JP2779521B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光磁気記録媒体に関し、特に偏光の楕円化
が少なく、即ち位相差が小さくもってドライブによるC/
Nのばらつきが少ない光磁気記録媒体に関するものであ
る。
[従来技術及びその問題点] 近年、光磁気記録媒体は、レーザー光による読み出し
可能な媒体として大容量データファイル等に広く利用さ
れている。
光磁気記録媒体は、ポリカーボネート等の樹脂、ガラ
ス等の透明な基板上にスパッタ法等の真空成膜法により
誘電体保護層や記録層よりなる光磁気記録層の薄膜が形
成された形態であるのが一般的である。
そして前記記録層としては、Tb、Nd、Dy、Gd等の希土
類金属とFe,Co等の遷移金属との非晶質合金の薄膜が主
に使用されている。
さらに、前記記録層を保護しかつその特性を高めるた
めに、誘電体保護層の薄膜が通常設けられる。
光磁気記録層の感度及びC/Nを良好なものとするため
に、前記光磁気記録層の構成として、基板側より読み出
しを行う場合、第1誘電体保護層、記録層及び第2誘電
体保護層をこの順で成膜して、第1誘電体保護層での光
の繰り返し干渉を利用してカー回転角をエンハンスする
ようないわゆる3層構造の光磁気記録層が使用されてい
る。
また、ビット形状を改良しさらにC/Nを高めるため
に、前記3層構造の光磁気記録層の最上層に金属反射層
の薄膜を設けた4層構造の薄膜である反射膜構造の光磁
気記録媒体が、特開昭55−87332号公報、特開昭57−120
253号公報等に開示されている。
一方、カー効果によって偏光面の回転(カー回転角)
が生ずると共に、一般的に楕円化が起こる。これは、光
が光磁気記録媒体で反射する際に位相差Φが生ずるため
である。
位相差が生ずるとキャリヤー出力が低下し、C/Nが低
下するという問題を引き起こす。
位相差は、光磁気記録媒体で光が反射する場合は勿論
のことドライブのピックアップ光学系においても生ず
る。すなわち、ピックアップには光磁気記録媒体からの
反射光を導く45度ミラー、ビームスプリッター等の反射
光学系を有しており、この反射面は、通常誘電体の多層
膜からなり位相差を生ずる要因となっている。
さらに問題なのは、前記ピックアップ光学系の位相差
δの個体差が大きく同じ光磁気記録媒体を使用してもド
ライブによって得られるC/Nが異なり、ばらつくという
問題があった。
そして、光磁気記録媒体の位相差Φが大きいほど前記
のドライブによるC/Nのばらつきは大きかった。
すなわち、ピックアップの光学系位相差δは一般に0
度を中心に振れているが、光磁気記録媒体の位相差Φが
0度に近ければ近いほどピックアップ光学系の個体差の
影響を受けにくくなる。
従って、光磁気記録媒体に起因する位相差Φを小さく
することは、ドライブによってC/Nがばらつくという問
題を軽減させる上で重要な課題である。
しかしながら、そのための有効な手段はいまだ提案さ
れていない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、従来技術の問題点に鑑みなされたものであ
り、ドライブによってC/Nがばらつくという問題が軽減
された光磁気記録媒体を提供することを目的としてい
る。
さらに、感度が良好でかつ性能指数が大きい、すなわ
ち高いC/Nが得られさらに耐久性の優れた光磁気記録媒
体を提供することも目的としている。
[問題点を解決する手段] 本発明の前記目的は、基板上に、第1誘電体保護層、
記録層、第2誘電体保護層及び金属反射層がこの順で成
膜された光磁気記録層を有する光磁気記録媒体におい
て、前記第1誘電体保護層の膜厚が950乃至1300Å、前
記記録層の膜厚が200乃至300Å、前記第2誘電体保護層
の膜厚が300超乃至600Å及び前記金属反射層の膜厚が25
0乃至450Åであり、前記金属反射層が、Ta(タンタル)
及び/またはTi(チタン)を含有するAlの合金の薄膜で
あり、前記記録層が、希土類金属及び遷移金属よりなる
非晶質合金の薄膜であり、前記第1誘電体保護層及び前
記第2誘電体保護層が、Siの窒化物、Alの窒化物又はそ
れらの混合物の薄膜であることを特徴とする光磁気記録
媒体により達成される。
本発明の光磁気記録媒体においては、その光磁気記録
層が、第1誘電体保護層、記録層、第2誘電体保護層及
び金属反射層の4層構成であり、かつ各層の膜厚を上記
の如き特定の範囲とすると共に各層の材質を上記の如き
特定のものに限定してそれらを組み合わせることによ
り、それらの各層を通過して反射してきた反射光(金属
反射層にも光はある程度侵入して反射する)の偏光面の
回転による位相差がその絶対値で15度以下と小さくする
することができるので、偏光の楕円化が起こりにくく、
キャリヤー出力の低下が防止できる。
そのために、ドライブの個体差による影響を受けにく
くドライブによるC/Nのばらつきが小さくなっている。
さらに、光磁気記録層を構成する各層の膜厚を前記の
特定範囲とすること、特に、前記第1誘電体保護層の膜
厚を950乃至1300Åに設定することにより、前記の特徴
に加え高いC/Nが得られ、同時に高温高湿度下におかれ
てもBER(ビットエラーレート)等の増加があまりな
く、耐久性が優れた光磁気記録媒体となっている。
一般に、光磁気記録層からの反射光はカー効果によ
り、偏光面の回転と楕円化が発生している。入射光方向
の偏光面を持つ成分の振幅反射率をrx、それに直交する
成分の振幅反射率をryとすると rx=|rx|exp(iΦx) ry=|ry|exp(iΦy) とあらわすことができる。
ここで、反射光の位相差をΦとすると Φ=Φy−Φxとなり、 また、tanα=|rx|/|ry|とすると、カー回転角(θ
k)、カー楕円率(ηk)は、 tan(2θk)=tan(2α)cos(Φ) tan(2ηk)=tan(2α)sin(Φ) と表すことができる。
従って、光磁気記録媒体の位相差Φの増加は、カー回
転角を減少させることになる。
一方、光磁気記録媒体用のピックアップは、一般に光
磁気記録媒体からの反射光を導く光路中に45度ミラー、
ビームスプリッターのような反射光学系を持っている。
これらの反射面は、P偏光及びS偏光(前記光磁気記録
媒体からの反射光のx及びy方向の偏光に当たる。)の
間に位相差δを生じさせる。すると最終的に受光される
光のカー回転角Θ及びカー楕円率Hは、 tan2Θ=tan(2α)cos(Φ−δ) tan2H=tan(2α)sin(Φ−δ) と表すことができる。
ピックアップ光学系の位相差δによるC/Nの変化のグ
ラフを示した第1図において、位相差δの異なるピック
アップA、B,Cに対して位相差Φが殆ど0である光磁気
記録媒体aについては、C/Nの低下は微量でありかつピ
ックアップ間におけるC/Nの差は小さい。しかし、位相
差Φが大きな光磁気記録媒体bでは、ピックアップCに
おいてはΦとδが相殺するのでC/Nの低下は殆どない
が、ピックアップBでは、Φとδが加算されてC/Nの低
下が大きくなっている。
結局、通常、ピックアップの光学系位相差δは0度を
中心に振れるので、光磁気記録媒体の位相差Φも0度近
くに置けばピックアップの個体差の影響を受けにくくな
る。
本発明の光磁気記録媒体には、光磁気記録層の位相差
を少なくすることにより、ドライブによるC/Nのばらつ
きが小さくなっている。
本発明の光磁気記録媒体に於いては、前記第1誘電体
保護層の膜厚を950乃至1300Åの範囲に特定することに
より、前記光磁気記録層の反射光の位相差の膜厚の変化
に対する変動を小さくすることができ、特性を安定化さ
せ、かつ高C/Nと高耐久性とが両立できる膜厚構成とな
っている。
すなわち、本発明の光磁気記録媒体では、第1誘電体
保護層が前記の比較的厚い領域にあると、C/Nが安定す
るだけでなく、その値も大きくすることができる。これ
は、他の層の膜厚構成と組み合わせたときに光学的に最
もエンハンスメント効果が効き易い膜厚設計になってい
るためと推定される。
また同時に、第1誘電体保護層が厚いために基板を通
して侵入してくる水分、オリゴマー、基板の加水分解物
等の影響が緩和されて、その結果、高耐久性が実現され
ているためと考えられる。
本発明の光磁気記録媒体は、ガラスもしくはポリカー
ボネート等の透明樹脂基板上に、スパッタ法等の真空成
膜法により第1誘電体保護層、記録層、第2誘電体保護
層及び金属反射層の薄膜を順次この順で成膜した4層構
成の光磁気記録層を形成する。
前記記録層の膜厚は、200乃至300Åである。
前記膜厚があまり小さいと、耐久性が低下し特に、高
温高湿度下での性能劣化が著しくなる。また前記膜厚が
