JP2769519B2 - ディレースプレッドセンサ及びそれを使った検波切り替え回路 - Google Patents
ディレースプレッドセンサ及びそれを使った検波切り替え回路Info
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- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は移動通信のためのディジタル無線伝送におい
てマルチパス伝搬により生じるディレースプレッドを測
定するディレースプレッドセンサおよびそれを使った検
波切り替え回路に関する。
てマルチパス伝搬により生じるディレースプレッドを測
定するディレースプレッドセンサおよびそれを使った検
波切り替え回路に関する。
移動無線等のディジタル無線伝送方式においては、マ
ルチパス伝搬のために発生したフェージングによる伝送
特性の劣化を克服する必要がある。従来、復調方式とし
てはレベル変動及び位相変動に強い遅延検波器が適用さ
れてきた。一方、ディジタル信号の高速化あるいは大き
いエリアでの伝送においては、マルチパスにおける遅延
時間差によるディレースプレッドが増大し、波形歪を克
服するための適応等化器が必要である。しかしながら、
適応等化器の信号処理量は、遅延検波器に比べて数十倍
以上になり、それだけ消費電力が大幅に増加する。移動
通信サービスの普及にともなって、移動機の携帯化が進
んでいるので、適応等化器の消費電力低減のために、ア
ルゴリズムの簡略化、低消費電力ICの開発等が必要であ
る。
ルチパス伝搬のために発生したフェージングによる伝送
特性の劣化を克服する必要がある。従来、復調方式とし
てはレベル変動及び位相変動に強い遅延検波器が適用さ
れてきた。一方、ディジタル信号の高速化あるいは大き
いエリアでの伝送においては、マルチパスにおける遅延
時間差によるディレースプレッドが増大し、波形歪を克
服するための適応等化器が必要である。しかしながら、
適応等化器の信号処理量は、遅延検波器に比べて数十倍
以上になり、それだけ消費電力が大幅に増加する。移動
通信サービスの普及にともなって、移動機の携帯化が進
んでいるので、適応等化器の消費電力低減のために、ア
ルゴリズムの簡略化、低消費電力ICの開発等が必要であ
る。
低消費電力化の対策としては、ハードウェア開発だけ
でなく、適応等化器と遅延検波器とを最適に切り替える
アルゴリズムが検討されている。そのためには、ディレ
ースプレッドが生じていることを検知するためのディレ
ースプレッドセンサが必要である。ディレースプレッド
センサに相当するものとして例えば、芹澤睦、行方
稔、“ディジタル移動通信用適応自動等化器動作制御回
路”、90年秋季信学全大、B−281、1990年11月、ある
いは府川 和彦、鈴木 博、“遅延検波と適応最尤系列
推定の適応選択制御法”、1992年秋季信学全大、B−25
8、1992年が公表されている。
でなく、適応等化器と遅延検波器とを最適に切り替える
アルゴリズムが検討されている。そのためには、ディレ
ースプレッドが生じていることを検知するためのディレ
ースプレッドセンサが必要である。ディレースプレッド
センサに相当するものとして例えば、芹澤睦、行方
稔、“ディジタル移動通信用適応自動等化器動作制御回
路”、90年秋季信学全大、B−281、1990年11月、ある
いは府川 和彦、鈴木 博、“遅延検波と適応最尤系列
推定の適応選択制御法”、1992年秋季信学全大、B−25
8、1992年が公表されている。
移動機受信装置の従来例を図1Aを参照して説明する。
アンテナ8で受けた例えばPSK変調された高周波信号は
高周波受信部9で中間周波信号SIFとされ、リミッタ増
幅器(非線形増幅器)11でリミッタ増幅され、遅延検波
器12で遅延検波され、符号系列が再生される。遅延検波
器12は周知のように例えば図1Bに示すように構成され、
リミッタ増幅された入力中間周波信号SIFと、それを遅
延素子12D1で1シンボル時間T遅延した信号とを乗算器
12M1で乗算し、更に遅延素子12D1の出力の位相を遅延素
子12D2でπ/2遅延し、その出力を乗算器12M2で中間周波
信号SIFと乗算する。これら乗算器12M1,12M2の乗算結果
をそれぞれローパスフィルタ12F1,12F2を通して判定器1
2Cに与え、それぞれ閾値と比較してレベルを判定し、判
定結果を同相成分I(t)と直交成分Q(t)として出
力する。
アンテナ8で受けた例えばPSK変調された高周波信号は
高周波受信部9で中間周波信号SIFとされ、リミッタ増
幅器(非線形増幅器)11でリミッタ増幅され、遅延検波
器12で遅延検波され、符号系列が再生される。遅延検波
器12は周知のように例えば図1Bに示すように構成され、
リミッタ増幅された入力中間周波信号SIFと、それを遅
延素子12D1で1シンボル時間T遅延した信号とを乗算器
12M1で乗算し、更に遅延素子12D1の出力の位相を遅延素
子12D2でπ/2遅延し、その出力を乗算器12M2で中間周波
信号SIFと乗算する。これら乗算器12M1,12M2の乗算結果
をそれぞれローパスフィルタ12F1,12F2を通して判定器1
2Cに与え、それぞれ閾値と比較してレベルを判定し、判
定結果を同相成分I(t)と直交成分Q(t)として出
力する。
一方、中間周波信号SIFはAGC線形増幅器13にも与えら
れて線形増幅され、その出力がIQ検波器(準同期検波
器)14に与えられ、その同相成分(I成分)と直交成分
(Q成分)が得られる。これらのI,Q成分から適応等化
器15で符号系列が再生される。適応等化器15は周知のよ
うに例えば図1Cに示すように減算器15S、伝搬路パラメ
ータ推定部15P、符号系列推定部15E、変調部15M及びト
ランスバーサルフィルタ15Tにより適応予測回路として
構成されている。IQ検波器14の出力r(t)が減算器15
Sに与えられ、トランスバーサルフィルタ15Tで生成され
た受信信号のレプリカRPが減算され、その誤差信号εが
出力される。符号系列推定部15Eは誤差信号εから求め
た尤度に基づいて例えばビタビアルゴリズムのような最
尤系列推定アルゴリズムにより送信符号系列を推定す
る。推定された符号系列は変調部15Mで送信側と同じ変
調を受け、その変調信号を、伝送路を模擬するトランス
バーサルフィルタ15Tに与え、受信信号のレプリカRPを
生成する。パラメータ推定部15Pは誤差信号εの絶対値
が最小となるように伝送路パラメータを推定し、その推
定パラメータをタップ係数としてトランスバーサルフィ
ルタ15Tに与える。このような構成は周知の技術であ
る。
れて線形増幅され、その出力がIQ検波器(準同期検波
器)14に与えられ、その同相成分(I成分)と直交成分
(Q成分)が得られる。これらのI,Q成分から適応等化
器15で符号系列が再生される。適応等化器15は周知のよ
うに例えば図1Cに示すように減算器15S、伝搬路パラメ
ータ推定部15P、符号系列推定部15E、変調部15M及びト
ランスバーサルフィルタ15Tにより適応予測回路として
構成されている。IQ検波器14の出力r(t)が減算器15
Sに与えられ、トランスバーサルフィルタ15Tで生成され
た受信信号のレプリカRPが減算され、その誤差信号εが
出力される。符号系列推定部15Eは誤差信号εから求め
た尤度に基づいて例えばビタビアルゴリズムのような最
尤系列推定アルゴリズムにより送信符号系列を推定す
る。推定された符号系列は変調部15Mで送信側と同じ変
調を受け、その変調信号を、伝送路を模擬するトランス
バーサルフィルタ15Tに与え、受信信号のレプリカRPを
生成する。パラメータ推定部15Pは誤差信号εの絶対値
が最小となるように伝送路パラメータを推定し、その推
定パラメータをタップ係数としてトランスバーサルフィ
ルタ15Tに与える。このような構成は周知の技術であ
る。
図1Aにおいて、遅延検波器12はマルチパスによる受信
波のディレースプレッドが送信シンボル周期Tより大に
なるとエラーが生じてしまう。一方、適応等化器15はデ
ィレースプレッドが大の場合でも伝搬路のインパルス応
答の推定精度を高めることによりエラーを著しく小さく
できるが、遅延検波器に比べ10倍以上の電力を必要とす
る。そこで、制御回路16により(1)適応等化器15で適
応等化処理の時に生成される誤差の大きさ、(2)クロ
ック再生用の相関器出力の半電力値幅の大きさ、又はピ
ーク位置の変化、(3)遅延検波器12で遅延検波された
既知のトレーニング信号の誤り率、等の予め決めた項目
のいずれか、又は所望の組み合わせが規定の条件を満た
すか否かに基づいてスイッチSWを制御して適応等化器15
と遅延検波器12との最適選択を行うと共に、リミッタ増
幅器11、遅延検波器12、線形増幅器13、準同期検波器1
4、適応等化器15に対する電源のON,OFFを制御する。
波のディレースプレッドが送信シンボル周期Tより大に
なるとエラーが生じてしまう。一方、適応等化器15はデ
ィレースプレッドが大の場合でも伝搬路のインパルス応
答の推定精度を高めることによりエラーを著しく小さく
できるが、遅延検波器に比べ10倍以上の電力を必要とす
る。そこで、制御回路16により(1)適応等化器15で適
応等化処理の時に生成される誤差の大きさ、(2)クロ
ック再生用の相関器出力の半電力値幅の大きさ、又はピ
ーク位置の変化、(3)遅延検波器12で遅延検波された
既知のトレーニング信号の誤り率、等の予め決めた項目
のいずれか、又は所望の組み合わせが規定の条件を満た
すか否かに基づいてスイッチSWを制御して適応等化器15
と遅延検波器12との最適選択を行うと共に、リミッタ増
幅器11、遅延検波器12、線形増幅器13、準同期検波器1
4、適応等化器15に対する電源のON,OFFを制御する。
しかし、これらの項目について判定するためには、そ
の項目について比較的長時間にわたる測定結果の平均を
求める必要があり、その結果、2つの検波器の選択的動
作の効率を高めることができない欠点がある。また、従
来の適応等化器15と遅延検波器12との切り替えによる、
遅延スプレッドが小さいときでも適応等化器15の使用率
は数%程度もあり、適応等化器の消費電力が改良された
としても、遅延検波器の十倍以上と予想されるので、遅
延が小さいときの使用率が1%以下に抑えられなければ
切り替えの低消費電力化の効果は不十分である。すなわ
ち、精度の良いディレースプレッドセンサが必要であ
る。
の項目について比較的長時間にわたる測定結果の平均を
求める必要があり、その結果、2つの検波器の選択的動
作の効率を高めることができない欠点がある。また、従
来の適応等化器15と遅延検波器12との切り替えによる、
遅延スプレッドが小さいときでも適応等化器15の使用率
は数%程度もあり、適応等化器の消費電力が改良された
としても、遅延検波器の十倍以上と予想されるので、遅
延が小さいときの使用率が1%以下に抑えられなければ
切り替えの低消費電力化の効果は不十分である。すなわ
ち、精度の良いディレースプレッドセンサが必要であ
る。
本発明の目的は、短時間にディレースプレッドを高精
度で測定可能なディレースプレッドセンサを提供するこ
とである。
度で測定可能なディレースプレッドセンサを提供するこ
とである。
この発明のもう1つの目的は、そのようなディレース
プレッドセンサを使った検波切り替え回路を提供するこ
とである。
プレッドセンサを使った検波切り替え回路を提供するこ
とである。
発明の開示 本発明の第1の観点によるディレースプレッドセンサ
は、入力信号と予め決めた基準信号との相関をとり、異
なるパス毎の受信成分レベルを推定し出力するマルチパ
ス成分検出器と、全ての受信電力に対する特定の受信成
分レベル比率を算出する成分比演算器とを備えている。
は、入力信号と予め決めた基準信号との相関をとり、異
なるパス毎の受信成分レベルを推定し出力するマルチパ
ス成分検出器と、全ての受信電力に対する特定の受信成
分レベル比率を算出する成分比演算器とを備えている。
この発明の第2の観点による検波切り替え回路は、入
力信号を非線形増幅する非線形増幅手段と、上記非線形
増幅手段からの出力を遅延検波する遅延検波手段と、上
記入力信号を線形増幅する線形増幅手段と、予め決めた
トレーニング信号に対応する基準信号を生成する基準信
号生成手段と、上記線形増幅手段の出力をIQ検波するIQ
検波手段と、上記IQ検波手段の検波出力が与えられ、そ
れを適応等化処理して復号する適応等化手段と、上記遅
延検波出力と上記IQ検波出力のいずれかが選択的に与え
られ、上記受信信号のトレーニング信号期間中に上記基
準信号との相関を取り、異なるパス毎の受信信号成分レ
ベルを推定し出力するマルチパス成分検出手段と、上記
マルチパス成分検出手段により検出された全てのパスの
上記受信信号成分レベルに対する各パスの受信信号成分
レベル比率を算出する成分比演算手段と、上記遅延検波
出力と上記適応等化処理出力のいずれかを選択的に出力
する出力スイッチ手段と、上記成分レベル比率に基づい
て上記出力スイッチ手段を制御して上記遅延検波出力と
上記適応等化処理出力の一方を選択すると共に、非選択
出力に対応する遅延検波手段及び適応等化手段の一方に
対する電源の供給を停止させる制御手段、とを含む。
力信号を非線形増幅する非線形増幅手段と、上記非線形
増幅手段からの出力を遅延検波する遅延検波手段と、上
記入力信号を線形増幅する線形増幅手段と、予め決めた
トレーニング信号に対応する基準信号を生成する基準信
号生成手段と、上記線形増幅手段の出力をIQ検波するIQ
検波手段と、上記IQ検波手段の検波出力が与えられ、そ
れを適応等化処理して復号する適応等化手段と、上記遅
延検波出力と上記IQ検波出力のいずれかが選択的に与え
られ、上記受信信号のトレーニング信号期間中に上記基
準信号との相関を取り、異なるパス毎の受信信号成分レ
ベルを推定し出力するマルチパス成分検出手段と、上記
マルチパス成分検出手段により検出された全てのパスの
上記受信信号成分レベルに対する各パスの受信信号成分
レベル比率を算出する成分比演算手段と、上記遅延検波
出力と上記適応等化処理出力のいずれかを選択的に出力
する出力スイッチ手段と、上記成分レベル比率に基づい
て上記出力スイッチ手段を制御して上記遅延検波出力と
上記適応等化処理出力の一方を選択すると共に、非選択
出力に対応する遅延検波手段及び適応等化手段の一方に
対する電源の供給を停止させる制御手段、とを含む。
マルチパス成分検出器は、受信信号と基準信号との相
関処理により複数タイミングにおける受信成分レベルを
推定し出力する。成分比演算器は、全受信電力に対する
受信成分レベル比率を算出する。これにより、特定の受
信レベル比率が検出できる。この結果からディレースプ
レッドを精度良く測定できる。
関処理により複数タイミングにおける受信成分レベルを
推定し出力する。成分比演算器は、全受信電力に対する
受信成分レベル比率を算出する。これにより、特定の受
信レベル比率が検出できる。この結果からディレースプ
レッドを精度良く測定できる。
また、このディレースプレッド測定結果にしたがっ
て、検波器を遅延検波器又は適応等化器に切り替えるこ
とにより、受信信号に最適な検波方式を選択することが
できる。
て、検波器を遅延検波器又は適応等化器に切り替えるこ
とにより、受信信号に最適な検波方式を選択することが
できる。
図面の簡単な説明 図1Aは従来の移動機受信装置の例を示すブロック図。
図1Bは図1Aにおける遅延検波器12の構成例を示すブロ
ック図。
ック図。
図1Cは図1Aにおける適応等化器15の構成例を示すブロ
ック図。
ック図。
図2はこの発明のディレースプレッドセンサの構成を
示すブロック図。
示すブロック図。
図3は図2におけるマルチパス成分検出器の構成例を
示すブロック図。
示すブロック図。
図4は送信信号の構成を示すブロック図。
図5はマルチパス成分検出器の他の構成例を示すブロ
ック図。
ック図。
図6はディレースプレッドセンサの他の構成例を示す
ブロック図。
ブロック図。
図7は遅延検波形とレプリカ形のディレースプレッド
センサの特性の計算機シミュレーションを示すグラフ。
センサの特性の計算機シミュレーションを示すグラフ。
図8はこの発明のディレースプレッドセンサを用いた
検波切り替え回路の構成を示すブロック図。
検波切り替え回路の構成を示すブロック図。
図9はこの発明の検波切り替え回路の他の実施例を示
