JP2774849B2 - 無煙焼却装置 - Google Patents

無煙焼却装置

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JP2774849B2 JP1334241A JP33424189A JP2774849B2 JP 2774849 B2 JP2774849 B2 JP 2774849B2 JP 1334241 A JP1334241 A JP 1334241A JP 33424189 A JP33424189 A JP 33424189A JP 2774849 B2 JP2774849 B2 JP 2774849B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ゴルフ場における刈芝をはじめ、打ち
枝、食品廃棄物としての生ゴミ、廃紙等の各種被焼却物
を焼却する無煙焼却装置に関する。
従来の技術 上記のような各種被焼却物の焼却に従来より用いられ
ている無煙焼却装置は、炉本体内部に燃焼室と再燃室と
が排ガス流通部を介して連通状態に設けられ、燃焼室に
は、該被焼却物の助燃を行う助燃用バーナーが備えられ
ると共に、再燃室には、燃焼室内から排ガス流通部を介
して引き入れられたガスを完全燃焼して無煙化するため
の再燃バーナーが備えられている。そしてこれらのバー
ナーは、ノイズ口からエアーとミスト状にした液体燃料
とを噴射し、これに着火することによって火炎を発生す
る公知の燃焼装置によるものとなされている。
この焼却装置では、燃焼室内に投入配置された被焼却
物に助燃用バーナーの火炎が吹き付けられ、被焼却物の
燃焼が行なわれる。この燃焼によって被焼却物から発生
するガスの多くは不完全燃焼の状態にあり、このガスは
排ガス流通路を介して再燃室内に引き込まれ、そこで再
燃バーナーからの火炎を受け完全燃焼されて無煙化され
る。そして煙突を介してこの無煙ガスが大気中に排出さ
れる。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような無煙焼却装置では、燃焼
室における被焼却物は燃焼中塊状をなしてほとんど静止
した状態にあり、そのため、被焼却物の表層部の燃焼は
活発に行なわれるものの、その燃焼が被焼却物の内部に
まではなかなか及びにくく、被焼却物の全体を完全に焼
却してしまうことが困難であるという問題がある。
そこで、作業者が引掻き棒を使用して適宜燃焼室内の
被焼却物を掻き回して内部の未焼却部分をバーナーの火
炎の当たる表面部に露出させるようにしたり、あるい
は、そのような煩わしい作業を省略すべく、燃焼室内に
撹拌装置を装備し、それにより被焼却物の撹拌を行うよ
うにすることなども考えられる。
しかし、そのように燃焼中に被焼却物の撹拌を行った
としても、せいぜい被焼却物がブロック状態となって燃
焼室内を動き回る程度で燃焼の波及効果が充分でなく、
焼却が必ずしも完全には行われにくいというのが実状で
あった。また被焼却物の撹拌だけでは燃焼部分と未燃焼
部分とが相互に混ざりあうだけで内部の未燃焼部分が完
全には表面に現れず、そのため依然として完全な焼却を
達成することが困難であった。
特に、刈芝等のかなりの水分を含んでおりかつバラ状
をなすような被焼却物の焼却を行う場合には、上記のよ
うな問題が特に顕著に現れる。
また、従来の焼却装置は、無煙焼却を達成するため、
上記のように、燃焼室の他に再燃バーナーを装備した再
燃室を具備したものとなされており、そのため焼却装置
の高コスト化を招いているという問題もある。
更に、従来の焼却装置に用いらるれ助燃バーナーは、
上記のようにノイズ口から液体燃料をミスト状にして噴
出するものであり、ノズルにおける燃料通路断面積が極
