JP2777188B2 - 浸漬型ナトリウムポンプ - Google Patents

浸漬型ナトリウムポンプ

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JP2777188B2
JP2777188B2 JP1121676A JP12167689A JP2777188B2 JP 2777188 B2 JP2777188 B2 JP 2777188B2 JP 1121676 A JP1121676 A JP 1121676A JP 12167689 A JP12167689 A JP 12167689A JP 2777188 B2 JP2777188 B2 JP 2777188B2
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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明はナトリウム冷却原子炉に関する。さらに詳
しくは、ナトリウム冷却原子炉および熱交換器に用いる
のに適当なナトリウム送給用の浸漬型ポンプ(submerge
d sodium pump)に関する。
従来技術 ナトリウム冷却原子炉は周知である。この種の原子炉
は液体ナトリウムの連続循環一次ループを備え、液体ナ
トリウムを炉心と中間熱交換器の間に順次ポンプ循環さ
せている。原子炉には二次ナトリウムループも設けられ
る。二次ループは炉内の中間熱交換器で熱エネルギーを
受け取り、その熱エネルギーを発電用のスチーム(蒸
気)発生器に伝達する。
一次ループまたは二次ループに流れるナトリウムのサ
イクルは、代表的には、「ホットレッグ」(高温側)と
「コールドレッグ」(低温側)とに分けられる。ナトリ
ウム冷却炉の一次ループを例にとると、ナトリウムサイ
クルのいわゆる「ホットレッグ」は炉心で始まり、中間
熱交換器で熱を抽出するところまで続く。「コールドレ
ッグ」は中間熱交換器の出口で始まり、この発明のポン
プを含む通路を通り、炉心の入口で終る。炉内部の一次
ループのナトリウムサイクルは、ループ内の循環を無限
に繰り返す。
用語「ホットレッグ」および「コールドレッグ」は相
対的な意味で用いられる。代表的には、各ループのコー
ルドレッグが316℃(600゜F)以上の温度で、ホットレ
ッグははるかに高く、649℃(1200゜F)程度の温度にな
ることが多い。
液体ナトリウムポンプを磁界の移動により作動させる
ことが提案されている。このようなポンプでは、代表的
には、ステータが円筒形で、鉛直に配向され、鉛直円筒
形中心ダクトを画定する。ポンプのコアも同様に円筒形
で、ステータの鉛直円筒形ダクト内の所定位置に保持さ
れている。こうして中心コアとステータとの間に割り込
んで環状ポンプ空間が画定される。この円筒形隙間ポン
プ空間を通してナトリウムを、代表的にはポンプの底部
から頂部へポンプ送りする。
このポンプには可動部品がない。「移動」するのは磁
界だけである。磁界をポンプの入口(通常底部)からポ
ンプの出口(通常頂部)まで次々と移動する。
磁界はトロイダルNS磁界である。この磁界は第1側が
ステータを通り、第2側が中心コアを通る。トロイダル
磁界は、導通ギャップで磁界の頂部および磁界の底部に
て円筒形隙間ポンプ空間と交差する。磁界とこのギャッ
プ内の液体ナトリウムとの相互作用により、必要なポン
プ作用が生み出される。
ポンプギャップを移動される磁界はナトリウムに渦電
流を誘起する。一方ナトリウムの渦電流は、ナトリウム
をポンプの移動磁界に結合する。磁界境界での摩擦損
失、すなわちすべり(漏れ)を無視すれば、ナトリウム
はポンプ内を入口から出口へ、ポンプ内を入口から出口
へ移動する磁界の方向に運ばれる。
ナトリウム冷却炉のポンプは取り外し、補修するのが
困難である。したがって、この種のポンプは長い寿命を
予想して製造しなければならない。このような長い寿命
が期待できるためには、振動してポンプ部品間の摩耗を
招くことがなく、あるいは加熱したり、早期に劣化した
りしないポンプ設計が必要である。たとえば、ポンプに
電力を送る巻線が電気抵抗加熱により熱を発生すること
は避けられない。この熱を除去して、巻線をコイルの長
い寿命を保証するのに十分な冷たい温度に維持しなけれ
ばならない。
従来、このようなポンプをガスで冷却することが提案
されている。ガス冷却には少なくとも2つの難点があ
る。
第一に、冷却に必要な補助装置が多くなる。
第二に、抵抗加熱で発生した熱エネルギーの回収が簡
単にできない。このコイルの抵抗加熱のエネルギーは大
抵の場合捨てられている。
発明の要旨 この発明は浸漬形電磁ポンプを提供し、外側円筒形ス
テータと内側円筒形導電コアとが組み合されて、ステー
タとコアとの間に画定される円筒形隙間空間にてナトリ
ウムに液中ポンプ作用を与える。円筒形隙間空間は代表
的には鉛直配向され、底部に入口を頂部に出口を画定す
る。外側ステータは、上向きに移動するトロイダル磁界
を発生し、これらの移動磁界によりナトリウム冷却炉の
コールドレッグ内の液体ナトリウムをポンプの底部から
ポンプの頂部に運ぶ。外側円筒形ステータは、鉛直に配
置されたダクトが交互に層配置されたコイルユニットと
積層体で囲まれた構成である。コイルユニットおよびそ
のコイルユニットを巻回する特別な方法も開示される。
ら線に巻かれた共通銅バス(母線)の上側および下側コ
イル半部が中心で直列に接合されている。これらの上側
および下側コイル半部はコイルユニット外部に別々のコ
イルユニットとして接続されて、コイル半部間に相補的
磁界を生成する。それぞれ上側および下側半部を有する
これらのコイルユニットは、4ユニットを1群として後
続のコイルユニットと並列接続にて、15Hz、実効値700V
の3相電源の各相に接続されている。磁界を運ぶ積層構
造が、外側ステータ内で各コイルユニットを間に挟んで
