JP2778450B2 - 置換されたベンゼンスルホニル尿素またはチオ尿素およびそれらの生理学的に許容し得る塩、それらの製法ならびにそれらを含有する医薬 - Google Patents

置換されたベンゼンスルホニル尿素またはチオ尿素およびそれらの生理学的に許容し得る塩、それらの製法ならびにそれらを含有する医薬

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JP2778450B2 JP6024119A JP2411994A JP2778450B2 JP 2778450 B2 JP2778450 B2 JP 2778450B2 JP 6024119 A JP6024119 A JP 6024119A JP 2411994 A JP2411994 A JP 2411994A JP 2778450 B2 JP2778450 B2 JP 2778450B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、式I
【化7】 の置換されたベンゼンスルホニル尿素またはチオ尿素お
よびそれらの生理学的に許容し得る塩に関するものであ
る。
【0002】上記式において、R(1)は、水素、メチ
ル、CH2F、CHF2またはトリフルオロメチルであ
り、R(2)は、水素、F、Cl、Br、I、(C1
6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C1
6)−メルカプトアルキル、(C1〜C6)−フルオロ
アルコキシまたは(C1〜C6)−フルオロアルキルであ
り、Eは、酸素または硫黄であり、Yは、式 −〔CR(3)2n− (式中、R(3)は、Hまたは(C1〜C2)−アルキル
でありそしてnは、1、2、3または4である)の炭化
水素鎖であり、Xは、水素、F、Cl、Br、Iまたは
(C1〜C6)−アルキルであり、そしてZは、F、C
l、Br、I、NO2、(C1〜C4)−アルコキシまた
は(C1〜C4)−アルキルである。
【0003】とくにことわらない限りは、アルキルなる
用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分枝鎖状
または環状の飽和炭化水素基を表わす。シクロアルキル
基は、さらにアルキルまたはトリフルオロメチル置換分
を有することができる。
【0004】アルコキシなる用語は、1〜6個の炭素原
子の直鎖状、分枝鎖状または環状の飽和炭化水素基を有
するエーテル置換分を示す。フルオロアルキルは、上述
したアルキル基の少なくとも1個の水素原子が弗素によ
り置換されている(但し、パーフルオロ−置換の最高に
達するまで)1〜6個の炭素原子の直鎖状、分枝鎖状ま
たは環状の飽和炭素骨格を表わす。フルオロアルコキシ
は、上記定義によるフルオロアルキル基を有するエーテ
ル置換分を意味するものである。ハロゲン置換分として
は、弗素、塩素、臭素および沃素を使用することができ
る。さらに、アルキル側鎖Y中にキラリティーの中心を
有する化合物が存在し得る。この場合、個々の対掌体そ
れ自体および種々の割合のエナンチオマーまたはジアス
テレオマーの混合物、ならびに関連したメゾ化合物また
はこれらの混合物、エナンチオマーまたはジアステレオ
マーも、本発明に属する。
【0005】同様なスルホニル尿素が、ドイツ特許公開
2 413 514およびドイツ特許1 518 874か
ら知られている。DE−A 2 413 514は、もっ
ぱら中心フェニル基においてp−置換されている血糖−
調節物質を説明している。m−置換またはアミノ置換分
については言及されていない。
【0006】DE−C 1 518 874は、式
【化8】 〔式中、中心フェニル基は、実際に、また、m−置換お
よびトリ置換されていてもよいが、R(1)は、(C2
〜C8)−アルキル(多くの他の意義に加えて)のみで
あって、そしてR(1)は、C1−置換分または水素と
なることはできない〕の血糖低下性のスルホニル尿素を
記載している。
【0007】その血糖低下作用は、両方の特許公報に記
載されている。このような血糖低下性のスルホニル尿素
の原型は、グリベンクラミドであって、この化合物は、
治療的に真性糖尿病の治療剤として使用されておりそし
てまたいわゆるATP−感受性カリウムチャンネルを研
究するために非常に重要視されている化合物として科学
において使用されている。血糖低下作用のほかに、グリ
ベンクラミドは、また、これまでのところ治療的に使用
するにはいたっていないが、これらのATP−感受性カ
リウムチャンネルを正確に遮断する他の作用も有してい
る。これらは、特に心臓に対する抗細動作用を包含す
る。しかしながら、血糖の同時的低下は、患者の状態を
さらに悪化させるので、心室細動またはその予備的段階
の治療中は望ましくないかまたは危険でさえあろう。
【0008】それ故に、本発明の目的は、グリベンクラ
ミドの心臓作用と同様に良好な心臓作用を有するけれど
も、心臓作用投与量または濃度において、血糖に影響を
与えないまたはグリベンクラミドより有意に少ない程度
に影響を与える化合物を合成することである。
【0009】このような作用の検出に対して適した試験
動物は、例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、
犬、サルまたは豚である。
【0010】化合物Iは、ヒトおよび家畜の医薬におけ
る医薬活性化合物として使用される。さらに、これらの
化合物は、他の医薬活性化合物を製造するための中間体
生成物として使用することができる。
【0011】好ましい化合物は、R(1)が、水素、メ
チルまたはトリフルオロメチルであり、R(2)が、水
素、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキ
シ、(C1〜C6)−メルカプトアルキル、(C1〜C6
−フルオロアルキル、(C1〜C6)−フルオロアルコキ
シ、F、Cl、BrまたはIであり、Eが、酸素または
硫黄であり、Yが、式 −〔CR(3)2n− (式中、R(3)はHまたは(C1〜C2)−アルキルで
ありそしてnが1、2、3または4である)の炭化水素
鎖であり、Xが、水素、F、Clまたは(C1〜C4)−
アルキルであり、そしてZが、ニトロ、F、Cl、(C
1〜C4)−アルキルまたは(C1〜C4)−アルコキシで
ある化合物である。
【0012】とくに好ましい化合物Iは、R(1)が、
水素またはメチルであり、R(2)が、(C1〜C6)−
アルキルまたは(C1〜C6)−アルコキシであり、E
が、酸素または硫黄であり、Yが、式 −〔R(3)2n− (式中、R(3)はHまたは(C1〜C2)−アルキルで
ありそしてnは、1、2、3または4である)の炭化水
素鎖であり、Xが、水素、F、Clまたは(C1〜C4
−アルキルでありそしてZが、塩素、弗素、(C1
4)−アルキルまたは(C1〜C4)−アルコキシであ
る化合物である。
【0013】特に好ましい化合物Iは、R(1)が水素
またはメチルであり、R(2)が、水素、弗素または塩
素であり、Eが、酸素または硫黄であり、Yが、式 −〔R(3)2n− (式中、R(3)は、Hまたは(C1〜C2)−アルキル
でありそしてnは、1、2、3または4である)の炭化
水素鎖であり、Xが、水素、F、Clまたは(C1
4)−アルキルであり、そしてZが、塩素、弗素、
(C1〜C4)−アルキルまたは(C1〜C4)−アルコキ
シである化合物である。
【0014】同様に、特に好ましい化合物Iは、R
(1)が、水素またはメチルであり、R(2)が、(C
1〜C6)−フルオロアルキル、(C1〜C6)−フルオロ
アルコキシまたは(C1〜C6)−メルカプトアルキルで
あり、Eが、酸素または硫黄であり、Yが、式 −〔CR(3)2n− (式中、R(3)はHまたは(C1〜C2)−アルキルで
ありそしてnは、1、2、3または4である)の炭化水
素鎖であり、Xが、水素、F、Clまたは(C1〜C4
−アルキルでありそしてZが、塩素、弗素、(C1
4)−アルキルまたは(C1〜C4)−アルコキシであ
る化合物である。
【0015】特に好ましい化合物Iは、R(1)が、水
素またはメチルであり、R(2)が、メトキシまたはメ
チルであり、Eが、酸素または硫黄であり、Yが、式 −〔CR(3)2n− (式中、R(3)はHまたはメチルでありそしてnは2
または3である)の炭化水素鎖であり、Xが、水素、
F、Clまたは(C1〜C3)−アルキルでありそしてZ
が、塩素または弗素、(C1〜C3)−アルキルまたは
(C1〜C3)−アルコキシである化合物である。
【0016】本発明の化合物Iは、広範囲の種々な源の
心拍障害の治療および不整脈により起こる突然の心臓死
の予防に対して有用な医薬であり、それ故に、抗不整脈
薬として使用することができる。心臓の不整脈障害の例
は、律動における上室性障害、例えば心房の頻拍、心房
の粗動または律動における発作性の上室性障害、または
律動における心室障害、例えば心室期外収縮、特に生命
の脅威となる心室頻拍または特に危険な心室細動であ
る。化合物Iは、特に、不整脈が例えば狭心症とともに
起こるかまたは急性心筋梗塞中に起こるような冠状血管
の狭細化の結果または心筋梗塞の慢性化の結果である場
合に適している。それ故に、化合物Iは、梗塞後の患者
の突然の心臓死の予防に特に適している。このような律
動の障害および(または)不整脈により起こる突然の心
臓死の原因となっている他の症候は、例えば慢性的に増
大した血圧の結果起こる、心不全症または心臓肥大であ
る。
【0017】さらに、化合物Iは、確実に、心臓の減少
した収縮性に影響を与えることができる。これは、例え
ば心不全症または急性症例、例えばショックの作用下に
おける心機能不全の場合の心臓収縮性疾患の減少であ
る。心臓移植の場合において、心臓は同様に、手術が行
われた後に急速に且つ確実にその機能を回復することが
できる。同じことは心臓麻痺により心臓活動を一時的に