めて小さいものであることも相俟って、使用しうる液体
燃料としては、バーナーを痛めないような例えば低粘性
でかつ純粋な高価な燃料を使用する必要があり、燃料コ
ストひいては焼却コストが高価なものとなっているとい
う問題がある。
この発明は、上記のような従来の問題点を解決し、被
焼却物の完全焼却を達成することが可能で、かつ装置自
体のコストアップを招くことなく無煙焼却を実現しうる
無煙焼却装置を提供することを目的とする。
更にこの発明のもう一つの目的は、燃料として、自動
車のエンジン油等の廃油、更には廃棄用のペンキ、廃棄
用の食用油等の燃焼可能な各種液体燃料の使用も可能
で、それによって燃料コストひいては焼却コストの低減
を図ることができる無煙焼却装置を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 上記目的において、この発明は、排ガス流通部の設け
られた仕切壁によって内部が後部の燃焼室と前部の排ガ
ス導入室とに区画された焼却炉本体と、 前記燃焼室にその後方から被焼却物を所定速度で送り
込む被焼却物送込み手段と、 前記被焼却物送込み手段によって燃焼室内に送り込ま
れてくる被焼却物の前面表層部を下方から上方に向けて
掻き上げる態様において回転される掻取り部材と、 該掻取り部材の前方で前記仕切壁の排ガス流通部に近
接して位置し、エアー供給下において燃料を燃焼するこ
とによって発生される火炎を被焼却物の前面部に向けて
吹き出す助燃装置であって、燃焼室にその上方位置から
液体燃料を滴下状態に供給する液体燃料供給手段と、前
記燃料供給手段から供給される液体燃料の落下経路内に
配置され、該液体燃料のガス化を促進すべく液体燃料と
接触してその加熱を行う燃料加熱手段と、ガス化された
燃料雰囲気にエアーを吹き付けて該ガスの燃焼を生じさ
せるエアー吹出し手段とからなる助燃装置 とが具備され、燃焼室内のガスが前記助燃装置の近傍
位置を通過したのち仕切壁の排ガス流通部を介して排ガ
ス導入室に引き込まれるものとなされていることを特徴
とする無煙焼却装置。
作用 上記焼却装置では、被焼却物送込み手段により、被焼
却物が燃焼室内にその後方から送り込まれ、被焼却物の
前面部が燃焼室内に位置すると、助燃手段により火炎が
被焼却物の前面部に吹き付けられ、その部分の被焼却物
の燃焼が行なわれる。
そしてこの燃焼過程で、被焼却物は送込み手段により
所定速度で燃焼室内に送り込まれていくと共に、掻取り
部材が回転される。これにより、燃焼の進んだ被焼却物
の前面表層部は掻取り部材の掻取りピンによって掻き上
げられて内部の未燃焼部分が前面に露出され、そこから
更に掻取り部材が回転し、被焼却物が所定距離前方に移
動される間に、露出された被焼却物の前面の焼却が進
み、再び掻取り部材によってその前面表層部が掻き上げ
られて内部の未燃焼部分を前面に露出させるという動作
が繰り返され、被焼却物がその前面部から内方に向けて
燃焼、焼却がなされていく。
なお、掻上げ部材によって掻き上げられた灰は宙を舞
いながらエアーと火炎との作用を受けて更に燃焼され
る。
そして、不完全燃焼状態にある有煙ガスを含む燃焼室
内のガスは排ガス流通部を介して排ガス導入室内に引き
込まれて行くが、排ガス流通部を通過する前に助燃装置
によりエアー、更には火炎を受けて再燃焼され完全燃焼
される。それによってそのガスは無煙状態なって排ガス
導入室に引き入まれ、煙突の煙道を通って大気中に排出
される。
また、本発明の焼却装置に使用される請求項(2)の
助燃装置では、液体燃料供給手段によって燃焼室にその
上方位置から液体燃料が滴下状態に供給されると、該液
体燃料が燃料加熱手段に接触して加熱され、ガス化が促
進される。そしてガス化された燃料がエアー吹出し手段
によるエアーの吹付けを受けて燃焼され、火炎を発生す
る。燃焼室内の被焼却物はかかる火炎を受けて助燃され
る。
実施例 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図ないし第4図に示される焼却装置において、
(1)は焼却炉本体、(2)は焼却炉本体(1)の後部
に連設された被焼却物送込み手段、(3)は焼却炉本体
(1)に前部上面に立設されたガス浄化装置、(4)は
該ガス浄化装置(3)上に立設された煙突である。
焼却炉本体(1)は、その内部が仕切壁(6)によっ
て後部の燃焼室(7)と前部の排ガス導入室(8)とに
区画され、両室(7)(8)は、第3図に示されるよう
に、仕切壁(6)の下半部に縦長状態に設けられた左右
1対の排ガス流通部(9)(9)によって相互に連通さ
れている。
被焼却物送込み手段(2)は、焼却炉本体(1)の後
端面に燃焼室(7)内に開放状態にその一端が接続され
た断面方形状の被焼却物送込み用筒状体(11)と、該被
焼却物送込み用筒状体(11)内に前後方向に移動自在に
配置され、被焼却物を燃焼室(7)内に押送する被焼却
物押送用作動体(12)と、該作動体(12)を前後方向に
任意の設定速度で移動せしめる駆動装置(13)とからな
る。
被焼却物送込み用筒状体(11)には、その長さ方向中
間部上面に被焼却物投入口(15)が開口されると共に、
該投入口(15)にホッパー(16)が取り付けられ、被焼
却物が該ホッパー(16)を介して被焼却物送込み用筒状
体(11)内に投入されるものとなされている。
被焼却物押送用作動体(12)は、被焼却物送込み用筒
状体(11)の内部断面形状に沿う形状の方形状の押し板
(18)と、該押し板(18)に先端下面が取り付けられた
シャッター板(19)と、該シャッター板(19)の両側縁
に取り付けられた側板(20)(20)とによって構成さ
れ、該側板(20)(20)の下端縁の前後両位置に車輪
(21)…を取り付けることにより、被焼却物送込み用筒
状体(11)内を前後方向に移動しうるものとなされてい
る。シャッター板(19)は、押し板(18)が被焼却物投
入口(15)の前縁部から前方に移動する間、該投入口
(15)を閉鎖するものとなされている。
作動体駆動装置(13)は、被焼却物送込み用筒状体
(11)の後端部から内方突出状に配設された油圧式シリ
ンダー装置(23)によるもので、そのシリンダーロッド
(24)が、任意の設定速度で進退作動を行いうるものと
なされている。作動体(12)は、その押し板(18)の後
面がシリンダーロッド(24)に固着され、シリンダー装
置(23)が作動されることにより前後方向に移動され
る。
一方、燃焼室(7)には、その前後方向の中間部に掻
取り部材(26)が配設されると共に、該掻取り部材(2
6)の前方位置に助燃装置(27)が配設されている。
掻取り部材(26)はコ字状に形成されたもので、その
中央辺部(26a)に長さ方向に沿って所定の間隔をおい
て多数個の掻取りピン(28)…が外方突出状に設けられ
ると共に、両側辺部(26b)(26b)の先端に1対の支軸
部(27c)(27c)が側方突出状に設けられ、該両支軸部
(27c)(27c)が燃焼室(7)の左右両側壁に支持され
ることにより自由に回転しうるものとなされている。そ
して、一方の支軸部(27c)が炉外において図示しない
駆動装置に接続され、該駆動装置の駆動により、燃焼室
(7)に後方から送り込まれてくる被焼却物の前面表層
部を掻取りピン(28)…にて下方から上方に向けて掻き
上げる態様において任意の設定速度で回転されるものと
なされている。なお、この掻取り部材(26)はパイプ材
により形成され、内部に冷却媒体を流通させうるものと
なされている。また、掻取りピン(28)…を中央辺部
(26a)の外側面に偏らせて設けていることにより焼却
中の熱で中央辺部(26a)に歪を生じるのを防止するた
め、中央辺部(26a)の内側面に歪防止ピン(29)…が
内方突出状に設けられている。
一方、助燃装置(27)は、第4図に示されるように、
液体燃料供給手段(31)と、燃料加熱手段(32)と、エ
アー吹出手段(33)とからなる。
液体燃料供給手段(31)は、インチサイズのノズル口
(35a)を有する単純筒状のノズル(35)によるもの
で、焼却炉本体(1)の上面を貫通し、燃焼室(7)の
天井部の幅方向中央前方位置にノズル口(35a)が開口
される態様において配設されている。そして液体燃料
は、炉外に設置されたポンプ装置の作動により、ノズル
口(35a)から任意の設定流量において滴下状態に供給
されるものとなされている。
燃料加熱手段(32)は、仕切壁(6)に取り付けられ
ることにより液体燃料の落下経路内に突出されち複数個
のバッフル用ブロック片(37a)(37b)(37b)と、床
壁の液体燃料落下地点に配置され上方に開口する枡状の
燃料滞留容器(38)との組合わせによる。
バッフル用ブロック片(37a)(37b)(37b)は断面
方形状に形成されたもので、その1つが上部バッフル用
ブロック片(37a)として第3図に示されるようにノズ
ル口(35a)の直下に位置するように設けられ、他の2
つが下部バッフル用ブロック片(37b)(37b)として上
部バッフル用ブロック片8(37a)の下方位置にその内
側面が上部バッフル用ブロック片(37a)の側面に内方
に位置する態様において左右並列状態に配置されてい
る。なお、上部バッフル用ブロック片(37a)の側面の
位置から下部バッフル用ブロック片(37b)(37b)の内
側面の位置までの水平距離と上部バッフル用ブロック片
(37a)の側面の位置から下部バッフル用ブロック片(3
7b)(37b)の外側面の位置までの水平距離とでは、後
者の距離の方が長くなるように設定されている。
枡状の燃料滞留容器(38)は、仕切壁(6)に形成さ
れた左右の排ガス流通部(9)(9)間の壁と隣接する
態様において配置されている。そして燃料滞留容器(3
8)の上方開口部の左右両側片部の中間部に切欠部(38
a)(38a)が形成されてその部分が他の部分よりも相対
的に低くされており、容器(38)内が液体燃料で満配状
態となると該切欠部(38a)(38a)を介して両側方に溢
れ出るようにされている。なお、この燃料滞留容器(3
8)は、そこから溢れ出た液体燃料が路床に拡がってし
まうのを防止するため、浅底の受皿(39)上に配置され
ている。
上記のバッフル用ブロック片(37a)(37b)(37b)
及び燃料滞留容器(38)は、鉄材等のような、燃焼中の
燃焼室(7)内の熱の作用を受けて加熱され高温化する
材料によって形成されている。
エアー吹出し手段(33)は、左右1対のL字状の管体
(41)(41)を備え、その一辺部(41a)が、仕切壁
(6)に設けられた左右の排ガス流通部(9)(9)内
で立ち上がり状態に配置され、他の一辺部(41b)が排
ガス導入室(8)の炉床面に半没状態にされて固定され
ている。そして立ち上がり辺部(41a)の、燃焼室
(7)に対向する側の側面には多数個のエアー吹出し口
(42)…が設けられている。両管体(41)(41)は炉外
に配置されたブロワー(43)に三方管(44)を介して接
続され、ブロワー(43)の作動によりエアー吹出し口
(42)…から吹き出されるエアーが、燃料加熱手段(37
a)(37b)(37b)(38)によりガス化された燃料雰囲
気に吹き込まれ、該燃料が燃焼されて燃焼室(7)内方
に向けて火炎が吹き出すものとなされている。
なお、L字状の管体(41)(41)の、排ガス導入室
(8)における半没辺部(41b)の上面にも多数個のエ
アー吹出し口(45)…が開口され、ブロワー(43)の作
動時にエアーが排ガス導入室(8)内にも吹き出される
ものとなされている。
ガス浄化装置(3)は、排ガス導入室(8)に対応す
る焼却炉本体(1)の上面に該ガス導入室(8)と連通
状態に立設された排ガス流通用円筒体(48)と、該排ガ
ス流通用円筒体(48)の内部の高さ方向中間部に配され
た逆円錐状の偏向部材(49)と、該偏向部材(49)周端
部と排ガス流通用円筒体(48)内周部との間に配された
ネット(50)と、偏向部材(49)の上方位置に配設され
たシャワーノズル(51)とによって構成されている。即
ち、排ガス導入室(8)から排ガス流通用円筒体(48)
内に引き入れられてきた排ガスを偏向部材(49)によっ
て周辺部に偏向せしめてネット(50)で濾過し、更にシ
ャワーノズル(51)からの散水により、排ガス中の有毒
ガスや臭気を除外して、排ガスの清浄化を行うものとな
されている。なお、偏向部材(49)の下方位置には、排
ガス流通用円筒体(48)よりも径小な円筒状の仕切部材
(52)が配置され、ネット(50)から滴り落ちる水を該
仕切部材(52)の外側に受け入れ、廃水管(53)により
排出しうるものとなされている。
なお、燃焼室(7)の床壁面には灰出し口(55)が開
口され、燃焼室(7)内で発生する灰が該灰出し口(5
5)を介して下部の灰回収室(56)に落下してそこに収
容されるものとなされている。(57)はロストルであ
る。
次に、上記構成の焼却装置の作動を説明する。
まず、燃料滞留容器(38)内に予め液体燃料を収容し
ておき、ブロワーを作動して燃焼室(7)内に送風しつ
つ紙片等の火種によって該燃料のガス化を図り、火炎を
発生させる。しばらくするとその火炎は成長していき、
燃焼室(7)内の温度は除々に上昇していく。それに伴
って、バッフル用ブロック片(37a)(37b)(37b)、
燃料滞留容器(38)の温度も上昇していく。
そして所定の時点でノズル口(35a)から液体燃料の
滴下を開始する。
使用する液体燃料としては、インチサイズに形成され
たノズル口(35a)を通過しうる燃焼可能な液体燃料で
あればよく、高価な液体燃料でなくとも、例えばB重
油、C重油、更には自動車のエンジン廃油、廃棄用食用
油、廃棄用ペンキ等の使用も可能である。
燃料の供給量は、発生させる火炎の規模等に依存して
決められるが、その一例を挙げれば、例えば40〜80/h
の範囲に設定される。
この液体燃料は、まず上部バッフル用ブロック片(37
a)の上面に落下し、該上面をゆっくりと伝って両側面
に移行し落下する。そしてその液体燃料は今度は左右の
下部バッフル用ブロック片(37b)の上面に落下し、該
上面をまたゆっくりと伝って側面に移行し落下する。そ
の程度で燃料は各ブロック片(37a)(37b)(37b)に
よって加熱され、それにより除々にガス化されていく。
また、ブロック片(37a)(37b)(37b)によってガス
化されるに至らなかった燃料は更に落下して燃料滞留容
器(38)内に収容され、そこで加熱されてガス化してい
く。
なお、上記したように上部バッフル用ブロック片(37
a)の側面から下部バッフル用ブロック片(37b)(37
b)の内側面までの水平距離は、下部バッフル用ブロッ
ク片(37b)(37b)の外側面までの水平距離よりも短く
設定されているので、ガス化に至らなかった燃料は主と
して下部バッフル用ブロック片(37b)(37b)の内側面
側を伝って落下していくものとなり、燃料が、好都合に
燃料滞留容器(38)内に落下していく。
上記のようにして発生したガスは、ガス化の直後にエ
アー吹出し管(41a)(41a)から吹き出されるエアーの
吹付けを受けて燃焼され、それによって燃焼室(7)内
