JP2841688B2 - 赤外線センサ - Google Patents

赤外線センサ

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JP2841688B2
JP2841688B2 JP2099677A JP9967790A JP2841688B2 JP 2841688 B2 JP2841688 B2 JP 2841688B2 JP 2099677 A JP2099677 A JP 2099677A JP 9967790 A JP9967790 A JP 9967790A JP 2841688 B2 JP2841688 B2 JP 2841688B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は赤外線領域の光信号を電子信号に変換する赤
外線センサに関する。
〔従来の技術〕
従来の技術として、特開昭63−237583号で提唱した赤
外線センサについて述べる。
この赤外線センサは、第1導電型の縮退半導体からな
る光電変換領域と、第1導電型の非縮退半導体からなる
キャリア注入領域と、これら光電変換領域とキャリア注
入領域との間に存在し、不純物濃度がキャリア注入領域
より低い第1導電型半導体か、真性半導体か、あるいは
少なくとも動作条件下で完全空乏化状態となる第2導電
型半導体からなるポテンシャル障壁領域とから構成され
るホモ接合構造のデバイスである。
このセンサにおける光電変換の動作原理について、第
3図(a),(b)を用いて説明する。
第3図(a)は第1導電型がp型で第2導電型がn型
の場合、同図(b)は逆に第1導電型がn型で第2導電
型がp型の場合におけるエネルギー帯構造及び光電変換
機構を示している。赤外光がキャリア注入領域側から入
射しているが、これは絶縁物48,60側からの入射でもか
まわない。
まず、第3図(a)の第1導電型がp型で第2導電型
がn型の場合について述べる。
光電変換領域45はp型縮退半導体から成り立っている
ので、非縮退状態では価電子帯端Ev近傍に局在していた
アクセプタ不純物準位が局在性を失って広がりを持ち、
価電子帯49と重なりを生じている。この状態ではフェル
ミ準位Efが価電子帯49内部に入り込んでくるため、この
領域ではフェルミ準位Efと価電子帯端Evとの間に空準位
53が存在している。キャリア注入領域47はp型非縮退半
導体からなり、光電変換領域45とキャリア注入領域47と
の間に存在するポテンシャル障壁領域46は、アクセプタ
不純物濃度がキャリア注入領域47より低いp型半導体
か、真性半導体か、あるいは少なくとも動作条件下で光
電変換領域45との接合界面から伸びる空乏層とキャリア
注入領域47との接合界面から伸びる空乏層とによって完
全空乏化状態となるドナ不純物濃度及び厚さを有するn
型半導体ら成り立っているので、フェルミ準位Efはキャ
リア注入領域47においては価電子帯端Evは近傍に存在
し、ポテンシャル障壁領域46においては半導体からなる
三領域の中で最も伝導帯端Ecの近くに存在する。従っ
て、ポテンシャル障壁領域46及び他の二領域45,47のポ
テンシャル障壁領域46との接合界面近傍には価電子帯49
中のホールに対して障壁となるポテンシャル障壁が形成
される。特に、光電変換領域45における価電子帯49中の
ホールに対するポテンシャル障壁はφである。
キャリア注入領域47側からの光入射では、禁制帯幅Eg
以上のエネルギーを持つ光は、半導体内の入射面近傍に
おいて、ほとんど吸収されてしまうが、禁制帯幅Egより
小さいエネルギーの光(このような光な通常赤外光)
は、キャリア注入領域47及びポテンシャル障壁領域46に
おいて、ほとんど吸収されずに透過し、光電変換領域45
に入射する。
光電変換領域45では、価電子帯49中のフェルミ準位下
の電子が入射した赤外光52のエネルギーhνを吸収し、
フェルミ準位下からフェルミ準位Efと価電子帯端Evとの
間の空準位53へ遷移して、ホット電子54とホットホール
55を形成する。これらホット電子54とホットホール55
は、光電変換領域45内において、再結合するまで、どの
方向へも発生確立がほぼ等しい運動をするが、ホットホ
ール55が運動中にポテンシャル障壁領域46に達し、それ
がポテンシャル障壁φより大きいエネルギーを持って
いる場合には、ポテンシャル障壁領域46を通過して、キ
ャリア注入領域47へ注入される確率がある。ホットホー
ル55がキャリア注入領域47へ注入されると、光電変換領
域45に取り残されたホット電子54とキャリア注入領域47
へ注入されたホットホール55とが信号電荷となる。
第3図(b)の第1導電型がn型で第2導電型がp型
の場合も、以下のように、光電変換の動作原理は、第1
導電型がp型で第2導電型がn型の場合とほぼ同様とな
る。
光電変換領域57はn型縮退半導体から成り立っている
ので、非縮退状態では伝導帯端Ecに局在していたドナ不
純物準位が局在性を失って広がりを持ち、伝導帯63と重
なりを生じている。この状態ではフェルミ準位Efが伝導
帯63内部に入り込んでくるため、この領域ではフェルミ
準位Efと伝導帯端Ecとの間が電子65が締められている。
キャリア注入領域59はn型非縮退半導体からなり、光電
変換領域57とキャリア注入領域59との間の存在するポテ
ンシャル障壁領域58は、ドナ不純物濃度がキャリア注入
領域59より低いn型半導体か、真性半導体か、あるいは
少なくとも動作条件下で光電変換領域57との接合界面か
ら伸びる空乏層とキャリア注入領域59との接合界面から
伸びる空乏層とによって完全空乏化状態となるアクセプ
タ不純物濃度及び厚さを有するp型半導体から成り立っ
ているので、フェルミ準位Efはキャリア注入領域59にお
いて伝導帯端Ec近傍に存在し、ポテンシャル障壁領域58
においては半導体からなる三領域の中で最も価電子帯端
Evの近くに存在する。従って、ポテンシャル障壁領域58
及び他の二領域57,59のポテンシャル障壁領域58の接合
界面近傍に伝導帯63中の電子に対して障害となるポテン
シャル障壁が形成される。特に、光電変換領域57におけ
る伝導帯63中の電子に対するポテンシャル障壁はφ
ある。
キャリア注入領域59側から入射した赤外光64(hν<
Eg)は、前述の場合と同様、キャリア注入領域59及びポ
テンシャル障壁領域58においてほとんど吸収されずに透
過し、光電変換領域57に入射する。
光電変換領域57では、伝導帯63中のフェルミ準位Ef
伝導帯端Ecとの間の電子65が、入射した赤外光64のエネ
ルギーhνを吸収し、フェルミ準位下からフェルミ準位
上の空準位へ遷移して、ホット電子66とホットホール67
を形成する。これらホット電位66とホットホール67は、
前述の場合と同様、光電変換領域57内において、再結合
するまで、、どの方向へも発生確率がほぼ等しい運動を
するが、ホット電子66が運動中にポテンシャル障壁領域
58に達し、それがポテンシャル障壁φより大きいエネ
ルギーを持っている場合には、ポテンシャル障壁領域58
を通過して、キャリア注入領域59へ注入される確率があ
る。ホット電子66がキャリア注入領域59へ注入される
と、光電変換領域57に取り残されたホットホール67とキ
ャリア注入領域59へ注入されたホット電子66とが信号電
荷となる。
以上述べた動作原理であるため、該瀬外線センサの遮
断波長は、ポテンシャル障壁φあるいはφによって
決定付けられるが、これらのポテンシャル障壁は、ポテ
ンシャル障壁領域の導電型,ポテンシャル障壁領域の厚
さ,半導体からなる三領域の不純物濃度のバランス及び
バイアス条件を制御することによって、零〜pn接合の拡
散電位に相当するエネルギー程度の間の任意の大きさに
設定することができる。従って、該赤外線センサは、遮
断波長の設定自由度が極めて大きいという特徴を有する
ものである。
なお、ポテンシャル障壁が低いために、室温におい
て、熱励起によりポテンシャル障壁領域を横切ることの
できるキャリアが多く、それに伴って暗電流が大きい場
