JP2769210B2 - タンパク質の精製方法 - Google Patents
タンパク質の精製方法Info
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- JP2769210B2 JP2769210B2 JP30080489A JP30080489A JP2769210B2 JP 2769210 B2 JP2769210 B2 JP 2769210B2 JP 30080489 A JP30080489 A JP 30080489A JP 30080489 A JP30080489 A JP 30080489A JP 2769210 B2 JP2769210 B2 JP 2769210B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は濾過膜を用いたタンパク質、特に生理活性を
有するタンパク質の分離、精製方法に関する。
有するタンパク質の分離、精製方法に関する。
従来、膜を用いたタンパク質の分離、精製が各分野で
行われている。特に食品、発酵分野では、各用途に限外
濾過方法がとり入れられ、たとえば大豆ホエーから生理
活性物質のβ−アミラーゼを膜分離法で濃縮精製する方
法(特開昭51−22874号公報)などが提案されている。
行われている。特に食品、発酵分野では、各用途に限外
濾過方法がとり入れられ、たとえば大豆ホエーから生理
活性物質のβ−アミラーゼを膜分離法で濃縮精製する方
法(特開昭51−22874号公報)などが提案されている。
本発明はタンパク質、特に生理活性物質を連続的に高
い収率で精製する方法を提供するものである。
い収率で精製する方法を提供するものである。
本発明は、タンパク質が吸着された吸着剤の乾燥粉末
に水を加え、撹拌したのち、親水性微多孔膜に前記タン
パク質混濁液を透過させることを特徴とするタンパク質
の精製方法である。
に水を加え、撹拌したのち、親水性微多孔膜に前記タン
パク質混濁液を透過させることを特徴とするタンパク質
の精製方法である。
本発明が対象とするタンパク質としては、分子量100
万以下のタンパク質があげられる。なかでも、酵素タン
パクやタンパクホルモン等の生理活性物質が好ましく用
いられる。
万以下のタンパク質があげられる。なかでも、酵素タン
パクやタンパクホルモン等の生理活性物質が好ましく用
いられる。
生理活性物質は動物の臓器等から抽出、精製されるこ
とが多い。抽出、精製方法としては、たとえば取り出さ
れた臓器をすりつぶしたり刻んで夾雑物を除いた液を、
硫酸アンモニウム等で塩析し、その後脱塩、濃縮、精製
する方法があげられる。塩析後の処理を行わずに、液中
に生理活性物質を可逆的に吸着する吸着剤を投入し、吸
着剤に生理活性物質を吸着させて一たん乾燥させ、精製
する際に再度水を加えて水中に生理活性物質を溶解さ
せ、吸着剤と分離し、濃縮することもできる。
とが多い。抽出、精製方法としては、たとえば取り出さ
れた臓器をすりつぶしたり刻んで夾雑物を除いた液を、
硫酸アンモニウム等で塩析し、その後脱塩、濃縮、精製
する方法があげられる。塩析後の処理を行わずに、液中
に生理活性物質を可逆的に吸着する吸着剤を投入し、吸
着剤に生理活性物質を吸着させて一たん乾燥させ、精製
する際に再度水を加えて水中に生理活性物質を溶解さ
せ、吸着剤と分離し、濃縮することもできる。
本発明は、タンパク質が吸着された吸着剤の乾燥粉末
に水を加え、充分撹拌して吸着剤に吸着されたタンパク
質を脱着させたのち、親水性微多孔膜でタンパク質を吸
着剤と分離するとともに精製する方法である。
に水を加え、充分撹拌して吸着剤に吸着されたタンパク
質を脱着させたのち、親水性微多孔膜でタンパク質を吸
着剤と分離するとともに精製する方法である。
用いられる吸着剤としては、目的とするタンパク質を
可逆的に吸着するものが選ばれ。たとえば、ケイソウ
土、パーライト等が用いられる。吸着剤の大きさは、1
〜50μmの範囲から選ばれる。
可逆的に吸着するものが選ばれ。たとえば、ケイソウ
土、パーライト等が用いられる。吸着剤の大きさは、1
〜50μmの範囲から選ばれる。
乾燥された吸着剤に加える水の量は適宜決定される
が、通常水に対する吸着剤の量が2〜3%から十数%と
なるように調製される。
が、通常水に対する吸着剤の量が2〜3%から十数%と
なるように調製される。
タンパク質を含む混濁液は水を主体とするので、膜は
親水性であることが必要である。膜の素材が親水性であ
ることは必ずしも必要でない。膜の強度、耐薬品性など
の点から、疎水性ポリマーからなる基材膜の少なくとも
表面に、親水性を付与した膜のほうがむしろ好ましい。
親水性であることが必要である。膜の素材が親水性であ
ることは必ずしも必要でない。膜の強度、耐薬品性など
の点から、疎水性ポリマーからなる基材膜の少なくとも
表面に、親水性を付与した膜のほうがむしろ好ましい。
基材膜の素材としては、ポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン;エチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィンから選ばれる
1種とテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレンなどのハロゲン化オレフィンとの共重合体;ポリ
フッ化ビニリデン;またはポリスルホンがあげられる
が、ポリエチレンが最も好ましい。
ンなどのポリオレフィン;エチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィンから選ばれる
1種とテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレンなどのハロゲン化オレフィンとの共重合体;ポリ
フッ化ビニリデン;またはポリスルホンがあげられる
が、ポリエチレンが最も好ましい。
基材膜に親水性を付与する手段としては、基材膜に中
性ヒドロキシル基をもつグラフト鎖を結合させる方法が
あげられる。中性ヒドロキシル基をもつグラフト鎖とし
てはポリビニルアルコールが好ましい。
性ヒドロキシル基をもつグラフト鎖を結合させる方法が
あげられる。中性ヒドロキシル基をもつグラフト鎖とし
てはポリビニルアルコールが好ましい。
中性ヒドロキシル基の量は、親水性微多孔膜1g当り0.
1〜20ミリ当量、好ましくは1〜10ミリ当量の範囲から
選ばれる。
1〜20ミリ当量、好ましくは1〜10ミリ当量の範囲から
選ばれる。
親水性微多孔膜は中空糸状であることが好ましい。内
径0.1〜10mm、膜厚0.05〜5mmの形状を有するものが効率
上好ましい。
径0.1〜10mm、膜厚0.05〜5mmの形状を有するものが効率
上好ましい。
親水性微多孔膜は、平均孔径が0.01〜1μmの範囲に
あることが好ましい。ここで平均孔径とは、ASTMF316−
70に記載されている方法による値を示しており、通常エ
アーフロー法と呼ばれ、空気圧を変えて乾燥膜と湿潤膜
の空気透過流束を測定し、その比から求めるものであ
る。また、多孔膜の空孔率は20〜90%、好ましくは50〜
90%の範囲から選ばれる。空孔率は、あらかじめ多孔膜
を水等の液体に浸漬し、その後乾燥させてその前後の重
量変化から測定したものである。
あることが好ましい。ここで平均孔径とは、ASTMF316−
70に記載されている方法による値を示しており、通常エ
アーフロー法と呼ばれ、空気圧を変えて乾燥膜と湿潤膜
の空気透過流束を測定し、その比から求めるものであ
る。また、多孔膜の空孔率は20〜90%、好ましくは50〜
90%の範囲から選ばれる。空孔率は、あらかじめ多孔膜
を水等の液体に浸漬し、その後乾燥させてその前後の重
量変化から測定したものである。
本発明においては、親水性微多孔膜として、上記疎水
性ポリマーからなる基材膜に、中性ヒドロキシル基をも
つグラフト鎖が結合したものを用いるのが好ましい。こ
の中性ヒドロキシル基をもつグラフト鎖が結合した膜に
タンパク質混濁液を透過させると、膜へのタンパク質の
吸着が抑制されるという効果が得られた。また、生理活
性を有するタンパク質を含む液をこの膜で濾過した場
合、濾液側のタンパク質の活性がほぼ100%維持されて
いることが確認された。
性ポリマーからなる基材膜に、中性ヒドロキシル基をも
つグラフト鎖が結合したものを用いるのが好ましい。こ
の中性ヒドロキシル基をもつグラフト鎖が結合した膜に
タンパク質混濁液を透過させると、膜へのタンパク質の
吸着が抑制されるという効果が得られた。また、生理活
性を有するタンパク質を含む液をこの膜で濾過した場
合、濾液側のタンパク質の活性がほぼ100%維持されて
いることが確認された。
実施例 カリクレインが吸着されたラジオライトの乾燥末を水
に5wt%分散させ、40分間撹拌した。この混濁液のpHは
5であった。
に5wt%分散させ、40分間撹拌した。この混濁液のpHは
5であった。
ポリエチレンからなる中空糸状多孔性基材膜にポリビ
ニルアルコールが中性ヒドロキシル基量として膜1g当り
4.8ミリ当量結合した親水性微多孔膜(平均孔径0.25μ
m、空孔率70%)を内蔵した膜面積0.09m2のモジュール
を用いて、上記混濁液の濾過を行った。
ニルアルコールが中性ヒドロキシル基量として膜1g当り
4.8ミリ当量結合した親水性微多孔膜(平均孔径0.25μ
m、空孔率70%)を内蔵した膜面積0.09m2のモジュール
を用いて、上記混濁液の濾過を行った。
濾過圧Pi/Po=0.6/0.3kg/cm2で、濾過4〜5分毎に水
による逆洗を5秒間(逆洗圧0.7kg/cm2)行いつつ、常
温で約1時間濾過を行った。
による逆洗を5秒間(逆洗圧0.7kg/cm2)行いつつ、常
温で約1時間濾過を行った。
平均濾過流量は112/m2・hr、濃縮倍率9.37倍で、そ
の濾過率は85%であった。得られたカリクレインの分子
量は27,000〜32,000であった。
の濾過率は85%であった。得られたカリクレインの分子
量は27,000〜32,000であった。
比較例 親水性微多孔膜のかわりに、ポリエチレンからなる中
空糸状微多孔膜(平均孔径0.25μm、空孔率70%)を用
い、濾過時間を70分としたほかは、実施例と同一の条件
で実施例と同一の混濁液を濾過した。
空糸状微多孔膜(平均孔径0.25μm、空孔率70%)を用
い、濾過時間を70分としたほかは、実施例と同一の条件
で実施例と同一の混濁液を濾過した。
平均濾過流量は50/m2・hr、濃縮倍率は1.79倍で、
その透過率は29%であった。
その透過率は29%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−83396(JP,A) 特開 昭58−94398(JP,A) 特開 昭56−53696(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 1/00 - 19/00 C12N 9/00 - 9/99
Claims (1)
- 【請求項1】タンパク質が吸着された吸着剤の乾燥粉末
に水を加え、撹拌したのち、親水性微多孔膜に前記タン
パク質混濁液を透過させることを特徴とするタンパク質
の精製方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30080489A JP2769210B2 (ja) | 1989-11-21 | 1989-11-21 | タンパク質の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30080489A JP2769210B2 (ja) | 1989-11-21 | 1989-11-21 | タンパク質の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03161497A JPH03161497A (ja) | 1991-07-11 |
JP2769210B2 true JP2769210B2 (ja) | 1998-06-25 |
Family
ID=17889303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30080489A Expired - Fee Related JP2769210B2 (ja) | 1989-11-21 | 1989-11-21 | タンパク質の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2769210B2 (ja) |
-
1989
- 1989-11-21 JP JP30080489A patent/JP2769210B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03161497A (ja) | 1991-07-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |