JP2768163B2 - 非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウムろう付け方法及び非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウムろう付け炉 - Google Patents
非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウムろう付け方法及び非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウムろう付け炉Info
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Description
用いるアルミニウムろう付け方法及び非腐蝕性フラック
スを用いるアルミニウムろう付け炉に関する。
によりアルミニウム部材のろう付け処理を行う方法が知
られている。このろう付け方法では、例えばマッフル炉
中で輻射のみによりろう付けを行う場合に比して強制対
流加熱を利用できるので、加熱効率が良く生産性が高
い。ただこの方法では、被ろう付け部材(以下、ワ−ク
という)に吸着されている有害ガス成分(例えば、酸素
ガスや水蒸気)や保護雰囲気ガス中の残存有害ガス成分
がろう付けに悪影響を与えるという問題があった。
20号公報は、保護雰囲気中で強制対流及び輻射により
アルミニウム部材を効率良く予熱しておき、その後、主
として輻射加熱によりろう付け処理を行うことを開示し
ている。このようにすれば、ろう付け時におけるろう付
け部位近傍の保護雰囲気ガスの流動が減り、その結果、
ろう付け部位への有害ガス成分の接触が低減される。
着したワ−クを主として輻射加熱を用い、従として対流
加熱を用いてろう付け処理することが提案されている。
た公報のろう付け方法、及び、フラックス被着済みワ−
クを保護雰囲気中で主に輻射加熱を用いてろう付け処理
する上記従来方法では、主として輻射によりワ−ク加熱
を行うので、ワ−クの形状や配置状態によってはワ−ク
間及びワ−ク各部の温度ばらつきが大きくなり、その結
果、昇温しにくいワ−ク部位ではろう材が充分に流れ
ず、ろう付け品質が低下する不具合が生じた。特に、こ
の温度ばらつき問題はワ−ク形状が非常に複雑であった
り、又は、生産性向上のためワ−クを高密度配置して一
括ろう付けする場合に深刻となる。
間、ワ−クを加熱すれば上記温度ばらつきを減らせる
が、このような加熱時間の延長はろう材によるアルミニ
ウム部材すなわちワ−クの浸食といった新たな不具合を
生じる可能性が考えられ、生産性も悪化してしまう。更
に上記したフラックス被着のワ−クを長時間加熱する場
合には、フラックスの蒸発により、ろう付け不良が生じ
る不具合があった。
温度ばらつきを低減することも可能であるが、この場合
にも配置密度減少率に比例して生産性が低下してしまう
という問題が生じてしまう。本発明は上記問題点に鑑み
なされたものであり、ワ−クのろう付け温度ばらつきの
低減、生産性の向上及び有害ガス成分の影響低減を全て
実現し得る、非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウム
ろう付け方法及び非腐蝕性フラックスを用いるアルミニ
ウムろう付け炉を提供することを、その目的としてい
る。
クスを用いるアルミニウムろう付け方法は、少なくとも
ろう付け部位に非腐蝕性フラックス及びろう材が被着さ
れたワ−クとしてのアルミニウム部材を保護雰囲気中で
予熱する予熱工程と、予熱済みワ−クを前記保護雰囲気
中で輻射よりも主としてろうつけ室内の循環ファンを用
いた強制対流により優勢に加熱し、550℃から600
℃までのワ−クの昇温を毎分5〜25℃の昇温速度で実
行して非腐蝕性フラックス活性化及びろう材溶融を順次
行うろう付け工程と、ろう付け済みワ−クを前記保護雰
囲気中で徐冷する徐冷工程とを備えることを特徴として
いる。
ミニウムろう付け炉は、非腐蝕性フラックス及びろう材
が被着されたワ−クとしてのアルミニウム部材を予熱す
るための予熱室、予熱済みワ−クを加熱し非腐蝕性フラ
ックス活性化及びろう材溶融を順次行うためのろう付け
室、及び、ろう付け済みワ−クを徐冷するための徐冷室
を備える気密可能な炉体と、 前記各室に保護雰囲気ガス
を充填する保護雰囲気ガス充填手段と、 ワ−クを前記予
熱室から前記ろう付け室を経由して前記徐冷室へ搬送す
る搬送手段と、 前記予熱室へのワ−ク搬入を行うワ−ク
搬入手段と、 前記徐冷室からのワ−ク搬出を行うワ−ク
搬出手段と、 前記予熱室及びろう付け室内に配設されて
前記保護雰囲気ガスを加熱するヒ−タと、前記ろう付け
室内に配設されて前記ろう付け室内に前記保護雰囲気ガ
スの強制対流を生起させる循環ファンと、前記ろう付け
室内に配設されて前記ワ−クへの輻射熱量を低減するこ
とにより前記ワ−クの加熱を主として前記強制対流によ
り行う輻射遮断部材と、を備えることを特徴としてい
る。なお、以下の記載において、フラックスは非腐蝕性
フラックスを意味するものとする。
まずろう材層が被着され、その上にフラックス層が被着
される。ろう材層は通常、アルミニウム部材厚さの5〜
10%の厚さに被着され、フラックス層は通常、水へフ
ラックスを3〜10%(Wt%)濃度のフラックス液を
塗布し被着されるかまたはアルミニウム部材表面へフラ
クッス粉末をエアスプレー等により被着される。
純アルミニウムの他、アルミニウムを主要成分とするア
ルミニウム合金を含む。フラックスとしては、弗化アル
ミニウム酸カリウム(KAlF4 ・K3 AlF 6 とK2
AlF5 ・H2 Oの一種または二種以上の混合物)を採
用することができる。
ミニウム合金ろう及びブレ−ジングシ−ト」に規定され
るBA4343、BA4045、BA4047等を採用
することができる。本発明のろう付け方法の好適な態様
において、ワ−クの温度は、非腐蝕性フラックス活性化
温度(例えば摂氏550度)からろう付け処理温度(例
えば摂氏600度)まで毎分摂氏5度以上25度以下、
好ましくは毎分摂氏10度以上20度以下の昇温速度で
上昇させられる。昇温速度を上記範囲に維持すれば、通
常の非腐蝕性フラックス液濃度(大体3から10%)を
変更することなく、この昇温時間中において非腐蝕性フ
ラックスが蒸発して不足するという事態は生じない。逆
に昇温速度がこの範囲以下となると、上記昇温時間中の
非腐蝕性フラックスの蒸発量が増大してしまい、ろう材
厚さが薄い場合にはろう付け品質が低下する可能性が生
じ、ろう材厚さを厚くする場合にはろう材の流れにより
融点が下がりワーク部材の浸食が発生する。
強制対流ガス温度、ワ−ク状態の3条件によりほぼ決定
される。風速は0.3から1.5m/s、好ましくは
0.6から1m/s(ワーク中央の位置で測定)、強制
対流ガス温度は(ワ−ク流入前において)摂氏550か
ら600度程度とすることが好適である。本発明のろう
付け方法の好適な態様において、ろう付け工程は、酸素
濃度100PPM以下、好ましくは50PPM以下とさ
れ、かつ、露点は摂氏−35度以下好ましくは摂氏−4
0度以下とされる。酸素濃度及び露点がこれ以下であれ
ば、上記通常のフラックス被着量において、ろう付け不
良は生じない。
て、ろう付け室へ保護雰囲気ガスを注入する保護雰囲気