合には、該赤外線センサは冷却して使用される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した赤外線センサに限らず、センサにおいては、
一般に、高感度化が一つの大きな課題となっている。
また、光センサでは、駆動上高感度化が可能な蓄積モ
ード動作をさせることがしばしばある。このモードは、
光センサをあるバイアス状態にセットした後フロート状
態とし、一定期間発生した光信号電荷を蓄えてから出力
するものである。電荷の蓄積中では、光センサのバイア
ス状態が刻々と変化する。前述した従来の赤外線センサ
には、遮断波長にバイアス電圧依存性があるため、この
蓄積モード動作をさせた場合に、電荷蓄積中に遮断波長
が変化してしまうという欠点がある。
本発明の目的は、上述した赤外線センサ同様、遮断波
長を任意に設定でき、しかもより高感度であるととも
に、遮断波長にバイアス電圧依存性があるにもかから
ず、前述した蓄積モード動作をさせても、電荷蓄積中に
遮断波長が変化しない赤外線センサを提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
前述の問題点を解決するために本発明の赤外線センサ
は、金属からなる第1光電変換領域と、第1導電型の縮
退半導体からなり第1光電変換領域とオーミック接触す
る第2光電変換領域と、第2光電変換領域より不純物濃
度が低い第1導電型半導体からなるキャリア注入領域
と、キャリア注入領域より不純物濃度が低い第1導電型
半導体か、真性半導体か、あるいは少なくとも動作条件
下で完全空乏化状態となる第2導電型半導体からなり第
2光電変換領域とキャリア注入領域との間に存在するポ
テンシャル障壁領域とを有し、第1光電変換領域/第2
光電変換領域ポテンシャル障壁領域/キャリア注入領域
の積層構造で、しかも第2光電変換領域とポテンシャル
障壁領域とキャリア注入領域とがホモ接合構造を構成す
る受光素子と、この受光素子において発生した光信号電
荷を蓄える電荷蓄積素子とを具備している。
〔作用〕 本発明の赤外線センサが具備する受光素子における光
電変換の動作原理を第2図(a),(b)を用いて説明
する。
第2図(a)は第1導電型がp型で第2導電型がn型
の場合、同図(b)は逆に第1導電型がn型で第2導電
型がp型の場合におけるエネルギー帯構造及び光電変換
機構を示している。赤外光が半導体側から入射している
が、これは絶縁物23,36側からの入射でもかまわない。
まず、第2図(a)の第1導電型がp型で第2導電型
がn型の場合について述べる。
第2光電変換領域20は、第3図(a)における光電変
換領域45同様、p型縮退半導体から成り立っているの
で、非縮退状態では価電子帯端Ev近傍に局在していたア
クセプタ不純物準位が局在性を失って広がりをもち、価
電子帯24と重なりを生じている。この状態ではフェルミ
準位Efが価電子帯24内部に入り込んでくるため、領域20
においては、フェルミ準位Efと価電子帯端Evとの間に空
準位28が存在している。金属からなる第1光電変換領域
19との接触界面には、金属の仕事関数と半導体の仕事関
数との差異に起因するエネルギー帯の曲がりが生じる
が、第2光電変換領域20は縮退しているため、たとえ金
属と半導体とがポテンシュル障壁を形成する組み合わせ
であっても、エネルギー帯の曲がった領域が極めて薄
く、かつ、障壁の頂点を低下するので、多数キャリアで
あるホールにとって、実質的に無視し得る存在となる。
従って、第1光電変換領域19と第2光電変換領域20と
は、逆にオーミック接触を形成する。なお、第1光電変
換領域19と第2光電変換領域20との接触界面におけるエ
ネルギー帯の曲がりは、ポテンシャルの高い側への曲が
りか、低い側への曲がりかにかかわらず、無視し得るの
で、第2図(a)では、該エネルギー帯の曲がりを省略
してある。
キャリア注入領域22、及び第2光電変換領域20とキャ
リア注入領域22との間に存在するポテンシャル障壁領域
21も、それぞれ第3図(a)におけるキャリア注入量入
47及びポテンシャル障壁領域46と同様なので、ポテンシ
ャル障壁領域21及び半導体からなる他の二領域20,22の
ポテンシャル障壁領域21との接合界面近傍には、価電子
帯24中のホールに対して障害となるポテンシャル障壁が
形成される。特に、第2光電変換領域20における価電子
帯24中のホールに対するポテンシャル障壁はφであ
る。
キャリア注入領域22側からの光入射では、従来の赤外
線センサの場合と同様、禁制帯幅Eg以上のエネルギーを
持つ光は、半導体内の入射面近傍において、ほとんど吸
収されてしまうが、禁制帯幅Egより小さいエネルギーの
光(このような光は通常赤外光)は、キャリア注入領域
22及びポテンシャル障壁領域21において、ほとんど吸収
されずに透過し、第2光電変換領域20に入射する。
第2光電変換領域20では、価電子帯24中のフェルミ準
位下の電子が入射した赤外光27のエネルギーhνを吸収
し、フェルミ準位下からフェルミ準位Efと価電子帯端Ev
との間の空準位28へ遷移して、ホット電子29aとホット
ホール30aを形成する。また、第2光電変換領域20にお
いて、吸収しきれなかった赤外光27は、第1光電変換領
域19へ入射する。
第1光電変換領域19では、フェルミ準位Ef下を満たす
電子が、入射した赤外光27のエネルギーhνを吸収し、
フェルミ準位下からフェルミ準位上の空準位へ遷移して
ホット電子29bとホットホール30bを形成する。
第1光電変換領域19と第2光電変換領域20との接触界
面にはホットホールに対する障害がないので、第1光電
変換領域19及び第2光電変換領域20に発生したホットホ
ールは、これら領域19,20間を自由に行き来でき、ホッ
ト電子と再結合するまでこれら領域19,20中の運動する
が、第1光電変換領域19の電子の遷移確率は第2光電変
換領域20のそれより高いので、第1光電変換領域19のほ
うかホットホール濃度が高く、第1光電変換領域19及び
第2光電変換領域20のホットホール濃度が同程度になる
ように、第1光電変換領域19から第2光電変換領域20へ
移動する傾向が強い。一方、ホット電子については、第
2光電変換領域20に発生したものは、第2光電変換領域
20の空準位28の第1光電変換領域19との間を行き来でき
るが、第1光電変換領域19に発生したものでは事情が異
なる。第1光電変換領域19において、第2光電変換領域
20における価電子帯端Evよりも励起した準位が低いホッ
ト電子は、第2光電変換領域20に発生したものと同様、
第1光電変換領域19と第2光電変換領域20の空準位28と
の間を行き来できるが、価電子帯端Evよりも励起した準
位が高いホット電子に関しては、禁制帯25が障害となる
ため、第2光電変換領域20へ移動することができない。
従って、第2光電変換領域20より第1光電変換領域19の
ほうがホット電子濃度が高いにもかかわらず、ホット電
子は第1光電変換領域19に閉じ込められる傾向にある。
すなわち、金属からなる第1光電変換領域19は、p型縮
退半導体からなる第2光電変換領域20との接合を形成す
ることにより、ホットホールの良好な供給源となる。
第1光電変換領域19及び第2光電変換領域20に発生し
たホットホールが、運動中にポテンシャル障壁領域21に
達し、それがポテンシャル障壁φより大きいエンルギ
ーを持っている場合には、ポテンシャル障壁領域21を通
過して、キャリア注入領域22へ注入される確率がある。
ホットホールがキャリア注入領域22へ注入されると、第
1光電変換領域19及び第2光電変換領域20に取り残され
たホット電子とキャリア注入領域22へ注入されたホット
ホールとが信号電荷となる。
第2図(b)の第1導電型がn型で第2導電型がp型
の場合も、以下のように、光電変換の動作原理は、第1
導電型がp型で第2導電型がn型の場合とほぼ同様とな
る。
第2光電変換領域33は、第3図(b)における光電変
換領域57同様、N型縮退半導体から成り立っているの
で、非縮退状態では伝導帯端Ec近傍に局在していたドナ
不純物準位が局在性を失って広がりを持ち、伝導帯39と
重なりを生じている。この状態ではフェルミ準位Efが伝
