JP2773234B2 - スチレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂発泡体の製造方法

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健郎 北村
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、スチレン系樹脂発泡体の製造方法に関する
ものであり、更に詳しくは新規な発泡剤を用いたスチレ
ン系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。
[従来の技術] スチレン系樹脂の発泡には、毒性がなく、不燃性で、
化学的に安定なジクロロフルオロメタン(R12)等のフ
ッ素化炭化水素系化合物(以下単にフロンという)が用
いられてきた。
[発明が解決しようとする課題] 化学的に特に安定なR12は対流圏内での寿命が長く、
拡散して成層圏に達し、ここで太陽光線により分解して
発生する塩素ラジカルがオゾンと連鎖反応を起こし、オ
ゾン層を破壊するとのことから、これら従来のフロンの
使用規制が実施されることとなった。このため、これら
の従来のフロンに変わり、オゾン層を破壊しにくい代替
フロンの探索が活発に行なわれている。
本発明は、従来のフロンが有している優れた特性を満
足しながら代替フロンとして使用できるオゾン層を破壊
しにくい新規なフロンを必須成分として含む発泡剤を用
いたスチレン系樹脂発泡体の製造方法を提供することを
目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、スチレン系樹脂と発泡剤を高温高圧下で混
合し、低圧帯域に押し出し、スチレン系樹脂発泡体を製
造する方法において、発泡剤として、一般式CHaClbFcCF
2CHxClyFz(ここでa+b+c=3,x+y+z=3,a+x
≧1)叉は、一般式CHa′Fb′CHm′Fn′CHx′Fy′(こ
こでa′+b′=3,m′+n′=2,x′+y′=3,b′+
n′+y′≧1)で表わされるフッ素化炭化水素から選
ばれる少なくとも一種を必須成分として用いることを特
徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法を新規に提供
するものであり、叉この発泡剤として、3,3−ジクロロ
−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(R225ca)、1,3
−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(R22
5cb)、3−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン
(R244ca)、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプ
ロパン(R244cb)、3−クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフ
ルオロプロパン(R235ca)、1,1−ジクロロ−1,2,2−ト
リフルオロプロパン(R243cc)から選ばれる少なくとも
一種のフッ素化炭化水素を必須成分として用いることを
特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法を新規に提
供するものである。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法において用
いる発泡剤は、従来のR12等のフロンと同等の特性を有
し、同じ使い方ができ、従来技術の大幅な変更を要しな
いこと等の利点がある。
本発明における発泡剤の量は、特に限定されることは
ないが、スチレン系樹脂100重量部に対して0.1重量部乃
至50重量部使用することが好ましい。
本発明の発泡剤には、必要に応じてその他の成分を更
に添加混合することができる。例えば、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサ
ン、ネオヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、2,3−ジ
メチルブタン、シクロペンタン等の炭化水素類及びこれ
らの炭化水素類の混合物、クロロメタン、ジクロロメタ
ン等のハロゲン化炭化水素類、イソプロピルエーテル等
のエーテル類、その他、トリクロロフルオロメタン(R1
1)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、1,1,2−トリ
クロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(R113)、1,2−ジ
クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R114)、モ
ノクロロペンタフルオロエタン(R115)、2,2−ジクロ
ロ−1,1,1−トリフルオロエタン(R123)、1,2−ジクロ
ロ−1,1,2−トリフルオロエタン(R123a)、1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン(R141b)等の前記一般式で
表わされるフッ素化炭化水素以外のフロン類等を1種以
上適宜添加することができる。
本発明におけるスチレン系樹脂とは、スチレン系単量
体の重合体叉は共重合体、スチレン系単量体と他の単量
体との共重合体である。ここで、スチレン系単量体と
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
クロルスチレン等であり、他の単量体としては、ジビニ
ルベンゼン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート
等のビニル系単量体等である。
さらに、本発明においては、シリカ、タルク、珪酸カ
ルシウム、ワナストナイト、カオリン、マイカ、ステア
リン酸カルシウム等の各種添加剤を用いることもでき
る。
[実施例及び比較例] 以下に本発明の実施例及び比較例を示す。
本実施例1〜20及び比較例1〜2は、30mm直径を有す
る単軸スクリュー型押出機を用いて発泡体をつくった。
この押出機のスクリューは、フィード領域、圧縮・溶
融領域、計量領域及び混合領域から成っている。計量領
域と混合領域の間の押出機バーレルには液体発泡剤用の
注入口が備えられている。この注入口には、発泡剤を注
入するために、高圧定容量ポンプが接続されている。押
出機の放出端は、口径5mmの丸い孔を有する口金を備え
ている。ポリスチレン樹脂(三菱モンサント製、ダイヤ
レックス HH102)100重量部に対し、添加剤としてステ
アリン酸カルシウム0.1重量部及びタルク0.5重量部を、
Vミキサーにて混合し、上記押出機のホッパーより供給
した。一方、各種発泡剤を上記高圧定容量ポンプを用い
て、押出機バーレルの注入口より一定量注入し、押出機
内の高圧・高温下において、樹脂と発泡剤を混合し、口
金より押出発泡した。
表1・表2において発泡剤には、3,3−ジクロロ−1,
1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(R225ca)、1,3−ジ
クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(R225c
b)、3−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン
(R244ca)、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプ
ロパン(R244cb)、3−クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフ
ルオロプロパン(R235ca)、1,1−ジクロロ−1,2,2−ト
リフルオロプロパン(R243cc)、オクタフルオロプロパ
ン(R218)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン
(R227ea)、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン
(R227ca)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(R24
5cb)、及びジクロロジフルオロメタン(R12)を用い
た。
発泡性を評価するため従来のフロンを用いて発泡体を
製造し、これとの比較を行なった。表1及び表2におけ
る発泡体表面とは、発泡体の表面シワ、凹凸等を比較
し、従来品と遜色ないものを○印とした。発泡体形状と
は、発泡体断面を拡大鏡により肉眼で観察し、気泡の独
立性、気泡の大きさの均一性等が、従来品と遜色ないも
のを○印とした。
[発明の効果] 本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法において用
いる発泡剤は、従来のフロン類が有している優れた特性
を満足し、従来のフロンと同じ使い方ができ、従来技術
の大幅な変更を要しない等の利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 9/00 - 9/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系樹脂と発泡剤を高温高圧下で混
    合し、低圧帯域に押し出し、スチレン系樹脂発泡体を製
    造する方法において、発泡剤として、一般式CHaClbFcCF
    2CHxClyFz(ここでa+b+c=3,x+y+z=3,a+x
    ≧1)叉は、一般式CHa′Fb′CHm′Fn′CHx′Fy′(こ
    こでa′+b′=3,m′+n′=2,x′+y′=3,b′+
    n′+y′≧1)で表わされるフッ素化炭化水素から選
    ばれる少なくとも一種を必須成分として用いることを特
    徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】スチレン系樹脂と発泡剤を高温高圧下で混
    合し、低圧帯域に押し出し、スチレン系樹脂発泡体を製
    造する方法において、発泡剤として、3,3−ジクロロ−
    1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(R225ca)、1,3−
    ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(R225c
    b)、3−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン
    (R244ca)、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプ
    ロパン(R244cb)、3−クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフ
    ルオロプロパン(R235ca)、1,1−ジクロロ−1,2,2−ト
    リフルオロプロパン(R243cc)から選ばれる少なくとも
    一種のフッ素化炭化水素を必須成分として用いることを
    特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂発泡体の製造
    方法。
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