ガス注入手段と、徐冷室及び予熱室入口部から保護雰囲
気ガスを排出する保護雰囲気ガス排出手段とが配設され
る。この場合、予熱室をワ−ク搬送可能に搬送方向へ気
通自在に複数の小室に分割し、更に下流側の小室から上
流側に隣接の小室へ保護雰囲気ガスを分流する分流ファ
ンを配設すると更に好適である。
て、フラックスとして弗化アルミニウム酸カリウムを採
用する場合、ワ−クは摂氏550度(フラックス活性化
温度)まで予熱室で予熱することが好ましい。予熱温度
がこれより高い場合には予熱室でのフラックスの蒸発が
問題となり、予熱温度がこれより低い場合にはろう付け
室での対流だけによる昇温に時間がかかるのでこの場合
にも、ろう付け室でのフラックスの蒸発量の増大が無視
できない。
て、ろう付け炉内のワ−ク搬送領域を搬送可能に囲むバ
ッフルが強制対流路形成のために、金属缶体により形成
され、更に、このバッフルの内面又は外面に断熱材を素
材とするパネル状の輻射遮断部材が取り付けられる。
材が被着されたワ−クとしてのアルミニウム部材は、搬
送手段により搬送されて予熱室で予熱され、ろう付け室
でろう付けされ、徐冷室で徐冷される。保護雰囲気充填
手段は各室に保護雰囲気ガスを充填し、ワ−ク搬入手段
はワ−クを予熱室へ搬入し、ワ−ク搬出手段はワ−クを
徐冷室から搬出する。ヒ−タは予熱室及びろう付け室内
の保護雰囲気ガスを加熱し、循環ファンはろう付け室内
に保護雰囲気ガスの強制対流を生起させて予熱済みのワ
−クを加熱してフラックスを溶融、活性化し、次いでろ
う材を溶融しろう付け処理が成される。この活性化され
たフラックスは有害ガス成分からワ−クのろう付け面を
保護する。ろう付け室内に設けられた輻射遮断部材はワ
−クへの熱輻射を遮断し、輻射のばらつきによる各ワ−
ク間及びワ−ク各部間の温度ばらつきを防止する。
ラックスを用いるアルミニウムろう付け方法では、保護
雰囲気ガス中で非腐蝕性フラックス及びろう材被着済み
のアルミニウム部材を、主として炉内循環ファンを用い
た強制対流によりワ−ク加熱を行い、更に、550℃か
ら600℃までのワ−クの昇温を毎分5〜25℃の昇温
速度で実行する。このようにすれば、強制対流によって
ワ−クを均一加熱し、かつ、この強制対流により生じる
ろう付け面への有害ガス成分の接触を活性化した非腐蝕
性フラックスにより良好に被覆し続けることができるの
で、ワ−クのろう付け温度のばらつきによるろう付け不
良の低減と、ろう付け時のワ−クの高密度配置による生
産性の向上と、ろう付け部位への有害ガス成分の接触に
よるろう付け不良の低減とを全て実現することができ、
その結果として、従来方法に比べて格段に高い生産性及
び歩留りを有するアルミニウムろう付け方法を提供する
ことができる。また、非腐蝕性フラックスが活性化する
温度からろう材が溶融する温度までのろう付け虚け温度
近傍における昇温が適切となるので、ろう付け不良を低
減して歩留りの一層の向上を実現することができる。
ミニウムろう付け炉では、保護雰囲気ガスの強制対流が
生起されるろう付け室内に、ヒータからワ−クへの輻射
を遮断する輻射遮断部材を配設して、ろう付け時のワ−
ク加熱を主として室内循環ファンの付設に基づく強制対
流で行うという構成を採用するので、上述した特にろう
付け温度近傍における昇温速度を最適範囲に保ち、ワ−
ク各部の温度ばらつきを容易に低減して、歩留まり低
減、生産性向上を図ることができる。
実施例として車両用熱交換器のろう付け供される炉を図
面を参照して説明する。まずこの炉の基本構成を説明す
れば、厚さ約30cmの断熱気密壁10で囲まれて入口
11及び出口30に連通する細長の内部空間Sを有する