余り大きくなるとカー回転角の減少と反射率の増大が顕
著となって、記録層の性能指数としては最良の範囲を逸
脱するようになる。
前記第2誘電体保護層の膜厚は、300超(300より大)
乃至600Åである。
前記膜厚が小さすぎると感度が低下し、また前記膜厚
が大きすぎると、位相差Φの絶対値が大きくなって15度
以上にもなって本発明の目的が達成できなくなる。
本発明の光磁気記録媒体の前記金属反射層の薄膜の素
材としては、反射率の面から、AlやAu(金)が望まし
く、さらにコストを考慮すると、Alの単体もしくはその
合金が望ましい。さらに、光磁気記録層の耐候性を高め
るためには、AlとTaやTiとの合金であることが望まし
い。
よって、本発明では、前記金属反射層の材質をTa及び
/またはTiを含有するAlの合金としている。
前記金属反射層の膜厚は、200乃至800Å、好ましくは
250乃至450Åである。
よって、本発明では、前記金属反射層の膜厚を250乃
至450Åとしている。
前記膜厚が小さ過ぎると、位相差Φの絶対値が大きく
なり、また大きすぎると熱容量が大きくなって、感度が
低下したり、材料コストの上昇、製造工程時間の増大を
招くので好ましくない。
本発明の光磁気記録媒体の光磁気記録層の前記記録層
としては各種の酸化物及び金属の磁性体の薄膜が使用で
きる。例えば、MnBi,MnAlGe,MnCuBi等の結晶性材料、Gd
IG,BiSmErGaIG,BiSmYbCoGeIG,等の単結晶材料、さら
に、GdCo,GdFe,TbFe,DyFe,GdFeBi,GdTbFe,GdFeCo,TbFeC
o,TbFeNi等の非晶質材料を用いた薄膜である。中でも感
度、C/N等の点で希土類金属、遷移金属を主体とする記
録層が好ましく、特に耐候性も良好であることからTbFe
CoCrの非晶質合金が最も好ましい。
よって、本発明では、前記記録層の材質を、希土類金
属及び遷移金属よりなる非晶質合金としている。
前記記録層に隣接させてその上下に前記第1誘電体保
護層及び前記第2誘電体保護層の薄膜が設けられる。前
記基板の直上には前記記録層に対しカーエンハンス効果
がある第1誘電体保護層を設け、その上に設けた前記記
録層の上に更に記録層の保護層として第2誘電体保護層
を形成する。
本発明で用いることができる前記第1誘電体保護層及
び第2誘電体保護層用の材料としては、例えばSiOx,SiN
x,AlNx及びZnS等の酸化物、窒化物及び硫化物等の誘電
体が使用できる。中でも光学的特性、保護機能の面か
ら、Siの窒化物、Alの窒化物もしくはその混合物が最も
好ましい。
よって、本発明では、前記第1及び第2誘電体保護層
の材質をSiの窒化物、Alの窒化物又はそれらの混合物と
している。
また、前記第1誘電体保護層及び前記第2誘電体保護
層の屈折率は、2.0乃至2.3であることが望ましい。
以上の光磁気記録層を構成する各層の薄膜は、スパッ
タ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の真空成
膜法によって形成される。中でも、スパッタ法が最も良
く、マグネトロンスパッタ法等が採用される。
本発明の光磁気記録媒体の前記基板の材質としては、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、エポキ
シ、ガラス等であるが、本発明の光記録媒体の特徴が最
も効果的に現れるのがポリカーボネート、ポリメチルメ
タクリレート、エポキシ等の樹脂基板である。
前記樹脂基板の中でもポリカーボネート基板は、吸水
率が小さく、ガラス転移点が高い等の利点を有し、本発
明の光記録媒体においても使用することが好ましい。
本発明の光磁気記録媒体の光磁気記録層の上面及び側
面を、紫外線硬化樹脂等よりなる有機樹脂保護層で覆う
こともできる。
また、ホットメルト樹脂などの接着剤層を介して前記
基板の光磁気記録層のない面を外側に向けて貼り合わせ
て、両面記録型光磁気記録媒体とすることもできる。
[発明の効果] 本発明の光磁気記録媒体においては、基板上に設けら
れた光磁気記録層を、第1誘電体保護層、記録層、第2
誘電体保護層及び金属反射層がこの順で成膜された4層
構成とし、かつ各層の膜厚を、第1誘電体保護層が950
乃至1300Å、記録層が200乃至300Å、第2誘電体保護層
が300超乃至600Å及び金属反射層が250乃至450Åの範囲
に特定し、かつ各層の材質を、金属反射層がTa及び/ま
たはTiを含有するAlの合金、記録層が希土類金属及び遷
移金属層よりなる非晶質合金、第1及び第2誘電体保護
層がSiの窒化物、Alの窒化物又はそれらの混合物に特定
してそれらを組み合わせることにより、それらの各層を
通過して反射してきた反射光の位相差を小さく、その偏
光面の楕円化を防止してドライブによるC/Nのばらつき
を抑えることができかつ耐久性も良好であって、また高
感度でかつ高C/Nとすることができる。
本発明の光磁気記録媒体の新規な効果を以下の実施例
及び比較例によりなお一層明確にする。
なお、特許請求の範囲に記載の光磁気記録媒体は第2
誘電体保護層の膜圧が300超乃至600Åであるので、以下
の実施例7,15は共に特許請求の範囲記載の光磁気記録媒
体には含まれないものである。
[実施例−1] 射出成形により片面に案内溝が設けられた径130mm、
厚さ1.2mmのポリカーボネート基板の前記案内溝がある
面に、以下の手順で光磁気記録層を形成した。
前記基板をスパッタ装置の回転基板ホルダー上にセッ
トして、前記スパッタ装置の成膜室をアルゴンガス圧1m
mTorrの雰囲気にして、ターゲットに1.0kWのRF電力を投
入して、マグネトロンスパッタ法により、第1誘電体保
護層として950ÅのSiNxの薄膜を、その上に光磁気記録
層として250ÅのTb21Fe60Co13Cr6の薄膜を、さらにその
上に第2誘電体保護層として350ÅのSiNxの薄膜を、最
後にTiが2原子%であるAlTi合金の薄膜を金属反射層と
して350Åの厚さで成膜して光磁気記録層を形成した。
次いで、紫外線硬化樹脂の塗布液を、前記光磁気記録
層の上面及び側面に、スピンコート法により3000rpm、2
0秒の条件で塗布して、照射強度100mW/cm2の紫外線を1
分間照射して硬化を行い、10μmの厚さの有機樹脂保護
層を形成した。前記紫外線硬化樹脂としては、大日本イ
ンキ(株)製#SD−17を使用した。
以上の条件で作成した光磁気記録媒体の試料を2枚作
成して、前記基板の光磁気記録層のない面を外側に向
け、前記有機樹脂保護層の上に130℃に溶融した東亜合
成化学(株)製ホットメルト接着剤#XW−13をロールコ
ーターを用いて10μmの厚さに塗布した後、加圧接着し
て両面記録型の光磁気記録媒体の試料を得た。
[実施例−2] 第1誘電体保護層の膜厚を1100Åとした以外は、実施
例−1と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試
料を得た。
[実施例−3] 第1誘電体保護層の膜厚を1300Åとした以外は、実施
例−1と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試
料を得た。
[比較例−1] 第1誘電体保護層の膜厚を850Åとした以外は、実施
例−1と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試
料を得た。
[比較例−2] 第1誘電体保護層の膜厚を1400Åとした以外は、実施
例−1と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試
料を得た。
以上のようにして得られた光磁気記録媒体の試料につ
いて、以下の測定条件で、反射光の偏光の楕円化を示す
位相差φ、感度、C/N及びBER変化率を評価した。
位相差Φ:第2図に要部を示した測定系において、半導
体レーザー1からの出射光をコリメートレンズ2により
光磁気記録媒体3上に収束させた。(このとき、前記光
磁気記録媒体3からの反射光4はカー効果により偏光面
の回転及び楕円化を起こしている。この楕円化は入射光
偏光面とそれに直交する面とに分解された振幅成分rx,r
yの位相差により発生する。)前記反射光4の光路にバ
ビネソレィュ補償板5進相軸方向xまたはy軸のに合わ
せて置き、rx,ry間の位相量を補償した。そして、消光
交位に設定した検光子6を通過する光量が最小となるよ
うにして前記バゾネソレィュ補償板5を通過した光を直
線偏光にして前記光磁気記録媒体3で発生する位相量を
補償した。その補償量を計測して光磁気記録媒体の位相
差Φの測定値とした。
使用したレーザー光は、波長が780nmのものを使用し
た。