中止することを必要とする心臓に対する手術に適用され
る。化合物を、除去前および除去中の供与者の器官の保
護、例えば生理学的浴液による器官の処理または器官の
貯蔵中、および受容者生体への移植中の摘出された器官
の保護に使用することができる。
【0018】さらに、本発明は、(a)式IIの芳香族ス
ルホンアミドまたは式IIIのその塩
【化9】 を式IV R(1)−N=C=O IV のR(1)−置換イソシアネートと反応させて置換され
たベンゼンスルホニル尿素Iaを得ることからなる式I
の化合物の製法に関するものである。
【0019】式IIIの塩における可能な陽イオンMは、
アルカリ金属およびアルカリ土類金属イオンならびにテ
トラアルキルアンモニウムイオンである。R(1)−置
換イソシアネートIVの均等物として、R(1)−置換カ
ルバミン酸エステル、R(1)−置換カルバミン酸ハラ
イドまたはR(1)−置換尿素を使用することができ
る。
【0020】(b)置換されていないベンゼンスルホニ
ル尿素Ia(R(1)=H)
【化10】 は、式IIの芳香族ベンゼンスルホンアミドまたはこれら
の化合物塩IIIを、トリアルキルシリルイソシアネート
またはシリコンテトライソシアネートと反応させそして
第1シリコン−置換されたベンゼンスルホニル尿素を加
水分解することによって製造することができる。さら
に、ハロゲン化シアンと反応させそしてはじめに形成さ
れたN−シアノスルホンアミドを0℃〜100℃の温度
で鉱酸で加水分解することによって、ベンゼンスルホン
アミドIIまたはその塩IIIを製造することができる。
【0021】(c)ベンゼンスルホニル尿素Ia
【化11】 は、Synthesis 1987, 734-735にしたがって、25℃〜
150℃の温度で不活性溶剤中で塩基の存在下で、芳香
族ベンゼンスルホンアミドIIまたはこれらの化合物の塩
IIIおよび式V
【0022】
【化12】 のR(1)−置換されたトリクロロアセトアミドから製
造することができる。
【0023】適当な塩基は、例えばアルカリ金属または
アルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、アミドまたは
アルコレート、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウム、水素化カルシウム、ナトリウムアミド、カリウム
アミド、ナトリウムメチレート、ナトリウムエタノレー
ト、カリウムメチレートまたはカリウムエタノレートで
ある。適当な不活性溶剤は、エーテル、例えばテトラヒ
ドロフラン、ジオキサンおよびエチレングリコールジメ
チルエーテル(ジクリム)、ニトリル、例えばアセトニ
トリル、アミド、例えばジメチルホルムアミド(DM
F)またはN−メチルピロリドン(NMP)、燐酸ヘキ
サメチルトリアミド、スルホキシド、例えばジメチルス
ルホキシド、スルホン、例えばスルホランおよび炭化水
素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンである。
さらに、これらの溶剤相互の混合物もまた適している。
【0024】(d)ベンゼンスルホニルチオ尿素Ib
【化13】 は、ベンゼンスルホンアミドIIまたはこれらの化合物の
塩IIIおよびR(1)−置換されたチオイソシアネートVI R(1)−N=C=S VI から製造される。
【0025】置換されていないベンゼンスルホニルチオ
尿素Ib(R(1)=H)
【化14】 は、芳香族ベンゼンスルホンアミドIIまたはこれらの化
合物の塩IIIをトリメチルシリルイソチオシアネートま
たはシリコンテトライソチオシアネートと反応させそし
てはじめに形成されたシリコン−置換されたベンゼンス
ルホニル尿素を加水分解することにより製造することが
できる。
【0026】さらに、芳香族ベンゼンスルホンアミドII
またはこれらの化合物の塩IIIをベンゾイルイソチオシ
アネートと反応させそして中間的に形成されたベンゾイ
ル−置換されたベンゼンスルホニルチオ尿素を水性鉱酸
と反応させてIb(R(1)=H)を得ることができる。
同様な方法は、J. Med. Chem. 1992, 35, 1137-1144に
記載されている。
【0027】(e)式Iaの置換されたベンゼンスルホ
ニル尿素は、構造Ibのベンゼンスルホニルチオ尿素の
変換反応により製造することができる。相当する置換さ
れたベンゼンスルホニルチオ尿素Ibにおける酸素原子
による硫黄原子の置換は、例えば重金属の酸化物または
塩の助けによってまたは過酸化水素、過酸化ナトリウム
または硝酸のような酸化剤を使用することにより実施す
ることができる。チオ尿素は、また、ホスゲンまたは五
塩化燐で処理することにより脱硫することもできる。ク
ロロギ酸アミジンまたはカルボジイミドが、中間体化合
物として得られ、この化合物は、例えば加水分解または
水の添加により、相当する置換されたベンゼンスルホニ
ル尿素Iaに変換することができる。脱硫中、イソチオ
尿素は、チオ尿素と同様に行動しそしてしたがって同様
にこれらの反応に対する出発物質として使用することが
できる。
【0028】(f)ベンゼンスルホニル尿素Iaは、R
(1)−置換尿素またはR(1)−置換ビス(トリアルキル
シリル)尿素を使用して、式VII
【化15】 のベンゼンスルホニルハライドから製造することができ
る。トリアルキルシリル保護基は、得られた(トリアル
キルシリル)ベンゼンスルホニル尿素から、標準方法に
より除去することができる。さらに、スルホン酸クロラ
イドVIIは、パラバン酸と反応させてベンゼンスルホニ
ルパラバン酸を得、このものを鉱酸で加水分解して相当
するベンゼンスルホニル尿素Iaを得ることができる。
【0029】(g)ベンゼンスルホニル尿素Iaは、式
R(1)−NH2のアミンを式VIII
【化16】 のベンゼンスルホニルイソシアネートと反応させること
により製造することができる。
【0030】アミンR(1)−NH2は、同様に、ベンゼ
ンスルホニルカルバミン酸エステルまたは−カルバミン
酸ハライドまたはベンゼンスルホニル尿素Ia(R(1)
=H)と反応させて化合物Iaを得ることができる。
【0031】(h)ベンゼンスルホニルチオ尿素Ib
は、式R(1)−NH2のアミンを式IX
【化17】 のベンゼンスルホニルイソチオシアネートと反応させる
ことにより製造することができる。
【0032】同様に、アミンR(1)−NH2をベンゼン
スルホニルカルバミン酸チオエステルまたは−カルバミ
ン酸チオハライドと反応させて化合物Ibを得ることが
できる。
【0033】(i)同様に、置換されたベンゼンスルフ
ェニル−または−スルフィニル尿素を、過酸化水素、過
酸化ナトリウムまたは硝酸のような酸化剤で酸化してベ
ンゼンスルホニル尿素Iaを得ることができる。
【0034】化合物Iおよびその生理学的に許容し得る
塩は、ヒトまたは哺乳動物(例えば、サル、犬、マウ
ス、ラット、ウサギ、モルモットおよび猫)における抗
不整脈薬として適しているのみでなく、心臓血管系の障
害、心不全症、心臓移植または脳血管疾患に対する予防
薬として適している。
【0035】化合物Iの生理学的に許容し得る塩は、Re
mmington's Pharmaceutical Science, 17th edition, 1
985, 14-18頁にしたがって、非毒性の有機および無機の
塩基ならびに置換されたベンゼンスルホニル尿素Iから
製造することのできる式X
【化18】 の化合物を意味するものとする。
【0036】好ましい塩は、式XにおけるM(1)がナ
トリウム、カリウム、ルビジウム、カルシウムまたマグ
ネシウムイオンでありそして酸付加生成物が、塩基性ア
ミノ酸、例えばリジンまたはアルギニンである塩であ
る。
【0037】ベンゼンスルホニル尿素Iに対する上述し
た合成方法の出発化合物は、文献〔例えば、標準参考
書、例えばHouben-Weyl, Methoden der Organischen Ch
emie(Methods of Organic Chemistry)、Georg Thieme
Verlag, Stuttgart;OrganicReactions, John Wiley &
Sons, Inc., New York;および上述した特許公告〕に
記載されているそれ自体既知の方法によってそして上述
した反応に対して知られている適当な反応条件下で製造
される。また、本明細書には詳細に記載されてはいない
けれども、それ自体既知の変形法を使用することもでき
る。必要に応じて、出発物質は、また、これらの化合物
を反応混合物から単離しないでそして直接さらに反応さ
せることができるように、反応系内で形成させることも
できる。
【0038】
【化19】 すなわち、式XIの適当に置換されたアミンは、式1にし
たがってアシル化しそしてハロスルホン化に付すことが
できる。アミノ基に対する適当なアシル化剤は、有利に
は式 R(4)−COB のカルボン酸のアルキルエステル、ハライド(例えばク
ロライドまたはブロマイド)または無水物である。
【0039】上記式において、R(4)は、トリハロメチ
ル基、(C1〜C4)−アルキル基または安息香酸誘導体
である。安息香酸誘導体は、置換されていないかまたは
1個または2個の同一または異なる基X、Zにより置換
されていてもよい。可能な置換分Xは、水素、(C1
4)−アルキルまたはハロゲンでありそして置換分Z
は水素、ハロゲン、(C1〜C4)−アルキル、(C1
4)−アルコキシまたはニトロである。
【0040】Bは、除去基、例えばハライド、(C1
4)−アルコキシ、トリハロアセテートまたは(C1
4)−カルボキシレートである。例は、無水酢酸、無
水トリハロ酢酸、ハロゲン化アセチル、ハロゲン化トリ
ハロアセチル、塩化プロピオニル、臭化イソブチリルお
よび塩化イソブチリル、塩化ベンゾイル、5−クロロ−
2−メトキシ安息香酸塩化物または無水物または(C1
〜C4)−アルキルエステルまたは2,5−ジフルオロベ
