JP2775467B2 - スタッカリクレーマに用いられる衝突防止制御装置 - Google Patents

スタッカリクレーマに用いられる衝突防止制御装置

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はスタッカリクレーマに関し、特に、トリッパ
が切り離された際におけるトリッパとブームとの衝突を
防止するための制御装置に関する。
(従来の技術) 一般に、スタッカリクレーマは、第3図に示すよう
に、走行部としてのスタッカリクレーマポータル部31及
び走行装置32と、スタッカリクレーマポータル部31上に
起伏及び旋回可能に配設されたブーム33と、連結装置34
aによってスタッカリクレーマポータル部31に連結され
たトリッパ34とを備えており、ブーム33の先端にはバケ
ットホイール33aが取り付けられ、また、スタッカリク
レーマポータル部31には払出シュート31aが備えられて
いる。
スタッカリクレーマは荷貨物(例えば、石炭等の搬送
物)をトリッパ34からブーム33を経てヤードに積付けす
る(この動作をスタッキングという)場合及びバケット
ホイール33aを回転させてブーム33から払出シュート31a
を経て石炭等の搬送物をヤードベルトコンベヤに払い出
す(この動作をリクレーミングという)場合に用いられ
る。
ところで、このようなスタッカリクレーマでは、第4
図に示すように、トリッパ34連結中において、ブーム33
とトリッパ34との衝突を防止するためブーム33の旋回角
度は時計回りに135度、反時計回りに135度に規定(制
限)される(以下時計回りをプラス(+)で示し、反時
計回りをマイナス(−)で示す)。
一方、トリッパ34を切り離した際には、ブーム33は±
180度の範囲で旋回可能となる。従来、トリッパ34が切
り離された際にはオペレータがブーム33とトリッパ34と
が衝突しないように運転操作を行っている。
(発明が解決しようとする課題) 上述のように従来、トリッパ34が切り離された際に
は、オペレータが運転操作によってブーム33とトリッパ
34との衝突を防止しているから、オペレータに過大の注
意力を要求することになり、さらに、オペレータの注意
力にたよっているから衝突事故が発生することがあり、
いずれにしても安全上の問題点がある。
本発明の目的はトリッパが切り離された際においてブ
ームとトリッパとの衝突を自動的に防止することのでき
るスタッカリクレーマに用いられる衝突防止制御装置を
提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、所定の方向へ走行しスタッカリクレ
ーマポータル部及び走行装置からなる走行部と、該スタ
ッカリクレーマポータル部に取り付けられ旋回可能なブ
ーム部と、前記走行部に対して切り離し可能に取り付け
られたトリッパ部とを有し、荷貨物のスタッキング及び
リクレーミングを行うスタッカリクレーマにおいて、前
記トリッパ部が前記走行部から切り離された位置を基準
走行位置として該基準走行位置から前記走行部の走行距
離を検出する走行距離検出手段と、予め定められた基準
旋回位置から前記ブーム部の旋回角度を検出する旋回角
度検出手段と、前記ブーム旋回時における前記ブーム部
と前記トリッパ部との衝突防止を制御する制御手段とを
有し、該制御手段は、前記ブーム部の旋回中心から前記
ブーム部の先端までのブーム部長さと、前記ブーム旋回
時における前記ブーム部と前記トリッパ部との衝突を防
止するための前記トリッパ部側に設けられた衝突防止ゾ
ーンと、前記走行距離検出手段からの検知距離に基づい
て算出された前記ブーム部の旋回中心から前記衝突防止
ゾーンまでの第1の距離と、前記旋回角度検出手段から
のブーム部の旋回角度と、前記ブーム部の長手方向にお
ける中心線からブーム部の幅方向端部までの第2の距離
とを用いて衝突防止制御を行う際、前記トリッパ部が前
記走行部から切り離された際に前記第1の距離が前記ブ
ーム部長さ以下であると、前記衝突防止ゾーン、前記第
1の距離、前記旋回角度、及び前記第2の距離に基づい
て前記衝突防止ゾーンと前記ブーム部との距離を求めて
前記ブーム部が前記衝突防止ゾーンに達すると警報又は
前記走行部の停止及び前記ブーム部の旋回停止を行うよ
うにしたことを特徴とするスタッカリクレーマに用いら
れる衝突防止制御装置が得られる。
(作用) 本発明では、走行距離検出手段によって、トリッパ部
が走行部から切り離された位置を基準走行位置として基
準走行位置から走行部の走行距離を検出し、旋回角度検
出手段によって予め定められた基準旋回位置からブーム
部の旋回角度を検出する。トリッパ部が走行部から切り
離されると、制御手段が演算を開始し、第1の距離がブ
ーム部長さ以下であると、衝突防止ゾーン、第1の距
離、旋回角度、及び第2の距離に基づいて衝突防止ゾー
ンとブーム部との距離を求めてブーム部が衝突防止ゾー
ンに達すると警報又は前記走行部の停止及びブーム部の
旋回停止を行う。このようにして、衝突防止制御が自動
的に行われるので、オペレータの労力を軽減することが
でき、しかも衝突事故等の発生を未然に防止できる。
(実施例) 以下本発明について実施例によって説明する。第3図
に関連して説明したように、スタッカリクレーマは走行
部を有しており、走行部はスタッカリクレーマポータル
部31及び走行装置32を備えて、所定の方向へ走行する。
スタッカリクレーマポータル部31には起伏及び旋回可能
にブーム33が取り付けられており、走行部に対して切り
離し可能にトリッパ34が取り付けられている。そして、
前述のように、スタッカリクレーマは荷貨物のスタッキ
ング及びリクレーミングを行う。
第1図を参照して、走行部には走行位置検出器11が備
えられ、ブームには旋回位置検出器12が備えられてい
る。これら走行位置検出器11及び旋回位置検出器12はそ
れぞれA/D変換手段としてのS/Dコンバータ13及び14に接
続され、S/Dコンバータ13及び14は演算制御部15に接続
されている。
トリッパ34が切り離された際、この切り離し位置が基
準走行位置として設定され、トリッパ34から180度旋回
した位置がブーム33の基準旋回位置として設定される。
走行位置検出器11は走行部の走行位置を検出する。具体
的には、走行位置検出器11は基準走行位置から走行部の
走行距離を検出する。そして、この走行距離は演算制御
装置15に入力される。一方、旋回位置検出器12は基準旋
回位置からブーム33の旋回位置、つまり、旋回角度を検
出して演算制御装置15に与える。
第2図も参照して、トリッパ34が切り離された際、第
2図に斜線で示すようにトリッパ衝突防止ゾーン(Z)
が制定される。演算制御部15にはブーム33の長さ(L)
が予め設定されるとともにトリッパ衝突防止ゾーン
(Z)とブーム33との接近許容距離が警報鳴動とスタッ
カリクレーマの停止を考慮して個々に設定される。つま
り、ブーム33の時計回りに対して、警報鳴動に対応して
接近許容距離X1が、スタッカリクレーマの停止に対応し
て接近許容距離X2が設定され(X1≧X2)、ブーム33の反
時計回りに対して、警報鳴動に対応して接近許容距離Y1
が、スタッカリクレーマの停止に対応して接近許容距離
Y2が設定される(Y1≧Y2)。さらに、演算制御部15には
ブーム33の中心線からバケットホイール側までの距離A
とこの中心線からバケットホイールの反対側までの距離
Bが設定されるとともに(距離A及びBはそれぞれ第2
の距離と呼ばれる)トリッパ34の中心線から両側までの
距離C及びDが設定される。
検出距離kx(走行距離に基づいて算出されたブームの
旋回中心から衝突防止ゾーンまでの第1の距離)がブー
ム33の長さL以下であると、つまり、kx≦Lであると、
演算制御部15は演算を開始する。このとき、時計回りの
検出旋回角度θが+90度以上であると(+は時計回り
の旋回)、次ぎの第(1)式によって実際の接近距離
(実接近距離)k1を算出する。
k1=(kx−A)sinθ−C ……(1) また、反時計回りの検出旋回角度θが−90度以上で
あると(−は反時計回りの旋回)、次ぎの第(2)式に
