JP2773006B2 - クッション材並びにその製造方法 - Google Patents

クッション材並びにその製造方法

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JP2773006B2 JP4116739A JP11673992A JP2773006B2 JP 2773006 B2 JP2773006 B2 JP 2773006B2 JP 4116739 A JP4116739 A JP 4116739A JP 11673992 A JP11673992 A JP 11673992A JP 2773006 B2 JP2773006 B2 JP 2773006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輌並びに家具の椅子
類と寝具類に於けるクッション材及びその製造法と、該
クッション材を用いた椅子、寝具類の製造工程の合理化
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の椅子及び寝具類は、大まかなクッ
ション性を付与するスプリングと、五官に感じるクッシ
ョン性能を分担するためのゴム状弾性体フォーム、又は
不織布状パッドなどのクッション材を用い、更にこれら
クッション材自体を積層し組合せたり、補強や寸法安定
化のために繊維製補強材や寸法安定保持材などを積層
し、表皮材で包み製品化して居るのが現状であり、ゴム
状弾性体フォーム又は不織布状パッドなど現存の何れの
クッション材も、単独で充分な圧縮弾性性能と力学的性
能を具えて居る物がないため、多くの構成素材の積層組
合せにより製品を製造することが必須であり、クッショ
ン材自体の性能不足もさることながら、その製造工程も
極めて繁雑で多くの工程を要し生産性の悪い物であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のクッション材の
殆どは、ゴム状弾性体フォーム又は不織布状パッドなど
により構成されるが、前者のゴム状弾性体フォームに於
いては、 引張り強力、引き裂き強さ、ミシン目強力、引張り弾
性率等力学的物性が低く、繊維製補強材の併用なくして
は単独使用が不能である、 剪断弾性率が低く水平方向の動きに追従し過ぎるため
補強材の併用が必須である、 フォームの多くは完全な連通気泡でなく通気性に劣り
所謂ムレ発生が避け難い、 耐候性が悪い等の欠陥が有り、後者の不織布状パッド
に於いては、 圧縮弾性回復性能が不足で単独で充分な耐久性あるク
ッション材が得られない、 クッションとして使用可能な状態での見掛け密度が大
きく軽量化指向に反する、 成型性がないなどの欠陥が有り、それぞれ単独では使
用に耐えず、周知の如くフォーム製クッション材ではミ
シン目強度及び対応力寸法安定性不足を補うため、フォ
ーム製クッション材と表皮材の積層縫製に際し所謂内張
り布なる補強布を積層する必要がある事や、クッション
材とスプリングンとの当り面の局部的負荷集中及び擦過
による破損防止のためフォーム内の表層近傍に所謂バネ
受け材(サポーター)なる補強布を内臓・積層する必要
があるなど、力学的性能やクッション性能不足を補うた
め多くの構成素材を組合せ積層して使用せざるを得ぬ状
態に有り、製造工程が繁雑で生産性が悪く、このため力
学的性能に優れ圧縮弾性性能にも優れた、多素材を積層
し組合せなくても使用できる高性能のクッション材の開
発と、斯かるクッション材使用による製造工程の合理化
が強く望まれて居り、本発明はこれ等の課題を解決せん
としたのである。
【0004】又クッション材は嵩高で見掛け密度の極め
て低い物であるため、これ等を取り扱う産業に於いては
宿命的に極めて膨大な生産スペース、仕掛りスペース、
保管・貯蔵スペースを必要とし、その搬送に於いても空
気を運ぶが如き非効率な搬送形態を取らざるを得ず、膨
大な工場敷地と建屋の確保及び大きな倉庫スペースの占
有化が不可避で投資効率の不良とコストアップを招き、
更に輸送コストも高くつき改善が望まれて居るが、本発
明は従来クッション材取扱いに於いて不可避と考えられ
たこの問題点の解消が可能な、一時的に体積を縮小して
取り扱えるクッション材製造プロセスの提供と、それに
基づく生産性に優れた生産システムを提供せんとするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のクッシ
ョン材に於ける前記の欠陥を解消するため、特許請求の
範囲[請求項1]に記載した如く、クッション材の力学
的性能を負い、且つ圧縮弾性分担要素のマイクロバルー
ンを均等に分担保持するコンポーネントとして立体的交
絡を施した非織性ウエッブを用い、優秀な圧縮弾性をク
ッション材に付与するコンポーネントとして独立気泡を
形成するマイクロバルーンを用いて不織布構成組織内に
マイクロバルーンを充填した複合体を構成せしめる事に
より、圧縮弾性特性と力学性能の優秀なクッション材を
得る事に成功したのである。本発明のクッション材組織
形態と、その組織形態より得られる機能を説明するため
に図1.に組織概念図を記した。図1.に示される如
く、本発明のクッション材はクッション材に補強機能を
付与する構成要素の不織布組織内に圧縮弾性機能を分担
するマイクロバルーンが固着され充填されて居るため、
従来の嵩高不織布クッション材や単に不織布に独立気泡
体を付着させたのみの構造物と異なり、圧縮により容易
に圧縮できる空隙部の存在が極めて少なく、圧縮変形を
与えるためには組織的な滑り変位が許されない状態下に
固定され充填されたマイクロバルーンを圧縮せねばなら
ず、組織的ずれや空隙の圧縮などの変形容易な要素の変
形によらず、組織内に充填された変位に伴う逃げ場のな
いマイクロバルーンの圧縮にのみ依存して変位するた
め、高い圧縮弾性率(圧縮硬さ)と優秀な圧縮弾性回復
率(圧縮残留歪みが少ない)のクッション材を与える事
が可能なのである。マイクロバルーンの応用例は公知で
あり新規なものではないが、上記の如く本発明では、圧
縮弾性を有する独立気泡を形成するマイクロバルーンを
嵩高の不織布組織内に固着し充填させる事により、複合
体であるクッション材に優れた圧縮弾性率、圧縮弾性回
復力等の圧縮弾性性能を付与し、更にマイクロバルーン
を保持しクッション材に力学的性能を付与する不織布
の、クッション材内に占める構成比率及び組織形態(嵩
密度など)と、マイクロバルーンの充填状態と充填度を
調整する事により、力学的性能と圧縮弾性性能をも調整
可能とした、圧縮弾性性能に優れ且つ力学的特性に優れ
たクッション材を得る方法を発明したのである。
【0006】本発明のクッション材製造方法は、[請求
項2]ないし[請求項4]に記載する如くその基本構成
は、ニードルパンチングにより立体的に交絡を施した非
織性ウエッブ又は嵩高性不織布に、マイクロカプセルを
形成するポリマーの軟化点以上に加熱された時にガス化
する揮発性膨張剤を包含し独立気泡を形成する発泡性マ
イクロカプセルを、接着剤に均等に分散して付与し、乾
燥することにより非織性ウエッブ構成繊維交点間の接着
と該繊維へマイクロカプセルを接着させ、更に接着と同
時に或いは又、別工程で該マイクロカプセルを発泡膨張
させ独立気泡を不織布内に形成せしめ充填し、嵩高化し
圧縮弾性性能を付与した、圧縮弾性と圧縮弾性回復性に
優れ、力学的特性にも優れたクッション材の製造法であ
り、更に、発泡性マイクロカプセルの発泡特性と接着剤
乾燥温度の選定を適宜行う事により[請求項2]ないし
[請求項3]に記載する如く、立体交絡された非織性ウ
エッブ又は嵩高性不織布に発泡性マイクロカプセルを接