感度:光磁気記録ドライブの回転数を1800rpmとし、キ
ャリヤー周波数3.7MHzで記録したときにC/Nの立ち上が
る書き込みパワーの測定値(Pth)をもって感度とし
た。
C/N:波長780nmのレーザー光を使用し、ドライブの回転
数が1800rpmではキャリヤー周波数3.7MHzとして測定し
た。なお、ドライブの光学系ピックアップの位相差は0
となるように調整した。
BER変化率:80℃、90%RHの条件に設定された恒温恒湿槽
中に1500時間保存した前後におけるBERを測定して、保
存前に対する保存後のその倍率をもってBER変化率とし
た。
測定結果を第1表に示す。
第1表に示した結果から、第1誘電体保護層の厚さを
950乃至1300Åの範囲に特定することにより位相差Φが
小さく、C/Nも比較的良好な値であって、またBER変化率
も小さく耐久性も優れていることが分かった。
[実施例−4] 前記記録層の膜厚を200Åとした以外は、実施例−2
と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料を作
成した。
[実施例−5] 前記記録層の膜厚を250Åとした以外は、実施例−2
と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料を作
成した。
[実施例−6] 前記記録層の膜厚を300Åとした以外は、実施例−2
と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料を作
成した。
[比較例−3] 前記記録層の膜厚を150Åとした以外は、実施例−2
と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料を作
成した。
[比較例−4] 前記記録層の膜厚を350Åとした以外は、実施例−2
と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料を作
成した。
以上のようにして得られた光磁気記録媒体の試料につ
いて、各特性を測定した結果が第2表である。
なお、各記録層のカー回転角(θk)と反射率Rをそ
れぞれ測定してその積をもって性能指数とした。
記録層の厚さが小さくなり本発明の光磁気記録媒体の
範囲をはずれると耐久性が劣化してBER変化率が大きく
なることが分かった。
また、記録層の厚さが大きくなり過ぎても位相差Φが
大きくなって本発明の目的を達成できないことが分かっ
た。
[実施例−7] 前記第2誘電体保護層の膜厚を100Åとした以外は、
実施例−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体
の試料を作成した。
[実施例−9] 前記第2誘電体保護層の膜厚を600Åとした以外は、
実施例−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体
の試料を作成した。
[比較例−5] 前記第2誘電体保護層の膜厚を80Åとした以外は、実
施例−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の
試料を作成した。
[比較例−6] 前記第2誘電体保護層の膜厚を650Åとした以外は、
実施例−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体
の試料を作成した。
以上のようにして得られた光磁気記録媒体の試料につ
いて、各特性を測定した結果が第3表である。
[実施例−10] 前記金属反射層の膜厚を200Åとした以外は、実施例
−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料
を作成した。
[実施例−11] 前記金属反射層の膜厚を250Åとした以外は、実施例
−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料
を作成した。
[実施例−12] 前記金属反射層の膜厚を350Åとした以外は、実施例
−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料
を作成した。
[実施例−13] 前記金属反射層の膜厚を450Åとした以外は、実施例