すブロック図。
すブロック図。
図10は図9におけるベースバンド遅延検波器の構成例
を示すブロック図。
を示すブロック図。
図11は図9の実施例における検波動作モードの遷移
図。
図。
図12は図9の実施例の各動作モードにおける各部の電
源供給状態を示すタイムチャート。
源供給状態を示すタイムチャート。
図13は図9の実施例において検波切り替えを行った場
合の平均BERと遅延時間との関係を示すグラフ。
合の平均BERと遅延時間との関係を示すグラフ。
発明を実施するための最良の形態 図2はこの発明によるディレースプレッドセンサの第
1実施例のブロック構成図であり、その特徴とするとこ
ろは、入力信号z(t)と基準信号d(t)との相関を
とり、異なるパス毎の受信成分レベルh0,h1,…,hN-1を
推定して出力するマルチパス成分検出器20と、全受信成
分の受信電力に対する特定の受信成分レベル比率を算出
する成分比演算器21とを備えていることである。この実
施例では、例えば図1Aにおける中間周波信号SIFを準同
期検波器(IQ検波器とも呼ぶ)14で準同期検波した出力
z(t)が入力信号として与えられる場合を示してお
り、入力信号z(t)がマルチパス成分検出器20に入力
される。以下の説明においては、入力信号z(t)を受
信信号あるいは変調信号と呼ぶこともある。また、信号
は全て複素表示されているとする。すなわち、信号の実
数成分は変調波の同相成分振幅を表し、虚数部は直交成
分振幅を表している。マルチパス成分検出器20には更
に、例えばレジスタ18に保持された既知のトレーニング
信号が基準信号d(t)として与えられる。基準信号d
(t)は受信された信号と同一の形式に変調されている
ものとする。
1実施例のブロック構成図であり、その特徴とするとこ
ろは、入力信号z(t)と基準信号d(t)との相関を
とり、異なるパス毎の受信成分レベルh0,h1,…,hN-1を
推定して出力するマルチパス成分検出器20と、全受信成
分の受信電力に対する特定の受信成分レベル比率を算出
する成分比演算器21とを備えていることである。この実
施例では、例えば図1Aにおける中間周波信号SIFを準同
期検波器(IQ検波器とも呼ぶ)14で準同期検波した出力
z(t)が入力信号として与えられる場合を示してお
り、入力信号z(t)がマルチパス成分検出器20に入力
される。以下の説明においては、入力信号z(t)を受
信信号あるいは変調信号と呼ぶこともある。また、信号
は全て複素表示されているとする。すなわち、信号の実
数成分は変調波の同相成分振幅を表し、虚数部は直交成
分振幅を表している。マルチパス成分検出器20には更
に、例えばレジスタ18に保持された既知のトレーニング
信号が基準信号d(t)として与えられる。基準信号d
(t)は受信された信号と同一の形式に変調されている
ものとする。
マルチパス成分検出器20の内部構成例を図3に示す。
基準信号d(t)は、それぞれがシンボル周期Tの遅延
量を有するN−1段の直列接続された遅延素子D1,D2,
…,DN-1により、送信波の変調シンボルタイミング間隔
Tの整数倍nT(n=0,1,…,N−1)に順次遅延されたN
個の基準信号d(t−nT)に変換される。準同期検波さ
れた入力信号z(t)とN個の基準信号d(t−nT)の
それぞれが乗算器MP0,MP1,…,MPN-1により乗算され、累
積加算器AC0,AC1,…,ACN-1により、それらの乗算値を累
積することによりN個の遅延基準信号(0遅延も含む)
に対する入力信号z(t)のそれぞれの相関値が求めら
れる。それによりN個のタイミングにおける入力成分複
素振幅h0,h1,…,hN-1が推定され、マルチパス成分検出
器20の出力となる。即ち、マルチパスによるディレース
プレッドを受けた受信信号中のトレーニング信号期間に
その準同期検波出力z(t)が与えられると、入力信号
z(t)としてのディレースプレッドを受けた受信トレ
ーニング信号と基準信号d(t)としてのトレーニング
信号とが内積演算(畳み込み演算)され、それぞれの遅
延量に対応したパスの信号成分のパワーレベルが得られ
る。
基準信号d(t)は、それぞれがシンボル周期Tの遅延
量を有するN−1段の直列接続された遅延素子D1,D2,
…,DN-1により、送信波の変調シンボルタイミング間隔
Tの整数倍nT(n=0,1,…,N−1)に順次遅延されたN
個の基準信号d(t−nT)に変換される。準同期検波さ
れた入力信号z(t)とN個の基準信号d(t−nT)の
それぞれが乗算器MP0,MP1,…,MPN-1により乗算され、累
積加算器AC0,AC1,…,ACN-1により、それらの乗算値を累
積することによりN個の遅延基準信号(0遅延も含む)
に対する入力信号z(t)のそれぞれの相関値が求めら
れる。それによりN個のタイミングにおける入力成分複
素振幅h0,h1,…,hN-1が推定され、マルチパス成分検出
器20の出力となる。即ち、マルチパスによるディレース
プレッドを受けた受信信号中のトレーニング信号期間に
その準同期検波出力z(t)が与えられると、入力信号
z(t)としてのディレースプレッドを受けた受信トレ
ーニング信号と基準信号d(t)としてのトレーニング
信号とが内積演算(畳み込み演算)され、それぞれの遅
延量に対応したパスの信号成分のパワーレベルが得られ
る。
これらの出力h0,h1,…,hN-1から、成分比演算器21で
は、全受信電力に対する所望のパスの受信成分レベルの
比率ρnを算出している。これらの成分の絶対値2乗の
和は全電力P0=|h0|2+…+|hN-1|2となる。従って、ρ
n=|hn|2/P0はnシンボル遅延波成分の比率を表してい
る。直接波からの遅延時間τn=nT(n=0,1,…,N−
1)をρnで重み付け平均した値は平均遅延時間を表
している。さらに、ディレースプレッドΔτはτnと
との差の2乗をρnで重み付け平均した分散の平方、す
なわち標準偏差を意味している。そこで、比率ρnはデ
ィレースプレッドを規定する重要なパラメータとなる。
例えばマルチパスにおける遅延が1シンボル時間T以内
の遅延であれば、入力信号z(t)には、d(t)とd
(t−T)の成分、すなわち、直接波の成分h0と遅延波
の成分h1が含まれている。これらの各成分から、例えば
1シンボル遅延成分比率ρ1は次式 ρ1=|h1|2/(|h0|2+|h1|2) …(1) のように算出する。この例ではn=0,1の場合である
が、一般にn=0,1,…,N−1の場合には、式(1)の分
母に全電力|h0|2+…+|hN-1|2、分子に所望の成分|hn|
2を代入すれば、各成分のレベル比率ρnが求められ
る。各マルチパス成分についてのレベル比率ρnの値
は、後述の受信装置における適応等化器と遅延検波器の
切り替えおよび各部に対する電源供給制御のための情報
として使うことができる。
は、全受信電力に対する所望のパスの受信成分レベルの
比率ρnを算出している。これらの成分の絶対値2乗の
和は全電力P0=|h0|2+…+|hN-1|2となる。従って、ρ
n=|hn|2/P0はnシンボル遅延波成分の比率を表してい
る。直接波からの遅延時間τn=nT(n=0,1,…,N−
1)をρnで重み付け平均した値は平均遅延時間を表
している。さらに、ディレースプレッドΔτはτnと
との差の2乗をρnで重み付け平均した分散の平方、す
なわち標準偏差を意味している。そこで、比率ρnはデ
ィレースプレッドを規定する重要なパラメータとなる。
例えばマルチパスにおける遅延が1シンボル時間T以内
の遅延であれば、入力信号z(t)には、d(t)とd
(t−T)の成分、すなわち、直接波の成分h0と遅延波
の成分h1が含まれている。これらの各成分から、例えば
1シンボル遅延成分比率ρ1は次式 ρ1=|h1|2/(|h0|2+|h1|2) …(1) のように算出する。この例ではn=0,1の場合である
が、一般にn=0,1,…,N−1の場合には、式(1)の分
母に全電力|h0|2+…+|hN-1|2、分子に所望の成分|hn|
2を代入すれば、各成分のレベル比率ρnが求められ
る。各マルチパス成分についてのレベル比率ρnの値
は、後述の受信装置における適応等化器と遅延検波器の
切り替えおよび各部に対する電源供給制御のための情報
として使うことができる。
図4は受信信号の構成を示す図である。例えばTDMAで
信号が送信されている場合、各受信装置においては、各
フレーム毎に指定されたタイムスロットで図4に示すよ
うなトレーニング信号TRNとデータDATAを含む一定長の
バースト信号が受信される。本発明の実施例では、短時
間の測定で正確にディレースプレッドを測定できるよう
に、マルチパス成分検出器20において、受信トレーニン
グ信号TRNと基準信号としてのトレーニング信号d
(t)との間の相関処理を受信信号のトレーニング区間
で行う。トレーニング信号TRNは、図4に示すように通
常、入力信号系列の前方部または中心部に挿入されてお
り、受信側で信号系列の内容が既知である。内容が既知
であるから、相関をとるための基準信号に誤りがなく、
正確な相関処理ができる。トレーニング信号の挿入によ
り、情報伝送効率が低下するので、トレーニング信号は
一般にできるだけ短くされている。そのため、相関結果
にはバイアス成分が重畳される場合が多い。バイアス成
分とは、統計的な推定値に重畳された一定誤差量であ
る。このバイアス補正量は計算で求めることができる。
また、実験あるいはシミュレーションで求めるには、バ
イアス成分の値を遅延のない静的1波においてEb/N0→
∞の条件に設定してその相関出力から求めることもでき
る。成分推定値からバイアス成分を差し引いて補正した
後、各成分から、成分比演算器21で、全受信電力に対す
る各受信レベル比率ρnを算出する。これらのような演
算は、各受信バースト信号中のトレーニング信号をいっ
たん蓄積した後に行われる。特にマルチパス成分を最小
2乗法等により推定する処理は演算量が多く、通常の伝
送方式ではリアルタイムに演算することは困難である。
信号が送信されている場合、各受信装置においては、各
フレーム毎に指定されたタイムスロットで図4に示すよ
うなトレーニング信号TRNとデータDATAを含む一定長の
バースト信号が受信される。本発明の実施例では、短時
間の測定で正確にディレースプレッドを測定できるよう
に、マルチパス成分検出器20において、受信トレーニン
グ信号TRNと基準信号としてのトレーニング信号d
(t)との間の相関処理を受信信号のトレーニング区間
で行う。トレーニング信号TRNは、図4に示すように通
常、入力信号系列の前方部または中心部に挿入されてお
り、受信側で信号系列の内容が既知である。内容が既知
であるから、相関をとるための基準信号に誤りがなく、
正確な相関処理ができる。トレーニング信号の挿入によ
り、情報伝送効率が低下するので、トレーニング信号は
一般にできるだけ短くされている。そのため、相関結果
にはバイアス成分が重畳される場合が多い。バイアス成
分とは、統計的な推定値に重畳された一定誤差量であ
る。このバイアス補正量は計算で求めることができる。
また、実験あるいはシミュレーションで求めるには、バ
イアス成分の値を遅延のない静的1波においてEb/N0→
∞の条件に設定してその相関出力から求めることもでき
る。成分推定値からバイアス成分を差し引いて補正した
後、各成分から、成分比演算器21で、全受信電力に対す
る各受信レベル比率ρnを算出する。これらのような演
算は、各受信バースト信号中のトレーニング信号をいっ
たん蓄積した後に行われる。特にマルチパス成分を最小
2乗法等により推定する処理は演算量が多く、通常の伝
送方式ではリアルタイムに演算することは困難である。
図2の実施例におけるマルチパス成分検出器20をレプ
リカ生成形マルチパス成分検出器として構成した例を図
5に示す。受信された入力信号z(t)がレプリカ生成
形マルチパス成分検出器20内の減算器20Sに与えられ
る。一方、基準信号d(t)としてレジスタ18からトレ
ーニング信号TRNが入力される。この基準信号はトラン
スバーサルフィルタ20T内において直列接続されたN−
1個の遅延素子D1,D2,…,DM-1により変調シンボルタイ
ミング間隔Tのn(n=0,1,…,N−1)倍にそれぞれ遅
延されたN個の基準信号d(t−nT)に変換される。こ
のトランスバーサルフィルタ20Tでは、初段遅延入力
と、各遅延段のタップ出力とのN個の基準信号d(t−
nT)に、制御部20Cから与えられる複素タップ係数h0,
h1,…,hn-1が乗算器MP0,MP1,…,MPN-1でそれぞれ乗算さ
れ、それらの乗算結果が加算器ACで合成される。
リカ生成形マルチパス成分検出器として構成した例を図
5に示す。受信された入力信号z(t)がレプリカ生成
形マルチパス成分検出器20内の減算器20Sに与えられ
る。一方、基準信号d(t)としてレジスタ18からトレ
ーニング信号TRNが入力される。この基準信号はトラン
スバーサルフィルタ20T内において直列接続されたN−
1個の遅延素子D1,D2,…,DM-1により変調シンボルタイ
ミング間隔Tのn(n=0,1,…,N−1)倍にそれぞれ遅
延されたN個の基準信号d(t−nT)に変換される。こ
のトランスバーサルフィルタ20Tでは、初段遅延入力
と、各遅延段のタップ出力とのN個の基準信号d(t−
nT)に、制御部20Cから与えられる複素タップ係数h0,
h1,…,hn-1が乗算器MP0,MP1,…,MPN-1でそれぞれ乗算さ
れ、それらの乗算結果が加算器ACで合成される。
トレーニング信号受信期間に合成波y(t)が受信信
号のレプリカになるように複素タップ係数h0,h1,…,h
n-1が制御回路20Cで制御される。即ち、制御回路20C
は、受信信号z(t)から合成波y(t)が差し引かれ
た誤差成分e(t)の絶対値が最小となるように、例え
ば最小二乗法により、複素タップ係数h0,h1,…,hn-1を
制御する。このようにして求めた複素タップ係数は、N
個のタイミング0,T,…,(N−1)Tにおける受信成分
h0,h1,…,hn-1の推定値となっている。従って、そのま
まマルチパス成分検出器20の出力となる。これらのマル
チパス信号成分hnは、図2の成分比演算器21に与えら
れ、全受信電力に対する各受信成分レベル比率ρnが算
出される。この方法においても、図2の方法と同様にマ
ルチパス成分を推定する処理を必要としており、リアル
タイムに処理することは通常難しい。
号のレプリカになるように複素タップ係数h0,h1,…,h
n-1が制御回路20Cで制御される。即ち、制御回路20C
は、受信信号z(t)から合成波y(t)が差し引かれ
た誤差成分e(t)の絶対値が最小となるように、例え
ば最小二乗法により、複素タップ係数h0,h1,…,hn-1を
制御する。このようにして求めた複素タップ係数は、N
個のタイミング0,T,…,(N−1)Tにおける受信成分
h0,h1,…,hn-1の推定値となっている。従って、そのま
まマルチパス成分検出器20の出力となる。これらのマル
チパス信号成分hnは、図2の成分比演算器21に与えら
れ、全受信電力に対する各受信成分レベル比率ρnが算
出される。この方法においても、図2の方法と同様にマ
ルチパス成分を推定する処理を必要としており、リアル
タイムに処理することは通常難しい。
図2の実施例ではマルチパス成分検出器20の入力信号
z(t)として受信信号の中間周波信号SIFの準同期検
波出力を用いた場合を示したが、中間周波信号の遅延検
波出力を入力信号z(t)としてもよい。その場合の実
施例を図6に示す。マルチパス成分検出器20としては、
図3の構成のものでもよいし、図5の構成のものでもよ
い。この実施例は、中間周波信号SIFが遅延検波器12に
より遅延検波され、その出力z(t)がマルチパス成分
検出器20の入力信号となっている。受信信号z(t)と
相関処理を行う基準信号の変調形式を一致させるため、
マルチパス成分検出器20に与えられる既知の基準信号と
して、トレーニング信号d(t)を差動変換器22により
差動変換した信号m(t)を与える場合を示している。
例えば1シンボル以内の遅延であれば、入力信号z
(t)には、m(t)成分およびm(t−T)成分が含
まれている。そこで、図3又は5に示した相関演算によ
り各パスの信号成分h0とh1の大きさにほぼ比例した量を
相関出力として抽出できる。これらの相関出力成分か
ら、成分比演算器21で、全受信電力に対する受信成分レ
ベル比率ρnを算出する演算式及び方法は図2の実施例
と同様である。て遅延検波出力の相関処理は比較的容易
であり、各バースト信号をバッファメモリに蓄積しなく
ても、リアルタイムに処理が可能である。
z(t)として受信信号の中間周波信号SIFの準同期検
波出力を用いた場合を示したが、中間周波信号の遅延検
波出力を入力信号z(t)としてもよい。その場合の実
施例を図6に示す。マルチパス成分検出器20としては、
図3の構成のものでもよいし、図5の構成のものでもよ
い。この実施例は、中間周波信号SIFが遅延検波器12に
より遅延検波され、その出力z(t)がマルチパス成分
検出器20の入力信号となっている。受信信号z(t)と
相関処理を行う基準信号の変調形式を一致させるため、
マルチパス成分検出器20に与えられる既知の基準信号と
して、トレーニング信号d(t)を差動変換器22により
差動変換した信号m(t)を与える場合を示している。
例えば1シンボル以内の遅延であれば、入力信号z
(t)には、m(t)成分およびm(t−T)成分が含
まれている。そこで、図3又は5に示した相関演算によ
り各パスの信号成分h0とh1の大きさにほぼ比例した量を
相関出力として抽出できる。これらの相関出力成分か
ら、成分比演算器21で、全受信電力に対する受信成分レ
ベル比率ρnを算出する演算式及び方法は図2の実施例
と同様である。て遅延検波出力の相関処理は比較的容易
であり、各バースト信号をバッファメモリに蓄積しなく
ても、リアルタイムに処理が可能である。
次に、直接波と1遅延波からなる2波のマルチパス伝
搬について、図5のマルチパス成分検出器20を用いた図
2の実施例のレプリカ形ディレースプレッドセンサ、お
よび図3のマルチパス成分検出器20を用いた図5の実施
例の遅延検波形ディレースプレッドセンサによる受信成
分レベル比率ρを計算機シミュレーションにより求めた
結果を図7に示す。横軸にディレー時間(単位:シンボ
ル)をとり、横軸に正規化センサ出力をとる。ここで
は、直接波と遅延波との2波を受信している(N=
2)。曲線は平均値、および平均値=標準偏差の特性を
示している。ただし、ディレー時間が1シンボルのとこ
ろで平均値が1になるように正規化してある。1シンボ
ル遅延(n=1)までの相関処理をしているので受信成
分レベル比率ρ1の平均値は最大値が1.0程度となる。
ディレーが1シンボル以上となるときにはρ2を計算す
る必要がある。例えば、ρ1とρ2の和をとれば、その
和の値は、ディレー時間が1シンボルと2シンボルの時
ピークとなり、2シンボル以上のディレーで徐々に減少
する。図7に示すように2種類のセンサの特性はほぼ同
一である。また、1シンボル時間以内の遅延量とセンサ
出力が1対1の対応になっている。従って、精度の高い
ディレースプレッドセンサとして利用できる。
搬について、図5のマルチパス成分検出器20を用いた図
2の実施例のレプリカ形ディレースプレッドセンサ、お
よび図3のマルチパス成分検出器20を用いた図5の実施
例の遅延検波形ディレースプレッドセンサによる受信成
分レベル比率ρを計算機シミュレーションにより求めた
結果を図7に示す。横軸にディレー時間(単位:シンボ
ル)をとり、横軸に正規化センサ出力をとる。ここで
は、直接波と遅延波との2波を受信している(N=
2)。曲線は平均値、および平均値=標準偏差の特性を
示している。ただし、ディレー時間が1シンボルのとこ
ろで平均値が1になるように正規化してある。1シンボ
ル遅延(n=1)までの相関処理をしているので受信成
分レベル比率ρ1の平均値は最大値が1.0程度となる。
ディレーが1シンボル以上となるときにはρ2を計算す
る必要がある。例えば、ρ1とρ2の和をとれば、その
和の値は、ディレー時間が1シンボルと2シンボルの時
ピークとなり、2シンボル以上のディレーで徐々に減少
する。図7に示すように2種類のセンサの特性はほぼ同
一である。また、1シンボル時間以内の遅延量とセンサ
出力が1対1の対応になっている。従って、精度の高い
ディレースプレッドセンサとして利用できる。
次に、受信機におけるこの発明のディレースプレッド
センサを使った検波切り替え回路の実施例を図8に示
し、図1A、2、6と対応する部分に同様の番号を付けて
ある。マルチパス成分検出器20、成分比演算器21、差動
変換器22は図6と対応するディレースプレッドセンサを
構成している。ここに示す検波切り替え回路は図1Aに示
す受信装置に対しトレーニング信号保持レジスタ18と、
スイッチSW1と連動してレジスタ18のトレーニング信号
を基準信号として差動変換器22を介して又は、直接、マ
ルチパス成分検出器20に与えるスイッチSW2が設けられ
ている。
センサを使った検波切り替え回路の実施例を図8に示
し、図1A、2、6と対応する部分に同様の番号を付けて
ある。マルチパス成分検出器20、成分比演算器21、差動
変換器22は図6と対応するディレースプレッドセンサを
構成している。ここに示す検波切り替え回路は図1Aに示
す受信装置に対しトレーニング信号保持レジスタ18と、
スイッチSW1と連動してレジスタ18のトレーニング信号
を基準信号として差動変換器22を介して又は、直接、マ
ルチパス成分検出器20に与えるスイッチSW2が設けられ
ている。
マルチパス成分検出器20は、遅延検波形とレプリカ生
成形の2通りのマルチパス成分検出器20として動作し、
受信信号中のトレーニング信号期間にレジスタ18からの
トレーニング信号を基準信号d(t)としてマルチパス
成分検出器20に与え、受信信号との相関処理が行われ
る。遅延検波出力に対しては、リアルタイムに相関をと
ることができるが、IQ検波出力については、バッファメ
モリを介しているので、ある程度の成分推定の処理遅延
がある。相関処理によって得られたそれぞれの受信成分
レベルから成分比演算器21が算出した受信成分レベル比
率を用いて、制御部24は遅延検波器と適応等化器を切り
替えるように制御する。バースト毎の伝搬特性はフェー
ジングのため変動しているので、同じ遅延成分ρnにつ
いても1バースト毎に算出される成分比ρnの値は異な
る。そこで、例えば特定のパス成分に着目し、1回毎の
パス成分比の値ρiだけでなく、それをある時定数(例
えば10バースト期間程度)で平均化したパス成分比の値
ρaを算出する。ρiとρaの値の変化を観測しながら
最適に遅延検波器と適応等化器とを切り替える。
成形の2通りのマルチパス成分検出器20として動作し、
受信信号中のトレーニング信号期間にレジスタ18からの
トレーニング信号を基準信号d(t)としてマルチパス
成分検出器20に与え、受信信号との相関処理が行われ
る。遅延検波出力に対しては、リアルタイムに相関をと
ることができるが、IQ検波出力については、バッファメ
モリを介しているので、ある程度の成分推定の処理遅延
がある。相関処理によって得られたそれぞれの受信成分
レベルから成分比演算器21が算出した受信成分レベル比
率を用いて、制御部24は遅延検波器と適応等化器を切り
替えるように制御する。バースト毎の伝搬特性はフェー
ジングのため変動しているので、同じ遅延成分ρnにつ
いても1バースト毎に算出される成分比ρnの値は異な
る。そこで、例えば特定のパス成分に着目し、1回毎の
パス成分比の値ρiだけでなく、それをある時定数(例
えば10バースト期間程度)で平均化したパス成分比の値
ρaを算出する。ρiとρaの値の変化を観測しながら
最適に遅延検波器と適応等化器とを切り替える。
入力端子INに入力されるIF信号SIFは分岐され、一方
は非線形リミッタ増幅器11に入力されリミッタ増幅され
て遅延検波器12で検波される。他方は、線形リミッタ増
幅器13で線形に増幅され、IQ検波器14で同相・直交成分
の振幅が抽出される。これらの成分はバッファメモリ17
に蓄積される。バッファメモリ17の信号は適応等化器15
に入力される。成分比演算器21の出力に基づいて制御部
24は遅延検波器12と適応等化器15のうちの、どちらを用
いるかを決定し、それに従ってスイッチSW1を制御して
検波出力を選択したものに切り替える。さらに該当する