の後方に向けて火炎が吹き出される。この火炎は燃焼室
(7)内の温度が高まっていくに連れてその勢いを増し
ていく。
このような火炎発生状態になった時点で、油圧シリン
ダー装置(23)を作動させて押し板(18)を燃焼室
(7)近接装置から投入口(15)の後方位置まで後退さ
せ、被焼却物をホッパー(16)を介して被焼却物送込み
用筒状体(11)内に落下せしめる。そして、押し板(1
8)を前進させて被焼却物(60)を燃焼室(7)側に押
送し、被焼却物(60)の前面部を燃焼室(7)内に突出
させる。これにより火炎が被焼却物(60)の前面部に吹
き付けられるようになり、被焼却物(60)の燃焼が開始
される。それ以後は押し板(18)は所定のゆっくりとし
た速度で前進されていく。
一方、所定の時点で掻取り部材(26)の回転も開始さ
れる。即ち、前記火炎によって燃焼された被焼却物(6
0)の前面表層部が、掻取り部材(26)の回転によって
その掻取りピン(28)…により上方に掻き上げられて、
被焼却物(60)の前面部に、まだ燃焼の及んでいない部
分が露出され、そこに火炎が吹き付けられてその部分の
燃焼が行なわれる。そして掻取り部材(26)が1回転す
る間に燃焼の進んだ被焼却物(60)の該前面表層部が再
び掻取り部材(26)の掻取りピン(28)…に掻き上げら
れ、内部の未燃焼部分が露出されその部分が燃焼され
る、というサイクルを繰り返して被焼却物(60)の焼却
がむらなく完全に行われていく。従って、被焼却物が特
に刈芝等のような水分を多く含むものである場合におい
て、該被焼却物の焼却を未焼却部分を残さずに完全に焼
却し尽くすことが可能となる。
なお、押し板(18)の前進速度と、掻取り部材(26)
の回転速度は被焼却物の種類等の諸種の条件に応じて適
宜競ってされるが、その一例を挙げれば、押し板(18)
の前進速度は12〜120mm/分の範囲内例えば35mm/分に、
また掻取り部材(26)の回転速度は1〜8回転/分の範
囲内例えば3回転/分に設定される。
なお、掻取り部材(26)によって掻き上げられた灰は
燃焼室(7)が浮遊し、その間にエアーや火炎を受けて
完全燃焼され、灰出し口(55)を介して、灰回収室(5
6)内に回収される。
一方、被焼却物(60)から発生した不完全燃焼状態の
有煙ガスは、仕切壁(6)の左右の排ガス流通部(9)
(9)を介して排ガス導入室(8)内に引き込まれてい
くが、排ガス流通部(9)(9)はエアー吹出し管(41
a)(41a)と近接状態で設けられていることにより、ガ
ス流通部(9)(9)を通過する前に、火炎及びエアー
吹出し管(41a)(41a)からの新鮮なエアーを受けて再
燃焼され、それによって完全燃焼されて無煙化される。
なお、ガス導入室(8)内でも更にエアーの吹付けを受
け、無煙化の万全が期される。
その後このガスは、浄化装置(3)内に移行し、偏向
部材(49)で偏向されてネット(50)を通過し灰分等が
濾過され、またシャワーノズル(51)からのシャワーを
受けて有毒成分や臭気が除外され、そして煙突(4)か
ら、大気中に排出される。
なお、押し板(18)が燃焼室(7)内に突出するとこ
ろまで移動して被焼却物(60)の焼却を終えたのちは、
押し板(18)を後退せしめて次の被焼却物をホッパー
(16)を介して被焼却物送り込み用筒状体(11)内に投
入し、これを燃焼室(7)側に押送していき、上記と同
じように焼却が行なわれる。
発明の効果 上述の次第で、この発明の無煙焼却装置は、被焼却物
送込み手段により後方から燃焼室内に送込まれた被焼却
物の前面部に助燃装置の火炎を吹き付けて被焼却物の燃
焼を行い、かつこの被焼却物を被焼却物送込み手段によ
り所定速度で燃焼室内に送り込みつつ、掻取り部材の回
転により被焼却物の前面における燃焼の進んだ表層部を
次々に掻き上げて内部の未燃焼部分を前面に露出させて
焼却を行っていくものとなされているから、被焼却物の
完全焼却を達成することができる。特に刈芝等のような
水分を多く含むバラ状の被焼却物の焼却においてもその
完全焼却を達成することができる。
加えて、助燃装置の背部には仕切壁が位置し、該仕切
壁には排ガス流通部が設けられたものとなされているか
ら、火炎が燃焼室内の被焼却物に吹き付けられることに
よって発生した有煙ガスは、排ガス流通部を通過する前
に、燃焼室内で再度助燃装置による火炎及びエアーを受
けて再燃焼されることにより完全燃焼され、無煙化され
る。従って、従来のような再燃バーナーを装備した再燃
室を儲ける必要がなく、装置自体のコストアップを招く
ことなく無煙焼却を実現することができる。
また、前記助燃装置は、液体燃料を滴下状態で燃焼室
内に供給し、それを燃料加熱手段によって加熱してガス
化し、そこにエアーを吹き付けて燃料の燃焼を行って火
炎を発生させるものとなされているから、この燃焼装置
に使用しうる液体燃料として、ミスト化に適した低粘性
の純粋高価な液体燃料である必要が必ずしもなく、自動
車のエンジン油等の廃油、更には廃棄用ペンキ、廃棄用
食用油、更には各種油泥等の燃焼可能な各種液体燃料の
使用が可能となり、そのため燃料コストひいては焼却コ
ストの低減を図ることができる。
しかもこのような助燃装置を使用することににより、
燃焼室内の高温ガスを該助燃装置の近傍位置を通過させ
て排ガス導入室内に引き込ませるという構成態様を何等
の支障をも生じさせることなく実現することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は無煙焼却装置の垂直縦断面図、第2図は第1図
のII−II線断面矢視図、第3図は第1図のIII−III線断
面矢視図、第4図は助燃装置の斜視図である。 (1)……焼却炉本体、(2)……被焼却物送込み手
段、(6)……仕切壁、(7)……燃焼室、(8)……
排ガス導入室、(9)……排ガス流通部、(26)……掻
取り部材、(27)……助燃装置、(31)……液体燃料供
給手段、(32)……燃料加熱手段、(33)……エアー吹
出し手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排ガス流通部の設けられた仕切壁によって
    内部が後部の燃焼室と前部の排ガス導入室とに区画され
    た焼却炉本体と、 前記燃焼室にその後方から被焼却物を所定速度で送り込
    む被焼却物送込み手段と、 前記被焼却物送込み手段によって燃焼室内に送り込まれ
    てくる被焼却物の前面表層部を下方から上方に向けて掻
    き上げる態様において回転される掻取り部材と、 該掻取り部材の前方で前記仕切壁の排ガス流通部に近接
    して位置し、エアー供給下において燃料を燃焼すること
    によって発生される火炎を被焼却物の前面部に向けて吹
    き出す助燃装置であって、燃焼室にその上方位置から液
    体燃料を滴下状態に供給する液体燃料供給手段と、前記
    燃料供給手段から供給される液体燃料の落下経路内に配
    置され、該液体燃料のガス化を促進すべく液体燃料と接
    触してその加熱を行う燃料加熱手段と、ガス化された燃
    料雰囲気にエアーを吹き付けて該ガスの燃焼を生じさせ
    るエアー吹出し手段とからなる助燃装置 とが具備され、燃焼室内のガスが前記助燃装置の近傍位
    置を通過したのち仕切壁の排ガス流通部を介して排ガス
    導入室に引き込まれるものとなされていることを特徴と
    する無煙焼却装置。
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