JP3764856B2 - 被測定面の形状不具合評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、自動車の車体パネルの面歪の不具合を評価する場合でも、従来から人間が行っていた官能評価と同じ評価を得ることができる、被測定面の形状不具合評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車パネルに発生する面形状不良の1つに面歪不具合がある。一般的に、面歪不具合のような微小(高さ数十μ)な歪みの不具合に対して定量的な評価を行うことは困難である。
【0003】
従来のように、面の主曲率を求めることによって定量的な評価を行おうとすると、その評価が面の形状に大きく依存すること、その評価は人間が行う官能評価とは異なる物理量に基づいて成されていること、などが原因で、官能評価とは十分な相関が得られないことが多い。
【0004】
たとえば、人間が自動車の車体パネルを進行方向から透かすように見た時に面歪不具合が感じられたとしても、パネルの形状によっては、面の曲率による評価ではまったく異常なしと判断されることがある。また、この逆のことが起こる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、現在では、官能評価とできるだけ一致させるための手法として、重回帰式などを用いた統計手法に頼った評価方法を採用している。これにより、官能評価に近い評価が得られるようになってきてはいるものの、その評価精度の点では、まだまだ不十分である。
【0006】
本発明は、以上のような従来の問題点を解決するために成されたものであり、被測定物の形状にかかわらずに、官能評価と一致した評価を高精度で得ることができる、被測定面の形状不具合評価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法は、三次元形状測定装置によって実測された、またはシミュレーション装置に記憶されている、被測定面のデータに基づいて得られた点群データとCAD装置にあらかじめ記憶されている前記被測定面のデータに基づいて得られた点群データとを取得する段階と、それぞれの点群データから各点ごとの差分データを演算する段階と、前記差分データを構成する点群の各点を相互に結んでメッシュ状の面歪曲面を生成する段階と、前記差分データを構成する点群のすべての点について、その点を中心とする所定の領域を設定し、前記面歪曲面からその領域を切り取る段階と、切り取られた面歪曲面のそれぞれの曲率を演算する段階と、演算された曲率をその点の属性データとして設定する段階と、を有することを特徴とする。
【0008】
この請求項1に記載の発明によれば、三次元形状測定装置によって実測された、またはシミュレーション装置に記憶されている、被測定面のデータに基づいて得られた点群データとCAD装置にあらかじめ記憶されている前記被測定面のデータに基づいて得られた点群データとから各点ごとの差分データを求め、その差分データに基づいて被測定面の形状不具合の評価を行っているので、被測定面の形状に依存しない、統一的な尺度としての形状不具合評価を得ることができる。また、形状の異なる被測定物間での評価の比較も可能になることから、官能評価との相関を図ることができるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法は、三次元形状測定装置によって実測された、またはシミュレーション装置に記憶されている、被測定面のデータに基づいて得られた点群データとCAD装置にあらかじめ記憶されている前記被測定面のデータに基づいて得られた点群データとを取得する段階と、それぞれの点群データに基づいて、当該点群データを構成する点群の各点を相互に結んで2つのメッシュ状の二次曲面を生成する段階と、両二次曲面を構成する点群のすべての点について、その点を中心とする所定の領域を設定し、その領域に含まれる曲面を切り取る段階と、切り取られた曲面のそれぞれの曲率を演算する段階と、演算された曲率をその点の曲率として設定する段階と、両二次曲面を構成する各点に設定された曲率に基づいて、それぞれの点における曲率差を演算する段階と、演算された曲率差をその点の属性データとして設定する段階と、を有することを特徴とする。
【0010】
この請求項2に記載の発明によれば、三次元形状測定装置によって実測された、またはシミュレーション装置に記憶されている、被測定面のデータに基づいて得られた点群データとCAD装置にあらかじめ記憶されている前記被測定面のデータに基づいて得られた点群データとから2つのメッシュ状の二次曲面を生成し、両二次曲面を構成する点群のすべての点について、その点を中心として切り取った曲面のそれぞれの曲率を演算し、演算された曲率をその点の曲率として設定し、両二次曲面を構成する各点に設定された曲率に基づいて、それぞれの点における曲率差を演算し、その曲率差に基づいて被測定面の形状不具合の評価を行っているので、被測定面の形状に依存しない、統一的な尺度としての形状不具合評価を得ることができる。また、形状の異なる被測定物間での評価の比較も可能になることから、官能評価との相関を図ることができるようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法は、請求項1または2に記載の被測定面の形状不具合評価方法において、前記面歪曲面からその領域を切り取る段階は、前記領域を指定する段階と、差分データを構成する点群のすべての点について、指定された領域を、その点を中心とする所定の領域として設定する段階とからなり、前記曲率を演算する段階は、曲率を演算する方向を指定する段階と、指定された方向の曲面の曲率を演算する段階と、からなることを特徴とする。
【0012】
この請求項3に記載の発明によれば、切り取る領域を指定でき、さらに、その領域における曲率を求める方向も指定できるようにしているので、官能評価を行う際に通常は評価者に依存されてしまうこれら2つのパラメータを評価手法の中に取り入れることができ、本発明の実施によって得られる評価と製造現場で評価者によって行われる官能評価との相関をとることができるようになる。また、この評価も、差分データに基づいて、または、曲率差に基づいて被測定面の形状不具合の評価を行っているので、形状の異なる被測定物間での評価の比較も可能になり、官能評価との相関を図ることができるようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法は、請求項1から3のいずれか1項に記載の被測定面の形状不具合評価方法において、さらに、すべての点の属性データに基づいて前記被測定面の面歪状態を可視化する段階を有することを特徴とする。
【0014】
この請求項4に記載の発明によれば、被測定面の面歪状態が可視化されるので、CADデータに基づいて形成される被測定物の形状に対して、実測された被測定物の形状が、どの程度ゆがんでいるかを容易に確認できるようになり、製造現場で評価者によって行われる官能評価とのズレを修正することができる。このズレを修正するために、切り取る領域の指定を変更したり、曲率を演算する方向の指定を変更したりすることによって、官能評価とのさらなる相関を図ることができるようになる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、差分データに基づいて被測定面の形状不具合の評価を行っているので、被測定面の形状に依存しない、統一的な尺度としての形状不具合評価を得ることができる。また、形状の異なる被測定物間での評価の比較も可能になることから、官能評価との相関を図ることができるようになる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、曲率差に基づいて被測定面の形状不具合の評価を行っているので、被測定面の形状に依存しない、統一的な尺度としての形状不具合評価を得ることができる。また、形状の異なる被測定物間での評価の比較も可能になることから、官能評価との相関を図ることができるようになる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、切り取る領域を指定でき、さらに、その領域における曲率を求める方向も指定できるようにしているので、官能評価を行う際に通常は評価者に依存されてしまうこれら2つのパラメータを評価手法の中に取り入れることができ、本発明の実施によって得られる評価と製造現場で評価者によって行われる官能評価との相関をとることができるようになる。また、この評価も、差分データに基づいて、または、曲率差に基づいて被測定面の形状不具合の評価を行っているので、形状の異なる被測定物間での評価の比較も可能になり、官能評価との相関を図ることができるようになる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、被測定面の面歪状態が可視化されるので、CADデータに基づいて形成される被測定物の形状に対して、実測された被測定物の形状が、どの程度ゆがんでいるかを容易に確認できるようになり、製造現場で評価者によって行われる官能評価とのズレを修正することができる。このズレを修正するために、切り取る領域の指定を変更したり、曲率を演算する方向の指定を変更したりすることによって、官能評価とのさらなる相関を図ることができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、三次元形状測定装置から得られた実測データを例に説明するが、シミュレーション装置に記憶されているデータに対しても本発明の適用は可能である。