炉体1が設けられ、炉体1の入口側には入口側ベスチブ
ル2が隣接配置され、炉体1の出口側には出口側ベスチ
ブル3が隣接配置され、出口側ベスチブル3の出口に隣
接して冷却室4が配設されている。断熱気密壁10は、
セラミックス材を用いた断熱壁とこの断熱壁を覆う金属
板壁とからなる。
搬送、搬出を行うためにコンベヤ(搬送手段、ワ−ク搬
入手段、ワ−ク搬出手段)51から58が一列に配設さ
れ、これら各部1から3内へ窒素ガス(雰囲気ガス)を
充填するために充填配管系(保護雰囲気ガス充填手段)
61から63が配設され、これら各部1から3内のガス
を排出するため排出配管系(保護雰囲気ガス排出手段)
71から73が配設されている。
設され、一方、炉体1外には分流ファン91が配設され
ている。更にこの炉の主要な特徴をなすものとして、炉
体1内の搬送方向下流部には、輻射遮断用の輻射遮断部
材9(図3参照)が配設されている。以下、各部の詳細
について説明する。
2.6m、長さ15mで、炉体1の内部空間は入口11
から出口30へ順番に、搬入室12、予熱室13、ろう
付け室14、搬出室を兼ねる徐冷室15に分割される。
予熱室13は搬送方向に沿って4個の小室Rに分割さ
れ、ろう付け室14も搬送方向に沿って2個の小室Rに
分割されている。
開口(高さ90cm×横100cm)を有する隔壁によ
り互いに仕切られ、同様に搬入室12と予熱室13との
間、ろう付け室14と徐冷室15との間にも同構造の隔
壁が配設されて無駄なガス流を抑止している。入口側ベ
スチブル2はガス交換用の気密可能な準備室であって、
入口には扉21が昇降可能に配設されたドアフ−ド22
が配設され、出口には扉23が昇降可能に配設されたド
アフ−ド24が配設され、これら扉21、23の遮蔽に
より内部のベスチブル室が気密化される。
あって、入口には扉31が昇降可能に配設されたドアフ
ード32が配設され、出口には扉33が昇降可能に配設
されたドアフード34が配設され、これら扉31、33
の遮蔽により内部のベスチブル室が気密化される。ドア
フード24は入口側ベスチブル2と炉体1の入口11と
の間に介設されており、ドアフード24には炉体1の入
口11を開閉する扉28が昇降可能に配設されている。
ドアフード32は出口側ベスチブル3と炉体1の出口3
0との間に介設されており、ドアフード32には炉体1
の出口30を開閉する扉29が昇降可能に配設されてい
る。扉28、29の閉鎖により炉体1の内部空間は気密
化される。上記した各ドアフード、24、32、は扉及
び扉昇降装置を内蔵する金属密閉角箱である。
けられており、冷却室4の天井部には強力なワ−ク冷却
用排気ファン41が配設されている。コンベヤ51は入
口側ベスチブル2内へワ−クを装入するための装入コン
ベヤであり、入口側ベスチブル2内に配設されたコンベ
ヤ52はベスチブル内搬送コンベヤである。搬入室12
内に配設されたコンベヤ53はベスチブル搬出コンベヤ
であり、予熱室13及びろう付け室14内に配設された
コンベヤ54は搬送コンベヤである。徐冷室15に配設
されたコンベヤ55はベスチブル搬入コンベヤであり、
出口側ベスチブル3内に配設されたコンベヤ56はベス
チブル内搬送コンベヤであり、コンベヤ58は出口側ベ
スチブル3内からワ−クを搬出するための搬出コンベヤ
である。
窒素ガスを充填する配管であり、充填配管系62はろう
付け室14の二小室Rに窒素ガスを充填する配管であ
り、充填配管系63は出口側ベスチブル3内に窒素ガス
を充填する配管である。排出配管系71は入口側ベスチ
ブル2内のガスを排出する配管であり、排出配管系72
は搬入室12からガスを排出する配管であり、排出配管
