JP2777647B2 - 癌転移抑制剤 - Google Patents

癌転移抑制剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は癌転移抑制剤に関し、更に詳細には生体中活
性ポリペプチドであるフィブロネクチン分子中の機能性
ドメインの癌転移抑制剤としての用途に関する。
〔従来の技術〕
癌治療においては種々の薬物療法や外科療法が行われ
ているが、その効果は十分とは言えない。
特に外科療法における術後の再発は深刻な問題となっ
ている。癌の再発は癌の転移に起因するものでありその
ため癌転移抑制剤の開発が行われてきた。
癌の転移に関しては癌細胞自体の有する血小板凝集活
性が関与することが知られており、血小板凝集抑制剤チ
クロピジンが癌転移抑制効果を有することが知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、血小板凝集抑制剤は癌細胞のみならず
一般の血小板凝集抑制剤の作用も有するため弊害があ
る。
本発明の目的は、血小板凝集抑制を有さない新たな癌
転移抑制剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明は、癌転移抑制剤に関
し、フィブロネクチンのヘパリン結合ドメインの一部又
は全部のアミノ酸配列に相当する配列であり、かつヘパ
リン結合活性を有するポリペプチドからなることを特徴
とする。
本発明者らは生体内物質であるフィブロネクチン(以
下、FNと略称する)の機能性ドメインに関し鋭意研究を
行った結果、ヘパリン接合ポリペプチドが顕著な癌転移
抑制効果を有すること及び血小板凝集を抑制しないこと
を見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
FNは、分子量約25万のポリペプチドがC末端付近でS
−S結合で2量体を形成している。分子内アミノ酸配列
は、繰返し構造を有し、I、II、III型に分けられる。
更に、種々の機能を有するドメイン構造を有し、細胞接
着、コラーゲン、ヘパリン及びフィブリン等に対する結
合活性を示す。
本発明者らはFNの機能性ドメインの新たな用途につい
て研究を行った結果、ヘパリン結合ポリペプチドが顕著
な癌転移抑制作用を有することを見出した。
本発明においてヘパリン結合ポリペプチドとは、FNの
Ala1690−Thr1960に相当するヘパリン結合ドメインに含
有され、かつヘパリン結合活性を有するポリペプチドに
相当するポリペプチドであればよく特に限定はない。
上記ポリペプチドの例としては、本発明者らが創製し
た特願平1−131453号明細書中に開示されているヘパリ
ン結合ポリペプチドが挙げられる。該明細書中記載のポ
リペプチドは遺伝子工学的手法により効率よく製造可能
である。
以下にヘパリン結合ポリペプチドの一例として、271
アミノ酸残基ポリペプチドに関して詳述する。
271アミノ酸残基ポリペプチド(Ala1690−Thr1960
は下記式I: で表されるアミノ酸配列で示されることを特徴とする。
なお、本明細書において、アミノ酸に付された肩数字
は、ENBLデータバンク(EMBL DATA BANK)のFNのcDNA配
列を翻訳して得られるアミノ酸に付与されたN末からの
アミノ酸残基数を示す。
その製造方法は特願平1−131453号明細書に示されて
おり、以下具体的に説明する。
ヒトFNのヘパリン結合ドメインをコードするcDNA断片
を含むプラスミドpLF2435はバイオケミストリー(Bioch
emistry)、第25巻、第4936〜4941頁(1986)に記載さ
れている、pLF2、4、3及び5のコード領域を連結させ
て再構築されたプラスミドである。
このプラスミドpLF2435から必要なcDNA断片を制限酵
素で切出し、5′側に開始コドンを含む合成DNAを、ま
た、3′側には、終止コドンを含む合成DNAをDNAリガー
ゼで連結した後、適当な発現ベクターに接続することに
より、ヘパリン結合ドメインの271アミノ酸残基ポリペ
プチド(Ala1690−Thr1960)を発現するプラスミドpHD
101が構築される。
発現ベクターとしては、既存のものはすべて利用する
ことができるが、例えばpUC 118N/pUC 119N〔フェブス
レターズ(FEBS Letters)、第223巻、第174〜180頁
(1987)、及びその誘導体を用いることにより好結果を
得ることができる。このプラスミドを大腸菌に導入する
ことにより、ヘパリン結合ポリペプチドを発現させ、そ
の性質を調べることができる。
271アミノ酸残基ポリペプチド(Ala1690−Thr1960
を発現するプラスミドを導入した大腸菌Escherichia co
li HB 101/pH 101は微工研条寄第2264号(FERM BP−226
4)として寄託されている。
組換え体からこのヘパリン結合ポリペプチドの精製
は、例えば次のように行う。組換え大腸菌をL−ブロス
等の培地に培養し、集菌した後、超音波処理により、菌
体破砕液を得、これを遠心分離して上清を得る。上清を
透析後、DEAEイオン交換体のカラムを通過させ、次いで
CMイオン交換体及び/又はヘパリン−アガロース等のア
フィニティクロマトを行う。以上の操作により、目的の
ポリペプチドを精製することができる。
以上のようにして得られた本発明のポリペプチドを医
薬として使用する場合、必要に応じて医薬用担体と共に