【0020】
図1は、本発明の被測定面の形状不具合評価方法を実施するために用いられる、被測定物の形状を実測する三次元形状測定装置の外観図である。
【0021】
この三次元形状測定装置は、測定機100とデータ管理装置150とを備えている。測定機100の測定台105上には、被測定物である車体パネル(図示せず)がしっかりと固定されて載置される。固定された車体パネルに対して測定アーム110を前後左右上下に動かし、測定アーム110の先端に取り付けられているプローブ115を車体パネルの表面に当てる。この状態でデータを取り込む指示を与えると、プローブ115の先端の座標(車体パネルとプローブ先端との接触位置座標)がデータ管理装置150に送られる。
【0022】
以上の操作を、車体パネルの表面の全面に対して5から10mm間隔で実施する。データ管理装置150には、以上の操作で送られた何十万点という座標データ(車体パネル表面の座標データ)が記憶される。この記憶された車体パネルのデータが、「実測された被測定面の点群データ」である。
【0023】
図2は、本発明の被測定面の形状不具合評価方法を実施する装置の概略構成を示すブロック図である。この装置は、データ管理装置150、CAD装置200、形状不具合評価装置250によって構成される。
【0024】
CAD装置200は、三次元形状測定装置によって実測された車体パネルと同一の車体パネルの設計データが記憶されている。この設計データは、通常ソリッドモデルを形成する連続的なデータであり、このデータに基づいて点群データが生成される。この生成されたデータが、「CAD装置にあらかじめ記憶されている被測定面のデータに基づいて得られた点群データ」である。
【0025】
形状不具合評価装置250は、実測された車体パネルの点群データをデータ管理装置150から入力するとともに、CAD装置200に記憶されているその車体パネルのデータに基づいて生成された点群データを入力し、実測された被測定面の点群データとあらかじめ記憶されている被測定面のデータに基づいて得られた被測定面の点群データとに基づいて、製造現場で評価者によって行われる官能評価との相関を密とする評価を演算するための装置である。
【0026】
つぎに、本発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法を詳細に説明する。なお、本発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法は、差分データに基づいて評価を行う第1の方法と、曲率差に基づいて評価を行う第2の方法があるので、それぞれ別々の実施形態として説明する。なお、本発明にかかる評価方法は、いずれの実施の形態の場合も形状不具合評価装置250内で行われる。
(第1の実施の形態)
まず、差分データに基づいて評価を行う方法を、図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0027】
形状不具合評価装置250は、実測された車体パネルの点群データをデータ管理装置150から取得するとともに、CAD装置200に記憶されているその車体パネルのデータに基づいて生成された点群データを取得する。実測された車体パネルの点群データは、実際にプレスされた車体パネルから得られた測定データである。たとえば、車体パネルが図4に示すような形状であれば、実測された車体パネルの点群データは、図の×印で示した個所(実測個所の一部のみを示す)の測定データである。
【0028】
また、CAD装置200に記憶されているその車体パネルのデータに基づいて生成された点群データは、車体パネルの設計データである。プレス後の車体パネルが設計データのとおりにできていれば、実測された車体パネルの点群データのすべては、設計データに基づいて仮想的に形成される車体パネルの面上に位置されることになる(S301)。
【0029】