よって実際の接近距離(実接近距離)k2を算出する。
k2=(kx−B)sinθ−D ……(2) 例えば、ブーム33が時計回りに旋回する場合、上記の
第(1)式によって演算制御部15は実接近距離k1を求め
る。そして、k1≦X1となると、演算制御部15は警報を発
する。オペレータがこの警報鳴動を聞き漏らす等してブ
ーム33の旋回を続け、k1≦X1となると、演算制御部15は
走行部の走行を停止するとともにブーム33の旋回を停止
する。
同様にして、ブーム33が反時計回りに旋回する場合に
は、上記の第(2)式によって演算制御部15は実接近距
離k2を求める。そして、k2≦Y1となると、演算制御部15
は警報を発生する。また、k2≦Y2となると、演算制御部
15は走行部の走行を停止するとともにブーム33の旋回を
停止する。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明では、トリッパ部が走行
部から切り離された際、トリッパ部が走行部から切り離
された位置を基準走行位置として、この基準走行位置か
らの走行部の走行距離とブーム部の旋回角度とに応じて
警報の鳴動又はスタッカリクレーマの停止を自動的に行
うようにしたから、オペレータの疲労を軽減できるばか
りでなく、トリッパ部とブーム部との衝突を確実に防止
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による衝突防止制御装置の一実施例を示
す図、第2図は第1図に示す衝突防止制御装置の制御動
作を説明するための図、第3図はスタッカリクレーマを
概略的に示す図、第4図はトリッパ連結の際のブームの
旋回を説明するための図である。 11……走行位置検出器、12……旋回位置検出器、13、14
……S/Dインバータ、15……演算制御部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の方向へ走行しスタッカリクレーマポ
    ータル部及び走行装置からなる走行部と、該スタッカリ
    クレーマポータル部に取り付けられ旋回可能なブーム部
    と、前記走行部に対して切り離し可能に取り付けられた
    トリッパ部とを有し、荷貨物のスタッキング及びリクレ
    ーミングを行うスタッカリクレーマにおいて、前記トリ
    ッパ部が前記走行部から切り離された位置を基準走行位
    置として該基準走行位置から前記走行部の走行距離を検
    出する走行距離検出手段と、予め定められた基準旋回位
    置から前記ブーム部の旋回角度を検出する旋回角度検出
    手段と、前記ブーム旋回時における前記ブーム部と前記
    トリッパ部との衝突防止を制御する制御手段とを有し、
    該制御手段は、前記ブーム部の旋回中心から前記ブーム
    部の先端までのブーム部長さと、前記ブーム旋回時にお
    ける前記ブーム部と前記トリッパ部との衝突を防止する
    ための前記トリッパ部側に設けられた衝突防止ゾーン
    と、前記走行距離検出手段からの検知距離に基づいて算
    出された前記ブーム部の旋回中心から前記衝突防止ゾー
    ンまでの第1の距離と、前記旋回角度検出手段からのブ
    ーム部の旋回角度と、前記ブーム部の長手方向における
    中心線からブーム部の幅方向端部までの第2の距離とを
    用いて衝突防止制御を行う際、前記トリッパ部が前記走
    行部から切り離された際に前記第1の距離が前記ブーム
    部長さ以下であると、前記衝突防止ゾーン、前記第1の
    距離、前記旋回角度、及び前記第2の距離に基づいて前
    記衝突防止ゾーンと前記ブーム部との距離を求めて前記
    ブーム部が前記衝突防止ゾーンに達すると警報又は前記
    走行部の停止及び前記ブーム部の旋回停止を行うように
    したことを特徴とするスタッカリクレーマに用いられる
    衝突防止制御装置。
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