JP2779418B2 - 植毛用パイルの製造方法 - Google Patents
植毛用パイルの製造方法Info
- Publication number
- JP2779418B2 JP2779418B2 JP14875189A JP14875189A JP2779418B2 JP 2779418 B2 JP2779418 B2 JP 2779418B2 JP 14875189 A JP14875189 A JP 14875189A JP 14875189 A JP14875189 A JP 14875189A JP 2779418 B2 JP2779418 B2 JP 2779418B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- flocking
- polyamide
- treatment
- pile
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
- Preliminary Treatment Of Fibers (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、植毛用のポリアミドパイルの製造方法に関
するものである。
するものである。
(従来の技術) 従来から用いられている植毛用ポリアミドパイルの製
造方法は、まず、ポリアミドチップを溶融紡糸し、延伸
した後にカットして、短繊維を得る。つぎに、この短繊
維に、静電植毛が容易に行われるように電着処理が施さ
れ、植毛用パイルとされていた。このために、植毛加工
製品の風合を改良するのに必要な、植毛の柔軟化処理、
撥水処理などは、植毛用ポリアミドパイル自体の製造工
程では実施されずに、植毛後に実施されるのが常であっ
た。
造方法は、まず、ポリアミドチップを溶融紡糸し、延伸
した後にカットして、短繊維を得る。つぎに、この短繊
維に、静電植毛が容易に行われるように電着処理が施さ
れ、植毛用パイルとされていた。このために、植毛加工
製品の風合を改良するのに必要な、植毛の柔軟化処理、
撥水処理などは、植毛用ポリアミドパイル自体の製造工
程では実施されずに、植毛後に実施されるのが常であっ
た。
すなわち、上記のようにして製造された植毛用ポリア
ミドパイルは、通常、静電植毛法によって基材の表面に
植毛され、植毛加工製品に形成される。その後で、植毛
加工品に、シリコーン系、または弗素系の柔軟撥水剤が
スプレー、塗布、もしくは含浸され、さらに、乾燥と熱
処理が施されて、植毛された繊維に柔軟性や、撥水性が
付与され、風合の良好な植毛加工製品として仕上げられ
るという方法が採用されてきた。
ミドパイルは、通常、静電植毛法によって基材の表面に
植毛され、植毛加工製品に形成される。その後で、植毛
加工品に、シリコーン系、または弗素系の柔軟撥水剤が
スプレー、塗布、もしくは含浸され、さらに、乾燥と熱
処理が施されて、植毛された繊維に柔軟性や、撥水性が
付与され、風合の良好な植毛加工製品として仕上げられ
るという方法が採用されてきた。
(発明が解決しようとする課題) 従来の製造法にあっては、上記のように植毛用パイル
自体に柔軟化処理が施されておらず、植毛加工製品とし
て植毛された後、その仕上げの段階で、植毛加工製品に
複雑な仕上処理を施さなければならなかった。にもかか
わらず、植毛された繊維は、表面に柔軟撥水剤が単に付
着されているに近いものであった。柔軟化剤の効果や、
撥水性が十分に発揮されないうえ、それらの効果の寿命
も短いという課題を有していた。
自体に柔軟化処理が施されておらず、植毛加工製品とし
て植毛された後、その仕上げの段階で、植毛加工製品に
複雑な仕上処理を施さなければならなかった。にもかか
わらず、植毛された繊維は、表面に柔軟撥水剤が単に付
着されているに近いものであった。柔軟化剤の効果や、
撥水性が十分に発揮されないうえ、それらの効果の寿命
も短いという課題を有していた。
本発明の目的は、従来の技術が有する上記の課題を解
決するために、植毛用ポリアミドパイルの性質そのもの
を向上しようとするものである。
決するために、植毛用ポリアミドパイルの性質そのもの
を向上しようとするものである。
すなわち、柔軟で、撥水性に富み、触感が改良され、
かつ、基材への接着性に優れ、複雑な仕上処理を必要と
しない植毛用ポリアミドパイルを製造する方法を提供す