着すると共に発泡させ必要に応じ所定形状に成型する”
先発泡法”でクッション材を製造するか、[請求項4]
に記載する如く、マイクロカプセルを先ず未発泡状態で
非織性ウエッブに接着して置き、別工程で発泡し成型を
行う”後発泡法”でクッション材を製造するかが選定で
き、更に又発泡性マイクロカプセルの発泡特性を活用し
如何なる時点で、如何なる温度・加熱時間(厳密には熱
履歴条件)の熱処理を所定金型内で実施するかの選定を
行う事により[請求項2]ないし[請求項4]に記載す
る成型プロセスが選定できる特徴を有する製造法を発明
し開示した。又更に密度勾配、圧縮弾性特性勾配を持た
しめたクッション材製造の要求に応じるために、公知の
不織布製造技術を活用し非織性ウエッブ構成繊維繊度や
捲縮度や交絡度を変更して得たウエッブを積層し交絡一
体化せしめた密度勾配のある非織性ウエッブを使用すれ
ば、単に製品の密度勾配のみならず包含されるマイクロ
カプセル含有率がウエッブ密度により変化せしめ得る事
により、任意の密度勾配と圧縮弾性勾配を有するクッシ
ョン材を製造する製造法をも発明し開示した。斯くして
得られるクッション材は、圧縮弾性挙動に優れたマイク
ロバルーンがマトリックスを形成し、補強繊維層に分散
付着され充填された複合体である故、 繰り返し負荷に対する圧縮弾性回復性能に優れ、優れ
た圧縮弾性を有し且つ力学的特性に優れ他素材による補
強なしに単独で優秀なクッション材とし機能でき 椅子・寝具などの製品製作時に補強材等の他素材の積
層組み合わせによる繁雑な性能補充工程を不要とした、
アセンブリー工程の合理化が進んだ高性能クッション材
を与える事ができ ”後発泡法”の採用により未発泡マイクロカプセルを
接着した非織性ウエッブ中間製品を圧縮し体積縮小して
搬送し、最終組み立て工程で発泡成型する事により嵩高
品取扱いに基づく非効率性と全ての無駄が解消でき 非織性ウエッブで補強された繊維補強複合クッション
材であるが成型性を有し、通気性があり使用時にムレ発
生の心配がない等従来品の欠陥を解消した高性能クッシ
ョン材を与えるのみならず、製品製造システムの合理化
・改革をも可能としたのである。以下に更に具体的に本
発明の構成を説明する。
【0007】本発明の立体交絡された嵩高性の非織性ウ
エッブ及びその製造方法は、何等特別の物ではなく下記
の如く通常の(短繊維)不織布製造工程を用いるか又
は、スパンボンド不織布製造工程を用いて製造するもの
で良い。即ち、ウエッブの製造は通常の不織布製造工程
を用いて製造でき、広く用いられるクロスレイドウエッ
ブ製造法、ランダムレイドウエッブ製造法の適用が好適
ではあるが、オリエントウエッブ製造法も何ら否定する
ものではない。そして交絡は、ウエッブ工程に接続した
ニードルパンチ機を用い、常法通りのニードルパンチン
グ法を適用して所望する交絡度になる如く、ニードル深
さ、ニードル密度を選定して行う。本発明のクッション
材製造方法[請求項2]ないし[請求項4]に記載する
立体的交絡を施した非織性ウエッブとは、クッション材
の力学的性能を負い、且つ圧縮弾性分担要素のマイクロ
バルーンを均等に分散保持するコンポーネントとして機
能するものが要求されるのであり、構成繊維交点間が非
接着の狭義のウエッブに限定する必要性は全くなく予め
交点間が接着された嵩高性非織性ウエッブをも包含す
る。
【0008】構成繊維交点間が非接着の狭義の非織性ウ
エッブでは、ウエッブが特に圧蜜され高密度の物でない
限り、ウエッブ組織内に含浸・沈着させた発泡性マイク
ロカプセルの膨脹によるウエッブ厚みの膨脹は発泡性マ
イクロカプセル沈着量に対応し、膨脹に対する障害も殆
どなく自由膨脹に近い膨脹を示す故、斯かる狭義の非織
性ウエッブの使用は、特に大きな圧縮率の圧縮弾性機能
の優れた見掛け密度の低いクッション材の製造を行う場
合に、形状安定性に欠ける(対応力寸法安定性及び厚み
保持安定性など)極低見掛け嵩密度の非織性ウエッブを
用いなくても接着と同時に起こる発泡性マイクロカプセ
ルの膨脹によりウエッブにも数倍〜数拾倍の厚み膨脹が
可能であり、所定厚みとなるよう厚み規制し膨張させて
製造すればクッション材中に所定の見掛け嵩密度の不織
布を形成せしめ得るため、目付のみを合せ形状安定性の
ある見掛け嵩密度領域の非織性ウエッブを選択し用い低
い見掛け密度のクッション材をも容易に安定生産する事
ができ極めて効果的である。従って、本発明に於いて構
成繊維交点間が非接着の狭義の非織性ウエッブの[請求
項2]〜[請求項3]に記載の”先発泡法プロセス”へ
の適用は極めて効果的で、[請求項4]に規定の”後発
泡法プロセス”や予めウエッブ構成繊維交点間が接着さ
れたウエッブを使用する場合の如く、マイクロカプセル
発泡に先立ち本発明のクッション材を構成する不織布構
成組織に予め所定の厚み・見掛け嵩密 度・空隙(率)を
確保して置く必要がなく、この確保のために形状安定性
に欠ける所定の見掛け嵩密度・厚み・空隙(率)を持つ
極低見掛け嵩密度の非織性ウエッブを用いなくても良
く、[請求項4]に規定の”後発泡法プロセス”の如く
形状安定性確保と安定生産確保のため使用し得る非織性
ウエッブの見掛け嵩密度が0.015g/cm 以上で
なけねばならぬと言う下限制限により生産し得るクッシ
ヨン材の密度下限が0.035g/cm に留まるのに
比し、非接着の非織性ウエッブを用いるプロセスでは、
目付のみを合わせて使用し易い見掛け嵩密度領域の非織
性ウエッブを用い、厚み規制下で接着と同時にマイクロ
カプセルを膨張させ、所定厚み・見掛け嵩密度の不織布
を生成させ所定見掛け密度のクッション材が製造可能で
あるため、低見掛け密度のクション材製造も容易であ
る。又、斯かる構成繊維交点間が非接着の狭義のウエッ
ブを用いた本発明の[請求項2]〜[請求項3]に記載
した”先発泡プロセス”によるクション材製造法に於い
ては、得られるクッション材の厚み・見掛け密度は用い
る非織性ウエッブの見掛け嵩密度(厚み)には直接関係
なく、得られるクッション材厚みは接着剤に分散させ該
非織性ウエッブに付与し接着させた発泡性マイクロカプ
セルの発泡・膨脹により、厚み規制板や金型などで設定
された所定厚みまで膨張するのであるから、接着剤付与
方法も非織性ウエッブの厚みを減じない様ウエッブに圧
縮負荷をかけずに接着剤を付与する方法(例えばスプレ
ー法)に拘わらずに、厚みの有る高目付の嵩高ウエッブ
に均等に接着剤を含浸・付与できる効率の良い接着剤付
与方法を選定して実施すればよく、例えば高濃度の接着
剤に空気を吹き込み泡立てた泡状接着剤を圧入する所謂
フォーム含浸法の適用などが好適である。反面得られる
クッション材内に所望の高いマイクロバルーン充填度を
確保するためには膨脹時或いは又、成型時に厚み規制板
或いは成型金型などを用い自由膨脹に任せず、厚みを規
制して膨張させて充填度を上げる処置をする事が必須で
ある。然し、斯かる構成繊維交点間が非接着の非織性ウ
エッブに於いても見掛け嵩密度の過度の高密度化は、接
着剤溶液或いは接着剤エマルジョンに分散させた発泡性
マイクロカプセルの非織性ウエッブ内への含浸を阻害
し、包含・沈着座席(空隙)容量を減少せしめるため、
クッション材形成に必要な発泡性マイクロカプセ ルの非
織性ウエッブ内への含浸量と、包含・沈着座席(空隙)
確保のためには、見掛け嵩密度は0.15g/cm
許容上限であり、これ以下の見掛け嵩密度の非織性ウエ
ッブを用いねばならない。
【0009】一方、非織性ウエブ構成繊維交点が予め接
着されて居るウエッブの場合、発泡性マイクロカプセル
の膨脹力により接着にて固定された組織形態即ち構成繊
維交点間の接着点をズラシ厚みを押し広げ膨張して嵩高
化する事は、極端に熱時対応力寸法安定性不良の接着剤
を使用しない限り[発泡性マイクロカプセル膨脹による
組織拡大力]<[非織性ウエッブ構成繊維交叉接着点の
ズレ抵抗]のため殆どの場合不可能であり、(但し、非
織性ウエブ構成繊維交点間接着ウエッブを単に機械的圧
縮した物の、構成繊維交叉接着点間のズレを伴わない発
泡性マイクロカプセルの膨脹力による元の厚み・組織ま
での厚み回復は容易に行えるが)、斯かる接着剤を選定
してより変形・拡大し易い状態とした場合に於いてすら
も、既接着の構成組織のマイクロバルーンの膨脹力によ
る充分な嵩高化・厚み増大は極めて難しく、更に場所・
部位により[非織性ウエッブ構成繊維交叉接着点のズレ
抵抗]が異なり一定でないため、厚み膨脹・嵩高化の程
度が場所で異なり膨脹斑・厚み斑が著しく、一定厚み・
嵩密度を有する均質な製品を安定生産する事が出来な
い。従って、予め構成繊維交点間を接着した比較的高嵩
密度の非織性ウエッブ(所謂不織布)を、マイクロカプ
セル膨脹力により厚みの膨脹・拡大を行いクション材を
製造せんとする試みは実施不能であり、本発明のクッシ
ョン材製造への適用は不適格で対象外である。然しなが
ら、予めウエッブ構成繊維交点間を接着した非織性ウエ
ッブに於いても、製品厚みに相当する所定厚みを有し製
造するクッション材中に形成する不織布の骨格構造に該
当する組織構成を有する低見掛け嵩密度の予めウエッブ
構成繊維交点間を接着した嵩高性非織性ウエッブを本発
明のクッション材製造の対象とし、泡性マイクロカプセ
ル膨脹により不織布の接着点のズレを伴う厚み拡大を行
わず、充填すべき空隙が規制され与えられた状態で該構
成組織内に均等に分散・分布・接着・付与した発泡性マ
イクロカプセルを膨張拡大させ空隙を埋め充填せ しめる
如く、例えば[請求項4]に記載した如くに用いるなら
ば、(単なる機械的圧縮歪みは問題なく回復可能で容易
に所定厚みまで回復できる)予め行うウエッブの接着工
程が一工程余分に必要となるデメッリトはあるが、厚み
を規制し充填率を向上させるための実施手段としては有
効であり、斯かる予め構成繊維交点間を接着した非織性
ウエッブの適用も有意義となる。即ち、[請求項4]に
記載の製造プロセスは、嵩高性非織性ウエッブに発泡性
マイクロカプセルを接着剤に均等に分散させて付与し、
先ず該発泡性マイクロカプセルの発泡開始温度(Ti)
より低い温度で乾燥して非織性ウエッブ構成繊維交点間
の接着と該繊維に発泡性マイクロカプセルの接着を行
い、未発泡のマイクロカプセルを接着せしめた嵩高性不
織布を形成せしめ、次いでこの不織布を所定の形状を有
する型枠内或いは又、所定の厚み規制下で、該発泡性マ
イクロカプセルの最高発泡温度(Tm)近傍の温度に加
熱し該マイクロカプセルを発泡させマイクロバルーンを
該不織布構成組織内に充填せしめ、所定形状に成型する
ことを特徴としたクッション材の製造方法である故、形
状安定性(対応力寸法安定性及び厚み保持安定性など)
に欠ける嵩高の非織性ウエッブを直接用いる代わりに、
所定の見掛け嵩密度と空隙が付与・確保できるなら
ば、」発泡性マイクロカプセルの膨脹による接着点ズレ
を伴う厚み増大・膨脹を要求しない限り)所定の組織構
成に予め構成繊維交点間を接着された非織性ウエッブを
適用する事は、予め行うウエッブの接着工程が一工程余
分に必要となるが、形体安定性の悪い見掛け嵩密度の低
い非織性ウエッブを用いる製造方法の操業性改善面に於
いて有意義であり何ら不都合ではない。又、所定の見掛
け嵩密度と空隙が確保できるならば、斯かる予め構成繊
維交点間を接着した非織性ウエッブの[請求項3]に記
載の製造プロセスへの適用も、所定寸法・形状への裁断
・打ち抜きや成型金型へのセットなどの取扱性が改善さ
れて意義がある。[請求項4]に記載されるクッション
材製造法並びに予め構成繊維交点間を接着した厚みの大
きい嵩高の非織性ウエッブを適用する本発明のクッショ
ン材製造方法では、該非織性ウエッブの持つ厚み・見掛
け嵩密度を損なわない様に接着剤を付与する必要がある
故、圧縮負荷をかけずに接着剤を付与できるスプレー法
適用かフォーム含浸法の適用が望ましい。
【0010】本発明の不織布製造に用いる繊維は何ら特
別の物でなくとも良いが、嵩高性の非織性ウエッブを得
ることを目的とするため、繊度は5デニール以上の比較
的大きい物が好ましく、捲縮度も強い物が好ましい。一
般に繊度が大きく捲縮の強いものがより嵩高のウエッブ
を与える事が出来るので、目的に応じて繊度、捲縮度、
交絡度を選定してウエッブを生産すればよい。又、本発
明に用いられる繊維の種類は特別の制限を設ける必要が
なく、その例を掲げると次の如くである。即ち、木綿、
麻、羊毛等の天然繊維、椰子がら繊維、獣毛等の雑繊
維、ビスコースレーヨン、キュープラアンモニュームレ
ーヨン、アセテートレーヨン等の人造繊維、ナイロン
6、ナイロン66他ポリアマイド繊維、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート他ポリエス
テル繊維、ポリアクリロニトリル他アクリル系繊維、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等ポリオレフィン系繊維、
ポリヴィニールアルコール系合成繊維など各種合成繊維
の何れも使用可能である。又、短繊維の非織性ウエッブ
でなしにスパンボンド法により製造されるウエッブを用
いることも可能で、この際はウエッブ構成繊維が長繊維
で出来ているため補強効果が特に優れている。ただ、現
在我国で製造されるスパンボンド法不織布は、捲縮のな
い繊維で構成されるものが殆どで、必ずしも嵩高性を必
要とする本目的に適さないが、非対称冷却法を応用した
所謂”ナチュラルクリンプ法”やサイドバオサイド型成
いは偏芯シースコアー型の複合繊維紡糸法を適用する
と、本発明に適用するのに好適な捲縮のある嵩高性のス
パンボンド不織布を製造する事が出来る。これ等のスパ
ンボンド不織布構成ポリマーとしてポリマーを特定する
ことは必要はないが、ナイロン6、ナイロン66他のポ
リアマイドや共重合ポリアマイド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート他のポリエステ
ルや共重合ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等のポリオレフィン類のスパンボンド不織布が好適で
である。又スパンボンド法不織布ウエッブと短繊維非織
性ウエッブを積層して用いることも、力学的性能の優れ
た密度勾配のあるクッション材を製造する実施例として
推奨される。
【0011】本発明の不織布製造に用いる接着剤並びに
接着プロセスについて述べると、これ等は何等特定の物
でなくとも良く、一般の不織布製造に用いられるもので
あれば何れにても使用可能である。即ち、接着剤として
は例えば、市販のアクリル系接着剤(アクリル酸エステ
ル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステ
ル共重合体、自己架橋性変性アクリル系接着剤など)、
合成ゴム系接着剤(SBR系、NBR系、MNR系、ク
ロロプレン系など)塩化ビニリデン系接着剤、塩化ヴィ
ニール系接着剤、酢ビーエチレン共重合体系接着剤、ポ
リウレタン系接着剤など何れにても良く、又エマルジョ
ン系でも溶液系の何れでも良いがエマルジョン系の適用
が普遍的である。尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂等熱硬化性樹脂の適用も可能である。但し、製品の用
途が椅子寝具類であり難燃性の要求がある事よりすれ
ば、接着剤としても難燃性のある塩化ビニリデン系接着