導帯39内部に入り込んでくるため、領域33においては、
フェルミ準位Efと伝導帯端Ecとの間が電子41で占められ
ている。金属の仕事関数と半導体の仕事関数との差異に
起因して、金属からなる第1光電変換領域32との接触界
面に生じるエネルギー帯の曲がった領域は、第1導電型
がp型で第2導電型がn型の場合と同様の理由から、多
数キャリアである電子にとって実質的に無視し得る存在
となる。従って、第1光電変換領域32と第2光電変換領
域33とオーミック接触を形成する。なお、第2図(a)
同様、同図(b)でも、第1光電変換領域32と第2光電
変換領域33との接触界面におけるエネルギー帯の曲がり
を省略してある。
キャリア注入領域35、及び第2光電変換領域33とキャ
リア注入領域35との間に存在するポテンシャル障壁領域
34も、それぞれ第3図(b)におけるキャリア注入領域
59及びポテンシャル障壁領域58と同様なので、ポテンシ
ャル障壁領域34及び半導体からなる他の二領域33,35の
ポテンシャル障壁領域34との接合界面近傍には伝導帯39
中の電子に対して障害となるポテンシャル障害が形成さ
れる。特に、第2光電変換領域33における伝導帯39中の
電子に対するポテンシャル障壁はφである。
キャリア注入領域35側から入射した赤外光40(hν<
Eg)は、前述の場合と同様、キャリア注入領域35及びポ
テンシャル障壁領域34においてほとんど吸収されずに透
過し、第2光電変換領域33に入射する。
第2光電変換領域33では、伝導帯39中のフェルミ準域
Efと伝導帯端Ecとの間の電子41が、入射した赤外光40の
エネルギーhνを吸収し、フェルミ準位下からフェルミ
準位上の空準位へ遷移して、ホット電子42aとホットホ
ール43aを形成する。また、第2光電変換領域33におい
て、吸収しきれなかった赤外光40は、第1光電変換領域
32へ入射する。
第1光電変換領域32では、前述と同様、フェルミ準位
Efを満たす電子が入射した赤外光40のエネルギーhνを
吸収し、フェルミ準位下からフェルミ準域上の空準位へ
遷移してホット電子42bとホットホール43bを形成する。
第1光電変換領域32と第2光電変換領域33との接触界
面にはホット電子に対する障害がないので、第1光電変
換領域32及び第2光電変換領域33に発生したホット電子
はこれら領域32,33間を自由に行き来でき、ホットホー
ルと再結合するまでこれら領域32,33中を運動するが、
第1光電変換領域32の電子の遷移確率は第2光電変換領
域33のそれより高いので、第1光電変換領域32のほうが
ホット電子濃度が高く、第1光電変換領域32及び第2光
電変換量33のホット電子濃度が同程度になるように、第
1光電変換領域32から第2光電変換領域33へ移動する傾
向が強い。一方、ホットホールについては、第2光電変
換領域33に発生したものは、第2光電変換領域33におい
て電子41に占められたフェルミ準位Ef〜伝導帯端Ec間の
領域と第1光電変換領域32との間を行き来できるが、第
1光電変換領域32に発生したものでは事情が異なる。第
1光電変換領域32において、第2光電変換領域33におけ
る伝導帯端Ecよりも高い準位にあった電子が励起して発
生したホットホールは、第2光電変換領域33に発生した
ものと同様、第1光電変換領域32と第2光電変換領域33
において電子41に占められたフェルミ準位Ef〜伝導帯端
Ecの間の領域との間を行き来できるが、伝導帯端Ecより
も低い準位にあった電子が励起して発生したホットホー
ルに関しては、禁制帯38が障害となるため、第2光電変
換領域33へ移動することができない。従って、第2光電
変換領域33より第1光電変換領域32のほうがホットホー
ル濃度が高いにもかかわらず、ホットホールは第1光電
変換領域32に閉じ込められる傾向にある。すなわち、金
属からなる第1光電変換領域32は、n型縮退半導体から
なる第2光電変換領域33との接合を形成することによ
り、ホット電子の良好な供給源となる。
第1光電変換領域32及び第2光電変換領域33に発生し
たホット電子が、運動中にポテンシャル障壁領域34に達
