JP2776633B2 - ストレプトコッカス・スイスの病毒性をコードするdna配列,該dna配列の一部,該dna配列に由来するポリペプチドおよび抗体 - Google Patents

ストレプトコッカス・スイスの病毒性をコードするdna配列,該dna配列の一部,該dna配列に由来するポリペプチドおよび抗体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、家畜およびヒトの予防医薬の分野、特に細
菌ストレプトコッカス・スイスの病原菌株による感染の
診断および予防の分野に関するものである。
離乳時の子豚における、ストレプトコッカス・スイス
血清型2による感染は、1983年以来オランダで問題が大
きくなってきている。この感染症は、髄膜炎、関節炎、
敗血症および致死を特徴とする(Clifton−Hadley 198
3,ref.6;Vechet et al.1985,ref.44;Windsor 1977,ref.
50)。農家の5−10%がこの種の問題を抱えていると推
定されている。死亡率は2.5%であり、影響を受けた農
家での疾病率は平均2−5%である。治療および予防手
段は効果が限られるので、経済的損失はかなりのぼる。
この疾病は人獣共通伝染病である。ヒトもまた、一生の
副作用を伴う髄膜炎や敗血症に羅り易く、希ではあるが
死亡の症例も報告されている(Arends,Zanen 1988,ref.
2)。これらの殆どは、皮膚に傷のある人が感染した豚
と接触する場合に関係している。特に、養豚業者や屠殺
場のスタッフが危険グループに属する。
1983年以来、オランダにおいて養豚農家で増加してい
る疾病率は、ストレプトコッカス・スイス2型のキャリ
アである家畜動物の輸入に起因しているとの指摘があ
る。キャリアは、扁桃腺や上部気管支の粘膜にストレプ
トコッカスを保持している通常は健康な成豚である。感
染症は、これらのキャリアを経て履患し易い動物、即ち
離乳期の小豚に頻繁に伝染する。既に病気になった動物
あるいは死亡した動物の診断は、検死後の臨床学的なサ
ンプルまたは器官からの、ストレプトコッカス・スイス
2型の単離および同定に基づいて行う。キャリアの検出
は、選別/選択培を用いた、鼻もしくは喉のスワッブま
たは扁桃腺切除組織の生物学的検査に基づいて行なわれ
る(Van Leengoed et al.1987,ref.27)。キャリアを検
出する診断試験に基づいて、制御計画を制定することは
可能であろう。しかし、従来の生物学的技法を使用する
キャリア試験は時間がかかり、多数のサンプル処理が複
雑になり、汚染菌の増殖によって偽陽性になる危険性も
ある。また、テストの解析にはかなりの経験が要求され
る。加えて、診断および該診断に基づく制御は、ストレ
プトコッカス・スイス2型の菌種間で病毒性に相違が生
じるために更に複雑になる。制御計画におけるキャリア
検出のための標準試験は、真に病毒性のストレプトコッ
カス・スイス2型の菌株を無病毒性の菌株から識別でき
るときにのみ意味がある。現在の診断技術ではこの様な
識別がなされない。従って、ストレプトコッカス・スイ
ス2型菌株のキャリアを検出することにより該疾患を制
御することは未だ可能になってはいない。
病毒性の差異は、特に病毒性因子の有無に起因する。
1984年に既に、Arends and Zanen(ref.1)は、ヒトの
菌株における「リゾチーム陽性タンパク」について記述
している。実験動物を用いた研究においては、「リゾチ
ーム陰性」菌株(T−15)とは対照的に、「リゾチーム
陽性」菌株(D−282)がノトバイオート(既知菌保有
動物)の豚に対して病毒性であることがわかった(Vech
t et al.1989,ref.43)。「リゾチーム陽性タンパク」
は、D−282株のムラミダーゼ放出蛋白(MRP)とおそら
く同一であろう。
オランダおよび他の諸国の養豚産業は、少数の育種群
を頂点に、そこから豚が繁殖群に供給されるというピラ
ミッド構造を有している。これによって肥えた豚群が多
数供給され、これら豚群から動物製品が最終的に屠殺場
にまわされる。診断に基づく制御計画(農場の認可、陽
性キャリアの排除、輸入規制)は、基本的にはこのピラ
ミッドの頂点に、ストレプトコッカス・スイス2型に感
染していない動物群を創製することを主な目的とするべ
きである。ワクチンは、主としてピラミッドの下位の動
物群に効果を与えるのに有効であろう。更に、ストレプ
トコッカス・スイスの感染を診断する手段および方法
は、人間の医療においても価値がある。
本発明の目的は、一方では、ストレプトコッカス・ス
イスによる感染を現在より更に有効な方法で検出するこ
とを可能とし、他方では、感染した豚やキャリア豚を排
除することによる感染の予防を可能にする手段および方
法を提供することにある。
この目的は、ストレプトコッカス・スイスの特有の病
毒性をコードする遺伝子のDNA配列を使用することによ
り達成される。ここで特有の病毒性とは、その存在が微
生物(この場合はストレプトコッカス・スイス、特に血
清型2)の病毒性と関連するポリペプチドとして定義さ
れる。
ストレプトコッカス・スイス2型病毒性菌株の二つの
遺伝子であって、MRP(ムラミダーゼ放出蛋白)およびE
F(細胞外因子)と命名された病毒性(病毒性因子)を
有すると思われる二つの蛋白を夫々コードしている遺伝
子が見出された。MRPおおびEFは高分子蛋白である。MRP
(136kD)は細胞エンベローブ関連蛋白であり、ムラミ
ダーゼによって細胞壁から放出される蛋白である。EF
(110KD)は、細菌によって増殖培地中に分泌される細
胞外蛋白である。EFは、EFと表示される更に高分子量
のカウンターパートを有する。
本発明は、病毒性株と無病毒性株を識別することがで
きる新診断方法を提供する。これらの方法は、MRP、EF
およびEFをコードする遺伝子、並びにその発現産生物
に基づいている。これら遺伝子による一方または両方の
蛋白の発現により、ストレプトコッカス・スイス2型に
は三つ異なる表現型、即ち、MRP+ EF+表現型、MRP+
EF−表現型、MRP− EF−表現型があることが今までに判
明している。疾病の臨床的徴候を示す豚の器官から単離
された菌株は、その77%(n=111)がMRP+ EF+表現
型を有している一方、感染の疑いのない正常な屠殺豚の
扁桃腺から単離された菌株は、その86%(n=42)がMR
P− EF−表現型を有していることが分かった。ストレプ
トコッカス・スイス2型に感染したヒト患者からの単離
物中では、MRP+ EF−表現型が最も高頻度(74%)(n
=27)で発見された(第10参照)。従って、病毒性菌株
の感染動物およびキャリアが発見され得、またMRP、EF
および/またはEFに基づくワクチンが開発され得る。
こうして、ストレプトコッカス・スイス病毒性菌株のキ
ャリアを検出することが可能となり、ワクチンの開発が
可能となる。キャリアおよび感染した家畜豚群を検出す
る診断方法の使用、および/またはMRP、EFおよび/ま
たはEFに基づくワクチンの使用によって、家畜豚にお
けるストレプトコッカス・スイス2型による感染の制御
計画を開発することが可能となる。
それ故、本発明は、特定の高分子量ポリペプチドのコ
ーディングに加えて、ストレプトコッカス・スイスの病
毒性に特徴的な90−120kDaのポリペプチドをコードして
いる遺伝子(この遺伝子は以後「ef遺伝子」と呼称さ
れ、ストレプトコッカス・スイス血清型2、D−282株
の図1Aに従うヌクレオシド配列を有する)のDNA配列、
該配列の等価配列、および該配列の一部に関する。EFを
コードしている全領域のヌクレオチド配列およびフラン
キング配列が決定された。ef遺伝子(図1A)の配列の分
析によって、843アミノ酸(計算分子量:90,014)のポリ
ペプチドをコードする2529ヌクレオチドのオープンリー
デングフレームが与えられる。110kDaのEF蛋白に向けて
生成されたモノクローナル抗体は、MRP+ EF−表現型を
もつ全38種の菌株の培養上澄液中に存在する高分子量蛋
白を認識した。これは、110kDa EFの或る種のエピトー
プと該高分子蛋白とが同一であることを示す。MRP+ EF
+表現型をもつ91の菌株は、何れもこれらの高分子蛋白
を産生しないことがわかった。同時に、110kDa EFをコ
ードする遺伝子に基づくDNAプローブは、MRP+ EF−菌
株の前記高分子蛋白をコードする遺伝子とハイブリダイ
ズすることが判った。これは、110kDa EFと該高分子蛋
白とが関連していることを示し、MRP+ EF−表現型をも
つ菌株由来のef遺伝子の少なくとも一部が、MRP+ EF+
表現型を持つef遺伝子と同一であることを示唆する。蛋
白EFの高分子カウンターパートは本明細書ではEFと呼
称され、これをコードする遺伝子はef遺伝子と呼称さ
れる。対応するヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を
図1Bに示す。
本発明はまた、ストレプトコッカス・スイスの病毒性
に特有の135−136kDaポリペプチドをコードする遺伝子
(この遺伝子は以後「mrp遺伝子」と呼称され、ストレ
プトコッカス・スイス血清型2、D−282の図2に従う
ヌクレオチド配列を有する)のDNA配列、該配列の等価
配列、および該配列の一部に関する。MRPをコードして
いる全領域のヌクレオチド配列とフランキング配列が決
定された。mrp遺伝子(図2)の配列の分析によって、1
256アミノ酸(計算分子量:135,794)のポリペプチドを
コードする3768ヌクレオチドのオープンリーデングフレ
ームが与えられる。
ここで、「等価配列」とは、本質的に表示配列と同一
の配列を具備するが、置換、血失、挿入、付加により引
き起こされるポイント突然変位、または他の修飾等の若
干の相違を示し得るものである。同様に、同等配列と
は、ヌクレオチド配列に如何なる相違があろうと、表示
配列またその相補的配列とハイブリダイズする配列を具
備するものをいう。また、ヌクレオチド配列に相違があ
ろうとも、同じアミノ酸配列をコードする関連配列を具
備したものを意味する。
本発明はまた、調節遺伝子の存在下に、上記ef/ef
遺伝子および/またはmrp遺伝子配列を含む組換ポリヌ
クレオチドに関する。ウイルスベクター、プラスミドま
たは細菌等のこのタイプの組換体は、例えば、ストレプ
トコッカス・スイスの病毒性菌による感染の診断または
該感染の制御を意図して免疫性ペプチドを産生するため
に、望ましい環境において該遺伝子またはその関連部分
を発現させるために用いられ得る。
ストレプトコッカス・スイスの病毒性をコードする遺
伝子から誘導される上記配列を含んだポリヌクレオチド
プローブもまた、本発明の一部である。このタイプのプ
ローブは、特に、前記2つの遺伝子の一方のヌクレオチ
ド配列の一部と一致する。このプローブは、ストレプト
コッカス・スイスの病毒性菌株の配列の有無を直接検出
するために利用できる。このプローブはまた、診断方法
または予防方法の一部として、ポリヌクレオチドの増幅
(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)のためのプライマー
の基礎としても使用され得る。
適切なポリヌクレオチドプローブは、mrp遺伝子の配
列1100−1934に由来する、少なくとも10ヌクレオチド、
好まししくは15ヌクレオチド以上、最高835ヌクレオチ
ドを含む部分配列であることがわかった。他の適切なポ
リヌクレオチドは、ef遺伝子の配列2890−3306に由来
する10−417、特に15−417ヌクレオチドを含む部分配列
であることがわかった。これらのプローブは、ストレプ
トコッカス・スイスの病毒性菌株と無病毒性菌株とを有
効に識別する。mrpに基づくプローブとefに基づくプ
ローブとの組み合わせは、特に有力な診断手段である。
本発明はまた、上記ポリヌクレオチド配列に由来する
ポリペプチドに関する。このタイプのポリペプチドは、
該配列のよってコードされるか又は該配列の発現によっ
て得られるかの何れかであり、本質的にストレプトコッ
カス・スイスの病毒性蛋白または該蛋白の一部に対応し
ている。このタイプのポリペプチドは、例えば免疫検査
における抗原として、哺乳類の免疫感作の際の免疫原と
して、あるいは診断目的のための抗体産生用免疫原とし
て用いられ得る。このようにして産生された抗体もま
た、本発明の一部である。この様な抗体はポリクローナ
ル、またはモノクローナルであり、マーカー(酵素、ア
イソトープ、経口物質、複合体形成剤)と結合されても
よい。また、該抗体は固体キャリアと結合されてもよ
い。
本発明はまた、上記のポリヌクレオチドプローブ、ポ
リペプチド、および/または抗体の一以上を用いた、ス
トレプトコッカス・スイスの病毒性菌または無病毒性菌
による感染の検出方法に関する。ここで「感染」とは、
疾患の臨床的徴候がある場合(狭義の感染)および疾患
の臨床的徴候が無い場合(広義の感染または汚染)の何
れにおいても、病毒性生物の存在を意味する。サンプル
中または臨床材料中におけるストレプトコッカス・スイ
スの抗原および/またはストレプトコッカス・スイスに
対する抗体の存在を決定する等の免疫検査を行なうため
には、例えば、マイクロタイタープレート上で、ef/ef
遺伝子またはその一部によってコードされるポリペプ
チド(110 kDa)および/またはポリペプチドに対して
産生された抗体を用いることが可能である。加えて、mr
p遺伝子またはその一部によってコードされたポリペプ
チド(136 kDa)、および/または該ポリペプチドに対
して産生された抗体も利用できる。この診断方法は、公
知の手段を用いて実行できる。例としては、酵素結合免
疫収着アッセイ(ELISA)および二重抗体サイドウイッ
チ(DAS)−ELISAがある。
上記の方法は診断キットにより実行できる。本発明に
よる診断キットは、ef/ef遺伝子もしくはmrp遺伝子の
配列もしくは該配列の一部に対応するポリヌクレオチド
もしくはポリペプチド、または該配列から誘導されたポ
リヌクレオチドもしくはポリペプチドの少なくともひと
つを含むか、或いは該ef/efおよびmrp配列の一つに由
来するポリペプチドに対して産生された抗体を含む。プ