ンゾイルクロライドである。化合物XIIの合成は、不活
性溶剤の存在下または不存在下において、第3級塩基、
例えばピリジンまたはトリアルキルアミンを添加して実
施される。また、触媒、例えばジメチルアミノピリジン
を存在させることもできる。反応は、約0℃〜160
℃、好ましくは20℃〜150℃の温度で実施すること
ができる。アミンXIのアシル基は、保護基であるかまた
は安息香酸誘導体の場合においては、化合物Iの一部で
あってよい。適当な不活性溶剤は、エーテル、例えばテ
トラヒドロフラン、ジオキサンまたはグリコールエーテ
ル、例えばエチレングリコールモノメチルまたはモノエ
チルエーテル(メチルグリコールまたはエチルグリコー
ル)またはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグ
リム)、ケトン例えばアセトンまたはブタノン、ニトリ
ル、例えばアセトニトリル、アミド、例えばジメチルホ
ルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリドン(N
MP)、燐酸ヘキサメチルトリアミド、スルホキシド、
例えばジメチルスルホキシド、塩素化炭化水素、例えば
塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、
1,2−ジクロロエタンまたは四塩化炭素、および炭化
水素、例えばベンゼン、トルエンまたはキシレンであ
る。さらに、これらの溶剤相互の混合物もまた適してい
る。
【0041】
【化20】
【0042】式1によってアシル化されたアミンXII
は、式2にしたがって既知の方法でスルホンアミドXIII
に変換することができる。スルホンアミドXIIIは、それ
自体既知の方法によりそして上述した反応に対して知ら
れそして適した特定の反応条件下で製造される。また、
本明細書に詳細に述べられていないけれどもそれ自体既
知の変形法を使用することもできる。必要に応じて、合
成は、一工程、二工程またはそれより多くの工程で完了
することができる。アシル化されたアミンXIIを、−1
0℃〜120℃、好ましくは0℃〜100℃の温度で不
活性溶剤の存在下または不存在下において求電子試薬に
より芳香族スルホン酸およびその誘導体例えばスルホン
酸ハライドに変換する方法が特に好ましい。例えば、硫
酸または発煙硫酸によるスルホン化、ハロスルホン酸に
よるハロスルホン化、無水のハロゲン化金属の存在下に
おけるハロゲン化スルフリルまたは無水のハロゲン化金
属の存在下におけるハロゲン化チオニルとの反応および
続いて既知の方法で行われる酸化を実施して、芳香族ス
ルホン酸クロライドを得ることができる。もしスルホン
酸が主な反応生成物である場合は、これらの化合物は、
直接または第3アミン、例えばピリジンまたはトリアル
キルアミンまたはアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の水酸化物または反応系内でこの塩基性化合物を形成す
る試薬で処理することにより、既知の方法で、酸ハライ
ド、例えば三ハロゲン化燐、五ハロゲン化燐、オキシ塩
化燐、ハロゲン化チオニルまたはハロゲン化オキサリル
によってスルホン酸ハライドに変換することができる。
上記のスルホン酸誘導体は、文献から知られている方法
でスルホンアミドに変換されるそしてスルホン酸クロラ
イドは、好ましくは0℃〜100℃の温度で不活性溶剤
中で水性アンモニア中で反応させる。さらに、芳香族ス
ルホンアミドは、不活性溶剤中および不活性ガス雰囲気
下−100℃〜50℃、好ましくは−100℃〜30℃
の温度における有機アルカリ金属またはアルカリ土類金
属試薬との反応、二酸化硫黄との反応およびその後のア
ミドスルホン酸による熱処理によって、式1により製造
された式XIIのアシル化アミンから文献に記載された方
法により合成することができる。
【0043】アシル基がアミンXIIに対する保護基とし
て作用する場合は、それは、スルホンアミドXIIIが製造
された後、酸または塩基で除去することができる。関連
した酸付加塩は、不活性溶剤中で水性酸または酸で開裂
することによって形成することができる。この反応に対
して可能な酸は、例えば硫酸、ハロゲン化水素酸、例え
ば塩酸または臭化水素酸、燐酸、例えばオルト燐酸また
はポリ燐酸、スルファミン酸、および有機酸、特に脂肪
族、脂環状、芳香脂肪族、芳香族または複素環式の一塩
基性または多塩基性のカルボン酸、スルホン酸または硫
酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢
酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマール酸、マ
レイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチ
ル酸、2−または3−フェニルプロピオン酸、フェニル
酢酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチ
ン酸、イソニコチン酸、メタン−またはエタン−スルホ
ン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、ナフタレン−モノ−および−ジスルホン酸およびラ
ウリル硫酸である。塩基による式XIIIのアシル化アミン
の開裂を、水性または不活性溶剤中で実施することもで
きる。適当な塩基は、例えば水性媒質中におけるアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物およびアルコ
レート、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメチレ
ート、ナトリウムエタノレート、カリウムメチレート、
またはカリウムエタノレートである。
【0044】式IIの芳香族ベンゼンスルホンアミドは、
このようにして製造されたスルホンアミド−置換アミン
またはその酸付加化合物から上述したようにして製造さ
れる。R(1)、R(2)、R(3)、E、X、YおよびZの
性質によって、上述した方法の一つの方法または他の方
法は化合物Iの製造に不適当であり、個々の場合におい
て、少なくとも活性基の保護手段を必要とする。比較的
稀に起こるこのような場合は、当業者により容易に認識
することができそしてこのような場合において上述した
他の合成ルートの一つの有利に使用することに困難性は
ない。
【0045】化合物Iは、1個または2個以上のキラル
中心を有することができる。それ故に、化合物Iは、そ
の製造においてラセミ体として得ることができる、また
は、光学的に活性な出発物質を使用する場合は、化合物
Iは光学的に活性な形態でも得ることができる。化合物
が2個または3個以上のキラル中心を含有する場合は、
化合物は合成においてラセミ体の混合物として得ること
ができそして例えば不活性溶剤からの再結晶によって、
この混合物から個々の異性体を純粋な形態で単離するこ
とができる。必要に応じて、得られたラセミ体は、それ
自体既知の方法によって、機械的または化学的にそのエ
ナンチオマーに分離することができる。すなわち、ジア
ステレオマーは、光学的に活性な分離剤との反応により
ラセミ体から形成することができる。塩基性化合物に対
する適当な分離剤は、例えば光学的に活性な酸、例え
ば、RまたはR,RおよびSまたはS,S形態の酒石酸、
ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、樟脳スルホン
酸、マンデル酸、リンゴ酸または乳酸である。さらに、
カルビノールを、キラルアシル化試薬、例えばR−また
はS−α−メチル−ベンジルイソシアネートの助けによ
りアミド化しそしてそれから分離することができる。種
々な形態のジアステレオマーを、既知方法で、例えば分
別結晶により分離することができそしてそれ自体既知の
方法でジアステレオマーから式Iのエナンチオマーを遊
離することができる。エナンチオマー分離は、また、光
学的に活性な支持物質上のクロマトグラフィーにより達
成することができる。
【0046】本発明による式Iの化合物およびこれらの
化合物の生理学的に許容し得る塩は、医薬処方の製造に
使用することができる。これらの化合物は、それ自体で
または他の心臓血管医薬、例えばカルシウム拮抗薬、N
OドナーまたはACE阻害剤と組み合わせて、少なくと
も1種の固体または液体の賦形剤または補助剤と一緒
に、適当な投与形態にすることができる。これらの処方
は、ヒトまたは家畜の医薬における医薬成分として使用
することができる。可能な賦形剤は、経腸的(例えば経
口的)、非経口的、例えば静脈内的投与または局所的適
用に適しそして本発明の新規な化合物と反応しない有機
または無機の物質、例えば水、植物油、ベンジルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセ
テート、ゼラチン、炭水化物、例えばラクトースまたは
澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラノリンお
よびワセリンである。錠剤、被覆錠剤、カプセル、シロ
ップ、ジュースまたは滴下剤が特に経口的使用に適して
おり、溶液、好ましくは油性または水性溶液、およびさ
らに、懸濁液、乳濁液または移植が直腸的使用に適して
おり、そして軟膏、クリーム、ペースト、ローション、
ゲル、スプレー、フォーム、エーロゾル、溶液(例えば
アルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノー
ル、1,2−プロパンジオールまたはこれら相互のまた
は水との混合物中の溶液または粉末が局所的使用に適し
ている。
【0047】本発明の新規な化合物は、また、凍結乾燥
しそして得られた凍結乾燥物を、例えば注射製剤の製造
に使用することができる。リポソーム製剤もまた特に局
