JP2775150B2 - 蚊類毒性のバシラス・ツリンギーンシス・セロバル.イスラエレンシスの、胞子不含の、濃縮した蛋白質製剤の製法並びに該方法を実施するための微生物及び該微生物を収得する方法 - Google Patents

蚊類毒性のバシラス・ツリンギーンシス・セロバル.イスラエレンシスの、胞子不含の、濃縮した蛋白質製剤の製法並びに該方法を実施するための微生物及び該微生物を収得する方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、蚊類毒性のバシラス・ツリンギーンシス・
セロバル.イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis
serovar.isuraelenis)から胞子不含の、濃縮した蛋白
質製剤を製造する方法並びに該方法を実施するための微
生物及び該微生物を収得する方法に関する。 従来の技術 合成殺虫剤及び高等植物から得られた殺虫剤の他に、
細菌性殺虫剤が公知であり、多種多様な類型の1915年以
来公知のバシラス・ツリンギーンシスは、有効物質生産
体である。 昆虫病原性細菌のバシラス・ツルギーンシスの原形
は、通性嫌気性菌でありかつ内生胞子を形成することが
できる。これらは別の胞子形成細菌に比較して、胞子形
成過程で胞子襄中に副胞子の蛋白質結晶が形成されるこ
とにより優れている。該結晶蛋白質は食餌毒として昆虫
に作用しかつデルタ内毒素と称される。バシラス・ツリ
ンギーンシスの病原性は主として結晶蛋白質の毒性に起
因する。もはや該結晶を形成することのできないバシラ
ス・ツリンギーンシスの突然変異体は、またもはや昆虫
にとって病原体ではない。 副胞子結晶は、約120,000の分子量を有するグリコ蛋
白質から成る。蛋白質分子は結晶内にジスルフィド架橋
により相互に共有結合されている。該結晶は中性pH値で
は水性及び有機溶剤中に不溶性である。該結晶は、pH値
9.0以上のアルカリ性pH範囲内では可溶性であり、この
際結晶蛋白質は約23,000〜70,000の分子量を有するより
小形のペプチドに分解される。こうして生成したペプチ
ドのうちにも活性毒素が存在する。 デルタ内毒素は、昆虫にとって毒性の、別の物質とは
敏感な昆虫幼虫に対する高い毒性及び顕著な特異性、即
ち別の生物、特に捕乳動物に対する毒性を有しないこと
で区別される。その化学的構造は、残渣無く生物学的に
分解可能であることを予測させる。 この特性は、デルタ内毒素を植物保護において殺虫剤
として使用することを想到せしめる。実際に数十年来バ
シラス・ツリンギーンシスをベースとする製剤が提供さ
れている。これらの製造のためには、病原型(Pathoty
p)Aに属する菌株が使用される。これらの製剤は特に
果樹栽培において特定の種類の鱗翅類の幼虫に対して使
用される。 1977年に、そのデルタ内毒素が双翅目の幼虫に対して
毒性である、バシラス・ツリンギーンシスの単離体(後
でA60又はBacillus thuringiensis serovar.israelensi
s(BTI)と称された)が開示された。 別の、同様に文献で使用された、バシラスの名称は、
バシラス・セレウス・イスラエレンシス(B.cereus isr
aelensis)である。 二三年来、上記のような菌株をベースとして、カ及び
ブユを駆除するために適当である製剤(病原型B)を製
造する実験が実施された。 バシラス・ツリンギーンシスの病原型Bの菌株をベー
ス製剤を使用する際には、もちろん問題点が生じる。蚊
類の産卵場所は水面であり、そこにバシラス・ツリンギ
ーンシス・セロバル.イスラエレンシスをベースとする
製剤を注入しなければならない。湖沼保護の理由から、
湖沼に発芽可能な胞子を装入することは好ましくない、
それというのも湖沼異物の微生物の制御不可能な拡散の
危険が生じるからである。各々の胞子形成細胞はそれぞ
れ1個の胞子及び蛋白質結晶を生産するので、従来得ら
れた製剤中には蛋白質結晶と発芽可能な胞子とが同数で
含有される。実験室的規模においては、胞子と結晶を分
離することは問題なく可能である。しかし、そのために
使用される方法、例えば密度勾配遠心分離法及び二相分
離法は、工業的規模では実施不可能である。胞子はUV又
はガンマ線を照射することにより分解することができ、
しかも該方法によれば結晶蛋白質の殺虫性作用は低下せ
しめられない。しかしながら、バシラス・ツリンギーン
シス製剤のUV又はガンマ線照射による無菌化はコスト高
でありかつ従って経済的に代替されない。 もう1つの問題点は、こうして得られた製剤の活性が
なお低すぎることにある。この場合にも、その原因の1
つは、製剤が蛋白質結晶の他になお不活性胞子及び一部
分また栄養細胞を含有することにある。それにより、本
来の有効物質は程度の差こそあれ著しく希釈される。粗
製製剤のガンマ線での無菌化により、胞子及び栄養細胞
は確かに撲滅されるが、しかしなお粒子として製剤中に
残留する。確かに毒素の多数の用途もしくは散布形は一
定の希釈を甘受しなければならない。しかしながら、毒
素の実際的調製(いわゆる製剤)は、例えば増量剤を加
えるか又は製剤を熱的負荷(例えば噴霧乾燥)をかけね
ばならないので、いずれにせよ必然的に希釈される。 前記困難性は、最初から蛋白質結晶だけが生成しかつ
胞子及び栄養細胞が生ぜず、ひいては高濃縮された製剤
が得られる、バシラス・ツリンギーンシスの蚊類病原性
菌株の発酵法を開発することができれば、回避される。 ヨーロッパ公開特許第99301号明細書には、特に双翅
目毒性バシラス・ツリンギーンシス・イスラエレンシス
(もしくはB.cereus spp.israelensis,BCI)の無胞子突
然変異体が、菌株名称CB3−104RもしくはCanadian Comi
ttee on Culture Collectionsの寄託番号262又はAmeric
an Type Culture CollectionのATCC39,152で記載されて
いる。 この突然変異体は確かに、結晶質毒素の胞子不含の製
剤を製造することを可能にするが、し但しその培養体の
総ての個体が常に胞子形成の同じ段階にある場合だけで
ある、それというのもこの突然変異体は元来が無胞子突
然変異体であるのではなく、内生胞子を副胞子結晶の形
成後に再び溶解する微生物であるからである。工業的規
模で、同一年令の微生物を含有する培養体を採取するこ
とは実際に不可能である、その結果ヨーロッパ公開特許
第99301号明細書に記載の突然変異体で、毒素の胞子及
び細胞不含の製剤を直接的に、即ち後からの処理手段を
講じることなく得ることは達成されなかった。 しかしながら、ヨーロッパ公開特許第99301号明細書
は、BTIの現象学及び加工実施のために多数の示唆を含
む、従って該明細書は必要と思われる場合には、以下の
記載を補充するために採用することができる。 同様にバシラス・ツリンギーンシス(serovar.kursta
ki)の無胞子突然変異体の培養を扱った刊行物は、ヨー
ロッパ公開特許第59460号明細書であり、該明細書には
毒素を生産する遺伝情報を、例えばヨーロッパ公開特許
第63949号明細書に記載された有効微生物に転用する提
案(例えばE.coli)が十分に示されている。 発明の構成 ところで、一定の条件下では胞子及び細胞物質不含の
毒素製剤を提供し、しかもそのために特別の無菌化工程
を必要としない、前記のバシラス・ツリンギーンシスA
−60もしくはバシラス・ツリンギーンシス・セロバル.
イスラエレンシスの、以下にHA−9と記載する突然変異
体が見いだされた。このために以下のことを前置きす
る: 出発菌株の説明 1977年に、ゴールバーク(Goldberg)及びマーガライ
ト(Margalit)によって、イスラエルのネゲヴ(Nege
v)砂漠で蚊の産卵場所で蚊の幼虫に対して殺虫作用を
有するバシラスが単離された。このA−60と称される分
離物は、beBarjacによって同定された(C.R.Acad.Sci.,
Paris,286,797−800及び1175−1178,SerieD(197
8))。これはそれまで未知であった病原型B及び同時
同様に新規のフラゲレンセロタイプ(Flagellenseroty
p)H−14に属するので、バシラス・ツリンギーンシス
・セロバル.イスラエレンシス(B.thuringeiensis ser
ovar.israelensis)と称される。 昨年、なお別の分離物が記載された、該分離物は同様
に病原型Bに属するが、但しフラゲレンセロタイプH−
8,H−10及びH−11に属する。しかしながら、この分離
物から成る結晶毒素の比毒性は菌株A−60の場合よりも
低い。 従って、以下に記載するないしは本発明に基づき記載
する突然変異体は、常に菌株A−60から出発する。 バシラス・ツリンギーンシスにおける胞子形成の説明 バシラスの場合の内生胞子の生産は、一般に静止性成
長期において開始する。このことは細胞のために使用可
能な培養基の枯渇及びそれに結び付いた生活条件の劣化
に対する反応として見なされる。栄養細胞は生化学的に
活性、分割可能でありかつ熱及び乾燥に対して敏感であ
る。それに対して、内生胞子は熱及び乾燥に対して顕著
な抵抗を有するが、しかし生化学的に不活性でありかつ
分割可能である。これらは静止段階を呈し、該段階は数
十年継続することができる。この段階は、胞子が増殖を
可能にする培養基、例えば実験室内での培養溶液と接触
すると終了する。この場合、発芽と称される過程で、胞
子は栄養細胞に転化される。胞子形成の過程(以下に
は、胞子形成と記載する)では、胞子形成細胞内で顕著
な形態上の変化が起こる。理解しやすくするために、胞
子形成を7つの異なった段階に分け、該段階を一般的に
ローマ数字で表す。蛋白質結晶の形成は、段階IIIで開
始する。 胞子形成中の形態上の変化を観察すれば、その際多数
の過程が順次に行われることが明らかである。胞子形成
に関与される遺伝素質の表徴が突然変異によってブロッ
クされると、その際しばしば後続の遺伝素質は同様にも
はや遺伝されない。従って、多数のspo−然変異の場合
には胞子形成は特定の段階で中断される。この特性を、
突然変異を特性化するために採用する。従って、spo II
I−突然変異体は胞子形成の段階IIIでブロックされる、
即ち胞子形成は段階IIIで停止する。spo VI−突然変異
体の場合には、胞子形成は段階VIで停止し、かつ0突然
変異体は、栄養成長から胞子形成に切り替わることはで
きない。しかし、例外も生じる。例えば、段階VIIにお
ける胞子襄の溶解に応答する遺伝素質の表徴は、spo II
I−またはspo Vの欠落によっては影響されない。既述の
通り、結晶の合成は既に段階IIIで開始した。従って、
段階IIIまたはその後に必要とされる遺伝素質における
欠陥は、結晶の合成には影響しないが、但し完全な熱抵
抗性胞子の発生には影響すべである。 spo−突然変異体の単離 バシラス・ツリンギーンシスのコロニーは寒天培養基
上で数日の経過で顕著な変化を行う。中心部で開始し
て、まず帯褐色のコロニーが白色に混濁する。時折、極
めて大きなコロニーの場合には、コロニーの中心部が陥
没し、かつ一種のクレータを形成する。このコロニー形
態の変化は胞子形成によって惹起される。コロニーの中
心部の細胞では、培養基がまず不足する、従って該細胞
は第1段階としてその物質交換を胞子形成に切り替える
ことを開始する。従って、微生物を扱う熟練した微生物
学者は、コロニーが胞子を形成しているかどうかを容易
に認識することができる。バシラス・ツリンギーンシス
の場合には、この段階は28℃で3〜4日後に達成され
る。もはや胞子形成を行うことのできない突然変異体の
コロニーは混濁せず、一部分幾分か透明になる。このよ
うにして、例えばNTGを用いて突然変異誘発について個
々のコロニーの数千コロニーを過度の時間をかけること
なく精査することが可能である。 形態の変化した総てのコロニーがspo−突然変異体で
はない。従って、各々の変化したコロニーのより一層の
特性化のため試料を採取しかつ位相コントラスト顕微鏡
下で精査する。この際に、spo−突然変異体であるか又
はなお蛋白質結晶が生産されているかが容易に識別され
る。バシラス・ツリンギーンシスのコロニー内で、成長
と胞子形成が非同時に行われる場合、即ちコロニーの中
心部で胞子形成が終了している場合には、細胞はその周
辺部がなお栄養成長の状態にある。従って、その際にも
胞子形成における遺伝子欠陥が熟成する胞子を分解させ
れば、突然変異体を更に増殖させることが可能である。 このようにして、菌株A−60及びバシラス・ツリンギ
ーンシスの多数の無胞子突然変異体を単離した。そのう
ちの多数のものは、胞子形成性出発菌株に起因して高い
復帰率を有する。更に改良するために、2種類の突然変
異体HA−1及びHA−5だけを採用した、それというのも
これらの場合には胞子形成出発菌株に起因する復帰が観
察されなかったからである。 spo−突然変異体の特性の説明 菌株HA−1 綿密に処理した菌株A−60の第1の無胞子突然変異体
を、菌株HA−1と称する。この突然変異体の胞子形成し
た培養体は、菌株A−60の相応する培養体とは、光を屈
折する内生胞子の代わりに比較的大きな楕円形の、外生
胞子によって包囲された細胞が観察されることにより識
別される。両者の培養液は蚊類病原性菌株にとって典型
的である不規則に形成された副胞子結晶を含有する。 菌株A−60及び突然変異体HA−1の発酵中の殺虫性作
用及び熱安定性もしくは熱不安定性の発生は、同様に光
学的に追跡することができる。突然変異体は出発菌株と
同様に急速な成長を示し、また毒性の形成も同期的に行
われる。しかしながら、熱抵抗性胞子の形成は突然変異
体においては行われない。 電子顕微鏡的写真によれば、前記細胞においては欠陥
胞子が問題であることが判明した、それというのもこれ
らは総て胞子にとって典型的な胞子壁の層を含有するか
らでる。欠陥胞子は完全胞子とは、細胞質が凝縮されて
いない、即ち熱抵抗性を有しないことにより区別され
る。胞子外皮(コルテックス)は菌株A−60におけるよ
うに、胞子を完全に包囲する均一な厚さの層ではなく、
中断されておりかつ胞子を完全に包囲していないことが
観察される。 胞子外皮の形成は胞子形成の段階Vで行われる。突然
変異体の場合には未だ欠陥胞子外皮が見られ、しかも細
胞質の凝縮は観察されないので、該突然変異体をspo V
−突然変異体と称する。欠陥は段階Vの遺伝子中に存在
するが、段階VIIにとって典型的な胞子襄の溶解が行わ
れる。そのために必要な遺伝子の表徴はV突然変異によ
って影響されるとは見なされない。 熱安定性の欠陥胞子は、発酵の終了時に80℃に10分間
加熱することにより、しかも蛋白質結晶の毒性を低下さ
せることなく、不活性化することができる。それにより
照射せずに、湖沼保護規定を満足する粗製生成物を得る
ことが可能である。 本発明による菌株HA−5 突然変異体HA−1は、粗製生成物中に蛋白質結晶の他
に、有効物質の著しい希釈を惹起する欠陥胞子がなお生
じるという欠点を有する。従って、胞子形成の早期の段
階で欠陥を有する別の突然変異体を追求した。適当と思
われるコロニーの別の精査中に、HA−5と称する突然変
異体が単離された。顕微鏡で観察されたように、この突
然変異体においても胞子襄の溶解が起こり、この場合に
は典型的な蛋白質結晶だけが遊離しかつ胞子は遊離しな
い。正確に特性化するために、この突然変異体を用いた
発酵の際には種々の時点で対数関係的成長の終了後に試
料を採取しかつ胞子形成細胞の超薄切片を電子顕微鏡で
調査した。初期胞子は、突然変異体HA−5で観察するこ
とのできる、胞子形成の最も進行した段階を示す。二重
の膜とその間に胞子の一次細胞壁が識別される。このこ
とは段階IIIの胞子が有する発育段階に相当する。従っ
て、この突然変異体をspo III−突然変異体と称する。
胞子の一次細胞壁は、胞子襄の細胞壁と同じ構造を有す
る。従って、胞子襄を溶解することのできる酵素は初期
胞子をも分解することができ、その結果発酵の終了時に
はなお蛋白質結晶だけが余分に残留すると理解される。
上記本発明のHA−5株はドイッチェ ザムルング フォ
ン ミクロオルガニズメン(DSM)に1985年8月21日に
寄託番号DSM3439の下に寄託されている。 ts−突然変異体の製造 spo−突然変異体の不完全性 多くのバシラス菌株においては、対数的成長の終了時
に全部の細胞が胞子を形成するのではないことを観察す
ることができる。静止期にある培養液中の胞子形成細胞
の割合は、1%未満に低下させることができる。このよ
うな菌株はオリゴ胞子形成性(oligosporogen)と称さ
れる。この現象の原因は、遺伝的に決定することがで
き、極めてしばしば媒体の組成も重要である。菌株A−
60においても、培養液中に胞子形成の段階VIIにある、
常になお栄養細胞が観察される。 突然変異体HA−5を発酵させると、以下の現象が発生
する。対数的成長期の終了時に、培養期が枯渇しかつ細
胞は成長を停止する。細胞の大多数はその物質交換を胞
子形成に切り替え、その残りの細胞は休息する。胞子形
成の終了時に、胞子襄及び初期胞子は溶解する。この場
合、培養基として適当な細胞成分が媒体内に遊離し、そ
の後なお存在する栄養細胞は再び成長を開始する。栄養
細胞の数が増加することにより、組成生成物中の蛋白質
結晶の濃度は低下せしめられる。栄養栽培は蛋白質結晶
よりも極めて著しく大きいので、該希釈効果は既に栄養
細胞が僅かに増加すると極めて顕著になる。突然変異体
HA−5で発酵させる場合には、二次的成長は採取期の正
確な選択により制限することができる、但し発酵の終了
近くには、しばしばの試料採取及び慎重な監視が必要で
ある。それでもなお、突然変異体HA−5で製造された粗
製製剤は依然として栄養細胞を含有する。 本発明による菌株HA−9の説明 バシラス・ツリンギーンシスは約25〜45℃で成長す
る。温度に敏感な、略してts−突然変異体と称される1
種の突然変異体が存在する。このような突然変異は種々
異なった遺伝子で発生しうる。これらは細胞が例えば28
℃で完全な遺伝生成物をかつ例えば43℃で欠陥のある遺
伝生成物を合成する。 無胞子突然変異体HA−5において胞子形成の終了時に
二次的成長を阻止するために、該突然変異体を再度NTG
で処理しかつ生存細胞のうちで、栄養成長においてts−
欠陥を有するものを選択した。単離した総ての突然変異
体は30℃未満、例えば28℃では成長するが、しかし35℃
を越えると、例えば43℃では成長せずかつなおspo III
−突然変異体を有する。該突然変異体を例えば28℃で、
胞子形成が開始するまで成長させ、かつ次いで温度を例
えば43℃にたかめると、結晶の合成は劣化されない。こ
の条件を満足する突然変異体のうちには、付加的効果を
有する若干のものが存在する。温度を43℃に高めると、
その際成長は中止するだけでなく、更に栄養細胞は溶解
を開始する、従ってその数は急速に低下する。 この効果は、突然変異体HA−9においては特に顕著で
ある。この突然変異体で胞子形成中に温度を43℃に高め
ると、その際培養液内で数時間以内で総ての栄養細胞は
溶解する。培養媒体の遠心分離により得られたバイオ物
質は、胞子もまた栄養細胞をも含有しないだけでなく、
殆ど専ら蛋白質結晶を含有する。 実施例 突然変異体HA−9を用いて蚊類毒性蛋白質結晶の製造方
法の説明 ダイズ粉、酵母自己融解物、ジャガイモ澱粉及び無機
塩を含有する発酵媒体を調製した。媒体の組成は表にま
とめて示す。 それぞれ発酵媒体250mlを入れた、各1個のじゃま板
を備えた2つの500mlフラスコに、突然変異体HA−9を
接種した。次いで、フラスコを28℃で16時間振とうし
た。フラスコの接種のために使用したコロニーは酵母エ
キス/グルコース/ペプトン/寒天で培養しかつ発生後
48時間を越えないものであった。 一晩培養した液を発酵媒体を有する、28℃に調温した
25の発酵器に接種した。この際、反転装置を備えた発
酵器を使用した。撹拌機の回転数は1200rpmに、換気は2
5/minに調整した。 7時間後に、前発酵器内の細胞は中〜後期の対数的成
長期にあたり、該細胞を主発酵器の 接種のために利用
した。このためには、前発酵器の内容物を、無菌化しか
つ28℃に調温した発酵媒体を入れた主発酵器にポンプで
搬送した。タービンの回転数は1200rpmに、換気は6m3/h
に調整した。対数的成長期においては媒体の激しい酸性
化が行われるので、pH値を2NのNaOHをポンプで供給する
ことによりpH74に保持した。対数的成長期の終了時近く
に、培養液内のpH値はpH>8.0に上昇した。蛋白質結晶
の合成が開始した後に、発酵器内の温度を19時間後に43
℃に高めた。総計26時間後に、発酵を停止させかつ蛋白
質結晶を遠心分離により採取した。 ダイズ粉(脱脂) 10.0g/ ジャガイモ澱粉 5.0g/ 酵母自己融解物 2.0g/ K2HPO4(無水) 1.0g/ MgSO4×7H2O 0.3g/ CaCl2×6H2O 0.08 g/ MnCl2×4H2O 0.05 g/ CuCl 0.005g/ ZnCl2 0.005g/ FeCl3 0.005g/ 殺虫剤として使用するために、本発明により得られた
殺虫作用製剤もしくは毒素を自体公知の方法で常用の添
加物(賦形剤、付着剤、湿潤剤等)を加え、適当な製剤
形に加工した。こうして調製した殺虫剤は、噴霧粉末、
懸濁液の形で、顆粒その他の形で使用することができ
る。 適用実施例 イーデス・イージプチ(Aedes aegypti)(黄熱病媒
介蚊) 実験形式: 持続接触/食餌;イーデス・イージプチ 実験の実施: 容積250ml、直径8cmを有するプラスチック製ビーカー
に約23℃の水道水200mlを充填しかつ第2期の幼虫段階
にある20匹のイーデス・イージプチの幼虫を入れた。そ
の後、試験物質を水性エマルジョン又は懸濁液として容
器に注入しかつ24時間後に容器内での死亡率を調べかつ
LC50値を計算した。
フロントページの続き (72)発明者 ハラルト、ヴァイサー ドイツ連邦共和国、7210、ロトヴァイ ル、ブルガーシュトラーセ、80 (56)参考文献 特開 昭59−66881(JP,A) Appl.Enriron,Micr obiol.,46(2) 1983,P. 312−315 Appl.Enriron,Micr obiol.,43(6) 1982,P. 1498−1500 Appl.Enriron,Micr obiol.,43(6) 1982,P. 1473−1480 Appl.Enriron,Micr obiol.,42(2) 1981,P. 385−387 J.Bacteriol.,158(1) 1984,P.447−454 Compters Rendus H ebdomadarires des Seances de I’Acade mic des Sciences S erie D Sciences Na turelles,281(11) 1975, P.755−758 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 1/20 BIOSIS(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.胞子形成の早期段階(段階III)での欠陥があり、
    かつ、親の胞子形成菌株に戻らない無胞子突然変異体バ
    シラス・ツリンギーンシス・セロバル.イスラエレンシ
    スHA−5株であって、胞子の一次細胞壁は胞子襄の細胞
    壁と同じ構造を有し、それ故に胞子襄を溶解し得る酵素
    でのHA−5株の処理により結晶蛋白質のみが得られる、
    上記HA−5株。 2.突然変異率を高める薬剤に場合により暴露した後
    に、成長する細菌コロニーから、30℃未満で発酵させた
    場合に熱に不安定である胞子を形成するものを選択し、
    その栄養細胞を増殖させ、そして培養基から常法で毒素
    を単離することからなるバシラス・ツリンギーンシス・
    セロバル.イスラエレンシスから蚊類に対して毒性であ
    る夾雑物が少なく胞子不含の製剤を製造する際に、胞子
    形成の早期段階(段階III)での欠陥があり、かつ、親
    の胞子形成菌株に戻らない無胞子突然変異体バシラス・
    ツリンギーンシス・セロバル.イスラエレンシスHA−5
    株であって、胞子の一次細胞壁は胞子襄の細胞壁と同じ
    構造を有し、それ故に胞子襄を溶解し得る酵素でのHA−
    5株の処理により結晶蛋白質のみが得られる、上記HA−
    5株を使用する方法。 3.突然変異率を高める薬剤に場合により暴露した後
    に、成長する細菌コロニーから、排他的に初期胞子を形
    成するものを選択し、それを適当な培養基中30℃未満で
    胞子形成が起こるまで増殖させ、その後に胞子の自己溶
    解を起こす35℃より高い温度に維持し、そして培養基か
    ら毒素を単離することからなるバシラス・ツリンギーン
    シス・セロバル.イスラエレンシスから蚊類に対して毒
    性である濃縮された夾雑物が少なく胞子不含の蛋白質製
    剤を製造する際に、胞子形成の早期段階(段階III)で
    の欠陥があり、かつ、親の胞子形成菌株に戻らない無胞
    子突然変異体バシラス・ツリンギーンシス・セロバル.
    イスラエレンシスHA−5株であって、胞子の一次細胞壁
    は胞子襄の細胞壁と同じ構造を有し、それ故に胞子襄を
    溶解し得る酵素でのHA−5株の処理により結晶蛋白質の
    みが得られる、上記HA−5株を使用する方法。
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Compters Rendus Hebdomadarires des Seances de I’Academic des Sciences Serie D Sciences Naturelles,281(11) 1975,P.755−758
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