常法により製剤化し、経口投与または非経口投与すれば
よい。賦形剤あるいは担体としては薬理学的に許容され
るものが選ばれ、その種類及び組成は投与経路や投与方
法によって異なる。例えば液状担体として水、アルコー
ル類若しくは大豆油、オリーブ油、ミネラル油等の動植
物油、又は合成油が用いられる。固体担体としてマルト
ース、スクロースなどの糖類、アミノ酸類、ヒドロキシ
プロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ステアリ
ン酸マグネシウムなどの有機酸塩などが使用される。
注射剤の場合は溶解液は生理食塩液、各種緩衝液、グ
ルコース、イノシトール、マンニトール、ラクトースな
どの糖類溶液、エチレングリコール、ポリエチレングリ
コールなどのグリコール類が望ましい。またイノシトー
ル、マンニトール、ラクトース、スクロース等の糖類、
フェニルアラニン等のアミノ酸等の賦形剤と共に凍結乾
燥製剤とし、それを投与時に注射用の適当な溶剤、例え
ば滅菌水、生理食塩後、ブドウ糖液、電解質溶液、アミ
ノ酸溶液等静脈投与用液体に溶解させて投与することも
できる。製剤中における本発明のポリペプチドの含量は
製剤により異なるが、通常0.1〜100重量%好ましくは1
〜98重量%である。例えば注射液の場合には、通常0.1
〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の有効成分を含む
ようにすることが望ましい。経口投与する場合には前記
固体担体若しくは液状担体と共に、錠剤、カプセル剤、
粉剤、顆粒剤、液剤、ドライシロップ剤等の形態で用い
られる。カプセル、顆粒、粉剤は一般に5〜100重量
%、好ましくは25〜98重量%の有効成分を含む。
投与量は、患者の年令、体重、症状、治療目的等によ
り決定されるが治療量は一般人、非経口投与で1〜100m
g/kg/日、経口投与で5〜500mg/kg/日である。
〔作用〕
次に本発明のポリペプチドの生理活性を実験例により
示す。
実験例1 癌転移抑制作用 CDF1−マウス(1群5匹)の静脈内に、L5178Y−ML25
白血病細胞4×104個を、各濃度の271アミノ酸残基ポリ
ペプチドと混合し、移植する。また、対照として白血病
細胞のみを移植する。
白血病細胞移植後14日目に各群マウスを処分し、肝
臓、脾臓を摘出し、その重量を比較する。その結果を表
1に示す。
以上のように、本発明のポリペプチド投与群で、白血
病細胞の肝臓、脾臓への転移が抑制されている。
実験例2 ADP、コラーゲンによる血小板凝集に対する
本発明ポリペプチドの抑制作用の検討 血小板凝集惹起物質として最終濃度5μM ADP及び100
μg/mlのコラーゲンを用いた。ヒト血小板(5×105
)0.25mlに最終濃度100μg/mlの本発明ポリペプチド
を添加し、その30秒後にADP又はコラーゲンを添加し
た。
本発明ポリペプチドにおいても、ADP及びコラーゲン
による血小板凝集に対する抑制作用は認められなかっ
た。
実験例3 急性毒性試験 CDF1マウスに本発明ポリペプチドを静脈内投与した。
100mg/kg投与において毒性は認められなかった。
以上本発明ポリペプチドは、以上の実験例に示した通
り、血小板凝集阻止の効果がないにもかかわらず、L517
8Y白血病細胞を用いる転移のモデル系にて有意な転移防
止効果を示すもので、胃癌、肺癌、大腸癌、乳癌、前立
腺癌、子宮頚癌、腎癌など癌細胞に対して良好に転移を
防止せしめてなる有用なものである。
〔実施例〕
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明の範囲は実施例に限定されるものではない。
なお、各例において、部は重量部を意味する。
製剤例1 271アミノ酸残基ポリペプチド30部に対しPBSを加え、
全量を2000部としてこれを溶解後、ミリポアフィルター
GSタイプを用いて除菌ろ過する。このろ液2gを10mlのバ
イアル瓶にとり凍結乾燥し、1バイアルに該ポリペプチ
ド30mgを含む凍結乾燥性注射剤を得た。
製剤例2 271アミノ酸残基ポリペプチド50部、乳糖600部、結晶
セルロース330部及びヒドロキシプロピルセルロース20
部をよく混和し、ロール型圧縮機(ローラーコンパクタ
ー)を用いて圧縮し、破砕して16〜60メッシュの間に入
るように篩過し、顆粒とした。
〔発明の効果〕
本発明のポリペプチドは生体内関連物質であり安全性
が高く、癌転移抑制剤として有用である。また遺伝子工
学的に大量に供給可能である点で顕著な効果を有する。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寶酒 造株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−127742(JP,A) 国際公開90/7577(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 37/00 - 37/66 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィブロネクチンのヘパリン結合ドメイン
    の一部又は全部のアミノ酸配列に相当する配列であり、
    かつヘパリン結合活性を有するポリペプチドからなるこ
    とを特徴とする癌転移抑制剤。
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