いる。積層構造は、ポンプステータの中心ダクトと剛固
な熱伝達接触を維持しており、抵抗の発熱の熱をコイル
から運び去る。その上、この積層構造のダクトへの剛固
な接触は、ポンピング反作用およびその結果生じるステ
ータのコイルユニットおよび積層構造層の振動によるポ
ンプの摩耗を防止する。積層構造においては、連続円弧
状に並べたフープ張力下の積層板が、好ましくはモリブ
デン製の円周フープ張力ワイヤで囲まれて、ステータの
中心ダクトと密着関係に維持されている。個々の積層板
はワイヤの弾性フープ張力により半径方向に中心ダクト
に向けて押圧されているので、熱膨脹差により、ポンプ
作動中は積層板と中心ダクトとの接触が緊密に維持され
る。コアの内側円筒形磁気伝達部分の積層構造も開示さ
れている。このようなポンプ構造全体をナトリウム炉の
中間熱交換器の下流に、またはナトリウム冷却プラント
のナトリウム/水蒸気発生器のコールドレッグに配置す
ることができる。
他の目的、特徴および効果 この発明の目的は、ナトリウムポンプのステータに用
いるコイルユニットを提供することにある。本発明のこ
の観点によれば、屈曲性の細長い銅バスストリップを用
意し、このバスストリップは主平面を有しその2つの離
間した側縁が一定幅の細長いストリップを画定する。バ
スストリップはコイル要素のら線全長に等しい直線長さ
を有する。少なくとも1本のそのような長い銅バススト
リップをその両端の中点で、バスストリップの主平面内
にて湾曲させて、上側ら線巻きコイル半部と下側ら線巻
きコイル半部との間に「S」字形転移部を形成する。
「S」形転移部は、コイルユニットの内側の中心で上側
ら線巻きコイル半部と下側ら線巻きコイル半部との間に
位置する。「S」形転移部へのら線巻きと「S」形転移
部からのら線巻きの方向は磁気的に相補的である。すな
わち、各コイル半部のら線巻きに流れる電気は、レンツ
の法則に従って相補的な補給し合う磁界を生成する。
このコイルユニットの利点は、電気接続が簡単なこと
である。連続コイルを形成する各バスストリップの両端
は各コイルユニットの外側に位置する。したがって、必
要な電気接続をコイルユニットの外側から行なうことが
できる。閉じられた区域での内部配線が避けられる。
コイルユニットのもう一つの利点は、ら線巻きコイル
ユニットを2本以上のら線巻きバスストリップから形成
できることである。1つのコイルユニットについて3本
のら線巻きバスストリップを用いるのが好ましく、これ
らをすべて最終的に並列に接続する。これらのバススト
リップを並列に接続することにより、単一の高電圧コイ
ルの代りに、低電圧コイルの1群をナトリウムのポンプ
送給に利用することができる。コイルユニットのバスス
トリップの抵抗発熱がその分少なくなる。
この発明の他の目的は、コイルユニットを巻回する方
法を提供することにある。本発明のこの観点によれば、
3本のバスストリップを用意する。バスストリップは2
つの側縁の間に主平面を有する一定幅のものである。各
ストリップの直線長さはコイル素子における線巻き長さ
と同じである。バスストリップを導体、好ましくは純銅
から製造する。これらのバスストリップをまず最初、そ
の主平面内で湾曲させてバスストリップの直線長さの中
点に「S」形状を与え、最終的に得られるコイルユニッ
トの下側ら線巻きと上側ら線巻きとの間に転移部を形成
する。つぎに、各バスストリップをその直線長さの中点
の「S」形状部でコイル巻きマンドレルに固定する。3
本のバスストリップコイル素子それぞれをその湾曲部で
マンドレルに120゜間隔で取り付ける。その後、下側の
巻きに形成される予定のバスストリップの半部を張力下
に置き、マンドレルから張力路に沿って展張する。上側
の巻きに形成される予定のバスストリップの反対側半部
を適当にコイル巻きしてマンドレルの上によけて保管す
る。上側コイル半部の保管を終えたら、下側ら線コイル
の密巻きを始める。すなわち、バスストリップの半部を
張力路からら線状に引きこんで密なら線巻きを形成す
る。各バスストリップが残りの2つのバスストリップの
間に巻きこまれ、3つの重畳した外巻き層となる。3本
のバスストリップの端部はコイルの外側で120゜間隔で
巻きを終了し、コイルユニットの各コイル素子への第1
接続部を形成する。コイルユニットの下側ら線巻きを完
了したら、絶縁層を下側ら線巻きコイル半部の上に配置
して、この下側コイル半部を上側ら線巻きコイル半部の
コイルユニットの先端部分に印加される電圧から絶縁す
る。つぎに、マンドレルを上層の巻回にそなえて調整し
なおす。上側コイル用にとってあったバスストリップを
マンドレルの上の保管部から巻き出し、巻回マンドレル
から張力路に沿って伸ばして張力下に置く。その後、上
側コイルの密なら線巻きを行なう。今度はマンドレルを
反対方向に回転させて張力路から各コイル素子の第2半
部を捕集する。マンドレルの回転方向を逆転すること
で、各コイル半部における電子の回転方向が両コイル半
部に生成する磁界が相補的な磁界となる。前回と同様、
バスストリップの端部はコイルの外側で好ましくは120
゜間隔で終端し、コイルの外部への各コイル素子の第2
接続部を形成する。この後、コイルを保持タイで仮止め
し、最終絶縁材で巻き、最後にマンドレルから外して、
コイルポンプ構造に適当なコイルユニットを得る。
このコイルユニットの利点は、上記製作方法の最後に
3本のバスのコイル構造が一体の素子として得られるこ
とである。このユニットを後で中心ポンプダクトのまわ
りに積み重ねることができる。各コイルユニットをいち
いちダクトのまわりに巻く必要がない。
コイルユニットの別の利点として、中心ダクトのまわ
りに積み重ねたままで、コイルユニットの外側のバスス
トリップの端部がすべて後で必要な並列電気接続に具合
よい向きになっている。
上述した巻回方法の利点は、簡単なことである。コン
パクトな密巻きコイルユニット製品が得られる。
この発明のさらに他の目的は、浸漬型ナトリウム電磁
ポンプの中心ダクトのまわりに詰み重ねられ、その後ダ
クトに緊締される。コイルユニットに発生する磁界を伝
達するための一連のリング形積層体の製作方法を提供す
ることにある。この観点においては、マンドレルを再び
使用する。各群100枚の積層板からなる12の群個々の積
層板を外側補剛部材で一緒に結束する。すなわち長溝に
挿通したボルトによる張力下で外側部材が薄い内側積層
板を相互間に圧縮保持する。積層板はコイル受け入れ溝
を有する。各積層板群の個々の積層板を、ほぼ中心ダク
トの寸法を有する円筒形マンドレルに位置合わせする。
その結果、個々の積層板は互いに相対的に動き、その内
端を円筒形マンドレルに円弧状に並べる。個々の積層板
群をその半径方向内端にてマンドレルに位置合わせし、
全部で中心マンドレルのまわりに連続円を形成する。代
表的には、このような各30゜の群を12個マンドレルのま
わりに並べて連続円を形成する。仮りの半径方向ブレー
シングを用いて積層板群をマンドレルに対して位置決め
する。その後、積層板の外部にモリブデン線を巻いて、
積層板の端部を半径方向内方に押圧する。各群の外側積
層部材を隣りとの接合点で溶接して、剛固なリング状積
層組立体を形成する。組み立て終ったら、ポンプの1層
となるこのリング状積層組立体をマンドレルから外して
個別の素子とする。
リング状積層板層構造の利点は、ポンプの各別の磁界
伝達層として使用可能な積層板の単層が得られることで
ある。このような積層板層2つの間にコイルユニット1
つを挟む。したがって、積層板層をコイルユニットと交
互に積み重ねることにより、浸漬形液体ナトリウムポン
プの中心ステータダクトを囲む外側ステータの積み重ね
サンドイッチ構造が得られる。
モリブデン線で結束された積層板の利点は、浸漬形ポ
ンプのステータの中心ダクトに緊締するために締まりば
ね熱膨脹を利用できることである。ポンプの中心ダクト
への緊締には2つの別々の利点がある。
第一に、不可避的に生じるコイルユニットの抵抗発熱
を積層構造によりコイルからダクトに運び去ることがで
き、さらにはダクトを通してナトリウムサイクルのコー
ルドレッグのポンプ送給されているナトリウムに運び去
ることができる。こうしてコイルユニットが十分に低い
作動温度(約1,000゜F)に維持され、運転寿命が長くな
る。さらに、このようなコイルからの熱を液体ナトリウ
ムに伝達するので、熱の少なくとも一部が(熱力学的制
約をうけるものの)発電出力エネルギーとして回収され
る。
積層構造のもう一つの利点は、積層構造が締まりばね
熱膨脹により中心ダクトに緊締することである。この緊
締が生じると、積層構造をステータの中心ダクトに対す
る相対移動を阻止するのに十分な力が発揮される。液体
ナトリウムのポンプ送給に際しては、ポンプの作動の結
果として電流により磁気的な反力が不可避的に誘起され
ることを理解すべきである。具体的には、ナトリウムの
ポンプ送給から生じる磁気反力が、ポンプ作用をなす磁
界により積層構造に伝達される。積層構造は、中心ダク
トに緊締されているので、このような反力に耐え、中心
ダクトまたはコイルユニットの位置で積層構造の相対移
動がない。したがって、ポンプが長期にわたって摩耗す
ることなく作動し得るポンプ構造が得られる。
この発明のさらに他の目的は、中心磁界伝播コアの構
造を提供することである。本発明のこの観点によれば、
積層板を好ましくは10゜のパイ(π)形セグメントにま
とめ、この1群の積層板に共通のダブテイル形くさび受
け入れ開口を設ける。すべりくさび式取付具によりパイ
形積層板セグメントの群を内側管部材に引き付ける。す
べりくさび式取付具は、積層板の相補形ダブテイル開口
に係合する第1ダブテイル形くさび、中心管の内側に係
合する第2部材および両者の間に介在するネジ切ボルト
を含む。ネジ切ボルトによりダブテイル開口を傾斜部に
登らせ、管とダブテイル溝付き積層板との間隔を狭め、
パイ形積層板セグメントを中心管のまわりに剛固にかつ
ぴったり側面同士を合せて接触させる。各10゜のこのよ
うなパイ形セグメントを36個用いることにより、ポンプ
の内側磁気コア伝導路を画定する剛固な一体の半径方向
積層鉄心部材が得られる。この後このコアを帯状シート
で包み、シーム溶接すると、継目での収縮の結果、中心
コア部材の外面に液体ナトリウム不透過性カバーが得ら
れる。
この発明のさらに他の目的は、浸漬形ポンプのステー
タを作製する方法を提供することにある。外側ポンプス
テータを作製するにあたっては、まず中心ダクトを配置
する。その後、積層リングとコイルユニットを交互にポ
ンプの全長にわたって積み重ねる。積層リングとコイル
ユニットを適切に積み重ねたら、上部および下部圧縮リ
ングを鉛直に延びる引張ボルトで一緒に引きつける。こ
れらの上部および下部圧縮リングは、互いに引きつけら
れ、その間に積層リングおよびコイルユニットを恒久的
に圧縮保持する。この後、浸漬形ポンプのステータの外
部をカバー金属シースで包み、シーム溶接し、こうして
中心ダクトとの組合せでステータのまわりに連続ナトリ
ウム障壁を構成する。つぎに、ポンプの内部コアを装填
し、ステータに関して適当に係止する。こうして完成し
たポンプには、外側ステータと中心コアとの間に、底部
のポンプ入口から頂部のポンプ出口までナトリウムをポ
ンプ送給するための円筒形隙間空間が画定されている。
このポンプ構造の利点は、ポンプ製作の間、積層リン
グがステータの中心ダクトに可動な状態で嵌まっている
ことである。ポンプが液体ナトリウムにさらされて加熱
されたときだけ、積層リングが締まりばめ熱膨脹により
中心ダクトに緊締する。最終的にこのような緊締が起こ
ると、積層リングが中心ダクトに剛固にかつ一体的に相
互連結する。
