JP2765503B2 - ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスク装置に係り、
とくに記録媒体を収納したディスクカートリッジを装置
本体の開口部から挿入して記録／再生を行うディスク装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ディスク装置においては、高密度記録媒
体としてのディスクを保護して記録情報の読み取り等の
精度を維持する観点から、ディスクをディスクカートリ
ッジ或いはディスクトレイ内に収納して装置への入れ出
しを行っており、この入れ出しは装置の外装パネルに形
成された開口部（ディスクカートリッジ挿入口）を介し
てなされている。

【０００３】このディスクカートリッジ用の挿入口は、
これを常時開口したままにすると装置外観の見劣りにも
なるばかりでなく、塵埃の進入という不都合を招くこと
から、かかる不都合を排除するため、従来より、挿入時
のみ開口する開閉機構が付設されている。

【０００４】この種の開閉機構は、一般に挿入口におけ
る装置の内側方向に閉塞面積を有するシャッタを回動可
能に設け、当該シャッタを常時閉塞方向にばね部材で付
勢する構成となっている。そして、ディスクカートリッ
ジを挿入口に臨ませて装置内へ押し込むと、該押込み力
でシャッタが回動し、ディスクカートリッジの装置内へ
の移動が許容されるようになっている。

【０００５】しかしながら、このような機構では、ディ
スクカートリッジの排出動作に支障を来さないように、
ディスクのロード中はシャッタがディスクカートリッジ
の上下面のいずれかに当接した構成となるため、挿入口
が完全に閉められていない状態が生じる。

【０００６】このため、挿入口からの塵埃の侵入による
誤動作、装置内の機器の劣化等が問題となっているが、
これを解消すべく、例えば特開昭６４−１３２８３号公
報には、ディスクカートリッジが装置内へ挿入された後
に装置内に装備されたレバーで第３のドアを押し上げて
挿入口を完全に閉塞する機構が提案されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の開
閉機構は、いわば挿入口を設けたが故に生じた副次的弊
害を除去するための付設的存在に過ぎないから、その構
成はできるだけ簡易で且つその占有スペースが小さいこ
とが、装置の長寿命化並びに小型化の観点から望まし
い。

【０００８】しかしながら、上記の特開昭６４−１３２
８３号公報記載のものは、第３のドアやこれに対するレ
バー駆動構成等が存在し、従ってその構成が複雑で占有
スペースも必然的に大きくなる等の不都合が生じてい
る。また、他の従来技術においても、レバー駆動構成に
代えてリンク駆動構成を採用するなど、その複雑な構成
および装置の大型化については本質的には何らの改善も
なされていない。

【０００９】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、ディスクカートリッジの装置内への挿脱が自
在で且つ塵埃侵入等の不都合を解消し得ると共に、装置
全体の小型化を可能としたディスク装置を提供すること
を、その目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明で
は、記録媒体を収納したディスクカートリッジを装置本
体の開口部から挿入して記録／再生を行うディスク装置
において、装置本体の開口部に、該開口部を閉塞する面
積を有し且つ当該開口部の内側及び外側の各方向に向け
て回動自在に一端部が装備されたシャッタプレートと、
このシャッタプレートに係合され該シャッタプレートを
閉塞位置への元位置復帰力を常時付勢する弾性部材とを
装備し、シャッタプレートを、開口部中央で先端部が相
互に当接する二枚のシャッタプレートにより構成すると
共に、各シャッタプレートの基端部を開口部端縁に回転
自在に連結し、弾性部材を引っ張りバネで構成すると共
に、この弾性部材を各シャッタプレートの自由端側に形
成された係止部と、相手方の回動軸との間に張設する、
という構成を採っている。

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【００１４】これによって前述した目的を達成しようと
するものである。

【００１５】

【作用】例えば、ディスクカートリッジが開口部に臨ま
されて装置の内側方向へ押し込まれると、ディスクカー
トリッジの先端がシャッタプレートに当接し、シャッタ
プレートは弾性部材の付勢力に抗して押込み力で閉塞位
置から装置内方へ回動する。ディスクカートリッジが装
置内へ入り込んでシャッタプレートとの当接が外れる
と、シャッタプレートは弾性部材の付勢力で逆回動し、
閉塞位置に戻る。

【００１６】アンロード時、装置内の駆動源によるディ
スクカートリッジの排出動作がなされると、シャッタプ
レートはディスクカートリッジで装置の外側方向へ押さ
れて回動し、ディスクカートリッジとの当接が外れた
後、前述した弾性部材の付勢力で閉塞位置に戻る。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図３に基
づいて説明する。

【００１８】ディスク装置の装置本体２には、ディスク
カートリッジ４を挿脱するための開口部である挿入口６
が形成されており、この挿入口６にはその奥行スペース
の範囲内をもって開閉機構８が設置されている。

【００１９】開閉機構８は、挿入口６を閉塞する面積を
有するシャッタプレート１０と、このシャッタプレート
１０を常時閉塞位置Ｐに位置するように付勢する弾性部
材としてのバネ１２とから構成されている。シャッタプ
レート１０は、その一端側が挿入口６の上端部に回動軸
１４をもって装置の内外方向（矢印方向）へ回動可能に
支持されており、バネ１２は、シャッタプレート１０の
適正位置における係止部１６と、挿入口６の下端との間
に張設されている。また、シャッタプレート１０の厚み
ｔは、挿入口６の奥行寸法ｗより小さく設定されてい
る。

【００２０】図１に示す塵埃等の進入が防止された閉塞
状態からディスクカートリッジ４が装置内へ押し込まれ
ると、図２に示すように、バネ１２の付勢力に抗してシ
ャッタプレート１０が押し込み力で装置内方へ回動し、
ディスクカートリッジ４の進入が許容される。ディスク
カートリッジ４が装置内の所定位置に入り込んでディス
クカートリッジ４とシャッタプレート１０との当接が外
れると、シャッタプレート１０はバネ１２の付勢力で閉
塞位置Ｐに戻り、図１に示す状態となる。これによっ
て、ロード中においても挿入口６が閉塞され、塵埃等の
侵入が阻止される。

【００２１】また、ロード終了に伴ってディスクカート
リッジ４が装置内の駆動力で排出されると、図３に示す
ように、シャッタプレート１０は排出力で装置外方へ回
動し、ディスクカートリッジ４の排出移動が許容され
る。ディスクカートリッジ４が完全に排出されてシャッ
タプレート１０との当接が外れると、シャッタプレート
１０はバネ１２の付勢力で閉塞位置Ｐに戻り、図１に示
す状態となる。

【００２２】ここで、バネ１２の弾性力は、シャッタプ
レート１０を閉塞位置Ｐに保持可能とすると共にディス
クカートリッジ４の排出力で伸長する範囲内に設定され
ている。

【００２３】このように、ディスクカートリッジ４の挿
入力・排出力を開閉機構８の駆動力として利用すること
により、シャッタプレート１０を駆動するための新たな
アクチュエータの付加構成が不要となり、これにより、
開閉機構８全体が挿入口６内に収まるという、究極的な
構成の簡易化および省スペース化を達成されるようにな
っている。

【００２４】次に、本発明の他の実施例を図４乃至図６
に基づいて説明する。

【００２５】この例に示す開閉機構１８は、図４に示す
ように、挿入口６の略半分の面積を有すると共に，挿入
口６の上下端部にそれぞれ一端側を回動自在に支持され
た二枚のシャッタプレート２０，２２と、これらのシャ
ッタプレート２０，２２を常時閉塞位置に位置するよう
に設定された弾性部材としてのバネ２４，２６とから構
成されており、詳しくは、各シャッタプレート２０，２
２は挿入口６の中央部で相互に重なり合う部分ＣＦを有
する大きさに設定されている。

【００２６】各バネ２４，２６はそれぞれシャッタプレ
ート２０，２２の自由端側に形成された係止部２８，３
０と、相手方の回動軸３２，３４との間に張設されてい
る。各シャッタプレート２０，２２は相互に重なり合う
ように設定されているため、各係止部２８，３０と、相
手方の回動軸３２，３４との間には水平方向に寸法ｓの
心ずれが存在する。このため、シャッタプレート２０に
は回動力Ｆが生じ、シャッタプレート２２には反対向き
の回動力Ｆが生じている。従って、閉塞位置において重
なり合う部分ＣＦは常に密着しており、２枚構成から懸
念される塵埃の侵入が良好に阻止される。ここで、バネ
２４，２６の弾性力は、上記例と同様である。

【００２７】図４に示す閉塞位置からディスクカートリ
ッジ４が装置内へ押し込まれると、図５に示すように、
各シャッタプレート２０，２２が内方へ回動し、上記例
と同様に、ディスクカートリッジ４の進入後は図４の閉
塞位置に戻る。また、ディスクカートリッジ４の排出に
おいても上記例と同様に、図６に示すように、排出力で
シャッタプレート２０，２２が外方へ回動し、ディスク
カートリッジ４との当接が外れた後、図１にの閉塞位置
に戻る。

【００２８】この例に示す開閉機構１８は、２枚構成で
あるために上記例に比べて幾分構成が複雑となるが、装
置内における各シャッタプレート２０，２２の回動に必
要な水平寸法ｈ₂ が一枚構成の場合のｈ₁ に比べて約半
分となるため、装置内の省スペース化の観点から極めて
有利となる。

【００２９】ここで、上記各例では各構成要素を特定の
形状・部材で示したが、これに限定される趣旨ではな
く、上記の構成の簡易化並びに省スペース化を満足する
範囲で適宜に設計変更又は部材選択できるものである。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、本発明によると、ディス
クカートリッジの挿入体の挿入力・排出力を利用する構
成であるので、シャッタプレートを開閉するための新た
なアクチュエータを設ける必要がなく、よって挿入口内
に収まり得る究極的な構成の簡易化並びに省スペース化
を実現でき、ひいては装置の長寿命化並びに小型化に寄
与することができ、更に、二枚のシャッタプレートを有
する場合には、装置内での奥行寸法を約半分にできるの
で、より一層の省スペース化を図り得るという従来にな
い優れたディスク装置を提供することができる。加え
て、各シャッタプレートは相互に重なり合うように設定
されているため、シャッタプレートには回動力が生じ、
各シャッタプレートの相互間には反対向きの回動力が生
じる。従って、閉塞位置において重なり合う部分は常に
密着しており、２枚構成から懸念される塵埃の侵入が良
好に阻止される、という優れた効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるディスク装置の一部を成すシャ
ッタプレート部分の一例を示す概略断面図である。

【図２】図１の動作を示す図で、ディスクカ−トリッジ
の押し込み操作時の状態を示す動作説明図である。

【図３】図１の動作を示す図で、ディスクカ−トリッジ
の排出操作時の状態を示す動作説明図である。

【図４】本発明にかかるディスク装置の一部を成すシャ
ッタ部分の他の例を示す概略断面図である。

【図５】図４の動作を示す図で、ディスクカ−トリッジ
の押し込み操作時の状態を示す動作説明図である。

【図６】図４の動作を示す図で、ディスクカ−トリッジ
の排出操作時の状態を示す動作説明図である。

【符号の説明】

４ ディスクカートリッジ ６ 開口部としての挿入口 １０，２０，２２ シャッタプレート １２，２４，２６ 弾性部材としてのバネ ＣＦ 重なり合う部分 Ｐ 閉塞位置

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体を収納したディスクカートリッ
   ジを装置本体の開口部から挿入して記録／再生を行うデ
   ィスク装置において、 前記装置本体の開口部に、該開口部を閉塞する面積を有
   し且つ当該開口部の内側及び外側の各方向に向けて回動
   自在に一端部が装備されたシャッタプレートと、このシ
   ャッタプレートに係合され該シャッタプレートを閉塞位
   置への元位置復帰力を常時付勢する弾性部材とを装備
   し、 前記シャッタプレートを、前記開口部中央で先端部が相
   互に当接する二枚のシャッタプレートにより構成すると
   共に、各シャッタプレートの基端部を前記開口部端縁に
   回転自在に連結し、 前記弾性部材を引っ張りバネで構成すると共に、この弾
   性部材を前記各シャッタプレートの自由端側に形成され
   た係止部と、相手方の回動軸との間に張設したことを特
   徴とするディスク装置。