剤、塩化ヴィニール系接着剤の採用がより有利である。
これら接着剤の難燃化には三酸化アンチモン、燐酸塩の
他、多量の結晶水を有し加熱時に水蒸気として放出する
水酸化アルミニュウム等の無機難燃剤や、市販の有機ハ
ロゲン系難燃剤、有機燐系難燃剤などを配合して使用す
る事が望ましい。又、製品が嵩高で厚みのある商品であ
るため、乾燥途上に接着剤が蒸発する水分と共に表層部
に移行して接着剤沈着分布に異常を来す、所謂マイグレ
ーションが発生し易いため、マイグレーション防止策を
講じる必要があること、嵩高品のために増粘して接着剤
の均等付着をはかる必要があること、マイクロカプセル
を分散した接着剤溶液内での均等分散と沈降分離防止対
策として増粘剤添加が有効である事より、増粘効果があ
ってしかも加温された時不溶化し接着剤を凝固させる作
用があるためマイグレーション防止剤として有効な、メ
チールセルローズや、エチールセルローズ等のセルロー
ズエーテル類や、ポリヴィニールメチルエーテルなどの
ポリヴィニールエーテルの添加配合が極めて有効であり
推奨できる。
【0012】接着剤付与プロセスも一般に用いられる方
法なれば何れを採用しても良いが、製品が嵩高である関
係上、接着剤をスプレーガンより吹き付ける所謂スプレ
ー法や、濃厚な接着剤溶液を空気を吹き込みながら急速
攪拌し発泡させ泡状にして付与する所謂フォーム含浸法
の適用が好適である。接着剤の付着量は、発泡性マイク
ロカプセルをクッション材のマトリックス構成要素とし
非織性ウエッブ構成繊維に接着し又、構成繊維交点間接
着が出来るだけの量だけあれば良く、それ以上の量は不
必要であり、(害にもなるので)通常製品重量の15な
いし45%が望ましく20ないし35%程度が好適であ
る。
【0013】本発明は[請求項]に記載した通り、ニー
ドルパンチングにより立体的に交絡を施した非織性ウエ
ッブに、加熱により発泡し独立気泡を形成する発泡性マ
イクロカプセルを接着剤に均等に分散して付与し、加熱
し乾燥することにより非織性ウエッブ構成繊維交点間の
接着を行うと共に、その構成繊維に該マイクロカプセル
の接着を行い、接着と同時に或いは又接着後の別工程で
該マイクロカプセルを発泡膨張させ独立気泡のマイクロ
バルーンを不織布内に形成し充填せしめる事により嵩高
化し圧縮弾性性能を付与した、極めて圧縮弾性と圧縮弾
性回復性に優れ、力学的特性にも優れたクッション材で
あり、クッション機能付与材のマイクロカプセルの品種
選定、含有率選定、発泡状態選定、発泡特性活用の条件
の選定などは、不織布内へのマイクロバルーン充填状態
と共に、圧縮弾性設定の重大要素であり目的に応じた特
性のクッション材の商品設計を行う上で重要であり、又
その発泡特性は製造プロセスの選定を行う上でも極めて
重要である。本発明に於いて用いられる発泡性マイクロ
カプセルは、揮発性膨張を内包した数μないし50μ
の粒径の微粒子で、マイクロカプセルを形成する膜ポリ
マーの軟化点以上に加熱されたとき内包剤の蒸気圧によ
り膜が押し拡げられ、数分で数拾倍ないし100倍に体
積膨張し独立気泡のマイクロバルーンを形成するもので
あり、これらのマイクロカプセルは、例えば膜形成ポリ
マーとしてアクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合
体、アクリロニトリル−酢酸ヴィニール共重合体、アク
リロニトリル−メタアクリル酸エステル共重合体等より
構成され、内包される揮発性膨張剤としてはプロパン、
ブタン、ペンタン等の炭化水素や、フォレオン(弗素化
炭化水素)の一部等より構成される物であるが、市販品
としては例えば松本油脂製薬(株)より”マツモトマイ
クロスフェアーF−30,F−50,F−80s,F−
85”が、又ダウケミカル(株)より”サランマイクロ
スフェアー”が市販されて居り、所望の特性を有する品
番を選び使用する事が出来る。製品の圧縮弾性挙動が、
クッション材構成ウエッブの交絡度、嵩密度、マイクロ
カプセル含有率、発泡条件(温度、時間)成型時の厚み
規制等に基づくマイクロバルーン充填密度、発泡状態
(倍率他)等により決定される性能であるため、マイク
ロカプセル使用量(含有率)決定は極めて重要であり、
所要圧縮弾性挙動と前記諸条件の絡みで最適条件を選定
し決定すれば良いが製品重量に対し25ないし60%の
使用が通常である。
【0014】以上説明し規定した、本発明のクション材
を構成するための必要要件を総括すると、 A.クッション材構成素材の構成比率; 対製品重量構成比率:25〜50%(見掛け嵩密度
0.015〜0.15g/cm の)嵩高性非織性ウエ
ッブ 対製品重量構成比率:15〜45%の接着剤 対製品重量構成比率:20〜60%の発泡性マイクロ
スフェアーの各構成要素を、目的とする性能を得るため
に最適の構成比を選定してクッション材を構成させる。 B.各構成要素の対製品重量構成比率と組織構成内容の
クッション材性能に及ぼす効果; 非織性ウエッブの重量構成比率と組織構成が製品性能
に及ぼす影響: クッション材に必要とする補強効果を付与するために必
要とする非織性ウエッブの対製品重量構成比率(含有
率)は、目的達成には最低20%は必要である。 高い補
強効果が要求される本発明の規定する構成組織を有する
クッション材には、高い見掛け嵩密度の非織性ウエッブ
を高い対製品重量構成比率で用いたクッション材を作成
する事が必要で、非織性ウエッブの対製品重量構成比率
が高い程補強効果が大きくなるのは当然であるが、クッ
ション材に用いる非織性ウエッブの見掛け嵩密度には、
必要とする圧縮率と圧縮弾性回復率など圧縮弾性性能を
クッション材に与えるために、圧縮弾性性能付与成分で
ある発泡性マイクロカプセルの均等な含浸を可能とする
見掛け嵩密度に上限が有り、又得られるクッション材に
少なくとも最低限の圧縮弾性を付与するために必要な量
のマイクロバルーンが充填できる充填空間維持のために
も見掛け嵩密度に上限があり、圧縮弾性性能を犠牲にし
て補強に重点を置き最高の補強効果を求めた特異なケー
スに於いても、その嵩密度は0.15g/cm が許容
上限であり、斯かる構成組織のクッション材に於けるク
ッション材構成上必要な接着剤量は0.09g/cm
(対製品重量構成比率:30%)であり、必嬰な発泡性
マイクロカプヤル量は0.06g/cm (対製品重量
構成比率:20%)である事から、補強性能を重視した
クッション材の見掛け嵩密度は0.30g/cm であ
り、これが生産可能なクッション材の最高見掛け嵩密度
である。然しながら、斯かる高密度の製品は圧縮弾性に
乏しいため単独使用よりは本発明に於いて開示した密度
勾配を有するクッション材の高密度の補強層として使用
される事が多い。本発明に規定したクション材の圧縮弾
性性能は、既に説明した通り構成組織内の空隙をマイク
ロバルーンにて充填する事により付与される物であり、
クッション材の骨格を構成する不織布の見掛け嵩密度に
よりクッション材の見掛け密度と圧縮弾性性能が大きく
影響され、充填率の高さが圧縮弾性率・圧縮弾性回復力
・繰返し圧縮時の残留歪み等の性能を支配し、見掛け密
度の大きいクッション材ほど圧縮率は小さくなり圧縮弾
性性能が低下するため最低の圧縮弾性性能を維持するた
めの見掛け密度は0.30g/cm が許容上限であ
り、見掛け密度の小さい物ほど圧縮率は大きくなる故、
一般に所謂クッション性の高い物を得るには補強性能と
の兼ね相で、許す限り見掛け嵩密度の低い不織布の骨格
構造を高充填率でマイクロバルーンを充填した低い見掛
け密度のクッション材を作成する事が推 奨される。生産
性も良くクッション材としての性能が最も発揮できる該
クッシヨン材の見掛け密度節囲は、0.03g/cm