回路の電源をONにし、電力節減のために使用しない回路
の電源線をOFFにする。算出されたρiとρaを用いた
具体的に切り替えアルゴリズムは様々なものが考えられ
る。最も簡単な切り替え方法は、ρaのみに着目し、観
測されるディレースプレッドを検出できるマルチパス成
分検出器と成分比演算器が使用されていれば、図7に示
すように、ディレー時間に対してセンサ出力は単調増加
になることを利用する。ρaの閾値をρtとそる。この
時ρa>ρtとなったとき、適応等化器を使用し、ρa
<ρtとなったとき遅延検波器を使用するものである。
は非線形リミッタ増幅器11に入力されリミッタ増幅され
て遅延検波器12で検波される。他方は、線形リミッタ増
幅器13で線形に増幅され、IQ検波器14で同相・直交成分
の振幅が抽出される。これらの成分はバッファメモリ17
に蓄積される。バッファメモリ17の信号は適応等化器15
に入力される。成分比演算器21の出力に基づいて制御部
24は遅延検波器12と適応等化器15のうちの、どちらを用
いるかを決定し、それに従ってスイッチSW1を制御して
検波出力を選択したものに切り替える。さらに該当する
回路の電源をONにし、電力節減のために使用しない回路
の電源線をOFFにする。算出されたρiとρaを用いた
具体的に切り替えアルゴリズムは様々なものが考えられ
る。最も簡単な切り替え方法は、ρaのみに着目し、観
測されるディレースプレッドを検出できるマルチパス成
分検出器と成分比演算器が使用されていれば、図7に示
すように、ディレー時間に対してセンサ出力は単調増加
になることを利用する。ρaの閾値をρtとそる。この
時ρa>ρtとなったとき、適応等化器を使用し、ρa
<ρtとなったとき遅延検波器を使用するものである。
図8の検波切り替え回路の実施例においては、ディレ
ースプレッドセンサにより検出されたディレースプレッ
ドが所定値より小さい場合と大きい場合により、遅延検
波出力または適応等化出力をスイッチSW1で選択すると
共に、選択しなかった側の回路構成部に対する電源をOF
Fとする制御を行う例に付いて説明した。しかしなが
ら、適応等化器を選択している場合、その受信信号は既
にバッファメモリ17に蓄積されているので、この蓄積さ
れたバーストのディレーが小さくなっていることをトレ
ーニング区間で検出し、遅延検波しようとしても、既に
その信号は遅延検波器12では検波することはできない。
また、平均的なディレースプレッドが所定値より大きい
場合でも、複数のパスの信号成分の内、1つの成分のレ
ベルのみが他の全ての成分のレベルより充分大であれ
ば、それら他のパスの信号成分を無視できるので、遅延
検波器を使って受信信号を充分低いビットエラー率で検
波することができる。
ースプレッドセンサにより検出されたディレースプレッ
ドが所定値より小さい場合と大きい場合により、遅延検
波出力または適応等化出力をスイッチSW1で選択すると
共に、選択しなかった側の回路構成部に対する電源をOF
Fとする制御を行う例に付いて説明した。しかしなが
ら、適応等化器を選択している場合、その受信信号は既
にバッファメモリ17に蓄積されているので、この蓄積さ
れたバーストのディレーが小さくなっていることをトレ
ーニング区間で検出し、遅延検波しようとしても、既に
その信号は遅延検波器12では検波することはできない。
また、平均的なディレースプレッドが所定値より大きい
場合でも、複数のパスの信号成分の内、1つの成分のレ
ベルのみが他の全ての成分のレベルより充分大であれ
ば、それら他のパスの信号成分を無視できるので、遅延
検波器を使って受信信号を充分低いビットエラー率で検
波することができる。
そこで、測定したディレースプレッドが所定値より大
の場合でも、いずれか1つのパスの信号成分レベルが他
の全てのパスの信号成分レベルより大であるか否かを判
定し、大であればベースバンド遅延検波を行い、充分大
でなければ適応等化処理を行うように検波切り替えを行
うことにより、更に適応等化器の作動される機会を低減
させることが可能である。この様な考えに基づく検波切
り替え回路の実施例を図9に示す。実際の切り替えアル
ゴリズムにおいては、ρaだけでなくρiも利用する。
新たに1より大の予め決めた値αを設定し、ρiの平均
値ρaに対して、ρi>αρa、即ち遅延波が直接波よ
り十分大きい場合、あるいはρi<ρa/α、即ち直接波
が遅延波より十分大きい場合にベースバンド遅延検波を
用いる。また、ρa/α<ρi<αρaであれば、直接波
と遅延波はほぼ同程度であるから、適応等化器を利用す
る。勿論ρa<ρtの時には通常の遅延検波器を利用す
る。
の場合でも、いずれか1つのパスの信号成分レベルが他
の全てのパスの信号成分レベルより大であるか否かを判
定し、大であればベースバンド遅延検波を行い、充分大
でなければ適応等化処理を行うように検波切り替えを行
うことにより、更に適応等化器の作動される機会を低減
させることが可能である。この様な考えに基づく検波切
り替え回路の実施例を図9に示す。実際の切り替えアル
ゴリズムにおいては、ρaだけでなくρiも利用する。
新たに1より大の予め決めた値αを設定し、ρiの平均
値ρaに対して、ρi>αρa、即ち遅延波が直接波よ
り十分大きい場合、あるいはρi<ρa/α、即ち直接波
が遅延波より十分大きい場合にベースバンド遅延検波を
用いる。また、ρa/α<ρi<αρaであれば、直接波
と遅延波はほぼ同程度であるから、適応等化器を利用す
る。勿論ρa<ρtの時には通常の遅延検波器を利用す
る。
図9において、図8に対応する部分には同様の番号を
付け、図8の実施例と異なる点についてのみ説明をす
る。この実施例においては、バッファメモリ17の読みだ
し出力はスイッチSW3を介して適応等化器15またはベー
スバンド遅延検波器23に選択的に与えられる。ベースバ
ンド遅延検波器23は例えば変調信号がDQPSKの場合、図1
0に示すように構成される。バッファメモリ17から読み
出され、スイッチSW3を介して与えられたIQ検波出力で
ある同相成分I(t)と直交成分Q(t)がそれぞれ遅
延素子D1,D2で1シンボル遅延され、それぞれ次のシン
ボルと乗算器MP1、MP2で乗算されると共に、互いに直交
関係にある成分の次のシンボルと乗算器MP3、MP4で乗算
される。これら乗算器MP1とMP2の出力が加算器AD1で加
算され、乗算器MP3とMP4の出力が加算器AD2で加算さ
れ、それらの加算結果がそれぞれ判定器CPで閾値レベル
と比較され、レベル判定される。判定結果はI成分符号
系列及びQ成分符号系列として出力される。
付け、図8の実施例と異なる点についてのみ説明をす
る。この実施例においては、バッファメモリ17の読みだ
し出力はスイッチSW3を介して適応等化器15またはベー
スバンド遅延検波器23に選択的に与えられる。ベースバ
ンド遅延検波器23は例えば変調信号がDQPSKの場合、図1
0に示すように構成される。バッファメモリ17から読み
出され、スイッチSW3を介して与えられたIQ検波出力で
ある同相成分I(t)と直交成分Q(t)がそれぞれ遅
延素子D1,D2で1シンボル遅延され、それぞれ次のシン
ボルと乗算器MP1、MP2で乗算されると共に、互いに直交
関係にある成分の次のシンボルと乗算器MP3、MP4で乗算
される。これら乗算器MP1とMP2の出力が加算器AD1で加
算され、乗算器MP3とMP4の出力が加算器AD2で加算さ
れ、それらの加算結果がそれぞれ判定器CPで閾値レベル
と比較され、レベル判定される。判定結果はI成分符号
系列及びQ成分符号系列として出力される。
適応等化器15及びベースバンド遅延検波器23の出力は
スイッチSW1に入力され、遅延検波器12の出力と共に、
何れか1つが選択され、検波信号として出力される。マ
ルチパス成分検出器20は遅延検波器12とIQ検波器14の何
れか動作状態にある方からの検波出力が常に与えられて
おり、何れの検波出力によってもその受信状態における
マルチパス信号成分のレベルをそれぞれ検出することが
できる。成分比演算器21は、マルチパス成分検出器20か
らのそれぞれのパスの信号成分h0,h1,…,hN-1が与えら
れ、それら各成分の全受信信号レベルに対する比率とか