系73は徐冷室15からガスを排出する配管であり、排
出配管系74は出口側ベスチブル3内からガスを排出す
る配管である。
ついて以下に説明する。図2に予熱室13の搬送方向と
直交する断面を示し、図3にろう付け室14の搬送方向
と直交する断面を示す。ヒ−タ7は、発熱電力6KWの
抵抗線を内蔵したパイプヒータであって、予熱室13の
各小室Rにそれぞれ6個配設されており、天井から両側
壁内面に近接しつつ垂下している。
設置され、減速モ−タ81の駆動軸に連結される回転軸
が天井を回転自在に貫通して垂下され、回転軸先端には
循環ファン8が天井部近傍に取り付けられている。循環
ファン8の回転数は900rpmで、直径は約80c
m、8枚羽根形式である。循環ファン8は予熱室13及
びろう付け室14の各小室Rに各1個の割りで配設され
ている。
びろう付け室14の中央部はワ−ク搬送領域となってい
て、このワ−ク搬送領域を囲んで下端だけが開口したバ
ッフル16が取り付けられている。バッフル16は両側
のヒ−タ7から水平方向に約20cm、炉体1の底面か
ら垂直方向に約40cm離れている。金属缶体であるバ
ッフル16は強制対流路を小室R内に区画形成するとと
もに、ヒ−タ7から受熱して高温となってワ−クを輻射
加熱する役割を有している。バッフル16の上端には、
循環ファン8を囲むシュラウド82が配設され、これに
より、循環ファン8が生起した強制対流が図2及び図3
内に矢印のように循環する。
分流ファン91がそれぞれ配設されている(図1では、
片側の分流ファン91のみを示す。)。各分流ファン9
1は、ガス配管17によりそれぞれ、搬送方向下流側の
小室Rから上流側に隣接する小室Rへ保護雰囲気ガスを
送気する。ガス配管17は図2及び図3に示すように、
炉体1の側壁下部を貫通して配設されている。
う付け室14の二小室Rに窒素ガスが供給され、搬入室
12及び徐冷室15から排出されるので、ろう付け室1
4から予熱室13を通じて搬入室12へ流れる気流と、
ろう付け室14から徐冷室15へ流れる気流が生じる。
ろう付け室14には主に吸着などによりワ−クに随伴し
て有害ガス成分(酸素ガス、水蒸気、オイルミスト)が
侵入するが、侵入した有害ガス成分は、上記した気流に
乗って排出される。
の経路より、ろう付け室14から搬入室12までの経路
が長く、その流体抵抗が大きいので、各分流ファン91
によりろう付け室14から搬入室12への気流を促進し
ている。すなわち、これら分流ファン91によりワ−ク
に随伴する有害ガス成分は、ろう付け室14に達する前
に予熱室13で少しづつ還流され、その結果としてろう
付け室14に達する有害ガス成分を低減することができ
る。
の比較から明らかなように、予熱室13の各小室Rと同
じ構成であり、ただ、バッフル16の両外側面に断熱材
を素材とするパネル状の輻射遮断部材9が張設されてい
る点が異なっている。この輻射遮断部材9は、具体的に
はセラミック材を素材としており、厚さ10cmで搬送
方向にはろう付け室14一杯に配設されている。輻射遮
断部材9の外面とヒ−タ7との間の間隔は10cmに設
計されている。
実施例のろう付け方法の特徴をなす作用を以下に説明す
る。まず、ワ−クは、ろう材層が被着され、その上にフ
ラックス層が被着されたアルミニウム管を素材とする熱
交換器であって、ろう材層の厚さはアルミニウム部材厚
さの5〜10%厚さ、フラックス層の厚さはフラックス
液3〜10%濃度を塗布されている。フラックスとして
は弗化アルミニウム酸カリウムが採用され、ろう材とし
てはAl−Si系が採用される。
m、高さ約5cmであって、このワ−クを積み重ねるこ
