JP2766464B2 - 耐酸性多孔質アルミナ焼結体及びその製造方法 - Google Patents

耐酸性多孔質アルミナ焼結体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐酸性の多孔質アルミ
ナ焼結体及びその製造方法に関し、特にセラミックフイ
ルタ−等の使用に好適な耐酸性多孔質アルミナ焼結体及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビ−ル、日本酒、ワイン等の飲料品、食
品、医薬品などの製造工程において、原料被濾過液(以
下、単に“濾液”という)中に含まれている酵母菌、微
細なタンパク質、コロイド状物質等を除去する手段とし
て、セラミックフイルタ−を用いて濾液の濾過を行う方
法が知られている。
【0003】上記セラミックフイルタ−としては、一般
に、セラミックエレメントに珪藻土、パ−ライト、セル
ロ−ス、活性炭等の濾過助剤をプリコ−トしたものが用
いられている。そして、この形成されたプリコ−ト層に
よって濾過を行い、濾液中に含まれている酵母菌、有機
物質等がプリコ−ト層に補促させるものである。
【0004】この種のセラミックフイルタ−は、飲料
品、食品、医薬品などの分野で使用するものであるか
ら、衛生上の見地から定期的に殺菌せざるを得ない。こ
の殺菌の手段としては、最も簡便で確実な方法として12
0〜130℃のスチ−ムによる殺菌法が一般に採用されてい
る。
【0005】また、この種のセラミックエレメントとし
ては、Al2O3を主成分とするものなどが利用されてい
る。例えば、特開平5−309220号公報には「Al2O3の含有
量が70〜100重量%からなる外径100〜150mm、長さ150〜
1000mmの円筒形セラミックフイルタ−エレメントにおい
て、30〜50%の気孔率と10〜50μmの平均気孔径を有
し、肉厚が5〜17mmの範囲内にあることを特徴とするプ
リコ−ト濾過用円筒形セラミックフイルタ−エレメン
ト」が開示されている。
【0006】また、セラミックフイルタ−の製造方法と
して、特開平4−325473号公報には「アルミナ粉末100重
量部に対し、成形焼結助剤として水ガラスを0.5〜50重
量部加え、これをアルミナ粒表面にコ−ティングし、水
分量を全体の0.1〜15重量%とし、該粉末を乾式成形し
た後焼結することを特徴とする高強度多孔質アルミナ焼
結体の製造方法」について記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Al2O3を主
成分とする上述のような多孔質セラミックは、一般に耐
酸性に問題があり、このセラミックを用いたフイルタ−
では、特に濾液が酸性の場合、強度劣化が著しいという
欠点があった。また、この種のセラミックフイルタ−
は、耐酸性に問題があることから、フイルタ−の目詰ま
り等を解消するために通常実施されている“酸による洗
浄処理”が行い難いという問題があった。
【0008】本発明は、上記欠点、問題点に鑑み成され
たものであって、その目的とするところは、耐酸性を向
上させ、強度劣下を抑制した多孔質アルミナ焼結体及び
その製造方法を提供することにある。また、本発明の別
の目的は、気孔率や気孔径分布をコントロ−ルし、乾式
成形後焼成してなる薄肉形状の耐酸性多孔質アルミナ焼
結体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐酸性多孔
質アルミナ焼結体は、アルミナ粉末100重量部に対して
粘土鉱物0.5〜15重量部、水ガラス0.25〜25重量部、シ
リカゾル0.25〜25重量部を混練し、乾式成形後焼成して
なることを特徴としている(請求項1)。
【0010】また、本発明に係る耐酸性多孔質アルミナ
焼結体の製造方法は、粘土鉱物0.5〜15重量部、水ガラ
ス0.25〜25重量部、シリカゾル0.25〜25重量部(いずれ
もアルミナ粉末100重量部に対する重量部)を混合して水
ガラス組成物を調製し、該水ガラス組成物をアルミナ粉
100重量部の表面にコ−ティングし、該コ−ティング粉
末を所望形状の型中に充填して乾式成形した後、焼成す
ることを特徴としている(請求項3)。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いるアルミナ粉末としては、その粒度について
