JP2766812B2 - 深掘り掘削機の油圧伝達機構 - Google Patents

深掘り掘削機の油圧伝達機構

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JP2766812B2
JP2766812B2 JP25813895A JP25813895A JP2766812B2 JP 2766812 B2 JP2766812 B2 JP 2766812B2 JP 25813895 A JP25813895 A JP 25813895A JP 25813895 A JP25813895 A JP 25813895A JP 2766812 B2 JP2766812 B2 JP 2766812B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば土木工事、
建築工事等において、その直径に比べ深さが極めて深い
穴を掘り取る場合に用いる深掘り掘削機に関し、特に、
テレスコピック状に組み合わされた複数段のアームの間
で圧力油を油圧ホースを用いずに供給することができる
深掘り掘削機の油圧伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より土木工事、建築工事等において
は直径に比べ深さが極めて深い穴を掘らなければならな
い場合がよくあった。例えば、鉄塔を支えるアンカー用
の穴、浄化槽の埋め込み用の穴、建築物の基礎工事、井
戸堀り工事等の作業があげられる。このような深掘りの
作業においては、穴の直径が5メートル程度であるのに
対し、深さが15メートルないし20メートルといった
極めて深い穴を掘らざる得ないものであった。
【0003】このような深掘り作業には、従来では伸縮
する複数段のアームをテレスコピック状に組み立てた伸
縮ブームを用い、この伸縮ブームを掘削機のブームに取
り付けて、最下段のアームの先端にクラムシェルバケッ
トを連結した深掘り掘削機が用いられていた。この深掘
り掘削機の構造ではそのほとんどがブームの先端に取り
付けた伸縮できるアームによって構成されており、この
アームはテレスコピック状に組み合わされた2段以上の
複数段のアームによってバケットを深い穴の底まで吊り
下げるような構造となっているのが特徴であった。
【0004】このような深掘り掘削機の伸縮ブームの伸
縮機構で従来より一般的に用いられている方法には、ワ
イヤーやチェーンを各アーム間に張り渡し、チェーンや
ワイヤーによって各アームを同期させて伸縮させる構成
が採用されていた。このような機構では、テレスコピッ
ク状に組み立てられた複数段のアームをそれぞれ円滑に
伸縮させることができるが、各段のアームにワイヤーや
チェーンを張り渡さなければならず、ワイヤーやチェー
ンの取り廻しが極めて複雑となるものであった。
【0005】また、このワイヤーやチェーンが動作する
際に、伸長するだけの機能ばかりではなく縮小するため
の機能のワイヤーやチェーンを張らなけなければなら
ず、一つのアームに対して少なくとも二本のワイヤーや
チェーンが必要とし、取り廻し本数が極めて多くなるも
のであった。そして、このようなワイヤーやチェーンの
取り廻しにおいては、ワイヤーやチェーンがアームの外
側に露出することとなり、外観上からも好ましいもので
はなく、また掘削作業中にワイヤーやチェーンに土砂が
付着することもあり、磨耗や故障の原因となるものであ
った。
【0006】このため、テレスコピック状となった伸縮
ブームの中に油圧シリンダーを組み込み、油圧シリンダ
ーの力によって伸縮ブームを伸縮させる機構も考えられ
ている。この場合、伸縮ブームの内部に単一の油圧シリ
ンダーを収納しておき、この油圧シリンダーによって伸
縮ブームを伸縮させることもできる。しかし、単一の油
圧シリンダーではその伸長量に限度があり、かつ、伸長
速度を早くすることができない。このため、2組つづの
アームの間にそれぞれ油圧シリンダーを介在させ、複数
の油圧シリンダーを同時に作動させることにより伸縮ブ
ーム全体を伸縮させる構成も考えられた。
【0007】しかし、このような構成で複数の油圧シリ
ンダーを伸縮ブーム内に収納させるとなれば、圧力油を
供給する高圧ホースをそれぞれの油圧シリンダーに取り
廻さなければならず、構造が複雑となるものであった。
また、複数の油圧シリンダーを用いても伸縮シリンダー
を早い速度で伸縮動作させることはできないものであっ
た。
【0008】このため、複数個のアームをテレスコピッ
ク状に組み合わせてその長さ方向に伸縮することのでき
る伸縮ブームの内部に油圧によって動作する作動ユニッ
トを固定しておき、この作動ユニットは一対の油圧シリ
ンダーをそれぞれのシリンダーロッドが逆方向を向くよ
うに並列して構成した構成も考えられている。この作動
ユニットでは、一方の油圧シリンダーのシリンダーロッ
ドを上段のアームに連結し、他方の油圧シリンダーのシ
リンダーロッドを下段のアームに連結し、両油圧シリン
ダーの圧力室を相互に接続するとともに両油圧シリンダ
ーの排出室を相互に接続し、両油圧シリンダーの圧力室
と排出室の間に一方向にのみ圧力油を流動させる合流手
段を介在させた油路を形成してある。この構成は、例え
ば、特願平4年157331号などで示されている。
【0009】この構成では、この作動ユニットの一対の
油圧シリンダーによって上下にあるアームをそれぞれ伸
縮させることができ、伸縮の速度は早くなる。そして、
両油圧シリンダーに圧力油を供給する油圧の配管はこの
作動ユニットの上端にあるシリンダーロッドから供給さ
れ、また、圧力油の回収もこのシリンダーロッドに接続
した配管により行われる。このため、従来のように油圧
シリンダーに接続する油圧ケーブルをテレスコピック状
となった伸縮ブームの内部で取り回す必要がなくなり、
機構が極めて簡略化できるものである。
【0010】この機構では、テレスコピック状となった
伸縮ブームを伸縮動作させるために、長い油圧ケーブル
を配置する必要が無くなるが、伸縮ブームの先端に取り
付けた各種の油圧機器(例えば、クラムシェルバケッ
ト、破砕機、切断機構など)に圧力油を供給させるため
には、別途油圧ケーブルを配置しなければならないもの
であった。このような油圧機器を動作させることができ
なければ、伸縮ブームを伸縮させることはできても、土
砂の掴み取りや破砕の作業を行うことが出来ず、作業現
場ではその目的とする作業を達成することができないか
らである。この油圧ケーブルの取回しでは、その長さを
複数段の伸縮ブームが最大に伸長した長さに設定してお
き、伸縮ブームが縮小した際には各アーム間で撓ませて
おかなければならないものである。油圧ケーブルは柔軟
性のある合成ゴムなどで構成されており、各アームの間
では余裕を持たせて配置しておくことにより、伸縮ブー
ムの伸縮動作に追従して油圧ケーブルが従動することが
できるからである。
【0011】このように、伸縮ブームの内部に長い油圧
ケーブルを配置して、伸縮ブームを動作をさせるとなれ
ば、長期の使用において油圧ケーブル自体が折れ曲がる
ことで劣化し、圧力油が漏れる原因となるものである。
このため、油圧ケーブルを定期的に点検し、油圧ケーブ
ル自体が損傷していないかどうかを保守する必要性があ
った。また、油圧ケーブルに余裕を持たせた長さで配置
させてあるため、その重量自体が重くなり、伸縮ブーム
全体の重量が増加する原因ともなっていた。
【0012】このため、複数段のアームで構成された伸
縮ブームの先端にバケットや破砕機等の油圧機器を連結
し、車体からその油圧機器まで圧力油を供給しなければ
ならない機構では油圧ケーブルを必要としており、この
油圧ケーブルでは使用上の欠点が多く存在した。このた
め、伸縮する伸縮ブームの基部からその先端まで、油圧
ケーブルを使用せずに圧力油を伝達することができ、し
かも、伸縮ブームが伸縮の動作をしても油漏れしない構
造の油圧伝達機構の開発が望まれていた。
【0013】この目的を達成するため、伸縮ブームの中
間のアームに設けられた一対の給油ユニットと、各給油
ユニットからはそれぞれ反対方向に向けて移動し、給油
ユニットとは気密に摺動する内部中空の給油パイプとか
ら成り、両給油ユニットのそれぞれ一方の給油パイプの
先端をブーム側のアームの基部に連結し、両給油ユニッ
トのそれぞれ他方の給油パイプの先端をバケット側のア
ームの先端に連結し、一方の給油パイプの内部空間と車
体に設けた油圧発生源を接続すると共に、他方の給油パ
イプの内部空間とバケットの油圧駆動機構を接続し、車
体側から圧力油を一方の給油パイプの内部に供給させ、
給油ユニットを通過させて他方の給油パイプからバケッ
トの油圧駆動機構に伝達させる発明も提案されている。
例えば、特願平6年335640号なとがある。
【0014】しかし、この新しく提案された構成では、
伸縮ブームの内部に、伸縮ブームを作動させるための一
本の作動ユニットと、圧力油を循環して流動させるため
の二本の給油ユニットが必要とされていた。給油ユニッ
トが二本必要なのは、圧力油を伸縮ブームの先端まで供
給するためと、供給した圧力油を回収するために必要な
ためである。このため、細い伸縮ブームの内部に合計三
本のユニットを収納しなければなけらず、構成が複雑と
なって重量が嵩み、制作費が高くなる欠点があった。ま
た、給油ユニットを伸縮させると、その伸縮の動作に追
従して二本の給油ユニットを構成するシリンダーロッド
がそれぞれ引き出されるため、伸縮動作における抵抗が
大きくなるものであった。
【0015】このため、特願平7年180771号で
は、伸縮ブームの内部に各ブームを伸縮動させる伸縮ユ
ニットと、伸縮ブームの長さに関わりなく後端のブーム
より先端のブームに圧力油を流動できる給油ユニットを
内蔵した機構が提案されている。この機構では、伸縮ユ
ニットが伸縮ブームを伸縮動させると共に、伸縮ユニッ
トの内部に圧力油が流動する油路を形成した構造であ
る。この機構では、伸縮ユニットから流動した圧力油は
ブームの先端まで供給され、ブームの先端からは給油ユ
ニットで圧力油が戻すことができ、この一巡の圧力油の
流動によりブームの先端に連結した油圧駆動機構に圧力
油を供給することができるものであった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように、提案され
た構成では、伸縮ブームが三段に伸縮することができる
機構の場合には有効であるが、三段以上の伸縮ブームに
あっては圧力油の循環経路を形成させることができない
ものであった。このため、より深い穴を掘削しようとす
る場合にはその伸縮長さに制限が加えられ、一定の深さ
までしか掘り取れないものであった。また、三段であっ
ても各ブームを長く設定すれば、より深い穴を堀取るこ
とが可能となるが、掘り取り作業の際に伸縮ブームを穴
から引き出さなければならず、伸縮ブームの取回しが困
難となるものであった。このため、四段以上に伸縮でき
る伸縮ブームであって、その後部のブームより先端のブ
ームまでに圧力油を供給することができる深掘り掘削機
の油圧伝達機構の開発が望まれていた。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では、車体と、こ
の車体の上方に軸支されて上下に揺動できるブームと、
このブームの先端に取り付けられ、外殻ブームと元ブー
ムと中ブームと先ブームをテレスコピック状に組み合わ
せてその長さ方向に伸縮することのできる伸縮ブーム
と、伸縮ブームの最先端のアームに取り付けられて土砂
を掴み取ることが出来るバケットと、この伸縮ブームを
伸縮動させる伸縮機構と、この伸縮ブームの外殻ブーム
の後端から先ブームの先端まで圧力油を流動させる給油
機構とから成る深掘り掘削機において、この伸縮機構
は、外殻ブームと元ブームの間に介在された第一の油圧
シリンダーと、元ブームと中ブームの間に介在された第
二の油圧シリンダーと、中ブームと先ブームの間に介在
された第三の油圧シリンダーとから構成され、第一の油
圧シリンダーより伸縮する第一のシリンダーロッドには
その先端から圧力室と連通する第一の圧力路と排出室と
連通する第一の排圧路をそれぞれ独立して形成し、第二
の油圧シリンダーより伸縮する第二のシリンダーロッド
にはその先端から圧力室と連通する第二の圧力路と排出
室と連通する第二の排圧路をそれぞれ独立して形成し、
第三の油圧シリンダーより伸縮する第三のシリンダーロ
ッドにはその先端から排出室と連通する第三の排圧路を
形成し、この給油機構は、外殻ブームと元ブームの間に
介在された第一の油圧流動ユニットと、元ブームと中ブ
ームの間に介在された第二の油圧流動ユニットと、中ブ
ームと先ブームの間に介在された第三の油圧流動ユニッ
トとから構成され、各油圧流動ユニットは、両端が開口
したシリンダーパイプとこのシリンダーパイプに摺動自
在に挿通した両端が開口した摺動パイプから成り、各シ
リンダーロッドの圧力路を直列に接続することにより、
第一、第二、第三の油圧シリンダーの圧力室を連通さ
せ、各シリンダーロッドの排圧路を直列に接続し、第
一、第二、第三の油圧流動ユニットを直列に接続し、第
一のシリンダーロッドの第一の排出路と第一の油圧流動
ユニットとに油圧発生源を接続し、第三のシリンダーロ
ッドの排圧路と第三の油圧流動ユニットとに油圧駆動機
構を接続したことを特徴とする深掘り掘削機の油圧伝達
機構を提供するものである(請求項1)。
【0018】また、望ましくは、本発明は、第一の排出
路と油圧発生源の間、および第一の油圧流動ユニットと
油圧発生源の間に、圧力油の供給を制御する切換弁を介
在させたことを特徴とする請求項1に記載された深掘り
掘削機の油圧伝達機構を提供するものである(請求項
2)。
【0019】さらに、望ましくは、本発明は、第三の排
圧路と油圧駆動機構の間、および第三の油圧流動ユニッ
トと油圧駆動機構の間に、圧力油の供給を制御する切換
弁を介在させたことを特徴とする請求項1に記載された
深掘り掘削機の油圧伝達機構を提供するものである(請
求項3)。
【0020】さらに、望ましくは、本発明は、第一の排
出路と油圧発生源の間、および第一の油圧流動ユニット
と油圧発生源の間に、圧力油の供給を制御する第一の切
換弁を介在させ、第三の排圧路と油圧駆動機構の間、お
よび第三の油圧流動ユニットと油圧駆動機構の間に、圧
力油の供給を制御する第二の切換弁を介在させ第一と第
二の切換弁を同期して作動させることを特徴とする請求
項1に記載された深掘り掘削機の油圧伝達機構を提供す
るものである(請求項4)。
【0021】さらに、望ましくは、本発明は、第一の油
圧シリンダーと第二の油圧シリンダーと第三の油圧シリ
ンダーのそれぞれの圧力室の有効圧力断面積の間では、
第一、第二、第三の油圧シリンダーの圧力室の順にその
断面積が小さくなるように設定したことを特徴とする請
求項1に記載された深掘り掘削機の油圧伝達機構を提供
するものである(請求項5)。
【0022】さらに、望ましくは、本発明は、第一のシ
リンダーロッドの排圧路と油圧発生源の間に逆止弁を介
在させると共に、第一の油圧流動ユニットと油圧発生源
の間に逆止弁を介在させ、油圧発生源から供給された圧
力油を各油圧シリンダーを通じて供給し、供給した圧力
油を各油圧流動ユニットを通じて第一の油圧流動ユニッ
トから回収するように構成したことを特徴とする請求項
1に記載された深掘り掘削機の油圧伝達機構を提供する
ものである(請求項6)。
【0023】さらに、望ましくは、本発明は、第一の油
圧シリンダーロッドの排圧路と第一の油圧流動ユニット
の間に、油圧流動ユニットから排圧路への圧力油の流動
を可能とするパイロットチェック弁を介在させ、このパ
イロットチェック弁のパイロット信号を第一の油圧シリ
ンダーロッドの圧力油に接続したことを特徴とする請求
項1に記載された深掘り掘削機の油圧伝達機構を提供す
るものである(請求項7)。
【0024】さらに、望ましくは、本発明は、第一の油
圧シリンダーロッドの圧力路に油タンクに圧力油が流出
するのを制限するパイロットチェック弁を接続し、この
パイロットチェック弁のパイロット信号を第一の油圧シ
リンダーロッドの排圧路に接続したことを特徴とする請
求項1に記載された深掘り掘削機の油圧伝達機構を提供
するものである(請求項8)。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】以下、本発明の一実施例を図面により説明
する。本実施例では、地表より下向に向かってその直径
に比べて深さが深い穴を垂直に掘り、構造物の基礎工事
や埋設工事で使用するための深掘り掘削機について説明
する。この図1においては本実施例の深掘り掘削機全体
の外観を示す斜視図であり、図2は深掘り掘削機に使用
する伸縮ブームの側面図であり、図3は深掘り掘削機に
使用する伸縮ブーム内の構成を模示的に示しており、圧
力油の流れる方向を説明するために図示した模示図であ
る。
【0027】<深掘り掘削機の構成>
【0028】図1で示す車体11の左右にはそれぞれク
ローラー12が巻き付けてあり、両クローラー12は平
行となるように配置してあり、これらのクローラー12
を駆動することにより車体11を前後方向に自由に移動
させることができる。この車体11の上部には水平方向
に360度自由に旋回できる作業台13が載置してあ
り、この作業台13の上部前面にはやや『く』の字形に
折り曲げたアーム14の下端が前後方向に揺動できるよ
うに軸支してある。このアーム14の中央と作業台13
の前面との間には、アーム14の俯仰制御用の元ブーム
15が介在してある。そして、アーム14の先端には外
殻ブーム27の下面の上部に固着したホルダー29をピ
ン17によって前後に揺動自在に連結してあり、ホルダ
ー29の後部とアーム14の背面中央との間には油圧シ
リンダー18を介在させてある。
【0029】この外殻ブーム27は、例えば薄肉鋼板を
折り曲げて断面を四角形に形成したものであり、内部が
中空の細長い形状をしており、この外殻ブーム27の下
端開口からは細長い形状の元ブーム16がその長さ方向
に摺動自在となるように挿通してある。この元ブーム1
6は、例えば薄肉鋼板を折り曲げて断面を四角形に形成
したものであり、内部が中空の細長い形状をしており、
この元ブーム16の下端開口からは細長い形状の中ブー
ム19がその長さ方向に摺動自在となるように挿通して
ある。この中ブーム19は、例えば薄肉鋼板を折り曲げ
て断面を四角形に形成したものであり、内部が中空の細
長い形状をしており、この中ブーム19の下端開口から
は細長い形状の先ブーム20がその長さ方向に摺動自在
となるように挿通してある。この先ブーム20は、例え
ば薄肉鋼板を折り曲げて断面を四角形に形成したもので
あり、内部が中空の細長い形状をしている。これらの、
外殻ブーム27、元ブーム16、中ブーム19、先ブー
ム20によって、その長さ方向に四段に伸縮できるテレ
スコピック状に組み立てられた伸縮ブーム28が構成さ
れていることになる。
【0030】この外殻ブーム27の左右の側面には、そ
れぞれ伸縮ユニット32、33(図1及び図2中におい
ては伸縮ユニット33は、外殻ブーム27の裏面に位置
しているため、図1、図2においては図示されていな
い)が配置してあり、伸縮ユニット32の上端は外殻ブ
ーム27の上部側面に連結してあり、伸縮ユニット32
の下端は元ブーム16の先端側面に連結してある。同様
に、外殻ブーム27の一方の側面(図1において手前の
面)には圧力油を流動させるための給油ユニット34が
設置してあり、この給油ユニット34の上端は外殻ブー
ム27の上部側面に連結してあり、給油ユニット34の
下端は元ブーム16の先端側面に連結してある。この伸
縮ユニット32と給油ユニット34とは、図1、図2で
示すように、両者は外殻ブーム27の一方の側面に平行
に配置され、外殻ブーム27の長さ方向にその軸方向を
一致させてある(なお、図1、図2では図示していない
が、伸縮ブーム28の内部空間には、元ブーム16より
中ブーム19、先ブーム20をそれぞれ伸長させるため
の油圧伸縮機構と、元ブーム16より先ブーム20まで
圧力油を流動させるための給油機構が収納してある。こ
の油圧伸縮機構と給油機構は後で詳しく説明する)。
【0031】そして、図1、図2で示すように、先ブー
ム20の先端には連結ユニット30が固着してあり、こ
の連結ユニット30の先端にはピン21によって他の連
結ユニット31の上端が連結してある。このため、連結
ユニット31は連結ユニット30の下方で自由に揺動で
きるように吊り下げてある。この連結ユニット31の下
面には直線状をした吊り軸22の上端が固着してあり、
吊り軸22の下端には左右に開閉動をして土砂を掘取る
ための一対のシェルバケット23、24が連結してあ
る。この吊り軸22の中央とシェルバケット23の背面
との間には、このシェルバケット23を作動させるため
の油圧駆動源としての油圧シリンダー25が介在してあ
り、吊り軸22の中央とシェルバケット24の背面との
間には、このシェルバケット24を作動させるための油
圧駆動源としての油圧シリンダー26が介在してある。
これらの吊り軸22、シェルバケット23、24、油圧
シリンダー25、26はピン21をその回動中心とし
て、その自重で常に垂直方向を向くように維持されてい
る。そして、油圧シリンダー25、26を同時に伸縮さ
せることで、吊り軸22に軸支したシェルバケット2
3、24はその下方の開口を左右に開閉することがで
き、このシェルバケット23、24によって深い穴の底
から土砂を掘取ることができる。このシェルバケット2
3、24により土砂を掘取るための動作は、従来から知
られているクラムシェルバケットの機能と同一である。
【0032】また、図2は、図1で示した伸縮ブーム2
8とクラムシェルバケットの構成を示すためにその側面
から見た状態を示すものである。この状態において、外
殻ブーム27と元ブーム16の間には伸縮ユニット32
がその長さ方向を一致させて配置してあり、同時に、こ
の伸縮ユニット32と平行となるように給油ユニット3
4が元ブーム16と外殻ブーム27の間に配置してあ
る。なお前述したように伸縮ユニット32と同一の機構
を持った伸縮ユニット33がこの外殻ブーム27の反対
面(図2中において紙面の裏側)に配置してあり、図2
で現れていない伸縮ユニット33の一端は外殻ブーム2
7の上端側面に連結されており、伸縮ユニット33の他
端は元ブーム16の下端側面に連結されている。
【0033】<圧力油の流路の説明>
【0034】次に、図3は本実施例おいて、伸縮ブーム
28内を流動する圧力油の経路を模示的に示すものであ
る。前述の外殻ブーム27、元ブーム16、中ブーム1
9、先ブーム20は、それらの長さ方向に伸縮できるよ
うにテレスコピック状に挿通してあり、従って、元ブー
ム16は外殻ブーム27に対して摺動自在に挿入され、
中ブーム19は元ブーム16に対して摺動自在に挿入さ
れ、先ブーム20は中ブーム19に対して摺動自在に挿
入されている。これら4つのブームによって、四段に伸
縮できる伸縮ブーム28が組み立てられている。
【0035】この外殻ブーム27の上部側面(図3にお
いて上方右側)と元ブーム16の下部側面(図3におい
て下方右側)の間には伸縮ユニット32が介在させてあ
り、この伸縮ユニット32が伸縮すると元ブーム16は
外殻ブーム27に対して摺動することができる。また、
外殻ブーム27の上部側面(図3において上方左側)と
元ブーム16の下部側面(図3において下方左側)の間
には給油ユニット34が介在されており、この給油ユニ
ット34によって元ブーム16の位置にかかわらず外殻
ブーム27より元ブーム16に圧力油を供給できるよう
に構成してある(なお、この図3においては、一方の伸
縮ユニット32のみを図示してあるが、実際には外殻ブ
ーム27と元ブーム16の間には同一の構成をした他の
伸縮ユニット33も介在してある。両伸縮ユニット3
2、33が同時に作動することにより、元ブーム16が
外殻ブーム27に対して摺動させられる。また、図3に
おいては、伸縮ユニット32と給油ユニット34を左右
に配置して図示してあるが、これは説明上のためにこの
ような配置にしたのであり、実際は図1に示すように伸
縮ユニット32と給油ユニット34は外殻ブーム27の
同じ側面に位置している)。
【0036】この伸縮ユニット32(伸縮ユニット33
は図示していないが同様な構成である)は油圧シリンダ
ーに似た構成となっており、円筒形をしたシリンダー筒
体201にシリンダーロッド203がその長さ方向に摺
動自在となるように挿通されている。そして、シリンダ
ー筒体201の基部は元ブーム16の下部側面に連結さ
れており、シリンダーロッド203の上端は外殻ブーム
27の上部側面に連結されている。また、給油ユニット
34は円筒形をしたシリンダー筒体231の内部にその
長さ方向に摺動できるように摺動パイプ232を摺動自
在に挿通することで組み立ててあり、シリンダー筒体2
31の下端は元ブーム16の下部側面に連結してあり、
摺動パイプ232の上端は外殻ブーム27の上部側面に
連結してある。この摺動パイプ232は、その長さがど
んな伸縮状態であっても、シリンダー筒体231から摺
動パイプ232に圧力油を漏らすことなく流動させるこ
とができる機能を持っている。
【0037】そして、元ブーム16、中ブーム19、先
ブーム20によりテレスコピック状に構成された内部空
間には、中ブーム19、先ブーム20を元ブーム16よ
り伸縮するための伸縮ユニット35が配置してある。同
時に、この元ブーム16、中ブーム19、先ブーム20
によって形成された内部空間には、中ブーム19、先ブ
ーム20の伸縮する動作にかかわらず、元ブーム16か
ら先ブーム20にまで圧力油を流動させることができる
給油ユニット36が配置してある。両伸縮ユニット35
と給油ユニット36の何れも、その長さ方向を元ブーム
16、中ブーム19、先ブーム20の長さ方向と平行と
なるように配置してある。
【0038】この伸縮ユニット35は一対の油圧シリン
ダーに似た第一のシリンダー41と第二のシリンダー4
2の部材から成り、それぞれのシリンダーロッドを反対
方向に向けて配置して構成してある。これらのシリンダ
ー41と42の軸線が平行となるように一体に組み合わ
せてあり、シリンダー41の上端は中ブーム19の上部
とピンで連結してあり、シリンダー41と42は中ブー
ム19に保持されている。このシリンダー41の上端の
開口には第一のシリンダーロッド43がその長さ方向に
摺動できるように挿通してあり、シリンダーロッド43
の上端は元ブーム16の上部にピンで連結してある。ま
た、シリンダー42の下端の開口には第二のシリンダー
ロッド44がその長さ方向に摺動できるように挿通して
あり、シリンダーロッド44の下端は先ブーム20の下
端とピンで連結してある。
【0039】また、給油ユニット36は一対の油圧シリ
ンダーに似た(シリンダーロッドがシリンダーより伸縮
することができるが、圧力油によって作動力が発生しな
い点が相違する)の第一のシリンダーパイプ45と第二
のシリンダーパイプ46の部材から成り、それぞれの摺
動パイプ47、48を反対方向に向けて配置して構成し
てある。これらのシリンダーパイプ45と46の軸線が
平行となるように一体に組み合わせてあり、両シリンダ
ーパイプ45、46の上部は中ブーム19の上部とピン
で連結してあり、両シリンダーパイプ45、46は中ブ
ーム19に保持されている。このシリンダーパイプ45
の上端の開口には第一の摺動パイプ47がその長さ方向
に摺動できるように挿通してあり、この摺動パイプ47
の上端は元ブーム16の上部にピンで連結してある。ま
た、シリンダーパイプ46の下端の開口には第二の摺動
パイプ48がその長さ方向に摺動できるように挿通して
あり、摺動パイプ48の下端は先ブーム20の下端とピ
ンで連結してある。
【0040】このような構成において、伸縮ユニット3
2に圧力油を供給すると、シリンダーロッド203はシ
リンダー筒体201より伸長し、外殻ブーム27の内部
より元ブーム16を下方に押し出すように作用する。こ
の伸縮ユニット32に供給されている圧力油は伸縮ユニ
ット35にも供給されているため、シリンダーロッド4
3はシリンダー41より伸長し、シリンダーロッド44
はシリンダー42より伸長する。このため、中ブーム1
9は元ブーム16より図3中において下方に伸長するこ
とになる。こうして、四段に組み合わされた伸縮ブーム
28の元ブーム16、中ブーム19、先ブーム20はそ
れぞれ外殻ブーム27より下方に押し出されることにな
る。
【0041】この圧力油の供給において、圧力油はシリ
ンダーロッド203の上端の図3中Aで示した位置より
供給され、圧力油の一部はシリンダー筒体201の下端
の図3中Bで示した方向に流出し、この図3中Bより流
出した圧力油はシリンダーロッド43の上端にある図3
中Cで示した位置より流入し、伸縮ユニット35の伸縮
動作を行うことになる。このシリンダーロッド43の上
端より図3中でC方向に流入した圧力油の一部は、シリ
ンダー41と42の内部を通過してシリンダーロッド4
4の下端より図3中Dで示す方向に流出することにな
る。この結果、シリンダーロッド203にA方向に供給
された圧力油は伸縮ユニット32と伸縮ユニット35を
同時に作動させ、同時に、伸縮ユニット32および伸縮
ユニット35の内部に形成した油路(図3では図示して
いないが、通常の油圧シリンダーの流路とは別の第二の
流路がシリンダー筒体201、シリンダーロッド20
3、シリンダー41と42、シリンダーロッド43と4
4の内部に形成してある。この構成は後で詳しく説明す
る)により、圧力油の一部を図3中Aの位置より図3中
Dの位置にまで連続して流動させることができる。すな
わち、シリンダー筒体201に対してシリンダーロッド
203が摺動しておらず、シリンダー41と42にある
シリンダーロッド43と44が摺動していないときに
(この限定が必ず必要となる)、シリンダーロッド20
3の上端にある矢印Aに供給された圧力油は、シリンダ
ー筒体201の下端にある矢印Bの方向に流出し、次い
で、矢印Bより流出した圧力油はシリンダーロッド43
の上端にある矢印Cの方向に流入し、伸縮ユニット35
の内部を流動した後シリンダーロッド44の下端で矢印
Dの方向に流出することになる。
【0042】また、給油ユニット34は、中ブーム19
が元ブーム16より引き出されるに従い、摺動パイプ4
7がシリンダーパイプ45より引き出され、摺動パイプ
47の上端とシリンダーパイプ45の下端の間隔が広く
なる。同時に、先ブーム20が中ブーム19より引き出
されるに従い、摺動パイプ48がシリンダーパイプ46
より引き出され、摺動パイプ48の下端とシリンダーパ
イプ46の上端の間隔が広くなる。この摺動パイプ47
と48は、それぞれシリンダーパイプ45と46に対し
てその長さ方向に自由に摺動することができ、その摺動
の動作において抵抗を発生せず、摺動パイプ47とシリ
ンダーパイプ45は気密に摺動し、摺動パイプ48とシ
リンダーパイプ46は気密に摺動し、その内部にある圧
力油を流出させることがない。このようにして、伸縮ブ
ーム28の伸長動作に従って、両摺動パイプ47と48
をシリンダーパイプ45と46から伸長することがで
き、給油ユニット36の全長を変化させることができ、
その際には圧力油を外部に漏らすことがない。このシリ
ンダーパイプ45と46、摺動パイプ47と48の内部
は空洞に形成してあるため、その内部空間で圧力油を流
動させることができる。このため、摺動パイプ48の下
端から図3中でE方向に流入させた圧力油は摺動パイプ
48の内部を流動し、シリンダーパイプ45と46の内
部を通過し、摺動パイプ47の内部空間を流動した後、
図3中でF方向に流出させることができ、一連の圧力油
の流動する経路が形成される。
【0043】次に、給油ユニット34は、外殻ブーム2
7より元ブーム16が引き出されるに従って、摺動パイ
プ232がシリンダー筒体231より引き出され、摺動
パイプ232の上端とシリンダー筒体231の下端の間
隔が広くなる。この摺動パイプ232はシリンダー筒体
231に対してその長さ方向に摺動することができ、そ
の摺動において抵抗を発生することはない。このシリン
ダー筒体231と摺動パイプ232の内部空間は連通さ
せてあるため、摺動パイプ232の下端で図3中でG方
向に流入した圧力油は、空洞となっているシリンダー筒
体231と摺動パイプ232の内部を通過し、摺動パイ
プ232の上端で図3中でH方向に流出させられること
になる。この給油ユニット34の矢印Gと給油ユニット
36の矢印Fを圧力ホースなどで継続させることによ
り、図3中でE方向に流入させた圧力油を図3中でH方
向に流出させることができる一連の流路を形成させるこ
とができる。
【0044】<伸縮ブーム28の機構>
【0045】次に、図4、図5、図6により伸縮ブーム
28の構成を説明する。図4は伸縮ブーム28の内部構
造を示す縦断面図であり、図6中におけるZーZ方向に
矢視した断面図に対応している。図5は伸縮ブーム28
の内部構造を示す縦断面図であり、図6中におけるYー
Y方向に矢視した断面図に対応している。図6は伸縮ブ
ーム28の内部構造を示す横断面図であり、図4中にお
けるXーX方向に矢視した断面図に対応している。
【0046】この図4では、伸縮ブーム28の両側に配
置した伸縮ユニット32、33、内部に配置した伸縮ユ
ニット35、給油ユニット36等の各種の機器の配置が
示されている。図5では、伸縮ブーム28の内部に配置
した伸縮ユニット35、給油ユニット36等の各種の機
器の配置が示されている。図6では、伸縮ブーム28の
両側に配置した伸縮ユニット32、33、給油ユニット
34、内部に配置した伸縮ユニット35、給油ユニット
36等の各種の機器の配置が示されている。これらの図
4、図5、図6では、同時に、伸縮ユニット32、3
3、給油ユニット34、伸縮ユニット35、給油ユニッ
ト36がそれぞれ元ブーム16、中ブーム19、先ブー
ム20、外殻ブーム27に連結している状態が示されて
いる。これらの図4、図5では、図中の左側が下方向に
向いており、図中の右側が上方向に向いており、以下の
説明においては、図面中で下方向が左側となり、上方向
が右側となる点に注意されたい。
【0047】前述の伸縮ブーム28は、外殻ブーム2
7、元ブーム16、中ブーム19、先ブーム20の四つ
のブームによりテレスコピック状に伸縮自在に組み立て
られており、元ブーム16、中ブーム19、先ブーム2
0はそれぞれ外殻ブーム27に対してその長さ方向に摺
動することができる。この伸縮ブーム28の両側の側面
には、それぞれ伸縮ユニット32、33が配置してあ
り、図4、図5では図示されていないが、給油ユニット
34も伸縮ブーム28の一方の側面に配置されている。
この伸縮ブーム28の内部空間の中央には前述した伸縮
ユニット35が配置してあり、伸縮ユニット35の長さ
方向は伸縮ブーム28の長さ方向と平行になるように配
置させてある。また、前述した給油ユニット36も、伸
縮ブーム28の内部空間に収納してあるが、この給油ユ
ニット36の形状はこの伸縮ユニット35より少し小振
りの外形をしており、この給油ユニット36は伸縮ユニ
ット35の側面に位置するように収納してある。つま
り、給油ユニット36は図4、図5、図6で示すよう
に、伸縮ブーム28の内部中央におる伸縮ユニット35
の位置を避け、伸縮ユニット35と衝突しない隅の方空
間に位置させてある。この給油ユニット36の長さ方向
は伸縮ブーム28の長さ方向と平行となるように配置さ
せてあり、伸縮ユニット35と給油ユニット36はそれ
ぞれ平行となるように配置させてある(なお、図4にお
いて給油ユニット34は紙面より上方に位置するため表
れておらず、図4においてシリンダー41は伸縮ユニッ
ト35を構成するシリンダー42によって隠れている。
図5において伸縮ユニット35のシリンダー42の大部
分は給油ユニット36によって隠れている)。
【0048】<<伸縮ユニット32、33の取り付け構
造>>
【0049】前記外殻ブーム27の外側には一対の伸縮
ユニット32、33が設けてあり、この伸縮ユニット3
2は円筒形をしたシリンダー筒体201とパイプ状をし
たシリンダーロッド203とから成り、伸縮ユニット3
3は円筒形をしたシリンダー筒体202とパイプ状をし
たシリンダーロッド204とから成っている。このシリ
ンダー筒体201の上端開口にシリンダーロッド203
を摺動自在に挿入してあり、シリンダー筒体201に内
蔵したピストンによってシリンダーロッド203が伸縮
させられる機能を持っている。同様に、シリンダー筒体
202の上端開口にシリンダーロッド204を摺動自在
に挿入してあり、シリンダー筒体202に内蔵したピス
トンによってシリンダーロッド204が伸縮させられる
機能を持っている。このように構成された伸縮ユニット
32、33を外殻ブーム27と元ブーム16に取り付け
る構成を説明する。
【0050】前述の外殻ブーム27の上部(図4におい
て右側)の両側面には、それぞれ軸支片205、206
が固着してあり、各軸支片205、206は後述するよ
うに一対の台形をした金属片から構成されている。この
軸支片205の間にはシリンダーロッド203の上端
(図4において右側)に固着した端末ブロック207が
挿入してあり、軸支片205と端末ブロック207はピ
ン209によって回動自在に連結してある。また、軸支
片206の間にはシリンダーロッド204の上端(図4
において右側)に固着した端末ブロック208が挿入し
てあり、軸支片206と端末ブロック208はピン21
0によって回動自在に連結してある。次に、シリンダー
筒体201の上部外周にはコロ受211が固着してあ
り、このコロ受211の左右(図4で紙面の上下方向、
図6で図面中の上下方向)にはピン状をした支軸213
が突起させてあり、それぞれの支軸213には円形をし
たコロ215を回転自在に軸支してある。なお、図4に
おいては下側のコロ215だけを図示しており、上側の
コロ215は図示していない。また、シリンダー筒体2
02の上部外周にはコロ受212が固着してあり、この
コロ受212の左右(図4で紙面の上下方向、図6で図
面中の上下方向)にはピン状をした支軸214が突起さ
せてあり、それぞれの支軸214には円形をしたコロ2
16を回転自在に軸支してある。なお、図4においては
下側のコロ216だけを図示しており、上側のコロ21
6は図示していない。それぞれのコロ215、216は
伸縮ユニット32、33の伸縮動作に伴い、外殻ブーム
27の側面に接触して転動することができるものであ
る。
【0051】また、前述の元ブーム16の下部側面(図
4において右側)の両側面には、それぞれ軸支片21
7、218が固着してあり、各軸支片217、218は
後述するように一対の台形をした金属片から構成されて
いる。この軸支片217の間にはシリンダー筒体201
の下端(図4において左側)に固着した端末ブロック2
19を挿入してあり、軸支片217と端末ブロック21
9はピン221によって回動自在に連結してある。そし
て、軸支片218の間にはシリンダー筒体202の下端
(図4において左側)に固着した端末ブロック220を
挿入してあり、軸支片218と端末ブロック220はピ
ン222によって回動自在に連結してある。
【0052】<<伸縮ユニット35の取り付け構造>>
【0053】次に、この伸縮ブーム28の内部に収納し
た伸縮ユニット35を取り付ける構造について説明す
る。前述した元ブーム16の上部(図4、図5において
それぞれ右側)は閉鎖されており、元ブーム16の下方
のみが開口した形状となっている。この元ブーム16の
上部を閉鎖する天板(図4において右側の終端面)の内
壁には間隔を置いて一対のリブ板51、51が平行とな
るように固着してある。また、先ブーム20の下部(図
4、図5においてそれぞれ左側)の内部空間にはやや三
角形状をしたスペーサー62が挿入してあり、このスペ
ーサー62はリブにより軽量化できるように形成されて
いる。このスペーサー62を側面から見ると(図4の視
点で見る)、斜辺が長い二等辺三角形状をしており、そ
の鋭角となった頂点を下方に向けてあり、底辺となる短
い辺を上方に向けて位置させてある。そして、スペーサ
ー62の鋭角となった頂点と先ブーム20の下部とはピ
ン63によって連結してあり、底辺となる短辺の両側は
先ブーム20の内壁の両側に接触させてあり、スペーサ
ー62自体が先ブーム20内でガタつくことがないよう
に保持されている。前述した中ブーム19は断面が四角
形をしていて、その上下端が開放した角パイプ状をして
おり、この中ブーム19の上部(図4の左側)であって
その内壁面には、対向するように保持軸受58、58が
それぞれ固着してある。各保持軸受58、58はその一
端(中ブーム19の内壁に接した側)が径大なフランジ
を持つ円筒形をしており、両保持軸受58、58の対向
する面の中央にはピン穴59、59を開口してある。な
お、両保持軸受58、58のピン穴59、59は、図6
で示すようにそれぞれの軸線が同一直線上に位置するよ
うに配置してある。
【0054】この伸縮ユニット35の主要の部材は、一
対のシリンダー41と42であり、両シリンダー41、
42のそれぞれの軸線は平行となるように配置してあ
り、シリンダー41のシリンダーロッド43とシリンダ
ー42のシリンダーロッド44の伸縮方向は逆となるよ
うに向けられている。このシリンダー41の上部の外周
には結合ブロック56が固着してあり、この結合ブロッ
ク56でシリンダー42の上端と連結できるようになっ
ている。また、シリンダー42の下部外周にはシリンダ
ートップ93が固着してあり、シリンダー41の下端に
は連結ヒンジ76が突起させてあり、シリンダートップ
93と連結ヒンジ76とはピン78によって連結してあ
る。このように、両シリンダー41、42はそれぞれの
上部と下部で連結され、両者は一体となるように固定さ
れることにより伸縮ユニット35を形成している。
【0055】さて、この結合ブロック56は、無垢の金
属を切削することにより形成されるものであり、その平
面形状は図6で示すように下面が半円形となり、上面が
山形に突起した形状となっていて、結合ブロック56の
左右には一対のピン軸57、57が突起させてある。両
ピン軸57、57は、その軸線が一直線となるように配
置され、それぞれのピン軸57、57は前述の保持軸受
58に開口したピン穴59、59に挿入してある。この
ため、結合ブロック56はピン軸57、57とピン穴5
9、59を介して図6で示すように両保持軸受58、5
8に保持され、結果としてシリンダー41は中ブーム1
9とピン連結されたことになる。このため、シリンダー
41(及び、シリンダー42)と中ブーム19は一体と
なって移動することになるが、シリンダー41がガタ付
きや遊びによって揺動しても、ピン軸57、57とピン
穴59、59を中心にして回動し、無理な力を中ブーム
19に伝えることがない。
【0056】シリンダー41の上端からはシリンダーロ
ッド43が摺動自在に突出しており、このシリンダーロ
ッド43の上端(図4、図5において右側)には長方体
形状の端末ブロック54が固着してある。このシリンダ
ーロッド43の上端は元ブーム16の上部を閉鎖する天
板にまで延長し、端末ブロック54は一対のリブ板51
と51の間に挿入され、リブ板51と51の端末ブロッ
ク54はピン55によって連結されている。この端末ブ
ロック54は、側面から見てややL字形をした立体形を
しており、その上面には圧力油を外部からシリンダー4
1の内部に流動させることができるポート(後述する)
を設けてある。
【0057】そして、シリンダー42の下端からはシリ
ンダーロッド44が伸縮自在に突出しており、このシリ
ンダーロッド44の下端は先ブーム20の下部にまで延
長しており、シリンダーロッド44の下端(図4、図5
において左側)には長方体状をした端末ブロック60が
固着してある。この端末ブロック60にはピン61によ
って前述のスペーサースペーサー62と連結してあり、
端末ブロック60とスペーサースペーサー62を介して
シリンダーロッド44は先ブーム20に連結されたこと
になる。なお、この端末ブロック60は立体形をしてお
り、その側面には圧力油をシリンダー42の内部から外
部に流動させることができるポート(後述する)を設け
てある。
【0058】<<給油ユニット36と伸縮ブーム28の
連結>>
【0059】次に、給油ユニット36を構成するシリン
ダーパイプ45の上部(図4、図5において左側)には
長方体をした固定ブロック113が固着してあり、シリ
ンダーパイプ46の上部にも長方体をしたシリンダーエ
ンド118が固着してある。この固定ブロック113と
シリンダーエンド118の側面は密着してあり、両固定
ブロック113とシリンダーエンド118の結合ブロッ
ク56に向いた面(図6で右側)には直角になるように
取付片99が固着してある。この取付片99には開口1
00が貫通形成してあり、この開口100を結合ブロッ
ク56に突起させたボルト85に挿入し、このボルト8
5にナット71をねじ込むことで取付片99を結合ブロ
ック56に固定してある。こうして、取付片99、固定
ブロック113、シリンダーエンド118を介して、シ
リンダーパイプ45、46は結合ブロック56に保持さ
れ、シリンダーパイプ45、46は前述のシリンダー4
1、42と共に一体となって伸縮ブーム28内で移動す
ることになる(つまり、中ブーム19とシリンダー4
1、42とシリンダーパイプ45、46は相互に連結さ
れており、中ブーム19、伸縮ユニット35、給油ユニ
ット36は常に一緒にその長さ方向に移動することにな
る)。
【0060】そして、シリンダーパイプ45の上端から
伸縮される摺動パイプ47の上端(図4、図5において
右側)には端末ブロック65が固着してあり、この端末
ブロック65の上端は元ブーム16の上部を閉鎖する天
板にまで延長している。また、元ブーム16の上部の内
壁には保持体52が固着してあり、この保持体52は
『コ』の字形をした係合部分を持っており、保持体52
の『コ』の字形の空間に端末ブロック65を挿入し、両
者はピン66によって回動自在に連結してある。この端
末ブロック65は立体形をしており、端末ブロック65
の側面には摺動パイプ47の内部から外部へ圧力油を流
動させるためのポートを形成してある。また、シリンダ
ーパイプ45とは逆方向に向けて一体に連結したシリン
ダーパイプ46の下端(図4、図5において左側)から
は摺動パイプ48が伸縮自在に突出してあり、この摺動
パイプ48の下端には立体形をした端末ブロック68が
固着してある。この端末ブロック68は、スペーサー6
2の上面(図4、図5において右側面)に間隔を置いて
突起した一対のヒンジ69、69の間に挿入され、端末
ブロック68とヒンジ69、69とはピン70によって
連結されている。この端末ブロック68の側面には、外
部から摺動パイプ48の内部に圧力油を流動させるため
のポートを形成してある。
【0061】<伸縮ユニット32の外観と構成>
【0062】次に、図7は前述の伸縮ユニット32を構
成する部材を分解し、この伸縮ユニット32を組み立て
る手順を示す分解図である。前述の伸縮ユニット33も
この伸縮ユニット32と同一の構成であり、伸縮ユニッ
ト33の構成はこの図7とは反転して示されるものであ
り、伸縮ユニット33の構成はこの図7によって同時に
説明し、その説明を省略する。
【0063】前述したように伸縮ユニット32は、シリ
ンダー筒体201とシリンダーロッド203を主要な構
成部材としており、シリンダー筒体201は内部が中空
の円筒形をしており、このシリンダー筒体201の一端
開口よりシリンダーロッド203がその長さ方向に摺動
自在となるように挿通してある。このシリンダーロッド
203は細径の円筒形をしており、その内部には圧力油
を流動させるための油路(図8で詳しく説明する)が形
成してある。前記シリンダー筒体201の上端(図7に
おいて右手前側)にはシリンダーヘッド252が固着し
てあり、このシリンダーヘッド252によってシリンダ
ー筒体201の上端開口を閉鎖すると共にシリンダーロ
ッド203を気密に摺動させている。このシリンダー筒
体201の側面には一体となるように油路突起253が
形成してあり、この油路突起253の側面にはポート2
54が設けてある。そして、シリンダーヘッド252の
外周には鉢巻き状にコロ受211が固着してあり、この
コロ受211の上下にはそれぞれ同一軸線上に配置した
一対の支軸213、213を突起してある。このコロ受
211は鋳物で成形したり、無垢の金属材を切り出しに
より成形してあり、その内周をシリンダーヘッド252
の外周に密着させることで固定してある。これらの支軸
213、213にはそれぞれ円盤形をしたコロ215、
215を回転自在に挿入してあり、両コロ215、21
5の周面は外殻ブーム27の側壁に接触させてあり、外
殻ブーム27に接触して転動することができる。
【0064】そして、シリンダーロッド203の上端
(図7において右手前側)には、立体形をした端末ブロ
ック207が固着してあり、この端末ブロック207に
は上下に貫通したピン穴225が開口してあり、端末ブ
ロック207の側面には一対のポート260、261が
突起してある。前述の一対の軸支片205は外殻ブーム
27の外壁に固着された固定板223に固着されてお
り、各軸支片205、205は平板状をした固定板22
3の上面に間隔を置いて平行に固着してあり、各軸支片
205、205にはその軸線を一直線に配置してピン穴
224、224をそれぞれ開口させてある。この軸支片
205、205の間に端末ブロック207を挿入し、ピ
ン穴224とピン穴225の軸線を一致させ、上部より
ピン209をピン穴224と225に挿入し、軸支片2
05と端末ブロック207を連結することができる。
【0065】また、シリンダー筒体201の下端(図7
において左奥側)には、このシリンダー筒体201の開
口を閉鎖するシリンダーエンド241が連結してあり、
このシリンダーエンド241の下面には端末ブロック2
19が固着してある。このシリンダーエンド241と端
末ブロック219は鋳物で成形したり、無垢の金属材を
切り出しにより成形してあり、シリンダーエンド241
はその外周がシリンダー筒体201の外径と同じ円形に
形成してあり、端末ブロック219は立体形のブロック
状に形成してあり、端末ブロック219には上下方向に
開口したピン穴227が貫通開口させてある。そして、
前述の元ブーム16の下部(図7において左奥側)の側
壁には、一対の軸支片217、217が溶接等により固
着してある(図7においては元ブーム16は図示してい
ないが、軸支片217、217の基部はそれぞれ図示し
ていない元ブーム16に固定してある)。両軸支片21
7、217は間隔を置いて平行に配置してあり、両軸支
片217、217の側面には同一の軸線にピン穴226
を貫通開口してある。この軸支片217、217と端末
ブロック219を連結するには、端末ブロック219を
軸支片217、217の間に挿入し、ピン穴226と2
27の軸線を一致させ、ピン221をピン穴226、2
27に共通して挿通することでピン連結することができ
る。
【0066】<伸縮ユニット32の内部構造>
【0067】図8は、伸縮ユニット32を組み立てた状
態で、その中央を長さ方向に切断して示した、内部の構
成を示す縦断面図である。
【0068】前述したように、シリンダー筒体201の
下端開口(図8において左側)には、シリンダーエンド
241を密着して連結してあり、このシリンダーエンド
241によってシリンダー筒体201の下端開口が閉鎖
されている。このシリンダーエンド241の内部には圧
力油を流動させる油路244が穿ってあり、この油路2
44はシリンダー筒体201の内部空間とポート243
を連通させている。このシリンダー筒体201の内部に
は、シリンダー筒体201の内周壁と気密に接触するピ
ストン246を摺動自在に挿通してあり、このピストン
246によりシリンダー筒体201の内部空間は図8中
で左右に二分されている。このシリンダー筒体201の
上端開口にはシリンダーヘッド252が密着して固定し
てあり、このシリンダーヘッド252の中央には開口が
形成してあり、この開口にはパイプ状をしたシリンダー
ロッド203を挿通してある。このシリンダーヘッド2
52の開口内周とシリンダーロッド203の外周とは気
密に、かつ、摺動自在に密着させてある。そして、シリ
ンダーロッド203の下端(図8において左端)にはピ
ストン246の側面を連結してあり、このピストン24
6によってシリンダーロッド203の下端開口が閉鎖さ
れている。さらに、このシリンダーロッド203の内部
空間には細径のパイプ状をしたインナーパイプ248を
挿通してあり、このインナーパイプ248の下端(図8
において左端)はピストン246の中央に形成した開口
を通過させ、インナーパイプ248の下端には止めネジ
249をねじ込み、インナーパイプ248とピストン2
46を固定している。そして、シリンダーロッド203
の上端(図8において右端)には、ブロック状をした端
末ブロック207を固着し、この端末ブロック207に
よってシリンダーロッド203の開口は閉鎖してあり、
同時に、端末ブロック207によりインナーパイプ24
8の上端(図8において右端)も閉鎖してある。
【0069】このような構成により、ピストン246は
シリンダー筒体201の内周と気密に摺動し、ピストン
246によりシリンダー筒体201の内部空間は二分さ
れている。また、シリンダーロッド203の内部にイン
ナーパイプ248を挿入してあるため、シリンダー筒体
201の上側(図8において右端)の内部空間はシリン
ダーロッド203とインナーパイプ248によって同心
円状をしたドーナツ状の三つの空間に区分されている。
そして、シリンダーロッド203の下端(図8において
左側)には、このシリンダーロッド203の内外周を連
通するための通口250を開口してある。また、シリン
ダー筒体201の上部には、このシリンダー筒体201
の内外周を連通するための通口256を開口してあり、
この通口256は油路255を介してポート254に連
通してある。さらに、端末ブロック207にはそれぞれ
独立した油路258、259が穿ってあり、油路258
はインナーパイプ248の内部空間とポート260とを
連通させており、油路259はシリンダーロッド203
の内周とインナーパイプ248の外周で形成されたドー
ナツ状の空間とポート261とを連通させている。
【0070】<給油ユニット34の外観と構成>
【0071】図9は、前述の給油ユニット34を構成す
る部材を分解し、この給油ユニット34を組み立てる手
順を示す分解図である。
【0072】この給油ユニット34の主要部は、細長い
円筒形をしたシリンダー筒体231と細長い円筒形をし
た摺動パイプ232より構成されており、シリンダー筒
体231の一端開口より摺動パイプ232が気密に摺動
自在に挿通されている。このシリンダー筒体231の内
部はパイプ状の細長い空洞となっており、このシリンダ
ー筒体231の内部空間に摺動パイプ232が気密に、
かつ摺動自在に挿入されており、摺動パイプ232の内
部もパイプ状の細長い空洞となっている。このシリンダ
ー筒体231の下端(図9において左奥側)には、この
シリンダー筒体231の開口を閉鎖するようにして、ブ
ロック状をした固定ブロック233が固着してあり、こ
の固定ブロック233は元ブーム16(図9では図示し
ていない)の下部側壁に固着されている。この固定ブロ
ック233の側面には油路突起268が突出してあり、
この油路突起268の側面にはポート269が設けてあ
る。そして、摺動パイプ232の上端(図9で右手前
側)には、その開口を閉鎖するようにブロック状をした
端末ブロック234が固着してあり、この端末ブロック
234には上下方向にピン穴235が貫通開口してあ
り、端末ブロック234の側面にはポート272が設け
てある。次に、前述の軸支片237は外殻ブーム27の
外壁に固着された固定板236に固定されるもので、一
対の軸支片237、237は平板状をした固定板236
の上面に間隔を置いて平行に固着してある。各軸支片2
37、237にはその軸線を一直線に配置してピン穴2
38、238をそれぞれ開口させてある。この軸支片2
37、237の間に端末ブロック234を挿入し、ピン
穴235とピン穴238の軸線を一致させ、上部よりピ
ン239をピン穴235と238に挿入し、軸支片23
7と端末ブロック234を連結することができる。これ
により、端末ブロック234は軸支片237と回動自在
に連結させることができる。
【0073】<給油ユニット34の内部構造>
【0074】図10は、給油ユニット34を組み立てた
状態で、その中央を長さ方向に切断して示した、内部の
構成を示す縦断面図である。
【0075】前述のように、シリンダー筒体231の下
端(図10において左端)開口は固定ブロック233に
よって閉鎖されており、この固定ブロック233の内部
には油路270が穿ってあり、この油路270を介して
シリンダー筒体231の内部空間とポート269を連通
してある。このシリンダー筒体231の上端(図10に
おいて右端)の開口にはシリンダーヘッド271が嵌め
込んで固定してあり、このシリンダーヘッド271の中
央には円形の開口を形成してある。そして、シリンダー
ヘッド271の中央開口には摺動パイプ232を気密
に、かつ摺動自在に挿通してある。この摺動パイプ23
2の上端(図10において右端)には端末ブロック23
4が固着してあり、この端末ブロック234によって摺
動パイプ232の上端開口が閉鎖されている。そして、
端末ブロック234の内部には油路273が穿ってあ
り、油路273によって摺動パイプ232の内部空間と
ポート272とを連通している。
【0076】<伸縮ユニット35の外観と構成>
【0077】図11は、前述の伸縮ユニット35を構成
する部材を分解し、この伸縮ユニット35を組み立てる
手順を示す分解図である。
【0078】前述したように、伸縮ユニット35は2つ
のシリンダー41と42を組合せることにより構成され
ている。この一方のシリンダー41の中央は、内部が中
空のパイプ状をした第1のシリンダー筒体72で構成さ
れており、このシリンダー筒体72の下端(図11にお
いて左端)にはシリンダー筒体72の下端開口を閉鎖す
る第1のシリンダーエンド73が固着してある。このシ
リンダーエンド73は鋳物などにより一体に形成された
もので、周囲は円形となり、その側面の一部には直角方
向に油路突起74が突出してある。この油路突起74の
側面にはL字形となるようにポート75が突出してあ
り、このポート75の開口は上方に向けられている。そ
して、シリンダーエンド73の下端には一対の連結ヒン
ジ76が間隔を置いて平行に配置してあり、両連結ヒン
ジ76、76にはそれぞれピン穴77、77が開口して
あり、両ピン穴77、77には前述のピン78を挿入す
ることができる。また、シリンダー筒体72の上端(図
11において右端)には円筒形の第1のシリンダートッ
プ81を結合してあり、このシリンダートップ81は鋳
物などにより一体に形成されており、シリンダートップ
81の側面の一部には直角方向に油路突起82が突出し
てある。この油路突起82の側面にはL字形となるよう
にポート83が突出してあり、このポート83の開口は
下方に向けられている。
【0079】そして、円筒形となっているシリンダート
ップ81の外周には結合ブロック56が嵌め合わせてあ
り、この構成により、シリンダートップ81の上部の外
周には鋳物などを切削して形成して中央に開口を貫通さ
せ、三方の側面を平面に形成した結合ブロック56を鉢
巻き状に固着したことになる。この結合ブロック56の
左右の側面にはそれぞれピン軸57、57を突起してあ
り、両ピン軸57、57の軸線は同一の直線上に位置す
るように配置してある。各ピン軸57、57は中ブーム
19に固着してある保持軸受58、58のピン穴59、
59にそれぞれ回動自在に挿入されるようになってい
る。また、結合ブロック56の側面であって、ピン軸5
7、57とは直角の位置に相当する平面には円柱形をし
た連結軸84を突起してあり、この連結軸84の先端の
中央にはボルト85が切削形成してある。そして、この
シリンダートップ81の上端よりシリンダー筒体72の
内部に向けてシリンダーロッド43が挿通してあり、こ
のシリンダーロッド43の上端(図11において右端)
には側面から見てL字形となった端末ブロック54が固
着してある。この端末ブロック54の側面にはシリンダ
ーロッド43の長さ方向と直角となるようにピン穴86
が貫通開口させてあり、このピン穴86には前述のピン
55が挿入されるようになっている。
【0080】次に、他方のシリンダー42の中央は、内
部が中空のパイプ状をした第2のシリンダー筒体88で
構成されており、このシリンダー筒体88の上端(図1
1において右端)にはシリンダー筒体88の上端開口を
閉鎖する第2のシリンダーエンド89が固着してある。
このシリンダーエンド89は鋳物などを素材として切削
加工により一体に形成されたもので、全体の周囲は円形
であり、その上部は延長していて両側(図11における
上下面)は平面となるように形成してある。この平面に
はシリンダー筒体88の軸線と直角に固定穴90が開口
してあり、シリンダーエンド89の円形となった側面の
一部には直角方向に油路突起91が突出してあり、この
油路突起91の側面にはL字形となるようにポート92
が突出してあり、このポート92の開口は下方に向けら
れている。
【0081】また、シリンダー筒体88の下端(図7に
おいて左端)には、シリンダー筒体88の下端開口を閉
鎖するように第2のシリンダートップ93が固着してあ
る。このシリンダートップ93は鋳物などにより一体に
成形したもので、外周は円形に形成してあり、その側面
の一部には平板状をした固定片94が直角方向に向けて
突起してあり、この固定片94の側面にはピン穴95が
貫通開口してある。この固定片94は前述した一対の連
結ヒンジ76、76の間に挿入されるものであり、ピン
穴95にはピン78を挿入することができる。また、シ
リンダートップ93の側面には油路突起96が突出して
あり、この油路突起96の側面にはL字形となるように
ポート97が突出してあり、このポート97の開口は上
方に向けられている。このシリンダートップ93の下端
開口からはシリンダーロッド44が摺動自在に挿通して
あり、このシリンダーロッド44の下端(図7において
左端)には立体形をした端末ブロック60が固着してあ
る。この端末ブロック60の側面には、シリンダーロッ
ド44の軸方向と直角になるようにピン穴108が貫通
開口してあり、このピン穴108にはピン61が挿入さ
れるようになっている。
【0082】そして、図11では鎖線で示してあって、
具体的には図示していないが、ポート75と92の間に
は圧力油を流動させるための硬質ゴムやフレキシブル金
属管で形成した圧力路181が接続してあり、ポート8
3と97の間には圧力油を流動させるための硬質ゴムや
フレキシブル金属管で形成した圧力路182が接続して
ある。
【0083】また、前述したスペーサー62は薄肉板金
により複数のリブを溶接して組み立てられており、上方
から見て三角形となるように形成してある。このスペー
サー62の三角形の形状では、斜辺が長い二等辺三角形
をしており、スペーサー62の短辺は上方(図11にお
いて右側)に向けられている。このスペーサー62の短
辺には、左右がそれぞれ折れ曲げられてやや『コ』の字
形をした間隔部材103が固着してあり、間隔部材10
3の左右の幅は先ブーム20の内壁の間隔にほぼ等しく
なるように設定してある。このため、スペーサー62を
先ブーム20内に挿入した時には、間隔部材103の両
端が先ブーム20の左右の内壁と接触することができ、
この間隔部材103が先ブーム20と接触することでス
ペーサー62の位置が左右にずれのを防止できる。この
間隔部材103の上側(図11において右側)の平面に
は、一対の連結ヒンジ104、104が間隔を置いて固
着してあり、この連結ヒンジ104、104の側面には
それぞれピン穴105、105を開口してある。そし
て、三角形のスペーサー62の鋭角の頂部にはパイプ状
をした軸支筒106が固着してあり、この軸支筒106
の開口はスペーサー62の平面と直角となるように位置
させてあり、この軸支筒106には前述したピン63を
挿入する軸穴107が貫通開口してある。
【0084】この実施例における伸縮ユニット35を組
み立てるには、一対のシリンダー41、42を相互に連
結しなければならない。先ず、両シリンダー41と42
のそれぞれの側面を接近させ、連結軸84を固定穴90
に挿入し、同時に固定片94を連結ヒンジ76と76の
隙間に挿入する。そして、固定穴90を通過してシリン
ダーエンド89の平面より突出した連結軸84の頭部よ
りワッシャー101を挿入し、次いで、取付片99(図
11ではその一部のみを示しているが、図6で示すよう
に取付片99は給油ユニット36に固定してある)の開
口100を挿入し、この状態で連結軸84の頂部に形成
してあるボルト85にナット71をねじ込む。このナッ
ト71をねじ込むことにより、シリンダーエンド89、
ワッシャー101、取付片99が締め付けられ、シリン
ダーエンド89と取付片99は結合ブロック56に固定
されることになる。そして、ピン穴77、77、ピン穴
95に側面よりピン78を挿入し、連結ヒンジ76、7
6と固定片94をピン78でピン連結する。このような
手順により、シリンダー41と42は相互に連結され、
両シリンダー41と42の軸線は平行となるように組み
立てられる。なお、連結軸84とピン78の軸線は直角
方向に配置してあるため、シリンダー41と42の組み
立てる際に、シリンダー41と42は左右上下の方向に
回動できる余裕があり、連結軸84を固定穴90に挿入
する作業とピン78をピン穴77、77、ピン穴95に
挿入する作業が容易となる。
【0085】そして、両シリンダー41、42が組み立
てられたなら、結合ブロック56の左右に突出したピン
軸57、57をそれぞれ左右にある保持軸受58、58
のピン穴59、59に挿入することで、両シリンダー4
1、42は結合ブロック56、ピン軸57、57、保持
軸受58、58を介して中ブーム19に保持される。こ
の連結においては、シリンダー41、42はピン軸57
を中心として中ブーム19に対して揺動自在に連結され
たことになり、シリンダー41、42が伸縮の動作を行
っている際に生じるガタ付きなどを吸収することができ
る。次いで、シリンダーロッド43の上端に固着した端
末ブロック54をリブ板51、51の間に挿入させ、ピ
ン55をピン穴86とリブ板51、51のピン穴(図示
せず)に挿入することで、ピン55により端末ブロック
54をリブ板51、51に連結させる。また、シリンダ
ーロッド44の下端に固着した端末ブロック60を一対
の連結ヒンジ104、104の隙間に挿入し、側面から
ピン61をピン穴105、105、ピン穴108に挿入
することにより、連結ヒンジ104、104と端末ブロ
ック60を連結する。この端末ブロック60と連結ヒン
ジ104、104の結合はピン61により揺動自在に連
結されているので、先ブーム20に対してシリンダーロ
ッド44が傾いてもその傾斜を吸収できるように余裕を
持って連結されている。さらに、軸支筒106を先ブー
ム20の下部側面に形成した開口(図示せず)に位置合
わせし、先ブーム20の側面よりピン63を先ブーム2
0の開口と軸穴107に挿通して、軸支筒106と先ブ
ーム20を連結させる。
【0086】<伸縮ユニット35の内部構造>
【0087】図12は、伸縮ユニット35を組み立てた
状態で、その中央を長さ方向に切断して示した、内部の
構成を示す縦断面図である。
【0088】前述したようにシリンダー筒体72の下端
開口(図12において左側)にはシリンダーエンド73
を密着して固定してあり、このシリンダーエンド73に
よってシリンダー筒体72の下端開口は閉鎖されてい
る。このシリンダーエンド73の内部にはこのシリンダ
ー筒体72の内部空間からポート75に圧力油を流動さ
せる油路138が穿ってある。そして、シリンダー筒体
72の内部には、このシリンダー筒体72の内周と気密
に摺動するピストン133が挿通してあり、このピスト
ン133によりシリンダー筒体72の内部空間は気密に
二分されている。このピストン133の側面にはシリン
ダーロッド43の下端(図12において左端)が連結し
てある。そして、シリンダーロッド43の内部には、こ
のシリンダーロッド43の内径よりその外形が小さく
て、その長さがシリンダーロッド43よりも少し長いイ
ンナーパイプ132をその長さ方向に挿通してあり、シ
リンダーロッド43の内部空間はインナーパイプ132
により二重に区分されている。このインナーパイプ13
2の下端(図12において左端)はピストン133の中
央を貫通しており、インナーパイプ132の下端には止
めネジ134がねじ込まれ、止めネジ134によってイ
ンナーパイプ132はピストン133に連結されてい
る。このため、インナーパイプ132の下端開口はピス
トン133で区分された図12中の左側の圧力室fと連
通しているが、シリンダーロッド43の下端開口はピス
トン133により閉鎖されている。
【0089】また、シリンダー筒体72の上端開口(図
12において右側)には円筒形状をしたシリンダーヘッ
ド136の下部が嵌め込んであり、シリンダーヘッド1
36の内径はシリンダーロッド43の外径とほぼ同一と
し、シリンダーロッド43はシリンダーヘッド136と
気密に摺動することができる。つまり、このシリンダー
ヘッド136とシリンダーロッド43によってシリンダ
ー筒体72の上端開口が気密に閉鎖され、シリンダーヘ
ッド136の上端開口からシリンダーロッド43が気密
に伸縮できるように突出していることになる。そして、
このシリンダー筒体72の上部とシリンダーヘッド13
6の周囲を囲むようにしてシリンダートップ81が嵌め
合わされ、このシリンダートップ81によってシリンダ
ー筒体72の上部が補強されている。このシリンダート
ップ81の内部には、シリンダー筒体72の内壁とシリ
ンダーロッド43の外壁との間にあるリング状の空間か
らポート83に圧力油を流動させる油路137が穿って
ある。
【0090】そして、シリンダーロッド43とインナー
パイプ132の上端(図12において右端)には立体形
状をした端末ブロック54が固着してあり、この端末ブ
ロック54によってシリンダーロッド43とインナーパ
イプ132の上端開口が閉鎖されている。この端末ブロ
ック54の内部にはそれぞれ独立した油路139、14
0が穿ってあり、インナーパイプ132の内部空間と油
路139の一端を連通し、インナーパイプ132の外周
とシリンダー42の内周の隙間にあるリング状の空間と
油路140の一端を連通してある。そして、油路139
の他端は端末ブロック54の側面に突出したポート14
1と連通し、油路140の他端は端末ブロック54の側
面に突出したポート142と連通してある。シリンダー
42の下部(図12において左側)の側面には、このシ
リンダー42の内周と外周を連通して圧力油を流動させ
るための通口135を開口してある。
【0091】次に、前述したシリンダー筒体88の上端
開口(図12において右端)には、立体形をしたシリン
ダーエンド89が密着させてあり、シリンダーエンド8
9によってシリンダー筒体88の上端開口は閉鎖されて
いる。このシリンダーエンド89の内部には、このシリ
ンダー筒体88の内部空間とポート92の間に圧力油を
流動させるための油路149が穿ってある。このシリン
ダー筒体88の内部空間にはシリンダー筒体88の内周
と気密に摺動できるピストン145が挿入してあり、こ
のピストン145によりシリンダー筒体88の内部空間
は気密に二分してある。このピストン145により区分
されたシリンダー筒体88の内部空間の内で、図12中
右側の空間を圧力室gとする。また、シリンダー筒体8
8の内部に挿入したシリンダーロッド44の上端(図1
2において右端)にはピストン145の側面中央が連結
してあり、シリンダーロッド44の上端開口はピストン
145によって閉鎖されている。
【0092】そして、このシリンダー筒体88の下端
(図12において左端)開口にはその内径をシリンダー
ロッド44の外径と同一とした円筒形のシリンダーヘッ
ド144が連結してあり、シリンダーロッド44はシリ
ンダーヘッド144の開口と気密に摺動することができ
るように挿通してある。つまり、このシリンダーヘッド
144とシリンダーロッド44によってシリンダー筒体
88の下端開口が気密に閉鎖され、シリンダーヘッド1
44の下端開口からシリンダーロッド44が気密に伸縮
できるように突出していることになる。このシリンダー
筒体88の下部とシリンダーヘッド144の周囲を囲む
ようにしてシリンダートップ93が嵌め合わされ、この
シリンダートップ93によってシリンダー筒体88の下
部が補強されている。このシリンダートップ93の内部
には、シリンダー筒体88の内周とシリンダーロッド4
4の外周の間にあるリング状の空間からポート97に圧
力油を流動させる油路147が穿ってある。
【0093】そして、シリンダーロッド44の下端(図
12において左側)には立体形状をした端末ブロック6
0が固着してあり、この端末ブロック60によってシリ
ンダーロッド44の下端開口は閉鎖されている。この端
末ブロック60の内部にはシリンダーロッド44の内部
空間に連通する油路148が穿ってあり、この油路14
8の他端は端末ブロック60の側面に突起させたポート
150と連通してある。さらに、シリンダーロッド44
の上部(図12において右側)の側面には、シリンダー
ロッド44の内外側で圧力油を連通させるための通口1
46を開口してある。
【0094】<給油ユニット36の外観と構成>
【0095】次に、図13は前述した給油ユニット36
を構成する部材を分解して示し、この伸縮ユニット35
を組み立てる手順を示す分解斜視図である。
【0096】この給油ユニット36は、油圧シリンダー
に似た一対のシリンダーパイプ45と46より構成され
ており、両シリンダーパイプ45、46の軸線は平行と
なるように組み立てられている。このシリンダーパイプ
45の中央は内部中空のパイプ状をした第3のシリンダ
ー筒体111より構成され、シリンダー筒体111の下
端(図13において左端)には平板状をしたシリンダー
エンド112が密着されており、シリンダー筒体111
の下端開口はシリンダーエンド112で閉鎖されてい
る。また、シリンダー筒体111の上部外周(図13に
おいて右側)には長方体形状をした固定ブロック113
が挿入してあり、この固定ブロック113の上面(図1
3において右側)よりシリンダー筒体111の上端が突
出している。そして、このシリンダー筒体111の上端
開口から摺動パイプ47を摺動自在に挿入してあり、こ
の摺動パイプ47の上端には立体形をした端末ブロック
65が固着してあり、この端末ブロック65の側面には
端末ブロック65の長さ方向と直角に軸線を位置させた
ピン穴114を開口してある。
【0097】次に、シリンダーパイプ46の中央は内部
中空のパイプ状をした第4のシリンダー筒体117より
構成されており、このシリンダー筒体117の上端(図
13において右側)には長方体形状をしたシリンダーエ
ンド118が固着してあり、このシリンダーエンド11
8によってシリンダー筒体117の上端開口は閉鎖され
ている。このシリンダーエンド118と固定ブロック1
13はほぼ同じ形状をしており、固定ブロック113と
シリンダーエンド118の側面を密着させることによっ
て両者は一体に結合されている。そして、結合された固
定ブロック113、シリンダーエンド118の一側面
(図13中で裏側)には平板形をして、その平面をシリ
ンダー筒体111、117の軸線と直角となるように位
置させた取付片99を固着してあり、この取付片99の
面にはボルト85を挿通するための開口100が開けて
ある。また、シリンダー筒体117の下部外周(図13
において左側)には長方体形状をした固定ブロック11
9が挿通してあり、この固定ブロック119の一側面に
は板金状の固定片120が固着してあり、固定片120
の一端はシリンダーエンド112の下面と固着してあ
る。
【0098】このようにして、固定ブロック113とシ
リンダーエンド118によりシリンダー筒体111と1
17の上端が結合され、シリンダーエンド112、固定
ブロック119、固定片120によりシリンダー筒体1
11と117の下端が結合され、シリンダー筒体111
と117は一体となるように連結されている。こうして
シリンダーパイプ45、46はそれぞれの軸線が平行と
なるように連結され、この形態により給油ユニット36
が組み立てられていることになる。そして、シリンダー
筒体117の下端開口から摺動パイプ48が摺動自在に
挿入されており摺動パイプ48の下端には立体形状をし
た端末ブロック68が連結してあり、この端末ブロック
68によって摺動パイプ48の下端開口を閉鎖してい
る。また、端末ブロック68の側面には摺動パイプ48
の軸線と直角方向に軸線を位置させたピン穴122を開
口してある。
【0099】また、前述のスペーサー62に固着した間
隔部材103の上面(図13において右側面)であって
片方に遍位した位置(すなわち中央に固着した連結ヒン
ジ104を避けた位置)には、一対の連結ヒンジ69、
69が間隔を置いて固着してあり、各連結ヒンジ69、
69にはそれぞれピン穴126、126を開口してあ
る。なお、連結ヒンジ104、104に開口しているピ
ン穴105、105の軸線と、連結ヒンジ69、69に
開口してあるピン穴126、126の軸線とは、両者が
相互に直角に位置するように配置してある。
【0100】このように組み立てられた給油ユニット3
6を伸縮ブーム28内に収納してある伸縮ユニット3
5、スペーサー62等と連結するには、先ず取付片99
に形成した開口100を図11で示すボルト85に挿通
し、ボルト85の上端からナット71をねじ込む。この
ナット71により取付片99が結合ブロック56に固定
され、固定ブロック113とシリンダーエンド118は
結合ブロック56に取り付けられることになる。次い
で、摺動パイプ47の上端に固着してある端末ブロック
65を保持体52のコの字形となった空間に挿入し、保
持体52に開口させたピン穴(図示せず)とピン穴11
4の軸穴を一致させ、保持体52の側面よりピン66を
挿通して、端末ブロック65を保持体52に連結させ
る。また、端末ブロック68の下端を一対の連結ヒンジ
69、69による隙間に挿入し、ピン穴122とピン穴
126、126の軸線を一致させたなら、連結ヒンジ6
9の側面よりピン70を挿入し、端末ブロック69、6
9と連結ヒンジ125をこのピン70によって連結させ
る。
【0101】<給油ユニット36の内部構造>
【0102】図14は、組み立てられた状態の給油ユニ
ット36を中央でその長さ方向に切断し、内部の構成を
示した縦断面図である。
【0103】前述のように、シリンダーパイプ45を構
成するシリンダー筒体111の下端(図14において左
端)開口はシリンダーエンド112により閉鎖され、こ
のシリンダー筒体111の上端の開口には内径を摺動パ
イプ47の外径とした円筒形のシリンダーヘッド153
が挿入してある。このシリンダーヘッド153の中央の
開口には摺動パイプ47を気密に摺動自在に挿通してあ
り、摺動パイプ47はその上下端が開口したパイプ状を
しており、摺動パイプ47がシリンダー筒体111内で
伸縮しても、シリンダー筒体111の内部空間と摺動パ
イプ47の上端とは常時連通している。また、シリンダ
ー筒体111の上部の外周には中央にシリンダー筒体1
11の外径の開口を穿った立体形をした固定ブロック1
13が固着してあり、この固定ブロック113によって
シリンダー筒体111の上部が補強されている。そし
て、摺動パイプ47の上端(図14において右端)には
立体形をした端末ブロック65が固着してあり、この端
末ブロック65によって摺動パイプ47の上端開口は閉
鎖されており、この端末ブロック65の側面には、摺動
パイプ47の内部空間と連通する油路154が穿ってあ
る。
【0104】また、シリンダーパイプ46を構成するシ
リンダー筒体117の上端(図14において右端)には
立体形をしたシリンダーエンド118が固着してあり、
このシリンダーエンド118によってシリンダー筒体1
17の上端開口を閉鎖している。このシリンダーエンド
118の側面は前述の固定ブロック113の側面と密着
させて固定してあり、両者は一体となるように組み立て
てある。そして、シリンダーエンド118の内部にはシ
リンダー筒体117の内部空間と連通する油路156が
穿ってあり、また、シリンダー筒体111の上部の側面
と固定ブロック113の側面にはシリンダー筒体111
の内外周を連通する通口155が開口してあり、油路1
56の終端はこの通口155に連通してある。つまり、
通口155と油路156を介してシリンダー筒体111
の内部空間とシリンダー筒体117の内部空間は相互に
連通されていることになる。
【0105】そして、シリンダー筒体117の下部外周
には、中央にシリンダー筒体117の外径をその内径と
した立体形をした固定ブロック119が挿通固着してあ
り、この固定ブロック119の側面には板金などの固定
片120が固着してあり、固定片120の一端にはシリ
ンダーエンド112の下面が連結してある。このため、
シリンダーエンド112、固定ブロック119、固定片
12によって一体となった構造体が形成され、これらに
よってシリンダー筒体111の下端とシリンダー筒体1
17の下部とが動かないように連結してある。さらに、
シリンダー筒体117の下端(図14において左端)開
口にはその内径を摺動パイプ48の外径とした円筒形の
シリンダーヘッド157が嵌め込んであり、このシリン
ダーヘッド157の開口には摺動パイプ48を気密に摺
動自在に挿入してある。この摺動パイプ48はその上下
端が開口したパイプ状をしたものであり、摺動パイプ4
8がシリンダーヘッド157に対して摺動しても、シリ
ンダー筒体117の内部空間と摺動パイプ48の下端開
口は常時連通している。そして、摺動パイプ48の下端
(図14において左端)開口には立体形をした端末ブロ
ック121が連結してあり、この端末ブロック121に
より摺動パイプ48の下端開口を閉鎖している。さら
に、端末ブロック121の側面には、摺動パイプ48の
内部空間と連通する油路158を穿ってある。
【0106】<圧力室の断面積の関係>
【0107】次に、図15、図16は前述した伸縮ユニ
ット32、33、35を構成するシリンダー筒体72、
88、201の圧力断面積の関係を模示的に示したもの
である。この図15、図16では、伸縮ユニット35を
構成するシリンダー41、42のシリンダー筒体72、
88を上下に配置し、シリンダー筒体88の左右に伸縮
ユニット32、33を配置している。この場合、伸縮ユ
ニット32は図中で左側に配置し、シリンダー筒体20
1、シリンダーロッド203、インナーパイプ248ー
aの符号を使用し、伸縮ユニット33は図中で右側に配
置し、シリンダー筒体202、シリンダーロッド20
4、インナーパイプ248ーbの符号を使用している。
そして、図15では、押し出しの動作における有効圧力
断面積の関係を示したもので、シリンダー筒体201
(シリンダー筒体203)を図8中でaーaに矢視した
断面を左右に配置し、伸縮ユニット35を図12中でc
ーcに矢視した断面を中央の上下に配置したものであ
る。また、図16では、引き戻しの動作における有効圧
力断面積の関係を示したもので、シリンダー筒体201
(シリンダー筒体203)を図8中でbーbに矢視した
断面を左右に配置し、伸縮ユニット35を図12中でd
ーdに矢視した断面を中央の上下に配置したものであ
る。
【0108】この図15において、伸縮ユニット32の
シリンダー筒体201の断面積よりインナーパイプ24
8ーaの断面積を引いた面積を有効圧力断面積Pとし、
伸縮ユニット33のシリンダー筒体202の断面積より
インナーパイプ248ーbの断面積を引いた面積を有効
圧力断面積Qとする。また、シリンダー筒体88の内部
の面積を有効圧力断面積Rとし、シリンダー筒体72の
断面積からインナーパイプ132の断面積を引いた面積
を有効圧力断面積Sとする。このシリンダー筒体88の
有効圧力断面積Rは、シリンダー筒体88の内部で摺動
するピストン145の断面積と同一となり、シリンダー
筒体72の有効圧力断面積Sは、シリンダー筒体72の
内部で摺動するピストン133の断面積よりインナーパ
イプ132の内径の断面積を差し引いたものとなる。こ
のように符号を付けた有効圧力断面積のそれぞれの関係
が(P+Q)>S>Rとなるように設定する。各シリン
ダー筒体201、202、インナーパイプ248、シリ
ンダー筒体88、72、インナーパイプ132のそれぞ
れの内径は、この数値の関係を保つように決定してお
く。
【0109】また、図16において、伸縮ユニット32
のシリンダー筒体201の内側の断面積よりシリンダー
ロッド203の外側の断面積を引いた面積と、シリンダ
ーロッド203の内側の断面積よりインナーパイプ24
8ーaの外側の断面積を引いた面積の合計した値を有効
圧力断面積Tとする。次に、伸縮ユニット33のシリン
ダー筒体202の内側の断面積よりシリンダーロッド2
04の外側の断面積を引いた面積と、シリンダーロッド
204の内側の断面積よりインナーパイプ248ーbの
外側の断面積を引いた面積の合計した値を有効圧力断面
積Uとする。この有効圧力断面積T、Uは、図8におい
てシリンダーロッド203をシリンダー筒体201の内
部に引き込めるように、ピストン246を図8中で左方
向に移動させるための圧力油の有効圧力断面積となる。
また、シリンダー41のシリンダー筒体72の内側の断
面積よりシリンダーロッド43の外側の断面積を引いた
面積と、シリンダーロッド43の内側の断面積よりイン
ナーパイプ132の外側の断面積を引いた面積を合計し
た値を有効圧力断面積Wとする。この有効圧力断面積W
は、図12においてシリンダーロッド43をシリンダー
筒体72の内部に引き込めるように、ピストン133を
図12中で左方向に移動させるための圧力油の有効圧力
断面積となる。そして、シリンダー42のシリンダー筒
体88の内側の断面積よりシリンダーロッド44の外側
の断面積を引いた面積と、シリンダーロッド44の内側
の断面積の合計した値を有効圧力断面積Vとする。この
有効圧力断面積Vは、図12においてシリンダーロッド
44をシリンダー筒体88の内部に引き込めるように、
ピストン145を図12中で右方向に移動させるための
圧力油の有効圧力断面積となる。このような有効圧力油
断面積の設定において、符号を付けた有効圧力断面積の
それぞれの関係が、(V>W>U+T)となるように設
定する。各シリンダー筒体201、シリンダーロッド2
03、インナーパイプ248、シリンダー筒体88、7
2、シリンダーロッド43、44、インナーパイプ13
2のそれぞれの内外径は、この数値の関係を保つように
決定しておく。
【0110】<作動させるための油圧回路の構成>
【0111】また、図17、図18、図19は本実施例
における油圧回路の構成を示したものである。この図1
7、図18、図19は一連の回路であり、図17におけ
るイ、ロ、ハ、ニはそれぞれ図18におけるイ、ロ、
ハ、ニと接続しており、図18におけるホ、ヘ、トはそ
れぞれ図19におけるホ、ヘ、トと接続してある。な
お、図18では、伸縮ユニット32、33を同一図面に
作図してあるが、共通する部材には同じ符号を付してあ
るため、図18では同一の符号が存在する。
【0112】従来の掘削機における機構と同様に、車体
11の内部にはエンジン162、油圧発生源としての油
圧ポンプ161が収納してあり、油圧ポンプ161はエ
ンジン162によって従動されることによりその吸引側
に連通した油タンク163内の圧力油を吸引し、圧力油
を所定の圧力に高めて油圧ポンプ161の吐出側から放
出する。この油圧ポンプ161の吐出側には2つの電磁
弁164、165が並列に接続してあり、各電磁弁16
4、165は電気信号により『中立』『正側』『逆側』
の三段に切換えることができるものであり、各電磁弁1
64、165の戻り側は油タンク163と連通してい
る。この電磁弁164の一方の出力は圧力路184を介
して、伸縮ユニット32、33のポート260にそれぞ
れ接続してあり、電磁弁164の他方の出力は圧力路1
85を介して伸縮ユニット32、33のポート261に
それぞれ接続してある。そして、電磁弁165の一方の
出力には逆止弁171と173が接続してあり、両逆止
弁171と逆止弁173の規制方向はそれぞれ逆方向に
向いている。そして、電磁弁165の他方の出力には逆
止弁172と174が接続してあり、両逆止弁172と
逆止弁174の規制方向はそれぞれ逆方向に向いてい
る。これらの逆止弁171、172、173、174の
内で、逆止弁171と173の規制方向は逆に向けてあ
り、逆止弁172と174の規制方向も逆になるように
設定してある。
【0113】これらの、逆止弁171、172にはそれ
ぞれ圧力路186を介して伸縮ユニット32、33にお
けるポート261にそれぞれ接続してあり、逆止弁17
3、逆止弁174には圧力路187を介して給油ユニッ
ト34のポート272に接続してある。この電磁弁16
4の一方の出力にはパイロットチェック弁166の逆流
制御側が接続してあり、パイロットチェック弁166の
自由流側は油タンク163に連通してあり、このパイロ
ットチェック弁166のパイロット信号のポート側には
圧力路185が接続してある。そして、電磁弁164の
他方の出力にはパイロットチェック弁176の逆流制御
側が接続してあり、パイロットチェック弁176の自由
流側には圧力路187が接続してある。このパイロット
チェック弁176のパイロット信号のポートには圧力路
184が接続してある。また、圧力路184と187の
間には逆止弁175を接続してあり、この逆止弁175
の規制の方向は、圧力路187から圧力路184への圧
力油を許容する方向に向けてある。
【0114】そして、前述の伸縮ユニット32、33の
それぞれのポート243の出力は一本に合流して圧力路
188に接続され、この圧力路188はシリンダー41
のポート141に接続してある。また、伸縮ユニット3
2、33のそれぞれのポート254の出力は一本に合流
して圧力路189に接続され、この圧力路189はシリ
ンダー41のポート142に接続してある。また、給油
ユニット34におけるポート269には圧力路190が
接続してあり、圧力路190には給油ユニット36の油
路154に接続してある。
【0115】また、伸縮ユニット35におけるシリンダ
ー41とシリンダー42の接続においては、シリンダー
41におけるポート75は連通パイプ181を介してシ
リンダー42のポート92に接続されており、シリンダ
ー41のポート83は連通パイプ182を介してシリン
ダー42のポート97に接続されている。そして、シリ
ンダー42におけるポート150には圧力路191が接
続され、圧力路191は電磁弁178の一方に接続され
ている。そして、給油ユニット36の油路158には圧
力路192が接続してあり、この圧力路192は電磁弁
178の他方に接続されている。この電磁弁178は電
気信号により『中立』『正側』『逆側』の三段に切換え
ることができるものであり、この電磁弁178の出力側
には油圧シリンダー25、26が並列に接続してある。
この電磁弁165と電磁弁178は常に同時に作動する
ものであり、電磁弁165の正側の電磁コイルKと電磁
弁178の正側の電磁コイルNには同時に制御信号が伝
えられ、電磁弁165の逆側の電磁コイルLと電磁弁1
78の逆側の電磁コイルNには同時に制御信号が伝えら
れるものである。しかし、電磁弁165の正側の電磁コ
イルKと逆側の電磁コイルLには同時に制御信号が伝え
られず、同様に電磁弁178の正側の電磁コイルMと逆
側の電磁コイルNには同時に制御信号が伝えられないも
のである。
【0116】次に、本実施例の作用を説明する。この作
用の説明では、深掘り掘削機により、図20で示すよう
な内径に比べて深い穴HOLEを掘削する作業の動作に
ついてそれぞれの機能の手順を追って説明する。
【0117】〔圧力油の発生と供給〕
【0118】この深掘り掘削機を作動させ、その機能を
発揮するためには、駆動源である圧力油を深掘り掘削機
の各部にある油圧機器に供給しなければならない。この
ため、作業台13内に収納してあるエンジン162を駆
動して油圧ポンプ161を従動させ、この油圧ポンプ1
61より油タンク163に貯留してある圧力油を吸引
し、適度な圧力で加圧して深掘り掘削機の各油圧機器に
供給する。図17、図18、図19の油圧回路では示さ
れていないが、油圧ポンプ161で加圧された圧力油
は、車体11、作業台13に設けた油圧シリンダー、油
圧モーターにもそれぞれ同時に供給される(図17、図
18、図19では、本発明とは直接関連しない油圧機器
の回路構成は省略してある)。
【0119】〔アーム14の上下動の操作〕
【0120】上述の油圧ポンプ161により加圧された
圧力油は、作業台13の運転席の周りに配置してある操
縦機構によりその供給、停止が制御される。この操縦機
構によりアーム14と伸縮ブーム28を揺動させてその
角度を変動させるには、油圧シリンダー15、18に対
し適量の圧力油を供給することで行うことができる。す
なわち、油圧シリンダー15を伸長させるか縮小させる
かにより、アーム14を作業台13に対して前後に揺動
させることができ、アーム14の傾斜角度を変動するこ
とできる。また、油圧シリンダー18を伸長させるか縮
小させるかにより、ホルダー29をピン17を回動の中
心として傾斜させ、ホルダー29に固着してある外殻ブ
ーム27をアーム14に対して前後に揺動させることが
でき、外殻ブーム27の傾斜角度を変動することでき
る。このように、両油圧シリンダー15、18を適度に
伸縮することにより、外殻ブーム27の傾斜角度、高さ
位置を自由に制御することができ、この外殻ブーム27
の制御は同時に伸縮ブーム28を制御となる。このよう
にして、油圧シリンダー15、18を同時に、あるいは
交互に操作することにより、図20中の実線で示された
ように、伸縮ブーム28を傾斜させて地表から高い位置
に持ち上げた状態から、図20中の破線で示されたよう
に、伸縮ブーム28を垂直に垂れ下げて深い穴HOLE
の内部に挿入することができる。この伸縮ブーム28の
傾斜角度と高さ位置の変更の操作は、従来から良く知ら
れている深掘り掘削機の操作手順と同一である。
【0121】〔伸縮ブーム28を伸長させる動作〕
【0122】前述の図1、図20の実線で描かれている
状態の深掘り掘削機は、伸縮ブーム28が最短の長さと
なるように縮小されている。この縮小された状態では、
外殻ブーム27の内部に元ブーム16を収納してあり、
元ブーム16の内部に中ブーム19を収納してあり、中
ブーム19の内部に先ブーム20を収納してある。この
状態の伸縮ブーム28を深い穴HOLEの上部開口に挿
入したならば、次いで、この伸縮ブーム28を伸長さ
せ、図20の破線で示すように、シェルバケット23、
24を下方に降下させる動作を行う。シェルバケット2
3、24を深い穴HOLEの底にまで押し下げて、深い
穴HOLEの底にある土砂を掴み取るためである。この
伸縮ブーム28を伸長させるためには、伸縮ブーム28
の側面左右に設けてある伸縮ユニット32、33に圧力
油を供給して作動させ、外殻ブーム27より元ブーム1
6を伸長させる。同時に、伸縮ブーム28の内部に収納
してある伸縮ユニット35に圧力油を供給して作動さ
せ、元ブーム16より中ブーム19を下方に押し出し、
中ブーム19より先ブーム20を下方に押し出すことに
より行うことができる。
【0123】〔〔元ブーム16の伸長〕〕
【0124】この伸縮ブーム28を伸長させる操作で
は、電磁弁164の電磁コイルG側に制御信号を伝え、
電磁弁164を『正側』に投入することにより開始され
る。すると、油圧ポンプ161から吐出した圧力油は電
磁弁164を通過した後に、圧力路184を介してそれ
ぞれの伸縮ユニット32、33のポート260に流入
し、この圧力油は図8中で示す油路258を通過し、イ
ンナーパイプ248の内部を流動してその下端開口(図
8において左端側)よりシリンダー筒体201の圧力室
eに流入する。この圧力室eは、シリンダー筒体201
の内部をピストン246によって区切られた空間であ
り、この圧力室eに圧力油が流入して膨張すると、摺動
自在のピストン246に作用力を伝えることになる。こ
のピストン246の側面(図8中左側)にはその有効圧
力断面積に応じた作用力が発生し、シリンダー筒体20
1内で図8中右方向にピストン246を摺動させること
になる。ピストン246がシリンダー筒体201内で右
方向に摺動されることにより、ピストン246に連結し
てあるシリンダーロッド203(シリンダーロッド20
4)、インナーパイプ248も右方向に押し出され、シ
リンダーロッド203(シリンダーロッド204)はシ
リンダーヘッド252の内周面と気密を保ちながら摺動
し、シリンダーロッド203(シリンダーロッド20
4)はシリンダーヘッド252の上端面(図8で右側の
面)より押し出されることになる。
【0125】このようにして、シリンダーロッド20
3、204がシリンダー筒体201、202よりより押
し出されると、シリンダーロッド203、204の上端
に固着してある端末ブロック207、208とシリンダ
ー筒体201、202の下端に固着してあるシリンダー
エンド241の間隔が拡大される。図4、図7で示すよ
うに、このシリンダーエンド241の下端には端末ブロ
ック219、220が固着してあり、この端末ブロック
219、220はピン221と軸支片217、218を
介して元ブーム16の側面に連結されている。また、端
末ブロック207、208は、図4、図7で示すように
ピン209、210と軸支片205、206を介して外
殻ブーム27の側面に連結されている。このため、端末
ブロック219、220と端末ブロック207、208
の間隔が拡大されると、元ブーム16は外殻ブーム27
より押し出され、図4、図5の左方向に元ブーム16が
摺動することになる。こうして、シリンダー筒体20
1、202の圧力室e内で圧力油が膨張すると、ピスト
ン246がシリンダー筒体201、202内で摺動し、
このピストン246の作用力はシリンダー筒体201、
202からシリンダーロッド203、204を押し出す
ことととなり、よって元ブーム16を外殻ブーム27よ
り押し出す作用をすることになる。なお、シリンダーロ
ッド203、204の伸長により、元ブーム16が押し
出されると同時にシリンダー筒体201、202も図4
において左方向に移動する。各シリンダー筒体201、
202に固定してあるコロ受け211、212も図4で
左方向に移動し、この移動の際にコロ215、216の
外周が外殻ブーム27の側面と接触しているため、各コ
ロ215、216は支軸213、214を中心にして回
転しながら移動する。このコロ215、216を外殻ブ
ーム27に接触させているのは、シリンダーロッド20
3、204がシリンダー筒体201、202より伸長す
るとその長さが長くなり、自重により撓むため、シリン
ダー筒体201、202が外殻ブーム27と接触するの
を防止させるためである。
【0126】〔〔中ブーム19の伸長〕〕
【0127】このシリンダーロッド203、204がシ
リンダー筒体201、202より押し出される動作と同
時に、インナーパイプ132の下端開口から圧力室eに
流入した圧力油の一部は、シリンダーエンド241に穿
ってある油路244にも流入し、ポート243より圧力
路188を通過してポート141に流入する。この圧力
油は図12中で示す油路139を通過し、インナーパイ
プ132の内部を流動してその下端開口(図12におい
て左端側)よりシリンダー筒体72の圧力室fに流入す
る。この圧力室fは、シリンダー筒体72の内部をピス
トン133によって区切られた空間であり、この圧力室
fに圧力油が流入して膨張すると、摺動自在のピストン
133側に作用力を伝えることになる。このピストン1
33にはその有効作用断面積に応じた作用力が発生し、
シリンダー筒体72内で図12中右方向にピストン13
3を摺動させることになる。ピストン133がシリンダ
ー筒体72内で右方向に摺動されることにより、ピスト
ン133に連結してあるシリンダーロッド43、インナ
ーパイプ132も右方向に押し出され、シリンダーロッ
ド43はシリンダーヘッド136の内周面と気密を保ち
ながら摺動し、シリンダーロッド43はシリンダーヘッ
ド136の上端面(図12で右側の面)より押し出され
ることになる。
【0128】このようにして、シリンダーロッド43は
シリンダー41より押し出され、シリンダーロッド43
の上端に固着してある端末ブロック54とシリンダー筒
体72の下端に固着してあるシリンダーエンド73の間
隔が拡大される。このシリンダー筒体72には図4、図
5、図11、図12で示すように、結合ブロック56が
固定してあり、この結合ブロック56は、ピン軸57と
保持軸受58を介して中ブーム19に連結されている。
また、端末ブロック54は、図4、図5で示すようにピ
ン55により元ブーム16に連結されている。このた
め、シリンダー筒体72と共に移動する結合ブロック5
6と端末ブロック54の間隔が拡大されると、中ブーム
19は元ブーム16より押し出され、図4、図5の左方
向に中ブーム19が摺動することになる。こうして、シ
リンダー筒体72の圧力室f内で圧力油が膨張すると、
ピストン133がシリンダー筒体72内で摺動し、この
ピストン133の作用力はシリンダー筒体72からシリ
ンダー42の押し出すことととなり、よって中ブーム1
9を元ブーム16より押し出す作用をすることになる。
【0129】〔〔先ブーム20の伸長〕〕
【0130】この動作と同時に、インナーパイプ132
の下端開口から圧力室fに流入した圧力油の一部は、シ
リンダーエンド73に穿ってある油路138にも流入
し、ポート75より連通パイプ181を通過してポート
92にまで流動する。ポート92に流入した圧力油は油
路149を通過し、シリンダー筒体88の内部にある圧
力室g側にまで流入する。この圧力室gに流入した圧力
油が膨張すると、シリンダー筒体88に収納した摺動自
在のピストン145に作用力を与えることになる。この
ピストン145の図12中右面には、その有効作用断面
積に応じた作用力が発生し、シリンダー筒体88内でピ
ストン145を図12中左方向に押動する作用を行う。
ピストン145がシリンダー筒体88内で図12中左方
向に摺動されると、ピストン145に連結したシリンダ
ーロッド44も同時に図12中左方向に移動させられ
る。このシリンダーロッド44の外周はシリンダー筒体
88の下端に固着したシリンダーヘッド144の内周面
と気密に接触していることから、シリンダーロッド44
はシリンダーヘッド144と摺動しながら図12中で左
方向に移動させられることになる。
【0131】図4、図5、図11で示すように、前述の
シリンダー筒体88の上端にはシリンダーエンド89が
固着してあり、シリンダーエンド89は結合ブロック5
6に連結してあり、シリンダー筒体88の下端には固定
片94が突出してあり、ピン78を介して連結ヒンジ7
6と連結してある。つまり、シリンダー筒体88はその
上下端で他のシリンダー筒体72に連結してあり、この
ことはシリンダー筒体88は中ブーム19に連結してあ
ることになる。また、シリンダーロッド44の下端には
端末ブロック60が固着してあり、この端末ブロック6
0は図4,図5、図11で示すように、ピン61を介し
てスペーサー62の連結ヒンジ104に連結してある。
また、スペーサー62はピン63により先ブーム20の
下端に連結されていて、結果として端末ブロック60は
先ブーム20に連結されていることになる。このような
関連により、シリンダー筒体88内の圧力室gで圧力油
が膨張すると、ピストン145によりシリンダーロッド
44がシリンダーヘッド144より図12中で左方向に
押し出され、シリンダーエンド89と端末ブロック60
の間隔を拡大させことになり、前述の関連により先ブー
ム20を中ブーム19より押し出す作用をすることにな
る。
【0132】〔〔圧力断面積の差による伸縮ブーム28
の段階的な伸長〕〕
【0133】このような、同時進行の一連の動作によ
り、電磁弁164が『正側』に投入されたことからポー
ト260に供給された圧力油によって、シリンダーロッ
ド203、204はシリンダー筒体201、202より
押し出され、シリンダーロッド43はシリンダー筒体7
2から押し出され、シリンダーロッド44はシリンダー
筒体88から押し出される。このため、元ブーム16は
外殻ブーム27より押し出され、中ブーム19は元ブー
ム16より押し出され、先ブーム20は中ブーム19よ
り押し出されることになり、伸縮ブーム28はテレスコ
ピック状に伸長することになる。この動作の場合におい
て、各元ブーム16、中ブーム19、先ブーム20は同
期して同時に伸長するのでは無く、先ず元ブーム16が
外殻ブーム27より伸長し、元ブーム16の全長が外殻
ブーム27より押し出されたならば、次いで中ブーム1
9が伸長を開始する。そして、中ブーム19の全長が元
ブーム16より押し出されたならば、最後に先ブーム2
0が中ブーム19より押し出される動作を開始する。つ
まり、伸縮ブーム28を構成する元ブーム16、中ブー
ム19、先ブーム20は段階を追って順番に伸長の動作
を行うものであり、各元ブーム16、中ブーム19、先
ブーム20が同時に動作するものではない。
【0134】このように伸縮ブーム28が段階的に伸長
する理由を次に説明する。図15で示したように、伸縮
ユニット32、33を構成するシリンダー筒体201、
202の圧力室eにおける有効圧力断面積は、シリンダ
ー筒体201、202の内側の断面積よりインナーパイ
プ248ーa、248ーbの内側の断面積を差し引いた
QとPになる。また、シリンダー41を構成するシリン
ダー筒体72の圧力室fにおける有効圧力断面積は、シ
リンダー41の内側の断面積よりインナーパイプ132
の内側の断面積を差し引いたSとなる。そして、シリン
ダー42を構成するシリンダー筒体88の圧力室gにお
ける有効圧力断面積は、シリンダー筒体88の断面積R
となる。図15で予め設定しているように、それぞれの
有効圧力断面積の関係は次のように表される。
【0135】(P+Q)>S>R
【0136】この関係により、同一の圧力の圧力油がそ
れぞれの圧力室e、f、gに供給されても、その圧力油
により発生する作用力は各有効圧力断面積(P+Q)、
S、Rと圧力の積となる。各圧力室e、f、gに供給さ
れた圧力油の圧力は均一であることから、有効圧力断面
積の大きい(P+Q)で一番大きな作用力が発生し、そ
の作用力がシリンダーロッド203、204に働くこと
になる。このため、圧力油が供給されると、一番に元ブ
ーム16が外殻ブーム27より押し出されることにな
る。この元ブーム16の全長が外殻ブーム27より完全
に押し出されると、図8で示したピストン246はシリ
ンダー筒体201より右方向には摺動しなくなり、圧力
室eに流入していた圧力油は圧力室fに流動し、圧力室
fで膨張することでピストン133をシリンダー筒体7
2内で摺動させる。この時、圧力油は圧力室gにも同時
に流入しているが、前述のように圧力室fの有効圧力断
面積Sは圧力室gの有効圧力断面積Rよりも大きいた
め、圧力油により発生する作用力は面積の大きい有効圧
力断面積Sで大きく発生し(作用力は断面積Sと圧力油
の圧力の積となる)、この作用力により先ずシリンダー
ロッド43がシリンダー筒体72から押し出されること
になる。このシリンダーロッド43の全長の全てがシリ
ンダー筒体72より押し出されたならば、圧力室fで膨
張していた圧力油はそれ以上ピストン133とシリンダ
ーロッド43を摺動させることなく、次いで圧力室gに
流入してこの圧力室gで膨張を開始する。このため、ピ
ストン145がシリンダー筒体88内で摺動され、ピス
トン145に固着したシリンダーロッド44がシリンダ
ー筒体88より押し出されることになる。こうして、シ
リンダーロッド44とシリンダー筒体88の間隔が拡大
すると、先ブーム20が中ブーム19より押し出される
ことになる。このように、各有効圧力断面積(P+
Q)、S、Rの面積の相違により、元ブーム16、中ブ
ーム19、先ブーム20は順番にそれぞれ単独で押し出
されることになり、伸縮ブーム28は段階的に伸長する
ことになる。
【0137】〔排出された圧力油の回収〕
【0138】前述のように図8において、ポート260
に圧力油が供給されると、シリンダー筒体201内でピ
ストン246が図8中右方向に摺動すると、シリンダー
筒体201内のピストン246で区切られた右半分の空
間に残留している圧力油は圧縮されることになるが、こ
の圧力油の逃げがなければピストン246は移動するこ
とができない。しかし、シリンダー筒体201の内側と
シリンダーロッド203の外側によって形成されたドー
ナツ状の空間は、シリンダー筒体201の下部に開口し
た通口250によってシリンダーロッド203の内側と
インナーパイプ248の外側で形成されたドーナツ状の
空間と連通している。このため、ピストン246が図8
中で右側に摺動すると、シリンダー筒体201の内側と
シリンダーロッド203の外側によって形成されたドー
ナツ状の空間に残留していた圧力油は通口250を通過
し、シリンダーロッド203の内側に流入し、シリンダ
ーロッド203の内周とインナーパイプ248の外周で
形成されたドーナツ状の空間を流動する。そして、この
流動した圧力油は端末ブロック207に穿った油路25
9に流れ込み、ポート261より排出され、圧力路18
5、電磁弁164を通過した後に油タンク163に戻さ
れる。
【0139】また、前述のように図12において、ポー
ト141に圧力油が供給されると、圧力油は圧力室fで
膨張し、シリンダー筒体72内でピストン133は図1
2中で右方向に摺動する。このピストン133がシリン
ダー筒体72内で右方向に摺動すると、シリンダー筒体
72の内部であってピストン133の右側の空間に残留
している圧力油は圧縮されることになるが、この圧力油
の逃げがなければピストン133は移動することができ
ない。しかし、シリンダー筒体72の内側とシリンダー
ロッド43の外側によって形成されたドーナツ状の空間
は、シリンダー筒体72の下部に開口した通口135に
よってシリンダーロッド43の内側空間と連通してい
る。このため、ピストン133が図12中で右側に摺動
すると、シリンダー筒体72の内側とシリンダーロッド
43の外側によって形成されたドーナツ状の空間に残留
していた圧力油は通口135を通過し、シリンダーロッ
ド43内に流入し、シリンダーロッド43の内周とイン
ナーパイプ132の内周で形成されたドーナツ状の空間
を流動する。そして、この流動した圧力油は端末ブロッ
ク54に穿った油路140に流れ込み、ポート142よ
り排出され、圧力路189を介して伸縮ユニット32、
33におけるポート244に流動する。
【0140】このポート244にまで流動した圧力油は
油路255、通口256を通過してシリンダー筒体20
1の内側とシリンダーロッド203の外側によって形成
されたドーナツ状の空間に流れ込む。次いで、圧力油は
通口250を通過し、シリンダーロッド203の内側に
流入し、シリンダーロッド203の内周とインナーパイ
プ248の外周で形成されたドーナツ状の空間に流入す
る。この後は、前述したのと同様の経路で圧力油は流動
し、油路259、ポート261、圧力路185、電磁弁
164を経過して油タンク163に戻される。
【0141】また、ピストン145がシリンダー筒体8
8内で図12中で左方向に摺動すると、シリンダー筒体
88の内部であってピストン145の左側の空間に残留
している圧力油は圧縮されることになるが、この圧力油
の逃げがなければピストン145は移動することができ
ない。このシリンダー筒体88の内側とシリンダーロッ
ド44の外側によって形成されたドーナツ状の空間は、
油路147に連通しているため、ピストン145が摺動
するとシリンダー筒体88の左側に残留している圧力油
は油路147より押し出されることになる。この油路1
47に流動した圧力油は、ポート97より連通パイプ1
82、ポート83、油路137を流動し、シリンダー筒
体72内に流入し、通口135よりシリンダーロッド4
3の内周とインナーパイプ248の外周で形成されたド
ーナツ状の空間に流入する。この後は、前述したのと同
様の経路で圧力油は流動し、油路259、ポート26
1、圧力路185、電磁弁164を経過して油タンク1
63に戻される。
【0142】このように圧力油の経路が形成されている
ことにより、シリンダー筒体88の内部であって図12
中でピストン145の左側に残留している圧力油はシリ
ンダー筒体72の内部(図12中でピストン133の右
側)の空間に流入する。この流入した圧力油は、シリン
ダー筒体72の内部であってピストン133の右側に残
留している圧力油と混合し、両者は一体となってポート
142より外部に排出される。次いで、この排出された
圧力油は、図8で示すポート254、油路255、通口
246を通過してシリンダー筒体201の内周とインナ
ーパイプ203の外周で形成されたドーナツ状の空間に
流入し、この空間でシリンダー筒体201内に残留して
いる圧力油と混合される。こうして、混合された圧力油
はポート261から排出され、最終的には混合した圧力
油は『正側』に切り換わっている電磁弁164を通過し
た後に、油タンク163で回収される。
【0143】〔連動による給油ユニット34の伸長の動
作〕
【0144】さて、前述のように電磁弁164を『正
側』に切り換えることで、油圧ポンプ161から吐出さ
れた圧力油は伸縮ユニット32、33に供給される。こ
の圧力油により、シリンダーロッド203、204はシ
リンダー筒体201、202より押し出され、外殻ブー
ム27と元ブーム16の間隔が拡大する。こうして、元
ブーム16は外殻ブーム27より押し出されることにな
るが、外殻ブーム27と元ブーム16の側面には給油ユ
ニット34が連結されている。このため、給油ユニット
34も伸縮ユニット32、33の伸長動作に連動し、同
時に給油ユニット34の全長を強制的に変動させられる
ことになる。
【0145】すなわち、図9、図10で示すように、給
油ユニット34における固定ブロック233は元ブーム
16の側面に固定してあり、端末ブロック234は軸支
片237を介して外殻ブーム27の側面に固定してあ
る。このため、シリンダー筒体231は元ブーム16に
連結してあり、摺動パイプ232は外殻ブーム27に連
結してあることになる。このような構成のため、伸縮ユ
ニット32、33が伸長する動作により、元ブーム16
が外殻ブーム27より押し出されると同時に、摺動パイ
プ232はシリンダー筒体231より引き出されること
になる。この摺動パイプ232がシリンダー筒体231
より引き出される速度は、シリンダーロッド203、2
04がシリンダー筒体201、202より押し出される
速度と同一となり、両者は同期している。なお、この摺
動パイプ232がシリンダー筒体111より引き出され
る際に、摺動パイプ47の外周にはシリンダー筒体23
1の上端に固定してあるシリンダーヘッド271の内周
が気密に接触しており、摺動パイプ232がシリンダー
ヘッド271に対して摺動しても、摺動パイプ232内
に収納した圧力油は外部に漏れることなく、内部で収納
した状態を維持している。
【0146】〔連動による給油ユニット36の伸長の動
作〕
【0147】また、油圧ポンプ161から吐出された圧
力油は伸縮ユニット35にも供給され、この圧力油によ
り、シリンダーロッド43はシリンダー筒体72より押
し出され、元ブーム16と中ブーム19の間隔が拡大
し、シリンダーロッド44はシリンダー筒体88より押
し出され、中ブーム19と先ブーム20の間隔が拡大す
る。このような連動により、伸縮ユニット35の各部が
動作することで中ブーム19は元ブーム16より押し出
され、先ブーム20は中ブーム19より押し出される。
この伸縮ユニット35の側面には給油ユニット36が連
結されているため、伸縮ユニット35が伸長の動作をす
ることにより、同時に給油ユニット36もその全長を強
制的に変動させられることになる。
【0148】すなわち、図4、図5、図13で示すよう
に、給油ユニット36における取付片99がボルト85
を介して結合ブロック56に連結してあるため、取付片
99によって固定ブロック113、シリンダーエンド1
18、そしてシリンダー筒体111、117はこの結合
ブロック56を介して中ブーム19に連結されている。
また、摺動パイプ47の上端に固着してある端末ブロッ
ク65は、図4、図5、図8で示すようにリブ板51、
保持体52とピン66により連結してあり、これらのリ
ブ板51、保持体52は元ブーム16に固定されてい
る。このため、摺動パイプ47は元ブーム16と連結し
てあることになる。このような構成のため、伸縮ユニッ
ト35におけるシリンダーロッド43がシリンダー筒体
72より押し出され、中ブーム19が元ブーム16より
引き出されると、端末ブロック65は元ブーム16に連
結され、シリンダー筒体111は中ブーム19に連結さ
れているため、同時に摺動パイプ47はシリンダー筒体
111より引き出されることになる。この摺動パイプ4
7がシリンダー筒体111より引き出される速度は、シ
リンダーロッド43がシリンダー筒体72より引き出さ
れる速度と同一となり、両者は同期している。なお、こ
の摺動パイプ47がシリンダー筒体111より引き出さ
れる際に、摺動パイプ47の外周にはシリンダー筒体1
11の上端に固定してあるシリンダーヘッド153の内
周が気密に接触しており、摺動パイプ47がシリンダー
ヘッド153に対して摺動しても、シリンダー筒体11
1内に収納した圧力油は外部に漏れることなく、収納し
た状態を維持している。
【0149】また、摺動パイプ48の先端に固着してあ
る端末ブロック68は、図4、図5、図13で示すよう
に、ピン70により連結ヒンジ69を介してスペーサー
62に連結され、このスペーサー62はピン63により
先ブーム20に連結されている。この構成のため、伸縮
ユニット35におけるシリンダーロッド44がシリンダ
ー筒体88より押し出されると、シリンダーロッド44
により端末ブロック60、スペーサー62を介して先ブ
ーム20は押し出され、先ブーム20は中ブーム19か
ら引き出されることになる。このスペーサー62の連結
ヒンジ69には端末ブロック121がピン70で連結し
てあるため、先ブーム20が中ブーム19から引き出さ
れると、スペーサー62によって端末ブロック121が
引っ張られ、結果として端末ブロック121に固着した
摺動パイプ48がシリンダー筒体117の内部より引き
出されることになる。この摺動パイプ48がシリンダー
筒体117より引き出される速度は、シリンダーロッド
44がシリンダー筒体88より引き出される速度と同一
となり、両者は同期している。なお、この摺動パイプ4
8がシリンダー筒体117より引き出される際に、摺動
パイプ48の外周にはシリンダー筒体117の下端に固
定してあるシリンダーヘッド157の内周が気密に接触
しており、摺動パイプ48がシリンダーヘッド157に
対して摺動しても、シリンダー筒体117内に収納した
圧力油は外部に漏れることなく、収納した状態を維持し
ている。
【0150】このように伸縮ユニット35におけるシリ
ンダーロッド43、44が、それぞれ図14中において
シリンダー筒体72、88を中心として左右に押し出さ
れることに伴い、給油ユニット36における摺動パイプ
47、48も同時に図14中においてシリンダー筒体1
11、117を中心として左右に引き出されることにな
る。このシリンダー筒体111、117の内部には圧力
油を貯留してあるが、シリンダー筒体111、117に
対して摺動パイプ47、48が摺動しても、摺動パイプ
47とシリンダーヘッド153が気密に密着し、摺動パ
イプ48とシリンダーヘッド157が気密に密着してお
り、貯留した圧力油を外部に漏らすことなく、気密性を
保持したまま端末ブロック65と121の間隔は拡大さ
せられる。
【0151】なお、このような給油ユニット34、36
における摺動パイプ47、48、232の伸長の動作に
おいて、シリンダー筒体111、117、シリンダー筒
体231の内部には圧力油を供給しておらず(電磁弁1
65、は『中立』の位置に設定してある)、圧力油の内
外への流動は無く、単に一対のパイプをその長さ方向に
相対的に引き出しただけの動作である。このため、各給
油ユニット34、36は何ら圧力的な作用力を発生して
いない。
【0152】〔パイロットチェック弁176の機能〕
【0153】前述のように、図10において、シリンダ
ー筒体231から摺動パイプ232が引き出されると、
シリンダー筒体231の内部が負圧の状態となる。ま
た、シリンダー筒体111から摺動パイプ47が引き出
され、シリンダー筒体117から摺動パイプ48が引き
出されると、同様にシリンダー筒体111、117の内
部も負圧の状態となる。これは、各摺動パイプ47、4
8、232には肉厚があるため、シリンダー筒体11
1、117、シリンダー筒体231から摺動パイプ4
7、48、232が引き出されると、引き出された摺動
パイプ47、48、232の体積分だけがシリンダー筒
体111、117、シリンダー筒体231の内容積を減
少させることになるからである(なお、シリンダー筒体
231に残留している圧力油は、伸縮ユニット32、3
3によって給油ユニット34が引き伸ばされている際に
は内外に流動することはない。同様に、各シリンダー筒
体111、117に残留している圧力油も、伸縮ユニッ
ト35によって給油ユニット36が引き伸ばされている
際には内外に流動することはない)。このように、各シ
リンダー筒体111、117、シリンダー筒体231の
内部が摺動パイプ47、48、232の引出しにより負
圧となると、摺動パイプ47、48、232を引き出す
ために負荷がかかることになり、伸縮ユニット32、3
3、35が円滑に給油ユニット34、36を従動させて
引き出すことができなくなる。このため、負圧の発生し
た各シリンダー筒体111、117、シリンダー筒体2
31内に補正のための圧力油を供給し、吸い付きの現象
を解消させなければならない。
【0154】このような、負圧(バキューム)状態にな
るのを防ぐために、油圧回路にはパイロットチェック弁
176を設けてある。このパイロットチェック弁176
により摺動パイプ47、48がシリンダー筒体111、
117より引き出されて、その引き出された容積分の圧
力油を供給し、負圧が発生するのを防止している。
【0155】前述の電磁弁164を『正側』に切り換え
ると、油圧ポンプ161から吐出された圧力油は圧力路
184に流入し、この圧力油は逆止弁175にも供給さ
れるが、逆止弁175が逆方向に向いているため、圧力
油は圧力路187の方向には流動しない。しかし、圧力
路184の圧力油はパイロットチェック弁176のパイ
ロット信号として供給されるため、圧力路184からの
圧力油の圧力によりパイロットチェック弁176が開放
される。すると、圧力路185は開放されたパイロット
チェック弁176により圧力路187に連通することに
なる。この圧力路185には、シリンダーロッド203
の内部に残留していた圧力油がポート261を介して流
動しているため、その圧力油の一部はパイロットチェッ
ク弁176を通過して圧力路187に流れ込むことにな
る。そして、図18で示すように、圧力路187に流れ
込んだ圧力油はポート272、油路273を通じて摺動
パイプ232の内部に移動し、摺動パイプ232の先端
よりシリンダー筒体231内に流動する。このシリンダ
ー筒体231に流入した圧力油の一部は、図10で示す
油路270、ポート269を介して圧力路190に流出
し、図19で示すようにポート154に流動する。この
圧力油は、摺動パイプ47を流動してその先端よりシリ
ンダー筒体11内に流入することになり、さらに、通口
155、油路156を通過し、シリンダー筒体117の
内部空間にまで流入する。このように、伸縮ユニット3
2、33、35から戻ってきた圧力油は、シリンダー筒
体111、117、シリンダー筒体231に流入し、各
シリンダー筒体111、117、シリンダー筒体231
の内部で不足している量を補っていることになる。この
ようにして、シリンダー筒体111、117、シリンダ
ー筒体231内に負圧が発生しても、パイロットチェッ
ク弁176が開いて自動的に不足した圧力油を注入し、
負圧が発生するのを未然に防止している。
【0156】〔伸縮ブーム28の伸長の動作の停止〕
【0157】このように、電磁弁164を『正側』に切
り換えると、油圧ポンプ161から圧力油が伸縮ユニッ
ト35に供給され、伸縮ユニット32、33、35は伸
長し、元ブーム16は外殻ブーム27より押し出され、
中ブーム19は元ブーム16より押し出され、先ブーム
20は中ブーム19より押し出され、伸縮ブーム28の
全長は長く伸びることになる。しかし、この動作を継続
させることはなく、図20中で鎖線で示すように、先ブ
ーム20の先端に吊り下げたシェルバケット23、24
が深い穴HOLEの底付近にまで到達したならば、伸縮
ブーム28を伸長させる動作を停止しなければならな
い。この操作は、電磁弁164を『正側』から『中立』
の位置に復帰させることで行い、油圧ポンプ161から
ポート260に供給する圧力油の供給を停止させる。す
でに伸縮ユニット32、33、35に供給した圧力油は
シリンダー筒体201の圧力室e、シリンダー筒体72
の圧力室f、シリンダー筒体88の圧力室gに貯留され
ていて、その状態で油圧回路が閉鎖されるため、伸縮ユ
ニット32、33、35におけるシリンダーロッド4
3、44、203はシリンダー筒体72、78、シリン
ダー筒体201より伸長した状態で停止し、伸縮ブーム
28はその伸長した状態のままを保持する。
【0158】〔シェルバケット23、24を開くための
圧力油の供給〕
【0159】このように、シェルバケット23、24が
深い穴HOLEの底に到達することになれば、次いで油
圧シリンダー25、26を縮小させ、両油圧シリンダー
25、26に連結したシェルバケット23、24を開放
し、シェルバケット23、24の内部に土砂を挟み込ま
なければならない。
【0160】この油圧シリンダー25、26を縮小させ
てシェルバケット23、24を開放させる操作を行なう
には、電磁弁164を『中立』の状態に維持しておき、
両電磁弁165、178の電磁コイルK、Mにそれぞれ
同時に制御信号を伝え、電磁弁165と178を同時に
『正側』に切り換える。このため、油圧ポンプ161よ
り吐出された圧力油は電磁弁165を通過し、逆止弁1
71、圧力路186を流動してポート261に供給され
る。ポート261に供給された圧力油は、図8で示すよ
うに油路259を通過し、シリンダーロッド203の内
側とインナーパイプ248の外側で形成されたドーナツ
状の空間を流動し、通口250よりシリンダーロッド2
03の外側に流出する。そして、シリンダー筒体201
の内周とシリンダーロッド203の外周で形成されたド
ーナツ状の空間を流動し、通口256、油路255を介
してポート254に流動する。次いで、ポート254か
ら流出した圧力油は圧力路189を通過して、図19で
示すようにシリンダー41におけるポート141に流動
する。
【0161】そして、圧力油は、図12で示すように、
油路140を通過し、シリンダーロッド43の内側とイ
ンナーパイプ132の外側に形成されたドーナツ状の空
間を流動し、通口135からシリンダーロッド43の外
側に流出する。そして、シリンダー筒体72の内側とシ
リンダーロッド43の外側で形成されたドーナツ状の空
間を流動し、油路137、ポート83より流出し、連通
パイプ182を介してポート97に流動する。ポート9
7に流入した圧力油は、図12で示すように、油路14
7を通過し、シリンダー筒体88の内側とシリンダーロ
ッド44の外側に形成されたドーナツ状の空間に流入
し、通口146よりシリンダーロッド44の内部に流入
する。そして、圧力油はシリンダーロッド44の内部を
流動し、油路148を通過した後、ポート150より流
出する。このような流路により、伸縮ユニット35の内
部を一巡して先ブーム20の先端付近にあるポート15
0にまで圧力油を供給させることができる。
【0162】このポート150にまで到達した圧力油
は、図19で示す圧力路191を流れ、『正側』に切り
換わっている電磁弁178を通過して両油圧シリンダー
25、26のそれぞれの排出室側に流入する。このた
め、各油圧シリンダー25、26のシリンダーロッドは
引き込まれてその全長を縮小し、吊り軸22の下部に軸
支したそれぞれのシェルバケット23、24を回動させ
て下方に開くことになる。両シェルバケット23、24
を開放させた状態が図1で示されている。この油圧シリ
ンダー25、26のシリンダーロッドが縮小する動作に
伴い、各油圧シリンダー25、26の圧力室側にある圧
力油は収納されたピストンの移動により排出される。こ
の排出された圧力油は『正側』に切り換わっている電磁
弁178を通過して圧力路192を流動し、給油ユニッ
ト36における油路158にまで流動する。
【0163】この油路158に流入した圧力油は、図1
4で示すように、給油ユニット36の摺動パイプ48の
内部を流動し、その上端(図14で右端)よりシリンダ
ー筒体117の内部に向けて放出される。このシリンダ
ー筒体117内に流入した圧力油は、次いで油路15
6、通口155を通過して隣接するシリンダー筒体11
1の内部に流動し、さらに、シリンダー筒体111の内
部では摺動パイプ47の下端開口(図14で左端)より
摺動パイプ47内に流入する。そして、圧力油は摺動パ
イプ47の内部を流動して油路154より外部に放出さ
れ、油路154から流出した圧力油は次いで圧力路19
0を流動し、給油ユニット34のポート269に流動す
る。このポート269、油路270を通過した圧力油
は、図10で示すようにシリンダー筒体231に流入
し、摺動パイプ232の内部を流動し、油路273、ポ
ート272を通過して圧力路187より流出する。そし
て、圧力路187、逆止弁174を通過した後に、電磁
弁165を介して油タンク163で回収される。なお、
逆止弁173の逆側には油圧ポンプ161からの正圧が
加えられているので開放せず、逆止弁174のみが圧力
路187からの圧力油で開放させられる。同様にして、
逆止弁175は電磁弁164が『中立』となっていて、
パイロットチェック弁166が開放していないので圧力
油の流動が無く、この逆止弁175も開放しない。
【0164】このように電磁弁165、178がそれぞ
れ同時に『正側』に切り換えられたことにより、圧力油
が伸縮ユニット32、33、35を一巡することで、油
圧ポンプ161からの圧力油は油圧シリンダー25、2
6にまで伝えられることになる。この供給された圧力油
は、油圧シリンダー25、26を縮小させ、シェルバケ
ット23、24を開放させる作用力となる。そして、油
圧シリンダー25、26から戻ってきた圧力油は給油ユ
ニット36、34を一巡した後で、圧力路187より逆
止弁174、電磁弁165を通過して油タンク163で
回収されることになる
【0165】〔シェルバケット23、24の動作停止〕
【0166】前述のように油圧シリンダー25、26を
それぞれ縮小させると一対のシェルバケット23、24
が左右方向に開くことになる。このシェルバケット2
3、24が開いた状態を維持させるには、電磁弁165
の電磁コイルKと電磁弁178の電磁コイルMに供給し
ていた制御信号を停止し、両電磁弁165、178を
『中立』の位置に切り換える。すると、油圧シリンダー
25、26の排出室内には圧力油が充満された状態とな
り、油圧シリンダー25、26はそれぞれ縮小した状態
を維持し、両シェルバケット23、24は下方に向けて
開いた状態でその動作を停止させられる。
【0167】〔シェルバケット23、24の押し下げ〕
【0168】このような一連の圧力油の流動により、油
圧シリンダー25、26は縮小されてシェルバケット2
3、24の下部が開口され、シェルバケット23、24
の内部空間に土砂を取り入れることができる。しかし、
単にシェルバケット23、24を開放しただけでは多く
の土砂を取り入れることはできず、シェルバケット2
3、24を深い穴HOLEの底部分に押し下げて、より
多くの土砂をシェルバケット23、24内に取り込まな
ければならない。
【0169】この操作では、前述のように開いた状態の
シェルバケット23、24をそのまま開放した状態に維
持しておき、図20の破線で示したように伸縮ブーム2
8を下方に伸ばしたままで、油圧シリンダー15を動作
してアーム14を下方に押し下げる。伸長した状態の伸
縮ブーム28にはその押し下げ力が加えられるが、図1
7における電磁弁164は『中立』の位置で停止してお
り、油圧回路での圧力油の流路が閉鎖されており、伸縮
ユニット32、33におけるシリンダーロッド203、
204はシリンダー筒体201、202より伸長した状
態を維持し、伸縮ユニット35におけるシリンダーロッ
ド43、44はシリンダー筒体72、88より伸長した
状態を維持し、それぞれのシリンダーロッド43、4
4、203、204は縮小しない。このため、アーム1
4による押し下げの力は、そのまま伸縮ブーム28に伝
えられ、シェルバケット23、24を深い穴HOLEの
底部分に押し当てる作用力となる。こうして、開口して
いるシェルバケット23、24は深い穴HOLEの底に
食い込み、シェルバケット23、24内に多くの土砂を
取り込むことができる。
【0170】所定の時間だけ油圧シリンダー15を動作
させてアーム14を下方に押し下げたならば、この油圧
シリンダー15への圧力油の供給を停止し、シェルバケ
ット23、24を深い穴HOLEの底へ喰い込む動作を
終了させる。次いで、両シェルバケット23、24が深
い穴HOLEの底に喰い込んだままで、シェルバケット
23、24を閉じて土砂の掴み取りの操作を行う。
【0171】〔シェルバケット23、24による土砂の
掴み取り〕
【0172】次に、前述の電磁弁165の電磁コイルL
と電磁弁178の電磁コイルNに同時に制御信号を伝
え、電磁弁165、178をそれぞれ『中立』の状態か
ら『逆側』に切り換える。すると、油圧ポンプ161か
ら吐出された圧力油は電磁弁165より逆止弁172を
通過して、圧力路186よりポート142に流入する。
このとき、逆止弁174は逆側に向けられているため、
電磁弁165からの圧力油は圧力路187には流入しな
い。そして、ポート142に流入した圧力油は、前述の
〔シェルバケット23、24を開くための圧力油の供
給〕で説明したのと同じように、伸縮ユニット32、3
3、35内で流動し、圧力油はポート150より伸縮ユ
ニット35の外部に流出することになる。ポート150
から圧力油は圧力路191を介して電磁弁178に伝え
られるが、電磁弁178は『逆側』に切り換えられてい
るため、圧力油は油圧シリンダー25、26の圧力室側
の空間に流入し、油圧シリンダー25、26の各シリン
ダーロッドを伸長させるように作用する。各油圧シリン
ダー25、26のシリンダーロッドが伸長すると、各シ
リンダーロッドに連結してあるシェルバケット23、2
4は吊り軸22を中心にして閉じるように回動し、両シ
ェルバケット23、24の下部は閉鎖される。これらの
シェルバケット23、24の先端が噛み合うことで、い
ままで開いていた開口が閉鎖し、シェルバケット23、
24内の内部空間に深い穴HOLEの底にある土砂を掴
み取ることができる。
【0173】そして、両油圧シリンダー25、26が伸
長すると、各油圧シリンダー25、26の排出室側に残
留していた圧力油はピストンの動きによって排出され、
電磁弁178に流出する。そして、電磁弁178を通過
した圧力油は圧力路192を流動し、油路158にまで
流動する。この油路158に流入した圧力油は、前述の
〔シェルバケット23、24を開くための圧力油の供
給〕で説明したのと同じように、給油ユニット36、3
4の内部を一巡して流動した後で、圧力路187より逆
止弁173、電磁弁165を通過して油タンク163で
回収される。このように、圧力油が流動する順路と方向
は、前述した油圧シリンダー25、26を縮小させる動
作と同じであり、電磁弁178にまで供給される圧力油
は圧力路186から入力し、圧力路187より戻される
循環回路となって形成されている。だが、この場合に
は、電磁弁178を切り換えた方向が前述とは逆である
ため、油圧シリンダー25、26に供給される圧力油の
流路が逆となり、油圧シリンダー25、26はそれぞれ
伸長させられることになる。
【0174】所定の時間、電磁弁165、178を『逆
側』に切り換えて、シェルバケット23、24の下部開
口を閉鎖させたなら、油圧シリンダー25、26のシリ
ンダーロッドの伸長の動作を停止しなければならない。
この操作では、電磁弁165の電磁コイルL、電磁弁1
78の電磁コイルNへの制御信号を停止し、電磁弁16
5、178を『中立』の状態に復帰させ、油圧ポンプ1
61から吐出された圧力油の供給を停止することで行
う。油圧シリンダー25、26に圧力油の供給が停止さ
れても、各油圧シリンダー25、26内には圧力油が封
入されているため、それぞれの油圧シリンダー25、2
6は伸長した状態を維持し、両シェルバケット23、2
4の爪先は噛み合い、土砂を掴んだままの状態を維持
し、深い穴HOLEより掴み取った土砂を保持すること
ができる。
【0175】〔伸縮ブーム28を縮小させる動作〕
【0176】これまでの動作による伸縮ブーム28、シ
ェルバケット23、24の位置は図20で破線で示され
た状態である。このようにして土砂を掴み取ったシェル
バケット23、24を深い穴HOLEより上方に引き上
げるには、次いで、伸縮ブーム28を縮小させなければ
ならない。この伸縮ブーム28の縮小の動作では、伸縮
ユニット32、33、35を作動させて、外殻ブーム2
7内に元ブーム16を収納し、元ブーム16内に中ブー
ム19を収納し、中ブーム19内先ブーム20を収納す
ることによって行う。
【0177】この縮小の動作を開始するには、図17で
示す電磁弁164の電磁コイルHに制御信号を伝え、油
圧ポンプ161から吐出された圧力油を圧力路185に
供給させる。すると、電磁弁164を通過した圧力油は
圧力路185を通じてポート261に流入し、図8で示
すように油路259を通過してシリンダーロッド203
の内周とインナーパイプ248の外周の間にあるドーナ
ツ状をした空間を流動し、通口250を通過してシリン
ダー筒体201の内側に流動する。このため、シリンダ
ー筒体201の内周とインナーパイプ248の外周の間
で圧力油が膨張し、ピストン246を図8中で左方向に
摺動させ、ピストン246に連結したシリンダーロッド
203とインナーパイプ248をシリンダー筒体201
の内部に引き込めるように作用する。このシリンダーロ
ッド203、204がシリンダー筒体201、202の
方向に引き込められると、シリンダーロッド203、2
04の上端(図4中右側)に固着した端末ブロック20
7、208と、シリンダー筒体201、202の下端
(図4中左側)に固着した端末ブロック219、220
の間隔が縮小されることになり、元ブーム16は外殻ブ
ーム27内に引き込めらることになる。このとき、シリ
ンダーロッド203、204の外周とシリンダーヘッド
252の内周は気密に密着して摺動してるため、シリン
ダー筒体201、202内にある圧力油は外部に流出す
ることがない。
【0178】次いで、圧力油は通口256、油路255
を経てポート254より圧力路189に流出し、次いで
ポート142に流入する。圧力油はポート142、油路
140を通過した後に、シリンダーロッド43の内周と
インナーパイプ132の外周の間にあるドーナツ状をし
た空間を流動し、通口135を通過してシリンダー筒体
72の内周に流動する。圧力油がインナーパイプ132
の外周とシリンダー筒体72の内周のドーナツ状をした
空間に流入すると、圧力油はこの空間で膨張し、ピスト
ン133を図12中において左方向に押動し、ピストン
133をシリンダー筒体72内で左側に摺動させる。こ
のピストン133の移動により、シリンダーロッド43
とインナーパイプ132も同時に引っ張られ、図12に
おいてシリンダーロッド43とインナーパイプ132を
シリンダー筒体72の内部に引き込める作用をする。こ
のため、シリンダーロッド43の上端(図12中右側)
に固着した端末ブロック54と結合ブロック56の間隔
が縮小されることになり、中ブーム19は元ブーム16
の内部に引き込められる(図4、図5で示すように、端
末ブロック54はピン55により元ブーム16に連結さ
れており、結合ブロック56は保持軸受58を介して中
ブーム19に連結されているからである)。このとき、
シリンダーロッド43の外周とシリンダーヘッド136
の内周は気密に密着して摺動してるため、シリンダー筒
体72内にある圧力油は外部に流出することがない。
【0179】また、シリンダー筒体72内に流入した圧
力油は、シリンダー筒体72の内周とシリンダーロッド
43の外周のドーナツ状をした空間を流動し、油路13
7を通過してポート83から排出される。このポート8
3からの圧力油は、連通パイプ182を流動してポート
97に伝えられ、ポート97より油路147を通過して
シリンダー筒体88の内周とシリンダーロッド44の外
周で形成されたドーナツ状をした空間に流入する。同時
に、一部の圧力油は通口146からシリンダーロッド4
4の内部に流入し、圧力油はシリンダー筒体88の内部
で膨張してピストン145を図12中において右方向に
押動する。このため、ピストン145はシリンダー筒体
88内で右方向に摺動し、ピストン145に連結してあ
るシリンダーロッド44を右方向に引っ張り、シリンダ
ーロッド44をシリンダー筒体88の内部に引き込める
作用をする。このため、シリンダーロッド44の下端
(図12中左側)に固着した端末ブロック60とシリン
ダーエンド89の間隔が縮小されることになり、先ブー
ム20は中ブーム19の内部に引き込められる(図4、
図5で示すように、端末ブロック60はピン61、スペ
ーサー62、ピン63を介して先ブーム20に連結され
ており、シリンダーエンド89は結合ブロック56、保
持軸受58を介して中ブーム19に連結されている)。
【0180】このとき、シリンダーロッド44の外周と
シリンダーヘッド144の内周は気密に密着して摺動し
てるため、シリンダー筒体88内にある圧力油は外部に
流出することがない。この時、電磁弁178は『中立』
の状態に維持されており、ポート150から圧力路19
1への圧力油の流動は無く、ポート97からシリンダー
筒体88に流入した圧力油はシリンダーロッド44の内
部と、シリンダーロッド44の外周とシリンダー筒体8
8の外周との間に形成されたドーナツ状の空間で膨張
し、ピストン145を図12中において右方向に移動さ
せる。
【0181】このように、シリンダーロッド43はシリ
ンダー筒体72の内部に引き込まれ、シリンダーロッド
44はシリンダー筒体88の内部に引き込まれ、図12
中における端末ブロック54と60の左右の距離が縮小
される。このとき、図4、図5、図11で示すように、
シリンダー41全体は中ブーム19に連結されており、
シリンダーロッド43がシリンダー筒体72の内部に引
き込まれることにより、端末ブロック54が元ブーム1
6に連結されているため、相対的に中ブーム19が元ブ
ーム16の内部に引き込まれるように作用される。同様
に、シリンダー42全体は結合ブロック56の連結軸8
4により中ブーム19に連結されており、シリンダーロ
ッド44の先端に固着した端末ブロック60はスペーサ
ー62を介して先ブーム20に連結してあることから、
シリンダーロッド44がシリンダー筒体88の内部に引
き込まれると、先ブーム20は中ブーム19の内部に引
き込まれることになる。このような一連の動作によっ
て、中ブーム19は元ブーム16の内部に収納され、先
ブーム20は中ブーム19の内部に収納され、伸縮ブー
ム28の全長は縮小されることになる。
【0182】〔排出された圧力油の回収〕
【0183】前述のように、図12においてピストン1
33が左方向に摺動すると、圧力室fに残留している圧
力油は圧縮されるため、インナーパイプ132の内部を
流動し、油路139、ポート141を通過して圧力路1
88の方向に流動する。同様に、ピストン145が図1
2において右方向に摺動すると、圧力室g内に残留して
いる圧力油は圧縮され、油路149、ポート92、連通
パイプ181を通過し、ポート75、油路138を介し
て圧力室fにまで移動させさられる。この圧力室fに流
入した圧力油は、すでに圧力室fに残留していた圧力油
と混合し、前述した圧力油の経路をたどって圧力路18
8に流出する。また、図8でピストン246が左方向に
摺動すると、圧力室eに残留している圧力油はピストン
246で圧縮され、インナーパイプ248を流動し、油
路258、ポート260を通過して圧力路185に流出
する。このようにして、各圧力室e、f、gに残留して
いる圧力油はそれぞれピストン133、145、246
の摺動により押し出され、合流して圧力路185に流
れ、各伸縮ユニット32、33、35の内部から流出し
た圧力油は、『逆側』に切り換わっている電磁弁164
を通過し、油タンク163で回収される。この時、電磁
弁164が『逆側』の位置にあるため、油圧ポンプ16
1からの圧力油の一部はパイロットチェック弁166の
パイロット信号として入力しているため、パイロットチ
ェック弁166は開放されている。このため、伸縮ユニ
ット32、33、35の内部から流出して圧力路184
より戻ってきた圧力油は、開放されたパイロットチェッ
ク弁166をそのまま通過し、油タンク163で回収さ
れる。これは、戻ってきた圧力油が電磁弁164を通過
せずに、流動抵抗の少ないパイロットチェック弁166
を通過させることにより、迅速に伸縮ブーム28を縮小
させるためである。
【0184】〔〔圧力断面積の差による伸縮ブーム28
の段階的な縮小〕〕
【0185】このような、同時進行の一連の動作によ
り、電磁弁164が『逆側』に投入されたことからポー
ト261に供給された圧力油によって、シリンダーロッ
ド203、204はシリンダー筒体201、202の内
部に収納され、シリンダーロッド43はシリンダー筒体
72の内部に収納され、シリンダーロッド44はシリン
ダー筒体88の内部に収納される。このため、元ブーム
16は外殻ブーム27の内部に収納され、中ブーム19
は元ブーム16の内部に収納され、先ブーム20は中ブ
ーム19の内部に収納されることになり、伸縮ブーム2
8はテレスコピック状に縮小することになる。この動作
の場合において、各元ブーム16、中ブーム19、先ブ
ーム20は同期して同時に縮小するのでは無く、先ず先
ブーム20が中ブーム19に収納され、先ブーム20の
全長が中ブーム19に収納されたなら、中ブーム19が
元ブーム16に収納され始める。この中ブーム19の全
長が元ブーム16に収納されたならば、次いで元ブーム
16が外殻ブーム27に収納され始める。つまり、伸縮
ブーム28を構成する元ブーム16、中ブーム19、先
ブーム20は段階を追って順番に縮小の動作を行うもの
であり、各元ブーム16、中ブーム19、先ブーム20
が同時に動作するものではない。
【0186】このように伸縮ブーム28が段階的に伸長
する理由を次に説明する。図16で示したように、伸縮
ユニット32を構成するシリンダー筒体201の内周と
シリンダーロッド203の外周のドーナツ状の空間と、
シリンダーロッド203の内周とインナーパイプ248
ーaの外周のドーナツ状の空間の合計の断面積が有効圧
力油断面積Tとなる。伸縮ユニット33を構成するシリ
ンダー筒体202の内周とシリンダーロッド204の外
周のドーナツ状の空間と、シリンダーロッド204の内
周とインナーパイプ248ーbの外周のドーナツ状の空
間の合計の断面積が有効圧力油断面積Uとなる。また、
シリンダー41を構成するシリンダー筒体72の内周よ
りシリンダーロッド43の外周のドーナツ状の空間と、
シリンダーロッド43の内周よりインナーパイプ132
の外周のドーナツ状の空間の合計の断面積が有効圧力油
断面積Wとなる。そして、シリンダー42を構成するシ
リンダー筒体88の内周とシリンダーロッド44の外周
のドーナツ状の空間と、シリンダーロッド44の内周の
空間の合計の断面積が有効圧力油断面積Vとなる。図1
6で予め設定しているように、それぞれの有効圧力断面
積の関係は次のように表される。
【0187】V>W>(T+U)
【0188】この関係により、同一の圧力の圧力油がそ
れぞれシリンダー筒体201、202、シリンダー筒体
72、88に供給されても、その圧力油により発生する
作用力は各有効圧力断面積V、W、(T+U)と圧力の
積となる。各シリンダー筒体201、202、シリンダ
ー筒体72、88に供給された圧力油の圧力は均一であ
ることから、有効圧力断面積の大きいVで一番大きな作
用力が発生し、その作用力がシリンダーロッド44に働
くことになる。このため、圧力油が供給されると、一番
に先ブーム20が中ブーム19に収納されることにな
る。この先ブーム20の全長が中ブーム19内に完全に
収納されると、図12で示したピストン145はシリン
ダー筒体88より右方向には摺動しなくなり、図12中
のシリンダー筒体88左側の空間で膨張していた圧力油
は図12中のシリンダー筒体72の右側で膨張すること
になる。そして、このシリンダー筒体72の内部のピス
トン133で区切られた図12中右側で膨張した圧力油
はピストン133を左方向に摺動させ、シリンダーロッ
ド43をシリンダー筒体72の内部に引き込めるように
作用を開始する。このシリンダーロッド43がシリンダ
ー筒体72に引き込められることから、中ブーム19は
元ブーム16に収納され始める。中ブーム19が元ブー
ム16に完全に収納されると、ピストン133は図12
で左側に摺動し、それ以上は移動しなくなる。このた
め、次いで連通している圧力油はシリンダー筒体20
1、202の内部で膨張を開始し、図8で示すピストン
246を図中で左方向に摺動させ、ピストン246に連
結しているシリンダーロッド203、204をそれぞれ
シリンダー筒体201、202の内部に引き込めるよう
に作用する。このシリンダーロッド203、204がシ
リンダー筒体201、202に引き込められることか
ら、連結した元ブーム16は外殻ブーム27に収納され
始める。このように、各有効圧力断面積V、W、(T+
U)の面積の相違により、元ブーム16、中ブーム1
9、先ブーム20は順番にそれぞれ単独で引き込まれる
ことになり、伸縮ブーム28は段階的に縮小することに
なる。
【0189】〔連動による給油ユニット36が縮小する
動作〕
【0190】図4、図5、図12において、前述したよ
うに、シリンダーロッド43がシリンダー筒体72に引
き込まれ、シリンダーロッド44がシリンダー筒体88
に引き込まれ、伸縮ユニット35の全長が縮小される
と、この動作に追従して給油ユニット36もその長さを
縮小させられる。
【0191】すなわち、給油ユニット36におけるシリ
ンダー筒体111、117の本体はそれぞれ固定ブロッ
ク113、シリンダーエンド118を介して伸縮ユニッ
ト35のシリンダーエンド89に固定されている。この
シリンダーエンド89は連結軸84、結合ブロック56
を介して中ブーム19に連結されているので、両シリン
ダー筒体111、117の本体はそれぞれ中ブーム19
に連結されていることになる。また、摺動パイプ47の
上端(図14において右側)に固着した端末ブロック6
5はピン66、リブ板51、保持体52を介して元ブー
ム16に連結されており、摺動パイプ47の下端(図1
4において左側)に固着した端末ブロック68はピン7
0、スペーサー62、ピン63を介して先ブーム20に
連結されている。このため、シリンダーロッド43がシ
リンダー筒体72に引き込まれて中ブーム19が元ブー
ム16に引き込まれると、その動作に追従してシリンダ
ー筒体111の内部に摺動パイプ47が押し込まれる。
また、シリンダーロッド44がシリンダー筒体88に引
き込まれて先ブーム20が中ブーム19に引き込まれる
と、その動作に追従してシリンダー筒体117の内部に
摺動パイプ48が押し込まれる。こうして、給油ユニッ
ト36の図14で示す左右の長さが縮小され、その縮小
の速度は伸縮ユニット35の縮小速度と同期している。
【0192】この摺動パイプ47がシリンダー筒体72
に対して摺動する際には、摺動パイプ47の外周にシリ
ンダーヘッド153の内周が気密に接触するため、シリ
ンダー筒体111の内部に残留している圧力油は外部に
漏れることはない。また、摺動パイプ48がシリンダー
筒体88に対して摺動する際には、摺動パイプ48の外
周にシリンダーヘッド157の内周が気密に接触するた
め、シリンダー筒体117の内部に残留している圧力油
は外部に漏れることはない。この場合において、摺動パ
イプ47がシリンダー筒体111に押し込められる動作
と、摺動パイプ48がシリンダー筒体117に押し込め
られる動作では何ら圧力的に圧力油が流動せず、摺動パ
イプ47、48はそれぞれ円滑に摺動される。
【0193】〔連動による給油ユニット34の縮小の動
作〕
【0194】同様にして、図4、図7において、シリン
ダーロッド203、204がシリンダー筒体201、2
02に引き込められると、外殻ブーム27と元ブーム1
6の間隔が縮小する。こうして、元ブーム16が外殻ブ
ーム27に引き込められることになるが、外殻ブーム2
7と元ブーム16の側面には給油ユニット34が連結さ
れている。このため、給油ユニット34も伸縮ユニット
32、33の縮小動作に連動し、同時に給油ユニット3
4の全長を強制的に変動させられることになる。
【0195】すなわち、図9、図10で示すように、給
油ユニット34における固定ブロック233は元ブーム
16の側面に固定してあり、端末ブロック234は軸支
片237を介して外殻ブーム27の側面に固定してあ
る。このため、シリンダー筒体231は元ブーム16に
連結してあり、摺動パイプ232は外殻ブーム27に連
結してあることになる。このような構成のため、伸縮ユ
ニット32、33が縮小する動作により、元ブーム16
は外殻ブーム27に引き込められると同時に、摺動パイ
プ232はシリンダー筒体231の内部に挿入されるこ
とになる。この摺動パイプ232がシリンダー筒体23
1に引き込められる速度は、シリンダーロッド203、
204がシリンダー筒体201、202に引き込められ
る速度と同一となる。なお、この摺動パイプ232がシ
リンダー筒体111より引き込められる際に、摺動パイ
プ232の外周にはシリンダー筒体231の上端に固定
してあるシリンダーヘッド271の内周が気密に接触し
ており、摺動パイプ232がシリンダーヘッド271に
対して摺動しても、摺動パイプ232内に収納した圧力
油は外部に漏れることなく、内部で収納した状態を維持
している。
【0196】〔余分な圧力油の回収〕
【0197】このように、給油ユニット34、36の全
長は縮小され、その動作においては何ら作用力が発生し
ないので抵抗なく動作することになる。しかし、摺動パ
イプ47、48、232にはその厚みがあるため、摺動
パイプ47、48、232がシリンダー筒体111、1
17、231に押し込められると、その厚みの容積分の
圧力油が余分となり、この余分となった圧力油がシリン
ダー筒体111、117、231内に残っていると給油
ユニット34、36を縮小する際の抵抗力となる。この
ため、シリンダー筒体111、117内に摺動パイプ4
7、48を押し込めた量に相当する量の圧力油は油路1
54より給油ユニット36の外に排出されることにな
る。そして、油路190よりポート269に流動し、シ
リンダー筒体231の内部に流入してここに残留してい
る圧力油と合流する。また、シリンダー筒体231内に
摺動パイプ232を押し込めた量に相当する量の圧力油
はポート272より外部に排出され、圧力路187に流
出する。こうして、圧力路187にはシリンダー筒体1
11、117から排出された余分な量の圧力油と、シリ
ンダー筒体231から排出された余分な量の圧力油が合
流して排出されたことになり、これらの圧力油は逆止弁
175、パイロットチェック弁166を通過して油タン
ク163に戻されて回収される。
【0198】〔伸縮ブーム28の縮小の動作の停止〕
【0199】このように電磁弁164を『逆側』に切り
換えることにより、圧力油を伸縮ユニット32、33、
35に供給すると、伸縮ブーム28は縮小し、元ブーム
16は外殻ブーム27に引き込まれ、中ブーム19は元
ブーム16に引き込まれ、先ブーム20は中ブーム19
に引き込まれ、伸縮ブーム28の全長は順次縮小される
ことになる。
【0200】しかし、電磁弁164を『逆側』の状態に
しておくことを続けることはなく、図20で鎖線で示し
た伸縮ブーム28が伸長した状態から、図20の実線で
示したように伸縮ブーム28が最短の長さにまで縮小し
たならば、伸縮ブーム28の縮小の動作を停止しなけれ
ばならない。この縮小の動作の停止のためには、電磁弁
164を『逆側』から『中立』の状態に復帰させ、油圧
ポンプ161から吐出されている圧力油を圧力路185
へ供給するのを停止する。伸縮ユニット32、33、3
5にすでに供給した圧力油は、電磁弁164を『中立』
に復帰させると伸縮ユニット32、33、35の内部に
保留され、シリンダーロッド203、204はシリンダ
ー筒体201、202に引き込まれた状態で停止し、シ
リンダーロッド43、44はシリンダー筒体72、88
に引き込まれた状態で停止される。
【0201】〔シェルバケット23、24を穴HOLE
より引き出すための操作〕
【0202】伸縮ブーム28を最小の長さに縮小させた
ならば、深い穴HOLEより伸縮ブーム28を引出し、
シェルバケット23、24を地表より上に持ち上げなけ
ればならない。これは深い穴HOLEの底で掴み取った
土砂を排出し、深掘り掘削機の付近に待機しているトラ
ックの荷台等に移し換えなければならないからである。
この作業のためには、作業台13に設けた操縦機構を操
作した、油圧ポンプ161から吐出された圧力油を油圧
シリンダー15と18に供給することで行う。すなわ
ち、圧力油を油圧シリンダー15と18に供給して、そ
れぞれの油圧シリンダー15と18を伸長または縮小さ
せることにより、アーム14と伸縮ブーム28の高さと
角度を制御し、細長い伸縮ブーム28を深い穴HOLE
の内壁に接触しないようにして上方に引出し、シェルバ
ケット23、24を深い穴HOLEの外部に取り出すこ
とができる。このシェルバケット23、24を取り出し
た状態が図20中実線で示されている。この伸縮ブーム
28を深い穴HOLEから引き出す操作は、従来から広
く用いられている深掘り掘削機の操作手順と同じであ
る。
【0203】〔シェルバケット23、24の土砂を排出
する動作〕
【0204】図20中で実線で示したように、シェルバ
ケット23、24が地面より上方に引き上げられたなら
ば、作業台13を車体11に対して旋回させ、アーム1
4と伸縮ブーム28を回転させることにより、シェルバ
ケット23、24をトラックのトラックの荷台や残土置
場の上方に移動させる。そして、シェルバケット23、
24の下部を開放してトラックの荷台や残土置場に掴み
取った土砂を排出しなければならない。
【0205】この操作では、前述のシェルバケット2
3、24を閉鎖して土砂を掴み取る操作とは逆の手順で