〜0.10g/cm である。本発明に某づくクッショ
ン材製造に於いて最低限の補強性能と圧縮弾性性能を維
持する低見掛け密度のクッション材生産の限界は、低い
見掛け嵩密度の非織性ウエッブの取扱に有利な[請求項
2]〜[請求項3]に規定のプロセスによっても、クッ
ション材に最低限必要な捕強効果と圧縮弾性性能を持た
せるためには、0.008g/cm の補強用非織性ウ
エッブ量(対製品重量構成比率:40%)、0.008
g/cm のマイクロバルーン含有量(対製品重量構成
比率:40%)及び、0.004g/cm の接着剤量
(対製品重量構成比率:20%)が最小限必要であり、
見掛け密度0.02g/cm のクッション材が最低限
の圧縮弾性性能と補強性能を持つ低見掛け密度クション
材の製造限界である。ウエッブ絶対量がこれ以下になれ
ば操業性にも問題が生じ最低限必要な補強性能が得られ
ず、マイクロカプセル絶対量がこれ以下になればマイク
ロバルーンの充填状態が不足し最低限必要な圧縮弾性特
性が得られず、又接着材絶対量がこれ以下になれば最低
限必要な接着力が得られず補強性能が悪化しマイクロバ
ルーン保持力が不足するため、目的とする要求機能を最
小限満たすクッション材を得る事が出来なくなる。斯様
に本発明のクッション材の実用対象となし得る最低見掛
け密度は0.02g/cm であり、最大見掛け密度は
0.30g/cm である。 発泡性マイクロカプセル構成比の製品性能に及ぼす影
響: 得られるクッシヨン材に於ける補強成分たる不織布の構
成する空隙を埋め充填するために充分なマイクロバルー
ンを形成するだけの発泡性マイクロカプセルを必要と
し、充填率が高ければ高いほど得られるクッション材の
圧縮弾性が高くなる。設定した性能のクッション材を得
るためには、必要な補強用成分構成比及び該補強用成分
たる不織布の見掛け嵩密度に基づく空隙率や、接着成分
構成比との関連で、必要な充填率を得るように発泡性マ
イクロカプセル構成比を設定する。一般に必要なマイク
ロカプセルの対製品重量構成比は20〜60%である。
【0015】発泡性マイクロカプセルは、膜構成ポリマ
ーの特性と内包される膨張の特性に基づき、それぞれ
固有の膨張特性(発泡温度vs.発泡倍率)と発泡特性
(所定発泡温度に於ける加熱時間vs.発泡倍率)を有
し、一般に発泡温度が高くなるに従い発泡倍率を増大す
るが、発泡温度及び時間が増大し過ぎると膨張ガスがマ
イクロバルーン形成膜を透過し外部に拡散するため膨張
倍率を減少すると言う膨張曲線並びに発泡曲線に示され
る性状を有する。図2a.には膨張曲線の概要を模式的
に示す膨張曲線を、図2b.には”マツモトマイクロス
フェアーF−30,F−50”に対する膨張曲線を、図
2c.には”マツモトマイクロスフェアーF−80s,
F−85”に対する膨張曲線を示し、図3a.には”マ
ツモトマイクロスフェアーF−30,F−50”に対す
る発泡曲線を、図3b.には”マツモトマイクロスフェ
アーF−80s,F−85”に対する発泡曲線を示し
た。
【0016】[請求項2]ないし[請求項3]に記載し
た”先発泡法”と、[請求項4]に記載した”後発泡
法”は、斯かるマイクロカプセルの膨張特性を利用して
構成させたクッション材製造プロセスであり、”先発泡
法”の採用はクッション材製造会社で最終製品の組立て
まで完了し製品化する際には工程数が少なく有効であ
り、一方組み立て・縫製等をアセンブリーメーカーで行
う場合には”後発泡法”の採用が未発泡の中間製品を圧
縮し体積縮小して保管・貯蔵・搬送等が行えて、”先発
泡法”の場合の如く嵩高・低密度の中間製品の取い扱い
による、無駄な作業・保管貯蔵スペースの占有並びに非
効率な搬送形態を解消でき極めて有効である。[請求項
2]ないし[請求項3]に記載した”先発泡法”による
製造を行うには、非織性ウエッブ構成繊維交点間接着と
構成繊維へのマイクロカプセルの接着を行う条件下で、
マイクロカプセルの発泡が充分に行われる如き膨張特性
(曲線)を有するマイクロカプセルの選定を行う事が必
要である。図2b.図2c.に示される発泡開始温度
(Ti)及び最高発泡温度(Tm)ほか膨張曲線より明
らかな如く、非織性ウエッブの接着剤乾燥条件が通常1
00ないし120℃で行われる事から”先発泡法”に於
いては”マツモトマイクロスフェアーF−30,F−5
0”の選定が好適で(望ましく)”マツモトマイクロス
フェアーF−80s,F−85”を用いる際には乾燥後
期に更に150〜180℃に昇温し発泡させる事が必要
である。一方”後発泡法”採用に際しては、接着剤乾燥
工程でマイクロカプセルを発泡させない事が必要で、こ
のためマイクロカプセルの発泡開始温度(Ti)が接着
剤の乾燥・接着温度以上である物を選定する必要があ
り、 図2b.図2c.に示される発泡開始温度(T
i)及び膨張曲線より、非織性ウエッブの通常の接着剤
乾燥条件が100ないし120℃である事を前提とする
と、”マツモトマイクロスフェアーF−80s,F−8
5”の選定が好適で(望ましく)”マツモトマイクロス
フェアーF−30,F−50”を用いる際には乾燥温度
を、その発泡開始温度(Ti)100℃以下に下げて乾
燥する事が必要となる。
【0017】従来不織布状パッドの如き繊維性クッショ
ン材は、ゴム状弾性体フォームの如く所定形状に成型で
きない欠点があった。本発明のクッション材は、補強材
である非織性ウエッブ繊維にマトリックスとして独立気
泡のマイクロバルーンが接着され充填された繊維補強複
合体であるがマイクロカプセルの発泡曲線に示される
如く最高発泡温度(Tm)近傍で熱処理されるとき、熱
処理時経過と共に先ずマイクロバルーンの膨張倍率の
増大がおこり、更に熱処理が継続されるとマイクロバル
ーン形成膜を通じ膨張ガスが外部に拡散し体積を縮小す
るという膨張特性を利用し、成型金型内でマイクロカプ
セルの最高発泡温度(Tm)近傍、好ましくはTm+0
ないし20℃に加熱しマイクロカプセルを充分に発泡さ
せ、不織布組織内にマイクロバルーンを充分な充填状態
に膨張させ充填させたクション材で金型を満たし、金型
内にマイクロカプセル発泡による背圧を発生せしめなが
ら加熱を継続し、マイクロバルーン形成膜より膨張性ガ
スを外部に拡散せしめる事により金型に忠実に添わせる
成型法を発明した。斯くして、 [請求項2]ないし[請求項3]に規定する”先発泡
法”に基づく製造法に於いては、マイクロカプセルの発
泡を行ったクッション材中間製品を所定寸法形状に裁断
或いは打ち抜き所定形状の金型にセットし、最高発泡温
度(Tm)近傍、好ましくはマイクロカプセルの最高発
泡温度(Tm)+0いし20℃で、発泡曲線に示される
所定の容積減少率に達するに必要な時間だけ加熱する事
により、所定厚みと嵩密度を持ち、所定の形状にマイク
ロバルーンが充填された、所定の形状のクッション材を
製造する方法を、 [請求項4]に規定する”発泡法”基づく製造法に於
いては、接着された未発泡マイクロカプセルを包含する
不織布(クッション材中間製品)を所定の形状に裁断或
いは打ち抜き所定形状の金型にセットし、最高発泡温度
(Tm)近傍、好ましくはマイクロカプセルの最高発泡
温度(Tm)+0いし20℃で、発泡曲線に示される所
定の容積減少率に達するに必要な時間だけ加熱する事に
より、所定厚みと嵩密度を持ち、所定の形状にマイクロ
バルーンが充填された、所定の形状のクッション材を製
造する方法を発明し開示した。尚、[請求項4]に規定
する製造法に於いては、マイクロカプセルを包含する非
織性ウエッブがマイクロカプセル発泡以前に、既にウエ
ッブ構成繊維交点間が接着され所定厚みと嵩密度が付与
された不織布が形成して居るため、最高発泡温度(T