ることにある。
かつ、基材への接着性に優れ、複雑な仕上処理を必要と
しない植毛用ポリアミドパイルを製造する方法を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) これらの目的を達成するために、本発明においては、 (a)未延伸のポリアミド繊維に、シリコーン系、もし
くは弗素系の柔軟撥水剤を含浸させた後に、該繊維を延
伸する工程。
くは弗素系の柔軟撥水剤を含浸させた後に、該繊維を延
伸する工程。
(b)上記(a)の工程で得られた繊維に熱処理をおこ
なった後に、染色する工程。
なった後に、染色する工程。
(c)さらに上記(b)で得られた繊維表面の標準状態
における比抵抗値が、1×1010オーム・センチメートル
以下になるまで電着処理を施す工程。
における比抵抗値が、1×1010オーム・センチメートル
以下になるまで電着処理を施す工程。
(d)上記(a)の工程を終了した延伸後のポリアミド
長繊維をカットし、短繊維にする工程。
長繊維をカットし、短繊維にする工程。
の各工程を経ることを特徴とする、植毛用のポリアミド
パイルの製造方法を提供する。
パイルの製造方法を提供する。
本発明の構成上の特徴とする主な点を、以下にさらに
詳しく述べる。
詳しく述べる。
本発明の第1の特徴は、従来、植毛後、植毛加工製品
に対して施されていた植毛の柔軟化処理などを、植毛前
のポリアミド短繊維に施しておくことにある。
に対して施されていた植毛の柔軟化処理などを、植毛前
のポリアミド短繊維に施しておくことにある。
本発明の第2の特徴は、未延伸糸に対してシリコーン
系、もしくは弗素系の柔軟撥水剤の処理が行われ、その
後、延伸される点にある。
系、もしくは弗素系の柔軟撥水剤の処理が行われ、その
後、延伸される点にある。
ここに、未延伸糸とは、またっく延伸されていない繊
維はもちろん、不完全に延伸された繊維をも含む意味で
ある。
維はもちろん、不完全に延伸された繊維をも含む意味で
ある。
シリコーン系の柔軟撥水剤としては、 ニッカシリコンAMZ(日華化学株式会社製)、ディッ
クシリコンコンクSA(大日本インキ化学工業株式会社
製) ArkophobWA(ヘキスト社製)などが、弗素系の柔軟撥
水剤としては、 NKガードFG−520(日華化学株式会社製)オーペルFS
(丸菱油化株式会社製) NuvaFH(ヘキスト社製)などの、一般に使用される公
知の処理剤が用いられる。
クシリコンコンクSA(大日本インキ化学工業株式会社
製) ArkophobWA(ヘキスト社製)などが、弗素系の柔軟撥
水剤としては、 NKガードFG−520(日華化学株式会社製)オーペルFS
(丸菱油化株式会社製) NuvaFH(ヘキスト社製)などの、一般に使用される公
知の処理剤が用いられる。
第3の特徴は、柔軟化処理された繊維を、延伸した
後、熱処理してから染色することである。
後、熱処理してから染色することである。
延伸は、ポリアミド繊維に対する公知の方法で行われ
る。
る。
熱処理条件は、対象とされる繊維の種類、太さなどに
よって経験的に決められるが、通常は数分間、100℃な
いし180℃に加熱することによって行われる。
よって経験的に決められるが、通常は数分間、100℃な
いし180℃に加熱することによって行われる。
染色は、ポリアミド繊維に対する一般的な公知の方法
で行われる。
で行われる。
この様にして得られたポリアミド繊維は、静電植毛す
るに先立って電着処理が施される。植毛は、上記の工程
を経て得られたポリアミド繊維のパイルを、電場中に飛
翔させて行われるが、このとき良好に飛翔させるために
は、繊維表面の標準状態における比抵抗値を、1×1010
オーム・センチメートル以下、好ましくは、1×106な
いし1010オーム・センチメートルにする必要がある。し
かし、通常のポリアミド繊維表面の標準状態における比
抵抗値は、1×1012ないし1014オーム・センチメートル
であるために、なんらかの処理を行って好ましい比抵抗
値になるように調製される。通常は、処理される繊維の
太さ、長さ、形態および植毛条件などに応じて、無機塩
類、シリカゲルや界面活性剤を組合わせた電着処理剤で
処理される。
るに先立って電着処理が施される。植毛は、上記の工程
を経て得られたポリアミド繊維のパイルを、電場中に飛
翔させて行われるが、このとき良好に飛翔させるために
は、繊維表面の標準状態における比抵抗値を、1×1010
オーム・センチメートル以下、好ましくは、1×106な
いし1010オーム・センチメートルにする必要がある。し
かし、通常のポリアミド繊維表面の標準状態における比
抵抗値は、1×1012ないし1014オーム・センチメートル
であるために、なんらかの処理を行って好ましい比抵抗
値になるように調製される。通常は、処理される繊維の
太さ、長さ、形態および植毛条件などに応じて、無機塩
類、シリカゲルや界面活性剤を組合わせた電着処理剤で
処理される。
シリコーン径あるいは弗素系の柔軟撥水剤が用いられ
る場合には、繊維表面に電着処理剤が付着されにくくな
るので、通常の処理に較べて強い条件を選ぶ必要があ
る。
る場合には、繊維表面に電着処理剤が付着されにくくな
るので、通常の処理に較べて強い条件を選ぶ必要があ
る。
延伸後のポリアミド繊維は、植毛用パイルとして適当
な寸法にするために、繊維太さによって異なるが、通
常、0.2ミリメートルないし7ミリメートルにカットさ
れる。カットは、延伸後の繊維に対し、植毛のために電
着処理されるまでの、工程上都合のよいところで行われ
る。
な寸法にするために、繊維太さによって異なるが、通
常、0.2ミリメートルないし7ミリメートルにカットさ
れる。カットは、延伸後の繊維に対し、植毛のために電
着処理されるまでの、工程上都合のよいところで行われ
る。
(作用) 本発明が、上記の構成上の特徴のため従来法よりもす
ぐれるのは、つぎの作用のためと考えられる。
ぐれるのは、つぎの作用のためと考えられる。
従来の方法による植毛用パイルは、延伸されたトウを
カットして製造されるが、柔軟撥水剤の処理が施されて
いない。本発明にかかる植毛用パイルは、未延伸の状態
で、すでにその処理が施されている。
カットして製造されるが、柔軟撥水剤の処理が施されて
いない。本発明にかかる植毛用パイルは、未延伸の状態
で、すでにその処理が施されている。
ところで、紡糸されたポリアミドのトウに、延伸油剤
を付着し、2ないし3倍に延伸すると、強度の高いトウ
に形成される。この延伸後の繊維は、個々のポリアミド
分子が結晶化・配向され、未延伸糸に較べて緻密化され
ている。従来の製造法において、柔軟撥水剤の処理は、
このような緻密化された繊維に対して行われていた。
を付着し、2ないし3倍に延伸すると、強度の高いトウ
に形成される。この延伸後の繊維は、個々のポリアミド
分子が結晶化・配向され、未延伸糸に較べて緻密化され
ている。従来の製造法において、柔軟撥水剤の処理は、
このような緻密化された繊維に対して行われていた。
一方、未延伸のポリアミド繊維の内部には、溶出、ま
たは揮散などしたモノマーやダイマーのあとに生じた、
無数の空孔が存在することが知られている。本発明で
は、未延伸のポリアミド繊維に柔軟撥水剤を含浸させる
が、この未延伸糸は、まだ十分に配向・緻密化されてい
ないので、柔軟撥水剤は容易に繊維の内部にまで浸透す
ることができ、かつ、上記の空孔には柔軟撥水剤が満た
されることになる。しかるのちに、所望の倍率まで延伸
されるので、柔軟撥水剤は、繊維の内部に封入され、以
降の処理工程においても、柔軟撥水剤が逃散するのが防
がれ、処理効果が永続する理由と考えらえる。
たは揮散などしたモノマーやダイマーのあとに生じた、
無数の空孔が存在することが知られている。本発明で
は、未延伸のポリアミド繊維に柔軟撥水剤を含浸させる
が、この未延伸糸は、まだ十分に配向・緻密化されてい
ないので、柔軟撥水剤は容易に繊維の内部にまで浸透す
ることができ、かつ、上記の空孔には柔軟撥水剤が満た
されることになる。しかるのちに、所望の倍率まで延伸
されるので、柔軟撥水剤は、繊維の内部に封入され、以
降の処理工程においても、柔軟撥水剤が逃散するのが防
がれ、処理効果が永続する理由と考えらえる。
延伸後、繊維が細くなってから熱処理を行うために、
熱処理の効果を受けやすく、かつ、それまでの工程、た
とえば紡糸や延伸などの工程で付着された乳化剤や分散
剤も、分解され、除去されやすいというメッリトがあ
る。これらの薬剤が残存していると、当然のことなが
ら、染色工程で繊維中の柔軟撥水剤が染色液中に溶出さ
れてしまいやすい。また乳化剤や分散剤は親水性であ
り、その残存は、撥水効果を落とす恐れがある。
熱処理の効果を受けやすく、かつ、それまでの工程、た
とえば紡糸や延伸などの工程で付着された乳化剤や分散
剤も、分解され、除去されやすいというメッリトがあ
る。これらの薬剤が残存していると、当然のことなが
ら、染色工程で繊維中の柔軟撥水剤が染色液中に溶出さ
れてしまいやすい。また乳化剤や分散剤は親水性であ
り、その残存は、撥水効果を落とす恐れがある。
染色工程では、染色と同時に副次的な効果として、繊
維の表面に付着し、植毛に際して植毛パイルと基材との
接着を妨害する不純物や、余分の柔軟撥水剤が除去され
る。このようにして、植毛パイルと接着剤との間の親和
力が高められ、基材への接着性の向上がはかられる。
維の表面に付着し、植毛に際して植毛パイルと基材との
接着を妨害する不純物や、余分の柔軟撥水剤が除去され
る。このようにして、植毛パイルと接着剤との間の親和
力が高められ、基材への接着性の向上がはかられる。
カットの際に、ナイフの状況によっては、繊維が、切
断面においてゆう着もしくは圧着と思われる現象のため
に、相互にくっつきあって松葉のようになり、不良パイ
ルが発生することは、しばしば経験するところである。
しかし、本発明では、シリコーン系や、弗素系の柔軟撥
水剤が有する離型剤としての効果のために、上記の好ま
しくない現象の発生が防がれる。
断面においてゆう着もしくは圧着と思われる現象のため
に、相互にくっつきあって松葉のようになり、不良パイ
ルが発生することは、しばしば経験するところである。
しかし、本発明では、シリコーン系や、弗素系の柔軟撥
水剤が有する離型剤としての効果のために、上記の好ま
しくない現象の発生が防がれる。
(実施例) 実施例1 ナイロン6のチップと溶融紡糸して、4デニール×1
0,000本の未延伸のトウを得た。ひき続いて、オイリン
グの工程でニッカシリコンAMZ(日華化学株式会社製)
の5%水溶液を柔軟撥水剤として使用し、未延伸のトウ
を浸漬、ピックアップ65%で処理した。
0,000本の未延伸のトウを得た。ひき続いて、オイリン
グの工程でニッカシリコンAMZ(日華化学株式会社製)
の5%水溶液を柔軟撥水剤として使用し、未延伸のトウ
を浸漬、ピックアップ65%で処理した。
柔軟化処理された未延伸のトウを2倍に延伸し、2デ
ニール×10,000本のトウを製造した。このトウを20本集
め40万デニールとし、さらに15本を集束して600万デニ
ールにし、ギロチンタイプのカッターで1.0ミリメート
ルにカットして、2デニール×1.0ミリメートルの短繊
維にした。サンプルを拡大鏡で観察したが、松葉状にく
っつきあった繊維は見当たらなかった。
ニール×10,000本のトウを製造した。このトウを20本集
め40万デニールとし、さらに15本を集束して600万デニ
ールにし、ギロチンタイプのカッターで1.0ミリメート
ルにカットして、2デニール×1.0ミリメートルの短繊
維にした。サンプルを拡大鏡で観察したが、松葉状にく
っつきあった繊維は見当たらなかった。
次に、この短繊維を80℃ないし100℃で乾燥した後、1
60℃、3分間の熱処理を行った。ついで、繊維重量の30
倍の水に、合金染料のラニールブラックBGエクスラコン
ク(SANDOZ社製)を短繊維の重量の5%と、90%濃度の
酢酸を染色液1リットルに対して0.5cc加えて調製され
た染色液中に投入し、加熱して、染色した。
60℃、3分間の熱処理を行った。ついで、繊維重量の30
倍の水に、合金染料のラニールブラックBGエクスラコン
ク(SANDOZ社製)を短繊維の重量の5%と、90%濃度の
酢酸を染色液1リットルに対して0.5cc加えて調製され
た染色液中に投入し、加熱して、染色した。
この短繊維を水洗し、脱水した後、スノーテックス20
(日産化学社製)3%と塩化アンモニューム1%を水溶
液に、0.01%のベタイン型の帯電防止剤を加えて調製さ
れた繊維重量の5倍の電着処理液に、15分間浸漬した。
電着処理液を均一に付着させた後、繊維重量に対し、ス
ノーテックス20が3%、塩化アンモニュームが1%残る
ように脱水し、さらに、水分率が4.5%になるまで乾燥
した。
(日産化学社製)3%と塩化アンモニューム1%を水溶
液に、0.01%のベタイン型の帯電防止剤を加えて調製さ
れた繊維重量の5倍の電着処理液に、15分間浸漬した。
電着処理液を均一に付着させた後、繊維重量に対し、ス
ノーテックス20が3%、塩化アンモニュームが1%残る
ように脱水し、さらに、水分率が4.5%になるまで乾燥
した。
この様にして得られた植毛用のポリアミドパイルの比
抵抗値を、メガオーム計(絶縁抵抗計、横河電機社製)
で測定したところ、、20℃、60%RHの条件下で、0.5×1
08オーム・センチメートルであった。
抵抗値を、メガオーム計(絶縁抵抗計、横河電機社製)
で測定したところ、、20℃、60%RHの条件下で、0.5×1
08オーム・センチメートルであった。
このパイルは、静電植毛法によって植毛されたが、飛
翔状況、基材への接着状況ともに良好で、植毛はむらな
く行われた。
翔状況、基材への接着状況ともに良好で、植毛はむらな
く行われた。
得られた植毛加工製品は、従来の製造方法によって得
られていた製品よりも、ヌメリのある柔軟なタッチの感
触のものであって、長時間にわたり優れた風合を保って
いる。また、JIS−L−1092の繊維製品防水性試験方法
によって撥水性を測定したところ、撥水度は、50であっ
た。
られていた製品よりも、ヌメリのある柔軟なタッチの感
触のものであって、長時間にわたり優れた風合を保って
いる。また、JIS−L−1092の繊維製品防水性試験方法
によって撥水性を測定したところ、撥水度は、50であっ
た。
実施例2 ナイロン66のチップを溶融紡糸して5デニール×15,0
00本の未延伸のトウにした。この未延伸のトウを、フッ
素系の柔軟撥水剤であるNKガードFG−520(日華化学株
式会社製)の3%溶液に浸漬した後、ピックアップ65%
になるように脱水した。
00本の未延伸のトウにした。この未延伸のトウを、フッ
素系の柔軟撥水剤であるNKガードFG−520(日華化学株
式会社製)の3%溶液に浸漬した後、ピックアップ65%
になるように脱水した。
これを、2.5デニール×15,000本のトウになるように
延伸し、80℃で乾燥した。得られたトウを、200本集束
して500万デニールにし、ギロチンタイプのカッターで
2.0ミリメートルに切断してナイロン66の短繊維にし
た。実施例1におけるのと同様に、切断状態を拡大鏡で
調べたが異常は見当たらなかった。
延伸し、80℃で乾燥した。得られたトウを、200本集束
して500万デニールにし、ギロチンタイプのカッターで
2.0ミリメートルに切断してナイロン66の短繊維にし
た。実施例1におけるのと同様に、切断状態を拡大鏡で
調べたが異常は見当たらなかった。
160℃で3分間熱処理した後、繊維重量の30倍の水
に、イルガランブルー3GL 200%(CIBA−GAIGY社製)の
染料を繊維重量に対し1%と、染色液1リットル当たり
80%濃度のぎ酸0.5cc加えて染色液とし、染色した。
に、イルガランブルー3GL 200%(CIBA−GAIGY社製)の
染料を繊維重量に対し1%と、染色液1リットル当たり
80%濃度のぎ酸0.5cc加えて染色液とし、染色した。
水洗し、脱水した後、スノーテックス20を1%とアル
ミナゾールA100(日産化学株式会社製)を2%含む水溶
液に、0.05%のベタイン型の帯電防止剤を加えて調製さ
れた電着処理液に浸漬した。十分に浸漬した後に、繊維
重量に対しスノーテックス20が1%、アルミナゾールA1
00が2%と帯電防止剤が0.05%残るように脱水し、乾燥
した。乾燥後の水分率は、約5%であった。
ミナゾールA100(日産化学株式会社製)を2%含む水溶
液に、0.05%のベタイン型の帯電防止剤を加えて調製さ
れた電着処理液に浸漬した。十分に浸漬した後に、繊維
重量に対しスノーテックス20が1%、アルミナゾールA1
00が2%と帯電防止剤が0.05%残るように脱水し、乾燥
した。乾燥後の水分率は、約5%であった。
得られたナイロン66の植毛用パイルの比抵抗値を、実
施例1におけるのと同様にメグオール計を用いて、20
℃、60%RHの条件下で測定したところ、0.3×107オーム
・センチメートルであった。
施例1におけるのと同様にメグオール計を用いて、20
℃、60%RHの条件下で測定したところ、0.3×107オーム
・センチメートルであった。
このようにして得られたナイロン66の植毛用パイル
を、通常の静電植毛法で植毛し、植毛加工製品にした。
を、通常の静電植毛法で植毛し、植毛加工製品にした。
短繊維の飛翔状態、基材への接着状態はともに良好
で、植毛はスムーズに行われ、非常にソフトなタッチの
製品が得られた。また、実施例1と同様の方法で測定さ
れた撥水度は60であった。
で、植毛はスムーズに行われ、非常にソフトなタッチの
製品が得られた。また、実施例1と同様の方法で測定さ
れた撥水度は60であった。
(発明の効果) 本発明は、以上に説明された構成と作用を有するの
で、以下に記載されるような、すぐれた効果を奏する。
で、以下に記載されるような、すぐれた効果を奏する。
本発明においては、柔軟撥水剤による処理が、植毛さ
れる前の繊維に対し行われるので、植毛加工製品に対す
るのと異なり、処理条件の選定、操作が容易である。
れる前の繊維に対し行われるので、植毛加工製品に対す
るのと異なり、処理条件の選定、操作が容易である。
また、この処理は、未延伸糸に対して行われるため、
柔軟撥水剤が、繊維の内部に取込まれて、処理効果はよ
り本質的になり永続性がある。これに加えて、トウの切
断に際して上記の繊維の内部に取込まれた撥水性処理剤
は、離型剤として繊維に取込まれた撥水性処理剤は、離
型剤として繊維がくっつきあうのを防止するという副次
的な効果をも奏する。
柔軟撥水剤が、繊維の内部に取込まれて、処理効果はよ
り本質的になり永続性がある。これに加えて、トウの切
断に際して上記の繊維の内部に取込まれた撥水性処理剤
は、離型剤として繊維に取込まれた撥水性処理剤は、離
型剤として繊維がくっつきあうのを防止するという副次
的な効果をも奏する。
熱処理もまた、植毛される前に行われるために植毛加
工製品に対するのと異なり、操作は容易で処理条件の選
択の幅が大になる。とくに基材の材質上熱処理ができな
かったものにも、植毛が可能になり、より風合と撥水性
を付与できる。そのうえ、延伸後、染色前に行われるの
で、染色液中で撥水処理剤を溶出する恐れのある、紡糸
や延伸時に付着された乳化剤などは分解、除去されてし
まうという効果を奏する。
工製品に対するのと異なり、操作は容易で処理条件の選
択の幅が大になる。とくに基材の材質上熱処理ができな
かったものにも、植毛が可能になり、より風合と撥水性
を付与できる。そのうえ、延伸後、染色前に行われるの
で、染色液中で撥水処理剤を溶出する恐れのある、紡糸
や延伸時に付着された乳化剤などは分解、除去されてし
まうという効果を奏する。
柔軟撥水剤による処理の後に染色工程が置かれている
ので、余分な処理剤は除去され、植毛に際し、処理剤が
基材への接着を妨害するという心配もない。
ので、余分な処理剤は除去され、植毛に際し、処理剤が
基材への接着を妨害するという心配もない。
以上、記載されたように本発明は、植毛加工製品の品
質の向上と、処理操作の合理化に大きな効果を奏するも
のである。
質の向上と、処理操作の合理化に大きな効果を奏するも
のである。
Claims (1)
- 【請求項1】次の各工程を経ることを特徴とする植毛用
のポリアミドパイルの製造方法。 (a)未延伸のポリアミド繊維に、シリコーン系、もし
くは弗素系の柔軟撥水剤を含浸させた後に、該繊維を延
伸する工程。 (b)上記(a)の工程で得られた繊維に熱処理をおこ
なった後に、染色する工程。 (c)さらに上記(b)で得られた繊維表面の標準状態
における比抵抗値が、1×1010オーム・センチメートル
以下になるまで電着処理を施す工程。 (d)上記(a)の工程を終了した延伸後のポリアミド
長繊維をカットし、短繊維にする工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14875189A JP2779418B2 (ja) | 1989-06-12 | 1989-06-12 | 植毛用パイルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14875189A JP2779418B2 (ja) | 1989-06-12 | 1989-06-12 | 植毛用パイルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03146723A JPH03146723A (ja) | 1991-06-21 |
JP2779418B2 true JP2779418B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=15459819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14875189A Expired - Fee Related JP2779418B2 (ja) | 1989-06-12 | 1989-06-12 | 植毛用パイルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2779418B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5332269B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2013-11-06 | 東レ株式会社 | 導電性フロック |
-
1989
- 1989-06-12 JP JP14875189A patent/JP2779418B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03146723A (ja) | 1991-06-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1049212A (en) | Fibrillation by treating fibrous structures composed of composite filaments with aqueous emulsion | |
US5759210A (en) | Lyocell fabric treatment to reduce fibrillation tendency | |
GB2043526A (en) | Production of fibrillated fibre structures | |
JP2779418B2 (ja) | 植毛用パイルの製造方法 | |
JP3787670B2 (ja) | 静電植毛用フロックおよびその製造方法 | |
JP3529089B2 (ja) | 精製セルロース繊維織編物の加工方法 | |
JPH11247068A (ja) | 改質羊毛繊維の製造方法と改質羊毛繊維 | |
JP3504793B2 (ja) | 透湿防水性コーティング布帛及びその製造方法 | |
JP2005200799A (ja) | 吸水性・速乾性を有するポリエステル繊維織編物およびその製造方法 | |
JPH04272223A (ja) | 分割型複合繊維 | |
CN111206419A (zh) | 一种基于纳米银线的高导电、高柔韧、高耐水洗织物 | |
TW202039957A (zh) | 絨毛人工皮革及其製造方法 | |
JPH07126947A (ja) | 速乾性に優れた紡績糸 | |
JPH0641842A (ja) | ポリエステル/高湿潤モジユラス・レーヨンの横糸を用いたタイヤ用繊維布 | |
DE2739179A1 (de) | Metallisiertes fasermaterial | |
DE2749151A1 (de) | Metallisierte hochschrumpfende faeden und fasern | |
JP2566885B2 (ja) | 深色化繊維構造物及びその製造方法 | |
JPH0377306B2 (ja) | ||
JPH02145873A (ja) | 羊毛布帛の防縮加工方法 | |
JPS6215353A (ja) | 通気性防水布 | |
JPH07197321A (ja) | ポリエステル系合成繊維およびその製造方法 | |
US4540609A (en) | Method for strengthening long chain synthetic polymer fibers | |
KR960009083B1 (ko) | 축열보온성 세라믹을 흡착시킨 양모섬유의 제조방법 | |
KATO | Tests for production of blended yarns with anisoshrinking from mori silk and reeled raw threads of wild silks Report IX, Studies on Development of Twisted Silk Yarns for Knitting | |
JP2571721B2 (ja) | ニットの防縮加工法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |