JP2766557B2 - 水膨潤性樹脂及び水膨潤性樹脂組成物 - Google Patents

水膨潤性樹脂及び水膨潤性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水膨潤性樹脂及び水膨潤
性樹脂組成物に関し、更に詳しくは結露防止材、シーリ
ング材料、防水材、走水防止材、保水材、吸汗性材料、
生理用品、記録基材のインキ吸収性処理剤等の材料とし
て有用な水膨潤性樹脂及び水膨潤性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、水膨潤性樹脂としては、例えば、
水溶性樹脂を架橋したもの、澱粉等に水溶性モノマーを
グラフト重合したもの、親水性樹脂と疎水性樹脂とから
なるブロック共重合体等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記水溶性樹脂
の架橋物は、架橋剤の使用量が少ないと架橋密度が低く
なり高い水膨潤性を示すが、水中に溶出する未架橋の水
溶性成分が増加する。一方、架橋剤の使用量が多いと架
橋密度が高くなり水中に溶出する量は減るが水膨潤性が
低下するという問題があり、高い水膨潤性と優れた水不
溶性、即ち水溶性成分を出来るだけ少なくすることは両
立しない。又、単独では使用困難である為、有機媒体中
に分散させて使用するが、有機媒体に対する親和性が低
い為種々の問題がある。又、澱粉等に水溶性モノマーを
グラフト重合したものは天然物を基材としている為微生
物分解性があり、吸水状態での長期安定性に欠けるとい
う欠点がある。又、前記ブロック共重合体はその性能に
優れており、又、有機媒体に対する親和性等が優れてい
るが、その製造方法に問題があり、応用分野が限定され
るという欠点がある。本発明者は、上記問題を解決する
手段として、末端にα,β−エチレン系不飽和基を有す
る疎水性重合体鎖と、(メタ)アクリル酸を主成分とす
るモノマーとの共重合体のアルカリ金属塩及び/又は親
水性アミン塩からなる水膨潤性樹脂を提案した(特願昭
63−76204号明細書参照)。上記新規水膨潤性樹
脂は種々の問題点を解決したものであるが、有機溶剤中
における分散安定性が不満足であったり、水膨潤速度が
やや不満足であるという問題が残った。
【0004】又、末端にα,β−エチレン系不飽和基を
有する疎水性重合体鎖と、(メタ)アクリル酸と、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及び/又
はポリエチレングリコールモノアルキルエーテルモノ
(メタ)アクリレートを主成分とするモノマーとの共重
合体のアルカリ金属塩及び/又は親水性アミン塩からな
る水膨潤性樹脂を提案した(特開平2−1715号明細
書参照)。上記新規水膨潤性樹脂は種々の問題点を解決
したものであり、有機溶剤中における分散安定性及び水
と接触した時の水膨潤速度に優れているが、水膨潤性が
不足であった。従って、本発明の目的は上記の如き問題
点を解決した水膨潤性樹脂及び水膨潤性樹脂組成物を提
供することである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、疎水性重合体鎖
としてのα,β−エチレン系不飽和基を末端に有する
イソブチル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリ
ル酸、そのアルカリ金属塩及び/又は親水性アミン塩よ
りなる親水性モノマーとの共重合体であって、上記疎水
性重合体鎖の数平均分子量が1,000〜50,000
であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(M
w)との比(Mw/Mn)が1.5〜6.0であり、該
疎水性重合体鎖が共重合体中において2〜60重量%を
占めることを特徴とする水膨潤性樹脂、及び該樹脂を含
む水膨潤性樹脂組成物である。
【0006】
【作用】α,β−エチレン系不飽和基を末端に有するポ
リイソブチル(メタ)アクリレート単独又はイソブチル
(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合
体であって、該共重合体中の(メタ)アクリル酸の含有
量が1〜5重量%である共重合体よりなる疎水性重合体
鎖と、(メタ)アクリル酸と、必要に応じて末端にα,
β−エチレン系不飽和基を有するポリエチレングリコー
ル及び/又はそのアルキルエーテルよりなる親水性モノ
マーとの共重合体の水溶性塩は、媒体との親和性に優
れ、高い水膨潤度、吸水安定性、水に対する不溶性、ブ
