JP2771883B2 - 氷蓄熱装置 - Google Patents

氷蓄熱装置

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滋郎 杉本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は氷蓄熱装置に係り、とくに空調時の冷水発生
を制御するのに好適な氷蓄熱装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の氷蓄熱装置はたとえば特開昭64−48526号公報
に記載され、その概要を第2図に示すように、空冷チラ
ー1側と空調器11側に大別される。上記空冷チラー1側
は該空冷チラー1が運転時で冷房時には該空冷チラー1
からの約−6℃に冷却されたブラインがブライン配管6
を通って第2三方弁9bに送られると該第2三方弁9bによ
りすべてのブラインがブライン/水熱交換器2に流れ、
蓄熱槽3には流れない、そのため、ブライン/水熱交換
器2に送られたブラインは空調器11からの水と熱交換
し、熱を奪って水を7℃の温度に冷却したのち、蓄熱槽
3内を通らずに第2逆止弁12bを通って空冷チラー1に
戻る。また製氷時には第2三方弁9bによりすべてのブラ
インが蓄熱槽3内に流れ、ブライン/水熱交換器2には
流れない。そのため蓄熱槽3内に送られたブラインは水
を製氷する。なお蓄熱槽3内は常に蓄熱槽温度センサー
7により検出され、検出結果をプログラマブルコントロ
ーラ8に出力している。
一方空調器11側は冷房運転時には前記のように空冷チ
ラー1からのブラインがブライン/水熱交換器2内に流
れるので、空調器11からの熱せられた水はブライン/水
熱交換器2内に送られ、熱を奪われてある程度冷却され
る。ついで、冷水の大部分は蓄熱槽3内を通らずに第1
三方弁9aに送られる。1部の冷水は蓄熱槽3内に送ら
れ、蓄熱槽3内の氷を解氷してさらに冷却されたのち、
第1三方弁9aに送られて、ブライン/水熱交換器2から
直接送られた冷水を合流させ、通常7℃の温度で第1逆
止弁12aを通って空調器11に戻る。該空調器11に戻る冷
水の温度は、第1三方弁9a、蓄熱槽温度センサー7およ
び温度調整計10に接続する。プログラマブルコントロー
ラ8からの出力信号により第1三方弁9aがブライン/水
交換器2から蓄熱槽3に送る冷水の量で制御する。
而して、空調時間帯に空冷チラー1をいつ運転するか
は冷水の戻り温度,蓄熱温度などによりプログラマブル
コントローラ8によって判断される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術はプログラマブルコントローラがあらか
じめ設定された冷水温度に基づいて制御するものであ
る。
そのため、プログラマブルコントローラに記憶されて
いる空調負荷パターンと実際の空調負荷パターンが異な
る場合には、夜間製氷時に空冷チラーを運転して蓄熱槽
内に貯えられた氷が昼間冷房運転したとき、氷の使用量
が少いために余ったり、あるいは氷の使用量が多いため
に不足したりするという問題があった。
本発明の目的は、空調負荷パターンがある程度予測可
能な場合、比較的簡単な構成による制御手段によって蓄
熱槽内に貯えられた氷を空調時間帯に完全に使用し切っ
て省エネルギー運転を可能とする氷蓄熱装置を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明においては、空冷チ
ラーからのブラインを循環して再び空冷チラーに戻すブ
ライン循環経路および、空調器からの水を循環して再び
空調器に戻す水循環経路に熱交換器および蓄熱槽を設
け、前記水循環経路の前記蓄熱槽と前記空調器との間に
配置され、前記蓄熱槽からの冷水の量を制御する弁と、
前記水循環経路の前記弁と前記空調器との間を前記熱交
換器に接続するバイパス経路に配置され、前記熱交換器
から前記蓄熱槽に送る冷水の量を制御する二方弁とから
なる冷水制御手段を設け、前記水循環経路の前記蓄熱槽
からの冷水と前記熱交換器からの冷水の合流位置と空調
器との間に冷水の温度を検出する冷水温度検出センサー
を設け、この冷水温度検出センサーによる測定温度と予
め設定された温度から前記二方弁の開閉量を制御する制
御手段を設けた。
また、前記熱交換器からの冷水の量を制御する前記弁
を固定絞り弁にした。
さらに、前記熱交換器からの冷水の量を制御する前記
弁を二方弁にした。
〔作 用〕
本発明は、空調負荷の変動に対しては、空冷チラーの
発停、二方弁の開度の制御、蓄熱槽を通る冷水の量の制
御によって対応する。
まず、空調負荷が十分な場合、空冷チラーは常時運転
され、ブライン/水熱交換器で予冷された冷水は、バイ
パス経路で分岐され、その一方は蓄熱槽内へ流入し、蓄
熱槽内の氷を溶かして0℃程度に冷却される。他方は蓄
熱槽をバイパスし二方弁を通る。そして、蓄熱槽からの
冷水と二方弁からの冷水が合流して、7℃程度の冷水と
なって空調器の送り込まれる。
空調負荷がある一定値以下または減少してきた場合、
制御装置の判断によって空冷チラーを停止させ、蓄熱槽
からの冷水のみによって空調を行う運転に移行する。同
時に、二方弁の開度を制御して適度な温度、通常は7℃
程度の冷水を空調器に送り込む。空調負荷が増加すれ
ば、空冷チラーが再起動して前記の制御に戻る。
上記のように、空調負荷の変動に対応でき、かつ、蓄
熱槽内の氷を効果的に使用することができ、省エネルギ
ー運転を行うことができる。
つぎに、空調負荷がある一定以下または減少してきた
場合、プログラマブルコントローラの判断によって空冷
チラーを停止させる。空冷チラーが停止するような空調
負荷の場合、前述の固定絞り弁のみでは、かなり温度の
低い冷水が空調器に送り込まれる恐れがあるため、蓄熱
槽のバイパス配管に取り付けられた二方弁が冷水出口温
度によって制御され、適度な温度、通常は7℃程度の冷
水が供給される。
空調負荷が増加すれば、空冷チラーが再起動し前述の
制御に戻る。
上記のように空調負荷の変動にも問題なく対応でき、
かつ、蓄熱槽の解氷を効果的に行なうため省エネルギー
運転となる。
〔実施例〕 以下、本発明の一実施例である氷蓄熱装置を示す第1
図について説明する。なお、第2図に示す実施例と同一
部品は同一符号をもって示す。
第1図に示すように、夜間空調器(図示せず)を運転
停止している状態で空冷チラー1を製氷運転すると、空
冷チラー1からの約−6℃に冷却されたブラインがブラ
インポンプ14によりブライン循環配管15内を流れる。こ
の場合開閉弁16aを閉じ、開閉弁16bを開放してすべての
ブラインを蓄積層3′の製氷コイル3′aに送って蓄積
層3′内の冷水から熱を奪って製氷にしたのち、空冷チ
ラー1に戻る。
つぎに昼間の空調時には、負荷の大きさまたは負荷の
時間的変化によって蓄積層3′のみと蓄積層3′および
空冷チラー1の両方によって空調器から加熱された水が
水循環配管17内を流れて冷却される。而して上記蓄熱槽
3のみで空調するか、蓄積層3′および空冷チラー1の
両方で空調するかはマイコン18によって判断される。
蓄積層3′のみで空調する場合には空冷チラー1の運
転を休止しておき、空調器からの熱せられた水は水循環
配管17を通ってブライン/水熱交換器2に送られる。し
かるにブライン/水熱交換器2内を通っても空冷チラー
1が運転されないので、水は冷却されない。
ついで水は分岐されて一部の水が蓄積層3′内で噴出
して解氷する。解氷して発生した冷却水は固定絞り弁19
にて制御された流量が二方弁20の下方位置に達すると、
上記ブライン/水熱交換器2からの残りの水が蓄熱槽
3′内を通らずにバイパス配管21を通って上記固定絞り
弁19からの冷水を合流させて通常7℃の温度で空調器に
戻る。このときの空調器に戻る冷水の温度は冷却水温度
検出センサー22によって測定されたマイコン18であらか
じめ設定された温度と比較し、その結果に基いて二方弁
20の開閉量を制御する。
蓄熱器3′と空冷チラー1の両方で空調する場合に
は、空冷チラー1を運転するとともに開閉弁16bを閉じ
開閉弁16aを開放して、全てのブライン/水熱交換器2
に送る。この状態で、空調器からの熱せられた水はブラ
イン/水熱交換器2である温度に予冷される。ついで1
部の冷却水は蓄熱槽3′内に噴出してさらに冷却された
のち、固定絞り弁19で制御された流量が通過する。一方
バイパス配管21を通って蓄熱槽3′内を通過しない冷水
は上記固定絞り弁19を通過した冷却水と合流して空調器
に戻る。
上記のように、空調負荷の大きさとパターンがある程
度予測されるような場合には、あらかじめ固定絞り弁19
の開度量を設定しておけば効果的に蓄熱槽3′内の氷を
解氷できるので氷が余ったりせずに有効な省エネルギー
運転を行うことができる。
また空調負荷のパターンが予測困難な場合には、固定
絞り弁19の代りに二方制御弁を用いてその開度量を変化
させることによって上記と同様な省エネルギー運転を行
うことができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、空調負荷の大きさとパターンによっ
て蓄熱槽からの冷水の流量を制御するので、簡単な構成
にて夜間貯えられた氷を無駄なく使い切ることができ、
これによって省エネルギー運転を行なうことができる。
また空調負荷の大きさとパターンをある程度予測可能
な場合には、蓄熱槽からの冷水を固定絞り弁によって流
量制御できるので、制御操作を容易にすることができ
る。
また、空調器への戻り冷水温度を冷水温度検出センサ
ーによって測定することによって空調器への戻り冷水温
度を正確に知ることができる。
また前記冷却水温度検出センサーからの空調器への戻
り冷水温度とあらかじめ設定された冷水の温度とにより
二方弁の開閉量を制御するマイコンを設けたので、二方
弁を自動的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である氷蓄熱装置を示す図、
第2図は従来の氷蓄熱装置を示す図である。 1……空冷チラー、2……ブライン/水熱交換器、3′
……蓄熱槽、14……ブラインポンプ、15……ブライン循
環配管、16……開閉弁、17……水循環配管、18……マイ
コン、19……固定絞り弁、20……二方弁、21……バイパ
ス配管、22……冷却水温度検出センサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24F 5/00 102

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空冷チラーからのブラインを循環して再び
    空冷チラーに戻すブライン循環経路および、空調器から
    の水を循環して再び空調器に戻す水循環経路に熱交換器
    および蓄熱槽を設け、前記水循環経路の前記蓄熱槽と前
    記空調器との間に配置され、前記蓄熱槽からの冷水の量
    を制御する弁と、前記水循環経路の前記弁と前記空調器
    との間を前記熱交換器に接続するバイパス経路に配置さ
    れ、前記熱交換器から前記蓄熱槽に送る冷水の量を制御
    する二方弁とからなる冷水制御手段を設け、前記水循環
    経路の前記蓄熱槽からの冷水と前記熱交換器からの冷水
    の合流位置と空調器との間に冷水の温度を検出する冷水
    温度検出センサーを設け、この冷水温度検出センサーに
    よる測定温度と予め設定された温度から前記二方弁の開
    閉量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする氷蓄
    熱装置。
  2. 【請求項2】前記熱交換器からの冷水の量を制御する前
    記弁を固定絞り弁にしたことを特徴とする請求項1に記
    載の氷蓄熱装置。
  3. 【請求項3】前記熱交換器からの冷水の量を制御する前
    記弁を二方弁にしたことを特徴とする請求項1に記載の
    氷蓄熱装置。
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