となく、互いに約8cmの間隔を開けて、搬送用の金網
バスケット100中に配置し、この金網バスケット10
0をコンベヤ51上に載置する。次に、入口側ベスチブ
ル2の扉21を開き、コンベヤ51、52を同期運転し
てワ−クを入口側ベスチブル2内へ搬入した後、扉21
を閉じる。
ベスチブル2を0.1Torrまで排気した後、不活性
ガスである窒素ガスを大気圧まで充填する。次に、扉2
3、28を開き、コンベヤ52、53を高速同期運転し
て入口側ベスチブル2から炉体1内の搬入室12へワ−
クを搬入する。搬入室12に搬入されたワ−クは、コン
ベヤ53、54の低速同期運転により搬入室12から予
熱室13、ろう付け室14、最後に徐冷室15へ連続搬
送される。この間、強制対流及び主としてバッフル16
からの輻射により予熱室13内で摂氏約550度まで予
熱される。なお、バッフル16はヒ−タ7からの輻射に
より摂氏約400〜560度に加熱されている。
射遮断部材9の装着により、ヒ−タ7からバッフル16
への輻射が抑圧され、それによりバッフル16の温度が
低温(ほぼガス温度)となっているので、バッフル16
からワ−クへの輻射熱量は大幅に削減されている。その
結果、ワ−クはほぼ強制対流により加熱されるので、ワ
−クの各ろう付け部位間及び各ワ−ク間の温度ばらつき
が低減され、この温度ばらつきによるろう付け不良が低
減される。ろう付け室14に入ったワ−クは、主に強制
対流だけで加熱され、それによりフラックスがまず溶
融、活性化し、次に、ろう材が溶融してろう付けが実行
される。
との関係を示す。ろう付け室14で、ワ−クはフラック
ス活性化温度(例えば摂氏550度)からろう付け処理
温度(例えば摂氏600度)まで毎分摂氏5度の昇温速
度で上昇させられる。このようにすると、フラックス蒸
発量を許容範囲内に維持できるので、ろう付け不良を発
生させることが無い。昇温速度は、風速、強制対流ガス
温度、ワ−ク状態の3条件によりほぼ決定される。強制
対流ガス温度を極端に高くすることはワークの温度ばら
つきが大きくなり、ここではワ−クに流入する窒素ガス
温度を摂氏約600度、風速を0.3m/s(ワーク中
央の位置で測定)以上としている。これにより、ワ−ク
のフラックス活性化温度からろう付け処理温度まで平均
して毎分摂氏5度の昇温することができる。なお、ろう
付け室14における酸素濃度は50PPM以下とし、か
つ、露点は摂氏−40度以下とした。
54、55の同期低速運転により徐冷室15に送られて
摂氏約540度以下まで徐冷された後、扉29、31を
開けて、コンベヤ55、56を高速同期運転することに
より、ワ−クを出口側ベスチブル3に送る。次に、扉2
9、31を閉め、扉33を開けて、コンベヤ56、57
を同期運転することにより、ワ−クを冷却室4に送り、
ここでハンドリング容易な温度まで急速冷却した後、コ
ンベヤ57、58を同期運転することにより搬出する。
氏550度)からろう付け処理温度(例えば摂氏600
度)までの昇温速度と、ろう付け良品率との関係を示
す。ただし、昇温速度以外の条件はこの実施例に等し
い。ろう付け良品率はワークのろう付け部のもれ検査に
より行った。なお、上記昇温速度は強制対流加熱を主と
する場合において、毎分摂氏26度以上とするのは種々
の点で困難であり、ろう付け室14における上記昇温速
度は結局、毎分摂氏5度から25度とするのが好まし
い。
だろう付けにおいて強制対流及び輻射の両方で加熱する
従来の炉に比べて、ろう付け品質を低下することなく金
網バスケット100中に3倍の密度でワ−クを収容で
き、大幅な生産性向上が可能となった。更に、上記実施
例では連続ろう付け炉について説明したが、本発明のろ
う付け方法は、他の形式のろう付け炉に適用できること
は当然である。例えば、小規模のろう付け炉として、予
熱室とろう付け室とが共通となっていて、入口側ベスチ
ブルと出口側ベスチブルとが共通となっていて、バッチ
運転されるろう付け炉に適用することができる。この場
合、予熱時に輻射及び強制対流でワ−クを急速加熱し、
フラックス活性化温度からろう付け処理温度まで主とし
て強制対流で加熱するために、バッフルとヒ−タとの
間、又は、バッフルとワ−クとの間に可動の輻射遮断部
材を設け、予熱時には、輻射遮断部材を上記位置から離
脱させておき、予熱終了後、輻射遮断部材を上記位置に
復帰させればよい。その他、ワ−クの両側にそれぞれ断
熱パネルを挟んで輻射専用ヒ−タバッフル側に、強制対
流専用ヒ−タを炉体側壁側に配設してもよい。そして、
予熱時には両ヒ−タで輻射及び強制対流で急速加熱し、
ろう付け時には強制対流のみで温度ばらつきを抑止しつ
つ加熱を行えばよい。
バッフル16に接する必要はなく、ヒ−タ7から直接あ
るいはバッフル16を介してのワ−クへの輻射を低減で
きる配置であればよい。
表す模式断面図、
ラフ、
との関係を示すグラフ、
は保護雰囲気充填手段、54はコンベヤ(搬送手段)、
52、53はコンベヤ(ワ−ク搬入手段)、55、56
はコンベヤ(ワ−ク搬出手段)、7はヒ−タ、8は循環
ファン、9は輻射遮断部材
Claims (3)
- 【請求項1】少なくともろう付け部位に非腐蝕性フラッ
クス及びろう材が被着されたワ−クとしてのアルミニウ
ム部材を保護雰囲気中で予熱する予熱工程と、 予熱済みワ−クを前記保護雰囲気中で輻射よりも主とし
てろうつけ室内の循環ファンを用いた強制対流により優
勢に加熱し、550℃から600℃までのワ−クの昇温
を毎分5〜25℃の昇温速度で実行して非腐蝕性フラッ
クス活性化及びろう材溶融を順次行うろう付け工程と、 ろう付け済みワ−クを前記保護雰囲気中で徐冷する徐冷
工程とを備えることを特徴とする非腐蝕性フラックスを
用いるアルミニウムろう付け方法。 - 【請求項2】前記ろう材としてAl−Si系を採用し、
前記非腐蝕性フラックスとして弗化アルミニウム酸カリ
ウムKAlF4 ,K3 AlF6 とK2 AlF5 ・H2O
の一種または二種以上の混合物を採用する請求項1記載
の非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウムろう付け方
法。 - 【請求項3】非腐蝕性フラックス及びろう材が被着され
たワ−クとしてのアルミニウム部材を予熱するための予
熱室、予熱済みワ−クを加熱し非腐蝕性フラックス活性
化及びろう材溶融を順次行うためのろう付け室、及び、
ろう付け済みワ−クを徐冷するための徐冷室を備える気
密可能な炉体と、 前記各室に保護雰囲気ガスを充填する保護雰囲気ガス充
填手段と、 ワ−クを前記予熱室から前記ろう付け室を経由して前記
徐冷室へ搬送する搬送手段と、 前記予熱室へのワ−ク搬入を行うワ−ク搬入手段と、 前記徐冷室からのワ−ク搬出を行うワ−ク搬出手段と、 前記予熱室及びろう付け室内に配設されて前記保護雰囲
気ガスを加熱するヒ−タと、前記ろう付け室内に配設されて 前記ろう付け室内に前記
保護雰囲気ガスの強制対流を生起させる循環ファンと、 前記ろう付け室内に配設されて前記ワ−クへの輻射熱量
を低減することにより前記ワ−クの加熱を主として前記
強制対流により行う輻射遮断部材と、 を備えることを特徴とする非腐蝕性フラックスを用いる
アルミニウムろう付け炉。
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