JP2776394B2 - 部分円の測定方法及び装置 - Google Patents

部分円の測定方法及び装置

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  • A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は部分円の測定方法及び
装置に係り、特に被測定物に形成された凹及び凸状の部
分円の測定を行う部分円の測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように被測定物10に形成さ
れた凹状の部分円12を測定する場合、座標測定装置の
スタイラス14を部分円12の円周に沿った複数箇所に
接触させて、部分円12の複数位置を測定する。この複
数位置の測定値と部分円12の設計上の演算式とに基づ
いて部分円12の円の形状、すなわち部分円12の中心
位置と直径寸法を算出する。
【0003】次いで、算出された部分円12の中心位置
と直径寸法が所定の公差内に入っているか否かを判断し
て、被測定物の部分円12の検査を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示すように部分円12の円周部は円弧Cの全周長さの極
めて短い部分で形成されているので、部分円12の測定
値に生じた僅かの誤差が、部分円12の中心位置と直径
寸法を計算により求める場合に拡大される。これによ
り、座標測定装置や部分円12の数μ単位の誤差や部分
円12に微小ゴミが付着することにより、計算で求めら
れた部分円12の中心位置と直径寸法の誤差が許容範囲
内に入らない場合がある。従って、部分円12の誤差が
許容範囲に入っていても、品質検査に合格しない場合が
あるという問題がある。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、部分円の誤差が拡大することを抑えて適切に部
分円の形状検査を行うことができる部分円の測定方法及
び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する為に、被測定物にスタイラスを接触させて、被測
定物の形状を測定する座標測定装置において、被測定物
に形成された凹状の部分円の円周上の2点の位置を測定
すると共に前記測定された2点の位置の一方を中心にし
た前記設計上の半径寸法の円弧と、他方を中心にした前
記設計上の半径寸法の円弧との交点であって、前記部分
円の周面に対向した側の交点を前記部分円の中心位置と
仮定する部分円中心算出手段と、前記仮定された中心位
置から部分円の周面までの動径を求め、該求められた動
径と前記設計上の半径寸法とを比較して前記部分円の評
価を行う動径評価手段と、該動径評価手段の評価結果を
出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、部分円中心算出手段は、被測
定物に形成された凹状の部分円の円周上の2点の位置を
測定すると共に測定された2点の位置の一方を中心にし
た設計上の半径寸法の円弧と、他方を中心にした設計上
の半径寸法の円弧との交点であって、部分円の周面に対
向した側の交点を部分円の中心位置と仮定する。また、
動径評価手段は、仮定された中心位置から部分円の周面
までの動径を求め、求められた動径と設計上の半径寸法
とを比較して部分円の評価を行う。
【0008】このように、部分円の設計上の半径寸法を
使用して、予め部分円の中心位置と仮定することによ
り、部分円の測定値に生じた僅かの誤差が、部分円の中
心位置と直径寸法を計算により求める場合に拡大される
ことを防止することができる。
【0009】
【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る部分円の
測定方法及び装置について詳説する。図1は本発明に係
る部分円の測定装置のブロック図である。同図に示すよ
うに部分円の測定装置30は一般に知られている座標測
定装置がベースマシンに採用されている。部分円の測定
装置30は座標測定装置に使用されているスタイラス3
2を備えていて、スタイラス32は例えばX、Y、Zの
3軸方向に移動自在に構成されている。
【0010】そして、部分円の測定装置30はスタイラ
ス32をX、Y、Zの3軸方向に移動して、被測定物3
4の測定面34A(双方とも図2、図3参照)に接触さ
せて測定面34Aを測定する。また、図1に示すように
部分円の測定装置30は部分円中心算出手段36及び動
系評価手段38及び出力手段40を備えている。部分円
中心算出手段36は、被測定物34に形成された凹状の
部分円34Aの円周上の両端部の2点{P1 (x1 、y
1 )、P2 (x2 、y2 )}(図2参照)の位置を測定
して、測定された2点{P1 (x1 、y1 )、P2 (x
2 、y2)}の位置の一方の位置P1 (x1 、y1 )を
中心にした設計上の半径寸法Rの円弧と、他方の位置P
2 (x2 、y2 )を中心にした設計上の半径寸法Rの円
弧との交点を部分円34Aの中心位置P(x、y)と仮
定する。尚、この場合交点は2つの存在するが、部分円
34Aの周面に対向した側の交点を部分円34Aの中心
位置P(x、y)と仮定する。
【0011】また、動径評価手段38は、部分円34A
