JP2767656B2 - ダイアル式タイマ - Google Patents

ダイアル式タイマ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイアル式タイマに関
し、さらに詳しくは、例えば、プロセスコントロールの
ように、一定の範囲内でしか設定値を可変してはならな
い場合などに好適なダイアル式タイマに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プロセスコントロールなどに使
用されるダイアル式タイマでは、一定の範囲内でしか設
定値の変更が許容されないものである。
【0003】ところが、従来例のダイアル式タイマで
は、設定値の上限および下限を設定してその範囲外の設
定を禁止するといった機能は備えられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、このような
ダイアル式タイマをプロセスコントロールなどに使用す
る場合においては、設定値を変更する度に、その設定値
が、許容される一定の範囲内であるか否かを常に注意し
ておかねばならず、安心して使用できず、また、誤って
前記一定の範囲を越えて設定値を変更してしまう場合が
あるといった難点がある。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、設定値の上限および下限を設定してこの範囲
を越える設定値の変更をすることを有効に禁止できるよ
うにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0007】すなわち、本発明のダイアル式タイマは、
ダイアルつまみを前面に備えたタイマ本体と、前記ダイ
アルつまみの外周に対して該ダイアルつまみと共に一体
に正逆回転可能に取り付け得る環状体とを具備し、前記
環状体の外周には、前記ダイアルつまみの回転範囲の設
定部が設けられ、前記タイマ本体には、前記環状体が前
記ダイアルつまみと共に回転した際に、前記環状体の前
記回転範囲設定部に当接して前記環状体の回転を制限す
る回転制限部が、設けられ、前記環状体は、少なくとも
2つの環状体の組み合わせからなり、一方の環状体は、
前記ダイアルつまみの回転範囲の上限を設定する回転範
囲設定部を有し、他方の環状体は、前記ダイアルつまみ
の回転範囲の下限を設定する回転範囲設定部を有してい
る。
【0008】また、本発明のダイアル式タイマは、ダイ
アルつまみを前面に備えたタイマ本体と、前記タイマ本
体の前面に取り付け可能であって、かつ前記ダイアルつ
まみに対応した開口部を有するカバーと、前記タイマ本
体に前記カバーが取り付けられた状態で該カバーの開口
部から前方に突出する前記ダイアルつまみの外周に対し
て該ダイアルつまみと共に一体に正逆回転可能に取り付
け得る環状体とを具備し、前記環状体の外周には、前記
ダイアルつまみの回転範囲の設定部が設けられ、前記カ
バーには、前記環状体が前記ダイアルつまみと共に回転
した際に、前記環状体の前記回転範囲設定部に当接して
前記環状体の回転を制限する回転制限部が、設けられ
前記カバーは、前記タイマ本体に着脱自在であって、少
なくとも色が異なる複数種類のカバーを備え、前記複数
種類のカバーのいずれかを選択して前記タイマ本体に取
り付け可能である。
【0009】
【作用】本発明によれば、回転範囲設定部を有する環状
体であるセットリングを、ダイアルつまみの外周に取り
付けることにより、環状体をダイアルつまみと一体に回
転した際に、セットリングの回転範囲設定部が、タイマ
本体あるいはカバーの回転制限部に当接して回転範囲が
制限されるので、動作時間の設定範囲を一定の範囲に規
制することができ、さらに、ダイアルつまみを上限およ
び下限の位置にそれぞれ設定した状態で、該ダイアルつ
まみの外周に、2つのセットリングを、その回転範囲設
定部が、本体またはカバーに突設された回転制限部に当
接するようにそれぞれ取り付けることにより、ダイアル
つまみの回転が前記上限および下限の位置で制限される
ことになり、これによって、動作時間の設定範囲を一定
の範囲に規制することができる。
【0010】さらに、本発明によれば、本体前面に、ダ
イアルつまみに対応した開口部を有するカバーを取り付
ける構成としているので、不用意に操作されては困るよ
うな各種の設定切換スイッチ等を前記カバーで覆い隠し
て保護することも可能となり、さらに、ダイアル式タイ
マが取り付けられるパネルのデザインにマッチした色の
カバーを選択することにより、ダイアル式タイマのデザ
インに変化をもたせることも可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面によって本発明の実施例につい
て、詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例のダイアル式タ
イマの分解斜視図である。
【0013】この実施例のダイアル式タイマ1は、タイ
マ本体2と、このタイマ本体2の動作時間設定用のダイ
アルつまみ4の外周に取り付けられて該ダイアルつまみ
4による設定範囲の上限および下限を設定するための二
つの環状体である第1,第2セットリング25,35と
を備えている。
【0014】タイマ本体2には、その前面のダイアルつ
まみ4の上部に、後述のように各セットリング25,3
5の当接部25a,35aに当接してダイアルつまみ4
の回転範囲を制限する回転制限部36が突設されてい
る。タイマ本体2のダイアルつまみ4の外周には、図2
(A)の正面図に示されるように、溝4aが形成されて
いる。このダイアルつまみ4には、ダイアル指針6が設
けられており、さらに、周囲には、時間設定目盛が形成
されるとともに、目盛数字表示窓枠7および時間単位表
示窓枠8が設けられている。ここで、ダイアルつまみ4
の外周に形成されている溝4aは、後述のように第1,
第2セットリング25,35を取り付ける位置決め用の
溝となっているので、時間設定目盛の1/2ピッチに合
わせて刻設されている。また、ダイアルつまみ4の周囲
には、POWERあるいはOUTといった表示9,1
0、動作機能切換スイッチ11および動作機能表示窓枠
12などが設けられている。なお、図2(B)はタイマ
本体2の前面側の一部側面図である。
【0015】タイマ本体2のダイアルつまみ4の外周溝
4aに嵌合されて取り付けられる第1セットリング25
は、図3(A),(B)の正面図および背面図に示され
るように、その外周には、タイマ本体2の回転制限部3
6に当接して回転範囲の上限を設定する回転範囲設定部
としての当接部25aが形成されている。この当接部2
5aは、図2(A)に示されるタイマ本体の回転制限部
36の一方の端面36aに当接する当接面25cを有し
ている。さらに、この第1セットリング25の内周に
は、ダイアルつまみ4の外周溝4aに嵌合する係合爪2
5bが、4箇所に設けられている。
【0016】同じくタイマ本体2のダイアルつまみ4の
外周溝4aに嵌合されて取り付けられる第2セットリン
グ35は、図4の正面図に示されるように、その外周に
は、タイマ本体2の回転制限部36に当接して回転範囲
の下限を設定する回転範囲設定部としての当接部35a
が形成されている。この当接部35aは、図2(A)に
示されるタイマ本体の回転制限部36の他方の端面36
bに当接する当接面35cを有している。さらに、この
第2セットリング35の内周には、ダイアルつまみ4の
外周溝4aに嵌合する係合爪35bが、4箇所に設けら
れている。
【0017】以上のような構成を有するダイアル式タイ
マ1において、第1,第2セットリング25,35を使
用してダイアルつまみ4による設定範囲を制限する場合
には、先ず、ダイアルつまみ4を設定値の下限位置にセ
ットし、この状態で、第2セットリング35の当接部3
5aの当接面35cが、タイマ本体2の回転制限部36
の他方の端面36bに当接するように、該セットリング
35をダイアルつまみ4の外周に嵌め込み、さらに、こ
の状態から、ダイアルつまみ4を設定値の上限位置にセ
ットし、この状態で、第1セットリング25の当接部2
5aの当接面25cが、タイマ本体2の回転制限部36
の一方の端面36aに当接するように、該セットリング
25をダイアルつまみ4の外周に嵌め込み、図5
(A),(B)の正面図および一部側面図に示されるよ
うな状態とする。
【0018】これによって、ダイアルつまみ4と第1,
第2セットリング25,35とが一体として正逆回転可
能となり、ダイアルつまみ4は、第1セットリング25
の当接部25aと第2セットリング35の当接部35a
との区間でのみ設定値の変更が許容され、その区間外で
の設定値の変更が禁止されることになる。
【0019】なお、タイマ本体2の前面に突設されてい
る回転制限部36としては、従来一般に使用されている