つぎに、形状不具合評価装置250は、実測された車体パネルの点群データとCAD装置200に記憶されているその車体パネルのデータに基づいて生成された点群データとの差分(たとえば高さ方向の距離)を実測点の各点について演算し、差分データを求める。プレス後の車体パネルが設計データのとおりにできていれば、すべての点について差分データは0になる。つまり差分データは、実際に作られた車体パネルが設計データに対してどの程度ずれているかを表しているデータである(S302)。
【0030】
以上のようにして求めた差分データは、実測された車体パネルの点群データと同数だけ存在する。この点群の各点を直線で相互に結び、図5に示すように、多数の三角形からなるメッシュ状の面歪曲面を生成する。差分データがすべて0であれば、生成された面歪曲面は平坦な二次平面となるが、差分データの一部が0でない場合には、図5に示すように、生成された面歪曲面は凹凸のある二次曲面となる(S303)。
【0031】
つぎに、オペレータは、形状不具合評価装置250に対して、差分データを構成する点群のすべての点について、その点を中心とする領域を指定する。この指定する領域は、差分データを構成する点群のすべての点に対して自動的に適用される。なお、指定する領域は、たとえば半径30mmとか50mmといったような値で特定される(S304)。
【0032】
形状不具合評価装置250は、差分データを構成する点群のすべての点について、指定された領域を、その点を中心とする所定の領域として、図5の円に示すように設定する。たとえば、領域が半径30mmと指定された場合には、差分データを構成する点群のそれぞれの点を中心とする半径30mmの領域が、切り取る領域として設定される。この指定する領域は、差分データを構成する点群のすべての点に対して自動的に適用される。このように切り取る領域を細かく設定するのは、メッシュ状の面歪曲面における凹凸の分布を細かく知ることができるからであり、また、設定された領域によって切り取られる面歪曲面の曲率が正確に演算できるからである(S305)。
【0033】
形状不具合評価装置250は、差分データから得られたメッシュ状の面歪曲面から、指定された領域を切り取る。たとえば、ある点に対して、切り取る領域が図5に示すような円で指定されているときには、その円に含まれる各点の差分データを収集することになる。なお、指定された領域を切り取るには、公知のダイクストラのアルゴリズムを用いる。このアルゴリズムは、2点間の距離(測地線距離)を計算し、この距離が指定した半径以内の点からなる集合を生成するものである(S306)。
【0034】
つぎに、オペレータは、形状不具合評価装置250に対して、切り取られた面歪曲面の曲率を演算する方向を指定する。この方向の指定をすることによって、従来から行っていた官能評価との相関が高まる。たとえば、完成車両のパネル不具合有無の検査をする場合を考えてみると、検査者はパネルの不具合を見つけるために、主に車両の前後方向からパネル面に沿ってそのパネルを見ている。車両の上下方向からの検査はあまり厳密には行っていないのである。したがって、曲率を演算する方向を、検査者が主にパネルを見る方向である、前後方向に指定しておくことによって、得られる検査結果が官能評価による検査結果に近づくのである。なお、この指定する方向は、差分データを構成する点群のすべての点に対して自動的に適用される(S307)。
【0035】
形状不具合評価装置250は、切り取られたすべての面歪曲面に対して、指定された方向の曲率を求める。この曲率を求める演算は、具体的には次の手順で行われる。まず、切り取られた面歪曲面に存在する各点の差分データに基づいて、公知の二次曲面フィッテングを行い、得られた曲面の主曲率および主方向を求める。つまりその曲面の最大曲率とその最大曲率を示す方向を求める。
【0036】
求められた主曲率をK1、K2とし、求められた主方向と、S307のステップで指定した方向とが成す角度をθとすると、指定した方向の曲率KCATは、
CAT=K1cos2θ+K2sin2θ
で表わすことができる(S308)。
【0037】
形状不具合評価装置250は、以上の演算を、すべての点について切り取られた面歪曲面に対して行い、演算された曲率をそれぞれの点に対する属性データとして設定する(S309)。
【0038】
形状不具合評価装置250は、すべての点の属性データに基づいて車体パネルの面歪状態を可視化するための処理(たとえば曲率の大きさに応じた色づけ)を行い、この結果を、図示さされていないディスプレイに表示する。(S310)。
【0039】
以上の処理を行った結果は、図6に示すような画像として表示される。この画像によれば、車体パネルの面歪状態がよくわかる。また、図7は、人間によって行われた従来の官能評価結果を示した図であるが、図6の画像と比較すると、本発明の評価方法によって得られた評価と従来の官能評価との相関関係が非常に密であることがわかる。