の周面の複数の測定点{Q1 、Q2、Q3 …}から仮定
された中心位置P(x、y)までの複数の動径(すなわ
ち半径){R1 、R2 、R3 …}を求めて、求められた
動径{R1 、R2 、R3 …}と設計上の半径寸法Rとを
比較して部分円の評価を行う。このように構成された本
発明に係る部分円の測定装置30の作用について図4の
フローチャートに基づいて説明する。
【0012】先ず、部分円の測定装置30はスタイラス
32で被測定物に形成された凹状の部分円の円周上の両
端部の2点の位置{P1 (x1 、y1 )、P2 (x2
2)}を測定して(ステップ60)、次に部分円の設
計上の半径寸法を入力する(ステップ62)。測定され
た2点{P1 (x1 、y1 )、P2 (x2 、y2 )}の
位置の一方の位置P1 (x1 、y1 )を中心にした設計
上の半径寸法Rの円弧と、他方の位置P2 (x2
2 )を中心にした設計上の半径寸法Rの円弧との交点
を部分円34Aの中心位置P(x、y)と仮定する(ス
テップ64)。尚、この場合交点は2つの存在するが、
部分円34Aの周面に対向した側の交点を部分円34A
の中心位置P(x、y)と仮定する。
【0013】部分円34Aの周面の複数の測定点
{Q1 、Q2 、Q3 …}から仮定された中心位置Pまで
の複数の動径{R1 、R2 、R3 …}を求めて、求めら
れた動径{R1 、R2 、R3 …}と設計上の半径寸法R
とを比較して部分円の評価を行う(ステップ66)。そ
して、照合した結果をプリントアウトし(ステップ6
8)、測定点Q1 、Q2 、Q3 …の動径{R1 、R2
3 …}と設計上の半径寸法Rとの照合が完了するまで
ステップ66、68を順次繰り返す。前記実施例では凹
状の部分円について説明したが、凸状の部分円について
も同様に適用することができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る部分円
の測定方法及び装置によれば、被測定物に形成された凹
状の部分円の円周上の2点の位置を測定すると共に測定
された2点の位置のそれぞれの位置を中心にした設計上
の半径寸法の円弧同士の交点を部分円の中心位置と仮定
する。また、仮定された中心位置から部分円の周面まで
の動径と設計上の半径寸法とを比較して部分円の評価を
行う。
【0015】このように、部分円の設計上の半径寸法を
使用して、予め部分円の中心位置と仮定することによ
り、部分円の測定値に生じた僅かの誤差が、部分円の中
心位置と直径寸法を計算により求める場合に拡大される
ことを防止することができる。従って、部分円の誤差が
拡大することを抑えて適切に部分円の形状検査を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部分円の測定装置のブロック図
【図2】本発明に係る部分円の測定装置の作動状態の説
明図
【図3】本発明に係る部分円の測定装置の作動状態の説
明図
【図4】本発明に係る部分円の測定装置の作動状態を説
明したフローチャート
【図5】従来の部分円の測定測定方法を説明した要部拡
大図
【図6】部分円と部分円が含まれる円周との関係を説明
する平面図
【符号の説明】
30…部分円の測定装置 32…スタイラス 34…被測定物 34A…部分円 36…部分円中心算出手段 38…動径評価手段 40…出力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 21/00 - 21/32 G01B 7/00 - 7/34 G01B 5/00 - 5/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物にスタイラスを接触させて、被
    測定物の形状を測定する座標測定装置において、 被測定物に形成された凹及び凸状の部分円の円周上の2
    点の位置を測定し、 前記部分円の設計上の半径寸法を入力し、 前記測定された2点の位置の一方を中心にした前記設計
    上の半径寸法の円弧と、他方を中心にした前記設計上の
    半径寸法の円弧との交点であって、前記部分円の周面に
    対向した側の交点を前記部分円の中心位置と仮定し、 前記仮定された中心位置から部分円の周面までの動径を
    求め、 該求められた動径と前記設計上の半径寸法とを比較して
    前記部分円の評価を行うことを特徴とする部分円の測定
    方法。
  2. 【請求項2】 被測定物にスタイラスを接触させて、被
    測定物の形状を測定する座標測定装置において、 被測定物に形成された凹及び凸状の部分円の円周上の2
    点の位置を測定すると共に前記測定された2点の位置の
    一方を中心にした前記設計上の半径寸法の円弧と、他方
    を中心にした前記設計上の半径寸法の円弧との交点であ
    って、前記部分円の周面に対向した側の交点を前記部分
    円の中心位置と仮定する部分円中心算出手段と、 前記仮定された中心位置から部分円の周面までの動径を
    求め、該求められた動径と前記設計上の半径寸法とを比
    較して前記部分円の評価を行う動径評価手段と、 該動径評価手段の評価結果を出力する出力手段と、 を備えたことを特徴とする部分円の測定装置。
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