セットリング、すなわち、一定の動作時間を繰り返しセ
ットする場合の再設定を容易にするためのセットリング
の再設定位置を決めるためにタイマ本体の前面上部に突
設されるロック部で兼用する構成としてもよい。
【0020】図6は、本発明の他の実施例のダイアル式
タイマの分解斜視図であり、上述の実施例に対応する部
分には、同一の参照符を付す。
【0021】この実施例のダイアル式タイマ10は、タ
イマ本体20と、該タイマ本体20の前面に取り付け可能
なカバー3と、該カバー3をタイマ本体20に取り付け
た状態でタイマ本体20のダイアルつまみ4の外周に取
り付けられる第1,第2セットリング25,35とを備
えている。
【0022】タイマ本体20のダイアルつまみ4の上部
には、上述の実施例とは異なり、回転制限部36は突設
されていない。
【0023】カバー3は、第1,第2セットリング2
5,35を使用する場合に、タイマ本体20の前面に取
り付けられるものであり、ダイアルつまみ4に対応した
円形の開口部13を有するとともに、タイマ本体20
表示9,10に対応した開口部14,15を有してい
る。
【0024】このようにカバー3には、開口部13〜1
5しか形成されておらず、このカバー3をタイマ本体2
0の前面に取り付けた状態では、動作機能切換スイッチ
11等の設定切換スイッチは、該カバー3によって完全
に覆われることになり、不用意にこれらのスイッチが操
作されるといったことがない。
【0025】このカバー3には、タイマ本体20に取り
付けられた状態で該タイマ本体20の前面上部に対応す
る位置に、図7(A),(B)の正面図および側断面図
に示されるように、第1,第2セットリング25,35
の当接部25a,35aに当接してダイアルつまみ4の
回転範囲を制限する回転制限部37が突設されており、
この回転制限部37の一方の端面37aに第1セットリ
ング25の当接部25aの当接面25cが当接し、他方
の端面37bに第2セットリング35の当接部35aの
当接面35cが当接する。
【0026】なお、このカバー3をタイマ本体20前面
に取り付ける場合には、図7(B)に示されるように、
カバー3の内面に形成されている係止爪3bを、図6に
示されるタイマ本体20の係止溝2aに係止させて取り
付ける。
【0027】カバー3が、タイマ本体20の前面に取り
付けられた状態で、カバー3の開口部13から前面側に
突出するダイアルつまみ4の外周溝4aに嵌合される第
1,第2セットリング25,35の構成は、上述の実施
例と同様である。
【0028】以上のような構成を有するダイアル式タイ
マ10において、第1,第2セットリング25,35を
使用してダイアルつまみ4による設定範囲を制限する場
合には、先ず、カバー3をタイマ本体20の前面に取り
付け、その後、ダイアルつまみ4を設定値の下限位置に
セットし、この状態で、第2セットリング35の当接部
35aの当接面35cが、カバー3の回転制限部37の
他方の端面37bに当接するように、該セットリング3
5をダイアルつまみ4の外周に嵌め込み、さらに、この
状態から、ダイアルつまみ4を設定値の上限位置にセッ
トし、この状態で、第1セットリング25の当接部25
aの当接面25cが、タイマ本体20の回転制限部37
の一方の端面37aに当接するように、該セットリング
25をダイアルつまみ4の外周に嵌め込み、図8
(A),(B)の正面図および一部側面図に示されるよ
うな状態とする。
【0029】これによって、ダイアルつまみ4と第1,
第2セットリング25.35とが一体として回転可能と
なり、上述の実施例と同様に、ダイアルつまみ4は、第
1セットリング25の当接部25aと第2セットリング
35の当接部35aとの区間でのみ設定値の変更が許容
され、その区間外での設定値の変更が禁止されることに
なる。
【0030】さらに、この実施例では、カバー3および
第1,第2セットリング25,35を構成する材質の色
を、多種類用意しておき、タイマ本体20が取り付けら
れているパネルの色に合わせて選択することにより、美
観上も優れた効果を奏することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、回転範囲
設定部を有する環状体であるセットリングを、ダイアル
つまみの外周に取り付けることにより、環状体をダイア
ルつまみと一体に回転した際に、セットリングの回転範
囲設定部が、タイマ本体あるいはカバーの回転制限部に