所的使用に対して可能である。これらの製剤は、安定剤
および(または)湿潤剤、乳化剤、塩および(または)
補助剤、例えば滑沢剤、防腐剤、安定剤および(また
は)湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝物
質、染料および風味料および(または)芳香物質を含有
することができる。必要に応じ、これらの製剤は、ま
た、1種または2種以上の他の活性化合物、例えば1種
または2種以上のビタミンを含有することができる。
【0048】化合物Iを使用して心拍障害を治療するの
に必要な投与量は、治療が急性のものであるかそれとも
予防であるかに依存する。予防を行う場合は、1日につ
き1kg当り少なくとも0.01mg、好ましくは0.1mg、
特に1mgそして100mg以下、好ましくは1kg当り10
mgが普通十分である。1日につき1kg当り1〜10mgの
投与量範囲が特に適している。これらの投与量は、経口
的または非経口的の個々の投与量であってもよいしまた
は4回までの個々の投与量に分割してもよい。急性の心
拍障害を、例えば集中治療で処理する場合は、非経口的
投与が有利である。危険な情況下における好ましい投与
量範囲は10〜100mgでありそして例えば連続静脈内
注入として投与することができる。
【0049】具体的な実施例に記載した化合物のほか
に、以下の表に要約した化合物Iを本発明によって得る
ことができる。
【0050】(1) 2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカ
ルボニル)−2−シクロプロポキシフェニル〕−エチ
ル}−ベンズアミド、(2) 2−メトキシ−5−クロロ
−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルア
ミノカルボニル)−2−パーフルオロエトキシフェニ
ル〕−エチル}−ベンズアミド、(3) 2−メトキシ−
5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−
(メチルアミノカルボニル)−2−(2−プロポキシ)
フェニル〕−エチル}−ベンズアミド、(4) 2−メト
キシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ
−N−(メチルアミノカルボニル)−2−(1−プロポ
キシ)フェニル〕−エチル}−ベンズアミド、(5) 2
−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニル
アミノ−N−(トリフルオロメチルアミノカルボニル)
−2−メトキシフェニル〕−エチル}−ベンズアミド、
【0051】(6) 2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカ
ルボニル)−2−トリフルオロメトキシフェニル〕−エ
チル}−ベンズアミド、(7) 2−エトキシ−5−クロ
ロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチル
アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル〕−エチ
ル}−ベンズアミド、(8) 2−(2−プロポキシ)−
5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−
(メチルアミノカルボニル)−2−メトキシフェニル〕
−エチル}−ベンズアミド、(9) 2−(1−プロポキ
シ)−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ
−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メトキシフェ
ニル〕−エチル}−ベンズアミド、(10) 2−シクロ
プロポキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニル
アミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メトキ
シフェニル〕−エチル}−ベンズアミド、
【0052】(11) 2−メトキシ−5−フルオロ−N
−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノ
カルボニル)−2−エチルフェニル〕−エチル}−ベン
ズアミド、(12) 2−メトキシ−5−フルオロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(アミノカルボニ
ル)−2−エチルフェニル〕−エチル}−ベンズアミ
ド、(13) 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−
〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニ
ル)−2−(1−プロピル)フェニル〕−エチル}−ベ
ンズアミド、(14) 2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカ
ルボニル)−2−シクロプロピルフェニル〕−エチル}
−ベンズアミド、(15) 2−メトキシ−5−クロロ−
N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(アミノカル
ボニル)−2−シクロプロピルフェニル〕−エチル}−
ベンズアミド、
【0053】(16) 2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカ
ルボニル)−2−トリフルオロメチルフェニル〕−エチ
ル}−ベンズアミド、(17) 2−メトキシ−5−フル
オロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチ
ルアミノカルボニル)−2−シクロプロポキシフェニ
ル〕−〔(1)−(R)−1−メチルエチル〕}−ベンズア
ミド、(18) 2−メトキシ−5−フルオロ−N−{5
−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボ
ニル)−2−シクロプロポキシフェニル〕−〔(1)−
(S)−1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、(19)
2−メトキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホ
ニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−シ
クロプロポキシフェニル〕−〔(2)−(R)−2−メチル
エチル〕}−ベンズアミド、(20) 2−メトキシ−5
−フルオロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−
(メチルアミノカルボニル)−2−シクロプロポキシフ
ェニル〕−〔(2)−(S)−2−メチルエチル〕}−ベン
ズアミド、
【0054】(21) 2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノチ
オカルボニル)−2−シクロプロポキシフェニル〕−
〔(1)−(R)−1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、
(22) 2−メトキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1
−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニ
ル)−2−シクロプロポキシフェニル〕−〔(1)−(S)
−1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、(23) 2−
メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルア
ミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−シク
ロプロポキシフェニル〕−〔(2)−(R)−2−メチルエ
チル〕}−ベンズアミド、(24) 2−メトキシ−5−
フルオロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−
(メチルアミノチオカルボニル)−2−シクロプロポキ
シフェニル〕−〔(2)−(S)−2−メチルエチル〕}−
ベンズアミド、(25) 2−メトキシ−5−フルオロ−
N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミ
ノカルボニル)−2−メチルフェニル〕−〔(1)−(R)
−1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、
【0055】(26) 2−メトキシ−5−フルオロ−N
−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノ
カルボニル)−2−メチルフェニル〕−〔(1)−(S)−
1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、(27) 2−メ
トキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホニルア
ミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メチルフ
ェニル〕−〔(2)−(R)−2−メチルエチル〕}−ベン
ズアミド、(28) 2−メトキシ−5−フルオロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカ
ルボニル)−2−メチルフェニル〕−〔(2)−(S)−2