m)近傍に加熱された時、マイクロカプセルが膨張して
厚みが規制された不織布の空隙間を充填するべく作動す
るため高充填度を得るのに好適であるし、一定厚みの平
板状クッション材を製造する際には不織布に所定の厚み
を与えて置けば、特に厚み規制板間で成型しなくても所
定厚みのクッション材を製造する事が可能である等のメ
リットがある。
【0018】又、成型を行う装置及び熱媒体は、斯かる
製品の成型を行う方法なれば何れでも適用可で次記の方
法に拘ることはないが、推奨できる方法の一つとして下
記の成型プロセスを例示した。図4.に例示する如き、
数mm厚の一面に穿孔を施し必要なれば補強を施した金
属板に所定形状を付与し、その上面板或いは下面板が所
定の上下位置に移動・開閉でき、プレス機能を持つ如く
金型を形成せしめ、所定の寸法形状に打ち抜いた資料を
この金型内にセットし、金型を閉じ熱交換機で所定温度
に加熱した空気を送風機・ダクトを通し給気し、金型下
面部に接続したダクトから脱気し熱交換機部に戻し熱風
を循環し所定時間熱処理し、次いで流路を切り替え冷風
を供給し形状セットを完結するように設計された熱成型
機を用いると完全なドライステートで極めて清浄な環境
下で成型を行う事が出来る。例えば[請求項2]〜[請
求項4]に記載した方法にて製造したクッション材中間
製品を所定寸法形状に打ち抜き、図4.に示す装置内に
セットし最高発泡温度(Tm)近傍の熱風を所定時間循
環し熱処理すれば、所定形状に成型されたクッション材
を容易に得る事が出来る。
【0019】本発明のクッション材の圧縮弾性性能は、
独立気泡を形成するマイクロバルーンの圧縮弾性挙動に
基づき付与される性能であり、特にその圧縮弾性回復
力、弾発性能、繰り返し負荷による所謂ヘタリ現象の耐
久性能(クリープ特性)の優秀さはマイクロバルーンの
圧縮弾性に負うところが大である。然しながらクッショ
ン材の圧縮弾性性能(特に圧縮弾性率)は、この他に 発泡性マイクロカプセルの含有率 発泡状態(発泡倍率) 発泡条件(厚み規制、形状規制、膨張率規制等の充填
状態決定要因) 補強用非織性ウエッブ構成組織内のマイクロバルーン
充填度及び充填状態に依存して決定される性能であり、
特にクッション材として要求されるレベルの高さの圧縮
弾性率は、単に不織布にマイクロカプセルを保持させ自
由に発泡させたごとき物で得られるものでなく、クッシ
ョン材を構成する不織布構成組織内に圧縮弾性を持つマ
イクロバルーンを充填する事により始めて得られる性能
であり、前記〜項の選定即ち、不織布構成組織内の
マイクロバルーン充填度と充填状態の選定は、クッショ
ン材に所定の圧縮弾性性能を付与する上で最も重要な選
定要素であり、その的確な選定を行う事が希望する厚み
・密度・圧縮弾性性能を持ったクッション材を商品設計
するために極めて重要である。この要求達成のために非
織性ウエッブ製造技術を活用すれば、構成繊維デニール
の選定や捲縮度選定及びニードルパンチング条件の選定
などを調整して任意の厚み・密度を持った非織性ウエッ
ブを得る事や、任意の密度勾配を持った非織性ウエッブ
を得る事が可能であり、非織性ウエッブ製造技術を駆使
する事により、内蔵されるマイクロバルーンの沈着分布
状態や充填度を調整し目的に応じ所定の圧縮弾性を持っ
た、又更には圧縮弾性挙動に特定の勾配を持った任意の
圧縮弾性挙動を示すクッション材を商品設計し製造でき
る事を発明した。一般に、高い圧縮弾性率を得て、高い
圧縮弾性回復率、高い圧縮クリープ抵抗を得るには、高
度のマイクロバルーンの充填度と充填密度及び含有率が
必要である。
【0020】従来のクッション材の殆どは、弾発性の高
いフォームか或いは嵩高の不織布で形成され、前者は圧
縮弾性回復率が高く負荷に対する所謂ヘタリ耐久性が高
いが、その反面高弾発性のためクッション材製造後一時
的に圧縮し縮小して椅子・ベッドなど寝具の組立工程に
いたる迄の工程での、保管並びに貯蔵スペースの節減及
び搬送効率改善処置を実施する事が出来ず、又一方不織
布よりなるクッション材は圧縮弾性回復率が低すぎるた
め、斯かる圧縮・縮小処理を行うとクッション材に回復
不能のヘタリをもたらすため同じく実施不能であった。
然しながら、本発明の[請求項4]に記載する如き”後
発泡システム”を採用すると、この立体交絡組織の非織
性ウエッブ内に未発泡のマイクロカプセルを接着した状
態の中間構造体は、減圧容器内で減圧するか、加圧圧縮
により容易に厚みを減じ体積を縮小でき、更にこの中間
構造体は発泡温度条件以上に加熱しない限り安定であり
長期保存にも耐える事ができ、所定発泡条件に加熱しマ
イクロカプセルの発泡を行うと全くバキュウム成いは加
圧による圧縮履歴の影響なく発泡しマイクロバルーンが
形成され、所定の嵩密度・形状・圧縮弾性を有するクッ
ション材を形成できるため、[請求項4]に記載する”
後発泡システム”を採用しクッション部材の供給を、椅
子・ベッド等寝具の縫製・組み立て工程直前に嵩高交絡
組織の非織性ウエッブに発泡性マイクロカプセルを未発
泡状態で接着した状態の中間製品を圧縮し体積を縮小し
た状態にて(望ましくは所定寸法形状に裁断・打ち抜い
た状態で)行い、縫製・組み立て工程直前でマイクロカ
プセルの発泡並びにクッション材の成型を行い表層材や
スプリング等との組合せを行い製品化する生産システム
を採用すると、恰も空気を搬送するが如き非効率なクッ
ション材搬送の無駄が解消でき、輸送費節減や逼迫する
トラック便確保等の繁雑で緻密性が要求される搬送計画
の立案と実行から開放され、エネルギー資源の無駄使い
を解消できるのみならず、クッション材製造会社並びに
アッセンブリーメーカーに共通の積年の課題である、ク
ッション材受入れや貯蔵の倉庫及び製造ライン内に於け
る仕掛り品ストックヤードに要する極めて過大なスペー
スの大幅な縮小が可能となり、工場立地と建物の有効利
用が可能となり、従来斯かる発泡体を取り扱う企業の持
つ宿命とも言われた、搬送・貯蔵スペースに於ける不可
避の課題が解決できるのである。
【0021】以下に本発明の内容を実施例にて具体的に
例示する。
【実施例】[実施例1] 立体捲縮を有する10デニール、カット長75ミリのポ
リエチレンテレフタレート繊維(ポリエステル繊維)を
クロスレイドタイプウエッブ製造設備に供給し、目付け
2Kg/mのウエッブを紡出し、ウエッブ製造装置に
接続されたニードルパンチ機に通しオルガン社製ニード
ルFPD1414を用いニードル密度80回/cm
(上下方向それぞれ40回/cm)の交絡加工を行
い、見掛け嵩密度0.05g/cm厚さ4cmの立体
交絡組織ウエッブを得た。次いで、松本油脂製薬(株)
製発泡性マイクロカプセル”マツモトマイクロスフェア
ーF−30”(純固形分70%、含水率30%)50
部、80部と、Rhom&Haas社製Primal
HA−16(純固形分45%)50部と、三酸化アンチ
モン−燐酸ソーダよりなる難燃剤コンパウンド5部と
を、メチールセルローズ(重合度200)0,05部を
10部の熱水に分散させ攪拌しながら冷却して粘稠溶液
としたものと、少量の起泡剤(ディフファゾールEA)
及び泡安定剤(メイフォーマーF106)とを混合した
物とに合わせ、均一に発泡性マイクロカプセルが分散分
布された調合液を調合し、この調合液を空気を吹き込み
ながら高速攪拌を行い泡立てを行う連続発泡機に供給し
て泡立て、Bruckner社製Tow−Bowl式の
泡含浸加工ユニットに供給し、該装置に供給する立体交
絡組織ウエッブの両面よりこの発泡性マイクロカプセル
を接着剤に均一分散し泡立てた泡状調合液を、ウエット
ピックアップ225%になる様にローラー間ゲージを調
整し非織性ウエッブに圧入し均一に付着させ、120℃
の熱風循環乾燥機に通し乾燥とマイクロカプセルの発泡
を行わしめ、厚さ10cm強の独立気泡よりなるマイク
ロバルーンを内包する試料−1、試料−2を作成した。
又、上記の製造条件に於いてマイクロスフェアーF−3
0の添加量を100部に、又Primal HA−8の
添加量を60部に変更した調合液を用い、ウエットピッ
クアップを240%に変更して試料−3を作成した。こ
の不織布を所定形状[例.50cm(W)×60cm
(L)]に打ち抜き、図4に示した如き熱風循環式成型
機の金型寸法50cm(W)×60cm(L)×10c
m(t)の金型にセットし、140℃で3分間熱処理を
行い成型し、50cm(W)×60cm(L)×10c
m(t)のクッション材を作成した。本実施例により得
られるクッション材の主要物性は[表1]に示す通りで
ある。得られた製品物性より明白な如く何れも優れたク
ッション材である事が解る。但し、マイクロスフェアー
による充填率の低い(中間製品厚みと製品厚みを対比す
る事により充填度が比較できる)試料−1はやや圧縮歪
み回復性が劣り、圧縮硬さ(圧縮弾性率)が劣り、マイ
クロスフェアーの充填率が高い試料ほど、これら圧縮弾
性特性が優れる事を示して居る。又、[表1]には示さ
なかったが、得られるクッション材の機械的性能は極め
て優秀で例えば 引張り強さは タテ:150Kg/5cm, ヨコ:140Kg/5cm 引き裂き強さは タテ:40Kg, ヨコ:45Kg(シングルタング法) 破断伸度は タテ:70%、 ヨコ:65% に達し、ミシン目破断強力も極めて強く、椅子や寝具類
製造時に補強用材料の使用が全く不要である事を示し
た。尚、クッション材の機械的物性測定は、日本化学繊
維協会制定の(昭和62年5月制定)合成長繊維不織布
試験法に従い測定し、又、クッション材の圧縮弾性性能
はJISK6401に従い測定評価した。
【0022】
【表1】
【0023】[実施例2] [実施例1]に於ける立体交絡組織ウエッブヘ発泡性マ
イクロカプセルを接着剤に均一分散し包含せしめ泡立て
た泡状調合液を均一に付着させる迄の製造方法は全く同
様にし、乾燥及び発泡、成型条件のみを下記の如く変更
してクッション材を製造した。即ち、[実施例1]にか
え、発泡性マイクロカプセル他を接着剤に均一分散せし
めた泡状調合液を立体交絡組織のウエッブに付着させ、
直ちに所定形状寸法に[例.50cm(W)×60cm
(L)]打ち抜き、金型寸法50cm(W)×60cm
(L)×10cm(t)の金型を装着した図4に示した
如き熱風循環式成型機にセットし、140℃で5分間熱
処理を行い、乾燥と成型を一段で実施する方法で50c
m(W)×60cm(L)×10cm(t)のクッショ
ン材を作成した。得られたクッション材の主要物性は、
[表2]に示す通りで、又機械的性能も[実施例1]で
得られるクッション材と同様であり、この方法で製作さ
れるクッション材も[実施例1]で作成したものと同様
に優れたクッション材を与える事が解るが、試料−4の
如くマイクロスフェアー充填率が低すぎると(制約を加
えず自由に発泡させ、マイクロカプセルの発泡による試
料の膨張時にマイクロスフェアーによる充填率を上昇さ
せる配慮をしない時には)製品の圧縮弾性性能が不十分
である事が解る。
【0024】
【表2】
【0025】[実施例3] [実施例1]と同様にして、立体捲縮を有する20デニ
ール、カット長75ミリのポリエチレンテレフタレート
繊維を用い、目付け2Kg/m、見掛け嵩密度0.
02g/cm3、厚さ10cmの立体交絡組織ウエッブ
を作製し、[実施例1]で使用した発泡性マイクロカプ
セルを、松本油脂製薬(株)製”マツモトマイクロスフ
ェアーF−80s”(純固形分70%、含水率30%)
に置換する以外は[実施例1]と全く同様にして、接着
剤に発泡性マイクロカプセルを均一分散させた調合液を
調合し、[実施例1]と同様に連続発泡機を用いて泡立
て、泡含浸加工ユニットに供給し所定のウエットピック
アップになる様に調合液を立体交絡ウエッブに均一に付
着させ、120℃の熱風循環乾燥機に通しマイクロカプ
セルの発泡を行わせずに乾燥して、厚さ10cmの未発
泡のマイクロカプセルを内包する不織布を得た。この不
織布は、加圧(例.2Kg/m)或いはバキューム
より容易に圧縮されて見掛け嵩密度を増し(0.4g/
cm)厚みを減じさせる事が可能で、又除重或いは
キュームを破る事により元の嵩密度と厚みに復元し、次
工程のマイクロカプセルの発泡工程に於ける発泡性には
全く影響を及ぼさない。この不織布を所定形状[例.5
0cm(W)×60cm(L)]打ち抜き、金型寸法5
0cm(W)×60cm(L)×10cm(t)の金型
を装着した、図4に示した如き熱風循環式成型機にセッ
トし、160℃で3分間熱処理を行い、マイクロカプセ
ルを発泡させ独立気泡よりなるマイクロバルーンを不織
布構成組織内に充満させ、金型内に発砲性マイクロカプ
セルの膨脹に基づく背圧を発生させながら成型し、50
cm(W)×60cm(L)×10cm(t)のクッシ
ョン材を作成した。本実施例により得られるクッション
材の主要物性は[表3]に示す通りであり、又機械的性
能も[実施例1]で得られるクッション材と同様であ
り、本製造方式で製造しても[実施例1]で製作したと
同様に優秀な圧縮弾性特性を有するクッション材を得る
事が出来るが、本製造法では先ず嵩高の不織布が構成さ
れ、後程マイクロカプセルが膨張しマイクロバルーン
より不織布空隙部の充填がおこるプロセスが取られるた
め、充填度上昇が理想的に行え優れた圧縮弾性性能を付
与するに最も有効な方法である事が製品物性からも明白
にされて居る。
【0026】
【表3】
【0027】[実施例4] [実施例1]に於けるクッション材用ウエッブ製造法と
同様の方法を用い立体捲縮を有する20デニール、カッ
ト長75ミリのポリエチレンテレフタレート繊維(ポリ
エステル繊維)をクロスレイドタイプウエッブ製造設備
の前部2台のカードに供給し目付け1.4Kg/m
ウエッブを紡出し、次いで立体捲縮を有する6デニー
ル、カット長50ミリのポリエチレンテレフタレート繊
維(ポリエステル繊維)を後部1台のカードに供給し、
目付け0.6Kg/mのウエッブを先の20デニール
よりなる嵩高ウエッブ上に紡出させ積層し、この積層ウ
エッブをニードルパンチ機にてオルガン社製ニードルF
PD1414を用いニードル密度80回/cm(上下
方向それぞれ40回/cm)の交絡加工を行い、見掛
け嵩密度0.02g/cm、厚さ7cmの立体交絡組
織ウエッブと、見掛け嵩密度0.08g/cm、厚さ
0.75cmの立体交絡組織ウエッブが積層し一体化さ
れた、総目付け2Kg/m(総厚み7.75cm)の
密度勾配を持ったウエッブを製作した。この立体交絡組
織ウエッブを用い[実施例3]と全く同様にして、接着
剤に発泡性マイクロカプセル他を分散させ泡立てた調合
液を付与し、乾燥し未発泡のマイクロカプセルを包含す
る不織布を作製し、[実施例3]と全く同様にして発泡
成型機金型内にセットし、発泡成型して密度勾配を持っ
たクッション材を作製した。本実施例により得られるク
ッション材の主要物性は[表4]に示す通りであり、密
度勾配を持ち圧縮弾性にも勾配を持った機械的性能及び
クッション性の極めて優秀なものである。
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】本発明は以上説明した如く構成されて居
るので、以下に記載される如き効果を有する。本発明に
基づくクッション材並びにこのクッション材を使用して
製造された椅子類及びベッド等寝具類は、発泡性マイク
ロカプセルが発泡して形成される独立気泡のマイクロバ
ルーンにより、その弾性回復性能や弾発性等の圧縮弾性
挙動が付与される物である故、繰り返し負荷に対する弾
性回復性が極めて優秀で、所謂ヘタリを生じない。
【0030】又、本クッション材の圧縮弾性性能(特に
圧縮弾性率所謂圧縮硬さ)は、マイクロバルーンの含有
率、発泡状態、マトリックスを形成する非織性ウエッブ
内のマイクロバルーン充填度等により決定される物であ
り、これ等は非織性ウエッブ構成繊維のデニール選定、
捲縮度選定、発泡性マイクロカプセルの選定、ニードル
パンチヂング条件選定等による交絡度の設定、発泡温
度、発泡時間、発泡体厚み規制度等の発泡条件により任
意に設計できる性能であるのみならず、任意の密度勾配
を有する非織性ウエッブも容易に製造できるため、任意
の圧縮弾性性能を持ち更に又クッション性能の組み合せ
勾配を持った製品も商品設計通りに製造できる特徴を有
して居る。
【0031】そしてこのクション材は、嵩高の非織性ウ
エッブにマトリックスとして、それにクッション性を付
与するマイクロバルーンが均等に分散付着し充填され
た、非織性ウエッブ構成繊維で補強された複合発泡体で
あるため、極めて力学的物性が優秀であり、高い対応力
寸法安定性と優れた機械的強度やミシン縫い目強度を有
するため、何ら他の補強体の補助を必要とせずに製品化
できるため、椅子やベッドへの縫製・組み立て時に補強
用補助材料の積層組み合せを必要とせず、製造工程の簡
素化・合理化・省人化が可能で、製品品質の高性能化の
みならずコストダウン効果も極めて大きい。
【0032】本発明のクッション材はマイクロカプセル
の発泡特性を利用し、マイクロカプセルを非織性ウエッ
ブに接着すると同時に発泡させ所定の形状性能を有する
クッション材となす”先発泡法”によっても又、マイク
ロカプセルの接着と発泡・成型を別個に行う”後発泡
法”の何れの方法にても製造でき、”後発泡法”を採用
し未発泡の中間製品を圧縮し次工程に供給するシステム
を取ると、斯かる嵩高・低密度のクッション材の有する
宿命的問題点即ち、膨大な保管・貯蔵・仕掛かりスペー
スを要する無駄や、搬送時の非効率性等を一挙に解消で
き、工場敷地、建屋の有効利用、作業スペース減少に伴
う省人効果、繁雑且つ緻密な輸送計画立案からの開放、
輸送コストの低減他、投資の有効活用、投資効率の有効
化、コストダウン、省人化等に顕著な効果が得られる。
【0033】そして又、”先発泡法””後発泡法”の何
れに於いても容易に且つ効率的に、マイクロカプセルの
発泡特性を活用し成型を行う事が可能で、又成型・発泡
は完全なドライステートでスピーディーに実施可能であ
り、極めて清浄な作業環境で製造可能である特徴を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クッション材構成組織概念図 : 不織布構成繊維 : 接着剤 : マイクロバルーン
【図2a】 発泡性マイクロカプセルの膨脹曲線発泡性
マイクロカプセルの典型的膨脹挙動を模式的膨脹曲線と
して図示した。 図中 Ti : 発泡開始温度 Tm : 最高発泡温度 を示す
【図2b】マツモトマイクロスフェアーF−30,F−
50の膨脹曲線
【図2c】マツモトマイクロスフェアーF−80s,F
85の膨脹曲線
【図3a】マツモトマイクロスフェアーF−30,F−
50の発泡曲線
【図3b】マツモトマイクロスフェアーF−80s,F
85の発泡曲線
【図4】 クッション材成型機概要図 図中 : 熱風給気ダクト : 上部金型(多孔板よりなる) : クッション材 : 下部金型(多孔板よりなる) : 金型プレス(締め付け)用エアーシリンダー : 熱風排気ダクト : 熱風循環ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D04H 1/58 D04H 1/58 A (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B68G 1/00 - 15/00 A47C 7/18 A47C 27/14 C08J 9/14 D04H 1/46 D04H 1/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡性マイクロカプセルを均等に分散させ
    接着剤にて立体的交絡を施した非織性ウエッブ構成繊
    維の交点を接着すると共に、該非織性ウエッブ構成繊維
    に接着させた発泡性マイクロカプセルを、接着と同時に
    或いは又別工程にて発泡させ膨張させ、生成するマイク
    ロバルーンにて生成する立体交絡組織を有する不織布構
    成組織内を充填し且つ所定形状に成型した見掛け密度
    0.02ないし0.30g/cm のクッション材
  2. 【請求項2】ニードルパンチングにより立体的に交絡を
    施した非織性ウエッブに、マイクロカプセルを形成する
    ポリマーの軟化点以上に加熱された時にガス化する揮発
    性膨張剤を包含し独立気泡を形成する発泡性マイクロカ
    プセルを接着剤に均等に分散させて付与し、該マイクロ
    カプセルの発泡開始温度(Ti)以上の温度に加熱し乾
    燥することにより非織性ウエッブ構成繊維交点間の接着
    と、該繊維にマイクロカプセルの接着を行い、更に該マ
    イクロカプセルを発泡膨張させ独立気泡を不織布組織内
    に形成せしめ充填して嵩高化し、次いで所定の形状を有
    する型枠内で或いは又、所定の厚み規制下で発泡性マイ
    クロカプセルの最高発泡温度(Tm)近傍の温度に加熱
    し所定形状に成型するクッション材の製造方法
  3. 【請求項3】ニードルパンチングにより立体的に交絡を
    施した非織性ウエッブに、マイクロカプセルを形成する
    ポリマーの軟化点以上に加熱された時にガス化する揮発
    性膨張剤を包含し、独立気泡を形成する発泡性マイクロ
    カプセルを接着剤に均等に分散させて付与し、所定の形
    状を有する型枠内或いは又、所定の厚み規制下で発泡性
    マイクロカプセルの最高発泡温度(Tm)近傍の温度に
    加熱して乾燥し、非織性ウエッブ構成繊維交点間の接着
    と該繊維にマイクロカプセルの接着を行うと共に、該マ
    イクロカプセルを発泡膨張させ独立気泡を不織布組織内
    に形成せしめ充填し嵩高化し所定形状に成型するクッシ
    ョン材製造方法
  4. 【請求項4】5デニール以上の繊度を有する繊維よりな
    るニードルパンチングにより立体的に交絡を施した見掛
    け嵩密度0.015〜0.15g/cm 嵩高性の非
    織性ウエッブに、マイクロカプセルを形成するポリマー
    の軟化点以上に加熱された時に、ガス化する揮発性膨張
    剤を包含し独立気泡を形成する発泡性マイクロカプセル
    を接着剤に均等に分散させて付与し、先ず該発泡性マイ
    クロカプセルの発泡開始温度(Ti)より低い温度で乾
    燥して非織性ウエッブ構成繊維交点間の接着と該繊維に
    マイクロカプセルの接着を行い、次いでこの未発泡のマ
    イクロカプセルを接着せしめた嵩高性不織布を、所定の
    形状を有する型枠内或いは又、所定の厚み規制下で、該
    発泡性マイクロカプセルの最高発泡温度(Tm)近傍の
    温度に加熱し該マイクロカプセルを発泡させ該不織布構
    成組織内に充填せしめ、所定形状に成型することを特徴
    としたクッション材の製造方法
  5. 【請求項5】 [請求項1]に記載したクッション材を
    用いて製造した椅子及び寝具類
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