当接して回転範囲が制限されるので、動作時間の設定範
囲を一定の範囲に規制することができる。
【0032】また、本発明によれば、本体前面に、カバ
ーを取り付ける構成としているので、不用意に操作され
ては困るような各種の設定切換スイッチ等を前記カバー
で覆い隠して保護することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の分解斜視図である。
【図2】タイマ本体の正面図および一部側面図である。
【図3】第1セットリングの正面図および背面図であ
る。
【図4】第2セットリングの正面図である。
【図5】タイマ本体に第1,第2セットリングを取り付
けた状態の正面図および一部側面図である。
【図6】本発明の他の実施例の分解斜視図である。
【図7】図6のカバーの正面図および側断面図である。
【図8】タイマ本体にカバーおよび第1,第2セットリ
ングを取り付けた状態の正面図および一部側面図であ
る。
【符号の説明】
1,10 ダイアル式タイマ 2,20 タイマ本体 3 カバー 4 ダイアルつまみ 25,35 第1,第2セットリング 36,37 回転制限部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイアルつまみを前面に備えたタイマ本
    体と、 前記ダイアルつまみの外周に対して該ダイアルつまみと
    共に一体に正逆回転可能に取り付け得る環状体とを具備
    し、 前記環状体の外周には、前記ダイアルつまみの回転範囲
    の設定部が設けられ、 前記タイマ本体には、前記環状体が前記ダイアルつまみ
    と共に回転した際に、前記環状体の前記回転範囲設定部
    に当接して前記環状体の回転を制限する回転制限部が、
    設けられ、 前記環状体は、少なくとも2つの環状体の組み合わせか
    らなり、 一方の環状体は、前記ダイアルつまみの回転範囲の上限
    を設定する回転範囲設定部を有し、他方の環状体は、前
    記ダイアルつまみの回転範囲の下限を設定する回転範囲
    設定部を有していることを特徴とするダイアル式タイ
    マ。
  2. 【請求項2】 ダイアルつまみを前面に備えたタイマ本
    体と、 前記タイマ本体の前面に取り付け可能であって、かつ前
    記ダイアルつまみに対応した開口部を有するカバーと、 前記タイマ本体に前記カバーが取り付けられた状態で該
    カバーの開口部から前方に突出する前記ダイアルつまみ
    の外周に対して該ダイアルつまみと共に一体に正逆回転
    可能に取り付け得る環状体とを具備し、 前記環状体の外周には、前記ダイアルつまみの回転範囲
    の設定部が設けられ、 前記カバーには、前記環状体が前記ダイアルつまみと共
    に回転した際に、前記環状体の前記回転範囲設定部に当
    接して前記環状体の回転を制限する回転制限部が、設け
    られ、 前記カバーは、前記タイマ本体に着脱自在であって、少
    なくとも色が異なる複数種類のカバーを備え、前記複数
    種類のカバーのいずれかを選択して前記タイマ本体に取
    り付け可能であることを特徴とするダイアル式タイマ。
  3. 【請求項3】 ダイアルつまみを前面に備えたタイマ本
    体と、 前記タイマ本体の前面に取り付け可能であって、かつ前
    記ダイアルつまみに対応した開口部を有するカバーと、 前記タイマ本体に前記カバーが取り付けられた状態で該
    カバーの開口部から前方に突出する前記ダイアルつまみ
    の外周に対して該ダイアルつまみと共に一体に正逆回転
    可能に取り付け得る環状体とを具備し、 前記環状体の外周には、前記ダイアルつまみの回転範囲
    の設定部が設けられ、 前記カバーには、前記環状体が前記ダイアルつまみと共
    に回転した際に、前記環状体の前記回転範囲設定部に当
    接して前記環状体の回転を制限する回転制限部が、設け
    られ、 前記環状体は、少なくとも2つの環状体の組み合わせか
    らなり、 一方の環状体は、前記ダイアルつまみの回転範囲の上限
    を設定する回転範囲設定部を有し、他方の環状体は、前
    記ダイアルつまみの回転範囲の下限を設定する回転範囲
    設定部を有していることを特徴とするダイアル式タイ
    マ。
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