満ではペレットやストランド表面に粉
体を付着させて長期保存した場合耐ブロッキング性が低
下し、20重量%を越えると耐ブロッキング性の低下はみ
られないが塗料やインキとした場合著しい性能低下がみ
られるため好ましくない。
【0011】エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂とポリオ
レフィン混合樹脂の塩素化は公知の反応方法で容易に実
施できる。例えば上記混合樹脂をクロロホルムや四塩化
炭素のような塩素化溶媒中に溶解し、無触媒か触媒の存
在下、又は紫外線の照射下において、加圧又は常圧下に
常温から 150℃の温度範囲で塩素ガスを吹き込むことに
より行われる。
【0012】ペレット及びストランドは固形化された樹
脂の形状を示し、ペレットは直径1〜10mmの範囲の球状
のもので、ストランドは直径1〜10mmの円形断面を持つ
円柱状のものでその長さは通常1〜30mmであるが、本発
明の方法に用いる場合には連続処理のために線状に連続
した形状のものであっても差し支えない。又、板状や長
方形など種々な形状を有するものであっても本発明の方
法であれば耐ブロッキング性を付与することができる。
これらの樹脂の固形化に際しては、その方法を特に限定
するものではないが、押出機を用いる方法が好ましく、
特にペレット化には押出機の樹脂出口に水中カッターを
備えたものにより連続的に処理できるものが望ましい。
【0013】粘着防止用の粉体の種類としては、カオリ
ナイト,パイロフィライト等のクレー類、タルク,シリ
カ,雲母,炭酸マグネシュウム,炭酸カルシュウム,ハ
イドロタルサイト類化合物〔Mg6 Al2 (OH)16
3 ・4H2 O〕,〔Mg4.5 Al2 (OH)13CO3
・ 3.5H2 O〕等の無機系、ポリエチレンワックス,エ
チレン−酢酸ビニル共重合物ケン化物,低分子量ポリプ
ロピレン等の有機系の粉体等が用いられるが、なかでも
無機系のシリカもしくはタルク又はハイドロタルサイト
類化合物が好ましく用いられる。これらの粉体の粒径は
0.005〜10μmの範囲が良く、好ましくは0.01〜5μm
の範囲が良い。この範囲より小さいものでは粉体同士の
凝集により耐ブロッキング効果が発揮しにくくなり、こ
れより大きいものでは樹脂への付着が悪く、運搬中に剥
がれ易くなるので好ましくない。
【0014】本発明中で、ポリオキシアルキレングリコ
ールは特に重要であるが、その種類としてはポリエチレ
ングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリブチレ
ングリコールあるいはこれらの共重合樹脂が挙げられ
る。なかでもポリプロピレングリコールが最も好ましく
用いられる。これらポリオキシアルキレングリコールの
分子量は数平均分子量で 100〜4000の範囲が良く、好ま
しくは 500〜3000が望ましい。分子量がこの範囲より小
さいと、固形化樹脂表面を膨潤させブロッキングし易く
なり、この範囲より大きいとポリオキシアルキレングリ
コールの粘着性が増して、これにより固形化樹脂同士が
凝集し易くなる。又、粉体との混合物やその水懸濁液の
粘度が上昇し、均一な処理ができなくなり好ましくな
い。
【0015】粘着防止用粉体とポリオキシアルキレング
リコールの混合物を固形化樹脂の表面に付着させる方法
としては、混合物もしくはその水分散液中に樹脂固形化
物を浸漬する方法を用いるが、簡便法として混合物もし
くはその水分散液を樹脂固形物に直接振りかけることも
できる。しかし、この方法では樹脂表面への均一な処理
が行われにくいので余り好ましくはない。粘着防止用粉
体とポリオキシアルキレングリコールの固形化樹脂への
付着量は固形化樹脂に対して0.01〜1.0 %の範囲が良
く、これより少ないと耐ブロッキング性が十分発揮でき
ず、これより多いと樹脂本来の物性が低下するので好ま
しくない。
【0016】粘着防止用粉体とポリオキシアルキレング
リコールの比率は重量比で1:1〜20:1の範囲が良
く、これよりポリオキシアルキレングリコールの量が多
いと固形化樹脂表面が粘着性を帯び、耐ブロッキング性
に対して好ましくなく、逆に少ないと固形化樹脂表面へ
の粉体の付着性が悪く、又、粉体が剥がれ易くなり耐ブ
ロッキング性が損なわれ易い。
【0017】これらの粉体とポリオキシアルキレングリ
コールを上記範囲で混合したものを直接固形化樹脂に付
着させても良いが、これをその2〜20倍重量の水に溶解
分散させたスラリー状にして用いることができる。粉体
とポリオキシアルキレングリコールを水スラリー状にし
て用いることで固形化樹脂をスラリー中に浸漬する方法
により表面処理を施しても、十分均一な処理を行うこと
ができ、操業上連続的な固形化物の製造が可能になるも
のである。
【0018】
【作用】本発明は、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂の固形化に際し、所定の塩素化ポリオレフィンを含
有させ固形化した後、所定粒径の粉体と所定分子量のポ
リオキシアルキレングリコールもしくはその水溶液から
得られる水分散スラリーにより、固形化樹脂の表面を被