し、それがポテンシャル障壁φより大きいエネルギー
を持っている場合には、ポテンシャル障壁領域34を通過
して、キャリア注入領域35へ注入される確率がある。ホ
ット電子がキャリア注入領域35へ注入されると、第1光
電変換領域32及び第2光電変換領域33に取り残されたホ
ットホールとキャリア注入領域35へ注入されたホット電
子とが信号電荷となる。
以上のように、本赤外線センサの受光素子では、従来
例のセンサ同様、ポテンシャル障壁領域の導電型,ポテ
ンシャル障壁領域の厚さ,半導体からなる三領域の不純
物濃度のバランス及びバイアス条件を制御することで、
零〜pn接合の拡散電位に相当するエネルギー程度の間の
任意の大きさに設定できるポテンシャル障壁φあるい
はφによって、遮断波長が決定付けられ、その設定自
由度が極めて大きいという特徴を有すると同時に、赤外
線吸収率が高い金属とp型あるいはn型の縮退半導体と
の接触で形成されるエネルギー帯構造を利用した、効率
の良いホットホールあるいはホット電子の供給機構を具
備するので、従来例のセンサより高い赤外線検出感度を
備えることができる。
さらに、本発明の赤外線センサでは、前述した受光素
子と発生した光信号電荷を蓄える電荷蓄積素子とが独立
しているため、高感度化を付る蓄積モードで動作させて
も、電荷蓄積中に受光素子のバイアス状態を一定に保
ち、遮断波長を不変にすることができる。
なお、本発明の赤外線センサも、従来例の赤外線セン
サの場合と同様に、ポテンシャル障壁が小さいことが原
因で、常温において暗電流が大きい場合には、冷却して
使用する。
〔実施例〕
次に本発明の実施例について図面を参照して詳細に説
明する。
第1図は本発明の一実施例であって、(a)はその縦
断面構造図、(b)は(a)の縦断面構造図に対応させ
たポテンシャル分布図である。
まず、(a)を用いて説明する。この実施例はSiを半
導体材料とし、第1導電型をp型、第2導電型のn型と
するもので、キャリア注入領域側から赤外光を入射させ
る裏面照射型である。
受光素子1の構造は次のようになっている。p型単結
晶Si基板3の受光素子1部分において、基板作製時のま
まの状態の領域がキャリア注入領域7である。基板表面
には、金属材料としてシリサイドを用いた、薄膜状の第
1光電変換領域4が設けてある。シリサイドとしては、
例えば、白金,パラジウム,ニッケル,コバルト、モル
ブデン,タングステン,チタン,クロム,鉄,マグネシ
ウム,イットリウム,ニオブ,リチウムの各シリサイド
等を用いることができる。このシリサイドの直下に、オ
ーミック接触する縮退p型の第2光電変換領域5、さら
にキャリア注入領域7との間にポテンシャル障壁領域6
を形成してある。第1光電変換領域4にシリサイドを用
いているのは、特性の安定性に優れているという利点が
あるからであり、絶対にこれを用いなければならないわ
けではない。他の金属で置き換えても、一向に差し支え
ない。他の金属としては、例えば、Mo,W,Ti,Pt,Cr,Al,C
u,Ni,Ag,Au等の単体金属や、Al−Si,Al−Si−Cu,Ti−Pt
−Au,Au−Ge−Ni等の合金などを用いることができる。
また、ポテンシャル障壁領域6は、キャリア注入領域7
より不純物濃度が低いp型が、真性か、あるいは少なく
とも動作条件下で完全空乏化状態となるn型である。
第2光電変換領域5及びポテンシャル障壁領域6の周
囲には電界集中を緩和するためn+型ガードリング8を備
えている。第2光電変換領域5とn+型ガードリング8と
の両者とオーミック接触するように、アルミニウム等か
らなる金属配線9が第2光電変換領域5を取り囲む形で
形成してある。この金属配線9とn+型ガードリング8と
によって、第1光電変換領域4及び第2光電変換領域5
とポテンシャル障壁領域6とを電気的に接続する短絡機
構が成立している。この短絡機構には次のような効果が
ある。
受光素子において、半導体からなる三領域のポテンシ
ャル障壁発生部分及びその近傍で、電子・ホール対が発
生すると、本実施例のように、第1導電型がp型の場合
(エネルギー帯構造は第2図(a))には、伝導帯には
遷移した電子がポテンシャル障壁領域における伝導帯の
ポテンシャル極小部分に集まり、それと対をなして発生
した価電子帯のホールが第2光電変換領域あるいはキャ
リア注入領域に捕えられる。一方、第1導電型がn型の
場合(エネルギー帯構造は第2図(b))には、逆に、
電子が遷移して価電子帯に発生したホールがポテンシャ
ル障壁領域のポテンシャル極大部分(ホールに対しては
ポテンシャル極小部分)に集まり、伝導帯の遷移した電
子が第2光電変換領域あるいはキャリア注入領域に捕え
られる。電子・ホール対の発生原因としては、半導体領
域の禁制帯幅以上のエネルギーを持つ光が該領域に達す
るとか、該領域においては価電子帯の電子の熱励起が生
じるなどがある。ポテンシャル障壁領域に自由キャリア
が溜るとポテンシャル障壁領域の電位変化、すなわち、
ポテンシャル障壁高さの変動が起こる。第1光電変換領
域及び第2光電変換領域とポテンシャル障壁領域とを電
気的に接続する短絡機構は、ポテンシャル障壁領域に集
まる自由キャリアを即座に取り除き、受光素子の動作を
より安定にする働きをする。なお、短絡機構を本受光素
子が備えていなくても、本質的に赤外線検出動作不能と
はならないので、該機構無しのものも構成できる。ただ
し、性能が劣ることになる。
素子表面にはSiO2膜10で覆われており、そのSiO2膜10
上の第1光電変換領域4と対向する部分にアルミニウム
等からなる金属反射膜11が設けられている。金属反射膜
11の存在により、第1光電変換領域4さえも透過した赤
外光が再利用される。
この受光素子1における赤外光17の入射面、すなわち
裏面に反射防止膜を設ければ、該受光素子1はさらに高
感度となる。また、該受光素子1が金属反射膜11を持た
ない表面照射型でも、本発明は差し支えない。
電荷蓄積素子2は、n+型ガードリング8と相対してp
型単結晶Si基板3の基板作製時のままの部分を隔てて形
成されたn型の蓄積ウェル12と、SiO2膜10を挟んでp型
単結晶Si基板3の基板作製時のままの部分から蓄積ウェ
ル12を覆う形で形成れた蓄積電極13とから成り立ってい
る。
さらに、最終的に信号電荷を取り出すためのn+型のド
レイン領域14がp型単結晶Si基板3の基板作製時のまま
の部分を隔てて設けられており、蓄積ウェル12とドレイ
ン領域14との間をスイッチングするための移送電極15を
備えている、ドレイン領域14には金属配線16が接続され
ている。
本赤外線センサは次のように動作する。本赤外線セン
サにおいて、蓄積電極13は、受光素子10の第1光電変換
領域4及び第2光電変換領域5とキャリア注入領域7と
の間に適当なバイアスが印加されるように、一定の正電
位VBにセットされる。これで、受光素子は第2図(a)
のように設定される。移送電極15には、蓄積モードで光
電変換を行う段階では、蓄積ウェル12−ドレイン領域14
間がOFF状態となり、信号電荷を読み出す段階ではON状
態となるようなパルス信号Φを印加する。蓄積モード
で光電変換を行なう段階での本赤外線センサ内のポテン
シャル分布は、第1図(b)の実線のようになってい
る。光電変換によって、受光素子1の第1光電変換領域
4及び第2光電変換領域5に信号電荷であるキャリア
(電子)18が発生すると、その結果として第1光電変換
領域4及び第2光電変換領域5のポテンシャルが上昇す
る。すると、キャリア18は、よりポテンシャルの低い金
属配線9、n+型ガードリング8、さらに、蓄積電極13下
をp型単結晶Si基板3の反転領域を経て、蓄積ウェル12
に流れ込む。このため、受光素子1部分には、キャリア
18が蓄積されず、バイアス電位の変動が避けられる。一
定期間、その動作を続けた後、移送電極15には、蓄積ウ
ェル12−ドレイン領域14間がON状態となる電圧が印加さ
れる。すると、移送電極15下のP型単結晶Si基板3のポ
テンシャルは破線で示すように、蓄積ウェル12に蓄えら
れた信号電荷が外部に読み出される。
以上の構造及び動作によって、本発明の赤外線センサ
では、蓄積モードでも、電荷蓄積中に受光素子のバイア
ス状態が一定となり、遮断波長が不変となる。
なお、本発明の赤外線センサは、上述の実施例の第1
導電型と第2導電型のpとnとが入れ替わったもの成り
立つことはもちろんであり、原理的にSi以外の半導体材
料を用いることも可能である。さらに、本発明の赤外線
センサのアレイと電子走査回路とを組み合わせたモノリ
シックあるいはハイブリッドのイメージセンサも実現で
きる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、赤外線吸収率
が高い金遅とp型あるいはn型の縮退半導体との接触で
形成されるエネルギー帯構造を利用した、効率の良いホ
ットホールあるいはポット電子の供給機構により、従来
例の赤外線センサより赤外線検出感度を高くできるとと
もに、従来例の赤外線センサに見られた、蓄積モード動
作をさせた場合に、電荷蓄積中に遮断波長が変化してし
まうという問題点が除去された、半導体材料の禁制帯幅
に相当する波長より長い任意の遮断波長を具備した赤外
線センサを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は、本発明の一実施例の縦断面構造図、第
1図(b)は、同図(a)の縦断面構造図に対応させた
ポテンシャル分布図である。第2図(a),(b)は、
本発明の赤外線センサにおける受光素子のエネルギー帯
構造及び光電変換機構の説明図で、(a)は第1導電型
がp型で第2導電型がn型の場合の図、(b)は第1導
電型がn型で第2導電型がp型の場合の図である。第3
図は従来の赤外線センサにおけるエネルギー構造及び光
電変換機構の説明図で、(a)は第1導電型がp型で第
2導電型がn型の場合の図、(b)は第1導電型がn型
で第2導電型がp型の場合の図である。 1……受光素子、2……電荷蓄積素子、3……p型単結
晶Si基板、4,19,32……第1光電変換領域、5,20,33……
第2光電変換領域、6,21,34,46,58……ポテンシャル障
壁領域、7……キャリア注入領域(p型単結晶Si基
板)、8……ガードリング(n+型)、9,16……金属配
線、10……SiO2膜、11……金属反射膜、12……蓄積ウェ
ル(n型)、13……蓄積電極、14……ドレイン領域(n+
型)、15……移送電極、17,27,40,52,64……赤外光、18
……キャリア(電子)、22,35,47,59……キャリア注入
領域、23,36,48,60……絶縁物、24,49……価電子帯、2
5,38……禁制帯、26,39,63……伝導帯、28,53……空準
位、29a,29b,42a,42b,54,66……ホット電子、30a,30b,4
3a,43b,55,67……ホットホール、41,65……電子、45,57
……光電変換領域。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属からなる第1光電変換領域と、第1導
    電型の縮退半導体からなり第1光電変換領域とオーミッ
    ク接触する第2光電変換領域と、第2光電変換領域より
    不純物濃度が低い第1導電型半導体からなるキャリア注
    入領域と、キャリア注入領域より不純物濃度が低い第1
    導電型半導体か、真性半導体か、あるいは少なくとも動
    作条件下で完全空乏化状態となる第2導電型半導体から
    なり第2光電変換領域とキャリア注入領域との間に存在
    するポテンシャル障壁領域とを有し、第1光電変換領域
    /第2光電変換領域/ポテンシャル障壁領域/キャリア
    注入領域の積層構造で、しかも第2光電変換領域とポテ
    ンシャル障壁領域とキャリア注入領域とがホモ接合構造
    を構成する受光素子と、この受光素子において発生した
    光信号電荷を蓄える電荷蓄積素子とを具備することを特
    徴とする赤外線センサ。
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