ロッキング性等の優れた性質を有し種々の用途に有用で
ある。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様により本発
明を更に詳しく説明する。本発明の水膨潤性樹脂は、末
端にα,β−エチレン系不飽和基を有するイソブチル
(メタ)アクリレートを主成分とする疎水性重合体鎖と
(メタ)アクリル酸を主成分とするモノマーとを共重合
させ、これをアルカリ金属及び/又は親水性アミンで造
塩することによって得られる。
【0008】本発明で使用するα,β−エチレン系不飽
和基を末端に有する疎水性重合体鎖とは、ポリイソブチ
ル(メタ)アクリレート単独又はイソブチル(メタ)ア
クリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体であり、
その末端に(メタ)アクリロイル基等のα,β−エチレ
ン系不飽和基を有し、該共重合体中の(メタ)アクリル
酸の含有量は1〜5重量%である。この様な疎水性重合
体鎖は、上記モノマーの重合に際して、3,3′−アゾ
ビス−3−シアノ酪酸、4,4′−アゾビス−4−シア
ノ吉草酸、4,4′−アゾビス−4−シアノ−1−ペン
タノール、2,2′−アゾビス−2−シアノ−プロパノ
ール等のアゾ化合物系、過酸化水素、コハク酸ペルオキ
シド、グルタール酸ペルオキシド等の過酸化物系等の様
な官能基を有する重合開始剤を用いて重合する方法、或
いは通常のラジカル重合開始剤と共にチオグリコール、
チオグリセリン、チオグリコール酸、チオコハク酸、チ
オプロピオン酸等の官能基を有する連鎖移動剤を用いて
重合する方法等により、重合体の末端に水酸基やカルボ
キシル基を導入し、これらの官能基を利用して、例え
ば、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、無水マ
レイン酸等を反応させることによって、その末端にα,
β−エチレン系不飽和基を導入することによって得られ
る。
【0009】この様な末端にα,β−エチレン系不飽和
基を有する疎水性重合体鎖自体は、マクロマー或いはマ
クロモノマーと云われているものであり、種々のものが
入手出来本発明において使用出来る。この様な疎水性重
合体鎖は、いずれの分子量のものでもよいが、分子量が
低すぎると得られる水膨潤性樹脂の水溶性が高くなり、
又、高すぎると水膨潤性が不十分となるので、好ましい
数平均分子量の範囲は1,000〜50,000、好ま
しくは1,500〜20,000の範囲である。又、合
成法としては前記した様にラジカル重合法である為、そ
の分子量分布は多分散系である。疎水性重合体鎖の多分
散度{重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n)}は小さすぎると架橋密度が大きくなり、水膨潤度
が小いものとなり、又、大きすぎると分子量の低いもの
の比率が増す為、水膨潤性樹脂の水溶性分が多くなるの
で、多分散度の範囲は1.5〜6.0、好ましくは1.
8〜5.0の範囲である。
【0010】上記マクロマーと共重合させるモノマー
は、(メタ)アクリル酸を主成分とするものであって、
本発明の目的を妨げない限り他の疎水性又は親水性の他
のモノマー、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルモ
ノ(メタ)アクリレート等のノニオン性モノマー、スル
ホプロピルメタクリレートカリウム塩、スチレンスルホ
ン酸ナトリウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエ
チル)アシッドホスフェート等のアニオン性モノマー等
を併用してもよい。又、マクロマーについても他のマク
ロマー、例えば、スチレン、アクリロニトリル、ブチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル、シリコーン等の単独重合体鎖又は共重合体鎖のマク
ロマーを併用してもよい。
【0011】特に重合に際しては、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート及び/又はポリエチレン
グリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレ
ート(アルキル基の炭素数は1〜12)を共重合させる
ことによって、得られる水膨潤性樹脂の液状媒体中にお
ける分散安定性が著しく向上し膨潤速度が早くなるので
好ましい。これらの安定化モノマーは得られる共重合体
の3〜40重量%、好ましくは5〜20重量%を占める
範囲の量で用いる。
【0012】又、共重合体に架橋構造を与える為に、例
えば、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、p−ジビニルベンゾー
ル、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート1モルとチオグリコール酸(又はそのソーダ塩)1
〜3モルとの付加生成物、N,N´−メチレンビスアク
リルアミド等の少量の多官能性モノマーを併用すること
も出来る。これらの多官能性モノマーは得られる共重合
体の0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%を占め
る量で用いる。
【0013】又、必要に応じて(A)−(B)−(A)
又は[(A)−(B)]n或いは{(A)−(B)}n
(nは1以上の数値を示し、Aはポリスチレン又はポリ
メチルメタクリレートであり、Bはポリブタジエン又は
ポリイソプレンである)で表される疎水性ブロック共重
合体又は疎水性グラフト共重合体を含有させることによ
って、共重合時の反応系のモノマーの分散安定化剤とし
て作用し、均一な共重合体が得られる。
【0014】マクロマーと(メタ)アクリル酸との共重
合比率は、(メタ)アクリル酸が少なすぎると得られる
共重合体の水膨潤速度が不足し、一方、多すぎると得ら
れる共重合体の水不溶性が低下するので、マクロマーは
得られる共重合体中で約2〜50重量%を占め、一方、
(メタ)アクリル酸は得られる共重合体中で約0〜9
8重量%を占める範囲の使用割合が好ましい。
【0015】共重合反応は、例えば、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン、ターペン、ナフテン、メチルエチ
ルケトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド或いはそ
れらの混合物等の如くマクロマーの良溶媒中で行うのが
好ましい。重合方法自体はラジカル重合開始剤を用いる
公知の溶液重合方法等でよく、特に限定されない。
【0016】上記で得られた水膨潤性樹脂は、そのカル
ボキシル基がフリーの型でも塩の型でもよく、その使用
目的によって決定される。カルボキシル基がフリーの型
のものは樹脂組成物を製造する途中の工程或いは最終の
工程で中和して塩の形にすることも出来るし、又、適当
なアルカリ性剤を混合しておき、吸水した際にカルボキ
シル基が中和される様にすることも出来る。
【0017】塩の型の水膨潤性樹脂について説明する
と、この様にして得られた共重合体中のカルボキシル基
を、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
又は好ましくは沸点が150℃以上の親水性アミン、例
えば、モノ、ジ又はトリエタノールアミン等により中和
することによって本発明の水膨潤性樹脂が得られる。親
水性アミンがアンモニアやメチルアミンの如く低沸点の
ものであると、これらのアンモニアやアミンが遊離して
得られる水膨潤性樹脂の水膨潤度が変化するので好まし
くない。中和量は共重合体中のカルボキシル基の50モ
ル%〜100モル%、好ましくは65〜85モル%であ
り、中和に際しアルカリを過剰に使用すると共重合体の
加水分解が生じる恐れがあるので好ましくない。中和の
方法はいずれの方法でもよいが、好ましい方法は重合溶
媒中で共重合後引続いて行うのがよく、中和された共重
合体は溶媒を選択することによっては数μm以下の微細
に均一に且つ安定に分散し、本発明の水膨潤性樹脂の分
散液が得られる。
【0018】本発明の水膨潤性樹脂は使用に際しては下
記に記す如き各種媒体と共に使用される。前述した共重
合体で得られた水膨潤性樹脂の分散液は、媒体である有
機溶剤中に微細に分散されたものである。又、本発明に
おいては前記の分散液から公知の方法で水膨潤性樹脂を
分離して固体状又は粉末状とし、他の媒体中に分散させ
ることも出来る。上記の如く使用される媒体とは、天然
若しくは合成高分子或いはこれらの高分子を含んでいて
もよい非水性液状媒体である。使用される天然高分子や
合成高分子の如き固体状媒体として好ましいものは、天
然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブ
チレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、エチレ
ン−プロピレンゴム、アクリル系重合体、ポリビニルブ