この発明の他の利点は、ポンプがナトリウムの温度に
さらされている限り、この剛固な連結が維持されること
である。その結果、このポンプは、ポンプの寿命の間終
始加熱されたままの環境で望ましい作動をなす。
このポンプ構造の利点は、寿命の長いポンプが得られ
ることである。このポンプは、可動部品や補助ガス冷却
系をもたないので、移動する磁界の起電力カップリング
に依拠するだけである。
このポンプのもう一つの利点は、ステータを並列接続
したコイルで付勢できることである。並列コイルである
のでポンプの駆動に要する総電圧が小さくなる。このポ
ンプは15Hzで700Vの範囲の三相電源で駆動できる。
この発明の目的は、特徴および効果を具体的に示すた
めに、以下にこの発明の具体的実施例を図面を参照しな
がら説明する。
具体的な構成 第1A図は、従来のナトリウム冷却原子炉の縦断面図
で、炉の平常運転中のナトリウム流れループを示す。図
示の液体ナトリウム原子炉は格納容器Cおよび炉容器V
内に収納されている。この技術で通常行なわれているよ
うに、格納容器Cは炉容器Vに近接配置され、炉容器V
が破損した場合に液体ナトリウムSを収容できる。
炉の構成要素およびポンプの配置は、ナトリウム冷却
材の流路をたどりながら個々の構成部品について説明し
てゆくのが理解しやすい。
原子炉が平常の出力運転を行なっていることに留意し
ながら、第1A図の説明を続けると、炉心12は通過するナ
トリウムSを加熱し、加熱されたナトリウムSをホット
プール14に吐き出す。ホットプール14は原子炉の内部に
容器ライナLによって画定されている。容器ライナLは
炉容器Vの全高の一部にわたって延在するのみで、炉容
器Vの頂部よりすこし手前の16で終端する。容器ライナ
がここで終端することは炉のクールダウン(冷却)に関
わる特徴の一部であるが、この発明にとっては重要なこ
とではないので、これ以上説明しない。
ホットプール14からのナトリウムは中間熱交換器Hに
入り、熱を放散する。熱は、代表的にはスチーム(蒸
気)発生用熱交換器につながり、また炉に戻ってくる二
次ナトリウム回路18を通して放散する。二次ナトリウム
ループおよび発生した蒸気を利用する蒸気の発電につい
てはここでは説明しない。
液体ナトリウムは、熱交換器Hで熱交換し、流れに伴
なう圧力降下をうけた、コールドプール20に入る。コー
ルドプール20は、熱交換器Hを経ての圧力降下のせい
て、ホットプール14より静水圧が低い。液体ナトリウム
は、コールドプール20から固定遮蔽シリンダ22を流通し
て主炉ポンプPの入口24に達する。これらの炉ポンプP
は、この発明に関わるポンプ装置である。
代表的には、炉ポンプPは電磁式のポンプである。こ
れらのポンプPは下部入口24が低圧で、上部出口26が高
圧になっている。高圧の出口26から吐出されたナトリウ
ムはポンプ吐出管28を通って炉心12の入口に進む。こう
してナトリウム回路が完成する。
原子炉コールドプールは、平常運転中、原子炉ホット
プールよりわずかに低い(約4psi)圧力に維持される。
炉コールドプールの温度は316℃(600゜F)程度であ
る。
必要な制御棒が制御棒プレナム30から炉心に装入され
たまま引抜かれる。制御棒はこの発明の一部を構成しな
いので、これ以上説明しない。
読者は、第1A図の縦断面図およびその1B−1B線方向に
見た断面である第1B図が、ナトリウム冷却炉を極端に簡
略化した図であることを理解されると思う。実際には、
第1B図に示すように、炉に2つの腎臓形断面の熱交換器
Hと4つのポンプPを設ける。ポンプPおよび熱交換器
Hの配置は、第1B図を見れば理解できる。
なお、第1A図の断面は概略を把握するための図にすぎ
ない。二次ループ18内のナトリウムもポンプで送給する
のが望ましい。この二次ループは、配置(図示せず)に
より中間熱交換器Hに出入りする。このような配管のゴ
ールドレッグにも、ここで説明する構成に類似の液中ナ
トリウムポンプPを1つまたは複数使用することができ
る。
ナトリウム冷却炉の環境およびこの発明のポンプ4つ
の配置について説明したので、これからポンプの構成を
説明しよう。
最初に、第2A〜2D図を参照しながら、個別のコイルユ
ニットの構成を説明する。
つぎに、第3A〜3C図を参照しながら、リング積層体の
構成を説明する。
その後、第4A図の中心コア用積層体、第4B図の中心コ
ア−積層体クランプ関係、第4C図のクランプ、および第
4D図の最終構造の順序で、ポンプの内部コア要素の構成
を説明する。
最後に第5図を参照しながら、ポンプの全体構造を説
明する。
その後、簡単に第3C図に戻って、ステータの中心ダク
トへのリング要素の熱的締りばめについて説明する。
第2A図は、この発明のコイルユニットの巻線巻回の第
1段階を示す。図示のマンドレルMは中心アーバ40を有
する。アーバ40はその上に、マンドレルの捕集表面42お
よびストリップ(細条)B1,B2およびB3のゆるいコイル
巻きを支持している。前述したように、ストリップB1,B
2およびB3はそれぞれ、最終的に個別のコイル要素とな
るので、個別のコイル要素の長さを持つ。ストリップは
平坦であり、厚みが0.32cm(1/8インチ)程度で、鋼製
である。
ストリップは幅0.95cm(3/8インチ)程度である。し
たがって、ストリップは細長い屈曲性導電性ストリップ
である。
この構造のコイルに巻く前に、ストリップB1,B2およ
びB3をら線巻き絶縁層44で被覆するのが好ましい。この
絶縁層44は比較的軽く、隣接するコイル部分を相互に隔
離する役目を果たす。
ストリップをそのS字形湾曲部でマンドレルに固着す
る。ストリップB1をそのS字形湾曲部51でマンドレルに
固着する。同様に、ストリップB2をそのS字形湾曲部52
で、ストリップB3をそのS字形湾曲部53でマンドレルに
固着する。
各S字形湾曲部51,52,53の一端が各コイル要素の下側