(第2の実施の形態)
つぎに、曲率差に基づいて評価を行う方法を、図8のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0040】
まず、第1の実施の形態と同様に、形状不具合評価装置250は、実測された車体パネルの点群データをデータ管理装置150から取得するとともに、CAD装置200に記憶されているその車体パネルのデータに基づいて生成された点群データを取得する(S801)。
【0041】
つぎに、実測された車体パネルの点群データの点群の各点を直線で相互に結び、多数の三角形からなるメッシュ状の二次曲面を生成する。同時に、CAD装置200に記憶されているその車体パネルのデータに基づいて生成された点群データの点群の各点を直線で相互に結び、多数の三角形からなるメッシュ状の二次曲面を生成する(S802)。
【0042】
つぎに、オペレータは、形状不具合評価装置250に対して、両二次曲面を構成する点群のすべての点について、その点を中心とする領域を指定する。この指定する領域は、すべての点に対して自動的に適用される。なお、指定する領域は、たとえば半径30mmとか50mmといったような値で特定される(S803)。
【0043】
形状不具合評価装置250は、両二次曲面を構成する点群のすべての点について、指定された領域を、その点を中心とする所定の領域として、図5の円に示すように設定する。たとえば、領域が半径30mmと指定された場合には、両二次曲面を構成する点群のそれぞれの点を中心とする半径30mmの領域が、切り取る領域として設定される。この指定する領域は、両二次曲面を構成する点群のすべての点に対して自動的に適用される(S804)。
【0044】
形状不具合評価装置250は、両二次曲面を構成する点群から得られたメッシュ状の二次曲面から、指定された領域を切り取る。たとえば、ある点に対して、切り取る領域が図5に示すような円で指定されているときには、その円に含まれる各点の点データを収集することになる。なお、指定された領域を切り取るには、前述した公知のダイクストラのアルゴリズムを用いる(S805)。
【0045】
つぎに、オペレータは、形状不具合評価装置250に対して、切り取られた二次曲面の曲率を演算する方向を指定する。なお、この指定する方向は、二次曲面を構成する点群のすべての点に対して自動的に適用される(S806)。
【0046】
形状不具合評価装置250は、切り取られたすべての二次曲面に対して、指定された方向の曲率を求める。この曲率は、第1の実施の形態で示した式を用いて同様に求める(S807)。
【0047】
つぎに、求められた曲率を、それぞれの点に対して設定する(S808)。
【0048】
そして、形状不具合評価装置250は、両二次曲面を構成する各点に設定された曲率に基づいて、それぞれの点における曲率差を演算する。曲率がすべて同じであれば、演算された曲率差はすべて0になるが、曲率差が0でない場合には、図5に示すように、生成された面歪曲面は凹凸のある二次曲面となる(S809)。
【0049】
形状不具合評価装置250は、演算された曲率差をそれぞれの点に対する属性データとして設定する(S810)。
【0050】
形状不具合評価装置250は、すべての点の属性データに基づいて車体パネルの面歪状態を可視化するための処理(たとえば曲率差の大きさに応じた色づけ)を行い、この結果を、図示さされていないディスプレイに表示する(S811)。
【0051】
以上のように、本発明によれば、差分データまたは曲率差に基づいて被測定面の形状不具合の評価を行っているので、被測定面の形状に依存しない、統一的な尺度としての形状不具合評価を得ることができる。
【0052】
また、形状の異なる被測定物間での評価の比較も可能になることから、官能評価との相関を図ることができるようになる。
【0053】
さらに、その領域における曲率を求める方向も指定できるようにしているので、官能評価を行う際に通常は評価者に依存されてしまうこれら2つのパラメータを評価手法の中に取り入れることができ、本発明の実施によって得られる評価と製造現場で評価者によって行われる官能評価との相関をとることができるようになる。
【0054】