チラール樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム等であ
り、共重合体としてはランダム共重合体、グラフト共重
合体、ブロック共重合体が各々使用され、中でもテレキ
ーリック型、マルチ型、ラジアル型のブロック共重合体
が強度も優れ、好ましいものである。
【0019】又、非水性液状媒体は単独で水膨潤性樹脂
に配合したり、又は前記の固体状媒体に柔軟性、加工
性、触感等を改良する為に添加するものであり、前記の
共重合反応に際して使用される有機溶剤やその他一般的
な有機溶剤、水、可塑剤、プロセスオイル、油、流動パ
ラフィン、ワセリン等及びポリイソブテンの如く液状ポ
リマー等が好ましいものである。上記の如き固体媒体及
び液体媒体は単独で配合出来る他、有機溶剤に溶解若し
くは分散した形で使用するのも好ましい。水膨潤性樹脂
と前記した固体状、液体状媒体或いはそれらの有機溶媒
溶液〜分散液との混合の手段は、従来公知の分散機や混
合機、例えば、ロールミル、バンバリーミキサー、ニー
ダー、ディゾルバー、ボールミル、サンドミル等が好ま
しく使用出来る。
【0020】本発明の水膨潤性樹脂は、その他各種の添
加剤をその使用目的等に応じて任意に添加することが出
来る。例えば、界面活性剤、香料、各種染顔料、各種充
填剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、抗菌剤、安定剤、各種
無機塩、各種アルカリ性剤等が必要量併用される。又、
本発明の水膨潤性樹脂組成物は、各種の形態をとること
が出来、大別すれば常温で固状及び液状である。ペース
ト状若しくは液状製品としては、塗工液、コーティング
剤、処理剤及び印刷インキ等が挙げられ、特に塗工液或
は織布又は不織布等の含浸液剤として有用である。
【0021】固状の場合には粉末状、ペレット状、顆粒
状、各種成形品、繊維状、含浸処理物等であり得、更に
いわゆるマスターバッチ状でも最終製品でもよい。この
様な製品としては、吸湿性の大な繊維、合成皮革基材、
各種建築物や地下構築物の目地止水材或いは紙おしめ、
生理用品、含水保冷枕等の衛生、医療用品、光通信や電
線ケーブルの走水防止材、土壌保水材、育苗保水材、結
露防止材、湿度調節材、靴やその中敷等の吸汗・吸湿性
基材、魚類或いは果実等の保冷保存材料等の農林・水産
用品等が挙げられる。
【0022】
【効果】以上の如き本発明によれば、本発明の水膨潤性
樹脂は前記に詳述した如くその構造により優れた利点を
有する。即ち、有機溶剤中における分散安定性、媒体と
の親和性に優れ、水と接触した時の水膨潤速度及び水膨
潤性に優れ、又、塩を含んでいる水に対しての水膨潤性
も優れている。しかも、その構造中の疎水性重合体鎖の
拘束作用により実質的に水中に溶解したり又は水中に滲
み出したりすることがない。又、含水した水膨潤性樹脂
の媒体樹脂成分中での固定が疎水性重合体鎖の拘束作用
によりなされている為、従来の架橋点による水膨潤性樹
脂に比べ物理的強度に優れている。
【0023】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。以下の実施例における
疎水性重合体鎖の分子量は次の条件で測定し、標準ポリ
スチレンを利用し作成した較正曲線より数平均分子量
(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw
/Mw)を算出した。 分析法 :ゲル浸透クロマトグラフィー カラム :昭和電工社製 3本 Shodex KF−801、Shodex KF−8
02.5、Shodex KF−804 検出器 :示差屈折計 移動相 :テトラヒドロフラン 流速 :1.0ml/min. カラム圧 :45kgf/cm カラム温度:室温 試料注入量:100μl
【0024】実施例1 末端にα,β−エチレン系不飽和基としてメタクリロイ
ル基を有する数平均分子量約6,000、数平均分子
量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/M
n)が3.0の重合性ポリイソブチルメタクリレート疎
水性重合体鎖10.9部、アクリル酸13.1部、アク
リル酸ソーダ68.7部、ポリエチレングリコールモノ
メタクリレート(PEG分子量約300)7.3部を、
シクロヘキサン/トルエン/メチルエチルケトン/メタ
ノール/水の重量比が38.9/11.1/5.6/3
5.5/8.9である混合溶媒に溶解し、0.36部の
α,α´−アゾビスイソブチロニトリルを使用し、重合
容器中で50〜70℃で6時間重合させ、固形分28.