ローブの組み合わせ(特にef診断剤およびmrp診断剤
の組み合わせ)、または例えばPCRを行うためにプライ
マーの組み合わせを用いることも可能である。キットに
は、診断をおこなうマニュアルと共に、試薬(標識成
分、色素等)、サポート(フィルター、プレート等)、
培地および標準換剤等の必要な構成要素が含められ得
る。
本発明は、上述したポリヌクレオチド、ポリペプチド
または抗体を使用して、哺乳類をストレプトコックス・
スイスの感染から保護する方法に関する。EF,EF,MRP
に由来する抗体はストレプトコッカス・スイスの殆どの
病毒性型に対して作用するので、抗体を使用する場合の
方法は、病毒性の生物に対して直接抗体を供給する受動
免疫法である。この種の手段は、感染の予防または制御
に有効であり、特に予防すべき動物が自分自身で十分な
抗体を産生できない場合、たとえば既に感染している場
合あるいは子供の動物である場合に有効な方法である。
豚の場合の受動免疫の他の形態は、雌豚から初乳を経
て小豚へ抗体を投与する受動免疫である。こ雌親は妊娠
中、即ち誕生の前に、一方または両方のポリペプチドで
能動的に免疫化される。ポリペプチド、またはポリヌク
レオチド(組換生物の形も選択可)を使用する場合、そ
の方法は能動的免疫化であり、免疫換ポリペプチドの投
与(直接投与または遺伝子を投与し発現される)によっ
て、保護すべき動物の抗体産生を刺激する。
免疫化に適した別の方法は、病原性の原因となる活性
が予め中和されたポリペプチドを投与することである。
この様なポリペプチドは、免疫原特性は保持してはいる
が、もはや病原性ではない。このようなペプチドは、例
えば本来のef/ef遺伝子またはmrp遺伝子を欠失等の手
段により改変し、該改変遺伝子を発現させることによっ
てられる。
ストレプトコッカス・スイスによる感染から哺乳類を
保護するためのワクチンであって、上述のポリヌクレオ
チド、ポリペプチドまたは抗体を含むものもまた、本発
明の一部を形成する。
本発明による特別のワクチンは、EFまたはMRPに対応
するポリペプチドを少なくとも一つを発現しないか、完
全には発現されないストレトコッカス・スイス菌物質を
含むワクチンである。この菌物質は、非病毒性または弱
毒性の潜在生活菌を由来するか、または該生活菌によっ
て形成されている。
ストレプトコッカス・スイス2型の病毒性に含まれる
病毒性因子の役割は、病原性因子(MRP、EF)のわかっ
ているストレプトコッカス・スイス2型を保有するノト
バイオテック/無菌の小豚を使用して、in−vivoで研究
された。動物実験は、血液学的、細菌学的、組織病理学
的分析技術によってモニターされた。
図面の説明 図1A: ef遺伝子のヌクレオチド配列およびこれに近接する配
列、並びに該配列から誘導されるEFアミノ酸配列。推定
リボソーム結合位置、推定プロモーターの−35および−
10領域、並びに相補的対称性を有する領域を印を付して
ある。シグナルペプチダーゼの切断可能部位はヌクレオ
チド498−499の間にある。
図1B: 菌株1890のストレプトコッカス・スイス2型ef遺伝
子をコードする断片のヌクレオチド配列、およびクラス
IのEF蛋白の推定アミノ酸配列。推定リボソーム結合
部位、推定プロモータ配列の−35領域および−10領域、
繰り返し領域R1−R11、並びに推定終始シグナルが示さ
れている。110kDa EF蛋白をコードしている遺伝子で
は、ヌクレオチド2859と5228の間の領域が欠失してい
る。クラスIVおよびクラスVのEF蛋白をコードする遺
伝子では、ヌクレオチド3423と4456の間の領域が欠失し
ている。
図2: ストレプトコッカス・スイス2型のmrp遺伝子を有す
るEcoR I−Hind III断片(4.6kb)のヌクレオチド配
列、および該遺伝子から誘導されるMRPアミノ酸配列。
推定リボソーム結合部位、推定プロモータ配列の−35お
よび−10領域、mrp遺伝子外の相補的対称領域、シグナ
ルペプチダーゼの推定切断部位、多プロリン領域、繰り
返しアミノ酸配列、並びにエンベロープ・アンカー領域
が示されている。
図3: プラスミドベクターpKUN19(24)内にサブクローニン
グされるef含有断片の制限酵素地図。オープンリーデイ
ングフレームはボックスで囲んである。制限酵素部位は
次の通りである。B:BamH I;Bg:Bgl II;E:EcoR I;K:Kpn
I;N:Nar I;P:Pst I;S:SnaB I;Sa:Sal I;Sp:Spe I。
図4: 110kDa EFの蛋白をコードする遺伝子およびフランキ
ング領域の概略を示す模式図。EFはオープンリーデイン
グフレーム1(ORF1)によりコードされる。ORF1の3′
末端はORF2の5′末端と重なっている。ORF2とORF3と
は、TAA終始コドンにより分離されている。関係する制
限酵素部位が表示されている。
図5: 異なる5つのクラスのef遺伝子efにおける、遺伝子
のPst I−SnaB I断片の概略を示す模式図。矢印は繰り
返しアミノ酸配列単位を示す。線は異なる菌株に存在す
る領域を示す。ギャップは異なる菌株における欠失部に
示す。
図6: クラスIV及びVのef遺伝子に欠失している断片の末
端近傍におけるヌクレオチド配列(A)、並びにef遺伝
子に欠失している断片の末端近傍におけるヌクレオチド
(B)。一番上および真上の配列は、欠失断片の左右末
端両側面に位置する領域を示す。一番下の配列は、クラ
スIVおよびVのef遺伝子(A)、およびef遺伝子
(B)に見られる接合部を示す。直接繰り返し配列は箱
中に示されている。太字のヌクレオチドは、翻訳3塩基
連鎖の最初の塩基を示す。数字はクラスIのef遺伝子
におけるヌクレオチドの位置(図1B)を示す。
図7: A.推定MRP陽性組換バクテリオファージのDNA挿入物にお
ける制限酵素地図。太線は、これらのクローン全てに存
在するDNA領域を示す。制限酵素部位は次の通りであ
る。E:EcoR I;H:Hind III;X:Xba I;K:Kpn I;S:Sac I. B.プラスミドベクターpKUN19(24)中にサブクローニン
グされるDNA挿入物の一部。
図8: MRPに対するモノクローナル抗体によって選別され
た、組換プラスミドおよび組換バクテリオファージによ
ってコードされた蛋白のウエスタンブロット分析。レー
ン1:陰性対照;ストレプトコッカス・スイスのMRP−陰
性菌株の細胞壁から抽出された蛋白。レーン2:菌株D−
282の細胞壁から抽出された蛋白を含むMRP粗調整物。レ
ー3:pMR7−1。レーン4:pMR7−2。レーン5:pMR9−1。
レーン6:pMR9−2。レーン7:pMR10−1。レーン8:pMR10
−2。レーン9:対照入物を持つラムダGEM11。レーン10:
ラムダクローン7。レーン11:ラムダクローン9。レー
ン12:ラムダクローン10.レーン13:ラムダクローン11。
図9: 抗MRP/EFラビットK191血清(1:500希釈)でプローブ
された、プロトプラスト上澄液(PPS)、溶媒上澄液(C
ult.Sup)、および膜ベシクル(Membr.)分画のウエス
タンブロット。レーンの名称は菌株の番号である。
図10: 抗MRP/EFラビット血清(K191)、抗MRP血清、および
抗EF血清(1:500希釈)でプローブされた、ストレプト
コッカス・スイス2型菌株の細胞培養上澄液のウエスタ
ンブロット。このPAbsによって、ストレプトコッカス・
スイス2型の三種の表現型、即ち、MRP+ EF+、MRP+ E
F-、およびMRP- EF-が明らかになった。レーンの名称は
菌の名前である。参照菌株1(D−282)および菌株3
−9は、ストレプトコッカス・スイス・メニテイス(me
ningitis)感染豚から単離された。参照菌株2(T−1
5)および菌株10,12,16,17は、健康な豚の扁桃腺から単
離した。菌株22,23,24,25,26,28,及び29は、人間の患者
から単離した。
図11: MRPのハイドロパシー(hydropathy)特性図。線の上
部および下部の配列は、夫々疎水性領域および親水性領
域を示す。
図12: MRPのC末端アミノ酸配列と、グラム陽性バクテリア
の数種の細胞エンベローブ関連蛋白との相同性。ストプ
トコッカス・スイスMRPのアミノ酸配列を、ストレプト
コッカス・ピオジーンズ(pyogenes)M6蛋白(20)、ス
タフィロコッカスアウレウスの蛋白A(16)、グルーG
ストレプトコッカスの蛋白G(10)ストレプトコッカス
ピオジーンズのAP4(13)、ラクトコッカス・ラクチス
のLP(46)、ストレプトコッカス・ミュータンスのWAP4
(11)、ストレプトコッカス・ピオジンズのT6(38)、
スタフィロコッカスアウレウスのFn−BP(39)とを比較
した。
図13: MRPにおける繰り返し単位のアミノ酸配列の比較。相
同領域は箱で囲んである。
図14: プローブとして使用されたmrp遺伝子断片およびef遺
伝子断片。格付の頂部には、プローブを作るために使用
された制限酵素部位が示されている。プローブとして使
用された断片は太い横棒で示されている。太い横棒の左
にはプローブの略号が記載されている。矢印は各遺伝子
のオープンリーデイングフレーム(ORF)を示す。
図14a:mrp遺伝子のプローブ。Sac IおよびHind III部
位は本来備わっている物ではなく、mrp遺伝子断片をサ
ブクローンすることによって創製される。
図14b:ef遺伝子のプローブ。
図14c:ef遺伝子のプローブ。白抜き横棒は、ef
伝子の挿入配列(ef遺伝子の一部ではない)を示す。
図15: PCRの明細。ストレプトコッカス・スイス2型菌株の
染色体DNA(10ng)が、プライマーp−15,p−16,p−34,
およびp−35と一緒にPCRに使用された。レーン1〜4
にはMRP+ EF+菌株(D−282,3,10及び22)、レーン5,6,
7及び9にはMRP+ EF菌株(17,24,26,28)、レーン10
〜14にはMRP- EF-菌株(T15,12,16,18及び25)の夫々増
幅されたDNAが含まれる。また、レーン15には陰性対
照;即ちDNA以外の全成分が含まれる。レーン8及び16
には、Hind IIIとEcoR Iで消化分解された300ngの寸法
マーカー・ラムダDNAが含まれる。
図16: mrp及びefプローブを用いた、13のストレプトコッカ
ス・スイス2型菌株のドットスポットハイブリダイゼー
ション。各実験において、A列には4つのMRP+ EF+菌株
(D282,3,10および22)の1ug/スポートのDNAと、一つの
陽性対照が含まれる。B列には、4つのMRP+ EF菌株
(17,24,26及び18)が含まれる。C列には、5つのMRP-
EF-菌株(T15,12,16,18,及び25)が含まれる。
実施例1 病毒性ストレプトコッカス・スイス2型菌株110kDa細胞
外蛋白をコードしている遺伝子のクローニングおよびヌ
クレオチド配列分析 <材料および方法> バクテリア菌株および成育条件 E.coli JM101株(29),及びLE392(33)を、組換プ
ラスミドおよびバクテリオファージのホストとして使用
した。ストレプトコッカス・スイス2型の病原性MRP+ E
F+ D282株(43)が、染色体DNAを単離するために使用さ
れた。E.coli菌株をルリア(Luria)ブロスで(30)で
生育させた。必要に応じ、アンピシリンを最終濃度50ug
/mlになるまで加えた。ストレプトコッカス・スイス菌
株はTodd−Hewittブロス(Oxoid,Ltd.London,England)
で生育させた。
DNAライブラリの構築及び免疫学的スクリーニング クローニングベクターの製造者(Promega,Madison,US
A)が推奨するように、ラムダGEM−11中で、ストレプト
コッカス・スイス2型D282株のDNAライブラリーを構築
した。組換バクテリオファージをE.coli LE392株の上に
プレートし、16時間37℃でインキュベートした。
ニトロセルロースフィルター(Schleicher and Schue
ll,Inc.,Dassel,Germany)をプラークの上に置き、プレ
ートを更に37℃で2時間インキュベートした。EFを産生
する組換体を、EF指向性モノクローナル抗体(Mabs)
(実施例4)によって可視化した。結合された抗体を、
マニアテイスら(28)の記載のように、アルカルフォス
ファターゼに結合した抗マスク血清(Zymed Laboratori
e,Inc.San Francisco.USA.)で検出した。選別されたEF
陽性クローンを、単一プラーク単離および免疫的スクリ
ーニングを数回行うことにより精製した。
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアマイド
ゲル電気泳動(PAGE)およびウエッスタンブロット分析 蛋白を、4%の積層ゲル及び6%の分離ゲルを用いた
SDSゲル電気泳動により分離した(26)。分離された蛋
白を、半乾燥転写セル(Bio−Rad Laboratories,Richmo
nd,UAS)内のニトロセルロースに移した。特異的蛋白
を、EF指向性のポルクロナール抗体(Pabs,実施例4)
またはMabs、およびアルカリフォスファターゼに結合し
た抗ウナギ血清または抗マウス血清(Zymed Laboratori
es)を用いて可視化した。
DNA操作およびヌクレオチド配列分析 標準の分子生物学的技術(28)を用いて、選別された
制限酵素断片をプラスミドベクターpKUN19(24)内にサ
ブクローニングした。Promega社(Madison,USA)のEras
e−a−Baseシステムを用いて、進行性単方向欠失を作
成した。DNA配列は、ジデオキシ・チェイン・ターミネ
ーター法(37)によって決定された。DNAおよび蛋白配
列を、ソフトウエアパッケージPCGENE(Intelli−genet
ics Corp.,Mountain View,CA)およびウィスコンシンGC
G(University of Wisconsin)によって解析した。
<結果> ef遺伝子のクローニング ストレプトコッカス・スイス2型のD282株から染色体
DNAを単離することにより、DNAライブラリーを構築し
た。このDNAを制限酵素Sau3Aで部分的に消化分解し、バ
クテリオファージラムダGEM11置換ベクター中にクロー
ン化した。このライブラリーは、DNA 1ug当たり約5 x 1
05の組換体を含んでいた。組換ファージの2,000のプラ
ークについて、EF指向性Mabを用いることにより、EFの
抗原決定因子の有無を調べた。二つのプラークが陽性で
あった。この選別された二つの組換バクテリオファージ
によるEFの発現について、プラークから溶出する蛋白を
ウエスタンブロッテイングで分析することにより調べ
た。両組換体とも、ストレプトコッカス・スイスによっ
て分泌されたEFと一緒に移動し、且つ抗EF指合性Mabsで
認識される蛋白をコードしていた。このように、組換バ
クテリオファージ両方とも完全なEF遺伝子情報を含んで
いた。制限酵素分析を用いて、組換バクテリオファージ
上のEFの遺伝子情報の位置が調べられた。二つのクロー
ンは、約13kbのDNA領域を共に有していた。この共通DNA
領域の一部組換プラスミドpKUN19(図3)中にサブクロ
ーン化し、組換プラスミドにより発現された蛋白をウエ
スタンブロットで分析した。6.8kbのKpn I−Sal I断片
(pEF2−19,図3)を含むプラスミドは、EF指向性Mabs
によって認識され且つEFと同一の分子量を有する蛋白を
コードしていた。しかし、5.8kbのEcoR V−Sal I断片ま
たは5.3kbのBgl II−Sal I断片を含むプラスミドは、EF
を発現しなかった。これらのデータは、EcoR VおよびBg
l II部位がEF発現に必要な領域内に在ることを示してい
る。
ef遺伝子のヌクレオチド配列 EFコード領域を含む断片のヌクレオチド配列を決定し
た。この配列(図1A)は3つ主要なオープンリーデイン
グフレーム(ORFs)を示している。ORF1(ヌレオチド36
1〜2890)、ORF2(ヌクレオチド2856〜ら3459)、ORF3
(ヌクレオチド3462〜4053)は、夫々843,201,および19
7個のアミノ酸をコードしていた。ORF1は、、数種のグ
ラム陽性菌(17)のリボソーム結合部位に類似した配列
の後に、ATG開始コドンを含んでいた。これとは対照的
に、ORF2,およびORF3の上流には、開始コドンもリボソ
ーム結合部位も見付からなかった。ORF1の3′末端およ
びORF2の5′末端は、異なるフレーム中にあるにも拘ら
ず重複している。また、ORF2,及びORF3は一つの終始コ
ドンによって分離されている。ORF1の上流には、グラム
陽性菌(図1A)に共通して見られるプロモータの−35及
び−10コンセンサス配列領域に近似した2つの推定プロ
モーター配列が見出された。また、ORF3の下流には、伸
長した2回対称の二つの領域が存在する。この二つの領
域は、可能なステムループ状構造の末端にチミジン残基
のストレッチ部を含むので、これら可能な転写ターミネ
ータはrho依存性ではないと思われる(34,40)。配列デ
ータによると、ORF2,およびORF3の中、並びに該ORFの上
流には明確な転写および翻訳信号が見られないので、こ
れらのORFが蛋白を発現するかどうかは疑わしい。他の
可能性は、全全体の配列領域に大きなリーデイングフレ
ームが含まれることである。もし、2856〜2892領域での
+1塩基対フレームシフトと、3459位置での終始コドン
エラー二つの配列エラーがあったとしたら、このような
事態が起こり得る。この可能性は、夫々が独立して選択
された三つの追加クローンに由来するef遺伝子を配列決
定することによって排除された。染色体からこれらクロ
ーンを単離するために、最初のクローンの断片がハイブ
リダイゼーションプローブとして用いれらた。これら断
片のヌクレオチド配列は、図1Aに示されるヌクレオチド
の配列と同一である。
EFのアミノ酸配列 唯一ORF1だけが適切な発現/開始信号の後に続いてい
るので、該ORFがEFをコードしているのであろう。これ
は二つの断片、即ち、ORF1及びORF2の全体を含むSpe I
−SnaB I断片と、ORF1およびORF2の5′末端の含むSpe
I−Nar I断片とを(図3)、プラスミドpKUN19内にサブ
クローンすることによって確認された。この組換プラス
ミドによる発現蛋白をウエスタンブロットにより分析し
た。大腸菌において、両組換プラスミドは、EF指向性Ma
bに認識され且つストレプトコッカス・スイスによって
分泌されるEFと同じ分子量を持つ蛋白をコードした。よ
って、ORF1はEFをコードする。しかしながら、配列から
計算されるORF1産生物の分子量(90,000)は、SDSポリ
アクリルアミドゲルから推定される分子量(110,000)
とは異なっていた。
EFはストレプトコッカス・スイス培養液上澄液中にの
み発見された。そして蛋白はシグナルペプチドの先導さ
れると考えられる。実際、EFの推定アミノ酸配列の最初
の46アミノ酸は、典型的シグナルペプチドの特徴を有し
ている。プラスに荷重した6つのアミノ酸を含むN末端
部分の後には、21のアミノ酸の疎水性核と推定シグナル
ペプチド切換部位が続いている(45)。推定アミノ酸配
列のハイドロパシーパターン(25)によって、EF蛋白は
シグナルペプチドは異なり、極めて親水性で且つ拡張疎
水性領域を含まないことがわかった(実施例3のMRPと
比較せよ)。推定EFアミノ酸配列とEMBLデータライプラ
リの蛋白配列との間には、重要な類似性は担も見られな
かった。
ORF2,及びORF3の上流には適切な翻訳開始シグナは見
られなかったが、ORF2およびORF3の推定アミノ酸配列
は、これらフレームが発現しないという考えに疑問を生
じさせるような特質を幾つか示した。仮想ORF2蛋白のN
末端は、57アミノ酸の非常に繰り返し度の高い単位がみ
られた(同一性:82%)。仮想ORF3蛋白のC末端は、グ
ラム陽性菌(10,12,13,16,41)の細胞エンベロープにあ
る数種の蛋白のC末端領域と機能的に同一である。保存
配列(ロイシン−プロリン−X−スレオニン−グリシン
−グリタミン)の後に疎水性領域が続き、該疎水性領域
の後に高親水性領域が続いていた。これらの同一性によ
って、仮想ORF3蛋白が細胞エンベロープに関連している
ことが示唆される。
実施例2 無病原性ストレプトコックス・スイス2型株の細胞外蛋
白をコードする遺伝子のクローニングおよびヌクレオチ
ド配列分析 <材料および方法> バクテリア菌株および成育条件 E.coli JM101株(29)を組成プラスミドのホストに用
いた。ストレプトコッカス・スイス2型のMRP+ EFの1
7菌株をヒト患者から、5菌株を屠殺された豚の扁桃腺
から、7菌株を疾病豚から、および起源のわからない2
菌株を単離した(実施例4)。E.coli菌株はルリアブロ
スで(30)で生育された。必要に応じて、最終濃度50ug
/mlまでアンピシリンを加えた。ストレプトコッカス・
スイス菌株は、Todd−Hewittブロス(Oxoid,Ltd.Londo
n,England)で増殖された。
ゲノム遺伝子DNAおよびオリゴヌクレオチド ゲノムDNAをプロテイナーゼK/SDS溶液で溶解し、フェ
ノール/クロロフォルム抽出し、エタノール沈殿で単離
した(28)。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に使用する
オリゴヌクレオチドの配列は、5′−ATTGTAATTGAATTCT
CTTTTTAAGT−3′と5′−AAACGTCCGCAGACTTCTAGATTAAA
AGC−3′であった。これらのオリゴヌクレオチドは、
ストレプトコッカス・スイス2型ef遺伝子の35〜59位
置,および4308〜4249位置に対応する。下線を施した配
列は制限酵素EcoR I及びXba Iの認識部位を示す。
DNA操作およびヌクレオチド配列分析 実施例1に記載したように実施した。
SDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析 実施例1に記載したように実施した。
サザンハブリデイゼーション マニアテイスら(28)が記載したようにして、DNAをG
ene−Screen Plus膜(New England Nuclear Corp.dDrei
eich,Germany)に移した(28)。ランダムプライムドラ
ベリングキット(random primed labeling kit)(Boeh
Rringer GemH,Mannheim,Germany)を用い、DNAプローブ
を(32p)dCTP(3000Ci/mMol,Amersham Corp.,Arlingto
n Heights,USA)で、標識した。Gene−Screen Plus膜の
供給業者が推奨するようにして、ブロットをDNAプロー
ブでハイブリダイズしたあ。ハイブリデイゼーション
後、膜を2xSSC溶液(1xSSCは0.15M NaCl+0.015Mクエン
酸三ナトリウム、pH7)を用いた室温で5分間の洗浄を
二回、0.1xSSC+0.5%のSDSの溶液を用いた65℃で30分
間の洗浄を二回行なった。
ゲノムDNA断片の複製連鎖反応(PCR)による増幅 ef配列を増幅するためにPCRを用いた。異なったス
トレプトコッカス・スイス2型のMRP+ EF菌株に由来
するゲノムDNAをテンプレートとして用いた。増幅され
たDNA断片を、アガロースゲル電気泳動および該ゲルか
らのGene Clean(Bio101,La Jolla,USA)による抽出に
よって単離した。精製した断片を制限酵素EcoR Iおよび
Xba Iで消化分解し、プラスミドpKUN19中にクローン化
した(24)。PCRの結果としてのDNA配列に生じるエラー
を排除するために、ヌクレオチド配列分析に先立ち、別
個に選択された6つのクローンを混入した。
<結果> EF蛋白のウエスタンブロット MRP+ EF表現型に属するストレプトコックス・スイ
ス2型菌株の培養上澄液は、EF指向性Mabにより認識さ
れる蛋白を含んでいた(実施例4、6)。これらの蛋白
の分子量は異なり、EFの分子量より高かった。MRP+ EF
表現型の31菌株から分泌された蛋白を、MRP+ EF+表現
型の一菌株からり分泌された蛋白と比較した。分子量が
異なる5つのクラスのEF蛋白が見付かった。菌株が約
195kDaのEF蛋白(クラスI)を、18菌株が約180KDaの
EF蛋白(クラスII)を、1菌株が約175kDaのEF蛋白
(クラスIII)を、5菌株が約160kDaのEF蛋白を(ク
ラスIV)、4菌株が約155kDaのEF蛋白(クラスV)を
合成した。
ef遺伝子のサザンハブリデイゼーション 110kDa EFをコードする遺伝子とEF蛋白との関係を
調査した。異なるMRP+ EF菌株(各々のクラスの代表
株2つをとった9及びMRP+ EF+菌株D282(43)の染色体
DNAを制限酵素Pst Iで消化分解した。多少のDNAが、全e
f遺伝子が含む32Pで標識したEcoR I−SnaB I断片とハイ
ブリダイズされた(図4、実施例1参照)。その結果、
MRP+ EF-菌株と同様に、MRP+ EF菌株のDNA消化分解物
もまた、該プローブによって強くハイブリダイズされる
二つのPst I断片を含んでいることがわかった。これら
のデータによって、110kDa EFとEF蛋白をコードする
遺伝子とが親密に関係していることが示された。ハイブ
リダイズする最大断片のサイズは全ての菌株で同じであ
った。対照的に、ハイブリダイズした最小断片のサイズ
は、菌株により異なった。更に、ハイブリダイズした最
小断片のサイズの偏差は、異なる菌株から分泌されたEF
蛋白の分子量の偏差と相関していた。ハイブリダイズ
した最小断片はef遺伝子の3′末端に位置しているので
(図4、実施例1)、これらのデータは、ef遺伝子とef
遺伝子とが主に3′末端で相違することを示唆してい
る。
ef遺伝子クローニング PCRを用いてDNA断片を含むefを増幅させ、異なるEF
蛋白をコードする遺伝子を得た。ストレプトコッカス
・スイス2型の5つの異なるMRP+ EF菌株(各々のク
ラスから一つの代表株)のゲノムDNAをテンプレートと
して使用した。増幅された断片を制限酵素EcoR I及びXb
a Iで消化分解し、E.coli中にクローン化した。
クラスIのef遺伝子 クラスIの全ef遺伝子を含む6.8kbのEcoR I−Xba I
断片のヌクレオチド配列と、そのフランキング領域が決
定された。配列の分析によって、二つのオープンリーデ
イングフレームが明らかになった(ORFs,図1B)。第一
のORF(ヌクレオチド361〜5827)及び第2のORF(ヌク
レオチド5830〜6481)は、夫々1822アミノ酸および197
アミノ酸のポリペプチドをコードしていた。その大きさ
からみて、第一のORFはEF蛋白(195kDa)をコードし
ていると推定される。これらのORFsは、単一のTAA終始
コドンで分離されていた。第一のORFは、バクテリアの
リボソーム結合部位(17)と類似した配列の後に続く仮
想ATG開始コドンを含んでいた。対照的に、第2のORFの
前には、適正な開始コドンも推定リボソーム結合部位も
存在していなかった。
EF蛋白の推定アミノ酸配列における最初の46アミノ
酸は、典型的なシグナルペプチドの特徴を有していた
(45)。該蛋白の成熟部分におけるC末端は、76アミノ
酸の不完全な繰り返しを数多く含んでいた。クラスIの
EF蛋白においては、10回半の繰り返し(R1からR11と
表示される;図1B)が存在していた。最初の4つの繰り
返しは、最後の6回半の繰り返しがそうであるように連
続または接続していた。しかし、第4番目および5番目
の繰り返し単位は113番目のアミノ酸で分離され、また
第5番目および6番目の繰り返し単位は第22番目のアミ
ノ酸で分散されていた(図5)。最後の5番目と半分の
繰り返し単域のアミノ酸配列はかなり保存されていた
が、最初の5単位は変化在に富んでいた。特に、アミノ
酸配列(アスパラギン−プロリン−アスパラギン−ロイ
シン)は、全ての繰り返し配列で保守されていた。クラ
スIのEF配列は、EMBLデータライブラリーの何れの蛋
白とも有意な相同性が見られなかった。
クラスII,III,IVおよびVのef遺伝子 種々のEF蛋白をコードする遺伝子が主にその3′末
端で異なっているので、クラスII,III,IVおよびV遺伝
子に由来する小さいPst I断片のヌクレオチド配列が決
定された。ヌクレオチド配列の比較から、前記種々のef
遺伝子はこの領域での相同性が高いことが分かった。
しかし、これらのef遺伝子は、繰り返し配列の数およ
び構造が異なっていた(図5)。クラスIのef遺伝子
とは異なり、クラスIIとクラスIVには、R9およびR10領
域が欠失していた。また、クラスIIIにはR6,R7,およびR
9領域が、クラスIVにはR7,R8,およびR9領域が欠失して
いた。加えて、クラスIVおよびクラスVのef遺伝子に
は、R4及びR5とR3及びR6の一部とを含む1,032bpの断片
が欠失していた。欠失断片の3′末端に位置する領域の
翻訳リーデイングフレームは同じままであった。1,032b
pの断片における左右末端領域のヌクレオチド配列は、9
bpの直接繰り返しを示していた(図6A)。
ef遺伝子およびef遺伝子の相同性 EF蛋白が110kDa EFに指向性のMabによって認識さ
れ、またef遺伝子がefプローブと強くハイブリダイズ
するので、ef遺伝子(実施例1)およびef遺伝子は一
部同一であると思われる。ef遺伝子とクラス1のef
伝子とのヌクレオチド配列の比較から、efおよびef
コード領域の5′末端に位置する2,499ヌクレオチドが
同一であることが分った。クラスIのEF蛋白をコード
する遺伝子とは異なり、110kDa EF蛋白をコードする遺
伝子には2,368bpの断片が欠失していた。この欠失の結
果、リーデイングフレームが変り、ef遺伝子およびef
遺伝子において、2,368bpの断片3′末端に位置する領
域が異なりリーデイングフレーム中に翻訳された。その
結果、110kDa EF蛋白は繰り返しアミノ酸単位を含まな
いであろう。2,368bpの断片の左右末端領域のヌクレオ
チド配列分析によって、10bp(ミスマッチを一つ含んで
いる)の直接反復の在ることがわかった(図6B)。こう
して、110kDa EF蛋白をコードする遺伝子は、ef遺伝
子内の2,368bpの特定の欠失の結果であるかもしれな
い。これは、無病原性のストレプトコッカス・スイス菌
株が病毒性に変化する可能性を示唆している。
実施例3 ストレプトコッカス・スイス2型の136kDa表面蛋白(MR
P)コードしている遺伝子のクローニングおよびヌクレ
オチド配列 <材料および方法> バクテリア菌株および成長条件 大腸菌JM101株(supE,thi,(lac−pro AB-)[F′ t
raD36.laclq ZΔM15],29)を組換プラスミドDNAのホス
トとして使用した。大腸菌LE392[F-hsdR574(rk-m
k+)、supE44、supF58,lacY1,Δ(lac1ZY)6,galK2,gal
T22,melB1,trpR55](33)を組換バクテリアファージの
ホストとして使用した。ストレプトコッカス・スイス2
型の病毒性MRP+ EF+ D282菌株(43)を、染色体DNA配列
を単離するために使用した。E.coli菌株は、LBブロスで
(30)で生育された。固体LB培地は1.5%のアガーを含
んでいた。必要に応じて、アンピシリンを最終濃度50ug
/mlとなるまでえ加えた。ストレプトコッカス・スイス
菌株は、Tood−Hewittブロス(Oxoid,Ltd.London,Engla
nd)で生育された。
サザンハイブリデイゼーション 実施例2に記載したようにして実施した。
DNAライブラリーの構築および免疫学的スクリーニング MRPをEFに変えて、実施例1に記載したようにして実
施した。
SDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析 MRPをEFに変え、実施例1に記載したように実施し
た。
ヌクレオチド配列分析 実施例1に記載したようにして実施した。
<結果> ライブラリーの構築およびスクリーニング ストレプトコッカス・スイス2型のD282株から単離さ
れた染色DNAを、制限酵素Sau3Aで部分的に消化分解し
た。次いで、バクテリオファージラムダGEM11中にDNAラ
イブラリーを構築した。約5x105組換体/ugDNAを得た。
抗MRPの抗原性決定基の有無について、1,400の組換プラ
ークをスクリーンするために、MRP指向性のMAbを使用し
た。5つの組換プラークが陽性に反応した。
免疫反応活性組換体の特徴 5つ選ばれた組換バクテリオファージによるMRP発現
を、プラークから溶出する蛋白をウエスタンブロットで
分析して調べた。5つの全ての組換体は、MRP指向性MAb
によって認識される蛋白をコードしていた。しかし、こ
れら蛋白はMRPよりも低い分子量(MW)を有していた。
2つのクローンは約70kDAの蛋白をコードし(クローン1
0および11);2つのクローンは約80kDa蛋白をコードし
(クローン9および12);1つのクローンは約90kDaの蛋
白をコードしていた(クローン7)。それ故、この5つ
の組換体はMRPの完全な遺伝子情報を含んでいないと結
論された。5つの組換体の挿入物を比較するために、制
限酵素分析が用いられた。全てのクローンが17kb(図7
A)のDNA領域を共有していた。しかしながら、DNA挿入
物は3′および5′末端で異なっていた。挿入物の3′
末端の長さの多用性は、短縮MRP蛋白の分子量の多用性
の良好な相関を示していた(図7Aと比較)。この相関
は、MRPのコード配列がDNA挿入物の3′末端に位置して
いることを示している。これは、クローン7,9,及び10
(図7B)のDNA挿入物の3′末端に由来する断片を、プ
ラスミドpKUN19(24)中にサブクローン化することによ
って確認された。これらの構築物は、組換ファージ(図
8)にコードされた短縮MRP蛋白から区別できない短縮M
RP蛋白をコードしていた。これらの構築物からの0.7kb
EcoR I−Kpn I断片の欠失は、短縮MRP蛋白の発現を阻止
した。これは、mrpの発現が0.7kb EcoR I−Kpn I断片か
ら開始されることを示唆する。
完全mrp遺伝子のクローンニング MRPの完全な遺伝子は、pMR7−2(図7B)の32Pで標識
したKpn I−Sac I断片と、ストレプトコッカス・スイス
2型D282菌株のEcoR IまたはKpn Iで消化分解した染色
体DNAとのハブリデイゼーションによって得られた。7kb
のEcoR I断片および7kbのKpn I断片は、プローブとハブ
リダイズした。その大きさのために、EcoR I断片は完全
なmrp遺伝子を含んでいると推定された。また、mrpの発
現が0.7kbのEcoR I−Kpn I断片から開始されるので、Kp
n I断片は遺伝子の3′末端のみを含んでいると推定さ
れた。EcoR I及びKpn Iで消化分解された染色体DNAを由
来する6kb〜8kbの範囲で断片が単離され、pKUN19のEcoR
IまたはKpn I部位に連結された。その後、この連結混
合物を大腸菌JM101内に形質転換された。こうして得ら
れたKpn I断片をもつ50の選別された組換クローンのう
ちの13が、MRPとハイブリダイズした。これらの組換ク
ローンの全てが、7kbのKpn I挿入物がもったプラスミド
(pMR−C)を含んでいた。対照的に、EcoR I断片によ
って得られた、2,500の選別組換クローンは、一つもプ
ローブとハブリタイズしなかった。7kbのEcoR I断片は
完全なmrp遺伝子が含んでいると推定されるので、この
知見は、MRPの発現が大腸菌において毒性を示すことを
示している。にも拘らず、完全なmrp遺伝子をもつプラ
スミド(pMR11)は、mrp遺伝子の5′末端(pMR7−2か
ら単離されたもの)と、mrp遺伝子3′末端(pMR−Cか
ら単離されたもの)とを強制クローニングで結合するこ
とによって構築することができる。このプラスミドのコ
ピー数は、pKUN19のコピー数と比較すると大幅に減少す
る(約20倍)ようである。コピー数が低いことによっ
て、大腸菌におけるMRPの高度の発現による毒性が許容
可能なレベルにまで低減されるのであろう。pMR11を含
む大愛町菌さ棒により産生された蛋白は、ウエスタンブ
ロッテングによって分析された。予想したように、これ
らの細胞は、MRPと一緒に移動し且つMPR指向性のPAbに
よって認識される136kDaの蛋白を産生した。
mrp遺伝子のヌクレオチド配列 全mrp遺伝子および該遺伝子のフランキング領域を含
む4.6kbのEcoR I−Hind IIIヌクレオチドの配列を決定
した。図2の配列分析によって、1,256のアミノ酸(計
算分子量は135,794)のポリペプチドをコードする3,768
ヌクレオチドのオープンリーデイングフレームが明らか
になった。推定開始コドンATGは、数種のグラム陽性菌
(17)のリボソーム結合部位に類似した配列の後に続い
ていた。mrpの上流のヌクレオチド配列は、グラム陽性
菌に供給して見られるプロモータの−35及び−10コンセ
ンサス配列領域に近似している。mrp遺伝子の下流に
は、伸長した2回対称を示す領域が検出され得る。対応
のmRNAにおける可能なヘアピン構造は、6bpのループで
二分され12bpのステムを有する(Tinocoらの規則(40)
で計算すると、ΔG=15.9kcal/mol)。2回対称の領域
の後にチミジンを多く含む療育が続いていないので、こ
の可能な転写ターミネータ信号はrho依存性であろうと
思われる(34)。
MRPのアミノ酸配列 MRPは細胞エンベロープ蛋白であり、原形質膜を横切
って転置されている。それ故、成熟した蛋白はシグナル
ペプチドを含んでいなければならない。実際に、MRPの
最初の47アミノ酸は典型的なシグナルペプチドの特徴を
有している。プラスに荷電された7つの残基を含むN末
端部の後に、21アミノ酸の疎水性核と推定シグナルペプ
チド切断部位が続く(45,図2の垂直矢印)。シグナル
ペプチドの切断によって、SDSポロアクリルアミドゲル
(実施例4)から推定されるMRPの分子量(136kDa)に
近い131,094の分子量をもつ成熟蛋白が与えられる。二
番目の20アミノ酸の疎水性領域は、この蛋白のC末端で
あると同定された(図11)。もし、この領域がグラム陽
性菌(10,11,12,13,16,20,38,39,46)の他のエンベロー
プ関連蛋白と類似しているならば、これは多分細胞膜ア
ンカーと考えられる。短い高負荷の領域と、ロイシン−
プロリン−X−スレオニン−グリシン−グルタミンのア
ミノ酸配列をもった領域(これら二つの領域は推定細胞
膜アンカーの側面にある)は、グラム陽性菌(図12)の
表面蛋白の間で高度に保存されている。このアミノ酸配
列(ロイシン−プロリン−X−スレオニングリシン−グ
ルタミン)は、多分、細胞壁結合を関与しているであろ
う。
MRP配列中において、他の幾つかの領域が同定され
た。MRPの成熟型は、824アミノ酸の独特なN末端で始ま
る。この領域の後に、プロリン残基の豊富なアミノ酸ス
トレッチ(86アミノ酸中26がプロリン)が続く。この部
分の後に、更に54アミノ酸の3つの繰り返し単位が続く
(図13)。第一の単位は77アミノ酸によって第二の単位
から分離されるが、第二と第三の単位は連続している。
第一と第二の単位は高度の保存されているが、第三の単
位は変化している。第三の繰り返し単域の後にはエンベ
ロープアンカー配列が続く。MRP配列とEMBLデータライ
ブラリの蛋白配列との間には、少ししか相同性がない。
しかしながら、MRPの一つの配列(アミノ酸残基619−98
5)は、スタフィロコッカス・アウレウスのフィブロネ
クチン結合蛋白の配列(39)との間で幾らかの類似性
(377のアミノ酸のうち17.2%の同一性)を有してい
る。
実施例4 ストレプトコッカス・スイス2型の病毒性に関連する2
つの蛋白の同定 <材料および方法> ストレプトコッカス単離物 三つの異なった供給原から、ストレプトコッカス・ス
イス2型菌株180個を得た。このうち、合計111個の菌株
はオランダのAnimal Health Servicesから入手した。こ
れら菌株は、通常の診断操作過程において、疾病豚の器
官から得られた。他の42菌株は、屠殺時に健康豚の扁桃
腺から単離された。また、27菌株はストレプトコッカス
・スイス2型に感染したヒト患者から単離された。扁桃
腺菌株およびヒト菌株は、J.P.Arends,Streeklaborator
ium voor de Volksgezondheid voor Groningen en Dren
te,Groningen,the Netherlandsの好意により提供され
た。全ての菌株が、既述の生物額的および血清学的方法
を使用して、ストレプトコッカス・スイス2型と分類さ
れた。菌株1(D282)は無菌の新生児豚に対して病毒性
を示し、MRPを産生することが前から判っていたが、菌
株2(T−15)は無病毒性であり、MRPを産生しなかっ
た(43)。それ故、菌株1(MRP+)および菌株2(MR
P-)を対称菌株として使用した。
培養条件 各バクテリア株の日齢1日のコロニーを、6%のウマ
血液を含有する(Colombia bloodagar base(code CM 3
31;Oxoid,Ltd)で生育させ、Todd−Hewittブロース(co
de CM 189;Oxoid)中において37℃の一晩インキュベー
ションした。この一晩の培養物から定常成長期初期の培
養物を得た。Todd−Hewittブロスで10倍に希釈し、37℃
で4時間インキュベートした。
細胞画分 二つの細胞画分(プロトプラスト上澄液、および培養
上澄液)を、180菌株の夫々から調製した。更に180菌株
から無作為抽出した23の菌株から、二つの細胞画分(プ
ロトプラストおよび膜ベシクル)を準備した。この23菌
株は、ヒト患者のみならず、疾病豚および健康豚からも
単離された。Todd−Hewittブロスにおける定常成長期初
期の培養物から、前記4つの細胞画分が単離された。プ
ロトプラストは、Van der Vossenら(47)が記載したよ
うにして単離された。Eppendorfの遠心分離で遠沈した
後、プロトプラストおよび残留上澄液(プロトプラスト
上澄液)を採用した。膜ベシクルについては、Driessen