ら線半部の始点となることがわかる。同様に、略S字形
湾曲部の他端(上端)が各コイルの上側ら線要素の始点
となる。
第2図の図解では、S字形湾曲部51,52,53がそれぞれ
のストリップB1,B2およびB3の中点に正確に位置する。
このような場合、マンドレルの上部に、ストリップB1,B
2およびB3それぞれの半分をゆるく巻いたコイル60とし
てよけて保管しておく必要がある。これらのストリップ
は乱雑にコイル巻きしたロープによく似た不規側な状態
でコイル巻きされ、下側コイル半部62を巻く際に、マン
ドレルMとともに回転するよう所定位置に一時的に保持
される。
ストリップB1,B2およびB3それぞれをぴんと張る必要
がある。したがって、ストリップを細長い張力路68に展
調する。ストリップB1,B2およびB3をそれぞれの張力路6
8に沿ってゆっくり90度まわし、対応するプーリ71,72お
よび73の表面に掛け渡す。その後、ストリップB1,B2お
よびB3は対応する上部プーリ74,75および76に掛け渡さ
れ、ついで下向きにクランプ77,78および79に至る。各
クランプを介して、ケーブル81,82および83によりスト
リップB1の端部をおもりW1に、ストリップB2の端部をお
もりW2に、ストリップB3の端部をおもりW3に連結する。
おもりとストリップのシステムを説明したので、張力
をかけてのコイル巻きを簡単に理解できるはずである。
具体的には、マンドレルMが時計方向に回転する。マ
ンドレルの回転につれて、捕集面42がストリップB1,B2
およびB3の側縁を捕捉し順次マンドレルM上に巻いてゆ
く。各ストリップの全長を巻回し、所定位置に仮止めす
る。巻回と仮止めを終ったら、3本の導電ストリップB
1,B2およびB3による下側コイル半部の巻回が完了する。
第2B図に、同じマンドレルMを用いてコイルの上半部
を巻回する工程を説明する。すなわち、先に巻回した下
側コイル半部の上に絶縁層Iをのせる。この絶縁層Iは
それぞれのコイルの先端がアークを発生し、必要な磁場
の発生を防げるのを防止する役目を果たす。
この後、マンドレルMを上部取付具41に押し上げ、捕
集プレート42を上向きに移動する。捕集プレート42は、
先に作製した下半部62の巻きと似ているが、同じではな
いストリップB1,B2およびB3のら線巻きの第2半部を捕
捉するのに適当な距離上方に移動する。
コイルの上半部64を下半部62と同様にら線状に巻く。
しかし、上半部のら線はマンドレルMを反時計方向に回
転して形成する。各ストリップB1,B2およびB3の端部に
到達するまで、回転を続ける。各ストリップの端部を
(好ましくは120゜間隔で)係止し、こうして第2C図に
示す構造に似た構造を得る。
第2C図に移ると、仮止めバンド96がコイルユニットU
の円周に沿って間隔をあけて配置されている。コイルユ
ニットUは下側巻き62と上側巻き64とを含む。
ストリップの端部が見えている。たとえば、ストリッ
プB1は端部91,101を有し、ストリップB2は端部92,102を
有し、ストリップB3は端部93,103を有する。
各コイル要素の下端が下層から突出するのがわかる。
つまり、コイルユニットUの下層62には、ストリップB1
の第1端91、ストリップB2の第1端92およびストリップ
B3の第1端93が位置する。同様に、コイルユニットUの
上層64には、ストリップB1の第2端101、ストリップB2
の第2端102およびストリップB3の第2端103が位置す
る。
あと残っているのは、コイル部材を一緒にまとめるこ
とである。具体的には、タイ96をとり外し、その位置に
絶縁層105を固着する。絶縁層105をコイルのまわりにら
線状に巻く。このようなら線巻きの間に、仮止めタイ96
をとり外す。
第2D図の最終製品を示す。すなわち、下側ら線巻き62
からの端部91,92,93および上側ら線巻き64からの端部10
1,102,103を有するコイルユニットUが示されている。
必要な電気接続はすべてコイル構造の外側で行なわれ
ることが図から明らかであり、理解されるはずである。
すなわち、転移部が内側にある2つのコイルを設けるこ
とで、ストリップの先端がすべてコイルユニットの外側
に出る。
読者は、レンツの法則に従って、コイル構造の各半部
が相補的な(そして反対向きでない)磁場を発生するこ
とも理解できると思う。すなわち、接続部91,101と92,1
02と93,103とに同じ電位が並列にかかると仮定して、
(モータに適用される)「左手の法則」に従って、両コ
イル半部62および64によりコイルのまわりに同一方向に
電子の回転が誘起される。
コイルユニットUの構造を説明し終ったので、つぎに
リング積層体Lの構造について説明しよう。
第3A図に積層素子(板)120を示す。この積層板120は
中心端縁122を有する。後でもっと詳しく説明するよう
に、中心端板122はステータの中心ダクト部材Dに当接
する。熱を中心ダクト部材Dに伝達するのはこの中心端
縁122である。そのほかに、中心端線122は中ダクト部材
Dに剛固に係止し、ステータTの構造を不動にせる。
各積層板120はその側縁にコイル受け入れ凹所123およ
び124を有する。これらの凹所には、後述するように、
上部および下部コイルユニットUが嵌めこまれる。
積層板120は端部へこみ126も有する。各へこみ126
は、後でモリブデン線を半径方向に巻くための側溝を画
定する。モリブデン線を半径方向に巻くことにより、第
3C図に示す構造を一体構造として維持することが可能に
なる。
この積層板120はさらに長溝128も含む。長溝128はボ
ルト130を通すのに用いられる(第3B図参照)。代表的
にはボルト130で、約100枚の積層板の1群を一緒にボル
ト締めする。
外側積層板132の厚みが内側積層板131の厚みより大で
あるのが望ましい。これにより、ボルト130で積層板を
並置面合わせ関係に維持するのがより効果的になる。
積層板の1群Gをボルト130で一緒に締結して第3B図
のような構造にすれば、第3C図に示す最終一体積層リン
グ構造の1要素が得られる。
第3C図に移ると、積層板群Gそれぞれがマンドレル14
0(破線で輪郭を示す)に対向している。ボルト130は、
積層板131および両側の2つの端板132間で相対移動が可
能となるような張力に設定される。積層板はそれらのマ
ンドレル140との当接面122で円弧の一部を形成する。第
3C図からわかるように、群G1の積層板端部122が円弧部
分A1を形成する。同様に、群G2の積層板端部122が円弧
部分A2を形成する。順次同様で、最後に群G12の積層板
端部122が円弧部分A12を形成する。
円弧部分A1〜A12がマンドレル140のまわりに連続して
完全な円を形成することが明らかである。この完全円が
第3C図に示す積層構造Lに用いられる内側リング構造と
なる。
この当接配列を終ったら、各群Gの側溝126にモリブ
デン線150を巻く。モリブデン線150は、群G1〜G12の積
層板1枚1枚の側溝部分にフープ張力を加える。このフ
ープ張力により個別の積層板120を中心方向へマンドレ
ル140に押しつける。このような押圧に際して、モリブ
デン線150のフープ張力は積層板120それぞれに半径方向
の張力を発揮する。そしてこれらの積層板は全部で内側
端部122で円弧部材を形成する。こうして一体の構造が
得られる。
代表的には、個々の群Gの交点にくさび部材を溶接す
るのが望ましい。このくさび打材の目的は、リング積層
構造をしっかり保持することにある。溶接されたくさび
152が群G8を形成する積層板と群G9を形成する積層板と
の間に示されている。同様な溶接されたくさびがリング
積層構造の全周に存在する。
なお、マンドレル140は支持面141を含む。その支持面
141は一部しか示されていない。組立が終ったら、リン
グ積層構造Lを支持面141から持ち上げる。リング積層
構造Lは、このままで第5図に示す最終ポンプPの作製
に用いることができる。
リング積層構造Lの製作について説明したので、つぎ
にナトリウム冷却原子炉の中心コアKについて説明す
る。
この発明の中心コア部材Kの構造は、第4A,4Bおよび4
C図を参照するのがわかりやすい。その後、第4D図を見
れば、コア部材KのステータTの中心への配置全体が理
解できる。
まず第4A図に、4種の積層板201,202,203および204を
示す。具体的には、第1群の積層板201が全体的くさび
構造210の第1部分を形成する。第2群の両側に並べら
れた積層板202がくさび構造210の第2隣接部分を形成す
る。第3群の積層板203がくさび構造210の薄い部分を形
成し、最後に積層板204がくさび構造210の最終部分を形
成する。
積層板それぞれにはダブテイル(あり溝)連結部220
が設けられている。このダブテイル連結部220にくさび
取付具240からの円形ダブテイル230が嵌まり係合する。
くさび取付具240を第4C図に示す。
くさびセグメントそれそれが約10゜を占めるのが好ま
しい。くさびセグメントをダブテイル取付具240に取り
付け、このとき3つのパイ形セグメントを並べて配置す
る。このような1群のパイ形セグメントが第4B図に211,
212,213で示され、これらが30゜の部分を占める。
中心管235が設けられる。管235はその壁に穴236があ
けられている。1群の並置積層板、たとえば群210の積
層板を取付具240のくさび形端部リム230と係合すると
き、取付具240のラグ242を管235の穴236に通す。
その後、傾斜部材238を設け、ボルト239をラグ242の
端部の穴241に挿入する。ボルト239を締め付けることに
より、傾斜部材238と穴241との間にくさび作用を発揮さ
せる。ボルト239を締め付けると、パイ形セグメント21
1,212,213が管235に向かって内向きに引っぱられる。
取付具240を用いてセグメントの連続体、たとえばセ
グメント211,212,213の連続体を中心管235のまわりに形
成することにより、円筒形積層構造が得られる。さら
に、取付具240を締め付けてくさび形群210を内向きに管
235に向けて引き付けることにより、円筒形積層体を有
する構造が得られる。
第4B図に示すように、管235に連続的に積層群、たと
えば群211,212,213を環状に取り付けたら、今度は中心
コア部材Kを金属膜で被覆する必要がある。代表的に
は、まず金属層250を巻きつけ、つぎに円筒形部材のま
わりにシーム251で溶接する。このようなシーム溶接の
結果、収縮が起こる。したがって、積層部材が連続膜25
0で包囲されていると考えることができる。この膜は液
体ナトリウムに対して不透過性であるので、ナトリウム
は中心コア構造Kを構成する個々の積層部材間の隙間区
域に入りこめない。
なお、ここで使用したクランプ具240はきつく締め
る。このようにきつく締めることにより、積層部材が包
囲膜Mまたは管235いずれに対しても動かなくなる。リ
ング積層構造Lの場合のように、ポンプを作用をなす磁
界の反力が相対移動を起こしたり、ポンプを早期に摩耗
する原因となるおそれがある。
第4D図に、コア要素Kの最終構造を片側のみについて
図示する。具体的には、中心管235が示されている。積
層部材の群210が取付具240により管235に保持されてい
る。読者は、管235の全長にわたって多数の取付具240が
使用されていることを理解されたい。
さらに、積層部材群の長さは個々別々でよい。中心コ
アKの全長は4.57m(15フィート)とすることができ、
積層部材自身は並置群内で長さ0.6m(2フィート)程度
でよい。積層部材群を端と端をつき合わせて配置するこ
とにより、中心導電コアの必要な長さを得る。
中心コアKの構造を説明したので、つぎにポンプの全