覆処理することにより固形化樹脂同士のブロッキング
(凝集)を防ぎ、長期保存してもその耐ブロッキング効
果が失活しないようにするものである。
【0019】従来より、粘着性樹脂を押出機よりペレッ
ト状もしくはストランド状に成形する際には、樹脂同士
の付着を防ぐために速やかに冷却する必要があった。こ
こで十分に冷却すれば固形化時にともなうブロッキング
は防止できるが、その後の保存,運搬時における温度上
昇や荷重によるブロッキング現象を防ぐことはできな
い。そこで、粘着性樹脂のブロッキングを防ぐために、
耐ブロッキング剤として粉体を用いるようになったが、
ペレット化の際に樹脂を冷却するためペレット表面に粉
体が効果的に付着しなかったり、その後の保存、運搬時
に粉体が剥がれるなどの問題があった。又、粉体を水分
散スラリーとして用いる場合には、粉体自身の水中での
分散安定性が固形化樹脂表面への均一な付着のために重
要であり、このことが耐ブロッキング性に大きく影響し
ていた。
【0020】本発明では、粘着防止用粉体と共にポリオ
キシアルキレングリコールを用いることで、ポリオキシ
アルキレングリコールの界面活性効果により粉体の水分
散スラリーを均一に安定化すると共に、固形化樹脂表面
への粉体の均一な付着を促進する効果があると考えられ
る。又、数平均分子量 100〜4000のポリオキシアルキレ
ングリコールは、必要以上の粘着性を持たず、塩素化エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂を溶解することがないた
めに、それ自身がブロッキング防止効果を有しており、
粉体とポリオキシアルキレングリコールを併用すること
で両者の性能の相乗効果により、単なる単体での使用の
場合では予想されない耐ブロッキング性能を発揮するこ
とが可能となったものと考えられる。しかしながら、こ
の様な処理をした樹脂固形物でも、長期に保存した場合
耐ブロッキング性が低下するという現象がみられた。
【0021】そこで、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂中に塩素化ポリオレフィンを含有させた後固形化
し、粘着防止用粉体とポリオキシアルキレングリコール
とで樹脂表面を処理すると長期間保存しても耐ブロッキ
ング性が低下しないという事実を発見した。明確な理由
は不明であるが、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂に塩素化ポリオレフィンを混入させることで、樹脂内
部への粉体やポリオキシアルキレングリコールの移行が
抑えられるものと考えられる。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。尚、実施例中の部及び%は重量部,重量%を示す。
【0023】(実施例−1)塩素化エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂(以下CEVAと略す。酢酸ビニル含量14
モル%,塩素含有率30%,数平均分子量5万)に対し塩
素化ポリプロピレン(以下CPPと略す。塩素含有率32
%,数平均分子量2万)を15%添加し、押出機より押し
出した後、水中で水中カットペレタイザーにより切断し
ペレット化した。次いでこれを無定形シリカ粉末(平均
粒径2μm) 100部とポリプロピレングリコール(以下
PPGと略す。数平均分子量1000)50部を1500部の水に
溶解分散させ高速撹拌しているスラリー中に導き、表面
処理を施した後に、余分なスラリーを取り除いて乾燥し
た。ペレットへの粉体とPPG付着量は0.10%であっ
た。
【0024】(実施例−2)CEVA(酢酸ビニル含量
28モル%,塩素含有率20%,数平均分子量4万)に対し
塩素化ポリ(4−メチルペンテン−1)(以下CPMP
と略す。塩素含有率25%,数平均分子量 1.5万)を5%
添加し、押出機より押し出した後、水中で水中カットペ
レタイザーにより切断しペレット化した。次いでこれを
ハイドロタルサイト粉末(Mg4.5 Al2 (OH)13
3 ・ 3.5H2 O,平均粒径 0.4μm)80部とPPG
(数平均分子量2000)50部を1500部の水に溶解分散させ
高速撹拌しているスラリー中に導き、表面処理を施した
後に、余分なスラリーを取り除いて乾燥した。ペレット
への粉体とPPG付着量は0.09%であった。
【0025】(実施例−3) CEVA(酢酸ビニル含量19モル%,塩素含有率15
%,数平均分子量3万)に対し塩素化エチレン−プロピ
レン共重合物(以下CPEPPと略す。エチレン含量5
モル%,塩素含有率28,数平均分子量5万)を10
%添加し、押出機より押し出した後、水中で水中カット
ペレタイザーにより切断しペレット化した。次いでこれ
を無定形シリカ粉末(平均粒径2μm)100部とPP
G(数平均分子量1000)50部を1500部の水に
溶解分散させ高速撹拌しているスラリー中に導き、表面
処理を施した後に、余分なスラリーを取り除いて乾燥し
た。ペレットへの粉体とPPG付着量は0.08%であ
った。
【0026】(実施例−4)エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂(以下EVAと略す。酢酸ビニル含量14モル%,
数平均分子量6万)に対しポリプロピレン(以下PPと
略す。数平均分子量7万)を10%添加した混合物5kgを
グラスライニングした反応釜に投入し、80リットルの四
塩化炭素を加え、圧力2kg/cm2 ,温度 110℃の条件下
で溶解した後、紫外線を照射しつつ塩素ガスを反応釜底
部より吹き込み、塩素含有率が30%の塩素化物を得た。
この塩素化物をエバポレーターで濃縮しベント付きの押
出機で四塩化炭素を除去しながら押し出した後空冷し、
ペレタイザーでストランド状に切断した後、直ちに、ハ
イドロタルサイト粉末(Mg4.5 Al2 (OH)13CO
3 ・ 3.5H2 O,平均粒径 0.4μm) 100部とPPG
(数平均分子量2000)100 部を2000部の水に溶解分散さ
せ高速撹拌しているスラリー中に導き、表面処理を施し
た後に、余分なスラリーを取り除いて乾燥した。ストラ
ンドへの粉体とPPG付着量は0.10%であった。
【0027】(実施例−5)EVA(酢酸ビニル含量28
モル%,数平均分子量4万)に対しポリ(4−メチルペ
ンテン−1)(以下PMPと略す。数平均分子量 7.5
万)を2%添加する以外は実施例−4とまったく同様な
方法で塩素化を行い、塩素含有率が20%の塩素化物を得
た。この塩素化物を実施例−4の方法に準じストランド
状に作製し、ハイドロタルサイト粉末(Mg4.5 Al2
(OH)13CO3 ・ 3.5H2 O,平均粒径0.4 μm) 1
00部とPPG(数平均分子量1000) 100部を2000部の水
に溶解分散させ高速撹拌しているスラリー中に導き、表
面処理を施した後に、余分なスラリーを取り除いて乾燥
した。ストランドへの粉体とPPG付着量は0.11%であ
った。
【0028】(実施例−6)EVA(酢酸ビニル含量19
モル%,数平均分子量3万)に対しエチレン−プロピレ
ン共重合物(以下PEPPと略す。エチレン含量7モル
%,数平均分子量5万)を10%添加する以外は実施例−
4とまったく同様な方法で塩素化を行い、塩素含有率が
15%の塩素化物を得た。この塩素化物を実施例−4の方
法に準じストランド状に作製し、無定形シリカ粉末(平
均粒径2μm) 100部とPPG(数平均分子量1000) 1
00部を2000部の水に溶解分散させ高速撹拌しているスラ
リー中に導き、表面処理を施した後に、余分なスラリー
を取り除いて乾燥した。ストランドへの粉体とPPG付
着量は0.09%であった。
【0029】(比較例−1)CEVA(酢酸ビニル含量
14モル%,塩素含有率30%,数平均分子量5万)を押出
機より押し出した後、水中で水中カットペレタイザーに
より切断しペレット化し、これをそのまま乾燥した。
【0030】(比較例−2)CEVA(酢酸ビニル含量
28モル%,塩素含有率20%,数平均分子量4万)を押出
機より押し出した後、水中で水中カットペレタイザーに
より切断しペレット化した。次いでこれをハイドロタル
サイト粉末(Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・ 3.5H
2 O,平均粒径 0.4μm) 100部を1000部の水に溶解分
散させ高速撹拌しているスラリー中に導き、表面処理を
施した後に、余分なスラリーを取り除いて乾燥した。ペ
レットへの粉体とPPG付着量は0.01%であった。
【0031】(比較例−3)CEVA(酢酸ビニル含量
28モル%,塩素含有率20%,数平均分子量4万)を押出
機より押し出した後、水中で水中カットペレタイザーに
より切断しペレット化した。次いでこれを無定形シリカ
粉末(平均粒径2μm) 100部とPPG(数平均分子量
1000)50部を1500部の水に溶解分散させ高速撹拌してい
るスラリー中に導き、表面処理を施した後に、余分なス
ラリーを取り除いて乾燥した。ペレットへの粉体とPP
G付着量は0.08%であった。
【0032】耐ブロッキング性の評価方法 内径40cm、高さ70cmの円筒状容器に表面処理をした固形
化樹脂を仕込み、固形化樹脂の上に直径39cmの円盤(1
kg)をのせて所定温度雰囲気中に放置する。24時間後と
1週間後にこの荷重を取り除き、円筒状容器を逆さにし
て全ての固形化樹脂が容器から流出するまでの時間を測
定する。このテストをいくつかの温度で行い、固形化樹
脂の全てが1分間以内に排出される最高の温度により以
下の表1のようなランク付けを行う。
【0033】
【表1】
【0034】表2に実施例と表3に比較例の耐ブロッキ
ング効果についてまとめた。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】実施例−1〜6はCEVAに対し塩素化
ポリオレフィンを混合するか、EVAにポリオレフィン
を混合し塩素化した後、ペレット化あるいはストランド
化し、粉体とポリオキシアルキレングリコール処理した
ものであるが、比較例−1のように全く何も処理しない
もの、比較例−2のように粉体だけで処理したものに比
べ明らかに耐ブロッキング性が改良されている。又、比
較例−3のようにCEVAを粉体とポリオキシアルキレ
ングリコールで処理すると、24時間後の耐ブロッキン
グ性は改良されるが、1週間という比較的長期間では耐
ブロッキング性が低下するのに対し、本実施例では耐ブ
ロッキング性がほとんど変化せず、本発明が非常に有用
であることが分かる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/12 B29B 9/16 C08L 23/26

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ビニル含量が10〜50モル%のエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合樹脂を塩素含有率が5 〜50重量%
    まで塩素化した塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
    に塩素含有率が5 〜50重量%の塩素化ポリオレフィンを
    0.5〜20重量%添加したペレットもしくはストランド
    を、平均粒径 0.005〜10μmの粘着防止用粉体を分散さ
    せた数平均分子量 100〜4000のポリオキシアルキレング
    リコールもしくはその水溶液で処理した後乾燥し、上記
    のペレットもしくはストランド表面にポリオキシアルキ
    レングリコール及び粘着防止用粉体を樹脂に対して0.01
    〜1.0 重量%付着させてなる耐ブロッキング性のある塩
    素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂固形物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 塩素化ポリオレフィンがポリプロピレ
    ン,エチレン−プロピレン共重合物,ポリ(4−メチル
    ペンテン−1)の内少なくとも1種を塩素化して得られ
    るものである請求項1記載の塩素化エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合樹脂固形物の製造方法。
  3. 【請求項3】 酢酸ビニル含量が10〜50モル%のエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合樹脂にポリオレフィンを 0.5〜20
    重量%添加し塩素含有率が5〜50重量%まで塩素化した
    ペレットもしくはストランドを、平均粒径 0.005〜10μ
    mの粘着防止用粉体を分散させた数平均分子量 100〜40
    00のポリオキシアルキレングリコールもしくはその水溶
    液で処理した後乾燥し、上記のペレットもしくはストラ
    ンド表面にポリオキシアルキレングリコール及び粘着防
    止用粉体を樹脂に対して0.01〜1.0 重量%付着させてな
    る耐ブロッキング性のある塩素化エチレン−酢酸ビニル
    共重合樹脂固形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンがポリプロピレン,エチ
    レン−プロピレン共重合物,ポリ(4−メチルペンテン
    −1)の内の少なくとも1種を用いたものである請求項
    3記載の塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂固形物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 粘着防止用粉体をポリオキシアルキレン
    グリコール中に重量比で1:1〜20:1の割合で分散さ
    せたものにより樹脂ペレットもしくはストランド表面を
    処理することを特徴とする請求項1から請求項4までの
    いずれか1項に記載の塩素化エチレン−酢酸ビニル共重
    合樹脂固形物の製造方法。
  6. 【請求項6】 粘着防止用粉体をポリオキシアルキレン
    グリコール中に分散させたものをその2〜20倍重量の水
    に溶解分散させたスラリーにより樹脂ペレットもしくは
    ストランド表面を処理することを特徴とする請求項1か
    ら請求項5までのいずれか1項記載の塩素化エチレン−
    酢酸ビニル共重合樹脂固形物の製造方法。
  7. 【請求項7】 粘着防止用粉体がシリカもしくはタルク
    又はハイドロタルサイト類化合物であることを特徴とし
    た請求項1から請求項6までのいずれか1項記載の塩素
    化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂固形物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか1
    項記載の製造方法で得られる塩素化エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合樹脂固形物。
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