−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料
を作成した。
[実施例−14] 前記金属反射層の膜厚を800Åとした以外は、実施例
−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料
を作成した。
[比較例−7] 前記金属反射層の膜厚を150Åとした以外は、実施例
−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料
を作成した。
[比較例−8] 前記金属反射層の膜厚を900Åとした以外は、実施例
−2と同一の条件で両面記録型の光磁気記録媒体の試料
を作成した。
以上のようにして得られた光磁気記録媒体の試料につ
いて、各特性を測定した結果が第4表である。
[実施例−15] 前記第2誘電体保護層の膜厚を100Åとし、前記金属
反射層の組成をTaが5原子%のAl−Ta合金を用い、その
膜厚を400Åとした以外は、実施例−2と同一の条件で
光磁気記録媒体の試料を作成した。
[実施例−16] 前記第2誘電体保護層の膜厚を350Åとし、前記金属
反射層の組成をTaが5原子%のAl−Ta合金を用い、その
膜厚を400Åとした以外は、実施例−2と同一の条件で
光磁気記録媒体の試料を作成した。
[実施例−17] 前記第2誘電体保護層の膜厚を600Åとし、前記金属
反射層の組成をTaが5原子%のAl−Ta合金を用い、その
膜厚を400Åとした以外は、実施例−2と同一の条件で
光磁気記録媒体の試料を作成した。
[比較例−9] 前記第2誘電体保護層の膜厚を80Åとし、前記金属反
射層の膜厚を400Åとした以外は、実施例−2と同一の
条件で光磁気記録媒体の試料を作成した。
[比較例−10] 前記第2誘電体保護層の膜厚を650Åとし、前記金属
反射層の膜厚を400Åとした以外は、実施例−2と同一
の条件で光磁気記録媒体の試料を作成した。
以上のようにして得られた光磁気記録媒体の試料につ
いて、各特性を測定した結果が第5表である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ピックアップ光学系の位相差δによる光磁気
記録媒体のC/Nの低下量を示すグラフ。 第2図は、光磁気記録媒体に起因する位相差Φの測定系
の要部を示した概略図。 1……半導体レーザー 2……コリメートレンズ 3……光磁気記録媒体 4……光磁気記録媒体からの反射光 5……バビネソレィュ補償板 6……検光子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−302947(JP,A) 特開 昭62−141662(JP,A) 特開 昭60−63747(JP,A) 特開 昭59−38781(JP,A) 特開 昭64−4938(JP,A) 特開 昭60−231306(JP,A) 特開 昭61−40012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 521 G11B 11/10 523 G11B 11/10 506

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、第1誘電体保護層、記録層、第
    2誘電体保護層及び金属反射層がこの順で成膜された光
    磁気記録層を有する光磁気記録媒体において、前記第1
    誘電体保護層の膜厚が950乃至1300Å、前記記録層の膜
    厚が200乃至300Å、前記第2誘電体保護層の膜厚が300
    超乃至600Å及び前記金属反射層の膜厚が250乃至450Å
    であり、前記金属反射層が、Ta(タンタル)及び/また
    はTi(チタン)を含有するAlの合金の薄膜であり、前記
    記録層が、希土類金属及び遷移金属よりなる非晶質合金
    の薄膜であり、前記第1誘電体保護層及び前記第2誘電
    体保護層が、Siの窒化物、Alの窒化物又はそれらの混合
    物の薄膜であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記記録層が、TbFeCoCrの非晶質合金の薄
    膜である請求項1記載の光磁気記録媒体。
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