et al.(9)が記載したようにして単離された。
ブロス培養液は4,000 x gで15分間遠心し、培養上澄
液を採取した。
抗原および抗血清の調整 D282菌株の定常成長期初期の培養物を遠心分離し、上
澄液を回収し、3mg/mlの濃度になるまで濾過(PM30型フ
ィルター、Amicon Corp.,Danvers,Mass.)により濃縮
し、Tris緩衝生理食塩水(50mM,pH7.5)で一回透析し
た。この生成物は、ウサギでポリクローナル抗体(PA
b)を生じさせ、マウスでモノクローナル抗体を生じさ
せための抗原として使用された。等量のフロイント不完
全アジュバンド中にエマルジョン化された2mgの蛋白
を、筋肉内および皮下接種することによってウサギを免
疫感作した。この接種は、アジュバンド無しで次の日も
繰り返された。5週間後、静脈注射により、このウサギ
に対して同じ抗原投与量でアジュバンド無しの追加接種
をした。6週間後に、上記ウサギをしゃ血した。一匹の
ウサギ(ウサギK191)の血清を、ウエスタンブロット分
析のためのプローブとして使用した。
EF指向性のMAbは、BALB/cマウス中で生成された。等
量のフロイント不完全アジュバンド中にエマルジョン化
された、25ulの蛋白を含む抗原0.5mlを腹腔内に投与す
ることにより、マウスを免疫感作した。3週間後、この
手順を繰り返した。5週間後、静脈注射により、該マウ
スに同に抗原投与量でアジュバンド無しの追加接種し
た。Van Zijderveldら(51)が記載したようにして、ハ
イブリドーマ細胞系を調整した。10−14日後に、酵素結
合免疫吸着分析を用いて、抗EF抗体についてテストし
た。次いで、ハイブリドーマ培養上澄液(希釈率1:2)
は、抗EF MAbについて、菌株D282の培養上澄液のウエス
タンブロット上で試験された。ニトロセルロースフィル
ター上における110KDa蛋白とMAbとの結合は、アルカリ
フォスファターゼ接合抗マウス免疫グロブリンで可視化
された。陽性細胞は、マイクロタイタープレート内での
2回の限界希釈によりクローン化された。その結果得ら
れたモノクローナル細胞系を、先に報告されているよう
にして(51)、プリスタンを与えた雄BALB/cマウス中腹
水を産生するために使用した。
ハイブリドーマ培養上澄液をスクリーニングするための
間接酵素結合免疫吸着分析 ポリスチレン製のマイクロタイタープレート(Greine
r,Nurtingen,Germany)を、37℃で16時間、リン酸緩衝
生理食塩水中に希釈(pH7.2;ml当たり0.075mg蛋白)し
た、D282菌株から得た培養上澄液の濃縮透析物(上記参
照)を含む溶液で被覆し、これらプレパレーションを37
゜で16時間インキュベーションした。二倍希釈のハイブ
リドーマ溶媒上澄液を使用し、先に報告したようにして
テストした(51)。結合した抗体を、西洋ワサビパーオ
キシダーゼ結合抗マウス免疫グロビン(HERO,Nordic,Ti
lburg,The Netherilands)でインキュベーションした
(希釈率1:500)。
電気泳動およびウエスタンブロッテング 様々な細胞画分を、Laemmli(26)が記載したように
して、6%または12%のポリアクリルアミド上でのSDS
−PAGEにより分析した。電気泳動の後、蛋白を銀(32)
で染色した。ウエスタンブロット分析を行なうために、
蛋白は、Multiphor II Nova Blotシステム(Pharmacia
LKB,Uppsala,Sweden)を用いてニトロセルロース上にエ
レクトロブロットされた。このブロットを、1:500希釈
のウサギk191 PAbまたは1:300希釈のマウスMAbでプロー
ブした。結合したPAbは、アルカリフォスファターゼ接
合抗ウサギ免疫グロビンにより可視化された。結合した
MAbは1:1,000希釈のアルカリフォスファターゼ結合抗マ
ウス免疫グロビン(Zymed)により可視化された。
<結果> 23選別菌株の4細胞分解物の蛋白プロフィル 研究されたグループ(疾病豚、健康豚、ヒト患者)に
属する2種類の単離されたストレプトコッカス・スイス
に由来し、且つ調査された23菌株から調整された、プロ
トプラスト上澄液および膜ベシクルの蛋白プロフィルは
殆ど同一であった。対称的に、培養物上澄液とプロトプ
ラスト上澄液の蛋白プロフィルは全く異なっていた。疾
病豚から得られた単離物の蛋白プロフィルは、健康豚か
ら得られた単離物の蛋白プロフィルには存在しない2つ
の蛋白バンドを含んでいた。一つのバンドは、MRP(4
3)と同じ136kDaの蛋白を示した。SDS−PAGE分析におい
て、6%のポリアクリルアミドを含む分離ゲルにより、
培養上澄液およびプロトプラスト培養上澄液(菌株、1,
5,24,および26)にMRPが存在していることが明らかにな
った、二番目のバンドは110kDaの蛋白を示し、この蛋白
は培養上澄液においてのみ検出されたのでefと命名され
た。MRPおよびEFは両者共、病毒性の対照菌株1(=D28
2)の培養上澄液中には存在しているが、無病毒性の菌
株2の細胞画分には存在していなかった。疾病豚に由来
する8つの菌株はMRPおよびEFを含んでいた。健康豚か
ら単離された8菌株のうち6菌株では、これら蛋白が欠
失していた。ヒト患者から単離された7菌株のうち6菌
株はMRPを含んでいたが、この6菌株のうち3つだけがE
Fをも含んでいた。
培養上澄駅に向けられたウサギK191 PAbをイムノイブ
ロット分析のプローブとして使用したとき、MRPおよびE
Fが、ストレプトコッカス・スイス2型菌株の細胞画分
中に明瞭に検出された。菌株1,5,24,及び26のプロトプ
ラスト培養上澄液、培養上澄液および膜ベシクルは、13
6−kDa MRP(図9)を含んでいた。MRPはプロトプラス
ト培養上澄液の主要成分であるから、この蛋白はバクテ
リアの細胞エンベロープに局在しているに違いない。菌
株1および5もまた、110kDの蛋白を含んでいた。菌株2
4および26はMRPを含んでいたが、EFは含んでいなかっ
た。菌株2および13は何れの蛋白も含んでいなかった。
培養上澄液中におけるMRPおよびEFの有無に基づい
て、ストレプトコッカス・スイス2型は次の3つの表現
型、即ちMRP+ EF+、MRP+ EF-、MRP- EF-(図10)が区別
される。菌株17,24,25,26および28の培養上澄液のウエ
スタンブロットにおいて、150kDaよりも高い分子量位置
にある種々の蛋白バンドがウサギK191の血清と反応し、
可視化された。菌株25の培養上澄液の場合も除き、これ
らの蛋白は抗EF MAbでも認識されたので、これらの蛋白
はおそらく110kDaのEFとの関係があるものと考えられ
る。マウス抗EF MAbでプローブされたウエスタンブロッ
トによって、MRP+ EF-表現型を有する全ての菌株が、そ
の培養上澄液中に高分子量の蛋白を含んでいることが示
された。しかしながら、MRP+ EF+表現型をもつ菌株は、
何れのもこのような蛋白を含んでいなかった。ウサギK1
91血清でプロービングすることにより、菌株25を含む12
のMRP- EF-の培養上澄液中に高分子蛋白が含まれること
が示された。抗EF MAbでのイムノブロットでは、これら
の蛋白がEFとは無関係であることが示された。4つの細
胞画分を12%のスラブゲルによるSDS−PAGEで分析した
ところ、病毒性に関連した低分子量の蛋白は検出されな
かった。
180菌株の培養上澄液およびプロトプスト上澄液の蛋白
プロフィル 培養上澄液およびプロトプラスト上澄液中における前
記3つの表現型の発生率について、6%スラッブゲルを
用いててストレプトコッカス・スイス2型の180菌株を
分析した。疾病豚の器官から単離した80%の菌株が、MR
P+ EF+の表現型を持っていた(表1)。
対照的に、健康豚の扁桃腺から単離した菌株は2%が
MRP+ EF+の表現型を有しており、これら菌株の86%はMR
P- EF-であった。ヒト患者から単離した菌株は、15%だ
けがMRP+ EF+表現型を有していた。テストしたストレプ
トコッカス・スイス2型のうち、、ヒト菌株(74%)の
方が豚の菌株(12%)よりも遥かにMRP+ EF-表現型が多
かった。ヒト菌株の89%はMRP+であった。MRP- EF-表現
型は検出されなかっ。
実施例5 無菌新生児豚におけるストレプトコッカス・スイス2型
の病毒性 <材料および方法> 豚 Great YorkshireとDutch Landraceとを交雑繁殖させ
た52匹の無菌豚を、4匹の雌豚から帝王切開によって得
た。
両実験の雌豚は全部姉妹であった。豚は、各々のグル
ープが4匹または5匹からなる12グループに分けられ
た。各々のグループを殺菌したステンレス鋼のインキュ
ベータにい入れた。生活状況および食餌は先に述べた通
りである(43)。
接種 MRP+ EF+、MRP+ EF-、又はMRP- EF-の何れかに属する
10匹のストレプトコッカス・スイス2型は、髄膜炎の
豚、屠殺場にいる健康豚、ヒト患者の三つの供給原から
得た(表2)。これらの菌株は、前述したように生物学
的および血清学的に型分けされた(44)。菌株は、15%
のグリセロール入りの栄養ブロス中におけるガラスビー
ズ上のストック懸濁物として、−70℃で貯蔵された。6
%のウマ血液を含有するColumbia bloodagar base(cod
e FM 331;Oxoid)で増殖させた各菌株の日齢1日のコロ
ニーを、Todd−Hewittブロス(code CM 189;Oxoid)中
において37℃で一晩インキュベーションした。一晩の培
養物をTodd−Hewittブロス中に希釈(1:10)することに
よって定常成長期初期の培養物を得、これを37℃でイン
キュベーションした。600nmにおける光学密度が0.5に達
した約4時間後に、インキュベーションを中止した。次
いで、約1〜3x109CFU/mlを含む倍物を4000 x gで15分
間遠心分離した。上澄液のMRPおよびEFを分析した。ペ
レットを洗浄し、これをリン酸緩衝生理食塩水(pB
s)、136.89mM NaCl、2.68mM KCl、8.1mM Na2HPO4、2.7
9mM KH2PO4、pH7.2の溶液中においてA600=1で懸濁
し、接種物として使用した。萎縮性鼻炎にかかっている
豚から単離したBordetela bronchiseptica菌92932を持
ちて、豚をストレプトコッカス・スイスに感染し易くし
た(23,43)。菌株をDorset egg培地で保存した。ヒツ
ジ血液寒天で48時間繁殖させたコロニーを、脳心臓注入
ブロスで培養することによって接種物を調製した。37℃
でのインキュベーションの18時間後に、この培地は約10
9CFU/mlを含んでいた。脳心臓注入ブロスをPBS中で1:10
0に希釈し、接種物を調整した。
電気泳動およびウエスタンブロット 接種物として使用されたストレプトコッカス・スイス
菌株のMRP/EF表現型と、実験の最後に回収された単離物
のMRP/EF表現型が決定された。Laemmli(26)の記載に
よるSDS−パゲ(6%のポリアクリルアミド)およびウ
エスタンブロットを使用して、全豚の鼻咽頭から回収し
た単離物、および罹患した豚の髄または関節等の炎症組
織から回収した単離物の細胞培養上澄液を分析した。電
気泳動後、蛋白を銀で染色した(32)。ウエスタンブロ
ット分析を行なうために、Multiphor II Nova Blotシス
テムが用いられた。製造者推奨(Pharmacia LKB)に従
い、蛋白をニトロセルロース上にエレクトロブロットし
た。ニトロセルロースフィルターを、夫々が1:200希釈
されたマウスの抗MRPモノクローナル抗体(MAb)(11.3
mg/ml)及び抗EF MAb(8.4mg/ml)の1:1混合物、或いは
ポリクローナ抗MRP/EFウサギ血清(k191)(8.2mg/ml)
の1:500希釈液(実施例4、6)と共にインキュベーシ
ョンした。フィルターをアルカリフォスファターゼ(A
P)結合抗マウス免疫グロビン1:1000希釈液、或いはア
ルカリフォスファターゼ(AP)の結合抗ウサギ免疫グロ
ビンG(γ+κ)(Zymed)の1:3000希釈液と共にイン
キュベーションした。結合した抗体は、フォスファター
ゼ緩衝液(100mM NaCl,5mM MaCl2、100mMジエタノール
アミン;pH9.5)中の基質、即ち燐酸ブロモクロロインド
リル(Sigma,St.Louis,Mo)/ニトロブルーテトラゾリ
ウム(Merck,DarmstadGermany)を加えることによって
可視化化された。
実験設計 実験は、5か月の間隔をおいた二つの実験によって構
成された。B.bronchiseptica菌92932の脳心臓注入ブロ
スの中懸濁液を満たしたプラスチックの使い捨て注射針
を用いることにより、鼻腔投与によって日齢5日の無菌
豚を接種し。実験Iにこれ接種物は0.84 x 107 CFUを含
み、実験IIにおける接種物は1.0 x 107 CFUを含んでい
た。接種後(pi)の2日目に、滅菌インキュベータ内
で、豚はストレプトコッカス・スイス2型の10の菌株の
うちの一つを同様に接種された(表2)。
これら菌株の平均接種サイズ(±SD)は、1.4(+0.6
0) X 106 CFUであった。全ての接種物は、呼吸の吸気
相の間に各外鼻孔中に投与されたバクテリア懸濁物0.5m
lである。両実験において、菌株3(MRP+ EF+)を陽性
コントロールとして、また菌株12(MRP- EF-)を陰性コ
ントロールとして用いた(結果の項参照)。豚は致死的
状態に罹患した場合、または実験の最後(接種後3乃至
4週間)の何れかの時点で殺生され、その後、検死され
た。
疾患モニター 熱、中央神経系疾患および足の不調等の疾病臨床的徴
候について、豚を毎日モニターした。各豚から血液サン
プルを週三回、上大静脈の静脈穿刺によって採集した。
白血球はコンダクテイングカウンター(Contraves A.
G.,Zurich,Switzerland)で計数された(18)。ギムザ
染色された血液スミアの鑑別計数の後に、好中球の数が
計算された。鼻咽頭のスワッブ検体および糞が毎日採集
され、6%ウマ血液を含むコロンビア寒天上に直接プレ
ートされた。ストレプトコッカス・スイス2型およびB.