最後に、被測定面の面歪状態が可視化されるので、CADデータに基づいて形成される被測定物の形状に対して、実測された被測定物の形状が、どの程度ゆがんでいるかを容易に確認できるようになり、製造現場で評価者によって行われる官能評価とのズレを修正することができる。このズレを修正するために、切り取る領域の指定を変更したり、曲率を演算する方向の指定を変更したりすることによって、官能評価とのさらなる相関を図ることができるようになる。
【0055】
本発明にかかる被測定面の形状不具合評価方法のアルゴリズムは、あらゆる種類のCADシステム、シュミレーションソフトウェアのポストプロセッサに導入することができる。
【0056】
なお、以上の実施の形態では、面歪曲面または二次曲面の切り取る領域が円の場合を例示したが、たとえば四角形や三角形でもよい。また切り取る領域の大きさは、評価結果に要求される精度に応じて変わってくる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために用いる三次元形状測定装置の外観図である。
【図2】本発明の被測定面の形状不具合評価方法を実施する装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の被測定面の形状不具合評価方法を示す第1の実施の形態にかかるフローチャートである。
【図4】実測された車体パネルの点群データの説明に供する図である。
【図5】差分データから得られるメッシュ状の面歪曲面の説明に供する図である。
【図6】本発明の被測定面の形状不具合評価方法によって得られた評価結果を示す図である。
【図7】従来の評価方法によって得られた評価結果を示す図である。
【図8】本発明の被測定面の形状不具合評価方法を示す第2の実施の形態にかかるフローチャートである。
【符号の説明】
100…測定機、
105…測定台、
110…測定アーム、
115…プローブ、
150…データ管理装置、
200…CAD装置、
250…形状不具合評価装置。

Claims (4)

  1. 三次元形状測定装置によって実測された、またはシミュレーション装置に記憶されている、被測定面のデータに基づいて得られた点群データとCAD装置にあらかじめ記憶されている前記被測定面のデータに基づいて得られた点群データとを取得する段階と、
    それぞれの点群データから各点ごとの差分データを演算する段階と、
    前記差分データを構成する点群の各点を相互に結んでメッシュ状の面歪曲面を生成する段階と、
    前記差分データを構成する点群のすべての点について、その点を中心とする所定の領域を設定し、前記面歪曲面からその領域を切り取る段階と、
    切り取られた面歪曲面のそれぞれの曲率を演算する段階と、
    演算された曲率をその点の属性データとして設定する段階と、
    を有することを特徴とする被測定面の形状不具合評価方法。
  2. 三次元形状測定装置によって実測された、またはシミュレーション装置に記憶されている、被測定面のデータに基づいて得られた点群データとCAD装置にあらかじめ記憶されている前記被測定面のデータに基づいて得られた点群データとを取得する段階と、
    それぞれの点群データに基づいて、当該点群データを構成する点群の各点を相互に結んで2つのメッシュ状の二次曲面を生成する段階と、
    両二次曲面を構成する点群のすべての点について、その点を中心とする所定の領域を設定し、その領域に含まれる曲面を切り取る段階と、
    切り取られた曲面のそれぞれの曲率を演算する段階と、
    演算された曲率をその点の曲率として設定する段階と、
    両二次曲面を構成する各点に設定された曲率に基づいて、それぞれの点における曲率差を演算する段階と、
    演算された曲率差をその点の属性データとして設定する段階と、
    を有することを特徴とする被測定面の形状不具合評価方法。
  3. 前記面歪曲面からその領域を切り取る段階は、
    前記領域を指定する段階と、
    差分データを構成する点群のすべての点について、指定された領域を、その点を中心とする所定の領域として設定する段階とからなり、
    前記曲率を演算する段階は、
    曲率を演算する方向を指定する段階と、
    指定された方向の曲面の曲率を演算する段階と、
    からなることを特徴とする請求項1または2に記載の被測定面の形状不具合評価方法。
  4. さらに、すべての点の属性データに基づいて前記被測定面の面歪状態を可視化する段階を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の被測定面の形状不具合評価方法。
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