−メチルエチル〕}−ベンズアミド、(29) 2−メト
キシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ
−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−メチルフ
ェニル〕−〔(1)−(R)−1−メチルエチル〕}−ベン
ズアミド、(30) 2−メトキシ−5−フルオロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノチ
オカルボニル)−2−メチルフェニル〕−〔(1)−(S)
−1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、
【0056】(31) 2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノチ
オカルボニル)−2−メチルフェニル〕−〔(2)−(R)
−2−メチルエチル〕}−ベンズアミド、(32) 2−
メトキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホニル
アミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−メ
チルフェニル〕−〔(2)−(S)−2−メチルエチル〕}
−ベンズアミド、(33) 2−メトキシ−5−フルオロ
−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルア
ミノカルボニル)−2−メトキシフェニル〕−〔(1)−
(R)−1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、(34)
2−メトキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホ
ニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メ
トキシフェニル〕−〔(1)−(S)−1−メチルエチ
ル〕}−ベンズアミド、(35) 2−メトキシ−5−フ
ルオロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メ
チルアミノカルボニル)−2−メトキシフェニル〕−
〔(2)−(R)−2−メチルエチル〕}−ベンズアミド、
【0057】(36) 2−メトキシ−5−フルオロ−N
−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノ
カルボニル)−2−メトキシフェニル〕−〔(2)−(S)
−2−メチルエチル〕}−ベンズアミド、(37) 2−
メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルア
ミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−メト
キシフェニル〕−〔(1)−(R)−1−メチルエチル〕}
−ベンズアミド、(38) 2−メトキシ−5−フルオロ
−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルア
ミノチオカルボニル)−2−メトキシフェニル〕−
〔(1)−(S)−1−メチルエチル〕}−ベンズアミド、
(39) 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−
スルホニルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニ
ル)−2−メトキシフェニル〕−〔(2)−(R)−2−メ
チルエチル〕}−ベンズアミド、(40) 2−メトキシ
−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−
N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−メトキシフ
ェニル〕−〔(2)−(S)−2−メチルエチル〕}−ベン
ズアミド、
【0058】(41) 2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカ
ルボニル)−2−メトキシフェニル〕−(3−プロピ
ル)}−ベンズアミド、(42) 2−メトキシ−5−ク
ロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチ
ルアミノカルボニル)−2−メトキシフェニル〕−(4
−ブチル)}−ベンズアミド、(43) 2−メトキシ−
5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N
−(メチルアミノチオカルボニル)−2−メトキシフェ
ニル〕−(3−プロピル)}−ベンズアミド、(44)
2−メトキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホ
ニルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2
−メトキシフェニル〕−(4−ブチル)}−ベンズアミ
ド。
【0059】実施例1 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メト
キシフェニル〕−エチル}−ベンズアミド:
【化21】
【0060】2−メトキシ−5−クロロ−N−〔5−
(1−スルホニルアミノ−2−メトキシフェニル)−エ
チル〕−ベンズアミド0.30g(0.8ミリモル)を、
乾燥ジメチルスルホキシド2mlに溶解しそして水酸化ナ
トリウム0.9g(2.23ミリモル)およびN−メチル
トリクロロアセトアミド0.15g(0.8ミリモル)の
添加後、混合物を80℃で3時間加熱する。冷却した反
応混合物を、水性稀塩酸に注加しそして沈澱を吸引濾去
しそしてアセトニトリルから再結晶する。2−メトキシ
−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N
−(メチルアミノカルボニル)−2−メトキシフェニ
ル〕−エチル}−ベンズアミドは、201〜203℃の
融点を有す。
【0061】出発化合物の製造:4−メトキシ−β−フ
ェニルエチルアミン1.51g(10.0ミリモル)を、
ピリジン40mlに溶解し、ヘラ−先端の量のジメチルア
ミノピリジンを加えそして2−メトキシ−5−クロロベ
ンゾイルクロライド2.15g(10.5ミリモル)の溶
液を加える。反応混合物を、冷稀塩酸に注加しそして沈
澱した生成物を、吸引濾去しそして乾燥する。4−メト
キシ−β−エチル−(2−メトキシ−5−クロロベンズ
アミド)が、融点83〜84℃の無色の結晶として得ら
れる。このようにして得られたベンズアミドを、冷クロ
ロスルホン酸に導入する。反応が完了したときに、反応
混合物を氷上に注加しそして沈澱を吸引濾去し(スルホ
ン酸クロライドの融点140〜141℃)そしてアセト
ンに溶解する。過剰の濃厚な水性アンモニアをこの溶液
に加えそして発熱反応がしずまったときに、混合物を、
もとの容量の1/3に濃縮する。2−メトキシ−5−ク
ロロ−N−〔5−(1−スルホニルアミノ−2−メトキ
シフェニル)−エチル〕−ベンズアミドが融点220〜
222℃の無色の結晶として得られる。
【0062】実施例2 2−メトキシ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N
−(メチルアミノカルボニル)−2−メトキシフェニ
ル〕−エチル}−ベンズアミド:
【化22】
【0063】2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−
〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニ
ル)−2−メトキシフェニル〕−エチル}−ベンズアミ
ド0.30g(6.6ミリモル)を、メタノール20mlに
溶解しそしてこの溶液を、水素雰囲気中で24時間、1
0%強度のパラジウム付活性炭0.1gと一緒に撹拌す
る。触媒を濾去し、溶剤を除去しそして無色の残留物を
アセトニトリルから再結晶する。融点190〜191
℃。
【0064】実施例3 2−メトキシ−5−クロロ−N−{3−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)フェニル〕
−エチル}−ベンズアミド
【化23】
【0065】2−メトキシ−5−クロロ−N−〔3−
(1−スルホニルアミノフェニル)−エチル〕−ベンズ
アミド0.40g(1.0ミリモル)を、乾燥DMFに溶
解しそして水酸化ナトリウム0.10g(2.5ミリモ
ル)およびN−メチルトリクロロアセトアミド0.27
g(1.2ミリモル)の添加後、混合物を80℃で2時
間加熱する。冷却反応混合物を、水性稀塩酸に注加しそ
して沈澱を吸引濾去しそしてアセトニトリルから再結晶
する。2−メトキシ−5−クロロ−N−{3−〔1−ス
ルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)フェ
ニル〕−エチル}−ベンズアミドは、179〜180℃
の融点を有す。
【0066】出発化合物の製造:2−(4−クロロフェ
ニル)エチルアミン15.6g(0.1モル)を、テトラ
ヒドロフラン80mlおよびピリジン16.3ml(0.15
モル)に溶解しそして冷却しながら、トリフルオロ酢酸
無水物21.2ml(0.15モル)を加える。1〜2時間
後に、反応混合物を氷上に注加しそして沈澱した生成物
を、吸引濾去する。この生成物は、実施例1に記載した
ようにして相当するスルホンアミド(融点:172〜1
74℃)に変換する。溶剤としてのメタノール中におけ
る10%強度のパラジウム付活性炭の存在下での水素に
よる塩素化スルホンアミドの還元によって、2−(1−
スルホニルアミノフェニル)エチルトリクロロアセトア