bronchiseptica菌の存在は、スライド凝集テストによっ
て確認された。該テストにおいては、単独培養懸濁物
が、過剰免疫感作された適切なウサギ血清(DL−Centra
l Veterinary Institute,Leystad,NL)と混合される。
豚を屠殺した後、病理学的変化について検査した。中央
神経系、漿膜、肝臓、脾臓および扁桃腺の組織検体は、
先に報告したように、生物学的および組織学的に検査さ
れた(43)。
<結果> 電気泳動およびウエスタンブロッテイング 接種の前に、イムノブロットを用いてストレプトコッ
カス・スイス菌株の培養上澄液を分析した場合、三つの
表現型が識別された、菌株3,10,および22はMRP+ EF+
現型に属し、菌型17,24,および28はMRP+ EF-表現型、そ
して菌株12,16,18,および25はMRP- EF-表現型に属して
いた。ウサギポリクロナール抗体(PAb)は、MRP+ EF-
菌株の培養上澄液中の150kDaより大きい蛋白を認識し
た。これら高分子蛋白が抗EF MAbによっても検出された
ことは、110KDaのEFと150kDaより大きい蛋白とがエピト
ープを共有することを示している。SDS−PAGEおよびウ
エスタンブロッテングの両方において、接種物として使
用されたストレプトコッカス・スイス菌株の表現型は、
感染した豚の扁桃腺および炎症組織から両実験の終了時
点で採集した単離物の表現型と同一であった。
疾病の臨床的徴候 両実験において、MRP+ EF+表現型の菌株で接種された
全豚の直腸温度は接種後2日以降に上昇し、4日から9
日までの間は41.8℃のピーク値位を示た。MRP+ EF-表現
型の菌株で接種された10匹の豚の直腸温度は、2〜22日
の間、24〜96時間の短い時間だけ40℃よりも高かった。
発熱の頻度は、MRP+ EF+グループで最高(40%)であっ
た(表3)。血液中の多型白血球(PML)の増加頻度
は、MRP+ EF+グループで最高であった(表3)。変動の
分析を、三つの表現型の菌株を接種した豚の血液サンプ
ルにおけるPML計数の対数で行った。接種3日前は、3
つのグループの幾何平均PML数に有意な差違はなかっ
た。接種後1日以降、MRP+ EF+表現型の菌株を接種した
豚の血液サンプルの平均PML数は、MRP+ EF-表現型また
はMRP- EF-表現型の菌株で接種した豚よりも著しく高か
った(p<0.01)。接種後20日目には、MRP+ EF+表現型
およびMRP+ EF-表現型グループにおける平均に大きな差
異はなかったが、MRP- EF-グループの平均とでは大きな
差異があった(p<0.01)。
MRP+ EF+表現型の菌株で接種された豚の疾病率は、10
0%であった。2日目以降から、意気消沈、横臥、食欲
不振、発熱等の前進性疾病の非特異的徴候が見られた。
次の日以降、運動失調、円運動、強直性発作、よちよち
歩きや衰弱を伴う横臥等の疾病に特異的な徴候を示し
た。MRP+ EF+表現型グループでの疾病の特異的徴候の頻
度は57%(表3)であった。実験の進行中に9匹の豚が
死亡し、3匹が疾病の最終段階で死亡した。従って、こ
れらグループでの死亡率は12/18(67%)であった。MRP
+ EF-表現型の菌株を接種された9匹の豚は、発熱また
は顆粒球増加症を示すか、或いは他の非特異的疾病徴候
を示したが、神経的不調または衰弱等の特異的な臨床的
徴候は示さなかった。MRP- EF-表現型グループの豚は疾
病の臨床的徴候を示さなかった(表3)。
病理学的発見 表4に要約してある。中央神経系、漿膜、および関節
の重篤かつ頻発する炎症は、MRP+ EF+表現型菌株を接種
した豚でのみ発見された。肺炎および気管支炎は様々な
形で観察された。B細胞領域での小胞形成、脾臓の白色
脾臓のT細胞領域での芽細胞形式(活性な免疫反応の徴
候)が、MRP- EF-表現型菌株の接種豚(22%)またはMR
P+ EF+表現型菌株の接種豚(11%)よりも、MRP+ EF-
現型菌株を接種した豚(50%)において、より頻繁に観
察された(表4)。MRP+ EF+を接種した何匹かの豚は、
胚中枢にリンパ球増加症を示した。一方、若年動物で
は、白色髄質を囲んでいる辺縁ゾーンが炎症を起こし、
急性敗血症(septichaemia)の徴候が見られた(42)。
扁桃腺の活性小胞はまた、MRP+ EF-またはMRP- EF-表現
型菌株を接種した豚にもより頻繁にみられた。
生物学的発見 接種後1日から実験の最後まで、全部の豚の鼻咽頭お
よび糞のスワッブ検体から、ストレプトコッカス菌株お
よびB.branchisepticaが毎日単離された。バチル種もま
た、菌株16を接種した豚(実験I)からは接種後6日以
降に単離され、菌株24を接種した豚(実験II)からは接
種後19日以降に単離された。他のグループの豚は、バク
テリアに汚染されていなかった。
検死時には、ストレプトコッカス・スイス2型が、主
に病理的変化(表5)を示した器官および組織(中央神
経系、漿膜および関節)から単離された。肺および扁桃
腺からのみ、B.branchisepticaが単離された。また、ス
トレプトコッカス・スイスおよびB.branchisepticaの両
菌が、全豚の扁桃腺から単離された。
実施例6 酵素結合免疫吸着分析による病毒性および無病毒性スト
レプトコッカス・スイス2型菌株の識別 <材料および方法> バクテリア 次の3つの供給原から得たストレプトコッカス・スイ
ス2型の179の菌株を調査した。即ち、診断操作過程の
疾病豚の器官から得た菌株、屠殺場の健康豚の扁桃腺か
ら見た菌株、およびストレプトコッカス・スイス2型に
感染したヒト患者から得た菌株である。培養上澄液中の
MRPおよびEFを検出するために、研究の初期には、SDS−
PAGEおよびウエスタンブロッテング技術を用いた。これ
らの結果に基づいて、菌株は3つの表現型、即ち、MRP+
EF+、MRP+ EF-およびMRP- EF-に分類された(実施例
4)。また、ストレプトコッカス・スイス血清型1〜22
(15)の22の菌株と、22の他のストレプトコッカスと、
15の異種バクテリアの22の菌株と、1つの酵母(DLO−C
entral VeterinaryInstitute,Lelystad)もテストされ
た(表6)。
培養条件および抗原の調整 6%馬血液を含むうコロンビア血液寒天ベース(code
CM 331,Oxoid Ltd.)で一晩増殖させたバクテリアの一
日コロニーを、Todd−Hewittブロス(code CM 189,Oxoi
d)に接種した。37℃で一晩増殖させた後、培養物を400
0 x g15分間遠心分離した。20時間培養物の600nmでの光
学密度は、0.60〜1.04で変化することが判った。低密度
の種は、Bordetella branchiseptica(0.23)、Microco
ccu種(0.08−0.15)、Streptococcus equinus(0.3
6)、cryptococcus neoformans(0.05)であった。未処
理の培養上澄液の二倍の連続希釈液を、2つのDAS−ELI
SA法のテストサンプルとして使用した。ストレプトコッ
カス・スイス2型菌株D282(MRP+ EF+)の培養上澄液を
濃縮し、超遠心分離(PM30フィルター型、Amicon Coope
ration)により部分的に精製した。精製物をリン酸緩衝
生理食塩水(136.89mM NaCl,2.68mM KCl,8.1mM Na2 HPO
4,KH2 PO4,pH7.2)で最終濃度が75μg/mlになるまで希
釈した。この生成物は、直接競合ELISA中で異種モノク
ローナル抗体を選別するための、および関節ELISA法で
ハイブリドーマ溶媒上澄液をスクリーニングするための
被覆抗原として使用した。
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調整 MRPおよびEF(Ra K191)に対して指向性をもったウサ
ギ(Ra)のポリクローナル抗体(PAb)と、EF指合性の
3種のMAbとを、実施例4に述べたようにして調整し
た。MRPを特異的に認識するMAbを、EFを認識するMAbと
実質的に同じようにして調製した。抗原生産および雌BA
LB/cにおける免疫化手段については実施例4に述べた。
ハイブリドーマ細胞系は、既に述べたように調整された
(52)。10日〜14日後に、間接ELISA法(次の項を参照
のこと)を用いて、ハイブリドーマ培養上澄液を抗MRP
抗体についてテストした。次いで、ハイブリドーマ溶媒
上澄液(1:2希釈)は、D−282菌の培養上澄液のウエス
タンブロット上で、MRP指向性抗体についてテストされ
た。136kDa蛋白に結合したMAbを、アルカリフォスファ
ターゼ結合抗マウス免疫グロブリン及び下記の基質を用
いて可視化化した。5つの上澄液が陽性と判かり、これ
らのウエルの細胞を、マイクロタイタプレート中での限
界希釈で二回クローン化した。
抗MRP抗体について陽性の5つの細胞系と、抗EF抗体
に対して陽性の3つの細胞系とを、プリスタンを与えた
雄BALB/cマウス中腹水を産生するために用いた。抗MRP
および抗EF指向性MAbを、硫酸アンンモニウム沈殿(50
%飽和)によって腹水から精製し、PBSで等瀬した。5
つの抗MRP・MAbは、MRP1〜MRP5と命名された。3つの抗
EF・MAbは、EF1〜EF3と命名された。全てのMAbの免疫グ
ロビンアイソタイプはIgG1であり、PBS中の1%アガロ
ースゲル中で、マウスのアイソタイプ特異的抗血清(No
rdic)による二重免疫拡散法で同定された。PAbおよびM
Abは−20℃で貯蔵された。
ハイブリドーマ培養上澄液スクリーンニングのための間
接ELISA ポリスチレン製のマイクロタイタプレート(Greiner,
Nurtingen,Germany)を、D282菌株の濃縮かつ透析され
た培養上澄液溶媒(上記参照)を用いて、37℃で16時間
コーティングした。次いで、PBS、pH7.2(75ug/ml蛋
白)で希釈した。ハイブリドーマ培養上澄液の二倍希釈
液を、Van Zijderveldら(51)が記載した方法に従って
ウエルに添加した。プレートを洗浄後に、西洋さびパー
オキシダーゼ(HRPO,Nordic)に結合した抗マウス免疫
グロブリン(1:500に稀釈)を添加した。37℃で1時間
インキュベートし、5回洗浄した後、次の基質を添加す
ることによって、結合したHRPO−抗体が検出された。こ
の基質は、0.01M EDTAナトリウムを含有する0.01Mリン
酸緩衝液(pH5.95)中に溶解された再結晶5−アミノサ
リチル酸(5−AS)(Merck)の0.1%(w/v)溶液であ
り、予め、過酸化水素を最終濃度が0.005%(wt/vol)
になるように使用直前の添加したものである。室温で2
時間のインキュベーションの後、Titertek Multiskan p
hotometer(Flow Labs)を用い、450nmでの吸光度を測
定した。
直接競合ELISA MAbは直接競合ELISAで選別され、MRPおよびEFの二重
免疫サイドウイッチ(DAS)ELISAを開発するために用い
られた。精製された抗MRP MAzおよび抗EF MAb、並びに
ウサギPAbを、WilsonおよびNakaneの過ヨウ素酸法(4
9)により、HRPO(Boehringer Mannheim,Germany)に結
合された。結合免疫グロビンは、50%グリセロール中に
おいて−20℃で貯蔵された。結合溶液は、5%の牛胎児
血清および0.5%の塩化ナトリウムを含むPBS−Tw中で作
成された。非結合抗MRP MAbの連続二倍希釈液(1:20〜
1:10,240の範囲)25μlを、部分的に精製されたD282菌
株溶培上澄のPBS溶液(75ug/ml蛋白)で被覆したポリス
チレンマイクロタイタELISAプレート(Geiner)のウエ
ル中に加えた。このプレートを37℃で30分間インキュベ
ートした。非結合MAbをMAb結合体と競合させるために、
HRPOを結合した5つの抗MRP MAbの各々の最適希釈液50m
lを加えた。37℃で1時間のインキュベーションの後、
プレートを洗浄し、結合したHRPO抗体を上記基質(5−
AS1・H2O2)を添加して検出した。
室温で2時間インキュベートした後に吸光度が読まれ
た。競合の力価値は、結合体のみを加えたウエルにおけ
る平均吸光度の、50%のA450を示す最大希釈として表わ
された。3つの抗EF MAbのエピトープ特異性は、抗MRP
MAbに関して述べたのと同様の競合ELISAによって決定さ
れた。
SDS−PAGEおよびウエスタンブロッテング技術 22種のストレプトコッカス・スイス血清型および他の
微生物(表6)の培養上澄液を、6%ポリアクリルアミ
ド上のSDS−PAGEで分離した。ウエスタンブロテイング
分析に関しては、Multiphor II Nova Blotシステム(Ph
armacia LKB)を用い、製造者の推奨に従って、蛋白を
ニトロセルロース上にエレクトロブロットし。該ブロッ
トは、マウスMAbの1:300希釈液でプローブされた。結合
したMAbは、アルカリフォスファターゼ(Zymed)に結合
された抗マウス免疫グロブリンの1:1000希釈液で可視化
された。
<結果> 直接競合ELISA 5つの抗MRPクローンおよび3つの抗EFクローンの競
合についてテストした。抗MRPクローンの幾つかは互い
に競合した。5つの抗MRPクローンは、少なくとも3つ
の異種エピトープに対して指向性を示した。即ち、第一
のエピトープはMRP1およびMRP2によって認識され、第二
のエピトープはMRP3によって、また第三のエピトープは
MRP4およびMRP5によって認識された。3つの抗EFクロー
ンは全て競合するから、多分、これらは同じエピトープ
に対して指向性を有する。
MRP二重サンドウイッチELISA 補足抗体としてMRP3を使用し、且つ複合抗体としてHR
PO−MRP1を使用するDAS−ELISAにおいて、ポリスチレン
製マイクロタイタープレートの各ウエルを、1ウエル当
り100uLの抗体溶液(0.05M炭酸緩衝液、pH9.6中に2.3ug
のMRP3を含む)で被覆した。37℃で16時間吸収させた
後、被覆されたプレートは直ちに使用されるか、または
−20℃で貯蔵された。
テスト菌株の培養上澄液を0.05%(wt/vol)のTween8
0を含むPBS中に溶解することによって二倍連続希釈液
(1:1〜1:128の範囲)を調製し、その100ulをウエルに
添加した。37℃で1時間インキュベートした後、プレー
トを水道水中の0.05%Tween 80で5回洗浄し、次いで2.
2ugのHRPO結合MRP1を含むPBS溶液(pH7.2)100ulを各ウ
エルに加えた。碁盤目状の滴定板を使用して、補足抗体
および複合抗体の至適希釈度が決定された。37℃で1時
間インキュベートした後、基質(5−AS・H2O2)を上述
したようにして添加した。A450≧0.2のウエルが陽性と
して評価された。各プレートに、病毒性ストレプトコッ
カス・スイス菌株4005(MRP+ EF+)の無希釈培養上澄液
100ulからなる陽性コントロールを加えた。また、非病
毒性ストレプトコッカス・スイサ菌株T−5(MRP- E
F-)(43)の無希釈培養上澄液100ulからなる陰性コン
トロールも加えられた。
先に、SDS−PAGE及びウエスタンブロテングにより決
定された、MRP+ EF+、MRP+ EF-およびMRP- EF-の3つの
表現型に属するストレプトコッカス・スイスの179の菌
株をテストするために、MRP DAS−ELISAが用いられた。
ELISAにおける殆どの菌株の評価は、ウエスタンブロッ
トでの評価と同じであった(表7)。ELISAにおいて
は、全てのMRP+ EF+がMRP陽性と評価され、MRP+ EF-
一つが偽陰性、MRP- EF-菌株の3つの(6%)が偽陽性
と評価された。MRP DAS−ELISAの感度(TP/TP+FN;TP=
真陽性、、FN=偽陰性)は99%であった(131菌株中の1
30)。特異性(TN/TN+FP;TN=真陰性、FP=偽陽性)は
94%であった(48菌株中の45)。予想値(TP/TP+FP)
は98%であった(133菌株中の130)。MRP DAS−ELISAに
よって、ストレプトコッカス・スイス2型のMRP陽性とM
RP陰性とが良好に識別された。
MRP DAS−ELISAでテストした後、ストレトコッカス・
スイス2型の3つの表現型に属している菌株の溶媒上澄
液の滴定曲線の記録した。92のMRP+ EF+単離菌株の無希
釈培養上澄液から得た吸光度の平均(±標準偏差)は1.
2259(±0.1165)、39のMRP+ EF-菌株についての平均吸
光度は1.2129(±0.2076)、48のMRP- EF-菌株について
の平均吸光度0.1180(±0.2546)であった。従って、光
度計で測定しなくても、プレートを肉願で読むことによ
って、MRP陽性(MRP+ EF+またはMRP+ EF-の表現型)をM
RP陰性(表現型MRP- EF-)から識別することができる。
他の血清型をもつストレプトコッカス・スイスの21の
対照菌株のうち18の菌株では、培養上澄液の吸光度が0.
2より低かった。3つの血清型は陽性で、下記の吸光度
値を有していた。即ち、血清型3の無希釈培養上澄液は
A450=0.731、血清型5の未希釈培養上澄液はA450=0.5
87、血清型15(元ランスフィールドグレープT)の無希
釈培養上澄液ではA450=0.516であった。これらの血清
型はウエスタンブロットでも陽性であった。MRP3は、こ
れら血清型の培養上澄液中において、150kDaにより大き
い分子量の蛋白を認識した。表6に挙げた他の全ての微
生物の吸光度は、0.2よりも小さかった。
EF二重抗体サンドウイッチELISA テスト試料中の特異抗原を認識するDAS−ELISAにおい
て、二種類のMAbが使用された。即ち、MRP DAS−ELISA
用いたのと同じように、一つは捕捉抗体としてのもの、
他方は複合抗体としてのものであり、各MAbは抗原上で
異なるエピトープを認識する。ウエスタンブロットにお
いて、EF MAbは、MRP+ EF-表現型に属する金属株の培養
上澄液中のEFの高分子型(>150kDa)を認識する(実施
例4)。従って、捕足抗体としてEF2を用いるELISAによ
っては、MRP+ EF+菌株とMRP+ EF-菌株とを識別し得ない
と思われる。更に、3種のEF MABsは相互にブロックす
るため、我々はEF2を補捉抗体として、またポリクロー
ナルウサギ血清(K191)を複合抗体として使用しなけれ
ばならなかった。EF1を補捉抗体として用い、EF2または
EF3を複合抗体として用いた幾つかのELISAがテストされ
たが、実際、これらのMAbは相互に完全にブロックされ
た。
EF DAS−ELISAの手順は、MRP DAS−ELISAで述べた方
法と実質的に同じであった。マイクロタイタELISAプレ
ートの各ウエルは、0.05Mの炭酸緩衝液(pH9.6)中に3.
3ugのEF2を含む抗体溶液100mlで被覆された。吸収後、
被覆されたプレートは直ちに使用されるか、または−20
℃で貯蔵された。培養上澄液の二倍連続希釈液(1:1か
ら1:128の範囲)100ulを使用した。インキュベーション
および洗浄の後、ポリクローナルRa K191−HRPO複合抗
体2.7ugを含むPBS溶液(pH7.2)100ulを各ウエルに加え
た。37℃で1時間インキュベートした後、プレートを上
述したようにして基質(5−AS・H2O2)で発色させた。
A450≧0.4のウエルが陽性と評価された。上述したと同
じ対照を各プレートで使用した。
予め決定された蛋白プロフィルを有する179のストレ
プトコッカス・スイス2型菌株を、EF DAS−ELISAでテ
ストした。驚いたことに、39のMRP+ EF-菌株のうち、EL
ISAで陽性と評価されたものは一つもなかったが、MRP+
EF+の92の菌株は全ての陽性であった。48のMRP- EF-
株は、全てEF DAS−ELISAで陰性であった。偽陽性また
は偽陰性の結果は検出されなかったから、EF DAS−ELIS
AによってEFの高分子と低分子型とが信頼性を持って明
確に識別され、従ってストレプトコッカス・スイス2型
のMRP+ EF+表現型をもつ菌とMRP- EF-の表現型を持つ菌
とが明確に区別された。
直接競合ELISAによって3種の抗EF MAbsが相互に阻止
することがわかったので、MAb EF2を捕捉抗体として、
ポリクローナルRa K191血清を複合抗体として使用し
た。しかし、MRP+ EF-表現型に属するストレプトコッカ
ス・スイス2型菌株は、EFの高分子型(>150kDa)を産
生する(実施例4)。MAb EF2は、ウエスタンブロット
において110kDa EFと該高分子型とを識別しないので、E
F DAS−ELISAにおいても識別しないと考えられる。驚い
たことに、MAb EF2は全てのMRP+ EF+菌株の溶媒上澄液
において110kDa EFを捕捉するが、明らかにMRP+ EF-
株の高分子型は捕捉しなかった(表7)。MRP- EF-の幾
つかは0.2〜0.4の信号を与えた。この値は最大吸光度値
の50%よりも低いく、が陽性として解釈するほど十分に
高いくはない。ブロッティングの前に、SDSで溶媒上澄
液を処理すれば、EFの高分子型合のエピトープ(無変性
の形ではEF2MAbに近付けない)を発見できるかもしれな
い。このELISAにおいて、全てのMRP- EF-菌株および他
のストレプトコッカス血清型が偽陽性まは偽陰性を示さ
ないので、このテストの感度および特異性は100%と見
做された。
ストレプトコックス・スイス2型の3つの表現型に属
する菌株の培養上澄液の滴定曲線は、EF DAS−ELISAで
テスト終了後に記録された。93のMRP+ EF+菌株の無希釈
培養上澄液から得られた吸光度の平均値(±標準偏差)
は0.8204(±0.149)、39のMRP+ EF-菌株についての平
均吸光度は1.551(±0.046)、48のMRP- EF-菌株につい
ての平均吸光度は0.1061(±0.0371)であった。従っ
て、MRP DAS−ELISAの場合と同様に、プレートを肉眼で
読むことによって、EF陽性(MRP+ EF+)とEF陰性(表現
型MRP+ EF-またはMRP- EF-)とを識別することができ
る。
上記ELISAにおいて、2型以外の血清型をもつ21の対
照ストレプトコッカス・スイスは何れもEF陽性を物めな
かった。幾つかの型のバクテリア種は、陽性の吸光度値
を有していた。即ち、ストレプトコッカスLancefieldグ
ループG(A450=0.445)、グループL(A450=0.34
8)、ストレプトコッカス・equi(A450=0.671)、及び
スタフィロコッカス・アウレウス(AD450=0.718)であ
った。
実施例7 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用したストレプトコ
ッカス・スイス2型の病毒性および無病毒性の識別 <材料および方法> バクテリアおよび生育条件 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法がストレプトコッカ
ス・スイス2型の3つの表現型を識別するのに有益であ
るか否かを調べるため、ストレプトコッカス・スイス2
型の13の菌株を選別した。実施例4および5において、
これら菌株のMRPおよびEF蛋白の病原性および発現が調
べられた。これらの菌株は、6%ウマ血液を含有するCo
lumbia血液寒天(code CM 331,Oxoid)上において、37
℃で一晩で増殖された。ストレプトコッカス・スイス2
型のコロニーを、Todd−Hewittブロス(code CM 189,Ox
oid)に接種し、37℃で一晩増殖させた。
DAN単離 一晩増殖した培地のDNAを、マニアチスら(28)の記
載に従って単離した。PCRに使用する前に、DNAを蒸留水
で10ng/ulに希釈した。
臨床検体 屠殺場で、死後の雌から鼻孔スワッブおよび扁桃腺組
織を得た。鼻孔スワッブは血液プレートに接種された。
ストレプトコッカス・スイス2型を、先に述べたように
して(27)、扁桃腺から単離した。
サンプルの調製 PCRの臨床検体を、Boomら(4)によって記述された
方法に若干の改変を加えて調製した。該検体を、エッペ
ンドルフ管内の900ulのL6の溶融緩衝液+40ulのケイソ
ウ土溶液に添加した[L6の緩衝液は、100mlの0.1M TRIS
HCl(pH6.4)+120gグアニジンイソチオシアネート(G
uSCN,Fluka cat nr.50990)+20mlの0.2M EDTA(pH8.
0)+2.6gTrito X−100である。ケイソウ土溶液は、10g
のケイソウ土(Janssen Chimica Cat.nr.17.346.80)を
50mlの蒸留水+500ulの32%(w/v)HCL中に溶解させた
ものである]。これら臨床検体を、L6緩衝液中におい
て、室温暗室で一晩インキュベートし、150ulの溶液をD
urapore膜(Multiscreen MAHV N45,Millipore)を含む
マイクロタイタープレートのウエルにピペットで添加し
た。マイクロタイタープレートを真空マニホールド(MA
VM 09600,Millipore)上に載置し、サンプルを、200ul
のL2洗浄液(L2緩衝液は100ィゥの0.1M TRIS HCl(pH6.
4)+120g CuSCN)で5回洗浄し、200ulの70%のエタノ
ールで5回、200ulのアセトンで1回洗浄した。核洗浄
工程の間では、フィルターを乾燥させたまま放置するこ
とはしなかった。マイクロタイタープレートの底をテッ
シュ上で乾燥させ、サンプルは56℃で15分間、完全に乾
燥された。75ulのPCR緩衝液(下記参照)を個々のウエ
ルに加えた。該プレートを、56℃で15分間インキュベー
トした。このマイクロタイタープレートを、該Durapore
プレートの下に置かれた標準マイクロタイタープレート
(Micronic)と共に、再び真空マニホールド上に載置し
た。吸引を施し、DNAを含むPCR緩液を下部のマイクロタ
イタープレート内に採集したが、ケイソウ土は、Durapo
reフィルター上に残った。
PCR分析 PCRの全量50mlの中には10ngの精製されたDNAまたは25
ulの臨床サンプルが含められた、該反応混合物は10mM T
ris HCl(pH9.0),2mM MgCl2,50mM KCl,0.01%ゼラチ
ン,各々0.2mMの4種のデオキシヌクレオチド三リン
酸,各々1uMの4種のプライマー、及び0.5UのAmplitaq
ポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus,Norwalk,Conn.)を
含められ、パラフィンオイル2滴が該反応混合物上に重
層された。DNAは増幅は、Perkin Elmer Thermal Cycler
を用いることにより、94℃で1分間、55℃で1分間およ
び72℃で2分間を25〜40サイクルで実施された。増幅さ
れたDNAの10〜20ulが、エチジウムブロマイドを含む1.5
%寒天ゲル上で分析された。
PCRプライマ PCRに用いたオリゴヌクレオチドの配列は、p15:1403
−1425:5′−GGT ATA CCT TGC TGG TAC CGT TC−3′,p
16:1914−1934:5′−AGT CTC TAC AGC TGT AGC TGG−
3′,p34:2890−2908:5′−GTT GAA AAC AAA GCA TTCG
−3′,及びp35:3229−3249:5′−CTT CGA CAA AAT GT
C AGA TTC−3′であった。オリゴヌクレオチドp−15
およびp−16は、ストレプトコッカス・スイス2型のmr
p遺伝子(実施例3、図2)中に表示した部分と対応す
る。オリゴヌクレオチドp−34およびp35は、ストレプ
トコッカス・スイス2型のef遺伝子(実施例2、図1
B)中に表示した部分と対応する。プライマーは、Appli
ed Biosystem合成機381A型を用い、製造者のプロトコー
ルに従って合成された。
<結果> PCRの特異性 mrpおよびef遺伝子(実施例3および2を比較のこ
と)内の、ストレプトコッカス・スイス2型菌株の3つ
の表現型(実施例8も参照のこと)を識別するために使
用できる二つの領域の(m−VIおよびe−Vと命名され
た)が決定された。m−VI領域に基づくプライマー(p
−15及びp−16)と、e−V領域に基づくプライマー
(p−34およびp−35)とをPCRを使用した。プライマ
ーp−15及びp−16は、m−VI領域の532bpの断片を増
幅した。プライマーp−34及びp−35は、e−V領域の
360bpの断片を増幅した。4つのMRP+ EF+菌株、4つのM
RP+ EF菌株、および5つのMRP- EF-菌株の染色体DNA
が、これらプライマと共に使用された(図15参照)。25
サイクルの後、増幅された断片は寒天ゲル上で分析され
た。532bpの断片がMRP+ EF+菌株のDNAから増幅された。
360bpの断片および532bpの断片がMRP+ EF菌株のDNAか
ら増幅された。これとは対照的に、MRP- EF-菌株のDNA
からは、532bpの断片も360bpの断片も増幅されなかっ
た。これらのデータは、ストレプトコッカス・スイス2
型の3つの表現型を識別するために、PCRが使用され得
ることは示している。
屠殺場において37匹の健康な雌から単離されたウトレ
プトコッカス・スイス2型の82の菌株の表現型が、ウエ
スタンブロット(実施例4)、ELISA(実施例6)、並
びにm−VIおよびe−VのDNAプローブを用いたハイブ
リダイゼーション実験(実施例8)およびPCRおよび決
定された。37匹の雌のうち36匹から単離された79菌は、
この4つの方法によって同一と分離された(96.3%)。
一匹の雌から単離された3つの菌株は、PCRおよびナDNA
ハイブリダイゼーション実験によりMRP+ EFと分類さ
れ、ウエスタンブロットとELISAによりMRP- EF-と分類
された。これらの結果は、PCRがストレプトコッカス・
スイス2型菌株の表現型を決定するために有効な代革方
法であること示している。
PCRの感度 MRP+ EFストレプトコッカス・スイス2型菌株の精
製された染色体DNAは蒸留水で希釈され、直接PCRに使用
された。40サイクルのPCRの後、DNAが25fg検出された。
これは、ストレプトコッカス細胞が1.75fgのDNAを含ん
でいるというデータ(35)に基づけば、PCR増幅後に14
細胞のDNAがアガロースゲルで検出され得ることを示し
ている。全細胞についてのPCRの感度が決定された。従
って、MRP+ EF細胞はリン酸緩衝生物食塩水(PBS(pH
7.2);137mM NaCl,2.7mM KCl,8.1mM Na2HPO4,2.8mM KH2
PO4)で希釈され、上述のようにしてPCR用に調製され
た。PCR(40サイクル)に先立って、約50細胞を含むサ
ンプル中に増幅断片が検出された。
PCRは、臨床材料について直接使用することができ
る。ストレプトコッカス・スイス2型細胞の連続希釈液
が、鼻スワッブに添加された。PCRに先立って、約50細
胞を含むサンプル中に増幅断片が検出された。
実施例8 DNAプローブを用いたストレプトコッカス・スイス2型
の病原性菌株と非病原性菌株との識別 <材料および方法> バクテリア mrp,ef及びefの遺伝子領域がストレプトコッカス・
スイス2型・の3つの表現型間を識別するのに有効であ
るか否かを孔するために、13株のストレプトコッカス・
スイス2型(MRP+ EF+の4株,MRP+ EFの4株およびMR
P- EF-の5株)を選択した。株菌16を除き、これら菌株
の病原性は子豚による感染性試験でテストされた(実施
例5)。
170株のストレプトコッカス・スイス2型は、3つの
起源から得られた。即ち、病気の豚の器官(103株)、
屠殺した健康な豚の扁桃腺(40株)、及びヒト患者(27
株)である。ストレプトコッカス・スイスの血清型1〜
22の参照菌株(15)、21の他のストレプトコッカス種、
更に45の他の細菌種(38の異なる種、DLO中央家畜研究
所、表8)が、mrpプローブ及びefプローブの特異性を
試験するために用いられた。
培地 E.coli JM101株は、LB培地(LB broth)で培養した
(30)。必要に応じ、採集濃度50μg/mlまでアンプシリ
ンを添加した。他の全ての細胞株は、6%馬血液を含有
するコロンビア血液寒天ベース(Columbia blood agar
base)(code CM 331,oxoid)中において37℃で一晩培
養した。一晩増殖されたコロニーを10mlのドット−ヒュ