体の組立について説明する。このような組立体は第5図
にわかりやすく示してある。
第5図に、ポンプP全体を示す。ポンプPは、その中
心に中心コア部材Kが配置されている。読者は、このコ
ア部材Kが円筒形で、ポンプの中心ダクト部材Dに同心
に係合されていることを覚えているはずである。ダクト
部材Dが所定位置にあると仮定し、コイルユニットUと
積層リングLとを交互に積み重ねる。第1積層リングL
をポンプの底部に配置し、その後コイルユニットUと積
層リングLとを交互に積み重ねる。この積み重ねをポン
プの全長にわたって行なう。具体的には、96個のコイル
ユニットUを97個の積層構造Lの間に積み重ねる。
コイルユニットUの配線はその発明の構成要素ではな
い。
底部のポンプ入口24から頂部のポンプ出口26までの間
に、12の磁界を次々に発生する12個のコイルユニットU
を8群設けることを述べておけば十分であろう。これら
の移動磁界が次々と上方に無限継続式に発生する。この
無限継続が、コアKとダクトDの内面との間の隙間空間
に、運搬駆動磁界を発生するのである。
第5図に戻ると、ポンプの全長は外側ダクトDのまわ
りで上部圧縮リング300と下部圧縮リング302との間に圧
縮保持されていることがわかる。すなわち、各積層リン
グLは隣接リング間にコイルユニットUを捕捉し、コイ
ルユニットUを所定位置にしっかり押さえている。
さらに、積層リングLの厚みは個々の積層リングL間
の小さな隙間を規定する。この小さな隙間は熱伝導を保
証し、コイルユニットUを剛固な係止状態に維持する。
ポンプの全体構造を説明したので、ここで積層リング
Lと中心ダクトDとの熱膨脹締まりばねについて考えて
みよう。これは第3C図を参照すると一番理解しやすい。
第3C図を参照し、第5図についても簡単に触れなが
ら、リング積層構造のステータのダクトDへの熱的締ま
りばめを説明する。
リング積層構造は、最初ダクトDに小さなクリアラン
ス、すなわち2.54/10,000cm(1/10,000インチ)程度の
クリアランスで嵌まる寸法になっている。この場合はポ
ンプが低温状態にあるときに行なう。
いわゆる「コールドレッグ」は316℃(600゜F)程度
の高温にあることを思い出していただきたい。したがっ
て、中心ダクトおよび積層板120の膨脹が起こる。
この膨脹は周囲に巻かれたモリブデン線のフープ張力
により限定される。簡単に述べると、積層板の群Gが中
心ダクト部材に緊締される。
この構造から2つの利点が得られる。第一に、コイル
ユニットUの抵抗加熱がコイルから遠去かる方へ運ばれ
る。伝導路は、コイル受け入れ凹所123または124から当
接端部122、そしてダクトDを経て液体ナトリウムの
「コールドレッグ」に至る。538℃(1000゜F)の範囲の
運転温度を維持できる。
第二に、緊締により積層リング構造Lの中心ダクトD
に関する反発移動が防止される。これにより、ポンプの
構成部品の相対移動が防止され、機械的摩耗のない長い
ポンプ寿命が保証される。
【図面の簡単な説明】
第1A図は、従来のナトリウム冷却路の縦断面図で、平常
炉運転中のナトリウム流れループを示すとともに、ナト
リウムループのいわゆる「コールドレッグ」内の本発明
のナトリウムポンプの位置を示す。 第1B図は、第1A図の1B−1B線方向に見た炉の横断面図
で、単一のナトリウム冷却炉内の4個のポンプの配置を
示す。 第2A図は、この発明のコイルユニットを巻回する初期段
階の斜視図で、下側ら線巻きの3要素の個別のバススト
リップがプーリおよびおもりの仕掛で張力路に沿って張
力をかけられ、マンドレルを時計方向に回転して第1方
向に3要素のら線巻きコイルを形成し、一方この段階で
は巻回しないコルイ要素の第2半部をマンドレルの上に
乱雑なコイル巻き状態でよけてある。 第2B図は、第2A図と同様なマンドレルの斜視図で、コイ
ルの下側半部が巻き終っており、絶縁層が介在し、コイ
ルの上側半部をマンドレルを回転して巻いている。な
お、第2A図に示したのと同様のプーリの仕掛を用いる
が、図示していない。 第2C図は、第2B図の工程から巻き終ったコイルユニット
の斜視図で、コイルを一体に維持するための仮止めタイ
も示されている。 第2D図は、完成コイルユニットの斜視図で、コイルユニ
ットは絶縁材を巻いてまとめられている。 第3A図は、この発明の積層リングを形成するための1枚
の積層板の斜視図である。 第3B図は、リング構造に配置するために積層板の1群を
長溝にボルトを通して合体したものの斜視図である。 第3C図は、12個の積層板群をマンドレル(破線図示)に
向かい合わせ、モリブデン線で積層板にフープ張力をか
けて連続円を形成して作製した積層リング構造を示す斜
視図である。 第4A図は、この発明に用いる中心コア積層セグメントの
斜視図である。 第4B図は、中心コアをシースに包み、シーム溶接して、
液体ナトリウムに対して液密な構造とする際の説明図で
ある。 第4C図は、積層構造を有する中心コアを中心管に緊締し
て一体の円筒形磁界伝達部材を形成するためのクランプ
の斜視図である。 第4D図は、ポンプ中心コアの頂部の側面図で、中心コア
部材の構造を示す。 第5図は、96個のコイルユニットを97個の積層リング構
造の間に挟んだポンプの縦断面図で、コイルユニットは
15Hz,700Vの電源に接続され、ナトリウムをポンプの底
部入口からポンプの頂部出口まで伴走させるための一連
の上向きに移動する磁界を発生する。 主な符号の説明 A1−A12……円弧、B1,B2,B3……バスストリップ、D…
…ダクト、G1−G12……積層板群、I……絶縁層、K…
…中心コア、L……積層リング、M……マンドレル、P
……ポンプ、S……液体ナトリウム、T……ステータ、
U……コイルユニット、W1,W2,W3……おもり、42……捕
集面、44……絶縁層、51,52,53……湾曲部、62……下側