行うことになる。すなわち、電磁弁165の電磁コイル
K、電磁弁178の電磁コイルMに同時に制御信号を伝
え、電磁弁165、178を『中立』から『正側』に切
換えることによって開始される。これらの電磁弁16
5、178を切り換えることによる圧力油が流動する順
路は前述と同様であり、油圧シリンダー25、26の排
出室側に圧力油が供給され、各油圧シリンダー25、2
6のシリンダーロッドはそれぞれ縮小させられる。する
と、シリンダーロッドに連結したシェルバケット23、
24は下方に向けて開き、両シェルバケット23、24
の下部は開放される。こうして、シェルバケット23、
24が開放したならば、その内部空間に掴み取った土砂
はその自重で落下し、トラックの荷台や残土置場に落下
して堆積される。
【0206】このような一連の操作を行うことにより、
深掘り掘削機により、その直径に比べて深さが深い穴H
OLEの底から土砂を掴み出し、深い穴HOLEを下方
に向かって堀下げることが可能となる。
【0207】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、深
掘り掘削機の伸縮ブームは外殻ブーム、元ブーム、中ブ
ーム、先ブームによる四段のブームによってテレスコピ
ック状に組み立てられている。この外殻ブームと元ブー
ムの間、元ブームと中ブームの間、中ブームと先ブーム
の間にそれぞれ油圧シリンダーを介在させてあり、か
つ、それぞれ油圧流動ユニットを介在させてある。この
構成のため、それぞれの油圧シリンダーにより、元ブー
ムを外殻ブームより伸縮させることができ、中ブームを
元ブームより伸縮させることができ、先ブームを中ブー
ムより伸縮させることができる。このため、四段に伸縮
ブームを伸長或いは縮小させることができ、縮小した長
さが同じ長さの伸縮ブームであれば、ブームの段数が多
いため、従来よりより深い穴を堀取ることができる。そ
して、伸長した伸縮ブームの全長に対して縮小した伸縮
ブームの長さを短くすることができるので、掘り取って
いる穴から伸縮ブームを引き出す作業が容易となる。
【0208】そして、四段の伸縮ブームを伸縮させるた
めに、外殻ブームと元ブームの間の間に第一の油圧シリ
ンダーを、元ブームと中ブームの間に第二の油圧シリン
ダーを、中ブームと先ブームの間に第三の油圧シリンダ
ーを介在してある。この第一の油圧シリンダーより伸縮
する第一のシリンダーロッドにはその先端から圧力室と
連通する第一の圧力路と排出室と連通する第一の排圧路
をそれぞれ独立して形成し、第二の油圧シリンダーより
伸縮する第二のシリンダーロッドにはその先端から圧力
室と連通する第二の圧力路と排出室と連通する第二の排
圧路をそれぞれ独立して形成し、第三の油圧シリンダー
より伸縮する第三のシリンダーロッドにはその先端から
排出室と連通する第三の排圧路を形成してある。そし
て、第一の油圧シリンダーの圧力室と第二の圧力路、第
二の油圧シリンダーの圧力室と第三の圧力路を連通して
あり、各油圧シリンダーの圧力室はそれぞれ直列に接続
してある。また、第一の油圧シリンダーの排出室と第二
の排圧路、第二の油圧シリンダーの排出室と第三の排圧
路を連通してあり、各油圧シリンダーの排出室は直列に
接続してあり、さらに、この油路は第三のシリンダーロ
ッドの排圧路により第三のシリンダーロッドの先端にま
でつながっている。また、外殻ブームと元ブームの間に
第一の油圧流動ユニットを、元ブームと中ブームの間に
第二の油圧流動ユニットを、中ブームと先ブームの間に
第三の油圧流動ユニットをそれぞれ介在させてあり、そ
れぞれ油圧流動ユニットを直列に接続してある。
【0209】このような構成のため、第一の油圧シリン
ダーより第三の油圧シリンダーまでのそれぞれの圧力室
が直列となり、各圧力室に同時に圧力油を流動させるこ
とができる。また、第一のシリンダーロッドの排圧路よ
り第三のシリンダーロッドの排圧路の先端まで一つの圧
力油の流路が形成されたことになり、同時に、第一の油
圧流動ユニットから第三の油圧流動ユニットにより一つ
の圧力油の流路が形成されたことになる。
【0210】このため、第一の油圧シリンダーの第一の
圧力路に圧力油を供給すると、各油圧シリンダーの圧力
室に共通に圧力油が供給され、それぞれの油圧シリンダ
ーは伸長の動作を行うことになる。また、第一の油圧シ
リンダーの第一の排圧路に圧力油を供給すると、各油圧
シリンダーの排出室に共通に圧力油が供給され、それぞ
れの油圧シリンダーは縮小の動作を行うことになる。こ
のため、各油圧シリンダーに連結した元ブーム、中ブー
ム、先ブームは外殻ブームより伸長または縮小の動作を
行うことができる。この伸縮ブームの伸縮の動作は連動
して行われるため、四段にテレスコピック状に組み合わ
された伸縮ブームは円滑に伸縮することができる。
【0211】また、第一のシリンダーロッドの第一の排
圧路より圧力油を供給すると、第二のシリンダーロッド
の第二の排圧路を通過して第三のシリンダーロッドの第
三の排圧路にまで流動する。このため、第一の排圧路の
後端(外殻ブームの後端)より供給した圧力油は第三の
排圧路の先端(先ブームの先端)にまで流動させること
ができる。そして、第三の油圧流動ユニットの先端(先
ブームの先端)から圧力油を流動させると、その圧力油
は第二の油圧流動ユニットを介して第一の油圧流動ユニ
ットの後端(外殻ブームの後端)にまで流動する。この
ようにして、外殻ブームの後端から直列につなげられた
各排圧路から圧力油が先ブームの先端にまで供給され、
次いで先ブームの先端から直列につなげられた各油圧流
動ユニットを圧力油が外殻ブームの後端にまで戻される
ことになり、2系統の圧力油の油路が形成されたことに
なる。
【0212】そして、油圧発生源からの圧力油は、第一
の排圧路より供給され、各排圧路と各シリンダーの排出
室を流動した後に、先ブームの先端に連結した油圧駆動
機構にまで供給される。また、この油圧駆動機構から回
収された圧力油は、第三の油圧流動ユニットより第一の
油圧流動ユニットまで流動し、第一の油圧流動ユニット
の後端より油圧発生源に還流させることができる。この
ようにして、伸縮ブームの後端から先端にまで柔軟性の
あるゴム製の高圧ホースを使用しなくても圧力油を循環
させることができる。そして、長い高圧ホースを伸縮ブ
ーム内で取り廻して配置する必要が無くなるため伸縮ブ
ームの重量を軽くすることができる。また、ゴム製の高
圧ホースであることから生ずる定期的な点検作業や、劣
化に伴う高圧ホースの交換作業が不要となり、長期の使
用が可能となる。
【0213】また、圧力油を循環させるために、伸縮ユ
ニットにおけるシリンダーロッドの内部とシリンダーの
空間を流動させており、伸縮ユニットは伸縮ブームの伸
縮動作と同時に圧力油の流動の作用もすることになる。
このため、従来の構成にように圧力油を循環させるため
に二本の給油ユニットを必要とせず、一本の給油ユニッ
トで構成させることができ、機構が簡素となる。する
と、伸縮ユニットの内部に収納する機構が簡素となり、
組み立て、製造が簡易となり、製造費が安価となると共
に伸縮ユニットの重量が軽くなるため、作業性を向上さ
せることができる。また、伸縮ブームの伸縮動作に伴っ
て油圧流動ユニットが引き出されたり、押し込められる
が、この従動する動作は従来の二組の給油ユニットでは
なく、一組の油圧流動ユニットですむことになる。する
と、各油圧流動ユニットを伸縮させる抵抗を減少させる
ことができ、圧力油の効果的な利用が可能となる。
【0214】また、本願の第2の発明では、第一のシリ
ンダーロッドの第一の圧力路と油圧発生源の間、第一の
油圧流動ユニットと油圧発生源の間に切換弁を配置して
あるため、車体にある油圧発生源より圧力油の供給、制
限をこの切換弁によって行うことができる。このため、
車体側で伸縮ブームの伸縮の動作を制御することができ
る。
【0215】また、本願の第3の発明では、第三のシリ
ンダーロッドの第三の排圧路と油圧駆動機構の間、第三
の油圧流動ユニットと油圧駆動機構の間に切換弁を配置
してあるため、伸縮ブームを伸縮させている間は切換弁
を閉鎖して圧力油が油圧駆動機構の方向に流動しないよ
うに制御することができる。このため、伸縮ブームを伸
縮させようとする圧力油を各圧力室あるいは各排出室に
のみ供給できる。そして、油圧駆動機構に圧力油を流動
させる際には、切換弁を開放させることで、油圧駆動機
構にのみ圧力油を供給させることができる。
【0216】また、本願の第4の発明では、第一のシリ
ンダーロッドの第一の圧力路と油圧発生源の間、第一の
油圧流動ユニットと油圧発生源の間に第一の切換弁を配
置し、第三のシリンダーロッドの第三の排圧路と油圧駆
動機構の間、第三の油圧流動ユニットと油圧駆動機構の
間に第二の切換弁を配置してある。このため、第一の切
換弁を操作することで伸縮ブームを伸縮させる動作を行
わせ、第二の切換弁を操作することで油圧駆動機構に圧
力油を供給することができる。ぞれぞれの切換弁を単独
で制御することで、第一の切換弁により各排圧路を伸縮
ブームの縮小の動作のための流路として用いることがで
き、第二の切換弁により各排圧路を油圧駆動機構へ圧力
油を供給するための流路として用いることができる。こ
のため、単一の流路を異なった目的のために切り換え
て、共用して用いることができ、伸縮ブームの内部の配
管を簡略化することができる。
【0217】また、本願の第5の発明では、各油圧シリ
ンダーの圧力室の有効圧力断面積に順位をつけ、第一、
第二、第三の圧力室の順にその断面積を小さくなるよう
に設定してある。このため、各油圧シリンダーの圧力室
に同時に供給された圧力油はそれぞれの圧力室で膨張す
るが、圧力が同じため、有効圧力断面積が大きい圧力室
の油圧シリンダーより伸長の動作を開始する。すなわ
ち、第一の油圧シリンダーが最初に伸長し、第二の油圧
シリンダーが次いで伸長し、最後に第三の油圧シリンダ
ーが伸長する。こうして、それぞれの油圧シリンダーが
同時に作動するのではなく、順番に動作するため、外殻
ブームより元ブームが伸長し、元ブームより中ブームが
伸長し、中ブームより先ブームが伸長する。このように
して、太い径のブームより伸長するため、常に太径のブ
ームが動作し、細径のブームは最後に動作することにな
る。このことは、深い穴を掘削する作業で、常に太径の
ブームが伸長するため、伸縮ブームが穴の側面に衝突し
ても耐久力がある太径のブームが衝撃を受けることが多
く、ブームの変形を防止することができる。
【0218】また、本願の第6の発明では、第一の排圧
路と油圧発生源の間に逆止弁を介在させると共に、第一
の油圧流動ユニットと油圧発生源の間に逆止弁を介在さ
せてある。このため、油圧発生源から供給された圧力油
は、必ず第一の排圧路流入し、第一の油圧流動ユニット
から回収され、圧力油の流動方向は常に一方向に制限さ
れる。このため、圧力油は各シリンダーの圧力室側には
流入せず、伸縮ブームを誤って伸縮動させることを防止
することができる。
【0219】さらに、本願の第7の発明では、第一の排
圧路と第一の油圧流動ユニットとの間に、第一の油圧流
動ユニットから第一の排圧路への圧力油の流動を可能と
するパイロットチェック弁を介在させ、このパイロット
チェック弁のパイロット信号を第一の油圧シリンダーの
圧力路に接続している。各油圧シリンダーを作動させて
伸縮ブームを動作させると、各油圧流動ユニットの内部
が負圧になることがある。このため、パイロットチェッ
ク弁がパイロット信号により開放され、この負圧になっ
た各油圧流動ユニットに不足した圧力油を補給すること
ができる。このため、各油圧シリンダーの伸縮に連動す
る各油圧流動ユニットの引出しの抵抗が大きくなるのを
防止している。このため、各油圧流動ユニットは円滑に
伸縮することができる。
【0220】さらに、本願の第8の発明では、第一の圧
力路に油タンクに圧力油が流動するのを制限するパイロ
ットチェック弁を接続し、このパイロットチェック弁の
パイロット信号を第一の排圧路に接続してある。この構
成のため、各油圧シリンダーを縮小させるため、圧力油
を第一の排圧路に供給するとこのパイロットチェック弁
は開放し、第一の圧力路から戻ってくる圧力油はパイロ
ットチェック弁を通過して油タンクで回収される。この
ため、各油圧シリンダーからの戻りの圧力油の流れが早
くなり、伸縮ブーム全体を縮小させる動作において、各
油圧シリンダーの動作が早くなり、短時間で伸縮ブーム
を縮小させることができ、作業の効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である深掘り掘削機の外観を
示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例である深掘り掘削機に使用す
る伸縮アームの外観の全体を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施例である深掘り掘削機に使用す
る伸縮アームの内部の構成を模示的に示した説明図であ
る。
【図4】本発明の一実施例である深掘り掘削機に使用す
る伸縮アームの縦断面図であり、図6中でZーZに矢視
した断面図に対応する。
【図5】本発明の一実施例である深掘り掘削機に使用す
る伸縮アームの縦断面図であり、図6中でYーYに矢視
した断面図に対応する。
【図6】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用す
る伸縮アームの横断面図であり、図4中でXーXに矢視
した断面図に対応する。
【図7】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用す
る伸縮アームの側面に取り付けられた伸縮ユニットを構
成する部材を分離して示した分解斜視図である。
【図8】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用す
る伸縮アームの側面に取り付けられた伸縮ユニットの内
部構成を示す縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用す
る伸縮アームの側面に取り付けられた給油ユニットを構
成する部材を分離して示した分解斜視図である。
【図10】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用
する伸縮アームの側面に取り付けられた伸縮ユニットの
内部構成を示す縦断面図である。
【図11】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用
する伸縮アームの内部に収納された給油ユニットを構成
する部材を分離して示した分解斜視図である。
【図12】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用
する伸縮アームの内部に収納された伸縮ユニットの内部
構成を示す縦断面図である。
【図13】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用
する伸縮アームの内部に収納された給油ユニットを構成
する部材を分離して示した分解斜視図である。
【図14】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用
する伸縮アームの内部に収納された給油ユニットの内部
構成を示す縦断面図である。
【図15】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用
する各伸縮ユニットを図8中でaーa、図12中でcー
cで切断して圧力断面積を示した説明図である。
【図16】本発明の一実施例である深掘り掘削機で使用
する各伸縮ユニットを図8中でbーb、図12中でdー
dで切断して圧力断面積を示した説明図である。
【図17】本発明の一実施例である深掘り掘削機の内で
伸縮ブームへ圧力油を供給するための油圧系統を示す配
管図である。
【図18】本発明の一実施例である深掘り掘削機の内で
伸縮ブームへ圧力油を供給するための油圧系統を示す配
管図である。
【図19】本発明の一実施例である深掘り掘削機の内で
伸縮ブームへ圧力油を供給するための油圧系統を示す配
管図である。
【図20】本発明の一実施例である深掘り掘削機の動作
を示す説明図である。 11 車体 12 クローラー 13 作業台 14 ブーム 16 元アーム 19 中アーム 20 先アーム 23 シェルバケット 24 シェルバケット 25 油圧シリンダー 26 油圧シリンダー 27 外殻ブーム 28 伸縮ブーム 32 伸縮ユニット 33 伸縮ユニット 34 給油ユニット 35 伸縮ユニット 36 給油ユニット 41 第1のシリンダー 42 第2のシリンダー 43 第1のシリンダーロッド 44 第2のシリンダーロッド 45 第1のシリンダーパイプ 46 第2のシリンダーパイプ 47 第1の摺動パイプ 48 第2の摺動パイプ 132 インナーパイプ 133 ピストン 145 ピストン 161 油圧発生源としての油圧ポンプ 166 パイロットチェック弁 171 逆止弁 172 逆止弁 173 逆止弁 174 逆止弁 176 パイロットチェック弁 201 シリンダー筒体 202 シリンダー筒体 203 シリンダーロッド 204 シリンダーロッド 248 インナーパイプ 231 シリンダー筒体 232 摺動パイプ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と、この車体の上方に軸支されて上
    下に揺動できるブームと、このブームの先端に取り付け
    られ、外殻ブームと元ブームと中ブームと先ブームをテ
    レスコピック状に組み合わせてその長さ方向に伸縮する
    ことのできる伸縮ブームと、伸縮ブームの最先端のアー
    ムに取り付けられて土砂を掴み取ることが出来るバケッ
    トと、この伸縮ブームを伸縮動させる伸縮機構と、この
    伸縮ブームの外殻ブームの後端から先ブームの先端まで
    圧力油を流動させる給油機構とから成る深掘り掘削機に
    おいて、 この伸縮機構は、外殻ブームと元ブームの間に介在され
    た第一の油圧シリンダーと、元ブームと中ブームの間に
    介在された第二の油圧シリンダーと、中ブームと先ブー
    ムの間に介在された第三の油圧シリンダーとから構成さ
    れ、第一の油圧シリンダーより伸縮する第一のシリンダ
    ーロッドにはその先端から圧力室と連通する第一の圧力
    路と排出室と連通する第一の排圧路をそれぞれ独立して
    形成し、第二の油圧シリンダーより伸縮する第二のシリ
    ンダーロッドにはその先端から圧力室と連通する第二の
    圧力路と排出室と連通する第二の排圧路をそれぞれ独立
    して形成し、第三の油圧シリンダーより伸縮する第三の
    シリンダーロッドにはその先端から排出室と連通する第
    三の排圧路を形成し、 この給油機構は、外殻ブームと元ブームの間に介在され
    た第一の油圧流動ユニットと、元ブームと中ブームの間
    に介在された第二の油圧流動ユニットと、中ブームと先
    ブームの間に介在された第三の油圧流動ユニットとから
    構成され、各油圧流動ユニットは、両端が開口したシリ
    ンダーパイプとこのシリンダーパイプに摺動自在に挿通
    した両端が開口した摺動パイプから成り、 各シリンダーロッドの圧力路を直列に接続することによ
    り、第一、第二、第三の油圧シリンダーの圧力室を連通
    させ、各シリンダーロッドの排圧路を直列に接続し、第
    一、第二、第三の油圧流動ユニットを直列に接続し、第
    一のシリンダーロッドの第一の排出路と第一の油圧流動
    ユニットとに油圧発生源を接続し、第三のシリンダーロ
    ッドの排圧路と第三の油圧流動ユニットとに油圧駆動機
    構を接続したことを特徴とする深掘り掘削機の油圧伝達
    機構。
  2. 【請求項2】 第一の排出路と油圧発生源の間、および
    第一の油圧流動ユニットと油圧発生源の間に、圧力油の
    供給を制御する切換弁を介在させたことを特徴とする請
    求項1に記載された深掘り掘削機の油圧伝達機構。
  3. 【請求項3】 第三の排圧路と油圧駆動機構の間、およ
    び第三の油圧流動ユニットと油圧駆動機構の間に、圧力
    油の供給を制御する切換弁を介在させたことを特徴とす
    る請求項1に記載された深掘り掘削機の油圧伝達機構。
  4. 【請求項4】 第一の排出路と油圧発生源の間、および
    第一の油圧流動ユニットと油圧発生源の間に、圧力油の
    供給を制御する第一の切換弁を介在させ、第三の排圧路
    と油圧駆動機構の間、および第三の油圧流動ユニットと
    油圧駆動機構の間に、圧力油の供給を制御する第二の切
    換弁を介在させ第一と第二の切換弁を同期して作動させ
    ることを特徴とする請求項1に記載された深掘り掘削機
    の油圧伝達機構。
  5. 【請求項5】 第一の油圧シリンダーと第二の油圧シリ
    ンダーと第三の油圧シリンダーのそれぞれの圧力室の有
    効圧力断面積の間では、第一、第二、第三の油圧シリン
    ダーの圧力室の順にその断面積が小さくなるように設定
    したことを特徴とする請求項1に記載された深掘り掘削
    機の油圧伝達機構。
  6. 【請求項6】 第一のシリンダーロッドの排圧路と油圧
    発生源の間に逆止弁を介在させると共に、第一の油圧流
    動ユニットと油圧発生源の間に逆止弁を介在させ、油圧
    発生源から供給された圧力油を各油圧シリンダーを通じ
    て供給し、供給した圧力油を各油圧流動ユニットを通じ
    て第一の油圧流動ユニットから回収するように構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載された深掘り掘削機の
    油圧伝達機構。
  7. 【請求項7】 第一の油圧シリンダーロッドの排圧路と
    第一の油圧流動ユニットの間に、油圧流動ユニットから
    排圧路への圧力油の流動を可能とするパイロットチェッ
    ク弁を介在させ、このパイロットチェック弁のパイロッ
    ト信号を第一の油圧シリンダーロッドの圧力油に接続し
    たことを特徴とする請求項1に記載された深掘り掘削機
    の油圧伝達機構。
  8. 【請求項8】 第一の油圧シリンダーロッドの圧力路に
    油タンクに圧力油が流出するのを制限するパイロットチ
    ェック弁を接続し、このパイロットチェック弁のパイロ
    ット信号を第一の油圧シリンダーロッドの排圧路に接続
    したことを特徴とする請求項1に記載された深掘り掘削
    機の油圧伝達機構。
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