は、本発明で意図する多孔質アルミナ焼結体の気孔率、
気孔径が所望値になるように粒度調整する必要がある
が、通常70〜120μm程度が適当である。
【0012】また、粘土鉱物としては、水ヒ粘土,カオ
リン,パイロフィライト,ベントナイトなどを使用する
ことができ、その添加量は、アルミナ粉末100重量部に
対して0.5〜15重量部であり、より好ましくは1〜10重量
部である。粘土鉱物が0.5重量部未満では、焼結体の耐
酸化性及び焼結強度が劣るので好ましくなく、逆に、15
重量部を超えると、焼結体の気孔率が低下し、また、気
孔径も小さくなり易く、所望の多孔質アルミナ焼結体が
得られ難いので好ましくない。
【0013】本発明で使用する水ガラスは、原料混練中
に空気中の炭酸ガスによりゲル化して混練物に対する強
粘着化に寄与し、乾式成形性及び生角の保形性を発現さ
せるために配合するものであり、水ガラス1号、2号、
3号などが使用できる。その添加量は、0.25〜25重量部
が好ましく、より好ましくは1〜15重量部である。0.25
重量部未満では、乾式成形性及び生角の保形性が得られ
ず、一方、25重量部を超えると、焼結体の耐酸化性が劣
るので好ましくない。
【0014】シリカゾルとしては、例えば、粒径3〜7μ
mのコロイダルシリカであって、SiO2として15〜20重量
%含有し、SiO2/M2O(但し、MはK又はNa)のモル比が30
〜100、塩酸度が300〜3000ppm、pHが8.5〜10.0、粘度が
20cp以下のものが好ましい。なお、このようなコロイダ
ルシリカについては、例えば特公平4−55127号公報に記
載の方法で得ることができる。シリカゾルの添加量とし
ては、0.25〜25重量部が好ましく、より好ましくは1〜1
0重量部である。0.25重量部未満では、耐酸性に劣り、
また、25重量部を超えると、乾式成形性及び生角の保形
性が劣るので好ましくない。
【0015】本発明において、粘土鉱物,水ガラス,シ
リカゾルより生成されるガラスボンドは、そのSiO2/Na
2O重量比が4.0〜20であるのが好ましい。この比が4.0未
満では、耐酸性に劣り、また、20を超えると、焼結強度
が低下するので、いずれも好ましくない。
【0016】次に、本発明に係る耐酸性多孔質アルミナ
焼結体の製造法について説明すると、まず、前記した所
定量の粘土鉱物,水ガラス,シリカゾルを混合して水ガ
ラス組成物を調製し、この水ガラス組成物を所定量のア
ルミナ粉の表面にコ−ティングする。次に、このコ−テ
ング粉末を所望の型中に振動充填して成形した後、1200
〜1500℃で焼成して耐酸性多孔質アルミナ焼結体を製造
する。
【0017】本発明に係る耐酸性多孔質アルミナ焼結体
の形状については、特に限定するものではないが、セラ
ミックフイルタ−等に使用するため、薄肉中空円筒形状
が好ましい。このため、成形型としては、中子を有する
肉薄円筒形状の型の使用が好ましい。
【0018】
【作用】本発明は、前記した所定量のアルミナ粉末,粘
土鉱物,水ガラス,シリカゾルを配合することを特徴と
し、これにより薄肉形状構造成形体を乾式成形で均質に
成形することができ、また、生角の保形性が得られ、ハ
ンドリング等が容易であるという作用効果が生じる。ま
た、上記薄肉形状構造成形体を1200〜1500℃で焼成する
ことによって、気孔率が30〜50%で気孔径が10〜50μm
であり、かつ、耐酸性に優れた多孔質焼結体が得られる
作用効果が生じる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に
のみ限定されるものではない。
【0020】(実施例1)水ガラス(2号、ボ−メ度:4
8)8部及びシリカゾル(日産化学社製の“PC−500”)2
部にパイロフィライト5部を加え、10分間混合してパイ
ロフィライトが均一に分散された水ガラスを作製した。
電融アルミナ粉末(75〜100μm、平均粒径100μm)100
部に上記水ガラスを加え、混練機中で3時間混練して、
水ガラスをアルミナ粉末の表面にコ−ティングした。
【0021】得られたコ−ティング粉末は、その保有水
分量が2.4重量%であり、コ−ティング前のアルミナ粉
末と同程度の流動性を有していた。この粉末を500μm
の篩に通した後、さらに1時間混練を行って水分量を1.
3重量%に調製した。
【0022】このコ−ティング粉末を外径130mm、高さ5
00mmで中心に90mmの中子を有する肉薄円筒形状の型の中
に振動充填した。なお、コ−ティング粉末の流動性が良
いため、幅20mm、高さ500mmの型の中に容易に充填され
た。この充填体に対し、500kg/cm2の圧力でCIP処理
を行った。得られた成形体の珪素・ソ−ダ比は6.7であ
り、外径120mm、内径90mm、高さ500mmで充分な保形強
度、ハンドリング強度を有するものであり、成形体の中
心を片手で持ち、運搬することが可能であった。
【0023】この成形体を大気炉中で1400℃、6時間焼
成した。得られた焼結体の気孔率は38%、平均気孔径27
μm、3点曲げ強さは538kg/cm2であった。また、耐酸
試験後の3点曲げ強さは510kg/cm2、重量減少率は0.13
%であった。
【0024】なお、3点曲げ強さ試験は、焼結体から8
×8×40mmの試験片を切り出し、スパン30mm、クロスヘ
ッド速度0.5mm/minの条件で3点曲げ強さを測定したも
のである。また、耐酸試験は、試料を20%濃度の塩酸に
室温で120時間浸漬した後、洗浄、乾燥したものであ
る。一方、重量減少率は、耐酸試験後の重量減少量を耐
酸試験前の重量で割った値に100を掛けた値である。
【0025】(実施例2)水ガラス(2号、ボ−メ度:4
8)10部及びシリカゾル(日産化学社製の“PC−500”)2
部にパイロフィライト2部を加え、10分間混合してパイ
ロフィライトが均一に分散された水ガラスを作製した。
電融アルミナ粉末(75〜100μm、平均粒径100μm)100
部に上記水ガラスを加え、混練機中で3時間混練して、
水ガラスをアルミナ粉末の表面にコ−ティングした。
【0026】得られたこのコ−ティング粉末は、その保
有水分量は3.1重量%であり、コ−ティング前のアルミ
ナ粉末と同程度の流動性を有していた。この粉末を500
μmの篩に通した後、さらに1時間混練を行って水分量
を1.7重量%に調製した。
【0027】このコ−ティング粉末を外径130mm、高さ5
00mmで中心に90mmの中子を有する肉薄円筒形状の型の中
に振動充填した。なお、コ−ティング粉末の流動性が良
いため、幅20mm、高さ500mmの型の中に容易に充填され
た。この充填体に対し、500kg/cm2の圧力でCIP処理
を行った。得られた成形体の珪素・ソ−ダ比は4.1であ
り、外径120mm、内径90mm、高さ500mmで充分な保形強
度、ハンドリング強度を有するものであり、成形体の中
心を片手で持ち、運搬することが可能であった。
【0028】この成形体を大気炉中で1400℃、6時間焼
成した。得られた焼結体の気孔率は39%、平均気孔径29
μm、3点曲げ強さは522kg/cm2であった。また、耐酸
試験後の3点曲げ強さは380kg/cm2、重量減少率は0.27
%であった。なお、3点曲げ強さ試験、耐酸試験、耐酸
試験後の重量減少率は、前記実施例1における試験方法
と同一である。
【0029】(実施例3)水ガラス(2号、ボ−メ度:4
8)3部及びシリカゾル(日産化学社製の“PC−500”)7
部にパイロフィライト2.5部を加え、10分間混合してパ
イロフィライトが均一に分散された水ガラスを作製し
た。電融アルミナ粉末(75〜100μm、平均粒径100μm)
100部に上記水ガラスを加え、混練機中で3時間混練し
て、水ガラスをアルミナ粉末の表面にコ−ティングし
た。
【0030】得られたコ−ティング粉末は、その保有水
分量が2.0重量%であり、コ−ティング前のアルミナ粉
末と同程度の流動性を有していた。この粉末を500μm
の篩に通した後、さらに1時間混練を行って水分量を1.
1重量%に調製した。
【0031】このコ−ティング粉末を外径130mm、高さ5
00mmで中心に90mmの中子を有する肉薄円筒形状の型の中
に振動充填した。なお、コ−ティング粉末の流動性が良
いため、幅20mm、高さ500mmの型の中に容易に充填され
た。この充填体に対し、500kg/cm2の圧力でCIP処理
を行った。得られた成形体の珪素・ソ−ダ比は11.6であ
り、外径120mm、内径90mm、高さ500mmで充分な保形強
度、ハンドリング強度を有するものであり、成形体の中
心を片手で持ち、運搬することが可能であった。
【0032】この成形体を大気炉中で1400℃、6時間焼
成した。得られた焼結体の気孔率は38%、平均気孔径27
μm、3点曲げ強さは545kg/cm2であった。また、耐酸
試験後の3点曲げ強さは537kg/cm2、重量減少率は0.09
%であった。なお、3点曲げ強さ試験、耐酸試験、耐酸
試験後の重量減少率は、前記実施例1における試験方法
と同一である。
【0033】(比較例1)水ガラス(2号、ボ−メ度:4
8)10部にパイロフィライト2部を加え、10分間混合して
パイロフィライトが均一に分散された水ガラスを作製し
た。電融アルミナ粉末(75〜100μm、平均粒径100μm)
100部に上記水ガラスを加え、混練機中で3時間混練し
て、水ガラスをアルミナ粉末の表面にコ−ティングし
た。
【0034】得られたコ−ティング粉末は、その保有水
分量が2.4重量%であり、コ−ティング前のアルミナ粉
末と同程度の流動性を有していた。この粉末を500μm
の篩に通した後、さらに1時間混練を行って水分量を1.
3重量%に調製した。
【0035】このコ−ティング粉末を外径130mm、高さ5
00mmで中心に90mmの中子を有する肉薄円筒形状の型の中
に振動充填した。なお、コ−ティング粉末の流動性が良
いため、幅20mm、高さ500mmの型の中に容易に充填され
た。この充填体に対し、500kg/cm2の圧力でCIP処理
を行った。得られた成形体の珪素・ソ−ダ比は3.7であ
り、外径120mm、内径90mm、高さ500mmで充分な保形強
度、ハンドリング強度を有するものであり、成形体の中
心を片手で持ち、運搬することが可能であった。
【0036】この成形体を大気炉中で1400℃、6時間焼
成した。得られた焼結体の気孔率は38%、平均気孔径27
μm、3点曲げ強さは588kg/cm2であった。また、耐酸
試験後の3点曲げ強さは224kg/cm2、重量減少率は0.82
%であった。なお、3点曲げ強さ試験、耐酸試験、耐酸
試験後の重量減少率は、前記実施例1における試験方法
と同一である。
【0037】比較例1では、耐酸試験後の3点曲げ強さ
が“224kg/cm2”であり、これは、塩酸溶液下で強度低
下を起こしたことが明らかである。従って、比較例1で
は、セラミックフィルタ−として長寿命とならず、頻繁
に交換しなくてはならないものであった。
【0038】(比較例2)シリカゾル(日産化学社製の
“PC−500”)10部にパイロフィライト5部を加え、10分
間混合してパイロフィライトが均一に分散された水ガラ
スを作製した。電融アルミナ粉末(75〜100μm、平均粒
径100μm)100部に上記水ガラスを加え、混練機中で3
時間混練して、水ガラスをアルミナ粉末の表面にコ−テ
ィングした。
【0039】得られたコ−テング粉末は、その保有水分
量が1.4重量%であり、コ−ティング前のアルミナ粉末
と同程度の流動性を有していた。この粉末を500μmの
篩に通した後、さらに20分間混練を行って水分量を1.3
重量%に調製した。
【0040】このコ−ティング粉末を外径130mm、高さ5
00mmで中心に90mmの中子を有する肉薄円筒形状の型の中
に振動充填した。なお、コ−ティング粉末の流動性が良
いため、幅20mm、高さ500mmの型の中に容易に充填され
た。この充填体に対し、500kg/cm2の圧力でCIP処理
を行った。得られた成形体の珪素・ソ−ダ比は1180であ
り、保形強度が全くなく、型から取りだしたときにくず
れが生じた。
【0041】(比較例3)水ガラス(2号、ボ−メ度:4
8)1部及びシリカゾル(日産化学社製の“PC−500”)9
部にパイロフィライト1.5部を加え、10分間混合してパ
イロフィライトが均一に分散された水ガラスを作製し
た。電融アルミナ粉末(75〜100μm、平均粒径100μm)
100部に上記水ガラスを加え、混練機中で3時間混練し
て、水ガラスをアルミナ粉末の表面にコ−ティングし
た。
【0042】このコ−ティング粉末は、その保有水分量
が1.3重量%であり、コ−ティング前のアルミナ粉末と
同程度の流動性を有していた。この粉末を500μmの篩
に通した後、さらに20分間混練を行って水分量を1.0重
量%に調製した。
【0043】このコ−ティング粉末を外径130mm、高さ5
00mmで中心に90mmの中子を有する肉薄円筒形状の型の中
に振動充填した。なお、コ−ティング粉末の流動性が良
いため、幅20mm、高さ500mmの型の中に容易に充填され
た。この充填体に対し、500kg/cm2の圧力でCIP処理
を行った。得られた成形体の珪素・ソ−ダ比は26であ
り、保形強度が十分ではなく、型から取出したときに成
形体の外面や端面の欠けとくずれが生じた。また、運搬
する時にも更にくずれが生じた。
【0044】(比較例4)水ガラス(2号、ボ−メ度:4
8)8部及びりん酸アルミ系バインダ−2部にパイロフィ
ライト5部を加え、10分間混合してパイロフィライトが
均一に分散された水ガラスを作製した。電融アルミナ粉
末(75〜100μm、平均粒径100μm)100部に上記水ガラ
スを加え、混練機中で3時間混練して、水ガラスをアル
ミナ粉の表面にコ−ティングした。
【0045】得られたコ−ティング粉末は、その保有水
分量が2.5重量%であった。この粉末は、乾いてはいる
が、砂状であり、流動性を有していなかった。このコ−
ティング粉末を外径130mm、高さ500mmで中心に90mmの中
子を有する肉薄円筒形状の型の中に振動充填した。
【0046】しかし、この比較例4では、粉末の流動性
に欠けるため、幅20mm、高さ500mmの型の中に容易に充
填することはできなかった。この充填体に対し、500kg
/cm2の圧力でCIP処理を行った。得られた成形体の
珪素・ソ−ダ比は6.4であり、不均一充填に起因する密
度不均一により、割れが入っていた。
【0047】ここで、前記実施例1〜3、比較例1〜4
における原料配合、焼結体の性質などをまとめて表1に
示す。
【0048】
【表1】
【0049】上記表1から、アルミナ粉末に本発明で規
定する所定量の粘土鉱物(パイロフィライト),水ガラ
ス,シリカゾルを混練し、乾式成形後焼成して得られた
実施例1〜3の多孔質アルミナ焼結体は、耐酸性に極め
て優れた焼結体であることが理解できる。これに対し
て、本発明で規定する水ガラスやシリカゾルを欠く比較
例、例えばシリカゾルを欠く比較例1では、耐酸試験後
の3点曲げ強度が極端に低下し、耐酸性に劣るものであ
った。
【0050】また、アルミナ粉末に本発明で規定する所
定量の粘土鉱物(パイロフィライト),水ガラス,シリカ
ゾルを混練して得られたコ−ティング粉末は、流動性が
極めて良好であり、さらに、このコ−ティング粉末を乾
式成形した成形体は、高い保形強度を有していることが
理解できる(実施例1〜3参照)。これに対して、本発明
で規定する水ガラスやシリカゾルを欠く比較例2〜4で
は、表1から明らかなように、特に乾式成形した成形体
の保形強度が低いものであった。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、アルミ
ナ粉末100重量部に対して粘土鉱物0.5〜15重量部、水ガ
ラス0.25〜25重量部、シリカゾル0.25〜25重量部を混練
し、乾式成形後焼成してなる耐酸性多孔質アルミナ焼結
体及びその製造方法であり、これにより、耐酸性に優れ
た、気孔率が30〜50%で気孔径が10〜50μmの多孔質焼
結体が得られる効果が生じる。また、本発明によれば、
セラミックフイルタ−等に好適な薄肉中空円筒状構造の
成形体を乾式成形で、容易に且つ均質に成形することが
でき、しかも生角の保形性が得られ、ハンドリング等が
容易であるという効果が生じる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ粉末100重量部に対して粘土鉱
    物0.5〜15重量部、水ガラス0.25〜25重量部、シリカゾ
    ル0.25〜25重量部を混練し、乾式成形後焼成してなるこ
    とを特徴とする耐酸性多孔質アルミナ焼結体。
  2. 【請求項2】 前記粘土鉱物、前記水ガラス、前記シリ
    カゾルより生成されるガラスボンドは、そのSiO2/Na2O
    重量比が4.0〜20であることを特徴とする請求項1記載
    の耐酸性多孔質アルミナ焼結体。
  3. 【請求項3】 粘土鉱物0.5〜15重量部、水ガラス0.25
    〜25重量部、シリカゾル0.25〜25重量部(いずれもアル
    ミナ粉末100重量部に対する重量部)を混合して水ガラス
    組成物を調製し、該水ガラス組成物をアルミナ粉100重
    量部の表面にコ−ティングし、該コ−ティング粉末を所
    望形状の型中に充填して乾式成形した後、焼成すること
    を特徴とする耐酸性多孔質アルミナ焼結体の製造方法。
JP7180713A 1995-06-23 1995-06-23 耐酸性多孔質アルミナ焼結体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2766464B2 (ja)

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