7%の水膨潤性樹脂微分散液を得た。この樹脂の水膨潤
度は約140倍であった。上記水膨潤性樹脂分散液は安
定性及び膨潤時の耐久性に優れており、ゴム状物質と混
合して塗布する塗料型として有用であり、保水材、シー
リング材、結露防止用として有用である。
【0025】実施例2 末端にα,β−エチレン系不飽和基としてメタクリロイ
ル基を有する数分子量約5,400、数平均分子量(M
n)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が
3.0のイソブチルメタクリレート97%とアクリル酸
3%よりなる共重合体の重合性疎水性重合体鎖を用いて
実施例1と同様に共重合を行い水膨潤性樹脂微分散液を
得た。この樹脂の水膨潤度は約135倍であった。得ら
れた水膨潤性樹脂分散液を固形分40%まで濃縮し、ポ
リウレタンエラストマー(ポリエーテル型、粘度約20
0cps/25℃、固形分25%)とを固形分重量比で
85:15に混合して本発明の水膨潤性樹脂組成物とし
た。この液を目付量約70g/m(厚さ約200μ
m)のポリエステル製不織布に固形分で60g/m
割合で塗布及び乾燥したものは、約2000g/m
吸収能力を有し、又、吸水時の強度低下もなく結露防止
性シートとして有用であった。
【0026】実施例3 (ポリスチレン)−(ポリブタジエン)−(ポリスチレ
ン)型ブロック共重合体(分子量約20万、ポリスチレ
ン分30%)0.3部を実施例1の重合液に加え同様に
共重合を行い、固形分28.8%の水膨潤性樹脂微分散
液を得た。この樹脂の水膨潤度は約88倍であった。上
記分散液を固形分50%まで濃縮し、不織布に塗布し乾
燥させたものは光通信用ケーブルの止水材として有用で
あった。
【0027】実施例4 (ポリスチレン)−(ポリブタジエン)−(ポリスチレ
ン)型ブロック共重合体(分子量約20万、ポリスチレ
ン分30%)0.3部を実施例2の重合液に加えて同様
に共重合を行い、固形分28.8%の水膨潤性樹脂微分
散液を得た。この樹脂の水膨潤度は約102倍であっ
た。上記分散液にアクリルゴムを加えてなる水膨潤性樹
脂塗料を帆布にコーティングし乾燥したものは防水性及
び通気性に優れたものであった。
【0028】実施例5 末端にα,β−エチレン系不飽和基としてメタクリロイ
ル基を有する数分子量約6,000、数平均分子量(M
n)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が
3.0の重合性イソブチルメタクリレート97%とアク
リル酸3%よりなる共重合体の重合性疎水性重合体鎖3
3.3部及びアクリル酸66.7部を、シクロヘキサン
/トルエン/メチルエチルケトンの比が163.3/4
7.7/23.3である混合溶媒に溶解し、0.43部
のα,α´−アゾビスイソブチロニトリルを使用し、重
合容器中で50〜70℃で6時間重合させた後、苛性ソ
ーダでアクリル酸の80モル%を中和し水膨潤性樹脂微
分散液を得た。この樹脂の水膨潤度は約101倍であっ
た。上記水膨潤性樹脂分散液を不織布に含浸させたもの
は結露防止材として有用である。
【0029】実施例6 末端にα,β−エチレン系不飽和基としてメタクリロイ
ル基を有する数平均分子量約5,400、数平均分子量
(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)
が3.0の重合性イソブチルメタクリレート97%とア
クリル酸3%よりなる共重合体の重合性疎水性重合体鎖
7.3部、末端にα,β−エチレン系不飽和基としてメ
タクリロイル基を有する数平均分子量約5,500、数
平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(M
w/Mn)が3.0の重合性ポリスチレン1.8部、ア
クリル酸81.8部、ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(PEG分子量約170)9.1部を、シク
ロヘキサン/トルエン/メチルエチルケトンの比が25
4.6/72.7/36.4である混合溶媒に溶解し、
0.2部のα,α´−アゾビスイソブチロニトリルを使
用し、重合容器中で50〜70℃で6時間重合させた
後、苛性ソーダでアクリル酸の80モル%を中和し水膨
潤性樹脂微分散液を得た。この樹脂の水膨潤度は約12
8倍であった。上記水膨潤性樹脂の粉砕物をクロロプレ
ンゴムと混練したものはシーリング材の止水材として有
用である。
【0030】比較例1 末端にα,β−エチレン系不飽和基としてメタクリロイ
ル基を有する数平均分子量約9,300、数平均分子量
(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)
が2.0の重合性ポリブチルメタクリレート10.9
部、アクリル酸13.1部、アクリル酸ソーダ68.6
部、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(PE
G分子量約300)7.3部を、(ポリスチレン)−
(ポリブタジエン)−(ポリスチレン)型ブロック共重
合体(分子量約20万、ポリスチレン分30%)0.3
部をシクロヘキサン/トルエン/メチルエチルケトン/
メタノール/水の比が38.9/11.1/5.6/3
5.5/8.9である混合溶媒に溶解し、0.43部の
α,α´−アゾビスイソブチロニトリルを使用し、重合
容器中で50〜70℃で6時間重合させ、固形分28.
8%の水膨潤性樹脂微分散液を得た。この樹脂の水膨潤
度は約91倍であった。
【0031】比較例2 末端にα,β−エチレン系不飽和基としてメタクリロイ
ル基を有する数平均分子量約5,500、数平均分子量
(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)
が3.0の重合性ポリスチレン10.9部、アクリル酸
78.3部、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト(PEG分子量約300)8.7部を、シクロヘキサ
ン/トルエン/メチルエチルケトンの比が182.6/
52.5/26.1である混合溶媒に溶解し、0.35
部のα,α´−アゾビスイソブチロニトリルを使用し、
重合容器中で50〜70℃で6時間重合させた後、苛性
ソーダでアクリル酸の80モル%を中和して水膨潤性樹
脂微分散液を得た。この樹脂の水膨潤度は約55倍であ
った。
【0032】上記実施例及び比較例により得られた水膨
潤性樹脂を50℃にて乾燥し、下記の評価方法で試験し
た結果を表1に示す。水不溶性 :水膨潤性樹脂を蒸留水に浸漬し24時間後に
濾紙(2種)を通過する水可溶分があるか否かで判断し
た。 ○:濾紙通過成分なし △:一部濾紙を通過する ×:濾紙を通過する水膨潤度 :水膨潤性樹脂を蒸留水に浸漬し24時間後に
濾紙(2種)に保留された吸水分の重量と水に浸潰する
前の重量の比で表した。 比較例においては水膨潤性がやや不足していたり、水膨
潤性が優れている場合は水不溶性が不満足であった。一
方、本発明の水膨潤性樹脂はいずれも高い水膨潤性の両
方の特性を兼ね備えた水膨潤性樹脂が得られた。
【0033】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 1/682 E04B 1/68 L (72)発明者 滝沢 稔 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 堀口 正二郎 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 290/00 C08L 33/02 C08L 33/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性重合体鎖としてのα,β−エチレ
    ン系不飽和基を末端に有するポリイソブチル(メタ)ア
    クリレートと、(メタ)アクリル酸、そのアルカリ金属
    塩及び/又は親水性アミン塩よりなる親水性モノマーと
    の共重合体であって、上記疎水性重合体鎖の数平均分子
    量が1,000〜50,000であり、数平均分子量
    (Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/M
    n)が1.5〜6.0であり、該疎水性重合体鎖が共重
    合体中において2〜60重量%を占めることを特徴とす
    る水膨潤性樹脂。
  2. 【請求項2】 共重合体が、親水性モノマーとしてα,
    β−エチレン系不飽和基を末端に有するポリエチレング
    リコール及び/又はそのアルキルエーテルを更に含む請
    求項1に記載の水膨潤性樹脂。
  3. 【請求項3】 疎水性重合体鎖が、該疎水性重合体鎖中
    に、その1〜5重量%のアクリル酸を含む請求項1又は
    に記載の水膨潤性樹脂。
  4. 【請求項4】 (メタ)アクリル酸、そのアルカリ金属
    塩及び/又は親水性アミン塩が共重合体中において50
    〜98重量%を占める請求項1又は2に記載の水膨潤性
    樹脂。
  5. 【請求項5】 親水性アミンが150℃以上の沸点を有
    するアミンである請求項1又は2に記載の水膨潤性樹
    脂。
  6. 【請求項6】 共重合体が該共重合体の0.5〜5重量
    %を占める多官能性モノマー単位を含んでいる請求項1
    又は2に記載の水膨潤性樹脂。
  7. 【請求項7】 共重合体が該共重合体の3〜40重量%
    を占めるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
    ート単位及び/又はポリエチレングリコールモノアルキ
    ルエーテルモノ(メタ)アクリレート単位を含んでいる
    請求項1又は2に記載の水膨潤性樹脂。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2に記載の水膨潤性樹脂と
    媒体からなり、該媒体が可塑剤、溶剤、樹脂又は樹脂溶
    液であることを特徴とする水膨潤性樹脂組成物。
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