イット培地(Todd−Hewitt broth)(code CM 189,oxoi
d)中でインキュベートし、37℃で一晩培養した。
DNAの単離および操作 染色体DNAの単離およびルーチン化されたDNA技術は、
Maniatisら(28)により記載されたように行った。粗溶
解物は以下のようにして調製された。即ち、一晩培養し
た培養物を4000×gで10分間遠心分離し、そのペレット
画分を500〜1000μlのTEG−リゾチーム緩衝液(25mM T
RIS.Cl pH8.0,10Mm EDTA,50mM グルコース及び1mg/mlリ
ゾチーム)中に再懸濁した。25℃で30分経過させた後、
このサンプルはドット・ブロット・アッセイに使用され
た。
プローブ プラスミドpMR11,pEF2−19,pEF17−7(実施例1,2,3
を参照のこと)が、プラスミドpKUN19に連結したサブク
ローンを創製するために提供された(24)。適切なサブ
クローンのフラグメントが、ジーン・クリーンキット
(Bio 101 Inc.,La Jolla,USA)を用いることにより、
調製用アガロースゲルから回収された。精製されたフラ
グメントは、次いでランダム・プライムド・ラベリング
・キット(Boehringer GmbH)を用いることにより、該
キットのプロトコールに従って、α−32P dCTP(3000Ci
/mMol,Amersham)で標識され、プローブとて用いられ
た。
サザンハイブリダイゼーション 選別された13株のストレプトコッカス・スイス2型の
染色体DNA(1μg DNA)を、ジーン・スクリーン・ナイ
ロンメンブレン(New−nglnd Nuclear Corp.,Boston,US
A)上にスポットした。この膜は、製造者が推奨するよ
うにして、32Pで標識したmrpプローブ及びefプローブと
共にインキュベートされた。一晩のハイブリダイゼーシ
ョンの後、該フィルターは、2×SSCにより室温で5分
間の洗浄を2回施され、0.1×SSC+0.5%(SDS)による
65℃で30分間の洗浄を2回施された(1×SSCは、0.15M
NaCl及び0.015Mクエン酸ナトリウムからなる)。スト
レプトコッカス・スイス2型の170株群、参照株である
血清型1〜22のストレプトコッカス・スイスの22菌株
群、他のストレプトコッカス群および他の細菌群につい
て、20μlのDNAおよび粗溶解サンプルを、ドットブロ
ット装置(Bethesda Research Laboratorie)を用い
て、ゼータ・プローブ・ナイロン・メンブレン(Zeta p
robe nylon membrane)(Biorad)上にドッティングし
た。
この膜は、製造者が推奨するようにして、32Pで標識
したmrpプローブ及びefプローブと共にインキュベート
された。一晩ハイブリダイゼーションした後、この膜は
pH7.2の40mMリン酸ナトリウム緩衝液+5% SDS+1mM E
DTA溶液中における65℃で30分間の洗浄を2回を施さ
れ、更に、pH7.2の40mMリン酸ナトリウム緩衝液+1%
SDS+1mM EDTA溶液中における65℃で30分間の洗浄を2
回施された。全ての(プレ)ハイブリダイゼーション
は、ハイブリダイゼーション・オーブン(Hybaid)中で
行なわれた。
<結果> Mrpプローブ ストレプトコッカス・スイス2型の3つの表現型の染
色体DNAは、mrp遺伝子の異なる領域とハイブリダイズし
た。6つの異なるmrpプローブ(図14aに図式的に示され
ている)が使用された。EcoR I−SnaB I断片(即ちm−
I)は、全てのmrpコーティング領域を含んでいた。m
−II,m−III,m−IVおよびm−Vのプローブは、mrp遺伝
子の異なる領域を含んでいた(図16参照)。MRP+ EF+
およびMRP+ EF株は、全てのmrpプローブと強くハイブ
リダイズした。更に、m−I,m−II,m−IV,m−Vプロー
ブは、5つのMRP- EF-株のうち4株と強くハイブリダイ
ズした。1つのMRP- EF-株(菌株25)は、何れのmrpプ
ローブともハイブリダイズしなかった。これらのデータ
によって、4つのMRP- EF-株は、菌株D282のmrp遺伝子
との相同性を有する広い領域を含んでいるが、菌株25は
全mrp遺伝子を欠失していることが示される。しかしな
がら、これら4つのMRP- EF-株はプローブm−IIIとは
弱くしかハイブリダイズしなかった。これにより、プロ
ーブm−IIIはその僅かな部分のみがmrp遺伝子との相同
性を有していることが示された。プローブm−VIは、プ
ローブm−IIIの5′末端の385bpを除去しい、更に3′
末端で325bpで除去することによって構築された。5つ
のMRP- EF-株は、プローブm−VIと全くハイブリダイズ
しなかった。これにより、これらの株は、プローブm−
VIと相同性のある領域を欠失していることを示してい
る。従って、プローブm−VIはMRP+株とMRP-株との間の
識別に用いることができる。
efプローブ及びefプローブ ストレプトコッカス・スイス2型の3つの表現型の染
色体DNAは、ef遺伝子の異なる領域とハイブリダイズし
た。4つの異なったefプローブ(図14bに図式的に示
す)が使用された。全てのMRP+ EF+株およびMRP+ EF
株と、1つのMRP- EF-株は、全てのefプローブとハイブ
リダイズした。対照的に、4つのMRP- EF-株は何れのef
プローブともハイブリダイズしなかった。これらのデー
タは、これらMRP- EF-株の殆どはef遺伝子との相互同性
を有する全領域を欠失しているが、1つのMRP-EF-
は、ef遺伝子との相同性をもった全領域を含んでいるで
あろうことを示している。従って、プローブe−I〜e
−IVは3つの表現型の間の識別に用いることはできない
であろうと思われる。
EF蛋白をコードしている遺伝子は、EF蛋白をコード
する遺伝子に欠失しているDNA断片を含んでいるので、
この付加的DNA断片をプローブとして選択した(図14c,
プローブe−V)。プローブe−Vは、全てのMRP+ EF
株とハイブリダイズした。これに反し、MRP+ EF+株お
よびMRP- EF-株はプローブe−Vとハイブリダイズしな
かった。これらのデータは、MRP+ EF+株およびMRP- EF-
株がe−Vとの相同性を有する領域を欠いていることを
示している。こうして、プローブe−VはMRP+ EF
に対する特異性を有している。
それゆえ、m−VI及びe−Vを相補的なハイブリダイ
ゼーション研究に用いれば、ストレプトコッカス・スイ
ス2型の3つの表現型の間の識別が可能となるであろ
う。もし、ストレプトコッカス・スイス2型株がプロー
ブm−VI及びe−Vとハイブリダイズすれば、これらの
菌株は、MRP+ EF表現型に属する。もし、ストレプト
コッカス・スイス2型株がプローブm−VIとハイブリダ
イズし、プローブe−Vとはハイブリダイズしないなら
ば、これらの株はMRP+ EF+表現型に属する。最後に、も
しこれらの株がプローブm−VI及びe−Vの何れともハ
イブリダイズしないならば、これらの株はMRP- EF-表現
型に属する。
mrpプローブ、efプローブおよびefプローブが、170
のストレプトコッカス・スイス2型株で検討された。そ
の88株はMRP+ EF+表現型を有し、37株はMRP+ EF表現
型を有し、45株はMRP- EF-表現型であった。上記に示し
たデータによれば、全てのMRP+ EF+株はプローブm−I
〜m−VI及びプローブe−I〜e−IVとハイブリダイズ
したが、プローブe−Vとンハイブリダイズしたものは
なかった。更に、37のMRP+ EF株は全て、全プローブ
とハイブリダイズした。しかし、45のMRP- EF-株のうち
の2菌株だけは、プローブm−VI及びプローブe−Vと
ハイブリダイズしたので、誤ってMRP+ EF株に分類さ
れた。従って、プローブm−VI及びプローブe−Vを用
いることにより、ストレプトコッカス・スイス2型の表
現型はかなり高い確率で予想可能である(168/170;98.8
%) プローブm−VI及びe−Vの特異性 血清型1〜22のストレプトコッカス・スイスとの参照
株のDNAが、プローブm−VI及びプローブe−Vとのハ
イブリダイゼーションに使用された。ストレプトコッカ
ス・スイスの2型(菌株735)、4株、5株および14型
は、プローブm−VIとハイブリダイズし、1/2型、2
型、4型、5型、6型、14型および15型がプローブe−
Vとハイブリダイズすることがわかった。これらのデー
タは、mrp遺伝子およびef遺伝子がストレプトコッカス
・スイス2型に特異的ではなく、相同的な配列が幾つか
の血清型に存在することを示している。これらのデータ
に基づき、血清型2,4,5および14はMRP+ EF株として分
類され、また血清型1/2,6及び15はMRP- EF-株として分
類された。
豚の病原体および幾つかの一般的な細菌を由来する染
色体DNAが、プローブm−I,m−VI,e−III及びe−Vで
試験された。検討された種を表8に列記した。幾つか種
がプローブm−Iとハイブリダイズしたが(Escherichi
a coli,Klebsiella oxytoca,K.pneumoniae及びSalmonel
la typhimurium)、プローブm−VI,e−III,e−Vとハ
イブリダイズしたものはなかった。これらのデータは、
mrp遺伝子の一部は幾つかの種に見られる。プローブm
−VI,e−Vはストレプトコッカス・スイスに特異的であ
ることを示している。従って、このプローブm−VI及び
e−Vは潜在的な診断的価値を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 16/12 C07K 16/12 C12P 21/08 C12P 21/08 C12Q 1/14 C12Q 1/14 1/68 1/68 A G01N 33/53 G01N 33/53 M 33/566 33/566 33/569 33/569 F (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/315 C07K 16/12 C12P 21/08 C12Q 1/14 C12Q 1/68 G01N 33/53 G01N 33/566 - 33/569 A61K 39/09,39/395 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) EPAT(QUESTEL)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストレプトコッカス・スイスの病原性をコ
    ードする遺伝子のDNA配列であって、前記遺伝子が下記
    (a)及び(b)からなる群から選ばれるDNA配列: (a)ストレプトコッカス・スイスの病原性株における
    90,000〜120,000ダルトンの第一のポリペプチドをコー
    ドし、またストレプトコッカス・スイスの低病原性株に
    おける、実質的に前記第一のポリペプチドを含み且つ第
    一のポリペプチドよりも高い分子量を有する第二のポリ
    ペプチドをコードする遺伝子であって、前記配列または
    前記遺伝子が、配列認識番号1および2に示した血清型
    2のストレプトコッカス・スイス菌株D−282のヌクレ
    オチド配列由来の、少なくとも15の連続したヌクレオチ
    ドからなるDNA配列、または配列認識番号1および2に
    記載のアミノ酸配列のうち、少なくとも5の連続したア
    ミノ酸をコードする、少なくとも15のヌクレオチドから
    なるDNA配列; (b)ストレプトコッカス・スイスの病原性に特徴的な
    135,000〜136,000ダルトンの第三のポリペプチド(ムラ
    ミダーゼ放出蛋白)をコードする遺伝子であって、前記
    配列または前記遺伝子が、配列認識番号3に示した血清
    型2のストレプトコッカス・スイス菌株D−282のヌク
    レオチド配列由来の、少なくとも15の連続したヌクレオ
    チドからなるDNA配列、または配列認識番号3に記載の
    アミノ酸配列のうち、少なくとも5の連続したアミノ酸
    をコードする、少なくとも15のヌクレオチドからなるDN
    A配列。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載のDNA配列であっ
    て、配列認識番号1には存在せず、配列認識番号2には
    存在する配列認識番号2のアミノ酸配列の790〜1780の
    アミノ酸配列のうち、少なくとも5の連続したアミノ酸
    をコードするDNA配列。
  3. 【請求項3】配列認識番号2のDNA配列の2890〜3306に
    由来するDNA配列のうち、少なくとも15ヌクレオチドを
    含む部分配列からなるDNA配列。
  4. 【請求項4】配列認識番号3のDNA配列の1100〜1934に
    由来するDNA配列のうち、少なくとも15ヌクレオチドを
    含む部分配列からなるDNA配列。
  5. 【請求項5】調節配列の存在下に、請求の範囲第1項〜
    第4項の何れか1項に記載の配列を具備した組換ポリヌ
    クレオチド。
  6. 【請求項6】ストレプトコッカス・スイスによる感染を
    診断するためのポリヌクレオチドであって、請求の範囲
    第1項〜第4項の何れか1項に記載の配列を具備したプ
    ローブ。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1項〜第5項の何れか1項に
    記載の配列によってコードされるか、または該配列の発
    現によって得られるポリペプチド。
  8. 【請求項8】請求の範囲第7項に記載のポリペプチドに
    対して誘起された抗体。
  9. 【請求項9】ストレプトコッカス・スイスの病原性によ
    る感染を検出する方法であって、請求の範囲第6項に記
    載の少なくとも一つのプローブを用いることを特徴とす
    る方法。
  10. 【請求項10】請求の範囲第9項に記載の方法であっ
    て、請求の範囲第2項または第3項に記載の配列を有す
    る少なくとも一つのプローブが得られる方法。
  11. 【請求項11】ストレプトコッカス・スイスの病原性菌
    株による感染を検出する方法であって、請求の範囲第7
    項に記載の少なくとも一つのポリペプチドが用いられる
    ことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】ストレプトコッカス・スイスの病原性菌
    株による感染を検出する方法であって、請求の範囲第8
    項に記載の少なくとも一つの抗体を用いることを特徴と
    する方法。
  13. 【請求項13】ストレプトコッカス・スイスの病原性菌
    株による感染を検出するための診断キットであって、請
    求の範囲第6項に記載の少なくとも一つのプローブを含
    むことを特徴とするキット。
  14. 【請求項14】ストレプトコッカス・スイスの病原性菌
    株による感染を検出するための診断キットであって、請
    求の範囲第7項に記載の少なくとも一つのポリペプチド
    を含むことを特徴とするキット。
  15. 【請求項15】ストレプトコッカス・スイスの病原性菌
    株による感染を検出するための診断キットであって、請
    求の範囲第8項に記載の少なくとも一つの抗体を含むこ
    とを特徴とするキット。
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