JP2767898B2 - 赤外線センサ及びその駆動方法 - Google Patents

赤外線センサ及びその駆動方法

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JP2767898B2 JP1153975A JP15397589A JP2767898B2 JP 2767898 B2 JP2767898 B2 JP 2767898B2 JP 1153975 A JP1153975 A JP 1153975A JP 15397589 A JP15397589 A JP 15397589A JP 2767898 B2 JP2767898 B2 JP 2767898B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、赤外線領域の光信号を電気信号に変換する
赤外線センサとその駆動方法に関する。
(従来の技術) 従来のこの種の赤外線センサとしては、特開昭63−23
7583号公報(昭和62年特許願第73240号)で提示したも
のがある。
この赤外線センサは、第1導電型の縮退半導体からな
る光電変換領域と;第1導電型の非縮退半導体からなる
キャリア注入領域と;これら光電変換領域とキャリア注
入領域との間に存在し、不純物濃度がキャリア注入領域
より低い第1導電型半導体か、真性半導体か、あるいは
少なくとも動作条件下で完全空乏化状態となる第2導電
型半導体からなるポテンシャル障壁領域とから構成され
るホモ接合構造のデバイスである。
このセンサにおける光電変換の動作原理について、第
6図(a),(b)を用いて説明する。
第6図(a)は第1導電型がp型で第2導電型がn型
の場合、同図(b)は逆に第1導電型がn型で第2導電
型がp型の場合におけるエネルギー帯構造及び光電変換
機構を示している。
まず、第6図(a)の第1導電型がp型で第2導電型
がn型の場合について述べる。
光電変換領域36はp型縮退半導体から成り立ってりる
ので、非縮退状態では価電子帯端Ev近傍に局在していた
アクセプタ不純物準位が局在性を失って広がりを持ち、
価電子帯39と重なりを生じている。この状態ではフェル
ミ準位Efが価電子帯39内部に入り込んでくるため、この
領域ではフェルミ準位Efと価電子帯端Evとの間に空準位
42が存在している。キャリア注入領域38はp型非縮退半
導体からなり、光電変換領域36とキャリア注入領域38と
の間に存在するポテンシャル障壁領域37は、アクセプタ
不純物濃度がキャリア注入領域38より低いp型半導体
か、真性半導体か、あるいは少なくとも動作条件下で光
電変換領域36との接合界面から伸びる空乏層のキャリア
注入領域38との接合界面から伸びる空乏層とによって完
全空乏化状態となるドナ不純物濃度及び厚さを有するn
型半導体から成り立っているので、フェルミ準位Efはキ
ャリア注入領域38においては価電子帯端Ev近傍に存在
し、ポテンシャル障壁領域37においては半導体からなる
三領域の中で最も伝導帯端Ecの近くに存在する。従っ
て、ポテンシャル障壁領域37及び他の二領域36,38のポ
テンシャル障壁領域37との接合界面近傍には価電子帯39
中のホールに対して障害となるポテンシャル障壁が形成
される。特に、光電変換領域36における価電子帯39中の
ホールに対するポテンシャル障壁はΦである。
禁制帯幅Eg以上のエネルギーを持つ光は、半導体内の
入射面近傍において、ほとんど吸収されてしまうが、禁
制帯幅Egより小さいエネルギーの光(このような光は通
常赤外光)は、キャリア注入領域38及びポテンシャル障
壁領域37において、ほとんど吸収されずに透過し、光電
変換領域36に入射する。
光電変換領域36では、価電子帯39中のフェルミ準位下
の電子が入射した赤外光46のエネルギーhvを吸収し、フ
ェルミ準位下からフェルミ準位Efと価電子帯端Evとの間
の空準位42へ遷移して、ホット電子43とホットホール44
を形成する。これらホット電子43とホットホール44は、
光電変換領域36内において、再結合するまで、どの方向
へも発生確率がほぼ等しい運動をするが、ホットホール
44が運動中にポテンシャル障壁領域37に達し、それがポ
テンシャル障壁Φより大きいエネルギーを持っている
場合には、ポテンシャル障壁領域37を通過して、キャリ
ア注入領域38へ注入される確率がある。ホットホール44
がキャリア注入領域38へ注入されると、光電変換領域36
に取り残されたホット電子43とキャリア注入領域38へ注
入されたホットホール44とが信号電荷となる。
一方、第6図(b)の第1導電型がn型で第2導電型
がp型の場合も、以下のように、光電変換の動作原理
は、第1導電型がp型で第2導電型がn型の場合とほぼ
同様となる。
光電変換領域48はn型縮退半導体から成り立っている
ので、非縮退状態では伝導帯端Ec近傍に局在していたド
ナ不純物準位が局在性を失って広がりを持ち、伝導帯53
と重なりを生じている。この状態ではフェルミ準位Ef
伝導帯53内部に入り込んでくるため、この領域ではフェ
ルミ準位Efと伝導帯端Ecとの間が電子54で占められてい
る。キャリア注入領域50はn型非縮退半導体からなり、
光電変換領域48とキャリア注入領域50との間に存在する
ポテンシャル障壁領域49は、ドナ不純物濃度がキャリア
注入領域50より低いn型半導体か、真性半導体か、ある
いは少なくとも動作条件下で光電変換領域48との接合界
面から伸びる空乏層とキャリア注入領域50との接合界面
から伸びる空乏層とによって完全空乏化状態となるアク
セプタ不純物濃度及び厚さを有するp型半導体から成り
立っているので、フェルミ準位Efはキャリア注入領域50
においては伝導帯端Ec近傍に存在し、ポテンシャル障壁
領域49においては半導体からなる三領域の中で最も価電
子帯端Evの近くに存在する。従って、ポテンシャル障壁
領域49及び他の二領域48,50のポテンシャル障壁領域49
との接合界面近傍には伝導帯53中の電子に対して障害と
なるポテンシャル障壁が形成される。特に、光電変換領
域48における伝導帯53中の電子に対するポテンシャル障
壁はΦである。
赤外光58(hv<Eg)は、前述の場合と同様、キャリア
注入領域50及びポテンシャル障壁領域49においてほとん
ど吸収されずに透過し、光電変換領域48に入射する。
光電変換領域48では、伝導帯53中のフェルミ準位Ef
伝導帯端Ecとの間の電子54が、入射した赤外光58のエネ
ルギーhvを吸収し、フェルミ準位下からフェルミ準位上
の空準位へ遷移して、ホット電子55とホットホール56を
形成する。これらホット電子55とホットホール56は、前
述の場合と同様、光電変換領域48内において、再結合す
るまで、どの方向へも発生確率がほぼ等しい運動をする
が、ホット電子55が運動中にポテンシャル障壁領域48に
達し、それがポテンシャル障壁Φより大きいエネルギ
ーを持っている場合には、ポテンシャル障壁領域49を通
過して、キャリア注入領域50へ注入される確率がある。
ホット電子55がキャリア注入領域50へ注入されると、光
電変換領域49に取り残されたホットホール56とキャリア
注入領域50へ注入されたホット電子55とが信号電荷とな
る。
以上述べた動作原理であるため、該赤外線センサの遮
断波長は、ポテンシャル障壁ΦあるいはΦによって
決定付けられるが、これらのポテンシャル障壁は、ポテ
ンシャル障壁領域の導電型,ポテンシャル障壁領域の厚
さ,半導体からなる三領域の不純物濃度のバランス,及
びバイアス条件を制御することによって、零〜pn接合の
拡散電位に相当するエネルギー程度の間の任意の大きさ
に設定することができる。従って、該赤外線センサは、
遮断波長の設定自由度が極めて大きいという特徴を有す
るものである。
なお、ポテンシャル障壁が低いために、室温におい
て、熱励起によりポテンシャル障壁領域を横切ることの
できるキャリアが多く、それに伴って暗電流が大きい場
合には、該赤外線センサは冷却して使用される。
(発明が解決しようとする課題) 上述した赤外線センサの感度に影響を与える因子の中
に、光電変換領域からキャリア注入領域へのホットキャ
リアの注入効率と光電変換領域における赤外線吸収率が
ある。光電変換領域は、縮退半導体であるため、ホット
キャリアの寿命を縮める要因となる、イオン化した不純
物によるホットキャリアの散乱が多い。ホットキャリア
の寿命が長くなると、光電変換領域とポテンシャル障壁
領域との接合界面に入射する機会を持つホットキャリア
の数が多くなるので、光電変換領域の不純物濃度を低く
したほうが、キャリア注入領域へのホットキャリアの注
入効率が高くなる。しかしながら、光電変換領域の不純
物濃度を下げると、赤外線吸収率が低下するという矛盾
を、該センサは持っている。
本発明の目的は、上述した赤外線センサの問題点を排
除した、より高感度の赤外線センサ及びその駆動方法を
提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上述した課題を解決するため、本発明の赤外線センサ
は、第1導電型半導体からなる光電変換領域と、同じく
第1導電型半導体からなるキャリア注入領域と、光電変
換領域及びキャリア注入領域より不純物濃度が低い第1
導電型半導体か、真性半導体か、あるいは第2導電型半
導体からなるポテンシャル障壁領域とを有し、それら
が、光電変換領域/ポテンシャル障壁領域/キャリア注
入領域の積層で、かつ、ホモ接合構造を構成し、前記光
電変換領域と対向する位置に絶縁膜を介して電極を具備
することを特徴とし、その駆動において、光電変換領域
に多数キャリアを注入する行程と、その行程の後に、ポ
テンシャル障壁領域のポテンシャル障壁高さを遮断波長
に相当する高さに設定する行程と、さらにその行程の後
に、光電変換領域の多数キャリアを外部に読み出す行程
とを含むことを特徴とする。
(作用) 本発明の赤外線センサでは、赤外線吸収及び光電変換
を、光電変換領域に添加した不純物から供給される自由
キャリアによって行うのではなく、絶縁膜を介して光電
変換領域と対向した電極に電位を与えて光電変換領域に
ポテンシャル井戸を形成し、そこに注入して蓄えた多数
キャリアによって行う。従って、本発明では、光電変換
領域の不純物濃度を低下させても、赤外線吸収を充分に
行うことができ、従来の赤外線センサが持つ問題点を排
除できる。
また、本発明の駆動方法は、ポテンシャル井戸の形
成,多数キャリアの注入,ポテンシャル障壁高さの制
御,多数キャリアの読み出しを行うものなので、本発明
の赤外線センサの特徴を効果的に引き出すことができ
る。
(実施例) (実施例1) 第1図は、本発明の赤外線センサの第一実施例の縦断
面構造図である。
本実施例では、両面とも鏡面に磨かれた単結晶Si基板
を素材としているが、他の半導体材料を用いることもで
きる。
n型単結晶Si基板6内において、基板作製時のままの
領域がキャリア注入領域5であり、赤外光13の入射面で
ある裏面には反射防止膜12を施している。表面には非縮
退のn型ウェル8が設けてあり、このn型ウェル8と対
向するように、絶縁膜(熱酸化SiO2膜)2を介してΦVS
電極1及びΦVG電極10が形成してある。n型ウェル8中
のΦVS電極1と対向する領域が光電変換領域3である。
ΦVG電極10は信号電荷を読み出すためのトランスファゲ
ート電極である。光電変換領域3とキャリア注入領域5
との間にポテンシャル障壁領域4を形成してあり、その
ポテンシャル障壁領域4は、光電変換領域3及びキャリ
ア注入領域5より不純物濃度が低いn型か、真性か、p
型である。ポテンシャル障壁領域4の周囲で、なおか
つ、n型ウェル8を覆って、p型ウェル7を設けてあ
る。n型ウェル8内には、光信号電荷を読み出すための
n+型ドレイン領域9があり、そのn+型ドレイン領域9に
アルミニウム等からなる金属配線11が接続してある。
本実施例における光電変換の動作を、第2図及び第3
図(a),(b)も交えて説明する。第2図は、本実施
例のΦVS電極1,キャリア注入領域5(n型単結晶Si基板
6),及びΦVG電極10に印加するパルス信号系の例を示
すタイミング図である。p型ウェル7は、一定電位、例
えば第1図に示すようにグアウンド電位(零)に保持す
る。第3図は、本実施例の光電変換機構をエネルギー帯
構造によって表した説明図であり、(a)は、光電変換
領域3に多数キャリアである電子を注入する行程を示し
ており、(b)は、光電変換領域3に電子を注入する行
程の後に行う、ポテンシャル障壁領域4における光電変
換領域3側のポテンシャル障壁高さを遮断波長に相当す
る高さに設定し、赤外光を検出する行程を示している。
第2図におけるA−B間の1周期に着目する。
Aのタイミングにおいて、ΦVS電極1に正電位を印加
すると、n型ウェル8中の光電変換領域3にポテンシャ
ル井戸が形成される。光電変換領域3のポテンシャルの
低下に引きずられて、ポテンシャル障壁領域4における
キャリア注入領域5側のポテンシャル障壁が減少する
が、ΦVS電極1に印加した電位は、それだけでは、キャ
リア注入領域5から光電変換領域3に電子が流れ込まな
い程度、ポテンシャル障壁領域4のキャリア注入領域5
側にポテンシャル障壁が残る大きさである。この時点で
は、ΦVG電極10の電位は、トランスファゲートが閉じて
いるレベルである。
のタイミングにおいて、キャリア注入領域5に負電
位を印加し、ポテンシャル障壁領域4におけるキャリア
注入領域5側のポテンシャル障壁高さを低下させ、キャ
リア注入領域5から光電変換領域3に電子17を流し込
み、蓄積させる(第3図(a))。ただし、キャリア注
入領域5に印加する負電位は、p型ウェル7との間に順
方向電流が大量に流れ出さない程度に留めている。
のタイミングにおいて、ΦVS電極1に印加した正電
位はそのままにし、キャリア注入領域5に正電位を印加
すると、ポテンシャル障壁4における光電変換領域3側
のポテンシャル障壁高さは低下し、キャリア注入領域5
側のポテンシャル障壁高さは増加する。ΦVS電極1に印
加した正電位と、キャリア注入領域5に印加した正電位
との兼ね合いで、光電変換領域3側のポテンシャル障壁
高さを任意に設定できるので、キャリア注入領域5に印
加する正電位は、ポテンシャル障壁高さが所望する遮断
波長に相当する高さとなる大きさにする。光電変換領域
3に蓄積されている電子は、光電変換領域3側のポテン
シャル障壁高さが高いうちにも、キャリア注入領域5側
から入射した赤外光13を吸収し、励起して、ホット電子
18となっているものがあるが、その時点では、ホット電
子18がポテンシャル障壁領域4を通過して、キャリア注
入領域5に入射することができない。しかしながら、光
電変換領域3側のポテンシャル障壁高さを遮断波長に相
当する高さに設定している間は、光電変換領域3のホッ
ト電子18のうち、遮断波長に相当するエネルギーより大
きい運動エネルギーを持つものは、キャリア注入領域5
に入射することができる(第3図(b))。
一定期間(−間)、キャリア注入領域5の電位を
維持した後、のタイミングにおいて、キャリア注入領
域5の電位をAの時点と同じ電位(零)、すなわち、光
電変換領域3のホット電子18がキャリア注入領域5に放
出されず、かつ、キャリア注入領域5から光電変換領域
3へ電子17が流れ込まないポテンシャル障壁高さとなる
電位に下げる。
のタイミングにおいて、ΦVG電極10の電位を変化さ
せ、トランスファゲートを開く。
のタイミングにおいて、ΦVS電極1の電位を、光電
変換領域3のポテンシャル井戸が消滅するように変化さ
せ、光電変換領域3に残っていた電子をn+型ドレイン領
域9に掃き出し、金属配線11より出力させる。光電変換
領域3に残っていた電子は、−期間に蓄える電子量
が、ΦVS電極1に印加した正電位とキャリア注入領域5
に印加した負電位とで、一義的に定まるので、入射赤外
光に応じた減少分の情報を持つ信号電荷である。
のタイミングにおいて、ΦVG電極10の電位を変化さ
せ、トランスファゲートを閉じる。
Bのタイミングにおいて、Aと同様になる。
以上の行程を繰り返すことにより、赤外光の時間的変
化を捕らえる。
(実施例2) 第4図は、本発明の赤外線センサの第二実施例の縦断
面構造図である。本実施例は、第一実施例に、光電変換
領域に電子を供給するためのn+型ソース領域27,ΦVG1
極29,及び金属配線31を付加したものであり、キャリア
注入領域から電子を注入する必要がなくなっている。従
って、キャリア注入領域とp型ウェルとの間に順方向電
流が流れる危険を除去することができている。
また、このように電子の供給がキャリア注入領域以外
からなされるタイプでは、キャリア注入領域に放出され
たホット電子を信号電荷として扱うこともでき、それを
容易に行えるように、キャリア注入領域をウェル状にし
た構造の赤外線センサも製造可能である。
第5図は、第二実施例の赤外線センサを駆動するため
に、ΦVS電極19,ΦVG1電極29,キャリア注入領域23(n
型単結晶Si基板24),及びΦVG2電極30に印加するパル
ス信号系の例を示すタイミング図である。第一実施例の
駆動信号系とは、キャリア注入領域23(n型単結晶Si基
板24)に印加するパルス、2値信号になっており、−
期間に、ΦVG1電極29にゲートを開く信号が加わって
いるところが異なっている。
なお、実施例1及び2は、第1導電型をn型,第2導
電型をp型として述べてきたが、逆も容易に実現でき、
前記実施例においてn→p、p→nと入れ替えれば得る
ことができる。実施例1及び2の光電変換領域は、ウェ
ル領域内にあるので、一般的には、光電変換領域の不純
物濃度がキャリア注入領域の不純物濃度より高いのであ
るが、エピタキシャル成長層を利用して、光電変換領域
を形成するならば、キャリア注入領域の不純物濃度より
不純物濃度が低い光電変換領域も、容易に得ることがで
きる。また、絶縁膜上に金属反射膜を設け、センサを通
過した赤外光を再利用する構造や、本発明を受光部とし
た、赤外線アレイイメージセンサも製造可能である。さ
らに、Si以外の、他の半導体材料を素材とすることもで
きる。
本発明の赤外線センサも、従来例の赤外線センサの場
合と同様に、ポテンシャル障壁が小さいことが原因で、
室温において暗電流が大きい場合には、冷却して使用す
る。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の赤外線センサでは、赤
外線吸収及び光電変換を、光電変換領域に添加した不純
物から供給される自由キャリアによって行うのではな
く、絶縁膜を介して光電変換領域と対向した電極に電位
を与えて光電変換領域にポテンシャル井戸を形成し、そ
こに注入して蓄えた多数キャリアによって行うので、光
電変換領域の不純物濃度を低下させても、赤外線吸収を
充分に行うことができ、従来の赤外線センサが持つ問題
点を排除できる効果がある。
また、本発明の駆動方法は、ポテンシャル井戸の形
成,多数キャリアの注入,ポテンシャル障壁高さの制
御,多数キャリアの読み出しを行うものなので、本発明
の赤外線センサの特徴を効果的に引き出すことができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の赤外線センサの第一実施例の縦断面
構造図である。第2図は、第一実施例を駆動するため
に、ΦVS電極,キャリア注入領域(n型単結晶Si基
板),及びΦVG電極に印加するパルス信号系の例を示す
タイミング図である。第3図は、第一実施例の光電変換
機構をエネルギー帯構造によって表した説明図であり、
(a)は、光電変換領域に多数キャリアである電子を注
入する行程を示しており、(b)は、その行程の後に行
う、ポテンシャル障壁における光電変換領域側のポテン
シャル障壁高さを遮断波長に相当する高さに設定し、赤
外光を検出する行程を示している。第4図は、本発明の
赤外線センサの第二実施例の縦断面構造図である。第5
図は第二実施例を駆動するために、ΦVS電極,ΦVG1
極,キャリア注入領域(n型単結晶Si基板),及びΦV
G2電極に印加するパルス信号系の例を示すタイミング図
である。第6図(a),(b)は、従来例の赤外線セン
サにおいて、第1導電型がp型で第2導電型がn型の場
合、及び第1導電型がn型で第2導電型がp型の場合の
エネルギー帯構造図である。 1,19……ΦVS電極、2,20,35,47……絶縁膜、3,21,36,48
……光電変換領域、4,22,37,49……ポテンシャル障壁領
域、5,23,38,50……キャリア注入領域、6,24……n型単
結晶Si基板、7,25……p型ウェル、8,26……n型ウェ
ル、9,28……n+型ドレイン領域、10……ΦVG電極、11,3
1,32……金属配線、12,33……反射防止膜、13,34,46,58
……赤外光、14,39,51……価電子帯、15,40,52……禁制
帯、16,41,53……伝導帯、17,54……電子、18,43,55…
…ホット電子、27……n+型ソース領域、29……ΦVG1
極、30ΦVG2電極、42……空準位、44,56……ホットホー
ル、45,57……バイアス。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型半導体からなる光電変換領域
    と、同じく第1導電型半導体からなるキャリア注入領域
    と、光電変換領域及びキャリア注入領域より不純物濃度
    が低い第1導電型半導体か、真性半導体か、あるいは第
    2導電型半導体からなるポテンシャル障壁領域とを有
    し、それらが、光電変換領域/ポテンシャル障壁領域/
    キャリア注入領域の積層で、かつ、ホモ接合構造を構成
    し、前記光電変換領域と対向する位置に絶縁膜を介して
    電極を具備することを特徴とする赤外線センサ。
  2. 【請求項2】第1項記載の赤外線センサの駆動におい
    て、光電変換領域に多数キャリアを注入する行程と、そ
    の行程の後に、ポテンシャル障壁領域のポテンシャル障
    壁高さを遮断波長に相当する高さに設定する行程と、さ
    らにその行程の後に、光電変換領域の多数キャリアを外
    部に読み出す行程とを含むことを特徴とする赤外線セン
    サの駆動方法。
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