JP2775007B2 - アルミニウム含有廃液の処理方法 - Google Patents

アルミニウム含有廃液の処理方法

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JP2775007B2
JP2775007B2 JP4268135A JP26813592A JP2775007B2 JP 2775007 B2 JP2775007 B2 JP 2775007B2 JP 4268135 A JP4268135 A JP 4268135A JP 26813592 A JP26813592 A JP 26813592A JP 2775007 B2 JP2775007 B2 JP 2775007B2
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    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
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    • C01F7/48Halides, with or without other cations besides aluminium
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムを含有す
る燐酸−塩酸系廃液又は燐酸−硝酸系廃液を処理し、燐
酸と塩酸又は硝酸を回収して再利用する方法に関するも
のである。本発明は、例えばアルミニウム電解コンデン
サの生産工程より排出される廃液の処理に適用すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】電解箔工業関係では、エッチングや化成
など電気的・化学的処理を行い、高品質アルミニウム電
解箔を生産している。従来、アルミニウム箔の化学処理
には塩酸や硝酸などの単独酸が用いられており、この工
程より排出される廃液は単独酸にアルミニウムが溶解し
ただけの単純な組成であった。しかしながら,製品の小
型化などコンデンサ性能の向上が望まれ、その要請に応
えるべく、エッチングや化成などの処理技術は高度化し
ている。それに伴い、使用される酸は塩酸や硝酸などの
一塩基酸に燐酸及び/又は硫酸を加えた混酸が用いられ
るようになり、排出される廃液の組成は複雑化し、その
処理が困難となってきた。従来、アルミニウム電解コン
デンサを製造している電解箔工業関係の工場より排出さ
れる廃液は、中和処理後に廃棄されるか、又はせいぜい
製紙工場の凝沈剤として利用される程度であったが、上
記のような硫酸や燐酸などの不揮発性酸を含有する一塩
基酸廃液から凝集剤を製造しようとすると、一塩基酸の
酸基とアルミニウムとの塩が析出するだけでなく、アル
ミニウムの硫酸塩や燐酸塩も同時に析出してしまい、凝
集剤としての利用も困難となり、その処理に困窮してい
た。また、中和処理にはアルカリが大量に消費されるの
で処理費が高くなるだけでなく、中和により副生する水
酸化アルミニウムの分離が困難になるという問題もあっ
た。近年、拡散透析処理により遊離の一塩基酸を回収す
る方法も提案されているが、一塩基酸の回収率が悪く、
また透析残液の廃液処理が新たに生じるという問題点も
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の諸問
題を解決し、例えば、アルミニウム電解コンデンサの製
造工程より大量に発生する、アルミニウムを含有する燐
酸・一塩基酸系廃液から、燐酸や一塩基酸を効率的に回
収し、且つ副産物として付加価値の高いフッ化アルミニ
ウムを製造する方法を提供することを目的としている。
前記廃酸を単に蒸留濃縮するのでは一塩基酸の回収率が
悪く、副産物として回収されるアルミニウム塩も利用価
値が低い。ところが、本発明者は、意外にも廃酸中のア
ルミニウムの塩酸塩又は硝酸塩を過飽和状態に調整した
後、アルミニウム塩を析出して母液と分離し、分離した
アルミニウム塩をフッ化水素酸と反応させ、塩酸又は硝
酸を遊離酸として回収することで、燐酸と塩酸又は硝酸
を70%以上の高率で回収することができることを見出
した。このような高率で回収された塩酸又は硝酸、及び
燐酸は再利用することができる。更に、該廃液を処理し
て、副産物として回収されるアルミニウム塩を付加価値
の高いフッ化アルミニウムに誘導する方法を見出した。
本発明はこうした知見に基づくものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、 (1)アルミニウムを含有する燐酸−塩酸系廃液又は燐
酸−硝酸系廃液を塩化アルミニウム又は硝酸アルミニウ
ムの過飽和溶液にする調整工程と、 (2)その過飽和溶液から塩化アルミニウム又は硝酸ア
ルミニウムを晶析する晶析工程と、 (3)続いて前記の塩化アルミニウム又は硝酸アルミニ
ウムと母液とを分離する分離工程を含むことを特徴とす
る、アルミニウムを含有する燐酸−塩酸系廃液又は燐酸
−硝酸系廃液の処理方法に関する。
【0005】また、本発明は、 (4)前記分離工程(3)で得られる塩化アルミニウム
又は硝酸アルミニウムをフッ化水素酸と反応させてフッ
化アルミニウム結晶と塩酸又は硝酸溶液とを生成する生
成工程と、 (5)この生成工程で得られたフッ化アルミニウムを塩
酸又は硝酸溶液から分離して回収する回収工程とを含む
ことを特徴とする、アルミニウムを含有する燐酸−塩酸
系廃液又は燐酸−硝酸系廃液の処理方法にも関する。
【0006】更にまた、本発明は、 (6)前記分離工程(3)で得られる塩化アルミニウム
又は硝酸アルミニウムを熱分解して酸化アルミニウムを
生成する熱分解工程と、 (7)得られた酸化アルミニウムにフッ化水素酸を反応
させてフッ化アルミニウムを製造する反応工程を含むこ
とを特徴とする、アルミニウムを含有する燐酸−塩酸系
廃液又は燐酸−硝酸系廃液の処理方法にも関する。
【0007】また、本発明は、(8)前記回収工程
(5)によって分離された塩酸又は硝酸溶液を拡散透析
処理することにより、前記溶液中に残存するフッ化アル
ミニウムを回収する拡散透析工程を含むことを特徴とす
る、アルミニウムを含有する燐酸−塩酸系廃液又は燐酸
−硝酸系廃液の処理方法にも関する。
【0008】本発明方法で処理の対象となる廃液は、主
成分として塩酸又は硝酸と燐酸とを含む処理液によっ
て、アルミニウム金属処理を行うことによって生じる廃
液であれば特に限定されるものではなく、例えば、アル
ミニウム電解コンデンサの製造工程やアルミニウム化学
研磨工程から大量に発生する廃液である。
【0009】本発明方法によれば、最初に廃液中でアル
ミニウムの塩酸塩又は硝酸塩が過飽和溶液になるよう調
整する。この調整工程(1)は、例えば、濃縮操作、例
えば、減圧濃縮又は蒸発濃縮によって実施することがで
き、この場合には、遊離の塩酸又は硝酸を留出液と共に
回収することもできる。この際、燐酸アルミニウムが析
出しないように廃液中の燐酸濃度が30重量%以上にな
らないように注意することが好ましい。また、廃液中の
塩化アルミニウム又は硝酸アルミニウムの濃度が高い場
合には、この廃液を冷却することにより過飽和溶液に調
整することもできる。
【0010】続いて、前記調整工程(1)で得られた過
飽和溶液を、例えば、冷却するか、又は酸を添加して酸
濃度を上げることによって結晶を析出させる。前記調整
工程(1)で、廃液を加熱して濃縮した場合には、加熱
濃縮液を0℃ないし室温程度に冷却すればよい。また、
廃液を冷却して過飽和溶液に調整した場合には、更に低
温に冷却するか酸を添加して酸濃度を上げることで結晶
を析出させる。得られる結晶は粒径が大きい方が望まし
く、この晶析工程(2)に種結晶を添加したり、冷却速
度を2〜10℃/hrに調整するのが好ましい。このよう
にして、例えば、硝酸系廃液の場合には、Al(N
3 ) 3 ・9H2 O、塩酸系廃液の場合には、AlCl
3 ・6H2 Oを回収することができる。
【0011】更に、この晶析工程(2)では、過飽和溶
液の塩酸又は硝酸/アルミニウムのモル比を、好ましく
は5以上、更に好ましくは5〜10になるように塩酸又
は硝酸を添加するのが好ましい。すなわち、前記のモル
比が増加するとアルミニウム塩の溶解度が低下するの
で、廃液中のアルミニウム除去率を向上させることがで
きる。廃液中のアルミニウム濃度が低下すれば、晶析工
程(2)の後の分離工程(3)でアルミニウム塩結晶か
ら分離して得られる母液を再利用する場合にも好まし
い。本発明者が見出したところによれば、前記のモル比
が5以上になると、廃液中のアルミニウムを実用的に
は、ほとんど除去することができる。なお、前記のモル
比が10を越えると晶析する結晶が小さくなり、濾過性
が悪くなるため、むしろ結晶の付着水分量が大きくな
り、回収酸の量が減少する。
【0012】次に、得られた塩化アルミニウム又は硝酸
アルミニウムの結晶を燐酸リッチな母液と分離する。こ
の分離工程(3)は、例えば、遠心分離によって実施す
ることができる。母液は、酸濃度を調整して、例えば、
アルミニウム電解箔のエッチング工程に再利用すること
ができる。また、塩化アルミニウム又は硝酸アルミニウ
ムの結晶は、以下の各種の方法により、利用価値の高い
フッ化アルミニウムに変換することができる。
【0013】すなわち、本発明によれば、前記分離工程
(3)で得られた塩化アルミニウム又は硝酸アルミニウ
ムにフッ化水素酸を反応させて、フッ化アルミニウム結
晶と塩酸又は硝酸溶液を生成させることができる。この
生成工程(4)は、例えば15〜30重量%に希釈した
フッ化水素酸水溶液に塩化アルミニウム又は硝酸アルミ
ニウムを溶解して、約50〜95℃で約3〜6時間攪拌
下に反応を行わせ、例えばAlF・3HOを得るこ
とができる。また、例えば、塩化アルミニウム又は硝酸
アルミニウムを水に溶解し、その水溶液にフッ化水素酸
を添加することによってもAlF・3HOを得るこ
とができる。この際、フッ素/アルミニウムのモル比を
2.5〜3.5とすることが好ましい。前記のモル比が
2.5未満ではフッ素が不足して、得られる塩酸塩又は
硝酸塩中のアルミニウム残量が増し、前記のモル比が
3.5を越えるとアルミニウムが不足してフッ素残量が
増す。
【0014】続いて行う回収工程(5)では、前記生成
工程(4)で生成した塩酸又は硝酸溶液からフッ化アル
ミニウム結晶を、例えば、遠心分離によって回収する。
こうして回収されたAlF3 ・3H2 Oを、約600〜
700℃にて焼成して無水のフッ化アルミニウムを得る
ことができる。また分離された塩酸又は硝酸溶液は、酸
濃度を調整してアルミニウム電解箔のエッチング工程に
再利用することができる。
【0015】また、本発明によれば、前記分離工程
(3)で得られた塩化アルミニウム又は硝酸アルミニウ
ムを熱分解して酸化アルミニウムを生成し、更に得られ
た酸化アルミニウムにフッ化水素酸を反応させることに
よりフッ化アルミニウムを製造する。例えば、Al(N
・9HOを約150〜200℃にて分解して
酸化アルミニウムを製造し、乾式法により約400〜6
00℃の温度で酸化アルミニウムとガス状フッ化水素酸
とを直接反応させることにより、フッ化アルミニウムを
得ることができる。
【0016】また、本発明によれば、前記回収工程
(5)によって回収された塩酸又は硝酸溶液を拡散透析
処理することにより、前記廃液中に残存するフッ化アル
ミニウムを分離することもできる。すなわち、前記溶液
中にフッ化水素酸が存在すると、同じく残存する塩化ア
ルミニウム又は硝酸アルミニウムが塩酸又は硝酸とフッ
化アルミニウムとに転化しているので、拡散透析処理を
行うことにより、遊離の塩酸又は硝酸を回収することが
できる。拡散透析処理は常法で行うことができ、例え
ば、アニオン交換膜を介して前記溶液と水とを向流に流
通させることにより実施する。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 燐酸−硝酸系エッチング処理液によってアルミニウムコ
ンデンサを処理して得られた廃液を処理した。この廃液
の組成は以下の表1に示すとおりであった。表1 Al(g/l) 16.3 NO3 (g/l) 118 PO4 (g/l) 10.5
【0018】前記の廃液約10リットルを2リットルに
減圧濃縮し、濃縮液に61重量%硝酸2936gを添加
し、約55℃に加温して過飽和溶液を得た。この過飽和
溶液を0℃に冷却して硝酸アルミニウム結晶〔Al(N
3 3 ・9H2 O〕を晶析させ、濾過分離して硝酸ア
ルミニウム1960gと母液2.87リットルとに分離
した。得られた硝酸アルミニウム結晶と母液の組成を分
析した結果を表2及び表3に示す。表2(硝酸アルミニウム結晶) Al(%) 6.70 NO3 (%) 50.1 PO4 (%) 0.32表3(母液) Al(g/l) 10.7 NO3 (g/l) 660 PO4 (g/l) 33.2
【0019】前記の硝酸アルミニウム1750gを24
重量%フッ化水素酸1リットルに添加し、90℃にて攪
拌下で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾
過分離して、AlF沈澱物1100gと硝酸水溶液
1.36リットルとに分離した。得られたAlF沈澱
物のX線回析図を図1に示す。これより本発明方法で得
られるAlF沈澱物はβ−AlF・3HO(正方
晶系)であることが分かる。また、得られた硝酸水溶液
の組成分析の結果を表4に示す。表4 Al(g/l) 5.2 NO3 (g/l) 497 PO4 (g/l) 3.1 F(g/l) 10.6
【0020】以上の結果、硝酸アルミニウム分離後の母
液とAlF3 沈澱物分離後の硝酸水溶液をリサイクルし
た場合、廃液からの燐酸及び硝酸の回収率は、それぞれ
95%及び73%であった。
【0021】実施例2 前記実施例1で使用した廃液5リットルを1リットルに
減圧濃縮し、61重量%硝酸2000gを添加し、約5
5℃に加温して過飽和溶液を得た。この過飽和溶液に、
硝酸アルミニウム結晶350gを種晶として添加した
後、0℃に冷却し、硝酸アルミニウム結晶を晶析させ、
濾過分離して硝酸アルミニウム結晶1374gと母液
1.8リットルとに分離した。得られた硝酸アルミニウ
ム結晶と母液の組成を分析した結果を表5及び表6にそ
れぞれ示す。表5(硝酸アルミニウム結晶) Al(%) 6.87 NO3 (%) 49.7 PO4 (%) 0.29表6(母液) Al(g/l) 6.0 NO3 (g/l) 715 PO4 (g/l) 27.2
【0022】前記の硝酸アルミニウム500gを蒸留水
800gに溶解し、得られた硝酸アルミニウム水溶液
に、55重量%フッ化水素酸140.7gを添加し、9
5℃にて攪拌下で4時間反応させた。反応終了後、反応
混合物を濾過分離して、AlF3 沈澱物294gと硝酸
溶液923mlとに分離した。得られた硝酸水溶液の組成
分析の結果を表7に示す。表7 Al(g/l) 2.34 NO3 (g/l) 241 PO4 (g/l) 1.41 F(g/l) 9.64 以上の結果、硝酸アルミニウム分離後の母液とAlF3
沈澱物分離後の硝酸水溶液をリサイクルした場合、廃液
からの燐酸及び硝酸の回収率は、それぞれ98%及び8
8%であった。
【0023】実施例3 燐酸−塩酸系エッチング処理液によってアルミニウムコ
ンデンサを処理して得られた廃液を処理した。この廃液
の組成は以下の表8に示す通りであった。表8 Al(g/l) 84.8 NO3 (g/l) 301 PO4 (g/l) 76.4
【0024】前記の廃液約5リットルを減圧濃縮し、約
80℃に加温して過飽和溶液を得た。この時、留出液と
して2.03リットル(Clとして127g/l)を回
収した。この過飽和溶液に35重量%塩酸6254gを
添加した後で20℃に冷却し、塩化アルミニウム結晶
〔AlCl3 ・6H2 O〕を晶析させ、濾過分離して、
塩化アルミニウム結晶2.018kgと母液7.04リッ
トルとに分離した。得られた塩化アルミニウム結晶と母
液の組成を分析した結果をそれぞれ表9及び表10に示
す。表9(塩化アルミニウム結晶) Al(%) 13.8 Cl(%) 51.1 PO4 (%) 0.38表10(母液) Al(g/l) 20.6 Cl(g/l) 332 PO4 (g/l) 53.1
【0025】前記の塩化アルミニウム結晶500gを2
0重量%フッ化水素酸825gに添加し、60℃にて攪
拌下で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濾
過分離してAlF3 沈澱物628gと塩酸水溶液594
mlとに分離した。得られた塩酸水溶液の組成分析の結果
を表11に示す。表11 Al(g/l) 15.5 Cl(g/l) 287 PO4 (g/l) 2.13 F(g/l) 54.5
【0026】以上の結果、減圧濃縮工程で回収された留
出液、塩化アルミニウム結晶分離後の母液とAlF3
澱物分離後の硝酸水溶液をリサイクルした場合の廃液か
らの燐酸及び硝酸の回収率はそれぞれ98%及び77%
であった。
【0027】実施例4 実施例1で得られた硝酸水溶液(表4)を供給液とし、
アニオン交換膜(有効面積0.397m2 )19枚を備
えたフィルタープレス型の拡散透析槽で拡散透析を行っ
た。供給液と水をイオン交換膜を介して0.2リットル
/hrの速度で供給した。その結果、表12に示す組成
の回収酸が0.18リットル/hrの量で得られた。表12 Al(g/l) 0.1 NO3 (g/l) 508 PO4 (g/l) 0.34 F(g/l) 0.1 フッ素の除去率は98%であった。
【0028】実施例5 実施例2で得られた硝酸アルミニウム結晶500gを2
00℃にて酸素存在下で熱分解し、酸化アルミニウム
〔Al2 3 〕約65gを得た。また、この時発生した
硝酸ガスは吸収塔で水と接触させ、直接冷却吸収反応に
より、NO3 として225gを回収し、硝酸水溶液を得
た。得られた酸化アルミニウム65gを管状炉で600
℃にてHFガスと反応させ、フッ化アルミニウム(Al
3 )約97gを回収した。アルミニウムの回収率は約
90%であった。
【0029】実施例6 実施例3で得られた塩酸水溶液(表11)を供給液と
し、アニオン交換膜(有効面積0.397m2 )19枚
を備えたフィルタープレス型の拡散透析槽で拡散透析を
行った。供給液と水をイオン交換膜を介して0.2リッ
トル/hrの速度で供給した。その結果、表13に示す
組成の回収酸が0.19リットル/hrの量で得られ
た。表13 Al(g/l) 1.57 Cl(g/l) 271 PO4 (g/l) 0.22 F(g/l) 5.73 フッ素の除去率は90%であった。
【0030】実施例7 実施例3で得られた塩化アルミニウム結晶500gを1
50℃にて酸素存在下で熱分解し、酸化アルミニウム
〔Al2 3 〕約130gを得た。また、この時発生し
た塩素ガスは吸収塔で水と接触させ、直接冷却吸収反応
により、Clとして230gを回収し、塩酸水溶液を得
た。得られた酸化アルミニウム130gを管状炉で60
0℃にてHFガスと反応させ、フッ化アルミニウム(A
lF3 )約180gを回収した。アルミニウムの回収率
は約85%であった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウムを含有す
る燐酸−塩酸系又は燐酸−硝酸系廃液から、燐酸と塩酸
又は硝酸を効率的に回収することができる。また、その
廃液から高純度フッ化アルミニウムを誘導することがで
き、この高純度フッ化アルミニウムは金属アルミニウム
の製造に利用することができる。従って、前記廃液の各
成分を廃棄せずに再利用することができ、公害防止に極
めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって得られたフッ化アルミニウ
ム結晶のX線回析の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷村 裕次 東京都三鷹市下連雀8−10−16 日鉄鉱 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−16389(JP,A) 特開 平4−40201(JP,A) 特開 昭53−107150(JP,A) 特開 昭49−17400(JP,A) 特開 昭48−95999(JP,A) 特開 昭54−57470(JP,A) 特公 昭49−29821(JP,B1) 特公 昭48−41157(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 9/00 - 9/02 C22B 21/00 C02F 1/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムを含有する燐酸−塩酸系廃
    液又は燐酸−硝酸系廃液を塩化アルミニウム又は硝酸ア
    ルミニウムの過飽和溶液にする調整工程と、その過飽和
    溶液から塩化アルミニウム又は硝酸アルミニウムを晶析
    する晶析工程と、続いて前記の塩化アルミニウム又は硝
    酸アルミニウムと母液とを分離する分離工程を含むこと
    を特徴とする、アルミニウムを含有する燐酸−塩酸系廃
    液又は燐酸−硝酸系廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の晶析工程において前記
    過飽和溶液中の塩酸/アルミニウム又は硝酸/アルミニ
    ウムのモル比を5以上に調整してから晶析する、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の分離工程で得られる塩
    化アルミニウム又は硝酸アルミニウムをフッ化水素酸と
    反応させてフッ化アルミニウム結晶と塩酸又は硝酸溶液
    とを生成する生成工程と、この生成工程で得られたフッ
    化アルミニウムを塩酸又は硝酸溶液から分離して回収す
    る回収工程とを更に含むことを特徴とする、アルミニウ
    ムを含有する燐酸−塩酸系廃液又は燐酸−硝酸系廃液の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の分離工程で得られる塩
    化アルミニウム又は硝酸アルミニウムを熱分解して酸化
    アルミニウムを生成し、得られた酸化アルミニウムにフ
    ッ化水素酸を反応させてフッ化アルミニウムを製造する
    工程を更に含むことを特徴とする、アルミニウムを含有
    する燐酸−塩酸系廃液又は燐酸−硝酸系廃液の処理方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の回収工程によって分離
    された塩酸又は硝酸溶液を拡散透析処理することによ
    り、前記溶液中に残存するフッ化アルミニウムを回収す
    る工程を更に含むことを特徴とする、アルミニウムを含
    有する燐酸−塩酸系廃液又は燐酸−硝酸系廃液の処理方
    法。
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