コイル半部、64……上側コイル半部、68……張力路、7
1,72,73……プーリ、91,92,93,101,102,103……端部、1
05……絶縁層、120……積層板、122……中心側端部、12
3,124……コイル受入凹所、126……側溝、128……長
溝、130……ボルト、140……マンドレル、150……モリ
ブデン線、210,202,203,204……積層板、210……くさび
構造、211,212,213……セグメント、220……ダブテイル
溝、235……中心管、230……くさび部材、240……取付
具、250……絶縁膜、300,302……圧縮リング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カルビン・ウィリアム・ウェスト アメリカ合衆国、カリフォルニア州、リ バーモア、メリット・レーン、1563番 (56)参考文献 実開 昭63−7989(JP,U) 実開 昭61−114946(JP,U) 実公 昭58−14704(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 44/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形中心ダクト(D)の周りに配置され
    た複数の円形な個別コイル素子(U)と、 前記中心ダクトに対して前記コイル素子(U)を配置す
    るための磁界を通す材料のリング積層構造(L)とを含
    む液体ナトリウム用浸漬型ポンプであって、 前記リング積層構造(L)が、複数の積層素子(120)
    を側面同士を合わせた複数の群(G)からなり、各積層
    素子は、前記中心ダクトの軸に平行な面内に延在してい
    て、 前記積層素子(120)の各群(G)が前記中心ダクト
    (D)に対して当接されて該中心ダクトの弓形部分のま
    わりに円弧を形成し、 前記積層板群(G)それぞれが、前記中心ダクトの半径
    に平行な積層板(120)を少なくとも1枚有し、かつ前
    記中心ダクトに当接して該中心ダクトに隣接して該中心
    ダクトを完全に取り囲む連続円弧を形成し、 前記積層板群(G)それぞれが、コイル受入凹部(123,
    124)を画定して前記コイル素子を受け入れその間に堅
    く締めつけ、 前記積層板の群(G)を半径方向に前記中心ダクトに向
    けて結束する結束手段(150)が前記積層板群を連続円
    弧として保持し、かくして前記積層リング構造を前記中
    心ダクトに関して一体構造として処理でき、さらに、 前記コイル素子をその間に堅く締めつけるために前記リ
    ング積層構造及び前記コイル素子(U)を前記中心ダク
    トの長さ方向に沿って一緒にその間に圧縮する手段(30
    0,302)を特徴とするポンプ。
  2. 【請求項2】前記積層素子(120)それぞれが、前記円
    弧位置で膨脹、収縮し、加熱時に前記中心ダクト(D)
    に緊締する熱膨脹係数を有する第1材料から形成され、 前記結束手段(150)が前記積層素子に半径方向の張力
    を加え、かくして前記積層素子の膨脹によりこの膨脹積
    層板が前記中心ダクトに緊締する請求項1に記載のポン
    プ。
  3. 【請求項3】前記コイル素子(U)が前記中心ダクトを
    取り囲む個別のら線コイル構造を有し、リング積層素子
    (120)の前記複数の群(G)が前記積層素子の両側に
    前記コイル素子を受入れ堅く締め付けるための上部及び
    下部コイル受入凹部(123,124)を画定し、前記中心ダ
    クトの内部に磁気伝達性中心鉄コア部材(K)を配置
    し、これにより、ら線状磁界を前記中心ダクトの底部
    (26)から頂部(28)に向けて搬送するようにした、請
    求項1に記載のポンプ。
  4. 【請求項4】平坦な主平面を有しその2つの離間した側
    縁が全長にわたって一定幅のストリップを画定し、平坦
    な屈曲性導電性材料から形成された少なくとも1個の細
    長いストリップ(B1)と、 前記ストリップを包む絶縁層(44)と、 前記コイル素子のら線上半部および下半部を形成する上
    側ら線巻き(64)と下側ら線巻き(62)との間に転移部
    を画定する、前記ストリップの主平面につくられた中央
    湾曲部(51)とを含み、 前記ら線下半部が第1回転方向に前記中央湾曲部から前
    記コイル素子の1端まで外巻きにら線巻回されて、前記
    ストリップの全長の半分がら線巻きに配置され、順次の
    巻きの平坦な主面が互いに向かい合い前記ストリップの
    1端(91)で終端する連続的な外巻きのら線層をなし、 前記ら線上半部が第2回転方向に前記中央湾曲部から前
    記コイル素子の1端まで外巻きにら線巻回されて、前記
    ストリップの全長の残り半分がら線巻きに配置され、順
    次の巻きの平坦な主面が互いに向かい合い前記ストリッ
    プの他端(101)で終端する連続的なら線巻きの層をな
    し、これらの層が同じ第1回転方向にら線巻回され、こ
    れにより前記中央湾曲部で直列接続された前記ら線下半
    部および上半部が電流導通時に相補的な磁界を生成し、
    さらに、 前記ら線上半部および下半部を絶縁して前記コイル素子
    の遠隔部分間に電気アークが発生するのを防止する手段
    (I)と、 前記ら線上半部および下半部を一緒に結束して個別に取
    り扱うのに適当な一体部品を形成する手段(96)を含む
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポンプ。
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