ミドを得、そしてこれを、水性塩酸中で加熱することに
よって相当するアミン塩酸塩に変換する。このアミン塩
酸塩を、ジメチルホルムアミド中でそしてジメチルアミ
ノピリジンの存在下で2−メトキシ−5−クロロ−ベン
ゾイルクロライドおよびトリエチルアミンと反応させ
て、2−メトキシ−5−クロロ−N−〔3−(1−スル
ホニルアミノフェニル)−エチル〕−ベンズアミドを得
る。融点196〜198℃。
【0067】実施例4 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メチ
ルフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化24】
【0068】2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−
〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニ
ル)−2−メチルフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
は、実施例1に記載した操作と同様な操作によって、p
−トリル−β−エチルアミンから製造される。融点19
2〜193℃。
【0069】実施例5 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−(2
−プロピル)−フェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化25】
【0070】2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−
〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニ
ル)−2−(2−プロピル)−フェニル〕−エチル}−
ベンズアミドは、実施例1と同様にして2−〔2−(プ
ロピル)フェニル〕エチルアミンから製造することがで
きそして190℃の融点を有す。4−クミル−β−エチ
ル−(2−メトキシ−5−クロロベンズアミド)をクロ
ロスルホン化して異性体スルホン酸クロライドを得、こ
の化合物を、酢酸エチルから結晶化することによって、
次のスルホンアミドの段階において分離する。
【0071】実施例6 2,5−ジフルオロ−N−{5−〔1−スルホニルアミ
ノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メチルフェ
ニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化26】
【0072】実施例4によって2−(p−トリル)エチ
ルアミンから合成された2−(1−スルホニルアミノ−
2−メチルフェニル)エチルアミン塩酸塩を、はじめに
2,5−ジフルオロベンゾイルクロライドそしてそれか
らジメチルスルホキシド中でN−メチルトリクロロアセ
トアミドおよび水酸化ナトリウムを使用して上述したよ
うに、2,5−ジフルオロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メチ
ルフェニル〕−エチル}−ベンズアミドに変換すること
ができる。融点196〜198℃。
【0073】実施例7 2−ニトロ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニル
アミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メチル
フェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化27】
【0074】2−ニトロ−5−クロロ−N−{5−〔1
−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)
−2−メチルフェニル〕−エチル}−ベンズアミドは、
実施例6と同様にして製造することができる。融点16
5〜170℃(分解)。
【0075】実施例8 2−メトキシ−5−クロロ−N−〔1−スルホニルアミ
ノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メトキシベ
ンジル〕−ベンズアミド
【化28】
【0076】実施例1に記載したようにして、4−メト
キシベンジルアミンを、2−メトキシ−5−クロロ−N
−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカルボ
ニル)−2−メトキシベンジル〕−ベンズアミドに変換
する。化合物は、無色でそして結晶性でありそして20
6〜210℃の温度範囲の融点を有す。
【0077】実施例9 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(アミノカルボニル)−2−メトキシフ
ェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化29】
【0078】実施例1からの2−メトキシ−5−クロロ
−N−〔5−(1−スルホニルアミノ−2−メトキシフ
ェニル)−エチル〕−ベンズアミド0.40g(1.0ミ
リモル)を、アセトニトリル5mlに溶解しそして炭酸カ
リウム0.14g(1.0ミリモル)およびアセトニトリ
ル中の1モル臭化シアノゲン溶液1mlを加える。混合物
を数時間加熱した後、2−メトキシ−5−クロロ−N−
〔5−(1−スルホニルアミノ−N−シアノ−2−メト
キシフェニル)−エチル〕−ベンズアミド0.14g
を、カラムクロマトグラフィーにより単離しそして冷却
した半−濃厚な硫酸で、2−メトキシ−5−クロロ−N
−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(アミノカルボ
ニル)−2−メトキシフェニル〕−エチル}−ベンズア
ミドに変換する。融点180〜185℃。
【0079】実施例10 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−
メトキシフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化30】
【0080】実施例1からの2−メトキシ−5−クロロ
−N−〔5−(1−スルホニルアミノ−2−メトキシフ
ェニル)−エチル〕−ベンズアミド0.40g(1.0ミ
リモル)を、アルゴン下で乾燥DMF 5mlに溶解しそ
して水素化ナトリウム(ホワイト油の60%強度分散
液)42mgを0℃で加える。冷却浴を除去しそして混合
物を、次に室温で30分撹拌する。メチルイソチオシア
ネート0.10gを、ナトリウムスルホンアミドの溶液
に導入しそして混合物を室温で5時間そして70℃で1
時間撹拌する。冷却後、反応混合物を0.5N塩酸50m
lに注加する。沈澱した生成物を吸引濾去しそして乾燥
する。収率96%。融点190〜193℃。
【0081】実施例11 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−エト
キシフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化31】
【0082】実施例1と同様にして、4−エチルフェニ
ル−β−エチルアミンから2−メトキシ−5−クロロ−
N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミ
ノカルボニル)−2−エトキシフェニル〕−エチル}−
ベンズアミドを製造する。融点190〜195℃。
【0083】実施例12 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−エチ
ルフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化32】
【0084】実施例1によって、4−エチルフェニル−
β−エチルアミンから2−メトキシ−5−クロロ−N−
{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノカ
ルボニル)−2−エチルフェニル〕−エチル}−ベンズ
アミドを合成する。融点207℃。
【0085】実施例13 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メト
キシフェニル〕−(3−プロピル)}−ベンズアミド
【化33】
【0086】実施例1によって、4−メトキシフェニル
−γ−プロピルアミンから2−メトキシ−5−クロロ−
N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミ
ノカルボニル)−2−メトキシフェニル〕−(3−プロ
ピル)}−ベンズアミドを合成する。融点285℃。
【0087】実施例14 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メト
キシフェニル〕−(4−ブチル)}−ベンズアミド
【化34】
【0088】実施例1によって、4−メトキシフェニル
−δ−ブチルアミンの反応により2−メトキシ−5−ク
ロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチ
ルアミノカルボニル)−2−メトキシフェニル〕−(4
−ブチル)}−ベンズアミドを合成する。この化合物
は、188〜190℃の融点を有す。
【0089】実施例15 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−
メチルフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化35】
【0090】実施例10と同様にして、2−メトキシ−
5−クロロ−N−〔5−(1−スルホニルアミノ−2−
メチルフェニル)−エチル〕−ベンズアミドおよびメチ
ルイソチオシアネートから、2−メトキシ−5−クロロ
−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルア
ミノチオカルボニル)−2−メチルフェニル〕−エチ
ル}−ベンズアミドを合成した。融点183℃。
【0091】実施例16 2−メトキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホ
ニルアミノ−N−(メチルアミノカルボニル)−2−メ
トキシフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化36】 実施例1と同様にして2−メトキシ−5−フルオロ−N
−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノ
カルボニル)−2−メトキシフェニル〕−エチル}−ベ
ンズアミドを合成する。融点199〜200℃。
【0092】実施例17 2−メトキシ−5−フルオロ−N−{5−〔1−スルホ
ニルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2
−メトキシフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化37】
【0093】実施例10によって、2−メトキシ−5−
フルオロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−N−
(メチルアミノチオカルボニル)−2−メトキシフェニ
ル〕−エチル}−ベンズアミドを製造した。融点182
〜185℃。
【0094】実施例18 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−
エチルフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化38】 実施例10によって2−メトキシ−5−クロロ−N−
〔5−(1−スルホニルアミノ−2−エチルフェニル)
−エチル〕−ベンズアミドおよびメチルイソシアネート
を反応させて、2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−
〔1−スルホニルアミノ−N−(メチルアミノチオカル
ボニル)−2−エチルフェニル〕−エチル}−ベンズア
ミドを得た。融点155℃。
【0095】実施例19 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−
クロロフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化39】 この化合物は、実施例10によって、2−メトキシ−5
−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−2−ク
ロロフェニル〕−エチル}−ベンズアミドおよびメチル
イソチオシアネートから出発して得た。融点194〜1
96℃。
【0096】実施例20 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−フェ
ニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化40】 この化合物は、実施例10によって、2−メトキシ−5
−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−フェニ
ル〕−エチル}−ベンズアミドおよびメチルイソチオシ
アネートから出発して得た。融点173〜175℃。
【0097】実施例21 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−
エトキシフェニル〕−エチル}−ベンズアミド
【化41】 この化合物は、実施例10によって、2−メトキシ−5
−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−2−エ
トキシフェニル〕−エチル}−ベンズアミドおよびメチ
ルイソチオシアネートから得た。融点185〜187
℃。
【0098】実施例22 2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1−スルホニ
ルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニル)−2−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル〕−エチ
ル}−ベンズアミド
【化42】 この化合物は、実施例10によって、2−メトキシ−5
−クロロ−N−{5−〔1−スルホニルアミノ−2−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル〕−エチ
ル}−ベンズアミドおよびメチルイソチオシアネートか
ら得た。融点167〜170℃。
【0099】薬理学的データ:化合物Iの治療的性質
は、次のモデルを使用して証明することができる。
【0100】(1) モルモットの乳頭筋上の活動電位期
間 (a) 序論 心臓の筋細胞における虚血中に観察されるようなATP
欠乏状態は、活動電位の期間の短縮を招く。これらは、
突然の心臓死を起こすことのできるいわゆるリエントリ
ー不整脈の原因の一つである。ATPの減少によるAT
P−感受性Kチャンネルの開口は、この一原因である。
【0101】(b) 方法 活動電位の測定に対して標準微小電極技術を使用する。
このために、両方の性のモルモットを頭を強打して死亡
させ、心臓を摘出しそして乳頭筋を分離しそして器官浴
中にサスペンドする。器官浴を、リンガー溶液(NaC
l 0.9%、KCl 0.048%、CaCl2 0.02
4%、NaHCO3 0.02%およびグルコース0.1
%)でフラッシュしそして36℃の温度で酸素95%お
よび二酸化炭素5%の混合物でガス導入する。筋を、1
Vの長方形パルスおよび1msの期間および2Hzの振動数
で電極を経て刺激する。活動電位を、細胞内に通しそし
て3ミリモルKCl溶液を充填したガラス微小電極を経
て伝導記録する。被験物質を、1リットル当り2.2×
10-5モルの濃度でリンガー溶液に加える。活動電位
は、Hugo Sachs増幅器を使用してオシロスコープ上で増
幅させて示す。活動電位の期間は、95%の再分極度で
測定する(APD95)。活動電位の短絡は、カリウムチ
ャンネルオープナーHoe234(rilmakalim)〔W. Linz,
E. Klaus, U. Albus, R.H.A. Becker, D. Mania, H.C.
Englert, B.A. Schoelkens Arzneimittelforschung/Dr
ug Research, Volume 42(II), 1992, 1180-1185頁〕
の1μM溶液の添加によりまたは2−デオキシグルコー
ス(DEO)の添加により起こす。ATP欠乏状態は、
生理学的実験において、グルコース代謝の遮断により2
−デオキシグルコースによって起こる。これらの物質の
活動電位−短絡作用は、試験物質の同時的投与によって
防止または減少された。試験物質は、プロパンジオール
中の原溶液として浴溶液に加えた。説明した値は、添加
後30分後の測定に関する。DEOまたはHOE234
の存在下および試験物質の不存在下におけるAPD95
比較対照として役立つ。
【0102】(c) 結果 次の値が測定された。
【0103】
【表1】 (a) n回の実験からの測定値の後に括弧内の相当する
ブランク値を記載した。ブランク値は、リンガー溶液中
にDEO、HOE234または試験物質のない実験の状
態におけるAPD95値である。
【0104】(2) 単離されたβ細胞上の膜電位 (a) 序説 低血糖性のスルホニル尿素の作用機構は、概略的に明ら
かである。膵臓のβ細胞は、低血糖ホルモンインスリン
の増大した分泌が起こる場合の標的器官である。インス
リンの放出は、細胞膜電位によって調節される。グリベ
ンクラミドは、細胞膜の脱分極を起こし、これは、カル
シウムイオンの増大した流入によりインスリン放出を促
進する。細胞膜のこの脱分極の程度ΔUを、膵臓腫瘍細
胞系であるRINm5F細胞上で、本発明による化合物
について測定した。このモデルにおける化合物の作用強
度は、この化合物の低血糖ポテンシャルの程度を予測さ
せる。
【0105】(b) 方法 RINm5F細胞の細胞培養 RINm5F細胞を、グルコース11ミリモル、胎児牛
血清10%(容量/容量)、グルタミン2ミリモルおよ
びゲンタマイシン50μg/mlを加えたRPMI 16
40培養培地中(フロー)で37℃で培養した。研究の
ために、細胞をトリプシン0.25%を含有するCa2+
を有していない培地中で培養(約3分)することにより
単離した。
【0106】測定方法 単離されたRINm5F細胞を、微分干渉コントラスト
レンズ(differentialinterference contrast lens)を
具備したインバースマイクロスコープ(inverse micros
cope)上のプレキシグラス室に導入した。約1μmの開
口直径を有する火造りミクロピペットを、光学コントロ
ール(400倍の倍率)下ミクロマニピュレーターの助
けにより細胞上においた。パッチピペット中に僅かに減
少した圧力を適用することによって、はじめに高い電気
的シールをガラスと細胞膜との間に生じさせそしてそれ
から測定ピペット下の膜スポットの減少した圧力を増加
させることによって破り開いた。細胞電位を、パッチク
ランプ増幅器(L/MEPC7)を用いてこの全細胞形
状で記録しそして全細胞電流に電位ランプを使用して測
定した。
【0107】溶液:パッチピペットは、KCl溶液〔K
Cl 140ミリモル、NaCl 10ミリモル、MgC
2 1.1ミリモル、EGTA 0.5ミリモル、Mg−
ATP 1ミリモル、HEPES 10ミリモル、pH7.
2〕が充填されそして浴はNaCl溶液〔NaCl 1
40ミリモル、KCl 4.7ミリモル、MgCl2 1.
1ミリモル、CaCl2 2ミリモル、HEPES 10
ミリモル、pH=7.4〕を含有する。ジメチルスルホキ
シド(DMSO)中の試験物質の原溶液(濃度100ミ
リモル)およびNaCl溶液中における相当する稀釈液
を製造した。DMSOそれ自体は、細胞電位に影響を与
えない。コントロール条件下で細胞電位を安定化するた
めに、ATP−感受性K+チャンネルに対するオープナ
ーであるジアゾキシド(100μモル)を、すべての実
験において浴溶液に加えた。実験は、すべて34±1℃
で実施した。
【0108】(c) 結果(実験における本発明による化
合物の濃度は、1リットル当り10 -5モルである)
【表2】 (a) n回の実験からの測定値の後に()内の相当する
ブランク値を記載した。ブランク値は、ジアゾキシドの
投与量下における細胞電位である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 335/42 C07C 335/42 (72)発明者 イエンス・ハルトウング ドイツ連邦共和国デー−63110ロートガ ウ.ダンツイガーシユトラーセ3アー (72)発明者 ハインツ・ゲーゲライン ドイツ連邦共和国デー−60259フランク フルト.ツム・アイスケラー7 (72)発明者 ヨーアヒム・カイザー ドイツ連邦共和国デー−60431フランク フルト.ヴオークシユトラーセ29ベー (72)発明者 ヴオルフガング・リンツ ドイツ連邦共和国デー−55129マインツ. フクセルレーベンヴエーク54 (72)発明者 ダーフイツト・ヴエトラウフアー アメリカ合衆国ニユージヤージー州 08865.フイリツプスバーグ.チヨーサ ーテラス9 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 311/58 A61K 31/18 ABN A61K 31/18 ABP C07C 303/40 C07C 323/67 C07C 335/42 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 の置換されたベンゼンスルホニル尿素またはチオ尿素お
    よびそれらの生理学的に許容し得る塩。上記式におい
    て、 R(1)は、水素、メチル、CHF、CHFまたは
    トリフルォロメチルであり、 R(2)は、水素、F、Cl、Br、I、(C
    )−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、(C
    〜C)−メルカプトアルキル、(C〜C)−フ
    ルオロアルコキシまたは(C〜C)−フルオロアル
    キルであり、 Eは、酸素または硫黄であり、 Yは、式−〔CR(3)−(式中、R(3)は、
    Hまたは(C〜C)−アルキルでありそしてnは、
    1、2、3または4である)の炭化水素鎖であり、 Xは、水素、F、Cl、Br、Iまたは(C〜C
    −アルキルであり、そしてZは、F、Cl、Br、I、
    NO、(C〜C)−アルコキシまたは(C〜C
    )−アルキルである。
  2. 【請求項2】 R(1)が、水素、メチルまたはトリフ
    ルオロメチルであり、 R(2)が、水素、(C〜C)−アルキル、(C
    〜C)−アルコキシ、(C〜C)−メルカプトア
    ルキル、(C〜C)−フルオロアルキル、(C
    )−フルオロアルコキシ、F、Cl、BrまたはI
    であり、 Eが、酸素または硫黄であり、 Yが、式−〔CR(3)−(式中、R(3)はH
    または(C〜C)−アルキルでありそしてnが1、
    2、3または4である)の炭化水素鎖であり、 Xが、水素、F、Clまたは(C〜C)−アルキル
    であり、そしてZが、ニトロ、F、Cl、(C
    )−アルキルまたは(C〜C)−アルコキシで
    ある請求項1記載の式Iの化合物およびそれらの生理学
    的に許容し得る塩。
  3. 【請求項3】 R(1)が水素またはメチルであり、 R(2)が、水素、弗素または塩素であり、 Eが、酸素または硫黄であり、 Yが、式−〔CR(3)−(式中、R(3)は、
    Hまたは(C〜C)−アルキルでありそしてnは、
    1、2、3または4である)の炭化水素鎖であり、 Xが、水素、F、Clまたは(C〜C)−アルキル
    であり、そしてZが、塩素、弗素、(C〜C)−ア
    ルキルまたは(C〜C)−アルコキシである請求項
    1記載の式Iの化合物およびそれらの生理学的に許容し
    得る塩。
  4. 【請求項4】 R(1)が、水素またはメチルであり、 R(2)が、(C〜C)−フルオロアルキル、(C
    〜C)−フルオロアルコキシまたは(C〜C
    −メルカプトアルキルであり、 Eが、酸素または硫黄であり、 Yが、式−〔CR(3)−(式中、R(3)はH
    または(C〜C)−アルキルでありそしてnは、
    1、2、3または4である)の炭化水素鎖であり、 Xが、水素、F、Clまたは(C〜C)−アルキル
    でありそしてZが、塩素、弗素、(C〜C)−アル
    キルまたは(C〜C)−アルコキシである請求項1
    記載の式Iの化合物およびそれらの生理学的に許容し得
    る塩。
  5. 【請求項5】 R(1)が、水素またはメチルであり、 R(2)が、メトキシまたはメチルであり、 Eが、酸素または硫黄であり、 Yが、式−〔CR(3)−(式中、R(3)はH
    またはメチルでありそしてnは2または3である)の2
    〜3個の炭素原子を有する置換されたまたは置換されて
    いない炭化水素基であり、 Xが、水素、F、Clまたは(C〜C)−アルキル
    でありそしてZが、塩素または弗素、(C〜C)−
    アルキルまたは(C〜C)−アルコキシである請求
    項1記載の式Iの化合物およびそれらの生理学的に許容
    し得る塩。
  6. 【請求項6】 式 【化2】 で表される2−メトキシ−5−クロロ−N−{5−〔1
    −スルホニルアミノ−N−(メチルアミノチオカルボニ
    ル)−2−メトキシフェニル〕−エチル}ベンズアミド
    である請求項1記載の式Iの化合物およびその生理学的
    に許容し得る塩。
  7. 【請求項7】 その生理学的に許容し得る塩がナトリウ
    ム塩、カリウム塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩
    である請求項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 (a)式IIの芳香族スルホンアミドま
    たは式IIIのその塩 【化3】 (式IIIにおいて、Mはアルカリ金属イオン、アルカ
    リ土類金属イオンまたはテトラアルキルアンモニウムイ
    オンである)を式IV R(1)−N=C=O IV のR(1)−置換されたイソシアネートと反応させて置
    換されたベンゼンスルホニル尿素Iaを得るか、または (b)式IIの芳香族ベンゼンスルホンアミドまたはそ
    の塩IIIをトリアルキルシリルイソシアネートまたは
    シリコンテトライソシアネートと反応させそして第1シ
    リコン−置換されたベンゼンスルホニル尿素を加水分解
    することによって置換されていないベンゼンスルホニル
    尿素Ia(R(1)=H) 【化4】 を製造するか、または (c)塩基の存在下において、芳香族ベンゼンスルホン
    アミドIIまたはその塩 IIIおよび式V 【化5】 のR(1)−置換されたトリクロロアセトアミドから前
    記ベンゼンスルホニル尿素Iaを製造するか、または (d)前記式IIの芳香族スルホンアミドまたは式II
    Iのその塩を式VI R(1)−N=C=S VI のR(1)−置換されたチオイソシアネートと反応させ
    て置換されたベンゼンスルホニルチオ尿素Ib 【化6】 を得ることからなる請求項1記載の式Iの化合物の製
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の式Iの化合物またはそれ
    らの生理学的に許容し得る塩の活性量を含有する、突然
    の心臓死予防、不整脈、心臓虚血疾患もしくは弱った心
    臓力の治療または心臓移植後の心臓機能改善のための医
    薬。
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