らディレースプレッドを求め、制御部24に与える。制御
部24は以下の処理を行う。
スイッチSW1に入力され、遅延検波器12の出力と共に、
何れか1つが選択され、検波信号として出力される。マ
ルチパス成分検出器20は遅延検波器12とIQ検波器14の何
れか動作状態にある方からの検波出力が常に与えられて
おり、何れの検波出力によってもその受信状態における
マルチパス信号成分のレベルをそれぞれ検出することが
できる。成分比演算器21は、マルチパス成分検出器20か
らのそれぞれのパスの信号成分h0,h1,…,hN-1が与えら
れ、それら各成分の全受信信号レベルに対する比率とか
らディレースプレッドを求め、制御部24に与える。制御
部24は以下の処理を行う。
(1)ρaが所定値ρtより小であるか否かを判定し、
所定値以下であれば遅延検波器12を動作状態(DDモード
と呼ぶ)に保つと共に、スイッチSW1を制御して遅延検
波器12の出力を選択する。この時、スイッチSW2は差動
変換器22の入力側を選択接続し、受信信号のトレーニン
グ期間中にレジスタ18からのトレーニング信号を差動変
換器22に与え、差動変換されたトレーニング信号を基準
信号としてマルチパス成分検出器20に与える。
所定値以下であれば遅延検波器12を動作状態(DDモード
と呼ぶ)に保つと共に、スイッチSW1を制御して遅延検
波器12の出力を選択する。この時、スイッチSW2は差動
変換器22の入力側を選択接続し、受信信号のトレーニン
グ期間中にレジスタ18からのトレーニング信号を差動変
換器22に与え、差動変換されたトレーニング信号を基準
信号としてマルチパス成分検出器20に与える。
(2)検出されたρaが所定値ρtより大の場合は、マ
ルチパス成分検出器20はバッファメモリ17から読みださ
れたIQ検波出力に基づいてマルチパス成分の検出を行
う。このときにはリミッタ増幅器11及び遅延検波器12へ
の電源の供給が停止され、線形増幅器13、IQ検波器14、
メモリ17、適応等化器15へ電源を供給している。(2−
1)さらにρa/α<ρi<αρaのときには適応等化検
波を行う(EQLモードと呼ぶ)と共に、スイッチSW1によ
り適応等化器15の出力を選択し、スイッチSW2によりレ
ジスタ18の出力をマルチパス成分検出器20側に接続し、
スイッチSW3によりメモリ17の出力を適応等化器15側に
接続する。また、(2−2)ρi<ρa/αまたはρi>
αρ2の場合は、スイッチSW1をベースバンド遅延検波
器23側に接続し、スイッチSW2を差動変換器22の入力側
に接続し、スイッチSW3をベースバンド遅延検波器23側
に接続する。これと共に、適応等化器15への電源供給を
停止し、ベースバンド遅延検波器23への電源をONとして
動作させる(BDモードと呼ぶ)。これによって更なるパ
ワーの削減が可能となる。このBDモードはEQLモードか
らDDモードへ移行するときにも一時的に利用される。
ルチパス成分検出器20はバッファメモリ17から読みださ
れたIQ検波出力に基づいてマルチパス成分の検出を行
う。このときにはリミッタ増幅器11及び遅延検波器12へ
の電源の供給が停止され、線形増幅器13、IQ検波器14、
メモリ17、適応等化器15へ電源を供給している。(2−
1)さらにρa/α<ρi<αρaのときには適応等化検
波を行う(EQLモードと呼ぶ)と共に、スイッチSW1によ
り適応等化器15の出力を選択し、スイッチSW2によりレ
ジスタ18の出力をマルチパス成分検出器20側に接続し、
スイッチSW3によりメモリ17の出力を適応等化器15側に
接続する。また、(2−2)ρi<ρa/αまたはρi>
αρ2の場合は、スイッチSW1をベースバンド遅延検波
器23側に接続し、スイッチSW2を差動変換器22の入力側
に接続し、スイッチSW3をベースバンド遅延検波器23側
に接続する。これと共に、適応等化器15への電源供給を
停止し、ベースバンド遅延検波器23への電源をONとして
動作させる(BDモードと呼ぶ)。これによって更なるパ
ワーの削減が可能となる。このBDモードはEQLモードか
らDDモードへ移行するときにも一時的に利用される。
以上述べた、検波モードDD,EQL,BDの状態が遷移する
様子を図11に示す。
様子を図11に示す。
図9の実施例の各動作モードにおける各部の電源供給
状態を図12に示す。簡単のため、各フレームが3スロッ
トから成るTDMAの場合において、各フレームの指定され
たスロット(この例では第1スロット)でバースト信号
を受信するものとし、受信装置の動作モードがDDモー
ド、EQLモード、BDモードの各場合に付いて、受信回路
内の電源がONとなる各部を矢印の範囲でそれぞれ示して
ある。太い横線より上がディレースプレッドが所定値よ
り小の場合、下が大の場合である。この図から明らかな
ように、図9の実施例では適応等化器15の電源がONとな
るチャンスは図8の実施例の場合より更に少なくなるた
め、消費電力の一層の削減が可能となる。
状態を図12に示す。簡単のため、各フレームが3スロッ
トから成るTDMAの場合において、各フレームの指定され
たスロット(この例では第1スロット)でバースト信号
を受信するものとし、受信装置の動作モードがDDモー
ド、EQLモード、BDモードの各場合に付いて、受信回路
内の電源がONとなる各部を矢印の範囲でそれぞれ示して
ある。太い横線より上がディレースプレッドが所定値よ
り小の場合、下が大の場合である。この図から明らかな
ように、図9の実施例では適応等化器15の電源がONとな
るチャンスは図8の実施例の場合より更に少なくなるた
め、消費電力の一層の削減が可能となる。
図13は3チャネルTDMA移動通信システムにおける遅延
検波器と、適応等化器と、ベースバンド遅延検波器との
切り替え効果を確認するための計算機シミュレーション
結果を示す。ビットレートは40kb/s、変調は差動符号化
QPSKを用いた。トレーニング信号を10シンボル、データ
信号を64シンボルとした。直接波へのタイミング同期お
よびフレーム同期は完全とした。最大トップラ周波数fD
は80Hzとした。トレーニング信号の遅延検波出力と既知
差動シンボルとの時間平均相関関数におけるバイアス成
分は直接波成分と遅延波成分とで、それぞれ0と0.25で
あった。伝送路の直接波と遅延波の平均レベル比は1と
した。検波器を切り替えたときの平均BER(Bit Error R
ate)と遅延時間(単位:シンボル)との関係を図13に
示す。横軸に遅延時間をとり、縦軸に平均BERをとる。
遅延検波器と適応等化器の平均BERの小さい方をほぼ最
適に選択していることが分かる。また、遅延時間0では
適応等化器の使用率は0.35%となったので、制御がほぼ
完全に行われていると考えられる。
検波器と、適応等化器と、ベースバンド遅延検波器との
切り替え効果を確認するための計算機シミュレーション
結果を示す。ビットレートは40kb/s、変調は差動符号化
QPSKを用いた。トレーニング信号を10シンボル、データ
信号を64シンボルとした。直接波へのタイミング同期お
よびフレーム同期は完全とした。最大トップラ周波数fD
は80Hzとした。トレーニング信号の遅延検波出力と既知
差動シンボルとの時間平均相関関数におけるバイアス成
分は直接波成分と遅延波成分とで、それぞれ0と0.25で
あった。伝送路の直接波と遅延波の平均レベル比は1と
した。検波器を切り替えたときの平均BER(Bit Error R
ate)と遅延時間(単位:シンボル)との関係を図13に
示す。横軸に遅延時間をとり、縦軸に平均BERをとる。
遅延検波器と適応等化器の平均BERの小さい方をほぼ最
適に選択していることが分かる。また、遅延時間0では
適応等化器の使用率は0.35%となったので、制御がほぼ
完全に行われていると考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、高い精度を有
し、かつ広帯域信号を要しないディレースプレッドセン
サおよび検波切り替え回路が実現できる。本発明のディ
レースプレッドセンサは準同期検波でも遅延検波でも利
用することができる汎用性がある。また、どちらの型式
でもほぼ同一の特性となり、正確である。トレーニング
信号のような短い信号でディレースプレッドの度合いを
検出できるので、伝送路をバースト毎に最適化できる。
例えば、遅延検波と適応等化器との切り替えに利用する
ことにより、伝送特性を改善できる。またさらにきめ細
かいアルゴリズムを用いることにより、消費電力を最小
化することもできる。このような最適復調回路選択以外
にも、狭帯域変調のままで、システムを止めることなく
ディレースプレッドによる不感知状態の測定データが得
られ、システムの運用、設備計画の立案などを効率的に
行うことができる。
し、かつ広帯域信号を要しないディレースプレッドセン
サおよび検波切り替え回路が実現できる。本発明のディ
レースプレッドセンサは準同期検波でも遅延検波でも利
用することができる汎用性がある。また、どちらの型式
でもほぼ同一の特性となり、正確である。トレーニング
信号のような短い信号でディレースプレッドの度合いを
検出できるので、伝送路をバースト毎に最適化できる。
例えば、遅延検波と適応等化器との切り替えに利用する
ことにより、伝送特性を改善できる。またさらにきめ細
かいアルゴリズムを用いることにより、消費電力を最小
化することもできる。このような最適復調回路選択以外
にも、狭帯域変調のままで、システムを止めることなく
ディレースプレッドによる不感知状態の測定データが得
られ、システムの運用、設備計画の立案などを効率的に
行うことができる。
Claims (8)
- 【請求項1】入力信号と予め決めた基準信号との相関を
取り、異なるパス毎の受信信号成分レベルを推定し出力
するマルチパス成分検出手段と、 上記マルチパス成分検出手段により検出された全てのパ
スの上記受信信号成分レベルに対する各パスの受信信号
成分レベル比率を算出する成分比演算手段とを備えたこ
とを特徴とするディレースプレッドセンサ。 - 【請求項2】請求項1に記載のディレースプレッドセン
サにおいて、受信変調波の遅延検波出力を上記入力信号
として上記マルチパス成分検出手段に与える遅延検波手
段と、差動変換された情報信号を上記基準信号として上
記マルチパス成分検出手段に与える差動変換手段とを含
む。 - 【請求項3】請求項1または2に記載のディレースプレ
ッドセンサにおいて、上記マルチパス成分検出手段は、
上記基準信号を1シンボル時間ずつ順次遅延したN−1
個の遅延基準信号を生成するN−1遅延段の遅延回路
と、上記基準信号及び上記N−1個の遅延基準信号のそ
れぞれと上記入力信号との乗算を行うN個の乗算器と、
上記N個の乗算器のそれぞれの出力を累積加算して加算
結果を相関値として出力するN個の累積加算器とを含
む。 - 【請求項4】請求項1または2に記載のディレースプレ
ッドセンサにおいて、上記マルチパス成分検出手段は、
上記入力信号のレプリカを生成するトランスバーサルフ
ィルタと、上記レプリカと上記入力信号との差分を出力
する差分手段と、上記差分が小さくなるように上記トラ
ンスバーサルフィルタのタップ係数を制御し、上記タッ
プ係数を上記マルチパス成分として出力する制御手段を
含む。 - 【請求項5】請求項1に記載のディレースプレッドセン
サにおいて、上記受信信号のトレーニング信号期間にお
いて上記基準信号を生成し上記マルチパス成分検出手段
に与える基準信号生成手段を含む。 - 【請求項6】入力信号を非線形増幅する非線形増幅手段
と、 上記非線形増幅手段からの出力を遅延検波する遅延検波
手段と、 上記入力信号を線形増幅する線形増幅手段と、 予め決めたトレーニング信号に対応する基準信号を生成
する基準信号生成手段と、 上記線形増幅手段の出力をIQ検波するIQ検波手段と、 上記IQ検波手段の検波出力が与えられ、それを適応等化
処理して復号する適応等化手段と、 上記遅延検波出力と上記IQ検波出力のいずれかが選択的
に与えられ、上記受信信号のトレーニング信号期間中に
上記基準信号との相関を取り、異なるパス毎の受信信号
成分レベルを推定し出力するマルチパス成分検出手段
と、 上記マルチパス成分検出手段により検出された全てのパ
スの上記受信信号成分レベルに対する各パスの受信信号
成分レベル比率を算出する成分比演算手段と、 上記遅延検波出力と上記適応等化処理出力のいずれかを
選択的に出力する出力スイッチ手段と、 上記成分レベル比率に基づいて上記出力スイッチ手段を
制御して上記遅延検波出力と上記適応等化処理出力の一
方を選択すると共に、非選択出力に対応する遅延検波手
段及び適応等化手段の一方に対する電源の供給を停止さ
せる制御手段、 とを含む検波切り替え回路。 - 【請求項7】請求項6に記載の検波切り替え回路におい
て、上記基準信号生成部は、既知の上記トレーニング信
号を保持するレジスタ手段と、上記適応等化手段の出力
を選択するかしないかに応じて上記レジスタ手段からの
上記トレーニング信号をそのまま、又は差動変換して上
記基準信号として上記マルチパス成分検出手段に与える
基準信号選択手段を含む。 - 【請求項8】請求項6又は7に記載の検波切り替え回路
において、上記IQ検波出力が与えられ、それを遅延検波
するベースバンド遅延検波手段と、上記IQ検波出力を上
記適応等化手段と上記ベースバンド遅延検波手段のいず
れかに選択して与える検波選択スイッチとを更に含み、
上記出力スイッチ手段は上記ベースバンド遅延検波手段
の検波出力も供給され、上記制御手段は上記マルチパス
成分のレベルとディレースプレッドに基づいて上記出力
スイッチ手段を制御して3つの上記検波出力の所望の1
つを選択出力すると共に、上記遅延検波手段、上記適応
等化手段及び上記ベースバンド遅延検波手段のうちの少
なくとも非選択検波出力に対応するものに対する電源の
供給を停止させる。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50340795A JP2769519B2 (ja) | 1993-10-12 | 1994-10-11 | ディレースプレッドセンサ及びそれを使った検波切り替え回路 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25453193 | 1993-10-12 | ||
JP5-254531 | 1993-10-12 | ||
JP50340795A JP2769519B2 (ja) | 1993-10-12 | 1994-10-11 | ディレースプレッドセンサ及びそれを使った検波切り替え回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2769519B2 true JP2769519B2 (ja) | 1998-06-25 |
Family
ID=26541716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50340795A Expired - Fee Related JP2769519B2 (ja) | 1993-10-12 | 1994-10-11 | ディレースプレッドセンサ及びそれを使った検波切り替え回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2769519B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013197979A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | Toshiba Corp | 受信機 |
-
1994
- 1994-10-11 JP JP50340795A patent/JP2769519B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013197979A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | Toshiba Corp | 受信機 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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